(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054958
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】昇降装置及び昇降装置を用いた施工方法
(51)【国際特許分類】
E21D 5/10 20060101AFI20240411BHJP
【FI】
E21D5/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022161448
(22)【出願日】2022-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】315014567
【氏名又は名称】島工業HD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】土田 実
(57)【要約】
【課題】作業性を向上させることができる昇降装置及び昇降装置を用いた施工方法を提供する。
【解決手段】昇降装置は、設置面に設置可能である基台と、基台から鉛直方向の上方に延設される複数の脚部と、複数の脚部のそれぞれに支持される支持部と、支持部からのワイヤーにより吊り下げた状態で支持されており、かつ、ライナープレートと連結可能である連結部と、を備える。連結部は、ワイヤーにより支持部から吊り下げられた状態で駆動部からの駆動力に応じてワイヤーの巻取りにより上昇し、駆動部からの駆動力に応じてワイヤーの巻出しにより降下する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面に設置可能である基台と、
前記基台から鉛直方向の上方に延設される複数の脚部と、
前記複数の脚部のそれぞれに支持される支持部と、
前記支持部からのワイヤーにより吊り下げた状態で支持されており、かつ、ライナープレートと連結可能である連結部と、
を備え、
前記連結部は、前記ワイヤーにより前記支持部から吊り下げられた状態で駆動部からの駆動力に応じて前記ワイヤーの巻取りにより上昇し、前記駆動部からの駆動力に応じて前記ワイヤーの巻出しにより降下する、
昇降装置。
【請求項2】
請求項1に記載の昇降装置において、
前記連結部は、1本の前記ワイヤーを用いて前記支持部の複数箇所から吊り下げ可能である、
昇降装置。
【請求項3】
請求項1に記載の昇降装置において、
前記基台は、円環状であり、
前記支持部は、円環状であり、
前記支持部の外径は、前記基台の外径よりも短い、
昇降装置。
【請求項4】
請求項1に記載の昇降装置において、
前記基台は、円環状であり、
前記連結部は、円環状である連結枠を有し、
前記連結枠の外径は、前記基台の内径よりも短い、
昇降装置。
【請求項5】
請求項1に記載の昇降装置において、
前記複数の脚部の間に設けられる空間は、前記ライナープレートを構成する部材を前記基台内に挿脱可能な空間である、
昇降装置。
【請求項6】
請求項1~請求項5のうち何れか一項に記載の昇降装置において、
前記連結部は、円環状である連結枠と、前記ワイヤーを巻き掛ける第1プーリーと、を有し、
前記第1プーリーは、前記連結枠の前記鉛直方向の上方に収容され、かつ、前記鉛直方向に沿って前記ワイヤーを誘導する、
昇降装置。
【請求項7】
請求項1~請求項5のうち何れか一項に記載の昇降装置において、
前記支持部は、前記鉛直方向と交差する水平方向に沿って前記ワイヤーを誘導する第2プーリーと、前記鉛直方向に沿って前記ワイヤーを誘導する第3プーリーと、を有する、
昇降装置。
【請求項8】
請求項1~請求項5のうち何れか一項に記載の昇降装置において、
前記駆動部を備え、
前記駆動部は、電動ウインチを含む、
昇降装置。
【請求項9】
設置面に設置可能である基台と、前記基台から鉛直方向の上方に延設される複数の脚部と、前記複数の脚部のそれぞれに支持される支持部と、前記支持部からのワイヤーにより吊り下げた状態で支持されており、かつ、ライナープレートと連結可能である連結部と、を備える昇降装置を用いた施工方法であって、
前記ライナープレートの上端部に前記連結部を連結することと、
駆動部からの駆動力に応じて前記ワイヤーの巻取りにより前記連結部を上昇させることと、
前記駆動部からの駆動力に応じて前記ワイヤーの巻出しにより前記連結部を降下させることと、
を含む、
昇降装置を用いた施工方法。
【請求項10】
請求項9に記載の昇降装置を用いた施工方法において、
前記ライナープレートを設置した状態で前記ライナープレートの上端部から前記連結部を取り外すことと、
前記ライナープレートの上端部に新たなライナープレートを連結することと、
前記新たなライナープレートの上端部に前記連結部を連結することと、
前記駆動部からの駆動力に応じて前記ワイヤーの巻出しにより前記連結部を降下させることと、
を繰り返す、
昇降装置を用いた施工方法。
【請求項11】
請求項9に記載の昇降装置を用いた施工方法において、
前記鉛直方向に複数の前記ライナープレートが連結されている場合に、
