(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054850
(43)【公開日】2024-04-17
(54)【発明の名称】配置機械のRFIDモジュール
(51)【国際特許分類】
G06K 7/10 20060101AFI20240410BHJP
【FI】
G06K7/10 244
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023172840
(22)【出願日】2023-10-04
(31)【優先権主張番号】10 2022 125 639.1
(32)【優先日】2022-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】514076766
【氏名又は名称】エーエスエムピーティー・ゲーエムベーハー・ウント・コ・カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・ミッテンドルファー
(72)【発明者】
【氏名】シルヴェスター・デンメル
(72)【発明者】
【氏名】フヤン・ヤン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】RFIDタグに問い合わせすることができるRFIDタグリーダを提供するRFIDシステムを提供する。
【解決手段】配置機械内に配置され、RFIDタグに問い合わせするためのRFIDリーダモジュール1は、配置ヘッドなどの配置機械の可動構成要素と解放可能かつ繰り返し可能に係合するように適合されたのノズルインターフェース5と、電気エネルギーを少なくとも一時的に蓄積するためのエネルギー蓄積部6を備える電源と、RFIDリーダ9と、を備える。RFIDリーダモジュールは、使用されないとき、ドック本体10を備えるドッキングモジュール2内に収納され、再充電されるかおよび/または読み取ったデータを配置機械に渡すことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配置機械内に配置された、RFIDタグに問い合わせするためのRFIDリーダモジュールであって、
前記配置機械の可動構成要素と解放可能かつ繰り返し可能に係合するように適合されたリーダモジュールインターフェースと、
前記配置機械にデータを出力するためのリーダモジュールデータ接続部と、
前記RFIDタグからデータを受信し、前記受信したデータを前記リーダモジュールデータ接続部に送るRFIDリーダと、
電気エネルギーを少なくとも一時的に蓄積するためのエネルギー蓄積部を備える、前記RFIDリーダのための電源と、
を備える、RFIDリーダモジュール。
【請求項2】
前記リーダモジュールデータ接続部が、無線データ送信装置または送受信装置を備える、請求項1に記載のRFIDリーダモジュール。
【請求項3】
前記無線データ送信装置または送受信装置が、Bluetooth(登録商標)デバイスを備える、請求項2に記載のRFIDリーダモジュール。
【請求項4】
前記リーダモジュールインターフェースが、前記配置機械の配置ヘッドのノズルインターフェースと解放可能かつ繰り返し可能に係合するように適合される、請求項1に記載のRFIDリーダモジュール。
【請求項5】
前記エネルギー蓄積部が、蓄電池を備える、請求項1に記載のRFIDリーダモジュール。
【請求項6】
前記電源が、エネルギーハーベスタを備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のRFIDリーダモジュール。
【請求項7】
前記エネルギーハーベスタが、前記RFIDリーダモジュールの運動または振動の間、運動エネルギーを捕集するように適合される、請求項6に記載のRFIDリーダモジュール。
【請求項8】
前記エネルギー蓄積部が、蓄電器を備える、請求項6に記載のRFIDリーダモジュール。
【請求項9】
配置機械内で使用されるRFIDシステムであって、
請求項1に記載のRFIDリーダモジュールと、
前記配置機械内に配置可能であり前記RFIDリーダモジュールを受容し収納するためのドックを備える、ドッキングモジュールと、
を備える、RFIDシステム。
【請求項10】
前記ドックが、前記配置機械の配置ヘッドによる前記ドック内への前記RFIDリーダモジュールの配置を可能にするように、その上側範囲で開口している、請求項9に記載のRFIDシステム。
【請求項11】
前記ドッキングモジュールが、電気エネルギーを前記エネルギー蓄積部に供給するための充電インターフェースを備える、請求項9に記載のRFIDシステム。
【請求項12】
