(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054912
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】施設用システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20240411BHJP
【FI】
G06Q50/12
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022161373
(22)【出願日】2022-10-06
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】596009216
【氏名又は名称】北野電子システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105980
【弁理士】
【氏名又は名称】梁瀬 右司
(74)【代理人】
【識別番号】100121027
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100178995
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 陽介
(72)【発明者】
【氏名】野久 順康
(72)【発明者】
【氏名】濱本 直
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC23
5L050CC23
(57)【要約】
【課題】施設の個室の利用者が保有するスマートフォンを利用して飲食物の注文処理等の複数の処理を行えるようにする。
【解決手段】利用者の個室2への入室後に、施設管理サーバ6により、会計処理装置7からの入室信号が受け取られると、当該個室2に固有の認証コードを生成して当該個室2の個室内制御装置10の表示部10aに事前に表示させ、入室した利用者のスマートフォン3による第1のQRコード(登録商標)の読み取りにより、スマートフォン3がWiFiアクセスポイント4に接続状態にされ、続く第2のQRコード(登録商標)の読み取りにより認証ページ画面がスマートフォン3に表示され、認証コードの入力により当該個室2と当該スマートフォン3との紐付け処理が行われ、スマートフォン3に操作メニュー画面が表示される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
宿泊施設や遊興施設、福祉施設、病院等の施設の個室の利用者が保有するスマートフォンを、当該個室内での各種の操作用に使用することを可能する施設用システムにおいて、
当該個室利用者が保有するスマートフォンと、
前記施設の個室ごとに設置された無線LAN用のWiFiアクセスポイントと、
前記宿泊施設に設置されインターネットを介して外部のサイトに接続可能な施設管理サーバと、
前記施設の個室ごとに設置された個室内制御装置と、
前記施設の個室ごとに設置された複数種類の音響映像機器と、
当該個室利用者に対する個室料金、飲食代等の利用料金の計算、請求、決済などの処理を行う会計処理装置と、
前記施設管理サーバ、前記WiFiアクセスポイント、前記個室内制御装置及び前記会計処理装置を接続する有線LANと
を備え、
前記施設管理サーバは、
当該個室利用者の個室への入室後に前記会計処理装置から送出される入室信号を受け取り、当該個室に固有の認証コードを生成して当該個室の前記個室内制御装置の表示部に表示させておき、入室した当該個室利用者の前記スマートフォンにより、当該個室に予め設けられた第1の2次元バーコードが読み取られることによって当該スマートフォンを前記WiFiアクセスポイントに接続状態にし、当該個室に予め設けられた第2の2次元バーコードが更に読み取られることによって、当該個室に固有の前記認証コードを入力するための認証ページ画面の表示データを前記スマートフォンに送出して前記スマートフォンに前記認証ページ画面を表示させ、当該個室利用者により前記スマートフォンに前記認証コードが入力されることにより、当該個室利用者が退室するまで当該個室と当該スマートフォンとの紐付けを行い、更に当該スマートフォンを各種の操作装置として使用するための操作メニュー画面を表示させるものであり、
前記操作メニュー画面は、少なくとも当該個室利用者が操作可能な各種の飲食物の注文用のボタン、前記音響映像機器を制御可能な機器制御用のボタン、利用料金の決済用のボタンを含み、
前記施設管理サーバは、前記操作メニュー画面に表示される前記各ボタンそれぞれに対応する飲食物の注文処理、前記音響映像機器の機器制御処理、利用料金の決済処理のうち、操作された当該ボタンに対応する処理を行う
ことを特徴とする施設用システム。
【請求項2】
前記施設の個室ごとに設置された前記複数種類の音響映像機器のリモコン信号受信部に密着するように設置されたLEDから成るリモコン発光器を備え、
前記個室内制御装置は、当該個室に設置された前記複数種類の音響映像機器それぞれを遠隔操作するためのメーカごとのリモコン発光コードを予め記憶部に記憶する機能を有し、
前記機器制御処理として、前記施設管理サーバは、
全ての個室に設置された前記複数種類の音響映像機器それぞれのメーカ名及び機種名を予め記憶部に記憶しており、
当該個室に設置された前記複数種類の音響映像機器及び制御内容を含む機器制御メニューの表示データを送出して前記スマートフォンに前記機器制御メニューを表示させ、
当該個室利用者により操作された前記機器制御メニューの操作により選択された制御対象の前記音響映像機器及び制御内容を判別し、選択された制御対象の前記音響映像機器を選択された制御内容に制御するために必要な前記リモコン発光コードを、前記個室内制御装置の前記記憶部の記憶データのなかから特定するように前記個室内制御装置を制御し、特定された前記リモコン発光コードを前記個室内制御装置から送出させ、
前記個室内制御装置が、制御対象の前記音響映像機器に対応して設けられた前記リモコン発光器に前記リモコン発光コードを送出することにより、前記リモコン発光器を発光させて選択された制御対象の当該音響映像機器を選択された制御内容通りに制御する処理を行わせる
ことを特徴とする請求項1に記載の施設用システム。
【請求項3】
前記注文処理として、前記施設管理サーバは、
当該個室の部屋番号とともに当該個室利用者の前記スマートフォンに飲食物の種類及びその金額を含む注文メニューの表示データを送出して前記スマートフォンに前記注文メニューを表示させ、
当該個室利用者による前記注文メニューの操作により注文された飲食物を判別して、前記会計処理装置に判別した前記飲食物の種類及び金額を通知し、前記会計処理装置により利用料金に課金する処理を行わせる
ことを特徴とする請求項1に記載の施設用システム。
【請求項4】
前記施設管理サーバはインターネットを介して外部の決済サイトと接続可能であって、
前記決済処理として、前記施設管理サーバは、
前記会計処理装置から当該個室利用者に対する利用料金データを利用明細付きで取得し、
取得した利用料金データに基づく利用料金及び利用明細を、キャッシュレス決済画像とともに当該個室利用者の前記スマートフォンに表示させ、
当該個室利用者が前記スマートフォンに表示されたキャッシュレス決済画像を操作すると、前記外部の決済サイトに接続して利用料金を通知し、前記外部の決済サイトからインターネットを介して前記スマートフォンに報知される決済情報に従った決済手続きの入力完了を待ち、前記決済手続きの入力が完了すると前記スマートフォンに決済終了を通知する処理を行わせる
ことを特徴とする請求項1に記載の施設用システム。
【請求項5】
登録メンバーのメンバー番号を管理するメンバー管理装置を更に備え、
登録メンバーである前記個室利用者に対して発行されるメンバーカードに記録されたメンバー番号を読み取る読取部を前記個室内制御装置に設け、
前記施設管理サーバは、
前記読取部により読み取られた前記メンバーカードの前記メンバー番号を取得して登録済の複数のメンバー番号のいずれかと一致するかどうか照合し、登録済と判断すれば前記メンバー管理装置及び前記会計処理装置に通知して登録メンバーの受け付けを行い、登録メンバーとして受け付けた当該個室利用者の前記スマートフォンの操作によるカードレスメンバー認証の選択を許容し、
