(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005484
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】太陽光パネル支持台
(51)【国際特許分類】
E04D 13/18 20180101AFI20240110BHJP
H02S 20/23 20140101ALI20240110BHJP
【FI】
E04D13/18 ETD
H02S20/23 B
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022105684
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】山田 真志
(72)【発明者】
【氏名】タンワー・カラパクディー
(72)【発明者】
【氏名】アッカラポン・トンギーラウ
(72)【発明者】
【氏名】ポーンテープ・タラプーム
(72)【発明者】
【氏名】カニット・デッブラム
【テーマコード(参考)】
2E108
【Fターム(参考)】
2E108KK01
2E108LL01
2E108MM06
2E108NN07
(57)【要約】
【課題】意匠性を確保しつつ、配線材の損傷を抑制できる太陽光パネル支持台を提供すること。
【解決手段】太陽光パネル支持台40,50は、屋根体12に固定されると共に太陽光パネル70を支持する固定金具41,51と、固定金具41,51の端部に取り付けられる樹脂製のカバー材43,53と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋根体に固定されると共に太陽光パネルを支持する固定金具と、
前記固定金具の端部に取り付けられる樹脂製のカバー材と、を備える太陽光パネル支持台。
【請求項2】
前記カバー材は、前記固定金具の端部の一部が露出するように折り曲げ可能な折り曲げ可能部を有し、
前記カバー材における前記折り曲げ可能部が折り曲げられ前記固定金具の端部の一部が露出した部分において、前記固定金具に取り付けられる配線取付部材を備える、請求項1に記載の太陽光パネル支持台。
【請求項3】
前記折り曲げ可能部は、折り曲げ用溝を有し、前記折り曲げ用溝に沿って折り曲げられ除去可能である、
請求項2に記載の太陽光パネル支持台。
【請求項4】
前記カバー材は、前記屋根体の上面から隙間を空けた位置において前記固定金具の端部に取り付けられる、請求項1乃至3のいずれかに記載の太陽光パネル支持台。
【請求項5】
前記固定金具は、形材により構成され、水を端部側に流す排水流路を有し、
前記カバー材は、前記排水流路を流れる水を外部に排水する排水開口を有する、請求項1乃至3のいずれかに記載の太陽光パネル支持台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、太陽光パネル支持台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、屋根体に固定されると共に太陽光パネルを支持する固定金具と、固定金具の端部に取り付けられる金属製のカバー材と、を備える太陽光パネル支持台が知られている(例えば、特許文献1参照)。金属製のカバー材は、固定金具の端部を保護すると共に、固定金具の端部をカバーして意匠性を確保している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
太陽光パネル支持台において、固定金具の端部に配置される金属製のカバー材に配線材が接触すると、配線材が損傷して断線する可能性がある。
【0005】
本開示は、意匠性を確保しつつ、配線材の損傷を抑制できる太陽光パネル支持台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、屋根体に固定されると共に太陽光パネルを支持する固定金具と、前記固定金具の端部に取り付けられる樹脂製のカバー材と、を備える太陽光パネル支持台に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態に係る太陽光発電屋根を示す側面図である。
【
図2】太陽光発電屋根の太陽光パネル架台を示す斜視図である。
【
図6】配線取付部材が取り付けられた軒側端部支持台を示す斜視図である。
【
