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特開2024-54858パターヘッドおよびそのための打撃フェースインサート
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054858
(43)【公開日】2024-04-17
(54)【発明の名称】パターヘッドおよびそのための打撃フェースインサート
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/04 20150101AFI20240410BHJP
   A63B 53/06 20150101ALI20240410BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20240410BHJP
【FI】
A63B53/04 H
A63B53/06 E
A63B102:32
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023173598
(22)【出願日】2023-10-05
(31)【優先権主張番号】63/413,410
(32)【優先日】2022-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】523380276
【氏名又は名称】ブラックスミス・ゴルフ・カンパニー・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・バラバン
(72)【発明者】
【氏名】ガレス・ラフレウスキー
(72)【発明者】
【氏名】マルク・ルフェーヴル
(72)【発明者】
【氏名】スコット・コークス
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・コークス
【テーマコード(参考)】
2C002
【Fターム(参考)】
2C002AA04
2C002CH01
2C002LL04
(57)【要約】
【課題】欠点を未然に防ぐ、または軽減する新規のパターを提供すること。
【解決手段】ゴルフパター用のパターヘッドが提供される。パターヘッドは、本体とインサートとを備える。本体は、ベースと、ゼロではない第1のロフト角Aを有するボールに面する表面を有するフェース部分と、ボールに面する表面によって囲まれ、フェース部分を通って延びる窓と、窓から後方向にベース内に延びる上部開口型ドックとを備える。インサートは、本体に取り外し可能に取り付け可能である。インサートは、0からAの範囲内の第2のロフト角を有するボール打撃フェースを有するインサート本体と、インサート本体から後方向に延びるフットとを備える。フットは、窓を通して挿入されるように、且つ上部開口型ドック内に着座するように寸法設定される。インサート本体は、窓によって受け入れられるように、且つ窓内に着座するように寸法設定される。
【選択図】図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフパター用のパターヘッドであって、
本体であって、
ベース、
ゼロではない第1のロフト角Aを有する、ボールに面する表面を有するフェース部分、
前記ボールに面する表面によって囲まれ、前記フェース部分を通って延びる窓、および
前記窓から後方に前記ベース内に延びる上部開口型ドックを備える、本体と、
前記本体に取り外し可能に取り付け可能なインサートと、
を備え、
前記インサートは、
0からAの範囲内の第2のロフト角を有するボール打撃フェースを有するインサート本体、および
前記インサート本体から後方に延びるフット
を備え、
前記フットは、前記窓を通して挿入されるように、且つ前記上部開口型ドック内に着座するように寸法設定され、
前記インサート本体は、前記窓によって受け入れられるように、且つ前記窓内に着座するように寸法設定される、パターヘッド。
【請求項2】
前記インサートが、前記フットの上面に沿った位置合わせガイドを備え、前記フットが前記上部開口型ドック内に着座したとき、前記位置合わせガイドを見ることができる、請求項1に記載のパターヘッド。
【請求項3】
前記位置合わせガイドが、少なくとも1つのエンボス加工されたおよび/またはデボス加工されたラインを備える、請求項2に記載のパターヘッド。
【請求項4】
前記ボール打撃フェースの前記第2のロフト角が、A以下である、請求項1に記載のパターヘッド。
【請求項5】
前記インサート本体およびフットが、一個片の材料から一体的に形成される、請求項1に記載のパターヘッド。
【請求項6】
前記材料が、銅および鋼からなる群から選択される、請求項5に記載のパターヘッド。
【請求項7】
前記インサート本体の前記ボール打撃フェースが、複数の溝を備える、請求項1に記載のパターヘッド。
