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特開2024-5492スロットル装置及びスロットル装置の組立方法
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  • 特開-スロットル装置及びスロットル装置の組立方法 図1
  • 特開-スロットル装置及びスロットル装置の組立方法 図2
  • 特開-スロットル装置及びスロットル装置の組立方法 図3A
  • 特開-スロットル装置及びスロットル装置の組立方法 図3B
  • 特開-スロットル装置及びスロットル装置の組立方法 図4A
  • 特開-スロットル装置及びスロットル装置の組立方法 図4B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005492
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】スロットル装置及びスロットル装置の組立方法
(51)【国際特許分類】
   F02D 9/10 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
F02D9/10 C
F02D9/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022105692
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立Astemo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】千石 崚登
(72)【発明者】
【氏名】蓮田 茂
(72)【発明者】
【氏名】平沼 大輔
【テーマコード(参考)】
3G065
【Fターム(参考)】
3G065CA26
3G065DA04
3G065HA06
3G065HA15
(57)【要約】
【課題】
本発明の目的は、スロットルシャフトとスロットルバルブとの間の相対的な位置ずれを抑制することができるスロットル装置を提供することにある。
【解決手段】
本発明のスロットル装置100は、スロットルシャフト3とスロットルバルブ4とを備え、スロットルシャフト3とスロットルバルブ4とは、カシメ(塑性変形部)Xによって固定されている。この場合、スロットルシャフト3は、スロットシャフト3の軸方向に延設されたスリットを有し、スロットルバルブ4は、スリットに挿入された状態で、カシメXによってスロットルシャフト3に固定される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スロットルシャフトとスロットルバルブとを備えたスロットル装置であって、
前記スロットルシャフトと前記スロットルバルブとは、カシメによって固定されているスロットル装置。
【請求項2】
請求項1に記載のスロットル装置であって、
前記スロットルシャフトは、当該スロットルシャフトの軸方向に延設されたスリットを有し、
前記スロットルバルブは、前記スリットに挿入された状態で、前記カシメによって前記スロットルシャフトに固定されているスロットル装置。
【請求項3】
請求項2に記載のスロットル装置であって、
前記スロットルシャフトは、前記スロットルバルブの端面に垂直となる穴が形成され、
前記カシメによる塑性変形部は、前記穴の開口部に対して直径方向反対側のスロットルシャフト外周部に形成されるスロットル装置。
【請求項4】
請求項3に記載のスロットル装置であって、
前記穴は、スロットルシャフトの全体を貫通することなく形成され、
前記塑性変形部は、前記スロットルシャフト及び前記スロットルバルブの両方により形成されているスロットル装置。
【請求項5】
請求項3に記載のスロットル装置であって、
前記穴は、スロットルシャフトの全体を貫通するように形成され、
前記塑性変形部は、前記スロットルバルブにより形成されているスロットル装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のスロットル装置であって、
前記スロットルバルブはアルミ材製であるスロットル装置。
【請求項7】
吸気通路を有するスロットルボア部材と、前記スロットルボア部材の吸気通路の中に配置されたスロットルシャフト及びスロットルバルブと、を備えたスロットル装置の組立方法であって、
前記スロットルボア部材の前記吸気通路の中で前記スロットルバルブと前記吸気通路の内壁面との位置合わせを行い、
