(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054921
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
B60J 7/00 20060101AFI20240411BHJP
【FI】
B60J7/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022161384
(22)【出願日】2022-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿佐 亮祐
(72)【発明者】
【氏名】新東 朋樹
(57)【要約】
【課題】シェードの開閉時に異音が発生することを回避する。
【解決手段】車両は、透光性を有するルーフが取り付けられた車体と、車体に設けられており、ルーフの下方において車両左右方向に延びるリインフォースと、リインフォースに上方から取り付けられたモールと、リインフォース及びモールを下方から覆うトリムと、ルーフを下方から覆う遮光位置とルーフを車内へ露出させる収納位置との間を移動可能に構成されたシェードと、を備えてもよい。シェードは、ルーフとモールとの間を通って、車両前後方向に移動するように構成されてもよい。モールには、上方に突出する少なくとも一つのリブが、車両左右方向に沿って設けられてもよい。少なくとも一つのリブは、シェードに下方から接触することによって、シェードがモール及びトリムに対して摺動することを禁止してもよい。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性を有するルーフが取り付けられた車体と、
前記車体に設けられており、前記ルーフの下方において車両左右方向に延びるリインフォースと、
前記リインフォースに上方から取り付けられたモールと、
前記リインフォース及び前記モールを下方から覆うトリムと、
前記ルーフを下方から覆う遮光位置と、前記ルーフを車内へ露出させる収納位置との間を移動可能に構成されたシェードと、
を備え、
前記シェードは、前記ルーフと前記モールとの間を通って、車両前後方向に移動するように構成され、
前記モールには、上方に突出する少なくとも一つのリブが、前記車両左右方向に沿って設けられており、
前記少なくとも一つのリブは、前記シェードに下方から接触することによって、前記シェードが前記モール及び前記トリムに対して摺動することを禁止する、
車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、車両に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、透光性を有するルーフが採用された車両が記載されている。当該車両には、ルーフからの光を遮光するシェードが設けられている。シェードは、ルーフ下に設けられたリインフォースの下方において、車両前後方向に開閉されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような車両では、車室の上部空間を広く確保するために、シェードをリインフォースの上方に配置することが考えられる。しかしながら、シェードをリインフォースの上方に配置すると、シェードにたわみが生じることによって、シェードがリインフォース又はその周辺部材(例えばモールやトリム等)と局所的に接触するおそれがある。この場合、シェードがそれらの部品に対して摺動したときに、異音が生じるおそれがある。本明細書は、このような課題を解決又は抑制し得る技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する技術における車両は、透光性を有するルーフが取り付けられた車体と、車体に設けられており、ルーフの下方において車両左右方向に延びるリインフォースと、リインフォースに上方から取り付けられたモールと、リインフォース及びモールを下方から覆うトリムと、ルーフを下方から覆う遮光位置とルーフを車内へ露出させる収納位置との間を移動可能に構成されたシェードと、を備えてもよい。シェードは、ルーフとモールとの間を通って、車両前後方向に移動するように構成されてもよい。モールには、上方に突出する少なくとも一つのリブが、車両左右方向に沿って設けられてもよい。少なくとも一つのリブは、シェードに下方から接触することによって、シェードがモール及びトリムに対して摺動することを禁止してもよい。
【0006】
上記した車両では、モールに設けられたリブが、シェードを下方から支持している。リブの数、位置、寸法は、自由に設計することができ、モールやトリムに対して、シェードが局所的に接触することを禁止することができる。これにより、シェードの開閉時に異音が発生することを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】
図1のII部における拡大図であって、シェードの周辺構造を示す端面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1、
図2を参照して、実施例の車両10について説明する。一例ではあるが、
図1に示すように、車両10は、バッテリ16を有する、BEV(Battery Electric Vehicle)である。バッテリ16は、図示されていないが、電力変換装置を介してモータに電力を供給する。モータは、車体12を支持する一又は複数の車輪14を駆動する。車体12は、車室12cを有する。車室12cは、乗員Pが搭乗する空間である。バッテリ16は、車室12cのフロア12f下に配置されている。
