(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054845
(43)【公開日】2024-04-17
(54)【発明の名称】排液ボトルシステム
(51)【国際特許分類】
A61M 1/00 20060101AFI20240410BHJP
【FI】
A61M1/00 130
A61M1/00 150
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023171323
(22)【出願日】2023-10-02
(31)【優先権主張番号】111137907
(32)【優先日】2022-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】523375892
【氏名又は名称】太平洋醫材股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】PACIFIC HOSPITAL SUPPLY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ ジュン-イエン
(72)【発明者】
【氏名】チェン ミン-チュン
(72)【発明者】
【氏名】ホー シュアン-チャオ
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA18
4C077AA24
4C077BB10
4C077DD02
4C077DD11
4C077EE04
4C077KK25
(57)【要約】 (修正有)
【課題】作動過程における騒音が小さく、且つ磁気干渉もなく、患者の不快感を効果的に回避でき、電磁干渉の恐れもない排液ボトルシステムを提供する。
【解決手段】システムケース1、排液ボトル11、排液カテーテル3、モーターレス吸引装置4及び液体検査装置5が含まれ、モーターレス吸引装置の圧電吸引ポンプ41が圧電効果によって負圧を発生させることにより検査対象液体Lを排液ボトルに吸引収集する排液ボトルシステム100。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排液機構設置空間を有するシステムケースと、
前記システムケースに取り付けられる排液ボトルと、
前記システムケースに設置され、前記システムケースの外部に伸びる吸引端と前記システムケースを通して排液ボトルに接続する収集端とを有する排液カテーテルと、
前記排液機構設置空間に設置され、前記排液カテーテルに接続される圧電吸引ポンプと、前記圧電吸引ポンプに連結され、且つ前記圧電吸引ポンプを駆動するように配置され、前記圧電吸引ポンプが圧電効果によって負圧を発生させることで、検査対象液体が前記排液カテーテルを通して前記排液ボトルに収集されるように、前記排液カテーテルを駆使して前記吸引端から前記検査対象液体を前記収集端に吸い込ませる駆動回路とを有するモーターレス吸引装置と、
前記排液機構設置空間に設置され、且つ前記排液ボトルに対応することにより、前記検査対象液体に関わる少なくとも一つの液体検査データが得られる液体検査装置と、が含まれることを特徴とする、排液ボトルシステム。
【請求項2】
前記システムケースの前側外表面に排液ボトル取付面が形成され、前記排液ボトルが前記排液ボトル取付面に取り付けられ、前記排液カテーテルの前記収集端が前記排液機構設置空間を通して前記排液ボトル取付面に伸ばされることを特徴とする、請求項1に記載の排液ボトルシステム。
【請求項3】
前記モーターレス吸引装置には、吸気管が更に含まれ、前記吸気管の一端が前記圧電吸引ポンプに接続され、前記吸気管のもう一端が前記排液ボトルに接続されるように前記排液ボトル取付面に伸ばされることにより、前記圧電吸引ポンプが前記吸気管及び前記排液ボトルを通じて前記排液カテーテルに接続され、前記圧電吸引ポンプが前記排液ボトルの中で負圧を発生させることにより前記検査対象液体が前記排液カテーテルを通して前記排液ボトルに吸引収集されるように設置されることを特徴とする、請求項2に記載の排液ボトルシステム。
【請求項4】
前記圧電吸引ポンプがセラミック圧電吸引ポンプであって、前記セラミック圧電吸引ポンプの内部の圧電セラミックシートの圧縮変形によって負圧を発生させることを特徴とする、請求項1に記載の排液ボトルシステム。
【請求項5】
前記駆動回路が弦波信号又は矩形波信号で前記圧電吸引ポンプを駆動するように配置されることを特徴とする、請求項1に記載の排液ボトルシステム。
【請求項6】
前記液体検査装置には、
前記排液ボトルの中の前記検査対象液体の液面の検知に用いられて、前記液体検査データとして液面検知資料が取得される液面センサー、及び/又は、
排液ボトルの中の前記検査対象液体の色の検知に用いられて、前記液体検査データとして液体色検知資料が取得される液体カラーセンサー、及び/又は、