【請求項8】
前記インサート本体の前記ボール打撃フェースが、連続的に平滑である、請求項1に記載のパターヘッド。
【請求項9】
前記本体が、前記インサート本体が前記窓内に着座したときに、前記インサート本体の後方を向く側を支承するように寸法設定された停止構造をさらに備える、請求項1に記載のパターヘッド。
【請求項10】
前記停止構造を前記インサート本体の前記後方を向く側に締結するための少なくとも1つの取り外し可能な締結具をさらに備える、請求項9に記載のパターヘッド。
【請求項11】
前記少なくとも1つの取り外し可能な締結具が、ねじ山付き締結具である、請求項10に記載のパターヘッド。
【請求項12】
前記停止構造が、前記窓に隣接する前記ボールに面する表面内に少なくとも1つの凹部を備える、請求項9に記載のパターヘッド。
【請求項13】
前記少なくとも1つの凹部が、前記窓のトゥ側の第1の凹部と、前記窓のヒール側の第2の凹部とを含む、請求項12に記載のパターヘッド。
【請求項14】
前記第1の凹部を貫通する第1の穴と、
前記第2の凹部を貫通する第2の穴と、
前記後方を向く側から前記インサート本体内の途中までしか延びない第3のねじ山付き穴および第4のねじ山付き穴と、
前記第1の穴および前記第2の穴のそれぞれ1つを通過することができ、前記第3のねじ山付き穴および前記第4のねじ山付き穴のそれぞれ1つ内にねじ込み可能であり、それによって前記インサートを前記パターヘッドに取り外し可能に取り付ける、取り外し可能なねじ山付き締結具と、
をさらに備える、請求項13に記載のパターヘッド。
【請求項15】
前記第1の穴および前記第2の穴がそれぞれ、それぞれの前記取り外し可能なねじ山付き締結具を前記第1の穴および前記第2の穴にねじ込むことを容易にするためにねじ切りされる、請求項14に記載のパターヘッド。
【請求項16】
請求項1に記載のパターヘッドに結合されたシャフトを備えるゴルフパター。
【請求項17】
前記シャフトが、ホーゼルを介して前記パターヘッドに結合される、請求項16に記載のゴルフパター。
【請求項18】
パターヘッド用の取り外し可能に取り付け可能なインサートであって、
第2のロフト角を有するボール打撃フェースを有するインサート本体であって、前記第2のロフト角は、0から前記パターヘッドの第1のロフト角Aまでの範囲内である、インサート本体と、
前記インサート本体から後方向に延びるフットと、
を備え、
前記フットは、前記パターヘッドの窓を通して挿入されるように、且つ前記パターヘッド内の上部開口型ドック内に着座するように寸法設定され、
前記インサート本体は、前記窓によって受け入れられるように、且つ前記窓内に着座するように寸法設定される、インサート。
【請求項19】
前記インサート本体および前記フットが、一個片の材料から一体的に形成される、請求項18に記載のインサート。
【請求項20】
前記ボール打撃フェースが、複数の溝を備える、請求項18に記載のインサート。
【請求項21】
前記インサート本体が、その両側を延びるウィングをさらに備え、前記ウィングのそれぞれは、後方を向く側から前記インサート本体内に途中までしか延びないねじ山付き穴を備える、請求項18に記載のインサート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、「Golf Putters with Putter Heads Adapted to Receive Different Ball Striking Inserts and Ball Striking Inserts for Same」と題する2022年10月5日出願の米国特許仮出願第63/413,410号に対する優先権を主張する。本発明は、一般に、ゴルフパターに関し、詳細には種々の打撃フェースインサートならびにそのための打撃フェースインサートを受け入れるように構成されたゴルフパターヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフでは、パターは、ボールがグリーン上にあるか、またはその近くにあるときに通常使用されるクラブである。パターは平坦なスティックと称されることが多いが、パターは、完全に平坦というわけではなく、いくらかのロフトがある。通常、パターは、2度から4度の間のロフトを有する傾向がある。ボールは芝生内にわずかに沈んで着座または載置し、表面と同じ高さでないため、ロフトは必要である。したがって、ロフトは、ボールを持ち上げ、これをホールまで円滑に転がすのに役立つ。しかし、パターの最適なロフトは、グリーンに使用される芝生のタイプおよびゴルファーのパッティングストロークによって変わり得る。