前記複数のライナープレートのうち前記鉛直方向の最も上方に位置する前記ライナープレートの上端部に前記連結部を連結することと、
前記駆動部からの駆動力に応じて前記ワイヤーの巻取りにより前記連結部を上昇させることと、
前記ライナープレートを設置した状態で前記鉛直方向の最も上方に位置する前記ライナープレートの上端部から前記連結部を取り外すことと、
前記鉛直方向の最も上方に位置する前記ライナープレートを取り外して回収することと、
を繰り返す、
昇降装置を用いた施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇降装置及び昇降装置を用いた施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば掘削される立坑の内壁面などにおいてライナープレートが土留部材として設置される。複数のライナープレート同士が鉛直方向に連結されることにより、立坑の内壁面において複数のライナープレートが鉛直方向に延設される。
【0003】
このような複数のライナープレートは、立坑の内部において連結される施工方法が一般的であったが、使用者の利便性が高いとは言い難かった。そこで、例えば、特許文献1に示すように、立坑の外部である地上において鉛直方向に連結された後に、クレーンで吊り下げた状態で立坑の内部に設置される施工方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような施工方法においては、鉛直方向に複数のライナープレートが連結されているため、ライナープレートを設置する際に例えばクレーンなどの重機が必要となる。このように、重機を設置する場合には、周囲にスペースが必要となってしまい、省スペース化を図ることにより、作業性を向上させることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する昇降装置は、設置面に設置可能である基台と、前記基台から鉛直方向の上方に延設される複数の脚部と、前記複数の脚部のそれぞれに支持される支持部と、前記支持部からのワイヤーにより吊り下げた状態で支持されており、かつ、ライナープレートと連結可能である連結部と、を備え、前記連結部は、前記ワイヤーにより前記支持部から吊り下げられた状態で駆動部からの駆動力に応じて前記ワイヤーの巻取りにより上昇し、前記駆動部からの駆動力に応じて前記ワイヤーの巻出しにより降下する。
【0007】
上記課題を解決する昇降装置を用いた施工方法は、設置面に設置可能である基台と、前記基台から鉛直方向の上方に延設される複数の脚部と、前記複数の脚部のそれぞれに支持される支持部と、前記支持部からのワイヤーにより吊り下げた状態で支持されており、かつ、ライナープレートと連結可能である連結部と、を備える昇降装置を用いた施工方法であって、前記ライナープレートの上端部に前記連結部を連結することと、駆動部からの駆動力に応じて前記ワイヤーの巻取りにより前記連結部を上昇させることと、前記駆動部からの駆動力に応じて前記ワイヤーの巻出しにより前記連結部を降下させることと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図5】昇降装置を用いた下降工程を示すフローチャートである。
【
図6】昇降装置を用いた施工方法を示す模式図である。
【
図7】昇降装置を用いた施工方法を示す模式図である。
【
図8】昇降装置を用いた施工方法を示す模式図である。
【
図9】昇降装置を用いた上昇工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
以下、昇降装置及び昇降装置を用いた施工方法の一実施形態について説明する。以下の説明では、鉛直方向Zと交差する方向を径方向Xとし、鉛直方向Z及び径方向Xと交差する方向を周方向Yとする。径方向Xのうち外側に向かう方向を外径方向X1とし、径方向Xのうち内側に向かう方向を内径方向X2とする。鉛直方向Zのうち上方を上方Z1とし、鉛直方向Zのうち下方を下方Z2とする。径方向X及び周方向Yを含む方向を水平方向とする。
【0011】
<昇降装置10>
図1に示すように、昇降装置10は、ライナープレートユニット90を鉛直方向Zに昇降させるように構成される。特に、昇降装置10は、ライナープレートユニット90の上端部90Aと連結された状態で、ライナープレートユニット90を鉛直方向Zに昇降させるように構成される。
【0012】
ライナープレートユニット90は、例えば掘削される立坑の内壁面に設置可能である土留部材として用いられてもよい。ライナープレートユニット90は、円筒状であってもよい。
【0013】
ライナープレートユニット90は、複数のライナープレート91を備える。図では、便宜上、3つのライナープレート91A~91Cを示したが、これに限らない。複数のライナープレート91は、それぞれ鉛直方向Zに対して連結可能である。これにより、複数のライナープレート91は、鉛直方向Zに対して延設可能である。つまり、ライナープレート91は、鉛直方向Zに連結して用いることができる。また、ライナープレート91は、周方向Yに対して複数の部材が連結されることにより構成されてもよい。
