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特開2024-54844誘導結合によって電力を消費体の方へワイヤレス伝送するための装置
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  • 特開-誘導結合によって電力を消費体の方へワイヤレス伝送するための装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054844
(43)【公開日】2024-04-17
(54)【発明の名称】誘導結合によって電力を消費体の方へワイヤレス伝送するための装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 6/12 20060101AFI20240410BHJP
   H05B 6/06 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
H05B6/12 328
H05B6/06 369
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023169754
(22)【出願日】2023-09-29
(31)【優先権主張番号】10 2022 210 534.6
(32)【優先日】2022-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】597022218
【氏名又は名称】エーゲーオー エレクトロ・ゲレーテバウ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100103816
【弁理士】
【氏名又は名称】風早 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120927
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 典子
(72)【発明者】
【氏名】エゲンター, クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ヴェシュテル, ウルリヒ
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー, マックス-フェリックス
(72)【発明者】
【氏名】ベルム, マティアス
【テーマコード(参考)】
3K059
3K151
【Fターム(参考)】
3K059AA02
3K059AA03
3K059AA08
3K059AA14
3K059AA18
3K059AC03
3K059AC07
3K059AC14
3K059AD28
3K059CD02
3K151CA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】操作に関連する測定値をできるだけ簡単かつ信頼性高く得る。
【解決手段】誘導結合によって電力を消費体(200)の方へワイヤレス伝送するため、及び/又は渦電流を誘導することによって調理器具の一部分を加熱するための装置(100)であって、装置が線間電圧(UN)からDC電圧(UG)を発生するための整流器(101)、パルス幅変調駆動信号(AS)を発生するように構成されるインバータ(102)、及び(AS)によって駆動され、かつ電力伝送及び測定目的のために交番磁界を発生するように構成される電力コイル(103)を含み、第一操作モード(B1)において、(102)が、(UG)の関数として電力伝送のための(AS)を発生するように構成され、第二操作モード(B2)において、(102)が、測定電圧(UM)に依存して測定目的のための(AS)を発生するように構成され、(UG)が、第二操作モード中、(UM)より高い。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘導結合によって電力を消費体(200)の方へワイヤレス伝送するため、及び/又は渦電流を誘導することによって調理器具(200)の一部分を加熱するための装置(100)であって、
- 線間電圧(UN)からDC電圧(UG)を発生するための整流器(101)、
- パルス幅変調駆動信号(AS)を発生するように構成されるインバータ(102)、及び
- パルス幅変調駆動信号(AS)によって駆動され、かつ電力伝送及び測定目的のために交番磁界を発生するように構成される電力コイル(103)、