したがって、ゴルファーが自身のパッティングストロークに最適なロフトを特定したとしても、ロフトの効果性は、異なる芝生を有する異なるゴルフコースでは変わり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の目的は、上記で言及した欠点を未然に防ぐ、または軽減する新規のパターを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態の態様によると、ゴルフパター用のパターヘッドは、本体とインサートとを備える。本体は、ベースと、ゼロではない第1のロフト角Aを有するボールに面する表面を有するフェース部分と、ボールに面する表面によって囲まれ、フェース部分を通って延びる窓と、窓から後方向にベース内に延びる上部開口型ドックとを備える。インサートは、本体に取り外し可能に取り付け可能である。インサートは、0からAの範囲内の第2のロフト角を有するボール打撃フェースを有するインサート本体と、インサート本体から後方向に延びるフットとを備える。フットは、窓を通して挿入されるように、且つ上部開口型ドック内に着座するように寸法設定される。インサート本体は、窓によって受け入れられるように、且つその内部に着座するように寸法設定される。
【0005】
一実施形態では、インサートは、フットの上面に沿って位置合わせガイドを備えてもよく、フットが上部開口型ドック内に着座したとき、位置合わせガイドを見ることができる。位置合わせガイドは、少なくとも1つのエンボス加工されたおよび/またはデボス加工されたラインを備えてもよい。
【0006】
一実施形態では、ボール打撃フェースの第2のロフト角は、A以下であってもよい。インサート本体のボール打撃フェースは、複数の溝を備えてもよい。インサート本体のボール打撃フェースは、連続的に平滑であってもよい。一実施形態では、インサート本体およびフットは、一個片の材料から一体的に形成されてもよい。材料は、銅および鋼からなる群から選択されてもよい。
【0007】
一実施形態では、本体は、インサート本体が窓内に着座したときにインサート本体の後方を向く側を支承するように寸法設定された停止構造をさらに備える。少なくとも1つの取り外し可能な締結具が、停止構造をインサート本体の後方を向く側に締結してもよい。少なくとも1つの取り外し可能な締結具は、ねじ山付き締結具であってもよい。停止構造は、窓に隣接するボールに面する表面内に少なくとも1つの凹部を備えてもよい。少なくとも1つの凹部は、窓のトゥ側の第1の凹部と、窓のヒール側の第2の凹部とを含んでもよい。一実施形態では、パターヘッドは、第1の凹部を貫通する第1の穴と、第2の凹部を貫通する第2の穴と、後方を向く側からインサート本体内の途中までしか延びない第3および第4のねじ山付き穴と、第1および第2の穴のそれぞれ1つを通過することができ、第3および第4のねじ山付き穴のそれぞれ1つ内にねじ込み可能であり、それによってインサートをパターヘッドに取り外し可能に取り付ける、取り外し可能なねじ山付き締結具とをさらに備えてもよい。第1および第2の穴はそれぞれ、それぞれの取り外し可能なねじ山付き締結具を第1および第2の穴にねじ込むことを容易にするためにねじ切りされてもよい。
【0008】
1つの実施形態では、ゴルフパターは、上記で説明されたパターヘッドに結合されたシャフトを備える。シャフトは、ホーゼルを介してパターヘッドに結合されてもよい。
【0009】
一実施形態の別の態様によると、パターヘッド用の取り外し可能に取り付け可能なインサートが、提供される。インサートは、第2のロフト角を有するボール打撃フェースを有するインサート本体であって、第2のロフト角は、0からパターヘッドの第1のロフト角Aまでの範囲内である、インサート本体と、インサート本体から後方向に延びるフットとを備える。フットは、パターヘッドの窓を通して挿入されるように、且つパターヘッド内の上部開口型ドック内に着座するように寸法設定される。インサート本体は、窓によって受け入れられるように、且つ窓内に着座するように寸法設定される。
【0010】
一実施形態では、インサート本体およびフットは、一個片の材料から一体的に形成されてもよい。ボール打撃フェースは、複数の溝を備えてもよい。インサート本体は、その両側を延びるウィングをさらに備えてもよい。ウィングのそれぞれは、後方を向く側からインサート本体内に途中までしか延びないねじ山付き穴を備えてもよい。
【0011】
一実施形態の別の態様によると、上記で記載したパターと、インサートの代わりにパターヘッド内に受け入れ可能な代替のインサートとを備え、代替のインサートは、第2のロフト角、材料、重量、ボール打撃フェース上のエンボス加工されたおよび/またはデボス加工されたマーキングの有無、ボール打撃フェース上のエンボス加工されたおよび/またはデボス加工されたマーキングの形態、フットの上面に沿った位置合わせガイドの有無、フットの上面に沿った位置合わせガイドの形態に関する品質の少なくとも1つにおいてインサートとは異なる、パターキットが提供される。