前記排液ボトルにあるラベル識別コードを対応検知して、前記液体検査データとしてラベル識別資料が取得されるラベル画像認識装置、が更に含まれることを特徴とする、請求項1に記載の排液ボトルシステム。
【請求項7】
前記排液機構設置空間に設置され、且つ前記液体検査装置に連結されるクラウド通信装置が更に含まれ、前記クラウド通信装置が前記液体検査装置からの前記液体検査データをクラウドデータ分析装置に送信するように設置されて、前記クラウドデータ分析装置でクラウドデータ分析が行われることを特徴とする、請求項1又は6に記載の排液ボトルシステム。
【請求項8】
前記排液機構設置空間に設置され、且つ前記液体検査装置に連結されるワイヤレス通信装置が更に含まれ、前記ワイヤレス通信装置が前記液体検査装置からの前記液体検査データをワイヤレスでリモートモバイル装置に送信するように設置されて、前記リモートモバイル装置で通知及び/又は表示が行われることを特徴とする、請求項1又は6に記載の排液ボトルシステム。
【請求項9】
前記リモートモバイル装置がウェアラブルモバイル装置であることを特徴とする、請求項8に記載の排液ボトルシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は胸腔の排液ボトルに関し、特に排液ボトルシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
胸腔の排液ボトルは気胸、胸部手術、胸水、胸膜蓄膿症、乳び胸及び血胸などの場合において胸腔ドレナージに用いられる装置である。胸腔ドレナージにより、胸腔から液体を排出して診断を補助し、胸膜腔の空気や血水などを排出する効果を達成できる。
【0003】
従来の胸腔の排液ボトルは胸腔排液カテーテルの一端を患者に接続し、胸腔排液カテーテルのもう一端を収集瓶に接続してから吸引器に接続する。吸引器は主にダイヤフラムポンプと従来のモーターからなり、モーターによってダイヤフラムポンプを駆動し、負圧を発生させて、液体を患者から収集瓶に吸引する。しかしながら、モーターは騒音が大きく、かつ電磁干渉を発生させることがあり、患者に不快感を与えるだけでなく、影響が起こる可能性のある医療エリア(例えば、磁気共鳴画像検査室)などでの使用に適せず、改善する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が従来の技術問題を解決するために、排液ボトルシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明が従来の技術問題を解決するための技術手段は、排液機構設置空間を有するシステムケースと、前記システムケースに取り付けられる排液ボトルと、前記システムケースに設置され、前記システムケースの外部に伸びる吸引端と前記システムケースを通して排液ボトルに接続する収集端とを有する排液カテーテルと、前記排液機構設置空間に設置され、前記排液カテーテルに接続される圧電吸引ポンプと、前記圧電吸引ポンプに連結され、且つ前記圧電吸引ポンプを駆動するように配置され、前記圧電吸引ポンプが圧電効果によって負圧を発生させることで、検査対象液体が前記排液カテーテルを通じて前記排液ボトルに収集されるように、前記排液カテーテルを駆使して前記吸引端から前記検査対象液体を前記収集端に吸い込ませる駆動回路とを有するモーターレス吸引装置と、前記排液機構設置空間に設置され、且つ前記排液ボトルに対応することにより、前記検査対象液体に関わる少なくとの一つの液体検査データが得られる液体検査装置と、が含まれることを特徴とする、排液ボトルシステムを提供する。
【0006】
本発明の一つの実施形態では、前記システムケースの前側外表面に排液ボトル取付面が形成され、前記排液ボトルが前記排液ボトル取付面に取り付けられ、前記排液カテーテルの前記収集端が前記排液機構設置空間を通して前記排液ボトル取付面に伸ばされることを特徴とする、排液ボトルシステムを提供する。
【0007】
本発明の一つの実施形態では、前記モーターレス吸引装置には、吸気管が更に含まれ、前記吸気管の一端が前記圧電吸引ポンプに接続され、前記吸気管のもう一端が前記排液ボトルに接続されるように前記排液ボトル取付面に伸ばされることにより、前記圧電吸引ポンプが前記吸気管及び前記排液ボトルを通じて前記排液カテーテルに接続され、前記圧電吸引ポンプが前記排液ボトルの中で負圧を発生させることにより前記検査対象液体が前記排液カテーテルを通して前記排液ボトルに吸引収集されるように設置されることを特徴とする、排液ボトルシステムを提供する。
【0008】
本発明の一つの実施形態では、前記圧電吸引ポンプがセラミック圧電吸引ポンプであって、前記セラミック圧電吸引ポンプの内部の圧電セラミックシートの圧縮変形によって負圧を発生させることを特徴とする、排液ボトルシステムを提供する。