を含む装置(100)において、
- 第一操作モード(B1)において、インバータ(102)が、DC電圧(UG)の関数として電力伝送のためのパルス幅変調駆動信号(AS)を発生するように構成され、
- 第二操作モード(B2)において、インバータ(102)が、測定電圧(UM)に依存して測定目的のためのパルス幅変調駆動信号(AS)を発生するように構成され、DC電圧(UG)が、第二操作モード中、測定電圧(UM)より高い、
ことを特徴とする装置(100)。
【請求項2】
以下の特徴を有する、請求項1に記載の装置(100):
- インバータが、第一半導体スイッチング手段(104)、第二半導体スイッチング手段(105)、及び第三半導体スイッチング手段(106)を有し、
- 第一半導体スイッチング手段(104)及び第二半導体スイッチング手段(105)が、第一回路ノード(107)と第二回路ノード(108)の間で直列にループ状にされ、DC電圧(UG)が、第一回路ノード(107)と第二回路ノード(108)の間に存在し、第一半導体スイッチング手段(104)及び第二半導体スイッチング手段(105)の接続ノード(109)が、電力コイル(103)に電気接続され、
- 第三半導体スイッチング手段(106)及び第一半導体スイッチング手段(104)が、第三回路ノード(110)と第二回路ノード(108)の間で直列にループ状にされ、測定電圧(UM)が、第三回路ノード(110)と第二回路ノード(108)の間に存在する。
【請求項3】
以下の特徴を有する、請求項2に記載の装置(100):
- インバータ(102)が、分離ダイオード(111)を有し、第三半導体スイッチング手段(106)、分離ダイオード(111)、及び第一半導体スイッチング手段(104)が、第三回路ノード(110)と第二回路ノード(108)の間で直列にループ状にされる。
【請求項4】
以下の特徴を有する、請求項2に記載の装置(100):
- インバータ(102)が、第四半導体スイッチング手段(112)を有し、第三半導体スイッチング手段(106)、第四半導体スイッチング手段(112)、及び第一半導体スイッチング手段(104)が、第三回路ノード(110)と第二回路ノード(108)の間で直列にループ状にされる。
【請求項5】
以下の特徴を有する、請求項2~4のいずれかに記載の装置(100):
- パルス幅変調駆動信号(AS)を発生するための第一操作モード中、第一半導体スイッチング手段(104)及び第二半導体スイッチング手段(105)のスイッチング状態が連続的に変更される。
【請求項6】
以下の特徴を有する、請求項5に記載の装置(100):
- 第一操作モード中、第三半導体スイッチング手段(106)のスイッチング状態が変更されないままである。
【請求項7】
以下の特徴を有する、請求項2~6のいずれかに記載の装置(100):
- パルス幅変調駆動信号(AS)を発生するための第二操作モード中、第一半導体スイッチング手段(104)及び第三半導体スイッチング手段(106)のスイッチング状態が連続的に変更され、第二半導体スイッチング手段(105)のスイッチング状態が変更されないままである。
【請求項8】
以下の特徴を有する、請求項1~7のいずれかに記載の装置(100):
- 測定目的が、電力コイル(103)の発生した磁界の活性領域における物体の特性を決定することを含む。
【請求項9】
物体が、調理器具(200)の部分であることを特徴とする請求項8に記載の装置(100)。
【請求項10】
測定目的が、伝達関数を決定することを含み、伝達関数が、電気消費体(200)の方へ装置(100)によって伝達可能な周波数にわたる電力を特徴づけることを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の装置(100)。
【請求項11】
測定目的が、特性周波数を決定することを含み、電力コイル(103)に存在する電圧と電力コイル(103)中を流れる電流の間の特定の位相角が、特性周波数で優勢であることを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の装置(100)。
【請求項12】
電流及び/又は電圧及び/又は電流と電圧の間の位相角が、測定目的のために評価されることを特徴とする請求項1~11のいずれかに記載の装置(100)。
【請求項13】
