(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054933
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】安全カバープレート
(51)【国際特許分類】
D06F 39/14 20060101AFI20240411BHJP
D06F 39/12 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
D06F39/14 C
D06F39/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022161410
(22)【出願日】2022-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】515282142
【氏名又は名称】星朋商工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092794
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 正道
(72)【発明者】
【氏名】三宅 孝治
【テーマコード(参考)】
3B165
【Fターム(参考)】
3B165AA11
3B165AE02
3B165BA02
3B165BA82
3B165CA21
3B165CA30
(57)【要約】 (修正有)
【課題】洗濯機などのかさ上げ台に強く取り付けることが出来、さらに強い外部の力にも安全な安全カバープレートを実現すること。
【解決手段】機器の底部を支持する台2同士の間の隙間を塞ぐ、長尺状の安全カバープレートであって、安全カバープレートは2枚の長尺状の第1の板部材40と第2の板部材で構成され、それぞれの板部材40は一端側に前記台2に無理嵌め可能な凹部40a3が形成され、第1の板部材40にはその長手方向に溝40b2が形成されるとともに、第2の板部材には溝40b2に挿入可能な条部分が形成され、第1の板部材40の溝40b2に、第2の板部材の条部分を挿入してスライドさせることによって、長尺方向に組み合わされた第1の板部材40と第2の板部材の長尺方向の全体の長さが可変となっている、安全カバープレート。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の底部を支持する台同士の間の隙間を塞ぐ、長尺状の安全カバープレートであって、
前記安全カバープレートは2枚の長尺状の第1の板部材と第2の板部材で構成され、
それぞれの板部材は一端側に前記台に無理嵌め可能な凹部が形成され、
前記第1の板部材にはその長手方向に溝が形成されるとともに、前記第2の板部材には前記溝に挿入可能な条部分が形成され、
前記第1の板部材の溝に、前記第2の板部材の条部分を挿入してスライドさせることによって、長尺方向に組み合わされた前記第1の板部材と前記第2の板部材の長尺方向の全体の長さが可変となっている、安全カバープレート。
【請求項2】
それぞれの板部材は、前記凹部が形成された前記一端側とは反対側の他端側の下端縁に下方に伸びる凸部を有する、請求項1記載の安全カバープレート。
【請求項3】
前記第1の板部材と前記第2の板部材は断面が倒立L字状形状をしており、それらの上面に、それぞれ前記凹部が形成されて、前記台に無理嵌め可能となっており、
前記上面には前記凹部に沿って切り欠き溝が形成されており、その切り欠き溝の存在によって、前記凹部は弾力性を有する、請求項2記載の安全カバープレート。
【請求項4】
前記第1の板部材の前記上面の下面側に前記溝が形成され、その溝の天井には更に細溝が形成されるとともに、前記第2の板部材の上面の一部で前記条部分が形成され、その条部分の上面には、前記細溝に挿入しスライド可能な凸条部が形成されている、請求項3記載の安全カバープレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機の下の床との隙間を防ぐ安全カバープレートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗濯機のかさ上げのため、洗濯機の底部の4隅に、四角形の台を挿入して床に対して洗濯機をかさ上げする技術が知られている(特許文献1)。
【0003】
ところで、このようなかさ上げされた洗濯機は、その台と台との間に隙間が出来ている。
【0004】
このような隙間には作業する人がうっかり手や足を入れてしまうことがある。洗濯機の底部には回転機構が存在しているため手や足を入れると危険な場合がある。特に子供など手が小さいため好奇心から手を突っ込むことがある。
【0005】
そこで、従来ハサミで切れる程度の柔らかいプラスチックプレートを用意し、両端の台同士の間隔に合わせて、ハサミで長さを調整し、それを両端の台に張り付けて隙間を塞ぐ製品が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、単に台にそのようなプラスチックプレートを張り付ける程度では剥がれることがあり、また、強い外部からの力に対しては頼りない欠点がある。
【0008】
すなわち、既存のプラスチックプレートは 貼ってあるだけなので、剥がれたり、何回も貼り直すと粘着力が落ち剥れやすくなる。また,簡単に破損してしまうという欠点がある。
【0009】
