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特開2024-54852加圧ガス格納ライナ、加圧ガスタンク、及び関連する加圧ガス格納ライナを製造するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054852
(43)【公開日】2024-04-17
(54)【発明の名称】加圧ガス格納ライナ、加圧ガスタンク、及び関連する加圧ガス格納ライナを製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   F17C 1/16 20060101AFI20240410BHJP
   F16J 12/00 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
F17C1/16
F16J12/00 P
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023172843
(22)【出願日】2023-10-04
(31)【優先権主張番号】2210190
(32)【優先日】2022-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】523347132
【氏名又は名称】フォルシア・システム・デシャプモン
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ・バヴェレル
(72)【発明者】
【氏名】ドリアン・エルナンデス
(72)【発明者】
【氏名】ダヴィド・ファラルディ
(72)【発明者】
【氏名】マルク・モレ
(72)【発明者】
【氏名】トマ・ブランジェ
【テーマコード(参考)】
3E172
3J046
【Fターム(参考)】
3E172AA02
3E172AA05
3E172AB01
3E172BA01
3E172BB10
3E172BB12
3E172BB17
3E172BC01
3E172BD03
3E172CA20
3E172CA21
3E172CA22
3E172DA31
3E172DA32
3E172DA36
3J046AA01
3J046BA01
3J046BA10
3J046BB02
3J046BD09
3J046CA04
3J046EA02
3J046EA03
(57)【要約】
【課題】車両へのより容易な一体化を可能にする一方で、製造が安価であり、堅牢なタンクを得ることを可能にする、ガス格納ライナを提供する。
【解決手段】本加圧ガス格納ライナ(12)は、第1の周縁部(32)を備える第1のシェル(30)を備える、第1の部品(22)と、第2の周縁部(38)を備える第2のシェル(36)を備える、第2の部品(24)と、第1の周縁部(32)及び第2の周縁部(38)上に重ね合わされているストリップ(26)であって、第1の部品(22)及び第2の部品(24)を互いに堅固に接続している、ストリップ(26)と、を備え、第1の部品(22)、第2の部品(24)、及びストリップ(26)が、それらの間に内側容積部(42)の境界を定めており、格納ライナ(12)が、内側容積部(42)を通過し、第1のシェル(30)及び第2のシェル(36)を接続している、少なくとも1つのピラー(28)を更に備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧ガス格納ライナ(12)であって、
第1の周縁部(32)を備える第1のシェル(30)を備える、第1の部品(22)と、
第2の周縁部(38)を備える第2のシェル(36)を備える、第2の部品(24)と、
前記第1の周縁部(32)及び前記第2の周縁部(38)上に重ね合わされているストリップ(26)であって、前記第1の部品(22)及び前記第2の部品(24)を互いに堅固に接続している、ストリップ(26)と、を備え、
前記第1の部品(22)、前記第2の部品(24)、及び前記ストリップ(26)が、それらの間に内側容積部(42)の境界を定めており、
前記加圧ガス格納ライナ(12)が、
前記内側容積部(42)を通過し、前記第1のシェル(30)及び前記第2のシェル(36)を接続している、少なくとも1つのピラー(28)を更に備える、ライナ(12)。
【請求項2】