前記カードレスメンバー認証の選択がないとき、及び、前記カードレスメンバー認証の選択が初回であるときには、照合により登録済と判断した前記メンバーカードの読み取りにより取得した前記メンバー番号に基づき、利用料金のメンバー割引への変更可能性や特別割引の有無、利用頻度に応じて当該個室利用者に付与された保有ポイント、メンバーランクなどの特典を受けるための情報を、前記会計処理装置に送出して特典の享受を可能にし、
前記カードレスメンバー認証の選択が初回であるときは、前記メンバー情報であるメンバー番号に対応した当該個室利用者に固有の認証コードを設定して前記スマートフォンに記憶させておき、次回の前記カードレスメンバー認証の選択時に、前記スマートフォンから当該スマートフォンに記憶された前記認証コードを取得して当該認証コードに対応するメンバー番号を登録済の複数のメンバー番号のなかから検索し、検索した当該メンバー番号に基づき、利用料金のメンバー割引への変更可能性や特別割引の有無、利用頻度に応じて当該個室利用者に付与された保有ポイント、メンバーランクなどの特典を受けるための情報を、前記会計処理装置に送出して特典の享受を可能にする
ことを特徴とする請求項1記載の施設用システム。
【請求項6】
前記操作メニュー画面は、当該施設の割引券の割引コード、クーポン券のクーポンコードを入力するためのコード入力用のボタンを含み、
前記施設管理サーバは、
当該個室利用者が前記スマートフォンの操作により、当該施設から発行された割引券に記載された割引コードや、クーポンに記載されたクーポンコードが入力されると、その割引券やクーポンの有効期限、割引条件を判別し、正規の割引券、クーポンであると判定すると前記会計処理装置により前記割引条件で利用料金の計算する割引処理を行わせる
ことを特徴とする請求項1に記載の施設用システム。
【請求項7】
当該個室内の照明を制御する照明制御ユニットを備え、
前記操作メニュー画面は、当該個室内の照明の入切や明るさを制御するための照明用のボタンを含み、
前記施設管理サーバは、前記照明用のボタンの操作があると、前記照明制御ユニットに対して、前記照明用のボタンの操作に基づく当該個室内の前記照明の入切や明るさを制御させる照明処理を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の施設用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ホテル等の宿泊施設、カラオケボックス、ネットカフェ等の遊興施設。福祉施設や入院設備を伴う病院など、個室を有する施設であって、その施設の個室の利用者が保有するスマートフォンを、当該個室内での各種の操作用に使用することを可能する施設用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばホテル等の個室を備えた宿泊施設において宿泊客が使用する携帯端末を利用して宿泊施設の予約や、チェックイン、チェックアウトなどの処理を行えるようにした宿泊予約システムが開発されている(特許文献1参照)。また、飲食店等において、携帯端末を用いて飲食物の注文をしたり、飲食代を決済したりする処理を可能にすることも提案されており、宿泊施設に導入することも行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の宿泊予約システムの場合、専用のアプリケーションを携帯端末にダウンロードする必要があり、一般の使用者にとって、当該アプリケーションの安全性が担保されているかどうかを検証することは非常に困難であり、上手くダウンロードできないこともあって、使用者が当該アプリケーションのダウンロードを躊躇することが多く、使用者が煩わしさを覚えることから、システムが普及しづらいという問題がある。この種の問題は、宿泊施設に限らず、カラオケボックスやネットカフェ等の遊興施設、福祉施設、入院設備を伴う病院などの個室を備えた施設に共通する。
【0005】
また、飲食物の注文等に携帯端末を使用する場合には、テーブル番号と使用者とを紐付けする必要があり、一般的には携帯端末を介して当該使用者の個人情報を登録してもらって紐付けすることが行われるため、使用者の抵抗感を誘いシステムの普及が妨げられる要因ともなっている。
【0006】
この発明は、上記した課題に鑑みてなされたものであり、宿泊施設や遊興施設等の施設の個室の利用者が保有するスマートフォンを、当該個室内での各種の操作用に使用することを可能にし、個室利用者が感じる煩わしさをなくし、簡易な構成により、宿泊施設の個室利用者が保有するスマートフォンを利用して、飲食物の注文処理、個室内の音響映像機器の機器制御処理、利用料金の決済処理などを行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するために、本発明に係る施設用システムは、宿泊施設や遊興施設、福祉施設、病院等の施設の個室の利用者が保有するスマートフォンを、当該個室内での各種の操作用に使用することを可能する施設用システムにおいて、当該個室利用者が保有するスマートフォンと、前記施設の個室ごとに設置された無線LAN用のWiFiアクセスポイントと、前記宿泊施設に設置されインターネットを介して外部のサイトに接続可能な施設管理サーバと、前記施設の個室ごとに設置された個室内制御装置と、前記施設の個室ごとに設置された複数種類の音響映像機器と、当該個室利用者に対する個室料金、飲食代等の利用料金の計算、請求、決済などの処理を行う会計処理装置と、前記施設管理サーバ、前記WiFiアクセスポイント、前記個室内制御装置及び前記会計処理装置を接続する有線LANとを備え、前記施設管理サーバは、当該個室利用者の個室への入室後に前記会計処理装置から送出される入室信号を受け取り、当該個室に固有の認証コードを生成して当該個室の前記個室内制御装置の表示部に表示させておき、入室した当該個室利用者の前記スマートフォンにより、当該個室に予め設けられた第1の2次元バーコードが読み取られることによって当該スマートフォンを前記WiFiアクセスポイントに接続状態にし、当該個室に予め設けられた第2の2次元バーコードが更に読み取られることによって、当該個室に固有の前記認証コードを入力するための認証ページ画面の表示データを前記スマートフォンに送出して前記スマートフォンに前記認証ページ画面を表示させ、更に当該個室利用者により前記スマートフォンに前記認証コードが入力されることにより、当該個室利用者が退室するまで当該個室と当該スマートフォンとの紐付けを行い、当該スマートフォンを各種の操作装置として使用するための操作メニュー画面を表示させるものであり、前記操作メニュー画面は、少なくとも当該個室利用者が操作可能な各種の飲食物の注文用のボタン、前記音響映像機器を制御可能な機器制御用のボタン、利用料金の決済用のボタンを含み、前記施設管理サーバは、前記操作メニュー画面に表示される前記各ボタンそれぞれに対応する飲食物の注文処理、前記音響映像機器の機器制御処理、利用料金の決済処理のうち、操作された当該ボタンに対応する処理を行うことを特徴としている。
【0008】
このような構成によれば、個室利用者の個室への入室後に、施設管理サーバが、会計処理装置から送出される入室信号を受け取り、当該個室に固有の認証コードを生成して当該個室の個室内制御装置の表示部に表示させておき、入室した個室利用者のスマートフォンにより、当該個室に予め設けられた第1の2次元バーコードが読み取られることによってスマートフォンがWiFiアクセスポイントに接続状態にされ、当該個室に予め設けられた第2の2次元バーコードが更に読み取られることによって、当該個室に固有の認証コードの入力用の認証ページ画面がスマートフォンに表示され、当該個室利用者によりスマートフォンに当該個室に固有の認証コードが入力されることにより、当該個室利用者が退室するまで当該個室と当該スマートフォンとの紐付けが行われ、当該個室の客室番号データとともに当該スマートフォンを各種の操作装置として使用するための操作メニュー画面の表示データがスマートフォンに送出されてスマートフォンに操作メニュー画面が表示されるため、個室利用者はスマートフォンに専用アプリをインストールしたり個人情報を入力したりすることなく、自身が保有するスマートフォンを利用して、飲食物の注文処理、個室内の音響映像機器の機器制御処理、利用料金の決済処理を行うことができる。
【0009】