【0014】
<連結部11>
昇降装置10は、連結部11を備える。連結部11は、上方Z1からライナープレートユニット90の上端部90Aと連結可能に構成される。つまり、連結部11は、ライナープレート91と連結可能に構成される。
【0015】
連結部11は、連結枠21を備える。連結枠21は、平面視において円環状であってもよい。連結枠21は、上方Z1からライナープレートユニット90の上端部90Aと連結可能に構成される。連結枠21は、平面視において円弧状の複数個の部材が連結されることにより構成されてもよい。これにより、連結枠21の持ち運びが容易となる。連結枠21は、平面視において円弧状の3個の部材が連結されることにより構成されるが、これに限らない。
【0016】
連結部11は、第1プーリー収容部22と、第1プーリー23とを備える。つまり、連結部11は、第1プーリー23を備える。第1プーリー収容部22は、連結枠21から上方Z1に突出するように設けられる。第1プーリー収容部22は、第1プーリー23を回転可能に収容するように構成される。つまり、第1プーリー23は、連結枠21の上方Z1に収容される。
【0017】
第1プーリー23は、ワイヤー14を巻き掛け可能である。第1プーリー23は、径方向Xに沿う回転軸を中心として回転可能である。第1プーリー23は、ワイヤー14を鉛直方向Zに導くように構成される。第1プーリー23は、連結部11と後述する支持部35との間でワイヤー14を取り回すためのプーリーである。
【0018】
<昇降部12>
昇降装置10は、昇降部12を備える。昇降部12は、ワイヤー14を用いて連結部11を昇降可能に支持するように構成される。特に、昇降部12は、ワイヤー14により連結部11を吊り下げた状態で、駆動部13からの駆動力に応じてワイヤー14の巻取りにより連結部11を上昇させる。昇降部12は、ワイヤー14により連結部11を吊り下げた状態で、駆動部13からの駆動力に応じてワイヤー14の巻出しにより連結部11を降下させる。
【0019】
昇降部12は、基台31を備える。つまり、昇降装置10は、基台31を備える。基台31は、平面視において円環状に構成されてもよい。基台31は、平面視において円弧状の複数個の部材が連結されることにより構成されてもよい。これにより、基台31の持ち運びが容易となる。基台31は、平面視において円弧状の3個の部材が連結されることにより構成されるが、これに限らない。基台31は、設置面99に設置可能である。設置面99は、地面であってもよい。
【0020】
基台31は、複数の当接面31Aを備える。基台31は、3つの当接面31Aを備えるが、これに限らない。複数の当接面31Aのそれぞれは、鉛直方向Zの上方Z1に向かう面である。複数の当接面31Aのそれぞれは、支持部材92と当接可能である。支持部材92は、ライナープレートユニット90の外周面に着脱可能に設けられてもよい。支持部材92は、ライナープレートユニット90の外周面から外径方向X1に突出するように取り付けられる。このように、複数の当接面31Aのそれぞれは、支持部材92と当接することにより、支持部材92を介してライナープレートユニット90を一時的に支持するように構成される。
【0021】
昇降部12は、複数の脚部32を備える。つまり、昇降装置10は、複数の脚部32を備える。昇降部12は、3つの脚部32を備えるが、これに限らない。複数の脚部32のそれぞれは、基台31から上方Z1に突出するように基台31に連結可能である。複数の脚部32のそれぞれは、基台31から上方Z1に延設される。複数の脚部32のそれぞれは、上方Z1に向かって内径方向X2に傾斜するが、内径方向X2に傾斜しなくてもよい。
【0022】
複数の脚部32のそれぞれは、周方向Yに対して所定の距離だけ離れている。つまり、複数の脚部32の間には、空間が設けられる。複数の脚部32の間に設けられる空間は、ライナープレート91を構成するライナープレート部材を基台31内に挿脱可能な空間である。
【0023】
複数の脚部32のそれぞれは、プーリー収容部33と、プーリー34とを備える。プーリー収容部33は、複数の脚部32のそれぞれから上方Z1に突出するように設けられる。プーリー収容部33は、プーリー34を回転可能に収容するように構成される。
【0024】
プーリー34は、プーリー収容部33に収容される。プーリー34は、後述する駆動部13に近い脚部32に設けられたプーリー収容部33に少なくとも収容されていればよい。プーリー34は、ワイヤー14を巻き掛け可能である。プーリー34は、周方向Yに沿う回転軸を中心として回転可能である。プーリー34は、後述する駆動部13と後述する支持部35との間でワイヤー14を取り回すためのプーリーである。
【0025】
昇降部12は、支持部35を備える。つまり、昇降装置10は、支持部35を備える。支持部35は、平面視において円環状に構成されてもよい。支持部35は、平面視において円弧状の複数個の部材が連結されることにより構成されてもよい。これにより、支持部35の持ち運びが容易となる。支持部35は、平面視において円弧状の3個の部材が連結されることにより構成されるが、これに限らない。