前記ストリップ(26)が、前記第1のシェル(30)及び/又は前記第2のシェル(36)の内側面(33、39)上に少なくとも部分的に延在する、請求項1に記載のライナ(12)。
【請求項3】
前記ストリップ(26)が、前記内側容積部(42)から離れるように方向付けられた配向の突出部分(46)を備え、前記突出部分(46)が、前記第1の周縁部(32)と前記第2の周縁部(38)との間に少なくとも部分的に延在する、請求項1又は2に記載のライナ(12)。
【請求項4】
前記ピラー(28)が、中空であり、前記ピラー(28)が、ピラーキャビティ(51)の境界を定めるピラー壁(50)を備え、前記ピラー(28)が、その端部(52、54)の各々において前記ピラーキャビティ(51)上に開口部(56)を備え、前記第1のシェル(30)が、前記開口部(56)のうちの一方に対向して配置されたオリフィス(35)を備え、前記第2のシェル(36)が、前記開口部(56)のうちの他方に対向して配置されたオリフィス(41)を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のライナ(12)。
【請求項5】
前記ピラーキャビティ(51)が、その端部の各々に、前記開口部(56)の各々に向かう拡大部(58)を有する、請求項4に記載のライナ(12)。
【請求項6】
前記ピラーが、前記第1のシェル(30)に接続された第1のフレア状の端部(52)と、前記第2のシェル(36)に接続された第2のフレア状の端部(54)と、を備え、前記第1のフレア状の端部(52)の外部セクションが、前記第1のシェル(30)に向かって拡大しており、前記第2のフレア状の端部(54)の外部セクションが、前記第2のシェル(36)に向かって拡大している、請求項1~5のいずれか一項に記載のライナ(12)。
【請求項7】
前記第1の部品(22)及び前記第2の部品(24)が、レーザ放射に対して透過性であるように構成された材料で作製されており、前記ピラー(28)及び前記ストリップ(26)が、レーザ放射を吸収するように構成された材料で作製されており、前記ストリップ(26)及び前記ピラー(28)が、レーザ溶接によって、前記第1の部品(22)及び前記第2の部品(24)に溶接されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のライナ(12)。
【請求項8】
前記ストリップ(26)及び前記ピラー(28)が、突合せ溶接によって、前記第1の部品(22)及び前記第2の部品(24)に堅固に接続されており、抵抗シート(60)が、前記ストリップ(26)の隣接する縁部(62)と前記第1の部品(22)若しくは前記第2の部品(24)との間、及び/又は前記ピラー(28)の隣接する縁部と前記第1の部品(22)若しくは前記第2の部品(24)との間に配置されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のライナ(12)。
【請求項9】
加圧ガスタンク(10)であって、請求項1~8のいずれか一項に記載のライナ(12)と、前記ライナ(12)の周りに配置されたタンク本体(14)と、を備え、前記タンク本体(14)の内面(18)が、前記ライナ(12)の外面(20)に取り付けられている、加圧ガスタンク(10)。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか一項に記載の加圧ガス格納ライナ(12)を製造するための方法であって、
第1の部品(22)と、第2の部品(24)と、ピラー(28)と、ストリップ(26)と、を提供するステップと、
前記ピラー(28)を前記第1の部品(22)及び前記第2の部品(24)に堅固に接続し、前記ストリップ(26)を前記第1の部品(22)及び前記第2の部品(24)に堅固に接続するステップと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加圧ガス格納ライナに関する。本発明は、そのようなライナを備える加圧ガスタンク、及びそのようなライナを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
輸送手段の分野、特に自動車輸送においては、加圧ガスを格納することが重要であることが明らかであり得る。これは、燃料電池に供給することを意図した二水素が車両内に貯蔵されなければならない、燃料電池が提供された車両の発展に関して、一層当てはまることを明らかにする。