前記スロットルバルブと前記吸気通路の内壁面との位置合わせ後に、前記吸気通路の中に第1プレス型と第2プレス型とを挿入して、前記スロットルシャフトとスロットルバルブとをプレス加工して固定するスロットル装置の組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気量を調節するスロットルバルブを備えたスロットル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、スロットルシャフトがスロットルボディに対して回転可能に支持された電制スロットル装置が記載されている。この電制スロットル装置のスロットルシャフトでは、金属材製の円板で構成されるスロットルバルブが、スロットルシャフトに設けたスリットに差し込まれ、ネジでスロットルシャフトに固定されている(段落0016参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2020/022004号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の電制スロットル装置では、スロットルシャフトとスロットルバルブとをネジによって固定している。この固定のために、スロットルシャフトには雌ネジが設けられ、スロットルバルブにはスロットルシャフトの雌ネジに螺合するネジを挿通するネジ挿通穴が設けられている。この場合、ネジとスロットルバルブのネジ挿通穴との間には、径方向の隙間が生じている。そのためスロットル装置が温冷されると、スロットルシャフトとスロットルバルブとが、ネジとスロットルバルブとの線膨張差によって、ネジとスロットルバルブのネジ挿通穴との間の径方向の隙間分だけ、相対的な位置ずれを起こす。そしてスロットルシャフトとスロットルバルブとが相対的な位置ずれを起こすことで、スロットルバルブとスロットルボアとの間に相対的な位置ずれが発生して、スロットルバルブとスロットルボアとの間でかじりが発生する可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、スロットルシャフトとスロットルバルブとの間の相対的な位置ずれを抑制することができるスロットル装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
スロットルシャフトとスロットルバルブとの固定をネジ止めから、カシメによる固定に変更する。
【発明の効果】
【0007】
スロットルシャフトとスロットルバルブとの固定をカシメによる固定にすることで、ネジとネジ挿通穴との間の隙間がなくなり、スロットルシャフトとスロットルバルブとの間の相対的な位置ずれの発生を抑制することができる。その結果、スロットルボアとスロットルバルブとの間でのかじりの発生を抑制することができる。また、バルブと吸気通路の内壁面との位置合わせを行った後に、バルブとシャフトとの固定を簡易な構造で行うことができる。
【0008】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施例に係るスロットル装置の構造を示す分解立体図である。
図2】本発明の実施例に係るスロットル装置の構造を示す断面図である。
図3A】本発明の第1実施例(実施例1)に係るスロットル装置におけるスロットルシャフトとスロットルバルブとの接合方法を示す概略図(接合前)である。
図3B】本発明の第1実施例(実施例1)に係るスロットル装置におけるスロットルシャフトとスロットルバルブとの接合方法を示す概略図(接合後)である。
図4A】本発明の第2実施例(実施例2)に係るスロットル装置におけるスロットルシャフトとスロットルバルブとの接合方法を示す断面図(接合前)である。
図4B】本発明の第2実施例(実施例2)に係るスロットル装置におけるスロットルシャフトとスロットルバルブとの接合方法を示す断面図(接合後)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明する。本発明は、空気量を調節するスロットルバルブを備えたスロットル装置、特にモータ駆動式の電制スロットル装置(以下、単にスロットル装置という)に関する。
【0011】
図1及び図2を用いて本発明の一実施例に係るスロットル装置100について説明する。図1は、本発明の実施例に係るスロットル装置の構造を示す分解立体図である。図2は、本発明の実施例に係るスロットル装置の構造を示す断面図である。