【0009】
本発明の一つの実施形態では、前記駆動回路が弦波信号又は矩形波信号で前記圧電吸引ポンプを駆動するように配置されることを特徴とする、排液ボトルシステムを提供する。
【0010】
本発明の一つの実施形態では、前記液体検査装置には、前記排液ボトルの中の前記検査対象液体の液面の検知に用いられて、前記液体検査データとして液面検知資料が取得される液面センサー、及び/又は、排液ボトルの中の前記検査対象液体の色の検知に用いられて、前記液体検査データとして液体色検知資料が取得される液体カラーセンサー、及び/又は、前記排液ボトルにあるラベル識別コードを対応検知して、前記液体検査データとしてラベル識別資料が取得されるラベル画像認識装置、が更に含まれることを特徴とする、排液ボトルシステムを提供する。
【0011】
本発明の一つの実施形態では、前記排液機構設置空間に設置され、且つ前記液体検査装置に連結されるクラウド通信装置が更に含まれ、前記クラウド通信装置が前記液体検査装置からの前記液体検査データをクラウドデータ分析装置に送信するように設置されて、前記クラウドデータ分析装置でクラウドデータ分析が行われることを特徴とする、排液ボトルシステムを提供する。
【0012】
本発明の一つの実施形態では、前記排液機構設置空間に設置され、且つ前記液体検査装置に連結されるワイヤレス通信装置が更に含まれ、前記ワイヤレス通信装置が前記液体検査装置からの前記液体検査データをワイヤレスでリモートモバイル装置に送信するように設置されて、前記リモートモバイル装置で通知及び/又は表示が行われることを特徴とする、排液ボトルシステムを提供する。
【0013】
本発明の一つの実施形態では、前記リモートモバイル装置がウェアラブルモバイル装置であることを特徴とする、排液ボトルシステムを提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の技術手段によれば、本発明の排液ボトルシステムボトルが従来の構造をモーターレス装置で取り替え、電圧の変化により圧電吸引ポンプの圧電部材を往復圧縮変形させ、負圧を発生させることにより、検査対象液体を排液ボトルに吸引収集するように排液カテーテルを駆動する。本発明の排液ボトルシステムでは、前記モーターレス吸引装置が作動過程における騒音が小さく、且つ磁気干渉もないため、患者の不快感を効果的に回避でき、電磁干渉の恐れもなく様々な医療エリアに応用でき、従来技術の問題を効果的に解決する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態に係る排液ボトルシステムの斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る排液ボトルシステムの断面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る排液ボトルシステムのモーターレス吸引装置の作動原理を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る排液ボトルシステムのモーターレス吸引装置の作動原理を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る排液ボトルシステムを応用した医療システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、
図1から
図5に基づいて本発明の実施形態について説明する。該当説明は、本発明の実施形態の一つの例示にすぎず、本発明の実施形態を限定するものではない。
【0017】
図1及び
図2に示すように、本発明の実施形態に係る排液ボトルシステム100にはシステムケース1と、排液ボトル2と、排液カテーテル3と、モーターレス吸引装置4と、液体検査装置5とが含まれる。
【0018】
図1及び
図2に示すように、前記システムケース1の内部には排液機構設置空間10が形成される。前記排液機構設置空間10が前記モーターレス吸引装置4及び前記液体検査装置5の設置に用いられる。
【0019】
図1及び
図2に示すように、前記排液ボトル2が前記システムケース1に取り付けられる。前記排液ボトル2が胸腔ドレナージの液体の収容に用いられる。肉眼及び機器で排液ボトル2内に収集した液体の観察を簡単に行わせるために、本実施形態では前記排液ボトル2が透明素材からなることが好ましい。
【0020】
図1及び
図2に示すように、排液カテーテル3が前記システムケース1に設置され、前記排液カテーテル3が吸引端31及び収集端32を有し、前記吸引端31が前記システムケース1の外部に伸び、前記収集端32が前記システムケース1を通して前記排液ボトル2に接続する。前記吸引端31が、前記排液カテーテル3を用いて患者に胸腔ドレナージを行うように患者に接続する。