【0003】
車両内に加圧ガスを格納するために円筒形タンクを使用することが知られている。そのようなタンクには、概して、タンクの本体内部に配置され、タンク内の加圧ガスの格納を確実にすることを目的とする、円筒形圧縮ライナが提供されている。
【0004】
しかしながら、そのようなライナ、及びより一般的にはそのようなタンクは、それらの形状が車両のレイアウトに不適であることがあるため、完全に満足できるものではない。
【0005】
したがって、非円筒形のリザーバ、例えば、角柱タンクを使用することが提案されている。そのようなタンクは、概して、扁平な角柱の形状を有し、車両におけるタンクの一体化を改善することを可能にする。
【0006】
しかしながら、そのようなタンクは、完全に満足できるものではない。具体的には、それらの非円筒形状に起因して、タンクの堅牢性が低いことが示されている。したがって、タンクの堅牢性を改善するためにタンクを局所的に補強し、ライナをそのような補強に適合させることが必要であった。しかしながら、そのようなライナの製造は、複雑であることが判明している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の課題のうちの1つは、車両へのより容易な一体化を可能にする一方で、製造が安価であり、堅牢なタンクを得ることを可能にする、ガス格納ライナを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このために、本発明は、加圧ガス格納ライナであって、
第1の周縁部を備える第1のシェルを備える、第1の部品と、
第2の周縁部を備える第2のシェルを備える、第2の部品と、
第1の周縁部及び第2の周縁部上に重ね合わされているストリップであって、第1の部品及び第2の部品を互いに堅固に接続している、ストリップと、を備え、
第1の部品、第2の部品、及びストリップは、それらの間に内側容積部の境界を定めており、
格納ライナは、
内側容積部を通過し、第1のシェル及び第2のシェルを接続している、少なくとも1つのピラーを更に備える、加圧ガス格納ライナに関する。
【0009】
第1の部品及び第2の部品を堅固に接続するストリップ、並びにこれらの部品を接続するピラーの使用により、堅牢性が改善されたタンクを得るために補強要素を収容することができるライナの特に複雑でない組み立てが可能になる。
【0010】
本発明の他の有利な態様によれば、格納ライナは、以下の特徴のうちのいくつかを、単独で又は技術的に実現可能な任意の組み合わせで含む。
ストリップは、第1のシェル及び/又は第2のシェルの内側面上に少なくとも部分的に延在し、
ストリップは、内側容積部から離れるように方向付けられた配向で突出している部分を備え、突出部分は、第1の周縁部と第2の周縁部との間に少なくとも部分的に延在する。
ピラーは、中空であり、ピラーは、ピラーキャビティの境界を定めるピラー壁を備え、ピラーは、その端部の各々においてキャビティ上に開口部を備え、第1のシェルは、開口部のうちの一方に対向して配置されたオリフィスを備え、第2のシェルは、開口部のうちの他方に対向して配置されたオリフィスを備える。
ピラーキャビティは、その端部の各々に、開口部の各々に向かう拡大部を有する。
ピラーは、第1のシェルに接続された第1のフレア状の端部と、第2のシェルに接続された第2のフレア状の端部と、を備え、第1のフレア状の端部の外部セクションが、第1のシェルに向かって拡大しており、第2のフレア状の端部の外部セクションが、第2のシェルに向かって拡大している。
第1の部品及び第2の部品は、レーザ放射に対して透過性であるように構成された材料で作製されており、ピラー及びストリップは、レーザ放射を吸収するように構成された材料で作製されており、ストリップ及びピラーは、レーザ溶接によって、第1の部品及び第2の部品に溶接されている。
ストリップ及びピラーは、突合せ溶接によって、第1の部品及び第2の部品に堅固に接続されており、抵抗シートが、ストリップの隣接する縁部と第1の部品若しくは第2の部品との間、並びに/又はピラー及び第1の部品若しくは第2の部品の隣接する縁部の間に配置されている。
【0011】