また、前記施設の個室ごとに設置された前記複数種類の音響映像機器のリモコン信号受信部に密着するように設置されたLEDから成るリモコン発光器を備え、前記個室内制御装置は、当該個室に設置された前記複数種類の音響映像機器それぞれを遠隔操作するためのメーカごとのリモコン発光コードを予め記憶部に記憶する機能を有し、前記機器制御処理として、前記施設管理サーバは、全ての個室に設置された前記複数種類の音響映像機器それぞれのメーカ名及び機種名を予め記憶部に記憶しており、当該個室に設置された前記複数種類の音響映像機器及び制御内容を含む機器制御メニューの表示データを送出して前記スマートフォンに前記機器制御メニューを表示させ、当該個室利用者により操作された前記機器制御メニューの操作により選択された制御対象の前記音響映像機器及び制御内容を判別し、選択された制御対象の前記音響映像機器を選択された制御内容に制御するために必要な前記リモコン発光コードを、前記個室内制御装置の前記記憶部の記憶データのなかから特定するように前記個室内制御装置を制御し、特定された前記リモコン発光コードを前記個室内制御装置から送出させ、前記個室内制御装置が、制御対象の前記音響映像機器に対応して設けられた前記リモコン発光器に前記リモコン発光コードを送出することにより、前記リモコン発光器を発光させて選択された制御対象の当該音響映像機器を選択された制御内容通りに制御する処理を行わせるとよい。
【0010】
この構成によれば、個室内制御装置は、当該個室に設置された複数種類の音響映像機器それぞれを遠隔操作するためのメーカごとのリモコン発光コードを予め記憶部に記憶し、施設管理サーバは、全ての個室に設置された複数種類の音響映像機器それぞれのメーカ名及び機種名を予め記憶部に記憶しており、当該個室の利用者により操作された機器制御メニューの操作により選択された制御対象の音響映像機器及び制御内容を判別し、選択された制御対象の音響映像機器を選択された制御内容に制御するために必要なリモコン発光コードを、個室内制御装置の記憶部の記憶データのなかから特定するように当該個室内制御装置を制御し、特定された前記リモコン発光コードを個室内制御装置から制御対象の音響映像機器に対応して設けられたリモコン発光器に送出させてリモコン発光器を発光させ、当該音響映像機器を制御するため、周辺環境の影響受けて当該音響映像機器がノイズにより誤動作することを確実に防止することができる。ここで、個室利用者はスマートフォンに専用アプリのインストールしたり個人情報を入力する必要がなく、利用者のスマートフォンを個室内の音響映像機器のリモートコンローラとして使用することが可能になり、非常に便利である。しかも、当該宿泊施設で予め準備された音響映像機器やその操作機器が故障している場合には各種の処理を実行できず、機器を修理・交換するための余分なコストを当該宿泊施設の管理者が負担しなければならないのに対して、音響映像機器を交換してもその操作機器まで交換する必要がなく、個室利用者が自分のスマートフォンの操作により各種の処理を実行することができ、施設管理者は余分なコストがかからず信頼性の向上を図ることができる。
【0011】
また、前記注文処理として、前記施設管理サーバは、当該個室の部屋番号とともに当該個室利用者の前記スマートフォンに飲食物の種類及びその金額を含む注文メニューの表示データを送出して前記スマートフォンに前記注文メニューを表示させ、当該個室利用者による前記注文メニューの操作により注文された飲食物を判別して、前記会計処理装置に判別した前記飲食物の種類及び金額を通知し、前記会計処理装置により利用料金に課金する処理を行わせるとよい。
【0012】
こうすると、個室利用者のスマートフォンに専用アプリのインストールや個人情報の入力を強制することがなく、当該個室の利用者はスマートフォンを使って飲食物の注文を簡単に行うことができる。
【0013】
また、前記施設管理サーバはインターネットを介して外部の決済サイトと接続可能であって、前記決済処理として、前記施設管理サーバは、前記会計処理装置から当該個室利用者に対する利用料金データを利用明細付きで取得し、取得した利用料金データに基づく利用料金及び利用明細を、キャッシュレス決済画像とともに当該個室利用者の前記スマートフォンに表示させ、当該個室利用者が前記スマートフォンに表示されたキャッシュレス決済画像を操作すると、前記外部の決済サイトに接続して利用料金を通知し、前記外部の決済サイトからインターネットを介して前記スマートフォンに報知される決済情報に従った決済手続きの入力完了を待ち、前記決済手続きの入力が完了すると前記スマートフォンに決済終了を通知する処理を行わせるとよい。
【0014】
この場合、個室利用者はスマートフォンに決済処理のための専用アプリのインストールしたり個人情報を入力することなく、スマートフォンを使って宿泊施設の利用料金の決済を簡単に行うことができる。
【0015】
また、登録メンバーのメンバー番号を管理するメンバー管理装置を更に備え、登録メンバーである前記個室利用者に対して発行されるメンバーカードに記録されたメンバー番号を読み取る読取部を前記個室内制御装置に設け、前記施設管理サーバは、前記読取部により読み取られた前記メンバーカードの前記メンバー番号を取得して登録済の複数のメンバー番号のいずれかと一致するかどうか照合し、登録済と判断すれば前記メンバー管理装置及び前記会計処理装置に通知して登録メンバーの受け付けを行い、登録メンバーとして受け付けた当該個室利用者の前記スマートフォンの操作によるカードレスメンバー認証の選択を許容し、前記カードレスメンバー認証の選択がないとき、及び、前記カードレスメンバー認証の選択が初回であるときには、照合により登録済と判断した前記メンバーカードの読み取りにより取得した前記メンバー番号に基づき、利用料金のメンバー割引への変更可能性や特別割引の有無、利用頻度に応じて当該個室利用者に付与された保有ポイント、メンバーランクなどの特典を受けるための情報を、前記会計処理装置に送出して特典の享受を可能にし、前記カードレスメンバー認証の選択が初回であるときには、前記メンバー情報であるメンバー番号に対応した当該個室利用者に固有の認証コードを設定して前記スマートフォンに記憶させておき、次回の前記カードレスメンバー認証の選択時に、前記スマートフォンから当該スマートフォンに記憶された前記認証コードを取得して当該認証コードに対応するメンバー番号を登録済の複数のメンバー番号のなかから検索し、検索した当該メンバー番号に基づき、利用料金のメンバー割引への変更可能性や特別割引の有無、利用頻度に応じて当該個室利用者に付与された保有ポイント、メンバーランクなどの特典を受けるための情報を、前記会計処理装置に送出して特典の享受を可能にするようにしてもよい。
【0016】
この場合、個室利用者が登録済のメンバーであれば、メンバーカードを利用し、或いは、メンバーカードを利用せずにカードレスメンバー認証を利用することにより、メンバー割引等の特典を手軽に受けることができ、利便性に優れる。
【0017】
また、前記操作メニュー画面は、当該施設の割引券の割引コード、クーポン券のクーポンコードを入力するためのコード入力用のボタンを含み、前記施設管理サーバは、当該個室利用者が前記スマートフォンの操作により、当該施設から発行された割引券に記載された割引コードや、クーポンに記載されたクーポンコードが入力されると、その割引券やクーポンの有効期限、割引条件を判別し、正規の割引券、クーポンであると判定すると前記会計処理装置により前記割引条件で利用料金の計算する割引処理を行わせるようにしてもよい。こうすると、利用者は割引サービス等を簡単に受けることができて便利である。
【0018】
また、当該個室内の照明を制御する照明制御ユニットを備え、前記操作メニュー画面は、当該個室内の照明の入切や明るさを制御するための照明用のボタンを含み、前記施設管理サーバは、前記照明用のボタンの操作があると、前記照明制御ユニットに対して、前記照明用のボタンの操作に基づく当該個室内の前記照明の入切や明るさを制御させる照明処理を行うようにしてもよい。
【0019】