【0012】
次に、実施形態が、添付の図を参照しながら例としてのみ説明される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1a】パターヘッドの上面図である。
図1b図1aのパターヘッドの正面図である。
図1c図1aのパターヘッドとは異なるインサートを有するパターヘッドの上面図である。
図1d図1cのパターヘッドの正面図である。
図2a】マレット型パターヘッド本体の上面図である。
図2b図2aのパターヘッド本体の底面図である。
図2c図2aのパターヘッド本体の正面図である。
図2d図2a内の線A-Aに沿って切り取られた断面図である。
図2e図2a内の線B-Bに沿って切り取られた断面図である。
図3a】ブレード型パターヘッド本体の上面図である。
図3b図3aのパターヘッド本体の底面図である。
図3c図3aのパターヘッド本体の正面図である。
図3d図3aの線A-Aに沿って切り取られた断面図である。
図3e図3aの線B-Bに沿って切り取られた断面図である。
図4a】パターインサート用のインサートの上面図である。
図4b図4aのパターインサートの上部-正面の等角図である。
図4c図4aのパターインサートの正面図である。
図4d図4c内の線A-Aに沿って切り取られた断面図である。
図5】複数のパターヘッドを示す図である。
図6】複数のパターヘッド本体およびインサートを示す図である。
図7】シャフトに結合されたパターヘッドの正面等角図である。
図8】シャフトに結合されたパターヘッドの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
便宜上、本説明内の同様の番号は、図内の同様の構造を指す。図1aから図1dを参照すれば、一実施形態によるパターヘッドが、番号100によって全体的に示される。パターヘッド100は、本体102と、打撃フェースインサート(またはインサート)104とを含む。一実施形態では、パターヘッド100はまた、本体102に取り付けられたホーゼル106を含んでもよい。ホーゼル106は、パターヘッド100をパターシャフト(図7に示す)に結合するように構成される。
【0015】
図2aから図2eを参照すれば、本体102は、インサート104無しで示される。図示する実施形態では、本体102は、マレット型パターヘッド100に合わせて成形される。本体102は、ベース202とフェース部分204とを含む。フェース部分204は、ボールに面する表面206と、窓208と、停止構造210と、穴212と、トップライン214とを含む。ベース202は、上部開口型ドック216を備える。ボールに面する表面206は、第1のロフト角Aを有する。第1のロフト角Aは、パターヘッド100の最大ロフトである。
【0016】
窓208は、ボールに面する表面206によって囲まれ、フェース部分204を通って延びる。停止構造210は、インサート104が窓208内に着座したときにインサート104の後方を向く側を支承するように寸法設定される。一実施形態では、停止構造210は、窓208に隣接するボールに面する表面206内に少なくとも1つ凹部を備える。一実施形態では、停止構造210は、窓208のトゥ側のボールに面する表面206内の第1の凹部と、窓208のヒール側のボールに面する表面206内の第2の凹部とを備える。穴212のそれぞれは、第1および第2の凹部210の対応する1つ内でフェース部分204を通って延びる。一実施形態では、穴212は、ねじ切りされてもよい。上部開口型ドック216は、窓208の後側から後方にベース202内に延びる。
【0017】
図3aから図3eを参照すれば、本体の別の実施形態が、102によって示される。図示する実施形態では、本体102は、ブレード型パターヘッド100に合わせて成形される。図示していないが、本体102はまた、ミッドマレット型パターヘッド100に合わせて成形されてもよい。本体102は異なって成形され得るが、それぞれの窓208および上部開口型ドック216は、各本体102がインサート104のいずれのものも受け入れることができるように同じにサイズ設定される。
【0018】
図4aから図4dを参照すれば、インサート104は、分離して示される。インサート104は、インサート本体402とフット404とを含む。インサート本体402およびフット404は、一個片のインサート104を形成する。一実施形態では、インサート本体402およびフット404は、一個片の材料から一体的に形成される。インサート本体402は、前方を向くボール打撃フェース406を有する。フット404は、インサート本体402から後方に延びる。フット404は、本体102の窓208を通して挿入され、上部開口型ドック216内に着座するようにサイズ設定および成形(すなわち寸法設定)される。
