(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054861
(43)【公開日】2024-04-17
(54)【発明の名称】メガネフレーム
(51)【国際特許分類】
G02C 5/14 20060101AFI20240410BHJP
G02C 11/00 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
G02C5/14
G02C11/00
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023179895
(22)【出願日】2023-09-30
(31)【優先権主張番号】P 2022169493
(32)【優先日】2022-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023025613
(32)【優先日】2023-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】592187280
【氏名又は名称】籏谷 貞夫
(72)【発明者】
【氏名】籏谷 貞夫
【テーマコード(参考)】
2H006
【Fターム(参考)】
2H006CA00
(57)【要約】
【課題】メガネのツルに取り付けるサイドパッドにおいて、メガネのフロント側の重量によるパッドの跡が皮膚につかないよう構成する。
【解決手段】メガネのツルにサイドパッドを取り付け、サイドパッドを頬骨の出っ張り付近に当接させると共に、サイドパッドは、頬骨の出っ張り部の形状に合わせて変形可能、且つ可塑性を有し、ツルへの取り付けが簡単なサイドパッドを提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メガネのツルに取り付けたサイドパッドであり、該サイドパッドは、頬骨の出っ張りのキワ付近に当接してメガネのフロント部を支えると共に皮膚当接部を有し、該皮膚当接部はこれが当接する皮膚の形状に合わせて変形可能とすること、を特徴とするメガネフレーム。
【請求項2】
上記皮膚当接部は、これが当接する皮膚の形状に合わせて変形が可能とする変形体を有してなること、を特徴とする請求項1記載のメガネフレーム。
【請求項3】
上記変形体の上部付近の端部に切込みを入れること、を特徴とする請求項2記載のメガネフレーム。
【請求項4】
メガネのツルに設けられるパッドであり、該パッドは弾性体でなり、頬骨の出っ張りのキワ付近に当接して、該キワの上方皮膚と下方皮膚の双方に当接して横方向から押し当てると共に、頬骨の出っ張りに縦方向から載ることで、メガネのフロント部の重量が支えられること、を特徴とするメガネフレーム。
【請求項5】
上記弾性体は、上面視で、略三角形状をなし前方に向かって左右幅が広く、後方に向かって狭く形成されることを特徴とする請求項4記載のメガネフレーム。
【請求項6】
メガネのツルに取り付けたサイドパッドであり、顔面に対して凸状形状をなすサイドパッドが頬骨の出っ張りのキワ付近に当接すると共に、該サイドパッドの皮膚当接面とメガネのツルとの間隔を変える機能を有すること、を特徴とするメガネフレーム。
【請求項7】
サイドパッドは、ツル上を移動可能とすること、を特徴とする請求項4又は6記載のメガネフレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
メガネのツルに取り付けられてメガネのフロント部を支えるサイドパッド、及び該サイドパッドのツルへの取り付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
メガネのフロント部を支えるには、メガネに取り付けた鼻パッドで支える方法と、メガネのツルにパッドを取り付け、該パッドを頬骨の出っ張り12部に載せて支える方法等が知られている。いずれの場合も、パッドにはメガネのフロント部の重量がかかり、これらパッドの跡が皮膚につく原因となっている。