こうすると、個室利用者は、例えばスマート家電における制御用アプリのような専用アプリをスマートフォンにインストールしたり個人情報を入力する必要がなく、スマートフォンを使って照明の明るさ等を簡単に制御することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、従来のように専用のアプリケーションをインストール(ダウンロード)したり個人情報を入力する必要をなくして個室利用者が煩わしさを覚えるのを防止でき、簡易な構成により、当該施設の個室利用者が保有するスマートフォンを利用して飲食物の注文処理、個室内の音響映像機器の機器制御処理、利用料金の決済処理などを行うことができる。また、当該施設で予め準備された操作機器を使って各種の処理を行うのではなく、個室利用者が自身のスマートフォンを使って各種の処理を実行できるため、他人が触れた操作機器に触れる必要がなく衛生的である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明に係る施設用システムの一実施形態の概略構成図である。
【
図5】
図1の動作説明図であり、操作メニュー画面を示す図である。
【
図6】
図1の動作説明図であり、飲食物の注文メニュー画面を示す図である。
【
図7】
図1の動作説明図であり、飲食物の注文メニュー画面を示す図である。
【
図8】
図1の動作説明図であり、飲食物の注文メニュー画面を示す図である。
【
図9】
図1の動作説明図であり、飲食物の注文メニュー画面を示す図である。
【
図10】
図1の動作説明図であり、音響映像機器の制御メニュー画面を示す図である。
【
図11】
図1の動作説明図であり、音響映像機器の制御メニュー画面を示す図である。
【
図12】
図1の動作説明図であり、照明制御用メニュー画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
この発明に係る施設用システムを個室を備えたホテル等の宿泊施設に適用し、施設係員と非対面となる個室の利用者が自身のスマートフォンを当該個室内で各種の操作用に使用することを可能にする場合の一実施形態について、
図1ないし
図12を参照して説明する。
【0023】
(システムの構成)
本実施形態における施設用システムは宿泊施設用システムであって、
図1に示すように構成されている。すなわち、
図1に示すように、宿泊施設用システム1は、ホテル等の宿泊施設の個室2を利用する個室利用者が保有するスマートフォン3と、個室2ごとに設置された無線LAN用WiFiルータ等のWiFiアクセスポイント4と、宿泊施設に設置されインターネットNを介して外部の決済サイト5等のサイトに接続可能なマイクロコンピュータ構成の施設管理サーバ6と、当該個室利用者に対する個室料金、飲食代等の利用料金の計算、請求、決済などの処理を行うマイクロコンピュータ構成の会計処理装置7と、メンバー番号等のメンバー情報を管理するマイクロコンピュータ構成のメンバー管理装置8とを備える。
【0024】
さらに、宿泊施設用システム1は、
図1に示すように、宿泊施設の個室2ごとに設置され筐体前面に後述する認証ページデータのワンタイムコード(例えば、6桁数字)を表示する表示部10a及び後述するカード挿入孔10bから挿入されたメンバーカードの記録情報を読み取る読取部10cを備えるマイクロコンピュータ構成の個室内制御装置10と、宿泊施設の個室2ごとに設置された音響映像機器である地デジテレビ(以下、地デジTVともいう)11a、VOD(Video On Demand/電子レンタルビデオ)11b及び有線放送やラジオ等の音響機器11cと、個室2の照明の入切や明るさを制御する照明制御ユニット12と施設管理サーバ6、WiFiアクセスポイント4、個室内制御装置10、会計処理装置7及びメンバー管理装置8をLANケーブルKで接続する有線LAN用ハブ13とを備える。
【0025】
なお、
図1において、14a,14b,14cは、それぞれ地デジTV11a、VOD11b、音響機器11cの各リモコン信号受信部に設置された例えば赤外LEDから成るリモコン発光器であり、外部からのノイズ光や電磁波等を遮断するようにリモコン信号受信部に密着して配置されており、後に詳述するように、施設管理サーバ6から送出されるリモコン発光コードを受信した個室内制御装置10により、これらリモコン発光器14a,14b,14cがリモコン発光コードに基づいて発光され、地デジTV11a、VOD11b、音響機器11cがリモコン発光コードに応じた制御内容通りに制御される。
【0026】
(動作)
<紐付け処理>
施設管理サーバ6は、当該個室2とこれを利用する利用者のスマートフォン3とを紐付けして、当該スマートフォン3を飲食物の注文処理、機器制御処理、決済処理等のための操作ツールとして使用できるようにする紐付け処理を行う。この施設管理サーバ6による紐付け処理は、以下のようにして行われる。
【0027】
図2に示すように、当該個室利用者が個室2に入室すると、会計処理装置7から施設管理サーバ6に入室信号が送出され、施設管理サーバ6がこの入室信号を受け取ることにより、当該個室2に固有のワンタイムパスワードのような認証コード(以下では、ワンタイムコードともいう)を含む全個室の認証コード生成して記憶部であるメモリに格納し、個室利用者が入室したときには当該個室2の個室内制御装置10の表示部10aにそのワンタイムコードを表示させておく。そして、当該個室2の部屋番号に対して設定されて当該個室2内に表示された第1の2次元バーコードである第1のQRコード(登録商標)が、入室した当該個室利用者のスマートフォン3により読み取られると、スマートフォン3がWiFiアクセスポイント4を介して施設管理サーバ6に接続され、続けて当該個室利用者がスマートフォン3により第2の2次元バーコードである第2のQRコード(登録商標)が読み取られることにより、施設管理サーバ6により、当該個室2の個室内制御装置10の表示部10aに表示されているワンタイムコードを入力するための認証ページ画面がスマートフォン3に表示される。
【0028】
続いて、当該個室2の利用者が、個室内制御装置10の表示部10aに表示されたワンタイムコードを確認してスマートフォン3の認証ページ画面でワンタイムコードを入力して認証ページ画面の決定ボタンがタップされると、スマートフォン3から施設管理サーバ6に対して認証要求され、施設管理サーバ6により、スマートフォン3に入力されたワンタイムコードと、記憶部に格納した当該個室2のワンタイムコードとの照合が行われる。照合の結果、両コードが一致していれば、施設管理サーバ6は、当該個室2が特定されたスマートフォン3のCookieにワンタイムコードが格納され、当該個室2とその利用者のスマートフォン3との紐付け処理が完了したとして、当該個室利用者が退室するまでのこの紐付け状態を維持し、スマートフォン3に所定の操作メニュー画面の表示データを送出してトップメニューである操作メニュー画面を表示させる。
【0029】
そして、上記した紐付け処理が完了すると、その後はスマートフォン3のCookieの内容で当該個室2が特定されて所定の処理が実行される。具体的には、施設管理サーバ6は、
図3に示すように、スマートフォン3に表示される後述の操作メニュー画面のボタンのうち、「食事ドリンクのご注文」のボタンがタップされると(ステップS1のタップあり)、食事やドリンク等の飲食物の注文処理を行い(ステップS2)、「スマートリモコン」のボタンがタップされると(ステップS3のタップあり)、当該個室2内の地デジTV11a、VOD11b等の音響映像機器の機器制御処理を行い(ステップS4)、「割引・クーポンコードの受付」ボタンがタップされると(ステップS5のタップあり)、当該個室2の利用者によりスマートフォン3で入力される割引コードやクーポンコードの入力に基づく割引処理を行い(ステップS6)、「ご利用料金の確認・決済」のボタンがタップされると(ステップS7のタップあり)、当該個室2の利用者に利用料金の確認を可能にした決済処理を行い(ステップS8)、「メンバー情報表示」のボタンがタップされると(ステップS9のタップあり)、登録メンバー情報の表示処理を行い(ステップS10)、「その他の画面呼出し」のボタンがタップされると(ステップS11のタップあり)、その他の画面を呼出す呼出し処理を行う(ステップS12)。
【0030】
ところで、個室内制御装置10の表示部10aは
図4に示すように構成され、筐体の前面に6桁数字(例えば、“123456”)のワンタイムコードを表示する7セグメントLED表示器が6桁分並んだ表示部10a、及び、カード挿入孔10bが、上下に並設されており、カード挿入孔10bに挿入されたメンバーカードの記録情報が個室内制御装置10の読取部10cにより読み取られるようになっている。なお、表示部10aの左側には、メンバーカードの読取が正常か否かを表示する読取完了表示器及びエラー表示器が配置されている。