【0026】
支持部35は、複数の脚部32の上方Z1に位置する。支持部35は、複数の脚部32のそれぞれに連結可能である。支持部35は、複数の脚部32のそれぞれに支持されるように構成される。支持部35は、連結部11の上方Z1に位置する。支持部35は、ワイヤー14により連結部11を吊り下げた状態で支持可能である。
【0027】
<駆動部13>
昇降装置10は、駆動部13を備える。駆動部13は、昇降部12に着脱可能であってもよい。駆動部13は、連結部11を昇降させるための駆動源である。駆動部13は、電動ウインチを含んでもよい。駆動部13は、機械式のウインチであってもよいが、油圧式のであってもよい。
【0028】
<ワイヤー14>
ワイヤー14は、駆動部13により駆動部13への巻取りが可能である。ワイヤー14は、駆動部13により駆動部13からの巻出しが可能である。ワイヤー14は、駆動部13から、複数の脚部32のうち何れか一つを伝って、支持部35に取り回される。ワイヤー14は、支持部35において、支持部35に沿って円形状に取り回される。特に、ワイヤー14は、支持部35が複数の脚部32のそれぞれに連結される位置において、支持部35と連結部11との間で取り回される。具体的には、ワイヤー14は、支持部35の3箇所から連結部11を吊り下げるように支持してもよい。ワイヤー14は、例えば支持部35の2箇所又は4箇所以上というように、支持部35の複数箇所から連結部11を吊り下げるように支持してもよい。このように、連結部11は、1本のワイヤー14を用いて支持部35の複数箇所から吊り下げ可能である。ワイヤー14の先端は、連結部11に固定されてもよいが、支持部35に固定されてもよい。
【0029】
<昇降装置10の機能>
このように、連結部11は、支持部35からのワイヤー14により吊り下げた状態で支持されている。連結部11は、ワイヤー14により支持部35から吊り下げられた状態で、駆動部13からの駆動力に応じてワイヤー14の巻取りにより上昇する。これにより、昇降装置10は、連結部11に連結されたライナープレート91を上昇させる。
【0030】
一方、連結部11は、ワイヤー14により支持部35から吊り下げられた状態で、駆動部13からの駆動力に応じてワイヤー14の巻出しにより下降する。これにより、昇降装置10は、連結部11に連結されたライナープレート91を下降させる。
【0031】
<基台31及び支持部35の形状>
図2に示すように、支持部35の外径D11は、基台31の外径D21よりも短い。特に、支持部35の外径D11は、基台31の内径D22よりも短くてもよい。このため、支持部35は、ワイヤー14により連結部11を吊り下げた状態であっても、基台31により安定的に設置面99に設置可能である。また、これに加えて、支持部35の外径D11を可能な限り短くすることにより、昇降装置10を設置による鉛直方向Zに対する省スペース化を図ることができる。
【0032】
連結枠21の外径は、支持部35の外径D11と同じであってもよい。つまり、連結枠21の外径は、基台31の内径D22よりも短い。このため、基台31が設置面99に設置された状態で、基台31の内部において下方Z2に掘削が行われた場合であっても、連結枠21は、基台31の内部を鉛直方向Zに通過することができる。
【0033】
<支持部35の構成>
また、支持部35は、連通路36を備える。連通路36は、支持部35に沿って周方向Yに延びる通路である。連通路36は、支持部35の内壁面によって区分される。連通路36は、外径方向X1側から見て支持部35の外周面から一部が露出するが、支持部35の外周面から露出しなくてもよい。連通路36は、ワイヤー14を収容可能である。
【0034】
図2及び
図3に示すように、支持部35は、第2プーリー37を備える。第2プーリー37は、連通路36内に収容される。第2プーリー37は、ワイヤー14を巻き掛け可能である。第2プーリー37は、鉛直方向Zに延びる回転軸を中心として回転可能である。第2プーリー37は、周方向Yに沿ってワイヤー14を誘導する。つまり、第2プーリー37は、水平方向に沿ってワイヤー14を誘導する。第2プーリー37は、支持部35の連通路36内でワイヤー14を取り回すためのプーリーである。
【0035】
図2及び
図4に示すように、支持部35は、第3プーリー38を備える。第3プーリー38は、連通路36内に収容される。第3プーリー38は、ワイヤー14を巻き掛け可能である。第3プーリー38は、径方向Xに延びる回転軸を中心として回転可能である。第3プーリー38は、鉛直方向Zに沿ってワイヤー14を誘導する。第3プーリー38は、連結部11と支持部35との間でワイヤー14を取り回すためのプーリーである。
【0036】
支持部35は、貫通口39を備える。貫通口39は、支持部35の下方Z2に設けられる。貫通口39は、連通路36の内部と外部とを貫通するように開口する。貫通口39は、第3プーリー38の周方向Y側に設けられる。貫通口39は、ワイヤー14を挿通可能である。貫通口39は、第1プーリー23と第3プーリー38との間においてワイヤー14を挿通可能である。