【0019】
一実施形態では、フット404は、位置合わせガイド408(図1cに示す)をさらに備えてもよい。一実施形態では、位置合わせガイド408は、フット404の上面に沿って配置される。したがって、フット404が上部開口型ドック216内に着座したとき、位置合わせガイドを見ることができる。位置合わせガイド408は、少なくとも1つのエンボス加工された、デボス加工された、または別の形でマークされた線を備えてもよい。たとえば、位置合わせガイド408は、エッチングされた、エンボス加工された、またはデボス加工された表面ではなく、平滑表面上に塗装されるか、または別の形で視覚的に区別可能なマークを備えてもよい。別の例として、位置合わせガイドは、エッチング、エンボス加工、またはデボス加工とマークの両方のものであってもよい。
【0020】
異なるインサート104は、異なる位置合わせガイド408を有しても、または位置合わせガイドを有さなくてもよいが、別の形で別のインサート104と定性的に同じであってもよい。たとえば、図1cを参照すれば、位置合わせガイド408は、フット404の上面に沿って延びる複数ラインのデボス加工された位置合わせガイド408を含む。対照的に、図1aに示すフット404は、位置合わせガイド408を含まない。
【0021】
インサート本体402は、その両側を延びるウィング410を含む。ウィング410は、パターヘッド本体102の停止構造210によって受け入れられるようにサイズ設定および成形される。したがって、ウィング410は、フット404が上部開口型ドック216内に着座したときに、インサート本体402がパターヘッド本体102の窓208を通り抜けることを防止する。結合穴412が、ウィング410のそれぞれ内に形成される。結合穴412は、インサート本体402の後方を向く表面414内に形成される。結合穴412は、インサート本体402内に、ただしこれを貫通せずに延びる。結合穴412は、取り外し可能な締結具を受け入れるようにねじ切りされる。取り外し可能な締結具は、パターヘッド本体102内の穴212を通過し、またはその中にねじ込まれてインサート本体402の穴412に入り、それによってインサート104をパターヘッド本体102に取り付ける。
【0022】
インサート104は、たとえば、銅および鋼を含む任意の適切な材料で形成されてもよい。異なるインサート104が異なる材料を有してもよいことが、理解されよう。インサート104は、材料の相違を除いて、すべての点において全く同じであってもよい。
【0023】
ボール打撃フェース406は、たとえば図1bに示すように、平坦で平滑なブラシ表面であることができる。代替として、ボール打撃フェース406は、溝付き表面を有することができる。溝付き表面は、複数の異なるパターンを形成することができる。たとえば、溝付き表面は、図1dに示すように複数の線形の平行な溝を提供することができる。別の例として、溝付き表面は、図4bに示すように、パターン付き溝を提供することができる。溝は、ボール打撃フェース406内に切り込む、または別様でデボス加工することができる。異なるインサート本体402が異なるボール打撃フェース406を有してもよいことが、理解されよう。インサート本体402は、ボール打撃フェース406の相違を除いて、すべての点において全く同じであってもよい。
【0024】
ボール打撃フェース406は、第2のロフト角Bを有する。第2のロフト角Bは、0から第1のロフト角Aの範囲内である。たとえば、パターヘッド本体102は、4度の第1のロフト角Aを有してもよい。ボール打撃フェース406は、4度の第2のロフト角Bを有してもよい。異なるインサート本体402が異なる第2のロフト角Bを有してもよいことが、理解されよう。インサート104は、第2のロフト角Bの相違を除いて、すべての点において全く同じであってもよい。一例として、そのようなインサート104は、3度、2度、1度、もしくは0度、または(この例の実施形態では)0度から4度の間の何らかの他の角度のロフト角度を有してもよい。
【0025】
理解されるように、パターヘッド本体102は、複数の対応する交換可能なインサート104の1つを受け入れるように適合される。材料、第2のロフト角B、およびボール打撃フェース406の表面構成のさまざまな組み合わせを含む異なるインサート104を提供することができる。したがって、ゴルファーは、全体的にすべてのインサートにわたって同じ方法でボールに対処するようにゴルフクラブを振ることができながら、異なる条件に合わせて使用可能である、選択されたインサート104のセットを有し得る。
【0026】