第二操作モードにおいて、交番磁界の活性領域におけるセンサーが、操作電力を供給されることを特徴とする請求項1~12のいずれかに記載の装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の目的は、誘導結合によって電力を消費体の方へワイヤレス伝送するため、及び/又は渦電流を誘導することによって調理器具の一部分を加熱するための装置を提供することであり、それによって操作に関連する測定値をできるだけ簡単かつ信頼性高く得ることができる。
【発明の概要】
【0002】
本発明による装置は、誘導結合によって電力を消費体の方へワイヤレス伝送するため、及び/又は渦電流を誘導することによって調理器具の一部分を加熱するために構成される。消費体は、例えば調理器具の一般的な誘導加熱可能な部分及び/又は誘導結合によって電力を供給される電気消費体(それはワイヤレス電力伝送(WPT)としても知られる)であることができる。WPTの基本原理に関しては、関連する専門文献を参照されたい。装置は、例えば誘導加熱ユニットを形成してもよく、及び/又はWPC(ワイヤレスパワーコンソーシアム)Ki(コードレスキッチン)法に従って操作されてもよい。
【0003】
装置は、特定の正弦波線間電圧からDC電圧又はDCリンク電圧を発生するために一般的な単相又は多相の整流器を有する。
【0004】
装置はさらに、パルス幅変調駆動信号を発生するために構成されるインバータを含む。インバータは、例えばハーフブリッジインバータ又はフルブリッジインバータであることができる。
【0005】
装置はさらに、パルス幅変調駆動信号によって駆動される電力コイルを有し、その電力コイルは、電力伝送及び測定目的のために交番磁界を発生することができる。駆動信号は、例えば駆動電圧であることができる。
【0006】
第一操作モードにおいて、インバータは、電力伝送のためのDC電圧から又はDC電圧の関数としてパルス幅変調駆動信号を発生するように構成される。第一操作モードにおいて、駆動信号は、一般的に電力設定値に依存した操作値又は電力設定値に適した操作値を有する。操作値は、ここでは特に駆動信号の一つ以上の特性、例えば振幅、デューティファクタ、及び/又は駆動信号の周波数を示す。
【0007】
第二操作モードにおいて、インバータは、測定電圧に依存して又は測定電圧から測定目的のためのパルス幅変調駆動信号を発生するように構成され、第二操作モード中、DC電圧は、測定電圧より常に大きいことが好ましい。
【0008】
一つの実施形態では、インバータは、第一半導体スイッチング手段、第二半導体スイッチング手段、及び第三半導体スイッチング手段を有し、例えば各場合においてIGBTの形である。第一半導体スイッチング手段及び第二半導体スイッチング手段は、第一回路ノードと第二回路ノードの間で直列にループ状にされ、DC電圧は、第一回路ノードと第二回路ノードの間に存在し、第一半導体スイッチング手段及び第二半導体スイッチング手段の接続ノードは、電力コイルに電気接続される。第三半導体スイッチング手段及び第一半導体スイッチング手段は、第三回路ノードと第二回路ノードの間で直列にループ状にされ、第三回路ノードと第二回路ノードの間に測定電圧が存在する。基準電位、例えば接地電位は、第二回路ノードに存在してもよい。
【0009】
本願の目的のため、回路ノードは、特に同一電位を持つ電気的に相互接続される回路構成要素を意味するものとしてとられる。
【0010】
一つの実施形態では、インバータは、分離ダイオードを有し、第三半導体スイッチング手段、分離ダイオード、及び第一半導体スイッチング手段は、第三回路ノードと第二回路ノードの間で直列にループ状にされる。
【0011】
一つの実施形態では、インバータは、第四半導体スイッチング手段を有し、第三半導体スイッチング手段、第四半導体スイッチング手段、及び第一半導体スイッチング手段は、第三回路ノードと第二回路ノードの間で直列にループ状にされる。
【0012】
一つの実施形態では、パルス幅変調駆動信号を発生するための第一操作モード中、第一半導体スイッチング手段及び第二半導体スイッチング手段のスイッチング状態は、連続的に変更される。
【0013】
一つの実施形態では、第三半導体スイッチング手段のスイッチング状態は、第一操作モード中に変更されないままである。
【0014】
一つの実施形態では、パルス幅変調駆動信号を発生するための第二操作モード中、第一半導体スイッチング手段及び第三半導体スイッチング手段のスイッチング状態は、連続的に変更され、第二半導体スイッチング手段のスイッチング状態は、変更されないままである。
【0015】
一つの実施形態では、測定目的は、電力コイルの発生した磁界の活性領域中の物体の特性を決定することを含む。