【0037】
<昇降装置10を用いた下降工程>
ここで、
図5~
図8を参照して、昇降装置10を用いた施工方法としてライナープレート91を下降させる下降工程について説明する。下降工程は、駆動部13からの駆動力に応じてワイヤー14の巻出しにより連結部11を下降させることによって、ライナープレート91を下降させる工程である。以降の各工程の順序は、各工程の目的から逸脱しない範囲で任意に入れ替え可能である。
【0038】
図5及び
図6に示すように、ステップS11において、昇降部設置工程が行われる。本工程では、昇降部12が設置面99に設置される。詳しくは、複数個の部材が連結されることにより基台31が構成される。そして、基台31の上方Z1に複数の脚部32が連結される。続いて、複数の脚部32の上方Z1に支持部35が連結される。詳しくは、複数個の部材が連結されることにより支持部35が構成される。
【0039】
次に、ステップS12において、初期掘削工程が行われる。本工程では、基台31の内部を下方Z2に掘削することにより立坑98を形成する。
次に、ステップS13において、プレート設置工程が行われる。本工程では、立坑98にライナープレート91が設置される。詳しくは、ライナープレート91を構成する部材が複数の脚部32の間から基台31の内部に運び込まれる。そして、立坑98において、ライナープレート91を構成する部材が連結されることにより、ライナープレート91が設置される。
【0040】
次に、ステップS14において、連結部設置工程が行われる。本工程では、立坑98に設置されたライナープレート91の上端部に連結部11が連結される。詳しくは、連結部11を構成する部材が複数の脚部32の間から基台31の内部に運び込まれる。複数個の部材が連結されることにより連結部11が構成される。このような連結部11がライナープレート91の上端部に連結される。
【0041】
そして、連結部11が昇降部12に設置される。特に、連結部11及び昇降部12には、ワイヤー14が巻き掛けられることにより、連結部11が昇降部12に吊り下げられるように設置される。つまり、連結部設置工程は、ライナープレート91の上端部に連結部11を連結する工程である。
【0042】
次に、
図5及び
図7に示すように、ステップS15において、連結部上昇工程が行われる。本工程では、駆動部13からの駆動力に応じてワイヤー14が巻き取られることにより、ライナープレート91の上端部に連結された連結部11が上方Z1に上昇する。これにより、ライナープレート91が立坑98から上昇する。
【0043】
そして、ライナープレート91の外周面に支持部材92が取り付けられる。駆動部13からの駆動力に応じてワイヤー14が巻き出されることにより、ライナープレート91の上端部に連結された連結部11が下方Z2に下降する。これにより、支持部材92が基台31に上方Z1から当接することにより、ライナープレート91が基台31に当接するように設置される。
【0044】
次に、ステップS16において、掘削工程が行われる。本工程では、基台31の内部を下方Z2に更に掘削することにより、下方Z2に延ばすように立坑98を形成する。発明の理解を容易とするために、ステップS16は、ステップS17~ステップS21の実行前の工程としているが、実際には、ステップS17~ステップS21と並列的な工程であってもよい。つまり、立坑98において掘削工程が行われている間であっても、詳しく後述するようにライナープレート91の連結を地上で行うことができる。これにより、作業性の向上を図ることができる。
【0045】
次に、ステップS17において、連結部取外し工程が行われる。本工程では、ライナープレート91を設置した状態で、ライナープレート91の上端部から連結部11が取り外される。そして、駆動部13からの駆動力に応じてワイヤー14が巻き取られることにより、連結部11が上方Z1に上昇する。
【0046】
次に、
図5及び
図8に示すように、ステップS18において、プレート連結工程が行われる。本工程では、既に設置されているライナープレート91の上方Z1に新たなライナープレート91が連結される。具体的な一例をあげると、既に設置されているライナープレート91を第1ライナープレート、新たなライナープレート91を第2ライナープレートとすると、第1ライナープレートの上方Z1に第2ライナープレートが連結される。これにより、鉛直方向Zに沿って複数のライナープレート91が連結される。
【0047】
次に、ステップS19において、連結部連結工程が行われる。本工程では、駆動部13からの駆動力に応じてワイヤー14が巻き出されることにより、連結部11が下方Z2に下降する。そして、地上において、新たに連結したライナープレート91の上端部に連結部11が連結される。
【0048】