上記の観点から見て、ゼロではない第1のロフト角Aにより、全体的に矩形の「影」領域108(図1aおよび図1cに示す)が、本体102のトップライン214の正面上縁と本体102のボールに面する表面206の正面底縁との間に現れるようになる。インサート104は、0度から第1のロフト角Aの間にある第2のロフト角Bを有する。その結果、インサート104が本体102に対する異なるロフト角を有し得る場合でも、インサート104のボール打撃フェース406は、影領域108内に留まる。特に、いくつかの実施形態では、第2のロフト角Bは、第1のロフト角Aと同じであってもよく、それによってインサートのボール打撃フェース406は、本体102のボールに面する表面206と面一になる。他の実施形態では、第2のロフト角Bは、第1のロフト角Aとは異なってもよく、それによってインサートのボール打撃フェース406は、本体102のボールに面する表面206から突起する。しかし、第1のロフト角Aと第2のロフト角Bとの間の相違は、存在する場合、上方からパターヘッド100を見たときにゴルファーにとって大きく異なる、または注意散漫になるものとして視覚的に主張することはない。したがって、ゴルファーは、ボールに対処するときにパターヘッド100のトップライン214とボールとの間の対応する視覚的視点の変化を有することなく、異なるインサート104を使用して異なるロフト角を実現することができる。このようにして、ゴルファーは、ボールの対処方法を変更する必要なく、また、対応する視覚的な注意散漫を最小限にして、パターヘッド100内で異なるインサート104を使用することができる。
【0027】
ゴルファーは、たとえば、ロフト角、材料、重量、ボール打撃フェース406上の溝またはマーキングの有無、ボール打撃フェース406上の溝またはマーキングの形態、形状、もしくはパターン、位置合わせガイド408の有無、位置合わせガイド408の形態などを含むインサート特徴に基づいてインサート104を選択してもよい。インサート特徴の異なる組み合わせを有する他のインサート104もまた、提供されてもよい。各インサートには、パターヘッドを上方から、トップライン214から後方に見たときにゴルファーに明らかになる他の視覚的相違が提供され得る。一実施形態では、ゴルファーによる使用中に上方から見たとき、パターヘッドのトップライン214およびトップライン214からボールに向かう前方は、どのインサート104が挿入されたかに関係なく、実質的に同じに見える。このようにして、ゴルファーには、ボール打撃フェース406とボールとの間の相互作用についての最小限に変化した視覚的視点が提供される。
【0028】
ボール打撃フェース406およびインサート104の第2のロフト角Bに関する視覚的相違は、パターを他の視点から見たときに現れてもよい。さらに、異なるインサートに関する他の視覚的相違が、上方から見たときに見え得る。たとえば、インサート104のフット404は、上方から見ることができる異なる位置合わせガイドを有してもよく、または有さなくてもよく、異なる色、異なる材料、および/または他の相違を有してもよい。
【0029】
本明細書において開示する構成は、すべての適切なインサート104によって達成される共通の視覚的視点により、ゴルファーが、ボールに対する、ボールに面する表面206およびパターのトップライン214の見慣れた配向を維持することを可能にする。それと同時に、異なるインサート104を使用して、たとえば異なるロフト角B、ボールとボール打撃フェース406の異なる相互作用、打撃感覚、打撃音、打撃後振動量、位置合わせガイド408などを含む、ボールとの異なる定性的相互作用を提供することができる。これは、ゴルファーが、スイングおよびボール相互作用の一貫性を維持することを可能にし、それにより、ゴルファーが、定性的に異なるインサート104による異なるボール打撃結果を達成する可能性を有しながら、予想通りにボールに対処することを可能にする。
【0030】
図5を参照すれば、複数のパターヘッド100が示される。パターヘッド100のそれぞれは、それぞれのインサート104が接続された本体102を有する。インサート104のそれぞれは、異なるそれぞれの材料およびボール打撃フェース溝/構成を有する。
【0031】
図6を参照すれば、異なるパターヘッド本体102aおよび102bならびに異なるインサート104a、104b、および104cが示される。一方のパターヘッド本体102aは、右利き用のブレード型パター本体である。他方のパターヘッド本体102bは、左利き用のマレット型本体である。1つのインサート104aは、銅を含み、平滑なボール打撃フェースを有し、位置合わせガイド408を有さない。別のインサート104bは、銅を含み、溝付きのボール打撃フェース406を有し、位置合わせガイド408を有する。他のインサート104cは、鋼を含み、平滑なボール打撃フェース406を有し、位置合わせガイド408を有する。本体102およびインサート104はそれら自体互いに異なっているが、本体102のそれぞれは、インサート104のいずれのものも受け入れることができる。