図7】軒側端部支持台に配線取付部材を取り付ける手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の一実施形態に係る太陽光パネル支持台としての太陽光パネル架台を含む太陽光発電屋根1について、図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態においては、屋根の棟側(上方側)を棟側X1とし、屋根の軒側(下方側)を軒側X2とする。
【0009】
図1に示すように、本実施形態の太陽光発電屋根1は、太陽光パネル支持構造10と、複数の太陽光発電パネル70(太陽光パネル)と、を備える。太陽光パネル支持構造10は、屋根体12に、太陽光発電パネル70を設置する構造である。複数の太陽光発電パネル70は、屋根体12の傾斜方向に沿って配置される。屋根体12は、上方側の棟側X1から、下方側の軒側X2まで下り傾斜で傾斜する。
【0010】
太陽光パネル支持構造10は、
図1~
図3Bに示すように、下地材11と、屋根体12を構成する複数のスレート121(屋根材)と、複数の太陽光パネル架台20(太陽光パネル支持台)と、軒側下端傾斜カバー60と、を備える。
【0011】
下地材11は、所定の傾斜角度で傾斜して傾斜方向に延びる。下地材11の傾斜角度は、建物の屋根の傾斜角度となる。下地材11は、屋根体12を構成する複数のスレート121の下地となる。下地材11は、例えば、野地板の上部に防水シートが配置されることなどにより構成される。下地材11は、例えば、建物の屋根の骨組みである複数の垂木(図示せず)の上に配置される。
【0012】
屋根体12は、
図2~
図3Bに示すように、下地材11の上方に配置される。屋根体12は、複数のスレート121(屋根材)により構成される。本実施形態においては、スレート121は、平面状の板材により形成される。複数のスレート121は、下地材11上において、所定の重なり幅でオーバーラップされて連続して傾斜方向に並んで配置されている。
【0013】
複数のスレート121は、スレート121の棟側X1(上方側)の端部側の上面に、別のスレート121の軒側X2(下方側)の端部側が重なって、連続して配置されている。複数のスレート121は、それぞれ、下地材11に固定されている。
【0014】
屋根体12における2枚のスレート121が重なった部分の境界には、
図2~
図3Bに示すように、棟側X1(上方側)のスレート121が上段に位置し、かつ、軒側X2(下方側)のスレート121が下段に位置することにより、段差13が形成される。段差13は、上方側のスレート121の傾斜方向の軒側X2の端面により形成され、スレート121の上面における屋根体12の軒側X2の端部から立ち下がる。
【0015】
太陽光パネル架台20は、
図2~
図3Bに示すように、屋根体12上に配置される。太陽光パネル架台20は、太陽光発電パネル70を屋根体12に固定するために用いられる。太陽光パネル架台20は、屋根体12及び下地材11上に固定される。また、太陽光パネル架台20は、太陽光発電パネル70を支持する。
【0016】
太陽光発電パネル70は、
図1及び
図2に示すように、太陽光発電屋根1の屋根体12の傾斜方向に複数枚が併設されると共に、屋根体12の傾斜方向と直交する方向に複数枚が並設され、複数の太陽光パネル架台20により固定支持される。
【0017】
複数の太陽光パネル架台20は、棟側端部支持台30と、複数の中間支持台40と、軒側端部支持台50と、により構成される。棟側端部支持台30、複数の中間支持台40及び軒側端部支持台50は、屋根体12の傾斜方向に並んで配置されている。
【0018】
棟側端部支持台30は、
図2及び
図3Aに示すように、屋根体12の傾斜方向の棟側X1(上方側)の端部側に配置される。棟側端部支持台30は、棟側端部支持台30に対して軒側X2に配置される太陽光発電パネル70における棟側X1の端部を支持する。棟側端部支持台30は、固定金具31と、パネル押さえ金具32と、樹脂製の軒側端部カバー材33(カバー材)と、樹脂製の棟側端部カバー材34と、を備える。
【0019】
複数の中間支持台40は、
図2及び
図3Aに示すように、棟側端部支持台30の軒側X2に配置される。中間支持台40は、中間支持台40に対して棟側X1に配置される太陽光発電パネル70の軒側X2の端部を支持すると共に、中間支持台40に対して軒側X2に配置される太陽光発電パネル70の棟側X1の端部を支持する。中間支持台40は、固定金具41と、パネル押さえ金具42と、樹脂製の軒側端部カバー材43(カバー材)と、を備える。