【0016】
一つの実施形態では、物体は、調理器具の部分であり、本発明によれば、例えばそれらのサイズ及び材料が決定可能である。
【0017】
一つの実施形態では、測定目的は、伝達関数を決定することを含む。特に、伝達関数は、消費体の方へ装置によって伝達可能な周波数にわたる電力を特徴づける。
【0018】
一つの実施形態において、測定目的は、特性周波数を決定することを含み、電力コイルに存在する電圧と電力コイル中を流れる電流の間の特定の位相角が、特性周波数に存在する。
【0019】
一つの実施形態において、電流及び/又は電圧及び/又は電流と電圧の間の位相角は、測定目的のために評価される。
【0020】
一つの実施形態において、第二操作モードでは、交番磁界の活性領域におけるセンサーは、操作電力を供給される。
【0021】
例えば家庭用電化製品のための、電力の誘導伝送のためのインバータは、一般的に線間電圧を供給され、そこでは線間電圧が整流される。続くDCリンクは、インバータのHF電流を短絡するためのリンクコンデンサを要求する。リンクコンデンサは、一般的にDCリンク電圧が脈動式で線間電圧に従うように幾分小さく選択される。十分に高い電力伝送では、DCリンクは、ゼロクロスオーバでほとんど完全に放電され、従ってゼロクロスオーバのまわりの時間間隔では、低い、通常は一定の、独立した測定電圧が発生又は供給され、そこではそれは、より高いDCリンク電圧でダイオードを介して結合される。これに関しては、例えばDE102009047185B4を参照されたい。
【0022】
ゼロクロスオーバの領域において一定の、低い測定電圧を使用すると、インバータを好適に駆動し、誘導加熱コイルを通る又は誘導加熱コイルでの電流及び/又は電圧を測定することによって誘導加熱コイルのカバレッジのためのセンサー機能を実施することが可能である。例えば、調理器具の一部分によるカバレッジの程度又は調理器具の温度変化は、伝送された電力の有意な変化なしに測定されることができる。低い測定電圧は、共振周波数の領域における低インピーダンスセンサーのためには特に有利である。なぜなら生じる電流が極めて大きくなりうるからである。
【0023】
コードレス消費体に誘導供給するためのインバータの場合には、測定電圧は、例えば物体検出のための励起を発生し、それによって電力伝送前に使用者によって除去されなければならない電力コイルの上の金属物体を検出することが可能である。なぜならこれらの物体は、意図せずに高温に加熱されうるからである。この点については、例えばEP3836352A1を参照されたい。
【0024】
本発明は、高いDCリンク電圧又は不十分に放電されたDCリンクであっても、測定電圧で電力コイルを駆動し、従って低い電圧レベルでの測定機能を実現することを可能にする。本発明のおかげで、DCリンクを測定電圧より低いレベル又は測定電圧に等しいレベルまで能動的に放電する必要性は特にない。第一操作モードを開始する前、DCリンクは、一般的に線間電圧の振幅で充電される。低電力で操作する場合であっても、DCリンクは、充分に放電されない。それは、第二操作モード前の能動的な放電が従来技術では必要である理由である。本発明は、対応する放電回路の構成要素をなしで済まし、それらがもたらす損失を少なくすることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明は、図面を参照して以下により詳細に記載される。
図1図1は、第一実施形態による、誘導結合によって電力を消費体の方へワイヤレス伝送するための装置の回路図を示す。
図2図2は、第二実施形態による、誘導結合によって電力を消費体の方へワイヤレス伝送するための装置の回路図を示す。
図3図3は、図1に示された実施形態の半導体スイッチング手段の駆動信号の時間プロファイルを示す。
図4図4は、図2に示された実施形態の半導体スイッチング手段の駆動信号の時間プロファイルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、誘導結合によって調理器具の誘導加熱可能な部分の形の消費体200の方へ電力をワイヤレス伝送するための装置100を示す。装置100は、誘導加熱ユニットを形成することができる。
【0027】
装置100は、正弦波線間電圧UNからリンクコンデンサ120によって緩衝されるDCリンク電圧又はDC電圧を発生するための一般的なブリッジ整流器101、パルス幅変調駆動信号ASを発生するように構成されるインバータ102、及びパルス幅変調駆動信号ASによって駆動され、かつ電力伝送及び測定目的のために交番磁界を発生することができる電力コイル103を有する。電力コイル103は、一般的な誘導加熱コイルであることができる。