次に、ステップS20において、連結部下降工程が行われる。本工程では、駆動部13からの駆動力に応じてワイヤー14が巻き取られることにより、ライナープレート91の上端部に連結された連結部11が上方Z1に上昇し、支持部材92を基台31から少し浮かした状態とする。そして、第1ライナープレートから支持部材92が取外された後に、第2ライナープレートの外周面に支持部材92が取り付けられる。
【0049】
続いて、駆動部13からの駆動力に応じてワイヤー14が巻き出されることにより、連結部11が下方Z2に下降する。これにより、支持部材92が基台31に上方Z1から当接することにより、ライナープレート91が基台31に当接するように設置される。
【0050】
次に、ステップS21において、掘削が終了していない場合には、再度、ステップS16に移行する。これにより、ステップS16~ステップS20を繰り返し行うことにより、掘削することにより立坑98を下方Z2に延ばしつつ、複数のライナープレート91を下方Z2に設置可能となる。ステップS21において、掘削が終了した場合には、下降工程が終了する。
【0051】
<昇降装置10を用いた上昇工程>
次に、
図9を参照して、昇降装置10を用いた施工方法としてライナープレート91を上昇させる上昇工程について説明する。上昇工程は、駆動部13からの駆動力に応じてワイヤー14の巻取りにより連結部11を上昇させることによって、ライナープレート91を上昇させる工程である。特に、上昇工程は、鉛直方向Zに複数のライナープレート91が連結されている場合に行われてもよい。上昇工程は、下降工程の順序を逆にするような工程であり、下降工程と重複する工程については説明を省略する。
【0052】
図9に示すように、ステップS31において、ステップS19と同じように、連結部連結工程が行われる。つまり、鉛直方向Zに複数のライナープレート91が連結されている場合に、複数のライナープレート91のうち鉛直方向Zの最も上方Z1に位置するライナープレート91の上端部に連結部11が連結される。
【0053】
次に、ステップS32において、連結部上昇工程が行われる。本工程では、駆動部13からの駆動力に応じてワイヤー14が巻き取られることにより、ライナープレート91の上端部に連結された連結部11が上方Z1に上昇する。これにより、ライナープレート91が立坑98から上昇する。
【0054】
そして、上方Z1から2番目のライナープレート91の外周面に支持部材92が取り付けられる。駆動部13からの駆動力に応じてワイヤー14が巻き出されることにより、ライナープレート91の上端部に連結された連結部11が下方Z2に下降する。これにより、支持部材92が基台31に上方Z1から当接することにより、上方Z1から2番目のライナープレート91が基台31に当接するように設置される。
【0055】
次に、ステップS33において、ステップS17と同じように、連結部取外し工程が行われる。つまり、鉛直方向Zに複数のライナープレート91が連結されている場合に、ライナープレート91を設置した状態で、鉛直方向Zの最も上方Z1に位置するライナープレート91の上端部から連結部11が取り外される。
【0056】
そして、ステップS34において、プレート回収工程が行われる。本工程では、最も上方Z1に位置するライナープレート91を取り外し、回収する。つまり、鉛直方向Zに複数のライナープレート91が連結されている場合に、ライナープレート91を設置した状態で、鉛直方向Zの最も上方Z1に位置するライナープレート91が取り外された後に回収される。
【0057】
次に、ステップS35において、回収が終了していない場合には、再度、ステップS31に移行する。これにより、ステップS31~ステップS34を繰り返し行うことにより、ライナープレート91を立坑98から引き上げるとともに、最も上方Z1に位置するライナープレート91から順次回収される。ステップS35において、回収が終了した場合には、ステップS36において、連結部11を回収する連結部回収工程が行われる。そして、ステップS37において、昇降部12を回収する昇降部回収工程が行われる。
【0058】
<本実施形態の作用及び効果>
本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)昇降装置10は、設置面99に設置可能である基台31と、基台31から上方Z1に延設される複数の脚部32と、複数の脚部32のそれぞれに支持される支持部35と、を備える。昇降装置10は、支持部35からのワイヤー14により吊り下げた状態で支持されており、かつ、ライナープレート91と連結可能である連結部11とを備える。連結部11は、ワイヤー14により支持部35から吊り下げられた状態で駆動部13からの駆動力に応じてワイヤー14の巻取りにより上昇し、駆動部13からの駆動力に応じてワイヤー14の巻出しにより降下する。このため、重機を用いることなく、ライナープレート91を設置し、ライナープレート91を回収することができる。したがって、省スペース化を図ることができ、それに伴って、作業性の向上を図ることができる。
【0059】