【0020】
軒側端部支持台50は、
図2及び
図3Bに示すように、屋根体12の傾斜方向の軒側X2(下方側)の端部側に配置される。軒側端部支持台50は、軒側端部支持台50に対して棟側X1に配置される太陽光発電パネル70の軒側X2の端部を支持する。
図4及び
図5に示すように、軒側端部支持台50は、固定金具51と、パネル押さえ金具52と、樹脂製の軒側端部カバー材53(カバー材)と、を備える。
【0021】
また、詳細については後述するが、
図2に示すように、本実施形態においては、中間支持台40のうち、左右方向の一方側に配置される中間支持台40Aは、
図6に示すように、軒側端部カバー材43の折り曲げ可能部433が折り曲げられて、配線取付部材45が取り付けられている。また、棟側端部支持台30のうち、左右方向の一方側に配置される棟側端部支持台30Aは、
図2に示すように、軒側端部カバー材33の折り曲げ可能部(図示せず)が折り曲げられて、配線取付部材35が取り付けられている。
【0022】
棟側端部支持台30、複数の中間支持台40及び軒側端部支持台50は、
図2~
図3Bに示すように、屋根体12の傾斜方向において、複数のスレート121における所定位置の段差13を跨いで配置され又は跨がずに配置される。
【0023】
棟側端部支持台30、中間支持台40及び軒側端部支持台50が、複数のスレート121における所定位置の段差13を跨いで配置される場合には、下方側のスレート121の上面に、段差13と同じ厚さのスペーサ14が配置される。これにより、上方側のスレート121の上面と同一平面となるようにスペーサ14が配置されることで、スレート121の段差13に対応できる。棟側端部支持台30、中間支持台40及び軒側端部支持台50は、段差13がない部分に取り付けられ、又は、段差13に対応するために配置されたスペーサ14とスレート121とに跨って取り付けられる。
【0024】
棟側端部支持台30、中間支持台40及び軒側端部支持台50において、固定金具31,41,51及びパネル押さえ金具32,42,52は、同様の構成である。そのため、軒側端部支持台50の構成について主に説明し、異なる構成については個別に説明する。中間支持台40の構成の説明において、軒側端部支持台50の各構成と同様の各構成については、軒側端部支持台50の各構成の符号の最上位桁の数字を「5」から「4」に変更して読み替えて、その説明を省略することがある。
【0025】
軒側端部支持台50において、
図2及び
図3Bに示すように、固定金具51は、屋根体12の傾斜方向に延びる形材により構成される。固定金具51は、屋根体12の傾斜方向に傾斜した状態で、屋根体12に固定される。固定金具51は、太陽光発電パネル70を支持する。
【0026】
図4及び
図5に示すように、固定金具51は、屋根体12の傾斜方向に延びる中空状の中空部511と、中空部511の上部から凹んで屋根体の傾斜方向に延びる凹部512と、凹部512の上部において幅方向の両側の側方の外側に凹む一対の上部溝513と、中空部511の下端において中空部511の幅方向の両側の外側に延びる一対の下端幅方向延在板514と、を有する。
【0027】
一対の上部溝513は、固定金具51の上部において屋根体12の傾斜方向に直交する方向に離れて配置される。一対の上部溝513は、固定金具51の中空部511の上部において屋根体12の傾斜方向に直交する方向の内側が開放して互いに対向する溝状に形成される。
【0028】
一対の上部溝513には、裏板部材515の両端部が配置される。裏板部材515は、固定金具51の上方側に配置されるパネル押さえ金具52(後述)に、上下方向に延びるボルト516により固定される。裏板部材515の両端部が一対の上部溝513に配置されて屋根体12の傾斜方向に移動可能に構成されることで、裏板部材515に固定されたパネル押さえ金具52は、屋根体12の傾斜方向にスライド移動可能である。
【0029】
中空部511の凹部512には、
図3Bに示すように、パネル押さえ金具52と裏板部材515とを固定するボルト516の頭部516aが配置される。固定金具51の上面には、太陽光発電パネル70が配置される。凹部512は、屋根体12の傾斜方向に延びて形成される。凹部512は、屋根体12の軒側X2の端部側に水を流す排水流路を構成する。