【0009】
ここで、図面における方向FRは、車両10の前後方向における前方を示し、方向RRは車両10の前後方向における後方を示す。また、方向LHは車両10の左右方向における左方を示し、方向RHは車両10の左右方向における右方を示す。また、方向UPは車両10の上下方向における上方を示し、方向DWは車両10の上下方向における下方を示す。
【0010】
次いで、車両10の上部構造について説明する。
図2に示すように、車両10は、ルーフ12rと、リインフォース18と、モール20と、トリム24と、シェード26とを備える。車体12の上部には、開口12wが形成されている。開口12wには、透光性を有するルーフ12rが取り付けられており、ルーフ12rが開口12wを塞いでいる。ルーフ12rは、車室12cの天井全体に拡大された、いわゆるパノラマガラスである。但し、ルーフ12rを構成する材料は、ガラスに限定されず、他の透光性を有する材料であってもよい。
【0011】
リインフォース18は、車両上部の開口12w付近を補強するための補強部材である。リインフォース18は、ルーフ12rの下方において左右方向に延びている。リインフォース18は、概してハット形状を有する端面を有する。リインフォース18は、いわゆるセンター・ルーフ・リインフォースであり、車体12の前後方向における中央に設けられている。リインフォース18は、例えば金属を用いて形成されている。
【0012】
モール20は、ルーフ12rの下方に配置されている。モール20は、概して板状部材である。モール20は、リインフォース18に上方から取り付けられている。モール20の前後方向の幅寸法は、リインフォース18の幅寸法よりも大きい。一例ではあるが、モール20は、リインフォース18と同様に、左右方向に延びている。モール20には、リインフォース18に向かって延びる複数の取付部20aが設けられている。モール20は、複数の取付部20aによって、リインフォース18上に固定される。モール20は、例えば樹脂材料を用いて形成されている。
【0013】
モール20には、上方に突出する複数のリブ21、22が設けられている。複数のリブ21、22は、モール20の前端20fに位置する第1リブ21と、モール20の後端20rに位置する第2リブ22とを含む。各リブ21、22は、モール20上で左右方向に沿って連続的に延びている。但し、各リブ21、22は、連続的に延びる形態に限定されず、断続的に延びていてもよい。
【0014】
トリム24は、リインフォース18の下方に位置する。トリム24は、リインフォース18及びモール20を下方から覆う。これにより、リインフォース18及びモール20は、乗員Pに視認されない。トリム24は、内装パネルであって、例えば樹脂材料及び/又は繊維材料等を用いて構成される。
【0015】
シェード26は、巻取り式シェードであり、遮光性を有するファブリック材料を用いて構成されている。シェード26は、ルーフ12rを下方から覆う遮光位置と、ルーフ12rを車内(即ち車室12c内)へ露出させる収納位置との間を移動可能に構成されている(
図1参照)。シェード26の後端には、例えばモータといった、シェード26を作動させる電動アクチュエータMが配置されている。但し、シェード26は電動ではなく、手動で作動させてもよい。シェード26は、ルーフ12rと、モール20との間に配置されている。シェード26は、ルーフ12rとモール20との間を通って、前後方向に移動するように構成されている。各リブ21、22は、シェード26に下方から接触することによって、シェード26がモール20及びトリム24に対して摺動することを禁止する。
【0016】
本実施例のようなBEVでは、バッテリ16がフロア12f下に配置されることにより、車室12cの上部空間が小さくなり得る。この場合、車室12cの上部空間を広く確保するための解決手段として、シェード26をリインフォース18の上方に配置することが考えられる。しかしながら、シェード26をリインフォース18の上方に配置すると、シェード26にたわみが生じることによって、シェード26がリインフォース18又はその周辺部材(例えばモールやトリム等)と局所的に接触するおそれがある。この場合、シェード26がそれらの部品に対して摺動したときに、異音が生じる可能性がある。
【0017】
上記した課題を解決するために、本実施例における車両10では、モール20に設けられたリブ21、22が、シェード26を下方から支持している。リブ21、22の数、位置、寸法(高さや前後方向における長さ)は、自由に設計することができ、モール20やトリム24に対して、シェード26が局所的に接触することを禁止することができる。これにより、シェード26の開閉時に異音が発生することを回避することができる。
【0018】
変形例では、
図3に示すように、モール20に設けられるリブ21は一つであってよい。この場合、リブ21は、モール20の前後方向における中央位置に配置されてもよい。このような単一のリブ21であっても、その形状を適宜に設計することで、モール20やトリム24に対して、シェード26が局所的に接触することを禁止することができる。
【符号の説明】
【0019】
10:車両、 12:車体、 12c:車室、 12f:フロア、 12r:ルーフ、 14:車輪、 16:バッテリ、 18:リインフォース、 20:モール、 21、22:リブ、 24:トリム、 26:シェード