さて、メガネのツルに取り付けたパッドを頬骨の出っ張り12部に載せてメガネのフロント部を支える従来例として、特開2008-20678が開示されている。
該従来例では、
図5で示すように、ツル1にアーム2を下方に向けて取り付け、該アーム2の先端にはパッド3が軸支され、該パッド3はこの向きを変えることができる構成が示されている。
更に、ツル1には溝を設けアーム2にはスライダーを設け、アーム2はパッド3と一体に、ツル1に対して左右横方向(水平方向)へスライドができる構成も開示されている。
【0003】
上記従来例の問題点として、上記パッド3は上記ツル1に軸支されてパッド面の向きは変えることが出来ても、該パッドの皮膚当接面自体の形状は変えることが出来ないため、パッド3は皮膚の凹凸形状に合わせて十全に当接することが出来ない。
その分パッド3の皮膚に当接する領域が限定され、該限定された領域にメガネのフロント部の重みが集中し、パッド3の跡が皮膚に付くことになる。
更に、ツル1と上下方向に於ける頬骨との適正な間隔(距離)は、使用者の頬骨の形状によって異なるが、適正でない場合、メガネの前部(レンズ側)が過度に浮き上がったり、逆に下がり過ぎるといった不具合が生じる。
この原因は、アーム2の先端部のパッド3の軸支位置が一定の位置に固定されていることにある。
【0004】
加えて、上記パッド3の軸支構造、及びスライド構造には、製造上、相応の手間がかかる。
【特許文献1】特開2008-20678
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、上記諸問題を解消することにある。即ち、パッドの皮膚当接面が当接する皮膚に対して、まんべんなく当接するようにしてパッドの跡がつかず、且つツルとパッドとの上下方向の間隔を適正に変えることができ、更に製造上の手間を必要とせず、構造が簡略で、取り付けも簡単なツルに取り付けられるパッドを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
課題を解決するための手段は以下の通りである。
本発明のパッド(以下、サイドパッドと呼ぶ)は、メガネのツルに取り付ける。そして、該サイドパッドは、頬骨の出っ張りのキワ付近に当接してメガネのフロント部を支えると共に皮膚当接部を有し、該皮膚当接部はこれが当接する皮膚の形状に合わせて変形可能とする。
尚、上記頬骨の出っ張りのキワ付近とは、顔の側面における頬骨の出っ張りのキワ(出っ張り始め)から出っ張りの頂点に至る直前迄の皮膚領域とする。
【0007】
そして、上記皮膚当接部は、これが当接する皮膚の形状に合わせて変形可能とする変形体を有してなる。
【0008】
更に、上記変形体の上部付近の端部には、切込みが入れられる。
以上、課題を解決するための手段を説明した。
【発明の効果】
【0009】
本発明の効果は以下の通りである。
サイドパッドの皮膚当接部は上記頬骨の出っ張り付近に上方より載ることで、該皮膚当接部が当接する皮膚の位置より下方にずり落ちない。
【0010】
そして、上記サイドパッドの皮膚当接部は、該皮膚当接部が当接する皮膚の形状に合わせて変形するため、その分皮膚当接部はまんべんなく皮膚に当接し、メガネのフロント部の重みは分散され、皮膚にその跡が付くことがなくなる。
【0011】
サイドパッドが上記変形体のみを有してツルに取り付けられるという構成は、上記従来例と比べ簡略である。
【0012】
更に、上記サイドパッドの皮膚当接部は変形可能とするので、ツルと該皮膚当接部との上下方向の間隔を、適正な間隔に変えることが出来る。
【0013】
上記変形体の上部付近の端部に切込みを入れることで、該切込みが変形の起点となり、皮膚当接部の変形はより容易になされる。