【0030】
パネル押さえ金具52は、
図3A~
図5に示すように、太陽光発電パネル70を厚さ方向に押さえることが可能な距離だけ、固定金具51の上方側に離れて配置されている。パネル押さえ金具52は、屋根体12の傾斜方向に直交する方向に所定長さ延びる。
【0031】
パネル押さえ金具52は、
図4及び
図5に示すように、屋根体12の傾斜方向に直交する方向に所定長さ延びる断面U字状のU字部材521と、U字部材521の棟側X1の端部から棟側X1に突出する棟側突出片522と、U字部材521の軒側X2の端部から軒側X2に突出する軒側突出片523と、を有する。U字部材521の底面板は、ボルト516により、一対の上部溝513に配置される裏板部材515に固定される。
【0032】
パネル押さえ金具52において、
図3Bに示すように、軒側突出片523は、パネル押さえ金具52に対して軒側X2に配置された軒側支持部材528を押さえ、棟側突出片522は、パネル押さえ金具52に対して棟側X1に配置された太陽光発電パネル70の軒側X2の端部を上方側から押さえる。軒側支持部材528は、L字状に形成され、パネル押さえ金具52と屋根体12とを固定するボルト516により共締めされている。
【0033】
軒側支持部材528には、樹脂製の軒側下端傾斜カバー60が取り付けられる。軒側下端傾斜カバー60は、屋根体12の傾斜方向の最も軒側X2に配置される太陽光発電パネル70の軒側X2に取り付けられる。軒側下端傾斜カバー60は、
図3Bに示すように、棟側X1から軒側X2に向かうに従って下り傾斜の下り傾斜面を有し、太陽光発電屋根1の軒先に配置される。軒側下端傾斜カバー60は、太陽光発電屋根1の屋根体12の傾斜方向に直交する方向に延びる。軒側下端傾斜カバー60は、太陽光発電パネル70の軒先を覆う。これにより、太陽光発電パネル70の軒先の意匠性が高められている。
【0034】
軒側端部支持台50において、
図4及び
図5に示すように、軒側端部カバー材53は、固定金具51における屋根体12の軒側X2の端部(屋根体12の傾斜方向の下端部)に取り付けられている。軒側端部カバー材53は、固定金具51の軒側X2の端部において開口する小口のほとんどを覆うようにカバーする。樹脂製の軒側端部カバー材53は、樹脂材料により形成される。
【0035】
軒側端部カバー材53は、
図3Bに示すように、固定金具51の屋根体12の軒側X2の端部において、中空部511の底板511aの上面から上方側に隙間を空けた位置に配置され、屋根体12のスレート121の上面から上方側に隙間を空けた位置において固定金具51に取り付けられる。これにより、中空部511の底板511aの上面を流れる水を、隙間を通して、屋根体12の傾斜方向の下側に排水できる。
【0036】
ここで、太陽光発電屋根1において、
図2に示すように、電気配線用のケーブル301,401(配線材)が、屋根体12の上面において配線されている。屋根体12の上面には、太陽光パネル架台20(棟側端部支持台30、複数の中間支持台40、軒側端部支持台50)が固定さている。そのため、ケーブル301,401は、太陽光パネル架台20(棟側端部支持台30、複数の中間支持台40)の端部に接触したり、曲げられて配線されることで、太陽光パネル架台20(棟側端部支持台30、複数の中間支持台40)の角に接触することがある。
【0037】
これに対して、棟側端部支持台30及び中間支持台40において、軒側端部カバー材33,43は、樹脂材料により形成される。これにより、棟側端部支持台30及び中間支持台40の軒側X2の端部にケーブル301,401(配線材)が接触した場合や、棟側端部支持台30及び中間支持台40の軒側X2の端部の角において曲げられたケーブル301,401(配線材)が接触した場合においても、軒側端部カバー材33,43が樹脂材料により形成されるため、ケーブル301,401の損傷を抑制できる。
【0038】
軒側端部支持台50において、軒側端部カバー材53は、
図4及び
図5に示すように、表面板部531と、表面板部531の背面から固定金具51側に突出する突出部532と、を有する。
【0039】
表面板部531は、方形板状に形成され、固定金具51における屋根体12の軒側X2の端部に配置される。表面板部531は、固定金具51の中空部511の下端面の上部側の部分を覆うように配置される。突出部532は、下方側が開放するU字状に形成され、固定金具51の軒側X2の端部に挿入される。突出部532は、固定金具51の軒側X2の端部に挿入された状態で、ネジ532aにより、固定金具51の凹部512の底部の上面に固定される。