前記ドッキングモジュールが、前記リーダモジュールデータ接続部からデータを受信するためのデータ受信装置を備える、請求項9に記載のRFIDシステム。
【請求項13】
請求項9から12のいずれか一項に記載のRFIDシステムを備える、配置機械。
【請求項14】
ノズルと解放可能かつ繰り返し可能に係合するように適合されたノズルインターフェースを有する配置ヘッドを備え、
ここで、前記リーダモジュールインターフェースが、前記ノズルインターフェースと解放可能かつ繰り返し可能に係合するように適合される、
請求項13に記載の配置機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDリーダモジュール、RFIDシステムおよび配置機械に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、一般に、コンポーネントキャリア(component carrier)に電子部品を装備する技術分野に関する。部品は、収納(housed)電子部品、または、仕上げ加工処理済みウェハから直接取り外されてSMT(表面実装技術)配置プロセスに供給されるチップとして設計される非収納(unhoused)電子部品であることもある。
【0003】
電子サブアセンブリの製造は、典型的には、いわゆる配置機械を用いて行われ、配置機械によって電子部品が部品供給デバイスから自動的に除去され、例えばプリント回路基板などのコンポーネントキャリア上に配置される。部品供給デバイスからそれらのそれぞれの配置位置までの部品の移動は、例えばいわゆる配置ヘッドである部品取り扱いデバイスによって行われる。
【0004】
配置機械とともに使用される機器(例えば、当業界で周知であるような、テープフィーダ、ノズルマガジン、フィーダトロリ(feeder trolley)など)のトレーサビリティをもたらすため、そのような機器は、機械可読一意識別子を備えることができ、それによって機器の種類の識別だけでなく、その特定のアイテムを一意的に識別することが可能になる。例えば、バーコード、QRコード(登録商標)または同様の光学的に読み取り可能なコードが機器上にもたらされ得る。しかし、そのようなコードは受動的であり、それらには情報の書き込みはできない。さらに、すべての関連情報(すなわち、データ)の格納は、バーコードのコードにリンクされた外部データベース内になければならない。
【0005】
バーコードなどの光学コードの代替として、機器に取り付けられるRFIDタグの使用がある。この成熟した技術は、光学コードよりも様々な利点をもたらし、例えば、情報の読み取るために照明を提供する必要がなく、また、RFIDタグには書き込みできるものもある。RFIDタグは、大まかに、RFIDリーダによって問い合わせ(interrogate)を受け取ることができる距離を示す「短距離」か「長距離」のどちらかに分類することができる。それぞれには関連する問題がある。例えば、より長い距離から読み取ることができる「長距離」RFIDタグは、典型的には、UHF周波数領域内で動作し、世界の国および地域ごとに様々に規制されている。したがって、それらは、ロジスティックな問題および認可の問題を生む。加えて、配置機械内のタグの正確な配置は、そうしたデバイスを用いて判断することができない。その一方、「短距離」RFIDタグは、ロボットに取り付けられてRFIDタグに近づけられる必要があるリーダを必要とする。例えば、配置機械の配置ヘッド上にリーダを取り付けることが可能である。しかし、これは、リーダが、配置システム内で電力および情報/データインターフェースの両方に直接的に結線接続(hard-wired)される必要がある。加えて、配置ヘッドは、適用例に応じて配置機械内で取り替えられることがあり、例えば、「マトリックス」ヘッドが回転ヘッドに取り替えられることがあり、それはそれぞれのRFIDリーダを異なる配置に取り付けることを必要とすることがあり、それによって信頼性に影響を与えるおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、これらの問題を解決しようとするものであり、また、RFIDタグに問い合わせすることができるRFIDタグリーダを提供するシステムであり、光学コードよりも優れたそれらの関連の利点を有し、「短距離」システムを使用することができ、したがって、「長距離」システムの既知のロジスティックな問題を回避し、さらに結線接続を必要としない、システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、この目的は、配置機械の配置ヘッド、有利には、あらゆるタイプの配置ヘッドによって選択的に持ち上げることができる、専用モジュールの形態のRFIDリーダを提供することによって達成される。