特に、従来では、例えば山岳地域など、重機を運び込めない地域、及び、分解しないと重機を運び込めない地域においては、省スペース化を図ることが顕著な課題となっており、本実施形態では、このような課題を解決することができる。
【0060】
(2)連結部11は、1本のワイヤー14を用いて支持部35の3箇所から吊り下げ可能である。このため、1本のワイヤー14の巻取り及び巻出しによって、連結部11を昇降させる際に、水平面に対する連結部11の傾斜を抑制することができる。これにより、例えば立坑の内壁へのライナープレート91の接触を抑制することができ、ライナープレート91の設置及び回収を安定して行うことができる。特に、連結部11は、1本のワイヤー14を用いて支持部35の3箇所以上から吊り下げ可能であると、連結部11を支持する他の支持機構を備えなくても、ライナープレート91の設置及び回収を安定して行うことができる。したがって、省スペース化を図ることができ、それに伴って、作業性の向上を図ることができる。
【0061】
(3)支持部35の外径D11は、基台31の外径D21よりも短い。このため、昇降装置10の大型化を抑制することができる。したがって、省スペース化を図ることができ、それに伴って、作業性の向上を図ることができる。
【0062】
(4)連結枠21の外径は、基台31の内径D22よりも短い。このため、連結枠21を昇降させる際に、基台31の内径D22を通過させることによって、ライナープレート91を安定して昇降させることができる。したがって、省スペース化を図ることに伴って、作業性の向上を図ることができる。
【0063】
(5)複数の脚部32の間に設けられる空間は、ライナープレート91を構成する部材を基台31内に挿脱可能な空間である。このため、ライナープレート91を構成する部材を基台31内に容易に運び込むことができる。したがって、省スペース化を図ることに伴って、作業性の向上を図ることができる。
【0064】
(6)第1プーリー23は、連結枠21の上方Z1に収容され、かつ、鉛直方向Zに沿ってワイヤー14を誘導する。このため、ライナープレート91を安定して昇降させることができる。したがって、省スペース化を図ることに伴って、作業性の向上を図ることができる。
【0065】
(7)支持部35は、周方向Yに沿ってワイヤー14を誘導する第2プーリー37と、鉛直方向Zに沿ってワイヤー14を誘導する第3プーリー38と、を備える。このため、ワイヤー14の取り回しを円滑に行うことによって、ライナープレート91を安定して昇降させることができる。したがって、省スペース化を図ることに伴って、作業性の向上を図ることができる。
【0066】
(8)駆動部13は、電動ウインチを含む。このため、ライナープレート91を安定して昇降させることができる。したがって、省スペース化を図ることに伴って、作業性の向上を図ることができる。特に、例えば油圧式ジャッキなどとは異なり、省スペース化を図ることができ、更には、例えば寒冷地においても作業性の低下を抑制することができる。
【0067】
(9)
図5に示すように、下降工程のステップS17~S20を繰り返すことにより、順次に、上方Z1からライナープレート91を円滑に連結させることができるとともに、ライナープレート91を円滑に下方Z2に下降させることができる。したがって、省スペース化を図ることに伴って、作業性の向上を図ることができる。
【0068】
(10)特に、下降工程のステップS16と、下降工程のステップS17~S20とが並列的に行われることにより、ライナープレート91の連結作業と、例えば立坑の掘削作業とを並列的に行うことができる。したがって、省スペース化を図ることに伴って、作業性の向上を図ることができる。
【0069】
具体的な一例をあげると、従来においては、下降工程のステップS16を6時間に亘って行った後に、下降工程のステップS17~S20を2時間に亘って行い、合計8時間の作業時間であった。一方、本実施形態においては、下降工程のステップS16を6時間に亘って行っている間に、下降工程のステップS17~S20を2時間に亘って行うことができ、合計6時間の作業時間となる。したがって、省スペース化を図ることに伴って、作業性の向上を図ることができる。
【0070】
(11)
図9に示すように、上昇工程のステップS31~S34を繰り返すことにより、順次に、ライナープレート91を円滑に上方Z1に上昇させることができるとともに、上方Z1からライナープレート91を円滑に回収することができる。したがって、省スペース化を図ることに伴って、作業性の向上を図ることができる。
【0071】
[変更例]
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0072】
・昇降装置10は、1つの駆動部13と、1本のワイヤー14とを用いて、支持部35の複数箇所から連結部11を吊り下げたが、これに限らない。例えば、昇降装置10は、1つの駆動部13と、1本のワイヤー14とを用いて、支持部35の1箇所から連結部11を吊り下げてもよい。連結部11は、ワイヤー14とは別で、他の支持機構により昇降可能に支持されてもよい。例えば、昇降装置10は、1つの駆動部13と1本のワイヤー14との組み合わせを複数系統備えてもよい。この場合、複数系統の駆動部13が連動することが好ましい。