本発明は更に、加圧ガスタンクであって、前述したようなライナと、ライナの周りに配置されたタンク本体と、を備え、タンク本体の内側面が、ライナの外側面に取り付けられている、加圧ガスタンクに関する。
【0012】
本発明は更に、前述したような加圧ガス格納ライナを製造するための方法であって、
第1の部品と、第2の部品と、ピラーと、ストリップと、を提供するステップと、
ピラーを第1の部品及び第2の部品に堅固に接続し、ストリップを第1の部品及び第2の部品に堅固に接続するステップと、を含む、方法に関する。
【0013】
本発明は、単に非限定的な例として与えられる以下の説明を読み、図面を参照することにより、より良好に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】タンクの製造中の、本発明によるライナを備えるタンクの部分斜視図である。
図2】切断平面II-IIに沿った図1のタンクの断面図であり、タンクの製造が完了している。
図3図1のタンクの、その全体の斜視図である。
図4図1図3に示す実施形態の代替的な実施形態によるライナの2つの部品間の堅固な接続部の細部の平面II-IIに沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1図3を参照すると、加圧ガスタンク10は、加圧ガス格納ライナ12を備える。図2において分かるように、加圧ガスタンク10は、タンク本体14と、少なくとも1つのタンク支柱16と、を更に備える。
【0016】
加圧ガスタンク10は、例えば、還元燃料ガスなど、及び特に加圧水素などの加圧ガスを格納するように構成されている。加圧ガスタンク10は、例えば、200バールよりも高い圧力のガス、例えば、350バールの圧力のガス又は700バールの圧力のガスを格納するように構成されている。加圧ガスタンク10は更に、例えば、例えば、加圧ガスタンク10に格納された加圧ガスの液相などの液体を格納するように構成されている。
【0017】
加圧ガスタンク10は、例えば、車両、例えば、自動車に設置されるように意図されている。加圧ガスタンク10は、例えば、車両の燃料電池(図示せず)に燃料を供給するように構成されている。
【0018】
タンク本体14は、例えば、ライナ12が収納される本体容積部17を形成している。タンク本体14は、例えば、本体容積部17を画定する内面18を備える。タンク本体14は、例えば、ライナ12がタンク本体14内に配置されるようにライナ12の周りに作られ、内面18は、例えば、ライナの外面20に取り付けられている。
【0019】
タンク本体14は、例えば、複合材料から作製されている。タンク本体14が作製される複合材料は、例えば、エポキシ樹脂、又はポリオレフィン、特にポリプロピレン、ポリアミド、特にポリカプロラクタムPA6、ポリヘキサメチレンアジパミドPA6.6などの脂肪族ポリアミド、ポリカーボネート、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)及びPEKK(ポリエーテルケトンケトン)を含むPAEK(ポリアリールエーテルケトン)、PMMA(ELIUMとして知られる樹脂を含む)、PEI(ULTEMとしても知られるポリエーテルイミド)、PPS(ポリフェニレンスルフィド)、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、PLA(ポリ乳酸)、TPU(熱可塑性ポリウレタン)及びPET(ポリエチレン)などのアクリル系材料、並びにそれらの混合物からなる群から選択される、少なくとも1つの熱可塑性ポリマーから作製される樹脂などの樹脂を含む。
【0020】
タンク本体14が作製される複合材料は、例えば、炭素繊維、ケブラー(登録商標)繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、ポリマー材料の繊維、例えば、熱可塑性物質、特にアラミド又はポリエステル繊維、植物由来の繊維、特に亜麻繊維、金属繊維からなる群から選択される繊維で作製された補強材を含み、繊維は好ましくは炭素繊維であるか、又はそのような繊維の混合物である。
【0021】
図2において分かるように、各タンク支柱16は、本体容積部17内に延在し、例えば、本体容積部17に対して互いに対向するタンク本体14の内面18の部分を接続する。
【0022】