【0032】
図7を参照すれば、ゴルフクラブを形成するためにシャフト702に結合されたパターヘッド100の正面等角図が、示される。図示する実施形態では、ホーゼル106は、スラントネックホーゼルである。理解されるように、たとえば、スラントネックホーゼル、プランバーネックホーゼル、フローネックホーゼルなどを含む任意のタイプのホーゼルを使用することができる。代替として、シャフト702は、パターヘッド100に直接結合されてもよい。そのような実施形態では、シャフトは、ダブルベンドネック、シングルベンドネック、センターシャフトなどを含んでもよい。図8を参照すれば、図7のゴルフクラブの上面図が示される。図示するように、この実施形態では、インサート104は、位置合わせガイド408を含む。
【0033】
実施形態が説明されてきたが、代替策が可能である。たとえば、代替の実施形態では、インサート104を本体102に取り付けるために、3つ以上または2つ未満の締結具が使用されてもよい。そのような締結具または複数の締結具は、ねじ山付き締結具であってもよい。信頼高いラッチまたは他の機構などのインサート104を本体に取り付けるための他の手段が、提供されてもよい。
【0034】
ゴルファーは、いくつかの異なるインサートとパターヘッド付きの単一のゴルフクラブとを含むキットを有してもよく、それにより、ゴルファーは、ボールとの特定の定性的な相互作用(ロフト角、音、堅さ、振動など)に合わせて、ならびに異なる位置合わせガイドまたは位置合わせガイド無し、異なる審美的外観などの異なる型に合わせて望み通りにインサートを交換することができる。
【0035】
本明細書において使用する専門用語は、特定の例示的な実施形態を説明するためにすぎず、限定するようには意図されない。本明細書では、単数形「1つ(a)」、「1つ(an)」、および「その(the)」は、内容が別途明確に指示しない限り、複数の形態も含むように意図され得る。用語「備える」、「備えている」、「含んでいる」、および「有している」は、包括的であり、したがって述べた特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を明示するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそのグループの存在または追加を排除しない。本明細書に説明する方法ステップ、プロセス、および動作は、それらのパフォーマンスを、パフォーマンスの順序として明示的に特定されない限り、論じた、または示した特定の順序で必ずしも必要とするように解釈されるものではない。また、追加のまたは代替的なステップが使用されてもよいことを理解されたい。
【0036】
要素または層が別の要素または層の「上にある」、これに「係合される」、「接続される」または「結合される」と言及されるとき、これは、他の要素または層の直接上にあっても、これに直接係合、接続、もしくは結合されてもよく、または介入要素もしくは層が存在してもよい。対照的に、要素が別の要素または層の「直接上にある」、これに「直接係合される」、「直接接続される」、または「直接結合される」と言及されるとき、介入要素または層は存在できない。要素間の関係を説明するために使用される他の言語は、同様の形で(たとえば、「間にある」に対して「直接間にある」、「隣にある」に対して「すぐ隣にある」など)解釈されなければならない。本明細書では、用語「および/または」は、関連するリストされたアイテムの1つまたは複数のあらゆるすべての組み合わせを含む。
【0037】
第1、第2、第3などの用語は、本明細書では、さまざまな要素、構成要素、領域、層および/またはセクションを説明するために使用され得るが、これらの要素、構成要素、領域、層、および/またはセクションは、これらの用語によって限定されてはならない。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、層またはセクションを別の領域、層、またはセクションから区別するためだけに使用され得る。「第1」、「第2」、および他の数値的用語などの用語は、本明細書において使用されるとき、文脈によって明確に指示されない限り、順序または順番を示唆していない。したがって、以下で論じる第1の要素、構成要素、領域、層またはセクションは、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、層またはセクションと呼ばれてもよい。
【0038】