【0012】
スロットル装置100は、金属製のスロットルボディ1を有する。本実施例のスロットルボディ1はアルミダイキャスト製であるが、アルミダイキャスト製に限定される訳ではない。
【0013】
スロットルボディ1は、円筒形の吸気通路1Cを有するスロットルボア部材1Aと、モータ2を収納するモータハウジング1Bとが一体に成型されている。スロットルボディ1は、モータ2と空気量を調整するスロットルバルブ4を収納する筐体を構成する。すなわちスロットルボディ(筐体)1は、空気通路1Cを有し、空気通路1C内にスロットルバルブ5が保持される。
【0014】
スロットルボディ1には吸気通路1Cの一つの直径線に沿って金属製の回転軸3が配置されている。回転軸3はスロットルバルブ4を支持する軸部材であり、以下、スロットルシャフトと呼んで説明する。
【0015】
スロットルシャフト3は、スロットルボア部材1Aを貫通して配置される。スロットルシャフト3は、ニードルベアリング5Aによって一方の端部を支持されており、ボールベアリング5Bによって他方の端部を支持されている。ニードルベアリング5A及びボールベアリング5Bは、スロットルボディ1のスロットルボア部材1Aに圧入されている。かくして、スロットルシャフト3はスロットルボア部材1Aに対して回転可能に支持されている。
【0016】
本実施例のスロットルシャフト3は鋼材製の棒状部材で構成され、スロットルシャフト3が挿入されるスリット3A(図3A参照)を有する。
【0017】
スロットルバルブ4は、金属材製の円板で構成され、スロットル装置100のスロットルボア部材1A内に配置される。スロットルバルブ4は、スロットルシャフト3のスリット3Aに挿入され、2箇所のカシメ部6によってスロットルシャフト3固定されている。かくしてスロットルバルブ4は、スロットルボア部材1A内において、スロットルシャフト3の回動に伴って、吸気通路1Cを開閉可能に配置される。
【0018】
モータ2は、その出力軸(回転軸)2Aがスロットルシャフト3の軸方向と平行になるように、モータハウジング1B内に配置される。
【0019】
モータ2の回転軸2Bには歯数の最も少ない金属製のギア11が固定されている。ギア11が設けられた側のスロットルボディ1の側面部には、スロットルシャフト3を回転駆動するための減速歯車機構やばね機構が纏めて配置され、これらの機構部は、スロットルボディ1の側面部に固定される樹脂材製のカバー12で覆われている。カバー12は、スロットルボディ1に接続される。
【0020】
樹脂製カバー12で覆われたギア収納室には、インダクタンス式の非接触型回転角度検出装置が設けられ、スロットルシャフト3の回転角度、結果的にはスロットルバルブ4の開度が検出される。すなわち、非接触型回転角度検出装置はスロットルセンサを構成する。
【0021】
モータ2の回転軸2Bに固定されたギア11とスロットルシャフト3に固定されたスロットルギア13とには、スロットルボディ1の側面に圧入固定された金属材製の軸(中間軸)16に回転可能に支持された中間ギア17が噛み合っている。中間ギア17はギア11と噛み合う大径ギア17Aとスロットルギア13と噛み合う小径ギア17Bとから構成されている。両ギア17A,17Bは樹脂成形により一体に成型される。これらギア11,17,13は2段の減速歯車機構を構成している。
【0022】
モータ2の回転は、減速歯車機構11,17,13を介して、スロットルシャフト3に伝達される。スロットルシャフト3が回転するとスロットルバルブ4が回転し、結果的にスロットルボア部材1Aの開口面積が変化してエンジンへの吸入空気流量が制御される。
【0023】
次に、スロットルシャフト3とスロットルバルブ4との接合構造の実施例(実施例1および実施例2)について、説明する。
【0024】
[実施例1]
図3Aは、本発明の第1実施例(実施例1)に係るスロットル装置におけるスロットルシャフトとスロットルバルブとの接合方法を示す概略図(接合前)である。図3Bは、本発明の第1実施例(実施例1)に係るスロットル装置におけるスロットルシャフトとスロットルバルブとの接合方法を示す概略図(接合後)である。
【0025】
本実施例では、スロットルシャフト3とスロットルバルブ4との接合の際に、スロットルシャフト3およびスロットルバルブ4の両方を塑性変形させる形態を説明する。
【0026】