有利には、モジュールは、エネルギー蓄積デバイスかエネルギー捕集(harvesting)デバイスのどちらかを備えることができ、それによって有線電力インターフェースの必要がなくなる。加えて、モジュールは、有利には、無線データ送信デバイスを備えることができ、それによって、無線データ送信が可能になる。読み取り動作をしていないときは、RFIDリーダモジュールは、配置機械内に配置されたドッキングモジュール(docking module)内に収納され、そこで、再充電することができ、および/または読み取ったデータを配置機械に渡すことができる。
【0008】
本発明の第1の態様によれば、配置機械内に配置された、RFIDタグに問い合わせするためのRFIDリーダモジュールであって、
配置機械の稼働構成要素と解放可能かつ繰り返し可能に係合するように適合されたリーダモジュールインターフェースと、
配置機械にデータを出力するためのリーダモジュールデータ接続部と、
RFIDタグからデータを受信し、受信したデータをデータ接続部に送るRFIDリーダと、
電気エネルギーを少なくとも一時的に蓄積するためのエネルギー蓄積部を備える、RFIDリーダのための電源と、
を備える、RFIDリーダモジュールが提供される。
【0009】
本発明の第2の態様によれば、配置機械内で使用されるRFIDシステムであって、
第1の態様のRFIDリーダモジュールと、
配置機械内に配置可能でありRFIDリーダモジュールを受容し収納するためのドックを備える、ドッキングモジュールと、
を備える、RFIDシステムが提供される。
【0010】
本発明の第3の態様によれば、第2の態様のRFIDシステムを備えた配置機械が提供される。
【0011】
本発明のその他の特定の態様および特徴は、添付の特許請求の範囲内に詳述される。
【0012】
次に、(縮尺通りではない)添付の図面を参照して本発明について述べる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態による、RFIDリーダモジュールおよび関連のドッキングモジュールの側面から見た概略的な断面図である。
【
図2】使用における、
図1のRFIDリーダモジュールの側面から見た概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1には、本発明の一実施形態が示されている。ここでは、RFIDリーダモジュール1は、関連のドッキングモジュール2から間隔を置いて図示されている。使用の際、これらのアイテムの両方が配置機械(図示せず)内に配置される。例えば、ドッキングモジュール2は、例えば配置ノズル、グリッパなどの収納に使用されることもあるマガジン(図示せず)内である、配置機械の配置領域に近い任意の適当な場所にもたらされ得る。RFIDリーダモジュール1は、任意のRFID読み取りを実施する必要がないとき、ドッキングモジュール2内に収納することができ、その間に、RFIDリーダモジュール1は、以下により詳細に述べるように、ドッキングモジュール2によって充電され得る。RFID読み取りを実施する必要があるとき、RFIDリーダモジュール1は、例えば
図2に示されるように配置ヘッド12によって、ドッキングモジュール2から持ち上げられ得る。
【0015】
RFIDリーダモジュール1は、配置ヘッドなど、配置機械の可動構成要素と繰り返し可能かつ解放可能に係合するように適合された上側本体部3を備える。この目的のため、上側本体部3は、ノズルインターフェース5を含み、それによってRFIDリーダモジュール1は、ノズルと同様のやり方で配置ヘッドにより持ち上げられ、保持され得る。ノズルインターフェースは、配置機械の配置ヘッドが、全部がそのようなノズルインターフェースを有する様々なノズルと選択的に係合できるように、標準に合わせられ得ることを理解されたい。例えば様々な製造元で製造されたものである、様々な配置ヘッドは、専用の、または少なくとも異なるように設計されたノズルインターフェースと係合するように構成され得る。
【0016】