「内側」、「外側」、「下」、「下方」、「下側」、「上方」、「上側」、「上部」、「底部」などの空間的相対用語は、本明細書では、1つの要素または特徴と別の要素または特徴の関係を図に示す通りに説明するために説明しやすくするために使用され得る。空間的相対用語は、図に示す配向に加えて、使用または動作におけるデバイスの異なる配向を包含するように意図され得る。たとえば、図のデバイスが反転される場合、他の要素または特徴の「下方」または「下」にある要素は、他の要素または特徴の「上方」に配向される。したがって、例示的な用語「下方」は、上方および下方の両方の配向を包含することができる。デバイスは、別の形で配向(諸角度にまたは他の配向で回転)されてもよく、本明細書に使用する空間的相対説明は、それにしたがって解釈され得る。
【0039】
この記述説明は、例を使用して最適な形態を含む実施形態を開示し、また、当業者が本発明を作製し、使用することができるようにもする。特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想定する他の例を含むことができる。そのような他の例は、これらが、特許請求の範囲の文字通りの言語とは異ならない構造的要素を有する場合、またはこれらが、特許請求の範囲の文字通りの言語とわずかに異なる等価の構造的要素を含む場合、特許請求の範囲内にあるように意図される。
【0040】
前述の明細書では、その概念を特有の実施形態を参照しながら説明してきた。しかし、下記の特許請求の範囲に記載する本発明の範囲から逸脱することなく、さまざまな改変および変更を加えることができることを当業者は理解している。したがって、本明細書および図は、制限的な意味ではなく例証的に考慮されるものであり、すべてのそのような改変は、本発明の範囲内に含まれるように意図される。
【0041】
「1つ(a)」または「1つ(an)」の使用は、本明細書に説明する要素および構成要素を説明するためにも使用される。これは、単に便宜上、および本発明の範囲の全般的な意味を与えるために行われる。本説明は、1つまたは少なくとも1つを含むように読み取られなければならず、単数形はまた、別途述べられない限り、複数形を含む。
【0042】
本出願における説明は、いずれの特定の要素、ステップ、または機能も、特許請求の範囲内に含まれなければならない必須のまたは重要な要素であることを示唆するものとして読み取られてはならない。特許請求される主題の範囲は、許容された請求項によってのみ定義される。さらに、機能を特定する分詞句が後に続いて「~のための手段」または「~のためのステップ」という正確な言葉が特定の請求項に明示的に使用されない限り、請求項のいずれも、付属の特許請求の範囲または請求項要素のいずれに関しても米国特許法(35 U.S.C.)第112条(a)1を行使しない。
【0043】
利益、他の利点、および問題に対する解決策を特有の実施形態に関して上記で説明してきた。しかし、利益、他の利点、問題に対する解決策、および任意の利益、利点、または解決策を想定させる、またはより顕著にすることができる任意の特徴は、あらゆるすべての請求項の重要な、必要とされる、基本的な、または本質的な特徴として解釈されるものではない。
【0044】
本明細書を読んだ後、当業者は、明確にするために別個の実施形態の文脈で本明細書において説明した特定の特徴を単一の実施形態内で組み合わせて提供することができることも理解するであろう。反対に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈で説明したさまざまな特徴はまた、別個にまたは任意の副組み合わせで提供することもできる。さらに、範囲として述べられた値の参照は、その範囲内のそれぞれすべての値を含む。
【符号の説明】
【0045】
100 パターヘッド
102 パターヘッド本体
102a パターヘッド本体
102b パターヘッド本体
104 インサート
104a インサート
104b インサート
104c インサート
106 ホーゼル
108 影領域
202 ベース
204 フェース部分
206 ボールに面する表面
208 窓
210 凹部
212 穴
214 トップライン
216 上部開口型ドック
402 インサート本体
404 フット
406 ボール打撃フェース
408 位置合わせガイド
410 ウィング
412 結合穴
414 インサート本体の後方を向く表面
702 シャフト
A 第1のロフト角
B 第2のロフト角
図1a
図1b
図1c
図1d
図2a
図2b
図2c
図2d
図2e
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e
図4a
図4b
図4c
図4d
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】