以上、発明の効果を説明した。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】メガネのツルに取り付けたサイドパッドの側面図である。
【
図2】メガネのツルにサイドパッドを取り付けた一部切欠した正面図である。
【
図3】メガネのツルにサイドパッドを取り付けた一部切欠した斜視図である。
【
図4】
図4(a)は、アルミ板を取り付けたサイドパッドの側面図、図(b)は、メガネのツルに折り曲げて取り付けたサイドパッドの斜視図である。
【
図5】メガネのツルにパッドを取り付けた従来例のメガネの斜視図である。
【
図7】頬骨のキワ付近に位置する弾性パッドの拡大正面図である。
【
図8】へ字状パッドをメガネのツルに取り付けた要所上面図である。
【
図9】へ字状パッドとツルの断面を示し、該パッドを所定の場所に押し当てた要所正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
発明を実施するための形態は以下の通りである。
図1中、4はメガネ5のツル5aに取り付けたサイドパッドであり、該サイドパッド4は、頬骨の出っ張り12のキワ付近6aに当接してメガネ5のフロント部を支えると共に皮膚当接部4aを有し、皮膚当接部4aは、該皮膚当接部4aが当接する皮膚の形状に合わせて変形可能とする。
図2では正面視でサイドパッド4の皮膚当接部4aが、頬骨の形状に合わせて上下方向で外方に湾曲して皮膚に当接する様子を示した。
尚、上記頬骨の出っ張りのキワ付近6aとは、顔の側面における頬骨の出っ張り12のキワ6(出っ張り始め)から出っ張りの頂点6cに至る直前迄の皮膚領域とする。
そして、上記皮膚当接部4aは、該皮膚当接部4aが当接する皮膚の形状に合わせて変形可能とする変形体4gを有する。
【0016】
該サイドパッド4は紙よりなり、その形状は、
図4(a)に示すように、ジエット戦闘機の三角翼に似ている。そして、同図に示すようにサイドパッド4の略上半分には、上記変形体4gとして採用したアルミ板4hが接着されている。
図3ではアルミ板4hが、紙に挟まれて接着されている状態を一部切欠図で示した。
サイドパッド4は、
図3,
図4(b)等で示すように、ツル5aで折り返される。
図4中、4cは紙の折り返し部である。
そして、両面テープを貼ったアルミ板4hは、ツル5aの側面5cと、折り返されて対向するサイドパッド4の下半分との、両面に貼り合わされる。
このように貼り合わされたサイドパッド4は、ツル5aに対してぐらついたりせずしっかりと取り付けられる。
皮膚当接部4aの変形は指先でも行えるように、アルミ板4hの厚みを、0.3mmとした。そして、
図4(b)で示したが、上記折り曲げられたサイドパッド4は、ツル5aの下端ヘリ5dより下方の部分が皮膚当接部4aとして機能する。
尚、ツルの側面の上下幅が狭く、サイドパッド4のツルへの確実な取り付けができない場合は、アルミ板4hをツルに沿ってコ字状に折曲させて該ツルに取り付けるとよい。
【0017】
サイドパッド4には紙材を用いたが、変形体4gと一体に変形し、且つツル5aに折り返し可能であれば、紙以外の例えば布材とか樹脂材等、何れの部材でも可とする。
そして、変形体4gは変形可能であり、且つ変形された形状に対して可塑性を有するものであれば、アルミ板以外の何れの部材を用いても可とする。
また、サイドパッド4に予め折り返し部4cを形成し、ツル5aに対してサイドパッド4を取り付け易いようにするとよい。
【0018】
次に、サイドパッド4のツル5aへの取り付け位置について以下に説明する。
上記実施例では、
図1,2,3で示すように、サイドパッド4の先端部4iが頬骨の出っ張りの頂点6cを指す位置に取り付けたが、この位置に特に限定されない。
というのも、サイドパッド4の取り付け位置が、メガネ5のヨロイ5b側に近づく程、メガネ5のフロント部の負荷は小さくなり、その分サイドパッド4の皮膚当接部4aの皮膚当接面(皮膚に当たる面)は狭くて済み、皮膚当接部4aがメガネのモダン側に近づく程、該負荷が大きくなるため、その分該皮膚当接面は広く設定される。