各タンク支柱16は、例えば、タンク支柱16の端部の各々においてタンク本体14に溶接されるか、及び/又はタンク本体14と単一部品を形成するように作製される。
【0023】
各タンク支柱16は、例えば、複合材料から作製されている。各タンク支柱16が作製される複合材料は、例えば、エポキシ樹脂、又はポリオレフィン、特にポリプロピレン、ポリアミド、特にポリカプロラクタムPA6、ポリヘキサメチレンアジパミドPA6.6などの脂肪族ポリアミド、ポリカーボネート、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)及びPEKK(ポリエーテルケトンケトン)を含むPAEK(ポリアリールエーテルケトン)、PMMA(ELIUMとして知られる樹脂を含む)、PEI(ULTEMとしても知られるポリエーテルイミド)、PPS(ポリフェニレンスルフィド)、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、PLA(ポリ乳酸)、TPU(熱可塑性ポリウレタン)及びPET(ポリエチレン)などのアクリル系材料、並びにそれらの混合物からなる群から選択される、少なくとも1つの熱可塑性ポリマーから作製される樹脂などの樹脂を含む。
【0024】
各タンク支柱16が作製される複合材料は、例えば、炭素繊維、ケブラー(登録商標)繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、ポリマー材料の繊維、例えば、熱可塑性物質、特にアラミド又はポリエステル繊維、植物由来の繊維、特に亜麻繊維、金属繊維からなる群から選択される繊維で作製された補強材を含み、繊維は好ましくは炭素繊維であるか、又はそのような繊維の混合物である。
【0025】
特定の実施形態では、タンク支柱16の材料は、タンク本体14の材料と同じである。
【0026】
図2に示されるように、各タンク支柱16は、例えば、中空である。
【0027】
上記から分かるように、ライナ12は、例えば、本体容積部17内に配置されている。
【0028】
ライナ12は、加圧ガスタンク10が加圧ガスに対して耐漏洩性であることを確実にするように構成されており、一方で、タンク本体14は、加圧ガスが耐圧性であることを確実にするように構成されている。
【0029】
図1及び図2に示されるように、ライナ12は、第1の部品22と、第2の部品24と、ストリップ26と、少なくとも1つのピラー28と、を備える。
【0030】
図1及び図2に示されるように、ライナ12は、好ましくは、複数のピラー28、例えば、少なくとも4つのピラーを備える。
【0031】
第1の部品22、第2の部品24、ストリップ26、及び少なくとも1つのピラー28は、例えば、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、PA(ポリアミド)、PE(ポリエチレン)、PC(ポリカーボネート)、PP(ポリプロペン)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、PS(発泡ポリスチレン)、PBT(ブチレンテレフタレート)からなるリストから選ばれる熱可塑性材料で作製されている。第1の部品22、第2の部品24、ストリップ26及び少なくとも1つのピラー28の材料は、例えば、PA6(ポリカプロラクタム)、PA11(ポリウンデカンアミド)又はPA12(ナイロン12)からなるリストからより具体的に選ばれる。
【0032】
以下でより詳細に説明するように、第1の部品22、第2の部品24、ストリップ26、又は少なくとも1つのピラー28を作るために選ばれる熱可塑性材料は、添加剤を含み得る。
【0033】
図1及び図2に示されるように、第1の部品22は、第1の周縁部32と、内側面33と、を備える、第1のシェル30を備える。第1のシェル30、より具体的には第1のシェルの内側面33は、第1の周縁部32に沿って開口した第1の凹状スペース34の境界を定める。以下でより詳細に説明するように、第1のシェル30は、例えば、第1の周縁部32の反対側の第1の凹状スペース34に開口する少なくとも1つのオリフィス35を備える。
【0034】