スロットルシャフト3は、スリット3Aと、プレス型挿入穴3Bと、を有する。スリット3Aはスロットルバルブ4が挿入されてスロットルシャフト3に取り付けられる取付部(スロットルバルブ取付部)である。スリット3Aは、スロットルシャフト3の軸方向Axに直線状に形成される。
【0027】
スリット3Aについて、スロットルシャフト3の軸方向Axに沿う方向を長さ方向L、スロットルシャフト3の直径方向に沿う方向を深さ方向(図3Aの紙面に垂直な方向)、スリット3Aの2つの側面3A1,3A2に垂直な方向を幅方向Wと定義する。スリット3Aはスロットルシャフト3の軸方向Axに垂直な断面(横断面)の中心を通ってその横断面を2分割するように、スロットルシャフト3の直径方向に形成される。図3A及び図3Bでは、スリット3Aによって2分割されたスロットルシャフト3の一方の部分に符号3aをつけ、他方に符号3bをつけている。
【0028】
プレス型挿入穴3Bは、第1プレス型8Aが挿入されるプレス型挿入部として、スロットルシャフト3に形成される。プレス型挿入穴3Bは、その中心軸線3Baがスリット3Aの2つの側面3A1,3A2に対して垂直となるように、形成される。この場合、プレス型挿入穴3Bの中心軸線3Baは、スリット3Aに挿入されたスロットルバルブ4の端面に対して垂直となる。
【0029】
本実施例のプレス型挿入穴3Bは、スリット3Aに対するスロットルシャフト3の一方の部分3aを貫通してスリット3Aに貫通する穴として形成されているが、スロットルシャフト3の全体を貫通しない穴として形成される。言い換えると、プレス型挿入穴3Bは、スリット3Aに対してスロットルシャフト3の他方の部分3bを底とする底付の穴として形成される。
【0030】
本実施例では、第1プレス型8Aと第2プレス型8Bとで、スロットルシャフト3とスロットルバルブ4とをプレスする。この場合、第1プレス型8Aをプレス上型として用い、第2プレス型8Bをプレス下型として用いているが、これに限定される訳ではない。
【0031】
プレス上型8Aは、スロットルシャフト3に空いているプレス型挿入穴3Bを通過して、スロットルバルブ4及びスロットルシャフト3をプレス下型8Bの形状に塑性変形させることで、スロットルシャフト3とスロットルバルブ4とを接合する。すなわちスロットルシャフト3には塑性変形部3Xが形成され、スロットルバルブ4には塑性変形部4Xが形成されて、スロットルシャフト3とスロットルバルブ4とが接合される。この場合、スロットルバルブ4と共に塑性変形する、スロットルシャフト3の部分は、3bの部分である。
【0032】
本実施例では、カシメ加工(プレス加工)により、スロットルシャフト3とスロットルバルブ4とに二点鎖線で示す塑性変形部(カシメ部)Xが形成され、スロットルシャフト3とスロットルバルブ4とが接合される。塑性変形部(カシメ部)Xは、プレス型挿入穴3Bの開口部3Bbに対して直径方向反対側のスロットルシャフト3外周部に形成される。
【0033】
すなわち本実施例のスロットル装置100は、スロットルシャフト3とスロットルバルブ4とを備えたスロットル装置100であって、スロットルシャフト3とスロットルバルブ4とは、カシメ(塑性変形部)Xによって固定されている。 この場合、スロットルシャフト3は、スロットルシャフト3の軸方向Axに延設されたスリット3Aを有し、スロットルバルブ4は、スリット3Aに挿入された状態で、カシメXによってスロットルシャフト3に固定されている。 さらに本実施例のスロットル装置100では、スロットルシャフト3は、スロットルバルブ4の端面4Aに垂直となる穴(プレス型挿入穴)3Bが形成され、カシメによる塑性変形部Xは、穴3Bの開口部3Baに対して直径方向反対側のスロットルシャフト3の外周部に形成される。
【0034】
これにより、ネジ固定のような、ネジとネジ挿通穴との間の隙間がなくなり、スロットルシャフト3とスロットルバルブ4との間の相対的な位置ずれの発生を抑制することができる。その結果、スロットルボア部材1Aとスロットルバルブ4との間でのかじりの発生を抑制することができる。
【0035】
なお本実施例のスロットル装置100では、穴(プレス型挿入穴)3Bは、スロットルシャフト3の全体を貫通することなく形成され、塑性変形部Xは、スロットルシャフト3及びスロットルバルブ4の両方により形成されている。
【0036】
また、本実施例の接合を実施すする接合方法では、第1プレス型8Aと第2プレス型8Bとをスロットルボア部材1Aの吸気通路1Cの中に挿入して、プレス加工(カシメ加工)を行う。この際に、プレス加工(カシメ加工)は、スロットルバルブ4と吸気通路1Cの内壁面との位置合わせを行った後に、実行する。