何れにしても、どの位置に取り付けるかは使用者の判断による。
サイドパッド4の先端部4iは、頬骨の出っ張り12の頂点6cを指していなくとも、該キワ付近6aに上方から当接する位置であれば可とする。
以上、サイドパッド4のツル5aへの取り付け位置を説明した。
【0019】
前記従来例では、スライダー、及び溝を設けて、パッド3のツル1への左右方向のスライドを可能にしたが、このようにしなくとも、本発明では使用者の希望する位置に単にサイドパッド4をツル5aに折り曲げて取り付けるだけで事足りる。前記従来例と比べて、構成が簡略で製造に手間がかからず、取り付けも簡単である。
尚、サイドパッド4の先端部4i付近は、デザイン上、及び安全上の視点より角部をなくした略楕円形状に形成される。
【0020】
次に、上記アルミ板4hの切込みについて説明する。
アルミ板4hの上部付近の端部には、該アルミ板4hを変形させ易いよう切込み4eが入れられる。
図3,
図4(b)に示すように、切込み4e,4eはアルミ板4hの上部の左右両側端に入れられる。
該切込み4eは、アルミ板4hの変形起点となり、アルミ板4hの左右、及び上下方向での湾曲変形と、左右方向での捻り変形が容易になされる。
つまり、皮膚当接部4aは、皮膚の形状に対して複数方向からの変形が可能で、よりピッタリと皮膚当接部4aを皮膚に当接させることが出来る。
尚、アルミ板4hの変形に伴い該切込み4eには角部が形成されることになるが、上記紙がこれに被さって変形し、皮膚に直接当らない。
また、切込み4eはアルミ板4hの上部の左右両端部に切り込んだが、必要に応じて左右のいずれか一方に切込み4eを入れてもよい。
以上、アルミ板4hの切込み4eについて説明した。
【0021】
さて、メガネ5を掛けた際、頭頂側から見て、ツル5aと顔の側面との間に間隔(隙間)がある場合、
図2に示すように、皮膚当接部4aの上部付近Cを、内方に例えば顔面6に接するまで押さえて皮膚当接部4aを変形させるとよい。この変形により、メガネ5の顔面6に対する左右のぶれが防止される。
尚、上記皮膚当接部4aは、上記押さえる前にすでに適正に変形されている場合、皮膚当接部4aは皮膚にピッタリと当接しなくなるが、この不具合を修正するには、例えば一旦皮膚当接部4aを平らにしてから再変形するとよい。
【0022】
前記従来例で問題になったパッド3の上下方向の位置変更についてであるが、該位置変更を行いたい場合も、皮膚当接部4aを一旦平らにしたのち変形し直せばよい。
更に、メガネ5を顔面6に対して上向きにすることも、下向きにすることも、ツル5aと皮膚当接部4aとの間隔を離したり狭めたりしてアルミ板4hに変形を加えることで、使用者は希望する顔面6の位置にメガネ5を設定することができる。
【0023】
さて、出っ張りのキワ付近6aに当接する皮膚当接部4aは、下方にずれることはない。これを、
図1、
図2で説明する。
図1に示すように、皮膚当接部4aは、頬骨の出っ張り12のキワ6bから頬骨の出っ張り12の頂点6cに至らない領域に当接するため、下方にずり落ちることがない。
言い換えると、
図2に示すように、左右のサイドパッド4,4の間隔は、左右の頬骨の頂点6c,6cの間隔よりも狭いため、皮膚当接部4aはこの当接位置より下方にずり落ちることがない。
【0024】
デザイン面の視点から、サイドパッドの色を例えばメガネのツルと同色にするとか、その形状をツルに調和させてデザインする等して、メガネのファッション性を高めることができる。
更に、皮膚への接触面を、汗対策として通気性のある部材を用いたり、あるいは肌触りをよくするためにクッション性のよい部材を用いることで、使用者はより快適にメガネを使用できることができる。
以上、発明の実施の形態を説明した。
【0025】