図1及び図2に示されるように、第2の部品24は、第2の周縁部38と、内側面39と、を備える、第2のシェル36を備える。第2のシェル36、より具体的には第2のシェル36の内側面39は、第2の周縁部38に沿って開口した第2の凹状スペース40の境界を定める。以下でより詳細に説明するように、第2のシェル36は、例えば、第2の周縁部38の反対側の第2の凹状スペース40に開口する少なくとも1つのオリフィス41を備える。
【0035】
第1の部品22及び第2の部品24は、互いに面して配置されており、第1の周縁部32は、例えば、第2の周縁部38に対向して配置されている。この場合、第1の凹状スペース34及び第2の凹状スペース40は、互いに面して出現する。
【0036】
ストリップ26は、第1の周縁部32及び第2の周縁部38上で重ね合わされている。換言すれば、ストリップ26は、第1の周縁部32及び第2の周縁部38の各々に対向して延在する。ストリップ26は、特に、第1の周縁部32及び第2の周縁部38を接続している。
【0037】
図1及び図2に示されるように、ストリップ26は、第1の部品22及び第2の部品24を接続している。
【0038】
第1の部品22、第2の部品24、及びストリップ26は、それらの間に内側容積部42の境界を定める。このように境界を定められた内側容積部42は、加圧ガスによって占有されるように構成されている。
【0039】
ストリップ26は、例えば、第1のシェル30の内側面33及び/又は第2のシェル36の内側面39上に少なくとも部分的に延在する。
【0040】
図1図3の例では、ストリップ26は、第1の周縁部32に沿って第1のシェル30の内側面33にわたって延在し、したがって、第1の凹状スペース34内に部分的に延在する。ストリップ26は更に、第2の周縁部38に沿って第2のシェル36の内側面39にわたって延在し、したがって、第2の凹状スペース40内に部分的に延在する。
【0041】
図1及び図2において分かるように、ストリップ26は、例えば、内側部分44と、突出部分46と、を備える。ストリップ26は、例えば、内側容積部42にアクセスするための少なくとも1つのポート48を収容する。図1図3の例では、ストリップは、内側容積部42にアクセスするための2つのポート48を受け入れている。
【0042】
突出部分46は、内側容積部42から離れるように内側部分44から突出している。突出部分46は、例えば、第1の周縁部32と第2の周縁部38との間に少なくとも部分的に延在する。
【0043】
図1図3において分かるように、突出部分46の幅Lは、第1の部品22と第2の部品24との間、特に第1の周縁部32と第2の周縁部38との間の間隔に対応する。
【0044】
図1及び図2において分かるように、突出部分46の幅Lは、周縁部32、38に沿って可変である。特に、かつ以下でより詳細に説明するように、幅Lは、少なくとも1つのアクセスポート48の周りで最大である。
【0045】
内側部分44は、例えば、第1の周縁部32及び第2の周縁部38に沿って、第1のシェル30の内側面33及び第2のシェル36の内側面39上で突出部分46の両側に突出している。
【0046】
図1及び図2に示されるように、ポート48は、ストリップ26を通って配置されている。ポート48は、例えば、突出部分46を通って配置されている。加圧ガスタンク10の各ポート48は、例えば、内側容積部42に加圧ガスを充填し、かつ/又は内側容積部42を空にするために、内側容積部42へのアクセスを可能にするように、例えば、ストリップ26内に収納されている。
【0047】
図1及び図2に示されるように、少なくとも1つのピラー28は、内側容積部42を通過し、第1のシェル30及び第2のシェル36を接続している。
【0048】
ピラー28は、例えば、その第1の端部52とその第2の端部54との間の伸長軸X-X’に沿って細長く、ピラー28の第1の端部52は、第1のシェル30に接続されており、ピラー28の第2の端部54は、第2のシェル36に接続されている。
【0049】
ピラー28は、例えば、中空である。ピラー28は、例えば、ピラーキャビティ51の境界を定めるピラー壁50を備える。この場合、ピラー28は、例えば、その端部52、54の各々においてキャビティ51上に開口部56を備える。この場合、第1のシェル30のオリフィス35は、例えば、開口部56のうちの一方に対向して配置されており、この場合、第2のシェル36のオリフィス41は、開口部56のうちの他方に対向して配置されている。
【0050】