図3Bに示すように、ネジ532aの頭部532bは、凹部512においてボルト516の頭部516aの軒側X2に配置されており、スライド移動可能なボルト516の抜け止めのためのストッパーとして機能する。
【0040】
表面板部531は、
図5に示すように、一対の折り曲げ可能部533と、一対の折り曲げ用溝534と、上部排水開口535(排水開口)と、を有する。
【0041】
上部排水開口535は、
図4に示すように、表面板部531の上部において、表面板部531を厚さ方向に貫通する方形状に形成される。上部排水開口535は、底辺535aが、固定金具51の中空部511の上側の凹部512の底部の上面と同じ高さに形成される。これにより、中空部511の上側の凹部512の底部の上面を屋根体12の傾斜方向の下流側に流れる水を、軒側端部支持台50の外部に排水する。
【0042】
折り曲げ可能部533は、表面板部531の左右方向の両端部において、上下方向の途中に配置され、上下方向に延びる方形板状に形成される。一対の折り曲げ可能部533は、表面板部531の左右方向の両端に折り曲げ用溝534を介して接続される。
【0043】
折り曲げ用溝534は、例えば、折り曲げやすさの観点から、表面板部531の表面側から、断面が三角形状に窪む溝状に形成される。一対の折り曲げ可能部533は、それぞれ、表面板部531の幅方向の両端において折り曲げ用溝534に沿って折り曲げられることで、軒側端部カバー材53から除去されない状態で、折り曲げ用溝534において折り曲げ可能である。軒側端部カバー材53が樹脂材料で形成されるため、折り曲げ用溝534において容易に折り曲げることができる。
【0044】
一対の折り曲げ可能部533は、軒側端部カバー材53が固定金具51に取り付けられた状態において、それぞれ、背面側に、固定金具51の中空部511の縦板511b(
図5参照)が配置される位置に設けられる。折り曲げ可能部533は、固定金具51の中空部511の縦板511bの軒側X2の端部(一部)が露出するように折り曲げ可能である。
【0045】
ここで、中間支持台40Aにおいて、
図6及び
図7に示すように、軒側端部カバー材43から、折り曲げ可能部433を軒側端部カバー材53から除去せずに折り曲げた後に、固定金具41の中空部411の縦板411bの軒側X2の端部が露出される。そして、固定金具41の中空部411の縦板411bの軒側X2の端部には、配線取付部材45を取り付けることができる。
【0046】
図6に示すように、中間支持台40Aにおいて、配線取付部材45は、軒側端部カバー材43における折り曲げ可能部433が折り曲げられて固定金具41の軒側X2の端部の一部が露出した部分において、固定金具41の中空部411の縦板411bの軒側X2の端部に取り付けられる。
図7の上図及び下図に示すように、折り曲げ可能部433を折り曲げて配線取付部材45を取り付けることで、中間支持台40Aの角においてケーブル401を曲げて配置する場合に、結束バンド402(
図6参照)を用いて、ケーブル401を配線取付部材45に容易に固定できる。配線取付部材45が固定金具41の中空部411の縦板411bの軒側X2の端部に取り付けられるため、固定金具41の中空部411の縦板411bの軒側X2の端部が覆われて外部から視認しにくい。
【0047】
配線取付部材45は、
図7の下図に示すように、金属製の固定用金属クリップ材451と、樹脂製の外部樹脂部材452と、を有する。固定用金属クリップ材451は、固定金具41の中空部411の縦板411bを挟むように、クリップ形状に形成される。固定用金属クリップ材451は、金属製であるため、固定金具41の中空部411の縦板411bに強固に固定できる。
【0048】
外部樹脂部材452は、被覆部453と、配線固定部454と、を有する。被覆部453は、固定用金属クリップ材451の外側に、固定用金属クリップ材451の外面を覆うように配置される。外部樹脂部材452は、樹脂材料により形成される。配線取付部材45の外面を構成する外部樹脂部材452が樹脂材料で形成されるため、ケーブル401(
図2参照)が接触しても、ケーブル401の損傷を抑制できる。
【0049】