【0028】
第一操作モードでは、インバータ102は、電圧UGの関数として電力伝送のためのパルス幅変調駆動信号ASを発生するように構成され、第二操作モードでは、測定目的のための測定電圧UMに依存してパルス幅変調駆動信号ASを発生するように構成され、DC電圧UGは、第二操作モード中、測定電圧UMより大きい。測定電圧UMは、例えば5V~40Vの範囲の電圧であることができる。測定電圧UMは、DC電圧UGから独立している。
【0029】
インバータ102は、信号S2によって駆動される第一半導体スイッチング手段104、信号S1によって駆動される第二半導体スイッチング手段105、及び信号S3によって駆動される第三半導体スイッチング手段106を有する。
【0030】
第一半導体スイッチング手段104及び第二半導体スイッチング手段105は、第一回路ノード107と第二回路ノード108の間で直列にループ状にされ、DC電圧UGは、第一回路ノード107と第二回路ノード108の間に存在し、第一半導体スイッチング手段104及び第二半導体スイッチング手段105の接続ノード109は、電力コイル103に電気接続される。
【0031】
第三半導体スイッチング手段106及び第一半導体スイッチング手段104は、第三回路ノード110と第二回路ノード108の間で直列にループ状にされ、測定電圧UMは、第三回路ノード110と第二回路ノード108の間に存在する。
【0032】
還流ダイオード113,114、及び115は、それぞれ半導体スイッチング手段104,105、及び106に対して並列に接続される。
【0033】
スナバコンデンサ116は、半導体スイッチング手段105に対して並列に接続され、スナバコンデンサ117は、半導体スイッチング手段104に対して並列に接続される。
【0034】
コンデンサ118及び119は、第一回路ノード107と第二回路ノード108の間で直列にループ状にされる。電力コイル103は、第一半導体スイッチング手段104及び第二半導体スイッチング手段105の接続ノード109とコンデンサ118及び119の接続ノードの間でループ状にされる。
【0035】
インバータ102はさらに、分離ダイオード111を有し、第三半導体スイッチング手段106、分離ダイオード111、及び第一半導体スイッチング手段104は、第三回路ノード110と第二回路ノード108の間で直列にループ状にされる。
【0036】
図3は、半導体スイッチング手段105,104、及び106のそれぞれの駆動信号S1~S3の時間プロファイルを示す。
【0037】
示されるように、パルス幅変調駆動信号ASを発生するための第一操作モードB1中、第一半導体スイッチング手段104及び第二半導体スイッチング手段105のスイッチング状態は、連続的に変更される。第一操作モードB1中、第三半導体スイッチング手段106のスイッチング状態106は、変更されないままである。
【0038】
パルス幅変調駆動信号ASを発生するための第二操作モードB2中、第一半導体スイッチング手段104及び第三半導体スイッチング手段106のスイッチング状態は、連続的に変更され、第二半導体スイッチング手段105のスイッチング状態は、変更されないままである。
【0039】
図2は、第二実施形態による、誘導結合によって電力を消費体200の方へワイヤレス伝送するための装置100の回路図を示す。
【0040】
図1に示された実施形態の分離ダイオード111は、第四駆動信号S4によって駆動される第四半導体スイッチング手段112によって補足され、第三半導体スイッチング手段106、第四半導体スイッチング手段112、及び第一半導体スイッチング手段104は、第三回路ノード110と第二回路ノード108の間で直列にループ状にされる。還流ダイオード121は、第四半導体スイッチング手段112に対して並列に接続される。第四半導体スイッチング手段112は、測定電圧UMのための還流電流を可能にする。
【0041】
図4は、半導体スイッチング手段105,104,106、及び112のそれぞれの駆動信号S1~S4の時間プロファイルを示す。駆動信号S4は、第一操作モードB1中、永遠に不活性であり、従って第四半導体スイッチング手段112は、ブロッキングモードである。駆動信号S4は、第二操作モードB2中、永遠に活性であり、従って第四半導体スイッチング手段112は、伝導モードである。