図2に示されるように、タンク支柱16は、例えば、各ピラー28のキャビティ51内に収納されており、タンク支柱16は、例えば、開口部56を通ってキャビティ51の両側に延在する。このように収納された支柱16は、更に、例えば、これらのシェル30、36のオリフィス35、41を通って第1のシェル30及び第2のシェル36を通過し、支柱16はしたがって、ライナ12の両側でタンク本体14に接続されている。
【0051】
図2において分かるように、ピラーキャビティ51は、例えば、その端部の各々において、すなわち、ピラーの端部52、54の各々において、その開口部56の各々に向かう拡大部58を有する。
【0052】
図2に示されるように、第1の端部52及び第2の端部54は更に、例えば、フレア状であり、第1の端部52の外側セクションはしたがって、第1のシェル30に向かって拡大しており、第2の端部54の外側セクションはしたがって、第2のシェル36に向かって拡大している。
【0053】
図2に示されるように、その端部の各々におけるキャビティ51の拡大部58は、例えば、端部52、54の各々における外部セクションの広がりに対応し、ピラー壁は、ピラー28に沿って実質的に一定の厚さである。
【0054】
図1図3に示す例では、第1の部品22及び第2の部品24は、レーザ放射に対して透過性であるように構成された材料で作製されている。ピラー28及びストリップ26は、更に、レーザ放射を吸収するように構成された材料から作製されている。
【0055】
レーザ放射に対して透過性であるように構成された材料は、例えば、上記で提示した熱可塑性材料のうちの1つから作製されており、上記熱可塑性材料は、光吸収添加剤を含まない。
【0056】
レーザ放射を吸収するように構成された材料は、例えば、上記で提示した熱可塑性材料のうちの1つから作製されており、上記熱可塑性材料は、例えば、炭素などの光吸収添加剤を含む。
【0057】
特定の実施形態では、レーザ放射に対して透過性であるように構成された材料、及びレーザ放射を吸収するように構成された材料は、同じ熱可塑性材料から作製されており、これらの材料間の違いは、レーザ放射を吸収するように構成された材料が、光吸収添加剤を使用して処理される一方で、レーザ放射に対して透過性であるように構成された材料は、そのような添加剤を使用して処理されないことである。
【0058】
この場合、ストリップ26及びピラー28は、レーザ溶接によって第1の部品22及び第2の部品24に溶接されている。
【0059】
したがって、ストリップ26は、レーザ溶接によって、一方では第1の部品22に溶接されており、他方では第2の部品24に溶接されている。特に、ストリップ26の内側部分44は、例えば、レーザ溶接によって、周縁部32、38に沿って、シェル30、36を通して内側面33、39に溶接されている。
【0060】
したがって、ピラー28は、レーザ溶接によって、一方では第1の部品22に溶接されており、他方では第2の部品に溶接されている。特に、ピラーの端部52、54は、例えば、レーザ溶接によってオリフィス41の周りでシェル30、36を通して内側面33、39に溶接されている。
【0061】
ここで、加圧ガスを圧縮するためのライナ12の第2の実施形態を提示する。この第2の実施形態によれば、ライナ12は、上記で提示した実施形態とは異なる。同様の要素は、同じ参照符号を有する。
【0062】
この第2の実施形態では、ストリップ26及びピラー28は、レーザ溶接によって第1の部品22及び第2の部品24に堅固に接続されておらず、突合せ溶接によって第1の部品22及び第2の部品24に堅固に接続されている。
【0063】
このために、ピラー28及びストリップ26は、必ずしもレーザビームを吸収するように構成された材料で作製される必要はなく、第1の部品22及び第2の部品24は、必ずしもレーザ放射に対して透過性であるように構成された材料で作製される必要はない。
【0064】
この実施形態では、図4に示されるように、抵抗シート60が、ストリップの隣接する縁部62と第1の部品22若しくは第2の部品24との間、及び/又はピラー28の隣接する縁部(図示せず)と第1の部品22若しくは第2の部品24との間に配置されている。図4に示される実施形態では、第1の抵抗シート60は、一方では突出部分46の第1の側面と第1の周縁部32との間、及び上記突出部分46の第2の側面と第2の周縁部38との間に延在する。この実施形態では、抵抗シート60は更に、一方の内側部分44と他方の内側面33、39との間に延在する。