配線固定部454は、結束バンド402(
図6参照)が取り付けられるように、
図7の下図に示すように、上部開口455a及び下部開口455bを上下方向に連通する連通部455と、軒側開口456と、側部に形成され上下方向に延びてスリット状に開口する一対のスリット開口457と、が形成されている。本実施形態においては、
図6に示すように、結束バンド402は、上部開口455a及び下部開口455bに通されて取り付けられている。なお、結束バンド402は、一対のスリット開口457に通されて取り付けられてもよい。
【0050】
軒側端部カバー材43において一方の折り曲げ可能部433を折り曲げて、配線取付部材45を取り付ける場合には、
図7の上図の状態から、
図7の下図に示す状態のように、軒側端部カバー材43の表面板部431において、一方側の折り曲げ用溝434において一方側の折り曲げ可能部533を折り曲げる。
【0051】
続けて、折り曲げ可能部433を折り曲げた部分において、
図7の下図に示すように、配線取付部材45を固定金具41の中空部411の縦板411bに取り付ける。そして、固定金具41の角においてケーブル401を曲げて、ケーブル401を、結束バンド402(
図6参照)により、配線取付部材45に固定する。これにより、
図6に示すように、固定金具41の角においてケーブル401を曲げた状態で、配線取付部材45に、ケーブル401を固定できる。樹脂製の軒側端部カバー材43は樹脂材料で形成されており、配線取付部材45の表面は樹脂材料により形成されるため、ケーブル401が損傷することを抑制できる。
【0052】
棟側端部支持台30及び中間支持台40について、軒側端部支持台50と異なる構成について説明する。
【0053】
図3Aに示すように、棟側端部支持台30のパネル押さえ金具32において、棟側突出片322は、パネル押さえ金具32に対して棟側X1に配置された棟側支持部材328を押さえ、軒側突出片323は、パネル押さえ金具32に対して軒側X2に配置された太陽光発電パネル70の棟側X1の端部を上方側から押さえる。棟側支持部材328は、L字状に形成され、パネル押さえ金具32と屋根体12とを固定するボルト316により共締めされている。
【0054】
また、
図3Aに示すように、棟側端部支持台30において、棟側端部カバー材34は、固定金具31の棟側X1の端部に取り付けられている。棟側端部カバー材34の構成は、前述した軒側端部支持台50の軒側端部カバー材53が固定金具51の軒側X2の端部に取り付けられるのに対して、棟側端部カバー材34が固定金具31の棟側X1の端部に取り付けられる点が異なるのみで、前述した軒側端部支持台50の軒側端部カバー材53と同様の構成であるため、説明を省略する。なお、棟側端部カバー材34は、棟側端部支持台30の固定金具31の棟側X1の端部を覆うように配置されるため、屋根体12の下方からは、視認されにくい。そのため、棟側端部支持台30の固定金具31の上端部には、棟側端部カバー材を設けなくてもよい。
【0055】
また、
図3Aに示すように、中間支持台40のパネル押さえ金具42において、棟側突出片422は、パネル押さえ金具42に対して棟側X1に配置された太陽光発電パネル70の軒側X2の端部を上方側から押さえ、軒側突出片423は、パネル押さえ金具42に対して軒側X2に配置された太陽光発電パネル70の棟側X1の端部を上方側から押さえる。中間支持台40には、棟側端部カバー材は設けられていない。
【0056】
以上の本実施形態によれば、以下のような効果が奏される。本実施形態の中間支持台40は、屋根体12に固定されると共に太陽光発電パネル70を支持する固定金具41と、固定金具41における屋根体12の軒側X2の端部に取り付けられる樹脂製の軒側端部カバー材43と、を備える。これにより、軒側端部カバー材43により、意匠性を確保しつつ、軒側端部カバー材43が樹脂製であることにより、ケーブル401(配線材)の損傷を抑制できる。
【0057】
また、本実施形態においては、軒側端部カバー材43は、固定金具41における屋根体12における軒側X2の端部の一部が露出するように折り曲げ可能な折り曲げ可能部433を有し、軒側端部カバー材43における折り曲げ可能部433が折り曲げられ固定金具41の端部の一部が露出した部分において、固定金具41に取り付けられる配線取付部材45を備える。これにより、軒側端部カバー材43が樹脂製であるため、折り曲げ可能部433を容易に折り曲げ可能であり、必要に応じて折り曲げ可能部433を折り曲げて固定金具41に配線取付部材45を取り付けることで、ケーブル401を中間支持台40の端部に容易に固定できる。また、折り曲げ可能部433を折り曲げるだけで除去しないでよいため、ゴミが出ずに、環境に配慮した設計が可能である。