本発明は、このような従来の課題を考慮し、洗濯機などのかさ上げ台に強く取り付けることが出来、さらに何回も付けなおせ、強い外部の力にも安全な安全カバープレートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の本発明は、
機器の底部を支持する台同士の間の隙間を塞ぐ、長尺状の安全カバープレートであって、
前記安全カバープレートは2枚の長尺状の第1の板部材と第2の板部材で構成され、
それぞれの板部材は一端側に前記台に無理嵌め可能な凹部が形成され、
前記第1の板部材にはその長手方向に溝が形成されるとともに、前記第2の板部材には前記溝に挿入可能な条部分が形成され、
前記第1の板部材の溝に、前記第2の板部材の条部分を挿入してスライドさせることによって、長尺方向に組み合わされた前記第1の板部材と前記第2の板部材の長尺方向の全体の長さが可変となっている、安全カバープレートである。
【0011】
第2の本発明は、
それぞれの板部材は、前記凹部が形成された前記一端側とは反対側の他端側の下端縁に下方に伸びる凸部を有する、第1の本発明の安全カバープレートである。
【0012】
第3の本発明は、
前記第1の板部材と前記第2の板部材は断面が倒立L字状形状をしており、それらの上面に、それぞれ前記凹部が形成されて、前記台に無理嵌め可能となっており、
前記上面には前記凹部に沿って切り欠き溝が形成されており、その切り欠き溝の存在によって、前記凹部は弾力性を有する、第2の本発明の安全カバープレートである。
【0013】
第4の本発明は、
前記第1の板部材の前記上面の下面側に前記溝が形成され、その溝の天井には更に細溝が形成されるとともに、前記第2の板部材の上面の一部で前記条部分が形成され、その条部分の上面には、前記細溝に挿入しスライド可能な凸条部が形成されている、第3の本発明の安全カバープレートである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の安全カバープレートによって、洗濯機などのかさ上げ台に強く取り付けることが出来、さらに強い外部の力にも安全な安全カバープレートを実現できる。
【0015】
すなわち、誰でもいつでも取り外しができ、また同じように取り付けが何回もでき、破損もしない。従来のプラスチックプレートのように 少し触っただけで破損もしない。
【0016】
洗濯機の下はゴミが溜まりやすいので、一般的に掃除をしたいが、その時に毎回でも取り外して掃除ができる。また、普段は洗濯機の下を見えないようにカバーすることができる。このような優れた効果を発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施の形態にかかる安全カバープレートが取り付けられる洗濯機の斜視図
【
図2】(A)本発明の実施の形態にかかる安全カバープレートの第1の板部材を表側から見た斜視図、(B)同第1の板部材を裏側から見た斜視図、(C)同第1板部材の一部拡大図
【
図3】(A)本発明の実施の形態にかかる安全カバープレートの第2の板部材を表側から見た斜視図、(B)同安全カバープレートの第2の板部材を裏側から見た斜視図
【
図4】(A)本発明の別の実施の形態にかかる安全カバープレートの第1の板部材の平面図、(B)同安全カバープレートの第1の板部材の正面図、(C)同安全カバープレートの第1の板部材の側面図
【
図5】(A)同上別の実施の形態にかかる安全カバープレートの第2の板部材の平面図、(B)同安全カバープレートの第2の板部材の正面図、(C)同安全カバープレートの第2の板部材の側面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施の形態にかかる安全カバープレートを、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は洗濯機1を示す斜視図である。洗濯機1の底部の四隅には洗濯機1をかさ上げするための台2がそれぞれ床3との間に挿入配置されている。
図1から分かるように洗濯機1の底部と床3との間には隙間Sが形成されている。
【0020】
本発明の実施の形態にかかる安全カバープレート4は、この隙間Sを外から手や足が入らないようにカバーするためのプレートである。
【0021】
この安全カバープレート4は
図2(A)、(B)に示すような、左側の長尺状の第1の板部材40と、
図3(A)、(B)に示すような右側の長尺状の第2の板部材41の組合せで構成されている。ここに左右は、洗濯機1を正面外側から見た場合を基準としている。
【0022】
図2(A)は左側の第1の板部材40を表側(外側)から見た斜視図であり、
図2(B)はその左側の第1の板部材40を裏側(内側)から見た斜視図である。
【0023】
図2(A)、(B)に示すように、第1の板部材40はその断面形状が倒立したL字状をしており、40a1はその上面を示し、40a2はその縦面を示す。
【0024】
その第1の板部材40の一端である左側の端部40aには台2の側面に無理嵌め可能な凹部40a3が切り欠き形成されている。さらに、その凹部40a3に沿って切り欠き溝40a4が複数個形成されている。この複数個の切り欠き溝40a4によって、この凹部40a3が一定の弾力性を備えることが出来ている。
【0025】
この左側の第1の板部材40の上面40a1の下面にはその長手方向に溝40b2が形成されている。具体的には
図2(B)の符号Tで示す部分を拡大した