【0042】
本発明によれば、リンクコンデンサ120は、測定目的のために放電される必要はない。代わりに、電力コイル103は、分離ダイオード111又は第四半導体スイッチング手段112と直列の追加の半導体スイッチング手段106を介して測定電圧UMを供給される。これは、電力コイル103での測定を高いDC電圧又はDCリンク電圧UGで行なうことを可能にする。
【0043】
一般的に、測定電圧での測定は、DCリンクが前もって放電されることを前提条件として、線間電圧UNのゼロクロスオーバのまわりの短い時間間隔でのみ実施されることができる。放電は、十分に高い電力が電力コイル103で放たれるなら、インバータを通って自動的に行なわれる。しかし、もし電力コイル103に電力が少ししか与えられないか、又は全く与えられないなら、リンクコンデンサ120は、放電されないか、又は少なくとも完全には放電されない。この場合、一般的には、DCリンクは、測定の開始時又はその前に放電されなければならない。
【0044】
本発明による装置100は、トランスミッターコイル又は電力コイル103を有し、それは、特に渦電流を誘導することによって調理器具200の一部分を加熱するため、及び/又は消費体にコードレス電力伝送するための誘導加熱コイルの形である。電力コイル103は、電力を伝送するため、及び電力コイル103の発生した交番磁界の活性領域における物体の特性を決定するための両方に使用されることができる。
【0045】
第一操作モードB1は、例えばWPTによって、調理器具200を加熱するため、及び/又は電力を電気消費体に伝送するために役立つ。
【0046】
第二操作モードB2は、電力コイル103の発生した交番磁界の活性領域における物体の特性を決定するために役立つ。
【0047】
第二操作モードB2は、DC電圧UGが測定電圧UMより大きい場合に設定されることができる。
【0048】
半導体スイッチング手段104は、操作モードB1及びB2の両方でスイッチングされる。第一操作モードB1では、半導体スイッチング手段104は、半導体スイッチング手段105とハーフブリッジを形成し、第二操作モードB2では、半導体スイッチング手段106とハーフブリッジを形成する。
【0049】
図示されていない、さらなるインバータが、DCリンク又はリンクコンデンサ120から供給されることができ、これらのインバータの一つは、第一操作モードで操作され、同時に他のインバータは第二操作モードで操作されることができる。
【0050】
図1に示された実施形態では、分離ダイオード111は、測定電圧UMが第一操作モードにおいてDCリンクから分離されたままであるように半導体スイッチング手段106と直列に与えられる。従って、還流ダイオード115は、絶対に必要というわけではない。測定電圧UMについて防止された還流電流は、代替的にスナバコンデンサ116及び117の上に方向転換され、従ってハーフブリッジのノード109において電圧を高める。もし電圧がDCリンク電圧UGのレベルに達するなら、還流ダイオード114は、電圧のさらなる増加を防止する。電力コイル103を通る電流の符号が逆方向になるとすぐに、スナバコンデンサ116及び117の電圧は、測定電圧UMのレベルに落ち、従って電流は、半導体スイッチング手段106及び分離ダイオード111を介して測定電圧UMから供給されることができる。防止された還流電流による方向転換効果は、ノード109でブリッジ電圧の短時間の増加をもたらし、従って平均ブリッジ電圧はまた、還流電流に依存して増加する。
【0051】
もしこの効果が妨げられることになるなら、半導体スイッチング手段106に対して逆に配置された半導体スイッチング手段112は、図2に示された実施形態のように還流又は分離ダイオード111又は121に対して並列に加えられることができ、従って還流ダイオード115を通る還流電流は、測定電圧UM中に直接供給されることができる。
【0052】
半導体スイッチング手段105及び106は、あたかも並列であり、電力コイル103をDC電圧もしくはDCリンク電圧UGに又は測定電圧UMに接続する。両スイッチング手段は、基準電位として実質的にブリッジ電圧を有する。即ち、それらは、一般的な駆動器によって一般的な駆動信号で安価にスイッチングされることができ、半導体スイッチング手段105の少なくとも駆動又はスイッチング手段のいずれかは、前記手段が測定操作又は第二操作モードのためにブロックされるように接続解除可能でなければならない。
図1
図2
図3
図4