【0058】
また、本実施形態においては、軒側端部カバー材43は、屋根体12の上面から上方側に隙間を空けた位置において、固定金具41における屋根体12の軒側X2の端部に取り付けられる。これにより、固定金具41を流れる水を、隙間を通して、屋根体12の傾斜方向の下側に排水できる。
【0059】
また、本実施形態においては、固定金具41は、形材により構成され、水を軒側X2の端部側に流す凹部412を有し、軒側端部カバー材43は、凹部412を流れる水を外部に排水する上部排水開口435を有する。これにより、中空部411の上側の凹部412を流れる水を、上部排水開口435を通して、中間支持台40の外部に容易に排水できる。
【0060】
以上、本開示の好ましい実施形態について説明したが、本開示は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0061】
例えば、前記実施形態においては、カバー材(軒側端部カバー材53)を、軒側端部支持台50の固定金具51の軒側X2の端部に取り付けて構成した。しかし、これに限定されない。カバー材を、軒側端部支持台50の固定金具51の棟側X1の端部に取り付けて構成してもよい。同様に、カバー材を、中間支持台40の固定金具41の棟側X1の端部に取り付けて構成してもよい。
【0062】
また、カバー材を軒側端部支持台50の固定金具51の棟側X1の端部に取り付けて構成する場合において、屋根体12が複数のスレート121で構成された場合に、屋根体12のスレート121の段差13において、屋根体12の下側のスレート121の上面から上側のスレート121の厚さの分だけ隙間を空けて、軒側端部カバーを固定金具51に取り付けることができる。これにより、軒側端部カバーの下方の隙間がスレート121の段差13を避けることができるため、屋根体12の傾斜方向において、軒側端部支持台50の固定金具51をスレート121の段差13に近づけて配置できる。よって、複数のスレート121で構成された屋根体12に太陽光パネル支持台を取り付ける場合に、取り付けスペースが小さい場合でも、太陽光パネル支持台の固定金具をスレート121の段差13に近づけて配置することができるため、取り付けスペースの省スペース化を実現できる。
【0063】
また、前記実施形態の中間支持台40においては、軒側端部カバー材43(カバー材)の折り曲げ可能部433を折り曲げるだけで除去しない状態で、配線取付部材45を固定金具41に取り付けたが、これに限定されない。軒側端部カバー材43(カバー材)の折り曲げ可能部433を折り曲げ用溝434に沿って折り曲げられ除去可能に構成してもよい。この場合、軒側端部カバー材43(カバー材)の折り曲げ可能部433を折り曲げ用溝434に沿って折り曲げて除去した後に、配線取付部材45を固定金具41に取り付けることができる。
【0064】
また、前記実施形態の中間支持台40においては、固定金具41の軒側X2の端部のみの角において、ケーブル401を配線取付部材45に固定した。しかし、ケーブル401を固定金具41の一方の端部のみの角において固定することには、限定されない。例えば、棟側端部支持台30又は中間支持台40において、固定金具31,41の軒側X2の端部の角部及び棟側X1の端部の角部の両方において、ケーブル301,401を配線取付部材に固定してもよい。また、ケーブル301,401を可撓電線筒の内部を通して束ねた場合に、固定金具31,41の端部の角部において、ケーブル301,401が通された可撓電線筒(配線材)を配線取付部材35,45に固定してもよい。
【符号の説明】
【0065】
12 屋根体、40 中間支持台(太陽光パネル支持台)、41 固定金具、43 軒側端部カバー材(カバー材)、45 配線取付部材、50 軒側端部支持台(太陽光パネル支持台)、51 固定金具、53 軒側端部カバー材(カバー材)、70 太陽光発電パネル(太陽光パネル)、401 ケーブル(配線材)、433 折り曲げ可能部、434 折り曲げ用溝、512 凹部(排水流路)、535 上部排水開口(排水開口)