【0031】
このとき、スマートフォン3に表示される操作メニュー画面として、例えば
図5に示す画面が表示される。すなわち、
図5に示すように、食事やドリンク等の飲食物の注文処理を実行するための「食事ドリンクのご注文」と表示されたボタン17a、当該個室2内の地デジTV11a、VOD11b等の音響映像機器の機器制御処理を実行するための「スマートリモコン」と表示されたボタン17b、当該個室2の利用者によりスマートフォン3で入力される割引コードやクーポンコードの入力を受け付けて割引処理を実行するための「割引・クーポンコード受付」と表示されたボタン17c、当該個室2の利用者に利用料金の確認を可能にして決済処理を実行するための「ご利用料金の確認・決済」と表示されたボタン17d、登録メンバーである利用者に対し、登録されているメンバー情報の表示処理を実行するための「メンバー情報表示」と表示されたボタン17e、その他の画面を呼出し処理するための「その他の画面呼出し」と表示されたボタン17f等の複数のボタン画像が表示される。これらのボタン17a~17fのうちタップされたボタンに応じ、施設管理サーバ6による上記した処理が実行される。
【0032】
次に、
図5に示す操作メニュー画面の各ボタン17a~17fがタップされたときの各処理について詳細に説明する。
【0033】
<飲食物の注文処理>
今、スマートフォン3に表示されている操作メニュー画面(
図5参照)の「食事ドリンクのご注文」とのボタン17aがタップされると、施設管理サーバ6による注文処理が実行される。すなわち、施設管理サーバ6は、当該個室2の利用者のスマートフォン3と紐付けされた個室2の部屋番号と、飲食物の種類及びその金額を含む注文メニュー画面の表示データを送出し、スマートフォン3に、例えば
図6に示すような「食事のご注文」と表示されたボタン18a、「ドリンクのご注文」と表示されたボタン18bを含む注文メニュー画面を表示させる。
【0034】
そして、注文メニュー画面を見て当該個室2の利用者が「食事のご注文」のボタン18aをタップすると、例えば
図7に示すように、「麺類」のボタン19a、「和食」のボタン19b、「中華料理」のボタン19c、「洋食」のボタン19d、「軽食」のボタン19eを含む食事メニュー画面がスマートフォン3に表示される。このとき、例えば「麺類」のボタン19aaがタップされると、例えば
図8に示すように、「醤油ラーメン800円」のボタン19a1、「豚骨ラーメン850円」のボタン19a2、「味噌ラーメン800円」のボタン19a3、「きつねどん650円」のボタン19a4、「肉うどん850円」のボタン19a5、「ざるそば600円」のボタン19a6、「天ぷらそば1000円」のボタン19a7を含む複数の麺類メニュー名とその金額を含む麺類メニュー画面がスマートフォン3に表示される。
【0035】
そして、利用者が好みの麺類メニューのボタンをタップすると、
図9に示すように、注文個数を例えばドロップダウン形式で入力するための個数入力ボタン20a、入力した個数を決定するための「決定」ボタン20b、操作を戻すための「戻る」ボタン20cを含む注文確定画面がスマートフォン3に表示され、個数が入力されて「決定」ボタン20bがタップされると、施設管理サーバ6は、注文が確定された飲食物の種類を判別して、施設管理サーバ6から会計処理装置7に判別した飲食物の種類及び金額を通知し、会計処理装置7により利用料金に課金する処理を行わせる。なお、注文された食事は、施設において加工調理され、施設係員によって当該個室2に配膳される。
【0036】
ところで、当該個室2の利用者が注文メニュー画面を見て「ドリンクのご注文」のボタン18bをタップした場合も、上記した「食事のご注文」のボタン18aをタップした場合と同様に処理が行われる。例えば各銘柄のビール、酎ハイ、ハイボールなどのアルコール飲料の他、ノンアルコールビール、オレンジジュースやウーロン茶などのソフトドリンクンクのドリンクメニュー目にとその金額を含むドリンクメニュー画面がスマートフォン3に表示され、利用者によるドリンク名と個数の入力及び決定操作があると、施設管理サーバ6は、注文が確定されたドリンクの種類を判別して、施設管理サーバ6から会計処理装置7に判別したドリンクの種類及び金額を通知し、会計処理装置7により利用料金に課金する処理を行わせる。なお、注文されたドリンクは施設係員によって当該個室2に提供される。
【0037】
<機器制御処理>
次に、スマートフォン3に表示されている操作メニュー画面(
図5参照)の「スマートリモコン」ボタン17bがタップされると、施設管理サーバ6による当該個室2内に設置された地デジTV11a等の音響映像機器の機器制御処理が実行される。すなわち、各個室2の個室内制御装置10は、当該個室2に設置された地デジTV11a等の音響映像機器それぞれを遠隔操作するためのメーカごとのリモコン発光コードを予め記憶部であるメモリに記憶する一方、施設管理サーバ6は、当該個室2に設置された地デジTV11a等の音響映像機器それぞれのメーカ名及び機種名を予め記憶部であるメモリに記憶している。このとき、ある機器が故障により異なるメーカの製品に交換された場合には、交換された機器のメーカ名及び機種名を新たに記憶し直すことにより、交換された機器が設置されている個室内制御装置10のメモリに記憶済のメーカごとのリモコン発光コードとの対応付けが行われる。そして、当該個室2内の音響映像機器及び制御内容を含む機器制御メニュー画面の表示データを送出し、例えば
図10に示すように、「電源」ボタン21a1、「TV」ボタン21a2.「VOD」ボタン21a3、「BD(ブルーレイディスク)」ボタン21a4、「4K放送」ボタン21a5、「ラジオ」ボタン21a6、「カラオケ」ボタン21a7を含む機器制御メニュー画面をスマートフォン3に表示させる。
【0038】
そして、例えば「電源」21a1と「TV」ボタン21a2がタップされると、地デジTV11aの電源がオンされ、「TV」ボタン21a2がタップされたことが施設管理サーバ6により判別され、施設管理サーバ6から地デジTV11aの制御メニュー画面の表示データがスマートフォン3に送出され、例えば
図11に示すような地デジTVの操作メニュー画面がスマートフォン3に表示される。なお、
図11に示す地デジTVの操作メニューは地デジ放送、BS放送、CS放送、有料放送の各放送を選択するボタン22a1,22a2,22a3,22a4、チャンネルのアップ・ダウン操作用のボタン22a5、音量のアップ・ダウン操作用のボタン22a6や、テンキーボタン22a7が含まれる。
【0039】
そして、
図11中のボタンのうち例えば「BS」ボタンがタップされると、地デジTV11aがBS放送の受信に切り替え制御すべく、施設管理サーバ6が、個室内制御装置10に対し地デジTV11aがBS放送を受信するためのリモコン発光コードの送出を要求し、個室内制御装置10により、要求されたリモコン発光コードが地デジTV11aに設けられたリモコン発光器14aに送出され、リモコン発光器14aが発光制御され地デジTV11aがBS放送を受信する状態に制御される。なお、
図11に示す地デジTVの操作メニュー画面のその他のボタンがタップされた場合も同様に制御され、
図10に示す機器制御メニュー画面のその他のボタンがタップされた場合も同様の制御が行われる。
【0040】
このとき、通常、当該宿泊施設で予め準備されたリモコン器などの操作機器が故障している場合には各種の処理を実行できず、操作機器を修理・交換するための余分なコストを当該宿泊施設の管理者が負担しなければならない。これに対して、本実施形態では、ある個室2の機器が故障により異なるメーカの製品に交換された場合であっても、交換された機器のメーカ名及び機種名を新たに記憶し直すだけで、交換された機器が設置されている個室内制御装置10のメモリに記憶済のメーカごとのリモコン発光コードとの対応付けを新たに行い、交換した機器のリモコン発光コードを個室内制御装置10から送出できるため、個室利用者が自分のスマートフォン3の操作することにより、各種の処理を実行することができ、従来のように交換したメーカの機器に対応した操作機器を新たに用意する必要もなく、余分なコストがかからない。