さて、上記実施例では、側面視でサイドパッド4がツル5aの下方にはみ出ることになり、これを目障りに思う者には問題となっている。
上記実施例では、サイドパッド4を頬骨の出っ張りに被せてあてがい、メガネのフロント側にかかる重量を支えた。
これに対して、本実施例(メガネは上記実施例と同じものを使用)のパッドは、顔面に於ける頬骨が出っ張っている部分と、出っ張っていない部分との双方にまたがってあてがわれる。
以下、本実施例の構成を、
図6,
図7に基づいて説明する。
【0026】
本実施例のパッド(以下、弾性パッドと呼ぶ)には弾性体を用い、該弾性体として、ウレタンフォームを採用した。
図6中、弾性パッド7は一対のツル5aの内面側にそれぞれ取り付けられ、
図7に示す頬骨のキワ17の上方皮膚8と下方皮膚9の双方に当接する。
そして、弾性パッド7がツル5aと向き合う面には、薄板7aが張り付けられる。該薄板7aは、この後端部7bがビニール製の輪10に差し込まれ、輪10に固着される。
輪10は、ツル5aに挿通され、伸び状態でツル5aに係止され、且つ弾性パッド7と一体にツル5a上を移動可能としている。
一対の弾性パッド7は、
図6で示すように、顔面6の左右の彎曲部11にそれぞれ当接する。
【0027】
弾性パッド7は、
図6に示すように上面視で略三角形状をなし、先端部7c側で左右幅が広く、後端部12側で狭くなっている。
メガネ5を掛ける際には、メガネ5は顔面6の前方より掛けられるが、弾性パッド7は上記狭い方から顔面6の彎曲部11に当接する。
更にメガネを顔に近づけると、弾性パッド7は湾曲部11により外方に押される。これに伴い、弾性パッドは収縮し、該収縮の反作用で、湾曲部11を内方に押し返す。
図7は、頬骨が出っ張り始めるキワ17の上方皮膚8と下方皮膚9の双方を横方(図中15で示す矢印方向)から押す様子を示している。
同図では、弾性パッド7は、弾性パッドの下面14側が、上面13側よりも狭くなっており、顔面の形状に合わせて変形している様子を示している。
弾性パッド7に使用したウレタンフームは、この特性によって皮膚にまんべんなく密着する。
【0028】
上記弾性パッド7が押す力は、ツル5aに挿通された輪10を移動させること、すなわち弾性パッド7の位置を変えることで変更することができる。
例えば、弾性パッド7を前方側(レンズ側)に移動すると、弾性パッド7の狭い部分(後端部7b側)が皮膚に主に当接することになり、その分押す力は弱くなる。逆に後方側に移動すると押す力は強くなる。
【0029】
さて、弾性パッド7の上記横方向だけの押し当てだけでメガネ5のフロント部の重量を支えるには相応の力が必要で、パッドの跡が皮膚につきかねない。
そこで、横方向の押し当てを弱めると、メガネのフロント部の重量は縦方向の下方にかかるようになる。
これに対して、弾性パッド7は頬骨の出っ張りの12の下方皮膚9に載っているため、メガネ5は顔面よりずり落ちたりせず、顔面に保持される。
【0030】
つまり、メガネ5のフロント部の重量は、縦・横両方向から支えられることで、キワ17の上方皮膚8と下方皮膚9の双方にかかり、個々の皮膚には弾性パッド4の跡がつくに至らない。
【0031】
メガネ5のフロント部の重量は上記縦・横両方から支えられるので、前記実施例のサイドパッド4のように、ツル5aの下方にパッドを伸ばす必要がなく、側面視でツル5aの下方にはみ出さず、上記目障り問題は解消される。
【0032】
また、公知となっている頬骨の出っ張りにパッドを載せてメガネのフロント側の重量を支える方法は、該重量のすべてが出っ張り部にかかり、パッドの跡がつきやすい。
本実施例の弾性パッド7ではそのようなことはない。
【0033】
そして、上記ウレタンフオームは通気性のあるものを用いることで、例えば夏場の汗等による蒸れを防止することができる。
以上、本実施例の構成を説明した。
【0034】