【0037】
すなわち本実施例のスロットル装置100の組立方法は、吸気通路1Cを有するスロットルボア部材1Aと、スロットルボア部材1Aの吸気通路1Cの中に配置されたスロットルシャフト3及びスロットルバルブ4と、を備えたスロットル装置100の組立方法であって、スロットルボア部材1Aの吸気通路1Cの中でスロットルバルブ4と吸気通路1Cの内壁面との位置合わせを行い、スロットルバルブ4と吸気通路1Cの内壁面との位置合わせ後に、吸気通路1Cの中に第1プレス型8Aと第2プレス型8Bとを挿入して、スロットルシャフト3とスロットルバルブ4とをプレス加工して固定する。
【0038】
これにより、スロットルバルブ4を吸気通路1Cの内壁面に対して正確に位置決めした状態で、スロットルバルブ4とスロットルシャフト3との固定を簡易な構造で行うことができる。
【0039】
[実施例2]
図4Aは、本発明の第2実施例(実施例2)に係るスロットル装置におけるスロットルシャフトとスロットルバルブとの接合方法を示す断面図(接合前)である。図4Bは、本発明の第2実施例(実施例2)に係るスロットル装置におけるスロットルシャフトとスロットルバルブとの接合方法を示す断面図(接合後)である。
【0040】
以下、実施例1との相違点について説明し、実施例1の説明と重複する説明は省略する。なお、実施例1と同様な構成には、実施例1で使用した符号と同じ符号を付し、異なる部分について説明する。
【0041】
本実施例のプレス型挿入穴3Bは、スロットルシャフト3の全体を貫通する穴として形成される。すなわちプレス型挿入穴3Bは、スリット3Aに対するスロットルシャフト3の一方の部分3aと他方の部分3bとを貫通して形成される。
【0042】
プレス上型8Aは、スロットルシャフトの部分3a及び部分3bに空いているプレス型挿入穴3Bを通過して、スロットルバルブ4をプレス下型8Bの形状に塑性変形させることで、スロットルシャフト3とスロットルバルブ4を接合する。本実施例では、スロットルバルブ4に塑性変形部4Xが形成され、スロットルバルブ4の塑性変形部4Xで、スロットルシャフト3とスロットルバルブ4とを接合する塑性変形部(カシメ部)Xが形成される。
【0043】
すなわち本実施例のスロットル装置100では、穴(プレス型挿入穴)3Bは、スロットルシャフト3の全体を貫通するように形成され、塑性変形部Xは、スロットルバルブ4により形成されている。
【0044】
本実施例においても、実施例1と同様な作用効果が得られる。さらに本実施例では、プレス加工(カシメ加工)に伴って、スロットルシャフト3に加わる荷重を抑制することができ、スロットルシャフト3の曲り等に対して行う対策を少なくすることができる。
【0045】
上述した本発明に係る実施例では、スロットルシャフト3とスロットルバルブ4との固定にネジ部品を使用する必要がないため、ネジ部品を削減することができる。
【0046】
従来、スロットルバルブ4の材質として真ちゅうを用いることがあったが、本実施例ではアルミを用いた場合に、さらに大きな効果が得られる。それは、アルミは真ちゅうよりも線膨張係数が大きいため、アルミ材製のスロットルバルブ4を用いた方が、真ちゅう材製のスロットルバルブ4を用いた場合よりも、温冷によるスロットルシャフト3とスロットルバルブ4との相対的な位置ずれが大きくなるが、本実施例の効果によりこの位置ずれを効果的に抑制できるからである。
【0047】
すなわち本実施例のスロットル装置100では、記スロットルバルブはアルミ材製であることが好ましい。アルミ材製のスロットルバルブ4を用いた場合、アルミ材の柔らかさ(加工し易さ)を利用して、スロットルバルブ4に塑性変形部4Xを形成することが容易になる。
【0048】
なお、本発明は上記した各実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0049】
1A…吸気通路1Cを有するスロットルボア部材、1C…吸気通路、3…スロットルシャフト、3A…スリット、3B…穴(プレス型挿入穴)、3Ba…穴3Bの開口部、4…スロットルバルブ、4A…スロットルバルブ4の端面、8A…第1プレス型(プレス上型)、8B…第2プレス型(プレス下型)、100…スロットル装置、Ax…スロットシャフト3の軸方向、X…カシメ(塑性変形部)。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B