【0041】
<割引処理>
続いて、スマートフォン3に表示されている操作メニュー画面(
図5参照)の「割引・クーポンコード受付」のボタン17cがタップされると、施設管理サーバ6による正規の割引券、クーポンに基づく割引条件での利用料金の割引処理が実行される。すなわち、施設管理サーバ6は、当該個室2の利用者がスマートフォン3の操作により、当該宿泊施設から発行された割引券に記載された割引コードや、クーポンに記載されたクーポンコードが入力されたことを確認すると、その割引券やクーポンの有効期限、割引条件を判別し、正規の割引券、クーポンであるかどうかを判別し、正規であると判定すると会計処理装置7により当該割引条件で利用料金の計算する割引処理を行わせる。こうすることで、利用者は割引サービス等を簡単に受けることができて便利である。
【0042】
<決済処理>
また、スマートフォン3に表示されている操作メニュー画面(
図5参照)の「ご利用料金に確認・決済」のボタン17dがタップされると、施設管理サーバ6による当該個室2の利用者に利用料金の確認を可能にした決済処理が実行される。すなわち、施設管理サーバ6は、「ご利用料金に確認・決済」のボタン17dがタップされることにより、インターネットNを介して外部の決済サイト5に接続して決済サイト5に利用料金を通知し、決済サイト5からインターネットNを介してスマートフォン3に報知される決済情報に従った例えば「決済」ボタンのタップ等の操作による決済手続きの入力完了による決済サイト5から決済完了の通知があるまで待機し、決済完了の通知があると施設管理サーバ6は、スマートフォン3に「チェックアウトが完了しました」等のメッセージデータを送出して表示させる。
【0043】
<メンバー情報表示処理>
次に、スマートフォン3に表示されている操作メニュー画面(
図5参照)の「メンバー情報表示」のボタン17eがタップされると、施設管理サーバ6による登録済のメンバー番号等の情報を表示する表示処理が実行される。すなわち、当該個室2の利用者が登録メンバーである場合に、メンバーに対して発行されるメンバーカードにカード挿入孔10b(
図4参照)に挿入され、メンバーカードに記録されたメンバー情報であるメンバー番号(例えば、8桁数字の“01234567”)が個室内制御装置10の読取部10cにより読み取られると、施設管理サーバ―6により、読取部10cにより読み取られたメンバー番号が取得され、記憶部に記憶された登録済の複数のメンバー番号のいずれかと一致するかどうかの照合が行われる。
【0044】
そして、照合の結果、メンバー番号が一致して登録済と判断されると、メンバー管理装置8及び会計処理装置7にそのメンバー番号が通知されて登録メンバーの受け付けが行われ、施設管理サーバ6により、登録メンバーとして受け付けた当該個室利用者のスマートフォン3にカードレスメンバー認証画面が表示されてカードレスメンバー認証の選択が許容される。
【0045】
このとき、カードレスメンバー認証画面の操作により、カードレスメンバー認証を「しない」との選択がなされたとき、及び、初回のカードレスメンバー認証を「する」との選択がなされたときは、個室内制御装置10の読取部10cにより読み取られて施設管理サーバ―6により取得されたメンバー番号(例えば、8桁数字の“01234567”)に基づき、利用料金のメンバー割引への変更可能性や特別割引の有無、利用頻度に応じて当該個室2の利用者に付与された保有ポイント、メンバーランクなどの特典を受けるための情報が施設管理サーバ6を介して会計処理装置7に送出されて当該個室利用者による特典の享受が許容されるとともに、施設管理サーバ6により読み取られたメンバー番号等の情報が当該個室利用者のスマートフォン3に送出されてスマートフォン3に表示する表示処理が行われる。
【0046】
また、初めてカードレスメンバー認証を「する」との選択がなされたときには、当該個室利用者のスマートフォン3のCookieに記憶させるべく当該個室利用者のメンバー番号(例えば、8桁数字の“01234567”)に対応した当該利用者固有の認証コード(例えば、“ABCDEFGH”)が施設管理サーバ6により設定されて、スマートフォン3のCookieに当該認証コード(“ABCDEFGH”)を記憶させておく。そして、当該認証コード(例えば、“ABCDEFGH”)を持つ利用者が、ある個室2に入室したときに、上記したように、認容ページ画面が表示されたスマートフォン3に当該個室2の固有の認証コード(“123456”)が入力されることにより、当該個室2と当該スマートフォン3との紐付け処理が行われ、施設管理サーバ6により、当該スマートフォン3からそのCookieに記憶された認証コード(“ABCDEFGH”)が読み出され、読み出された認証コード(“ABCDEFGH”)に対応するメンバー番号(“01234567”)が施設管理サーバ6の記憶部から検索され、検索された当該メンバー番号に基づき、利用料金のメンバー割引への変更可能性や特別割引の有無、利用頻度に応じて当該個室2の利用者に付与された保有ポイント、メンバーランクなどの特典を受けるための情報が施設管理サーバ6を介して会計処理装置7に送出されて当該個室利用者による特典の享受が許容されるとともに、施設管理サーバ6により読み取られたメンバー番号等の情報が当該個室利用者のスマートフォン3に送出されてスマートフォン3に表示する表示処理が行われる。
【0047】
<照明処理>
特に、照明制御メニュー画面が呼び出されてスマートフォン3に表示され、当該個室2の利用者により照明制御メニュー画面の照明用のボタンがタップされると、施設管理サーバ6は、照明制御ユニット12に対して、照明用のボタンの操作に基づく当該個室2内の照明の入切や明るさを制御させる照明処理を行う。すなわち、施設管理サーバ6は、当該個室の利用者のスマートフォン3に
図12に示すような照明用のボタン23a1~23a6を含む照明制御用メニュー画面の表示データを送出して、スマートフォン3に照明制御用メニュー画面を表示させる。なお、「ルームライト」ボタン23a1は、調光度合(明るさ)を設定するために、「暗」から「明」までの例えば10段階の明るさに調光できるように設定され、その他の「フットライト」、「スポットライト」、「ベッドライト」の各ボタン23a2~23a4も同様に10段階の明るさに調光できるように設定されている。
【0048】
そして、当該個室2の利用者により例えば「全灯」、「全消」ボタン23a5,23a6が操作されると、照明制御ユニット12により当該個室2内のすべての照明が点灯、消灯され、また「ルームライト」ボタン23a1のタップにより調光度合が設定されると、照明制御ユニット12により、設定された明るさにルームライトが調光制御される。なお、その他のライトも同様に制御される。
【0049】
したがって、上記した実施形態によれば、個室利用者の個室への入室後に、施設管理サーバ6が、会計処理装置7から送出される入室信号を受け取り、当該個室2に固有の認証コードを生成して当該個室2の個室内制御装置10の表示部10aに表示させておき、入室した個室利用者のスマートフォン3により、当該個室2に予め設けられた第1のQRコード(登録商標)が読み取られることによってスマートフォン3がWiFiアクセスポイント4に接続状態にされ、当該個室2に予め設けられた第2のQRコード(登録商標)が更に読み取られることによって、当該個室2に固有の認証コードの入力用の認証ページ画面がスマートフォン3に表示され、当該個室利用者によりスマートフォン3に当該個室2に固有の認証コードが入力されることにより、個室利用者が退室するまで当該個室2と当該スマートフォン3との紐付け処理が行われ、当該個室の客室番号データとともに当該スマートフォン3を各種の操作装置として使用するための操作メニュー画面の表示データがスマートフォン3に送出されてスマートフォン3に操作メニュー画面が表示される。
【0050】
そのため、従来のように専用のアプリケーションをインストールしたり個人情報を入力したりする必要をなくして、個室2の利用者が煩わしさを覚えるのを防止でき、簡易な構成により、宿泊施設の個室2の利用者が保有するスマートフォン3を利用して飲食物の注文処理、個室2内の音響映像機器の機器制御処理、利用料金の決済処理などを簡単に行うことが可能になる。
【0051】