図2(C)に示すように、上面40a1の端縁が下側に折り曲げられ(40b3)、さらに内側へ折り曲げられることで溝40b2が形成されている。
更に、
図2(A)、(B)に示すように、第1の板部材40の上述した左側の一端である端部40aとは反対側の他端側の端部40bの下端縁には下方に伸びる凸部40b1が形成されている。
【0026】
この凸部40b1の縦方向の長さは、上述した凹部40a3が台2の側面に無理嵌めされた状態で、他端側の端部40bの下端縁と床3との間の距離に相当することが望ましい。その構成によって、第1の板部材40が台2に無理嵌めされた状態で、床3との間に距離が存在したとしても、他端側の端部40bが垂れ下がってしまうことが防止できる。なお、このような凸部40b1は上述した左側の一端の端部40aの下端縁にも形成されていてもよい。
【0027】
図3(A)、(B)は、上述したように、右側の長尺状の第2の板部材41の斜視図である。
【0028】
図3(A)、(B)に示すように、第2の板部材41はその断面形状が倒立したL字状をしており、41a1はその上面を示し、41a2はその縦面を示す。
【0029】
その第2の板部材41の一端である右側の端部41aには台2の側面に無理嵌め可能な凹部41a3が切り欠き形成されている。さらに、その凹部41a3に沿って切り欠き溝41a4が複数個形成されている。この複数個の切り欠き溝41a4によって、この凹部41a3が一定の弾力性を備えることが出来ている。
【0030】
この右側の長尺状の第2の板部材41の上面41a1の一部が、上記第1の板部材40の溝40b2にスライド可能に挿入される条部分41b2を構成している。
【0031】
更に、
図3(A)、(B)に示すように、第2の板部材41の上述した右端の一端である端部41aとは反対側の他端側の端部41bの下端縁には下方に伸びる凸部41b1が形成されている。
【0032】
この凸部41b1の縦方向の長さは、上述した凹部41a3が台2の側面に無理嵌めされた状態で、他端側の端部41bの下端縁と床3との間の距離に相当することが望ましい。その構成によって、第2の板部材41が台2に無理嵌めされた状態で、床3との間に距離が存在したとしても、他端側の端部41bが垂れ下がってしまうことが防止できる。なお、このような凸部41b1は上述した左側の一端の端部41aの下端縁にも形成されていてもよい。
【0033】
このように、安全カバープレート4は
図2(A)、(B)に示すような、左側の長尺状の第1の板部材40に、
図3(A)、(B)に示すような右側の長尺状の第2の板部材41をスライド可能に組合せることで構成されている。
【0034】
その結果、カバーを使用とする二つの台2、2の間の距離が色々異なっている場合でも任意にそのスライドを調整することで容易に対応することが出来る。
【0035】
次に、本発明の別の実施例を説明する。上記実施例と異なるところは、スライド機構である。そのスライド機構を中心に説明する。
【0036】
図4(A)は左側の第1の板部材40の平面図、(B)はその正面図である。
図4(A)、(B)に示すように、第1の板部材40はその断面形状が倒立したL字状をしており、40a1はその上面を示し、40a2はその縦面を示す。
【0037】
この左側の第1の板部材40の上面40a1の下面にはその長手方向に溝40b2が形成されている。具体的には、側面図である
図4(C)に示すように、上面40a1の端縁が下側に折り曲げられて(40b3)溝40b2が形成されており、さらに、その溝40b2の天井面にさらに細溝40b4が形成されている。
【0038】
他方、
図5(A)は右側の第2の板部材41の平面図、(B)はその正面図である。
図5(A)、(B)に示すように、第2の板部材41はその断面形状が倒立したL字状をしており、41a1はその上面を示し、41a2はその縦面を示す。
【0039】
この右側の長尺状の第2の板部材41の上面41a1の一部が、上記第1の板部材40の溝40b2にスライド可能に挿入される条部分41b2を構成している。さらに、側面図である
図5(C)に示すように、この上面41a1の一部である条部分41b2の上面には細い長尺状の凸条部41b3が形成され、上述した第1の板部材40の細溝40b4に挿入されスライド可能となっている。なお、
図5(C)において、符号40a1は仮想線である。
【0040】
本実施例では、溝40b2と条部分41b2との篏合や、細溝40b4と凸条部41b3の篏合などのように、二重にスライド機構が形成されているので、そのスライド動作が安定する。
【0041】
なお、本発明は洗濯機にかぎらず、台を利用してかさ上げする他の機器にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、機器の底部を指示するかさ上げ台に強く取り付けることが出来、さらに強い外部の力にも安全な安全カバープレートを実現できるので、洗濯機などの下方の隙間を塞ぐのに有用である。
【符号の説明】
【0043】
1 洗濯機
2 台
3 床
4 安全カバープレート
40 第1の板部材
40a 一方の端部
40a1 上面
40a2 縦面
40a3 凹部
40a4 切り欠き溝
40b 他方の端部
40b1 凸部
40b2 溝
40b4 細溝
41 第2の板部材
41a 一方の端部
41a1 上面
41a2 縦面
41a3 凹部
41a4 切り欠き溝
41b 他方の端部
41b1 凸部
41b2 条部分
41b3 凸条部