【0065】
ここで、加圧ガスを圧縮するためのライナ12の第3の実施形態を提示する。この第3の実施形態によれば、ライナ12は、上記で提示した実施形態とは異なる。同様の要素は、同じ参照符号を有する。
【0066】
この第3の実施形態では、第1の部品22、ストリップ26及びピラー28は、突合せ溶接によっても、レーザ溶接によっても第1の部品22及び第2の部品24に堅固に接続されておらず、熱風溶接によって堅固に接続されている。
【0067】
このために、ピラー28及びストリップ26は、必ずしもレーザビームを吸収するように構成された材料で作製される必要はなく、第1の部品22及び第2の部品24は、必ずしもレーザ放射に対して透過性であるように構成された材料で作製される必要はない。ストリップ26及び第1の部品22若しくは第2の部品24の隣接する縁部62、並びに/又はピラー28及び第1の部品22若しくは第2の部品24の隣接する縁部62の間には、抵抗シートは更に配置されない。
【0068】
ストリップ26は、例えば、高温空気などの熱風を使用して加熱することによって、ストリップ26の部分並びに/又は隣接する及び/若しくは重ね合わされたシェル30、36の部分を加熱することにより、第1のシェル30及び第2のシェル36に堅固に接続されている。
【0069】
ここで、上述したような加圧ガス格納ライナ12を製造するための方法について提示する。
【0070】
第1のステップ中に、第1の部品22と、第2の部品24と、ピラー28と、ストリップ26と、が提供される。
【0071】
第2のステップ中に、ピラー28は、第1の部品22及び第2の部品24に堅固に接続され、ストリップ26は、第1の部品22及び第2の部品24に堅固に接続される。
【0072】
上記で提示した第1の実施形態によれば、ピラー28の第1の部品22及び第2の部品24への固定、並びにストリップ26の第1の部品22及び第2の部品24への固定は、レーザ溶接によって行われる。このために、レーザビームがピラー28に向けられ、レーザ光線に対して透過性である第1の部品22及び第2の部品24を通してレーザビームを吸収する。レーザビームの吸収に関連するピラー28の局所的な加熱は、ピラーの局所的な溶融、並びに、ピラー28の局所的に溶融された部分に隣接する第1の部品22及び第2の部品24の部分の局所的な溶融を引き起こし、ピラー28と第1の部品22及び第2の部品24とのレーザ溶接による締結をもたらす。同様に、レーザビームがストリップ26に向けられ、レーザ光線に対して透過性である第1の部品22及び第2の部品24を通してレーザ光線を吸収し、ストリップ26と第1の部品22及び第2の部品24とのレーザ溶接による締結をもたらす。
【0073】
上記で提示した第2の実施形態によれば、ピラー28の第1の部品22及び第2の部品24への堅固な接続、並びにストリップ26の第1の部品22及び第2の部品24への堅固な接続は、突合せ溶接によって行われる。抵抗シート60は、ストリップ及び第1の部品22若しくは第2の部品24の隣接する縁部62の間、並びに/又はピラー28及び第1の部品22若しくは第2の部品24の隣接する縁部(図示せず)の間に配置されている。次いで、ジュール効果によるその加熱のために、抵抗シート60を通して電流が生成される。したがって、隣接する縁部62が加熱され、その結果、隣接する縁部62が抵抗シート60に溶接される。
【0074】
上記で提示した第3の実施形態によれば、ピラー28の第1の部品22及び第2の部品24への堅固な接続、並びにストリップ26の第1の部品22及び第2の部品24への堅固な接続は、熱風溶接によって行われる。
【0075】
次に、隣接する部品の加熱が、それらの局所的な溶融及び結果として生じる溶接のために、熱風ジェットによって行われる。
【0076】
上記3つの実施形態で提示された様々な溶接モードは組み合わせることができ、例えば、入れ替え可能であることが理解されるであろう。例えば、ストリップ26は、突合せ溶接によって第1の部品22及び第2の部品24に溶接され、ピラー28は、レーザ溶接によって第1の部品22及び第2の部品24に堅固に接続される。
図1
図2
図3
図4