また、当該宿泊施設で予め準備された操作機器を使って各種の処理を行うのではなく、個室利用者が自身のスマートフォン3を使って各種の処理を実行できるため、他人が触れた操作機器に触れる必要がなく衛生的である。
【0052】
また、各個室2の個室内制御装置10は、当該個室2に設置された複数種類の音響映像機器それぞれを遠隔操作するためのメーカごとのリモコン発光コードを予め記憶部(メモリ)に記憶し、施設管理サーバ6は、全ての個室に設置された複数種類の音響映像機器それぞれのメーカ名及び機種名を予め記憶部(メモリ)に記憶しており、当該個室2の利用者により操作された機器制御メニューの操作により選択された制御対象の音響映像機器及び制御内容を判別し、選択された制御対象の音響映像機器を選択された制御内容に制御するために必要なリモコン発光コードを、当該個室内制御装置10の記憶部の記憶データのなかから特定するように、施設管理サーバ6により個室内制御装置10が制御され、特定されたリモコン発光コードが個室内制御装置10から制御対象の音響映像機器に対応して設けられたリモコン発光器14a~14cのいずれかに送出されてリモコン発光器14a~14cのいずれかが発光し、当該音響映像機器を制御するため、周辺環境の影響受けて当該音響映像機器がノイズにより誤動作することを確実に防止することができ、利用者が保有するスマートフォン3を使って地デジTV11a、VOD11b等の音響映像機器の制御を簡単に行うことが可能になる。
【0053】
また、ある個室2の機器が故障により異なるメーカの製品に交換された場合であっても、施設管理サーバ6により、交換された機器のメーカ名及び機種名を新たに記憶し直すだけで、交換された機器が設置されている個室内制御装置10のメモリに記憶済のメーカごとのリモコン発光コードとの対応付けを新たに行い、交換した機器のリモコン発光コードを個室内制御装置10から送出できるため、個室利用者が自分のスマートフォン3の操作することにより、各種の処理を実行することができ、従来のように交換したメーカの機器に対応した操作機器を準備する必要もなく、施設管理者は余分なコスト負担がかからなくなる。
【0054】
また、個室利用者のスマートフォン3に専用アプリのインストールや個人情報の入力を強制することがなく、当該個室2の利用者はスマートフォン3を使って飲食物の注文を簡単に行うことができる。
【0055】
また、施設管理サーバ6と外部の決済サイト5との接続により、利用者のスマートフォン3を使って決済処理を行うことができるため、利用者がクレジット決済のための個人的な決済アプリをインストールしておく必要がなく便利である。
【0056】
また、個室利用者が登録済のメンバーであれば、メンバーカードを利用し、或いは、メンバーカードを利用せずにカードレスメンバー認証を利用することにより、メンバー割引等の特典を手軽に受けることができ、利便性に優れる。
【0057】
また、個室利用者は、例えばスマート家電における制御用アプリのような専用アプリをスマートフォン3にインストールしたり個人情報を入力する必要がなく、スマートフォン3を使って照明の明るさ等を簡単に制御することができる。
【0058】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0059】
例えば、宿泊施設用システム1は、
図1に示す構成に限定されるものではなく、要するに当該個室2とその利用者が保有するスマートフォン3とを紐付けでき、紐付けしたスマートフォン3を使って飲食物の注文処理、個室2内の音響映像機器の機器制御処理、利用料金の決済処理などを行える構成であればよい。
【0060】
また、
図5に示す操作メニュー画面、その他のメニュー画面は、上記した実施形態で説明したものに限るものではなく、適宜変更してもよい。さらに、第1、第2の2次元バーコードは上記したQRコード(登録商標)に限定されるものではない。
【0061】
また、上記した実施形態では、本発明に係る施設用システムを、ホテル等の宿泊施設に適用し、施設係員と非対面となる個室の利用者が自身のスマートフォンを当該個室内で各種の操作用に使用することを可能にする場合について説明したが、ホテル等の宿泊施設のほかにも、カラオケボックス、ネットカフェ等の遊興施設、福祉施設や入院設備を伴う病院といった個室を備えた施設にも適用することが可能であり、上記した実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0062】
そして、宿泊施設や遊興施設、福祉施設や病院等の個室を備えた施設において、当該個室の利用者が保有するスマートフォンを、当該個室内での各種の操作用に使用することを可能にする施設用システムに対して、本発明を広く適用することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 …宿泊施設用システム(施設用システム)
2 …個室
3 …スマートフォン
4 …WiFiアクセスポイント
5 …決済サイト
6 …施設管理サーバ
7 …会計処理装置
8 …メンバー管理装置
10 …個室内制御装置
11a…地デジTV(音響映像機器)
11b…VOD(音響映像機器)
11c…音響機器(音響映像機器)
12 …照明制御ユニット
13 …ハブ
K …LANケーブル
N …インターネット
【手続補正書】
【提出日】2022-12-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
この発明は、上記した課題に鑑みてなされたものであり、宿泊施設や遊興施設等の施設の個室の利用者が保有するスマートフォンを、当該個室内での各種の操作用に使用することを可能にし、個室利用者が感じる煩わしさをなくし、簡易な構成により、施設の個室利用者が保有するスマートフォンを利用して、飲食物の注文処理、個室内の音響映像機器の機器制御処理、利用料金の決済処理などを行えるようにすることを目的とする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記した目的を達成するために、本発明に係る施設用システムは、宿泊施設や遊興施設、福祉施設、病院等の施設の個室の利用者が保有するスマートフォンを、当該個室内での各種の操作用に使用することを可能する施設用システムにおいて、当該個室利用者が保有するスマートフォンと、前記施設の個室ごとに設置された無線LAN用のWiFiアクセスポイントと、前記施設に設置されインターネットを介して外部のサイトに接続可能な施設管理サーバと、前記施設の個室ごとに設置された個室内制御装置と、前記施設の個室ごとに設置された複数種類の音響映像機器と、当該個室利用者に対する個室料金、飲食代等の利用料金の計算、請求、決済などの処理を行う会計処理装置と、前記施設管理サーバ、前記WiFiアクセスポイント、前記個室内制御装置及び前記会計処理装置を接続する有線LANとを備え、前記施設管理サーバは、当該個室利用者の個室への入室後に前記会計処理装置から送出される入室信号を受け取り、当該個室に固有の認証コードを生成して当該個室の前記個室内制御装置の表示部に表示させておき、入室した当該個室利用者の前記スマートフォンにより、当該個室に予め設けられた第1の2次元バーコードが読み取られることによって当該スマートフォンを前記WiFiアクセスポイントに接続状態にし、当該個室に予め設けられた第2の2次元バーコードが更に読み取られることによって、当該個室に固有の前記認証コードを入力するための認証ページ画面の表示データを前記スマートフォンに送出して前記スマートフォンに前記認証ページ画面を表示させ、更に当該個室利用者により前記スマートフォンに前記認証コードが入力されることにより、当該個室利用者が退室するまで当該個室と当該スマートフォンとの紐付けを行い、当該スマートフォンを各種の操作装置として使用するための操作メニュー画面を表示させるものであり、前記操作メニュー画面は、少なくとも当該個室利用者が操作可能な各種の飲食物の注文用のボタン、前記音響映像機器を制御可能な機器制御用のボタン、利用料金の決済用のボタンを含み、前記施設管理サーバは、前記操作メニュー画面に表示される前記各ボタンそれぞれに対応する飲食物の注文処理、前記音響映像機器の機器制御処理、利用料金の決済処理のうち、操作された当該ボタンに対応する処理を行うことを特徴としている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