【0073】
・昇降装置10は、支持部材92を備えるように構成してもよい。具体的な一例をあげると、基台31は、支持部材92を備えてもよい。支持部材92は、径方向Xに移動可能であってもよい。支持部材92は、内径方向X2に突出する支持位置に配置されることにより、ライナープレート91を支持し、外径方向X1に離脱する離脱位置に配置されることにより、ライナープレート91の支持を解除してもよい。
【0074】
・基台31は、平面視において矩形状であってもよい。支持部35は、平面視において矩形状であってもよい。支持部35は、複数の脚部32から内径方向X2に突出するように構成されてもよい。つまり、支持部35は、ワイヤー14を介して上方Z1から連結部11を吊り下げるように支持できればよい。
【0075】
・昇降装置10により昇降可能であるライナープレート91は、平面視において、円周状ではなく、矩形状、小判状、馬蹄状であってもよい。つまり、ライナープレート91は、平面視において、全部の領域が円弧状であってもよく、全部の領域が直線状であってもよく、一部の領域が円弧状であるが一部の領域が直線状であってもよい。また、ライナープレート91は、平面視において、周囲の一部又は全部を囲むように構成されてもよい。
【0076】
・昇降装置10により昇降可能であるライナープレート91は、鋼板ではなく、別の素材により構成されてもよい。特に、ライナープレート91は、鋼板よりも軽量である素材が好ましい。また、ライナープレート91は、鋼板と著しく剛性が弱くならない素材が好ましい。従来においては、ライナープレート自体が重く、ライナープレートの取り扱いが容易ではなかった。このため、ライナープレートの取り扱いを容易とすることにより、利便性を向上させることが望まれている。また、これに加えて、ライナープレート91を地中に埋没させてしまうと、埋没させたライナープレート91の数に応じてコストが増大するだけではなく、環境に影響を与えてしまうおそれもある。また、ライナープレート91に雨が入り込むことにより錆が生じてしまうと、作業者にも影響を与えかねない。そこで、ライナープレート91は、例えば繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)などにより構成してもよい。このように構成によれば、ライナープレート91の軽量化を図ることができる。このため、鉛直方向Zに連結するライナープレート91の数が多くなっても、吊り下げられるライナープレート91の荷重が比較的大きくならず、使用者の利便性を向上させることができる。特に、ライナープレート91を地中から回収し易く、ライナープレート91に応じたコストを削減することができるだけではなく、環境にも影響を与え難くすることができる。また、ライナープレート91に雨が入り込んでも、錆が生じ難く、作業者にも影響を与え難く、回収したライナープレート91を良い状態で再利用することができる。また、ライナープレート91の加工が容易となる。具体的に、ライナープレート91の外周面を鉛直方向Zに対して直線状とし、ライナープレート91の内周面を鉛直方向Zに対して波線状とすることも容易である。これにより、ライナープレート91が例えば立坑の内壁面に引っ掛かることを抑制することができ、ライナープレート91を安定して昇降することができる。したがって、使用者の利便性を向上させることができる。このように、例えば、繊維強化プラスチックで構成される複数の部材を周方向Yに直接的に連結させることにより、円形状のライナープレート91を構成してもよい。
【0077】
・昇降装置10は、深礎工法用の立坑、推進工法用の立坑及び地滑り抑制集水井などにおいて用いることができる。昇降装置10は、水中締切工法においても用いることができる。この場合、ライナープレート91は、土留部材として用いることができるが、これに限らず、例えば、パッキンを合わせて用いることにより水中締切工法用としても用いることができる。
【0078】
・本明細書において使用される「少なくとも何れか」という表現は、所望の選択肢の1つ以上を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも何れか」という表現は、選択肢の数が2つであれば1つの選択肢のみ又は2つの選択肢の双方を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも何れか」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば1つの選択肢のみ又は2つ以上の任意の選択肢の組み合わせを意味する。
【符号の説明】
【0079】
10…昇降装置、11…連結部、12…昇降部、13…駆動部、14…ワイヤー、21…連結枠、23…第1プーリー、31…基台、32…脚部、35…支持部、37…第2プーリー、38…第3プーリー、90…ライナープレートユニット、91…ライナープレート、92…支持部材、98…立坑、99…設置面。