【0021】
具体的に言うと、本実施形態では、前記システムケース1の前側外表面に排液ボトル取付面11が形成され、前記排液ボトル2が前記システムケース1の前記排液ボトル取付面11に取り付けられ、前記排液カテーテル3の前記収集端32が前記排液機構設置空間10を通して前記排液ボトル取付面11に伸びて、前記排液ボトル2に接続される。
【0022】
図1及び
図2に示すように、前記モーターレス吸引装置4が前記排液機構設置空間10に設置され、前記モーターレス吸引装置4には圧電吸引ポンプ41及び駆動回路42が含まれ、前記圧電吸引ポンプ41が前記排液カテーテル3に接続され、前記駆動回路42が前記圧電吸引ポンプ41に連結され、且つ前記圧電吸引ポンプ41を駆動するように配置され、前記圧電吸引ポンプ41が圧電効果によって負圧を発生させることで、検査対象液体Lが前記排液カテーテル3を通して前記排液ボトル2に収集されるように、前記排液カテーテル3を駆使して前記吸引端31から前記検査対象液体Lを前記収集端32に吸い込ませる。
【0023】
具体的に言うと、本実施形態では、前記モーターレス吸引装置4には吸気管43が更に含まれ、前記吸気管43の一端が前記圧電吸引ポンプ41に接続され、前記吸気管43のもう一端が前記排液ボトル2に接続されるように前記排液ボトル取付面11に伸ばされることにより、前記圧電吸引ポンプ41が前記吸気管43及び前記排液ボトル2を通じて前記排液カテーテル3に接続され、前記圧電吸引ポンプ41が前記排液ボトル2の中で負圧を発生させることにより前記検査対象液体Lが前記排液カテーテル3を通して前記排液ボトル2に吸引収集されるように設置される。当然のこととして、発明はこれに限らず、前記モーターレス吸引装置4が他の配管配置で前記排液カテーテル3を駆動して吸引する効果を達成することもできる。
【0024】
また、
図3及び
図4に示すように、本実施形態では、前記圧電吸引ポンプ41の主な構造には圧電部材411及び前記圧電部材411によって連動されるダイヤフラム部材412が含まれる。前記駆動回路42に駆動される場合、
図3に示すように、前記圧電部材411が伸びることによって前記ダイヤフラム部材412を下へ変形させ、前記圧電吸引ポンプ41のチャンバーの体積が増え、前記排液ボトル2(
図2)の中の空気が前記吸気管43を通して前記圧電吸引ポンプ41のチャンバー内に吸い込まれ、前記排液ボトル2の中に負圧を発生させることにより、前記検査対象液体Lを前記排液カテーテル3を通して前記排液ボトル2に吸引収集される。次に、
図4に示すように、前記圧電部材411が反対する方向へ収縮することによって前記ダイヤフラム部材412を上へ変形させ、前記圧電吸引ポンプ41のチャンバーの体積が減り、前記圧電吸引ポンプ41のチャンバー内の空気が押し出されて前記排気管44を通して前記システムケース1外へ排出される。前記圧電吸引ポンプ41がセラミック圧電吸引ポンプであって、前記セラミック圧電吸引ポンプの内部の圧電セラミックシート(即ち、前記圧電部材411)の圧縮変形によって負圧を発生させることが好ましい。なお、本実施形態では、前記駆動回路42が弦波信号又は矩形波信号で前記圧電吸引ポンプ41を駆動するように配置される。前記弦波信号は例えば正弦波信号または余弦波信号である。
【0025】
図2に示すように、前記液体検査装置5が前記排液機構設置空間10に設置され且つ前記排液ボトル2に対応することにより、前記検査対象液体Lに関わる少なくとの一つの液体検査データが得られる。
【0026】
前述の構成により、本発明の排液ボトルシステム100は従来の構造をモーターレス吸引装置4で取り替え、電圧の変化により圧電吸引ポンプ41の圧電部材411を往復圧縮変形させ、負圧を発生させることにより、検査対象液体Lを排液ボトル2に吸引収集するように排液カテーテル3を駆動する。本発明の排液ボトルシステム100では、前記モーターレス吸引装置4が作動過程における騒音が小さく、且つ磁気干渉もないため、患者の不快感を効果的に回避でき、電磁干渉の恐れもなく様々な医療エリアに応用できて、従来技術の問題を効果的に解決する。
【0027】
図2に示すように、本発明の一つの実施形態の排液ボトルシステム100によれば、前記液体検査装置5には、前記排液ボトル2の中の前記検査対象液体Lの液面の検知に用いられて、前記液体検査データとして液面検知資料が取得される液面センサー51、及び/又は排液ボトル2の中の前記検査対象液体Lの色の検知に用いられて、前記液体検査データとして液体色検知資料が取得される液体カラーセンサー52、及び/又は前記排液ボトル2にあるラベル識別コードを対応検知して、前記液体検査データとしてラベル識別資料が取得されるラベル画像認識装置53が更に含まれる。