下側本体部4は、ドッキングモジュール2内にぴったりと嵌合するように寸法設定される。図示のように、下側本体部4は、電気エネルギーを少なくとも一時的に蓄積するために、ここでは蓄電池として図示されている、エネルギー蓄積部6を有する電源を備える。エネルギー蓄積部6は、ドッキングモジュール2内に設けられたドック充電インターフェース11と協働するように適合されたモジュール充電インターフェース7からエネルギーを受け取る。下側本体部4内には、データを配置機械に出力する、具体的にはRFIDリーダモジュールによって読み取ったデータを出力するためのデータ接続部8が設けられている。有利には、図示のように、データ接続部8は、Bluetooth(登録商標)デバイスなどの無線データ送信装置もしくは送受信装置、または、例えばZigbeeなどの別の無線プロトコルを用いたデバイスを備え、エネルギー蓄積部6から電力を受け取る。そのような場合、配置機械は、データ接続部8から送信されるデータを受信するように無線データ受信装置(図示せず)を備えることができる。好都合には、データ受信装置は、ドッキングモジュール2内に配置され得る。無線データ接続を用いることは、RFIDリーダによって読み取られるデータがデータ受信装置に即座に送信され得るので、好ましい。しかし、別法として、無線データ接続の代わりに、読み取ったデータをRFIDリーダモジュール1内に少なくとも一時的に格納してから、RFIDリーダモジュール1がドッキングモジュール内に受容されたときに、物理的接続部を介して、ドッキングモジュール2内に配置されたデータ受信装置(図示せず)に渡してもよい。
【0017】
下側本体部4はさらに、RFIDタグ(14、
図2参照)からデータを受信し、受信したデータをデータ接続部8へ送信する、RFIDリーダ9を備える。有利には、図示のように、RFIDリーダ9は、下にあるRFIDタグに密に近接して配置され得るように、下側本体部4の下端に配置される。RFIDリーダ9は、エネルギー蓄積部6から電気エネルギーを受け取る。
【0018】
他の実施形態(図示せず)では、エネルギー蓄積部6および/またはデータ接続部8は、上側本体部3内に収容されることもあり、または上側本体部3と下側本体部4とに及ぶこともある。
【0019】
ドッキングモジュール2は、上面に、下側本体部4を受容するためのレセプタクル15を形成する凹部がある、ドック本体10を備える。レセプタクル15近くには、モジュール充電インターフェース7と協働するように適合されたドック充電インターフェース11が設けられている。図示のように、モジュール充電インターフェース7およびドック充電インターフェース11はともに、下側本体部4の横方向範囲およびレセプタクル15の横方向範囲の周りに延在する環状リングをそれぞれ備える。この配置は、レセプタクル15内でのRFIDリーダモジュール1の回転方向位置が精確である必要がないので、特に有利である。しかし、この配置は必須ではなく、他の代替実施形態も可能である。ドック充電インターフェース11とモジュール充電インターフェース7との間の協働は、接触することができ、導電性であってよく、したがって、電気エネルギーは、ドッキングモジュール2からRFIDリーダモジュール1へ直接送られる、または例えば誘導充電を用いて非接触であってもよい。充電を達成するために、配置装置を介して、ドック充電インターフェース11は、ソケット16を介して電源装置(図示せず)に接続される。
【0020】
図2は、使用の際の、
図1のRFIDリーダモジュール1の側面から見た概略的な断面図である。図示のように、RFIDリーダモジュール1は、上側本体部3が配置ヘッド12の雌型ノズルレセプタ17内に配置されノズルインターフェース5によってその内部に係合された状態で、配置機械の配置ヘッド12によって持ち上げられている。RFIDリーダモジュール1が配置ヘッド12に係合された状態で、配置ヘッド12は、RFIDリーダモジュール1を、ここではフィーダ(feeder)13に配置されるように図示されているRFIDタグ14の方に向けて、RFIDリーダ9がRFIDタグ14に密に近接するかたちで動かすことに使用され得る。
【0021】
上述した実施形態は、単なる例示に過ぎず、当業者には本発明の範囲内で他の可能性および代替実施形態が明らかであろう。例えば、エネルギー蓄積部は、蓄電池として示されているが、他の実施も可能である。エネルギー蓄積部6は、例えば、蓄電器を備えてもよい。この実施は、電源が、エネルギーハーベスタ、例えばRFIDリーダモジュールが配置ヘッドとともに移動する間のRFIDリーダモジュールの運動または振動の間の運動エネルギーを捕集するように適合されたエネルギーハーベスタを備える場合、特に適当であり得る。
【符号の説明】
【0022】
1 RFIDリーダモジュール
2 ドッキングモジュール
3 上側本体部
4 下側本体部
5 ノズルインターフェース
6 エネルギー蓄積部
7 モジュール充電インターフェース
8 データ接続部
9 RFIDリーダ
10 ドック本体
11 ドック充電インターフェース
12 配置ヘッド
13 フィーダ
14 RFIDタグ
15 レセプタクル
16 ソケット
17 雌型ノズルレセプタ
【外国語明細書】