さて、上記弾性パッド7は、これを頬骨の出っ張りのキワ付近にあてがい、メガネの前部側にかかる重量を縦横両方向に分けて受け止めた。しかし、メガネのツル5aとパッドの皮膚接触面との適宜な間隔は使用者によって異なり、一定ではない。
そのため、パッドには、パッドの皮膚当接部を所定の位置にもっていく、つまりパッドの位置を変える機能が求められる。
該機能を有するパッドを、以下、へ字状パッド18として
図8、
図9で説明する。
へ字状パッド18は、0・03mm前後厚の可撓性を有する透明なPP樹脂材を用い、上面視でへ字状、側面視でツル5aの内側に沿って伸び、先端部が外方に湾曲した長方形状をなしている。
図8中、19は取り付け部であり、該取り付け部19には、例えばアルミ、銅等の曲げ加工可能な金属板が採用され、メガネのツル5aを囲ってスライド可能に取り付けられる。
該取り付け部19からは、メガネの前面側に向けて角度調整突起19aが伸び、該角度調整突起19aには、へ字状パッド18の後端部18aが固着される。
【0035】
そして、
図8に示すように角度調整突起19aの基部を曲げたり、更に捻ったりして上記へ字状パッド18を、頬骨の出っ張りのキワ付近6aの当接部に合わせる。
しかし、顔面の形状とか使用者の好み等により、へ字状パッド18自体の位置を前後に変えたい場合があり、そのためへ字状パッド18はスライド可能としている。
【0036】
へ字状パッド18を更に詳述する。へ字状パッド18は、湾曲しており
図9に示すように頬骨の出っ張りのキワ付近6aに凸状面が接して当接する。この状態で、角度調整突起19bは、へ字状パッド18が顔面を押圧(横方向から)よう曲げられている。該押圧によって、メガネの重量の一部が支えられる。
【0037】
尚、メガネのツル5aとへ字状パッド18の顔面当接部との間隔がない場合は、角度調整突起19bの上記曲げはなされない。その際、へ字状パッド18の先端部はツル5aの内側面に当接し、へ字状パッド18は、顔面に押されその可撓性によりたわみ、該たわむことで顔面を押すことになる。
あるいは上記たわむ場合、へ字状パッド18は、この先端湾曲部は彎曲の度合が減り、減ることで、顔面を押すことになる。
【0038】
さて他方で、
図9に示すようにパッドの下端部側18bが頬骨のキワの下方皮膚9上に乗っており、乗ることで縦方向からのメガネの重量の一部が支えられる。つまり、メガネは縦横両方向の支えが合さって、顔面に保持される。
メガネの重量は縦横の2方向に分散され、一方向に集中しないことで、パッドの跡がつかないようにしている。
【0039】
また、へ字状パッド18は、角度調整突起19aの単一で容易な曲げ動作でへ字状パッド18を適宜に位置させることができる。
加えてへ字状パッド18は、この形状に加えて、ツル5aの内側にあって目立たない。また、へ字状パッド18はクッション性を有し、また通気性の良い布等で覆うと肌に優しく、夏の汗などが吸収されて快適である。
【符号の説明】
【0040】
1 ツル(従来例)
2 アーム(従来例)
3 パッド(従来例)
4 サイドパッド(本発明)
4a サイドパッドの皮膚当接部
4c 折り返し部
4e アルミ板の左右の切込み
4g 変形体
4h アルミ板
4i サイドパッドの先端部
5 メガネ
5a メガネのツル
5b メガネのヨロイ
5c ツルの側面
5d ツルの下端へり
6 顔面
6a 頬骨の出っ張り12のキワ付近
6b 頬骨の出っ張り12のキワ
6c 頬骨の出っ張り12の頂点
6d 鼻
6e 耳
6f 目
C 皮膚当接部の上部付近
7 弾性パッド
7a 薄板
7b 薄板の後端部
7c 薄板の先端部
8 頬骨のキワの上方皮膚
9 頬骨のキワの下方皮膚
10 輪
11 顔面の彎曲部
12 頬骨の出っ張り
13 弾性パッドの上面
14 弾性パッドの下面
15 横方向を示す矢印
16 縦方向を示す矢印
18 へ字状パッド
18a へ字状パッドの後端部
18b へ字状パッドの下端部側
19 取り付け部
19a 角度調整突起