【0028】
具体的に言うと、前記検査対象液体Lの液面の高さ及び液体の色も診断の根拠になることがあり、液面センサー51及び液体カラーセンサー52の設置により、これらの情報を胸腔ドレナージ直後に簡単に取得できる。また、前記排液ボトル2の中にサンプリングエリア21をさらに設置することできる。前記検査対象液体Lが前記排液ボトル2に吸引されるとき、まずは前記サンプリングエリア21に流れることにより、医療スタッフは液体サンプルを簡単に観察または抽出できる。前記サンプリングエリア21の液体が所定された高さに達すると、前記排液ボトル2に流れる。なお、前記排液ボトル2が、胸腔ドレナージを行う度に新しい排液ボトルに交換できるように、取り外し可能に前記システムケース1に取り付けることが好ましい。さらに、各排液ボトルにはそれぞれにラベルを設けることができ、前記ラベル画像認識装置53で前記ラベルにある前記ラベル識別コードを検知させることにより、該当排液ボトル及び/又は該当胸腔ドレナージの関連資料(前記ラベル識別資料)を素早く取得できる。また、本実施形態では、前記液面センサー51が静電容量式液面センサー、液面画像センサー、或はあらゆる従来の方法によって液面検知を行うセンサーであってもいい。同じく、前記液体カラーセンサー52及び前記ラベル画像認識装置53もそれぞれあらゆる従来の方法によって検知を行う各種のセンサーであってもよく、本発明はこれらに対して特に制限を設けていない。
【0029】
図2及び
図5に示すように、本発明の実施形態の排液ボトルシステム100によれば、前記排液機構設置空間10に設置され、且つ前記液体検査装置5に連結されるクラウド通信装置6が更に含まれ、前記クラウド通信装置6が前記液体検査装置5からの前記液体検査データをクラウドデータ分析装置D1に送信するように設置されて、前記クラウドデータ分析装置D1でクラウドデータ分析が行われる。
【0030】
具体的に言うと、前記クラウド通信装置6が有線または無線ネットワークによって前記液体検査データを前記クラウドデータ分析装置D1に送信することにより、前記クラウドデータ分析装置D1が各所から収集した液体検査データをもとにビッグデータ解析及び各種管理を行うことができる。前記液体検査データには前記液面検知資料、前記液体色検知資料、前記ラベル識別資料、あるいはかかる資料に関連する資料またはその派生資料が含まれることができる。
【0031】
図2及び
図5に示すように、本発明の実施形態の排液ボトルシステム100によれば、前記排液機構設置空間10に設置され、且つ前記液体検査装置5に連結されるワイヤレス通信装置7が更に含まれ、前記ワイヤレス通信装置7が前記液体検査装置5からの前記液体検査データをワイヤレスでリモートモバイル装置D2に送信するように設置されて、前記リモートモバイル装置D2で通知及び/又は表示が行われる。
【0032】
具体的に言うと、前記ワイヤレス通信装置7の設置により、前記液体検査データをBluetooth(登録商標)、Wi-Fiなどのワイヤレス方式で簡単にリモートモバイル装置D2に送信できて、医療スタッフ、患者あるいは患者の家族が前記リモートモバイル装置D2によって関連データを即時に取得できる。前記リモートモバイル装置D2がスマートウォッチなどのウェアラブルモバイル装置D3であることが好ましい。
【0033】
また、
図2及び
図5に示すように、本発明の実施形態の排液ボトルシステム100には、データポート8がさらに含まれる。前記データポート8は、例えば前記排液ボトルシステム100と外部装置D4とのデータ通信に用いられるUSBポートである。
【0034】
本発明の好適な実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではない。本発明の主旨と領域を逸脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って、本発明の特許請求の範囲は、このような変更や修正を含めて広く解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0035】
100 排液ボトルシステム
1 システムケース
10 排液機構設置空間
11 排液ボトル取付面
2 排液ボトル
21 サンプリングエリア
3 排液カテーテル
31 吸引端
32 収集端
4 モーターレス吸引装置
41 圧電吸引ポンプ
411 圧電部材
412 ダイヤフラム部材
42 駆動回路
43 吸気管
44 排気管
5 液体検査装置
51 液面センサー
52 液体カラーセンサー
53 ラベル画像認識装置
6 クラウド通信装置
7 ワイヤレス通信装置
8 データポート
D1 クラウドデータ分析装置
D2 リモートモバイル装置
D3 ウェアラブルモバイル装置
D4 外部装置
L 検査対象液体