この構成によれば、個室内制御装置は、当該個室に設置された複数種類の音響映像機器それぞれを遠隔操作するためのメーカごとのリモコン発光コードを予め記憶部に記憶し、施設管理サーバは、全ての個室に設置された複数種類の音響映像機器それぞれのメーカ名及び機種名を予め記憶部に記憶しており、当該個室の利用者により操作された機器制御メニューの操作により選択された制御対象の音響映像機器及び制御内容を判別し、選択された制御対象の音響映像機器を選択された制御内容に制御するために必要なリモコン発光コードを、個室内制御装置の記憶部の記憶データのなかから特定するように当該個室内制御装置を制御し、特定された前記リモコン発光コードを個室内制御装置から制御対象の音響映像機器に対応して設けられたリモコン発光器に送出させてリモコン発光器を発光させ、当該音響映像機器を制御するため、周辺環境の影響受けて当該音響映像機器がノイズにより誤動作することを確実に防止することができる。ここで、個室利用者はスマートフォンに専用アプリのインストールしたり個人情報を入力する必要がなく、利用者のスマートフォンを個室内の音響映像機器のリモートコンローラとして使用することが可能になり、非常に便利である。しかも、当該施設で予め準備された音響映像機器やその操作機器が故障している場合には各種の処理を実行できず、機器を修理・交換するための余分なコストを当該施設の管理者が負担しなければならないのに対して、音響映像機器を交換してもその操作機器まで交換する必要がなく、個室利用者が自分のスマートフォンの操作により各種の処理を実行することができ、施設管理者は余分なコストがかからず信頼性の向上を図ることができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
この場合、個室利用者はスマートフォンに決済処理のための専用アプリのインストールしたり個人情報を入力することなく、スマートフォンを使って施設の利用料金の決済を簡単に行うことができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
宿泊施設や遊興施設、福祉施設、病院等の施設の個室の利用者が保有するスマートフォンを、当該個室内での各種の操作用に使用することを可能する施設用システムにおいて、
当該個室利用者が保有するスマートフォンと、
前記施設の個室ごとに設置された無線LAN用のWiFiアクセスポイントと、
前記施設に設置されインターネットを介して外部のサイトに接続可能な施設管理サーバと、
前記施設の個室ごとに設置された個室内制御装置と、
前記施設の個室ごとに設置された複数種類の音響映像機器と、
当該個室利用者に対する個室料金、飲食代等の利用料金の計算、請求、決済などの処理を行う会計処理装置と、
前記施設管理サーバ、前記WiFiアクセスポイント、前記個室内制御装置及び前記会計処理装置を接続する有線LANと
を備え、
前記施設管理サーバは、
当該個室利用者の個室への入室後に前記会計処理装置から送出される入室信号を受け取り、当該個室に固有の認証コードを生成して当該個室の前記個室内制御装置の表示部に表示させておき、入室した当該個室利用者の前記スマートフォンにより、当該個室に予め設けられた第1の2次元バーコードが読み取られることによって当該スマートフォンを前記WiFiアクセスポイントに接続状態にし、当該個室に予め設けられた第2の2次元バーコードが更に読み取られることによって、当該個室に固有の前記認証コードを入力するための認証ページ画面の表示データを前記スマートフォンに送出して前記スマートフォンに前記認証ページ画面を表示させ、当該個室利用者により前記スマートフォンに前記認証コードが入力されることにより、当該個室利用者が退室するまで当該個室と当該スマートフォンとの紐付けを行い、更に当該スマートフォンを各種の操作装置として使用するための操作メニュー画面を表示させるものであり、
前記操作メニュー画面は、少なくとも当該個室利用者が操作可能な各種の飲食物の注文用のボタン、前記音響映像機器を制御可能な機器制御用のボタン、利用料金の決済用のボタンを含み、
前記施設管理サーバは、前記操作メニュー画面に表示される前記各ボタンそれぞれに対応する飲食物の注文処理、前記音響映像機器の機器制御処理、利用料金の決済処理のうち、操作された当該ボタンに対応する処理を行う
ことを特徴とする施設用システム。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
また、登録メンバーのメンバー番号を管理するメンバー管理装置を更に備え、登録メンバーである前記個室利用者に対して発行されるメンバーカードに記録されたメンバー番号を読み取る読取部を前記個室内制御装置に設け、前記施設管理サーバは、前記読取部により読み取られた前記メンバーカードの前記メンバー番号を取得して登録済の複数のメンバー番号のいずれかと一致するかどうか照合し、登録済と判断すれば前記メンバー管理装置及び前記会計処理装置に通知して登録メンバーの受け付けを行い、登録メンバーとして受け付けた当該個室利用者の前記スマートフォンの操作によるカードレスメンバー認証の選択を許容し、前記カードレスメンバー認証の選択がないとき、及び、前記カードレスメンバー認証の選択が初回であるときには、照合により登録済と判断した前記メンバーカードの読み取りにより取得した前記メンバー番号に基づき、利用料金のメンバー割引への変更可能性や特別割引の有無、利用頻度に応じて当該個室利用者に付与された保有ポイント、メンバーランクなどの特典を受けるための情報を、前記会計処理装置に送出して特典の享受を可能にし、前記カードレスメンバー認証の選択が初回であるときは、メンバー情報であるメンバー番号に対応した当該個室利用者に固有の認証コードを設定して前記スマートフォンに記憶させておき、次回の前記カードレスメンバー認証の選択時に、前記スマートフォンから当該スマートフォンに記憶された前記認証コードを取得して当該認証コードに対応するメンバー番号を登録済の複数のメンバー番号のなかから検索し、検索した当該メンバー番号に基づき、利用料金のメンバー割引への変更可能性や特別割引の有無、利用頻度に応じて当該個室利用者に付与された保有ポイント、メンバーランクなどの特典を受けるための情報を、前記会計処理装置に送出して特典の享受を可能にするようにしてもよい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項5】
登録メンバーのメンバー番号を管理するメンバー管理装置を更に備え、
登録メンバーである前記個室利用者に対して発行されるメンバーカードに記録されたメンバー番号を読み取る読取部を前記個室内制御装置に設け、
前記施設管理サーバは、
前記読取部により読み取られた前記メンバーカードの前記メンバー番号を取得して登録済の複数のメンバー番号のいずれかと一致するかどうか照合し、登録済と判断すれば前記メンバー管理装置及び前記会計処理装置に通知して登録メンバーの受け付けを行い、登録メンバーとして受け付けた当該個室利用者の前記スマートフォンの操作によるカードレスメンバー認証の選択を許容し、
前記カードレスメンバー認証の選択がないとき、及び、前記カードレスメンバー認証の選択が初回であるときには、照合により登録済と判断した前記メンバーカードの読み取りにより取得した前記メンバー番号に基づき、利用料金のメンバー割引への変更可能性や特別割引の有無、利用頻度に応じて当該個室利用者に付与された保有ポイント、メンバーランクなどの特典を受けるための情報を、前記会計処理装置に送出して特典の享受を可能にし、
前記カードレスメンバー認証の選択が初回であるときは、メンバー情報であるメンバー番号に対応した当該個室利用者に固有の認証コードを設定して前記スマートフォンに記憶させておき、次回の前記カードレスメンバー認証の選択時に、前記スマートフォンから当該スマートフォンに記憶された前記認証コードを取得して当該認証コードに対応するメンバー番号を登録済の複数のメンバー番号のなかから検索し、検索した当該メンバー番号に基づき、利用料金のメンバー割引への変更可能性や特別割引の有無、利用頻度に応じて当該個室利用者に付与された保有ポイント、メンバーランクなどの特典を受けるための情報を、前記会計処理装置に送出して特典の享受を可能にする
ことを特徴とする請求項1記載の施設用システム。