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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054962
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20240411BHJP
   H05K 7/14 20060101ALI20240411BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
G09F9/00 346A
G09F9/00 348Z
G09F9/00 350Z
H05K7/14 E
H05K5/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022161455
(22)【出願日】2022-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】723005698
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】石橋 大介
【テーマコード(参考)】
4E360
5E348
5G435
【Fターム(参考)】
4E360AB05
4E360BA01
4E360BD05
4E360CA02
4E360EC05
4E360EC12
4E360GA07
4E360GA52
4E360GB04
5E348AA02
5E348AA13
5E348EF03
5G435AA17
5G435EE02
5G435EE32
5G435EE34
5G435GG34
5G435LL04
5G435LL08
(57)【要約】
【課題】回路基板の接地(グランド)および回路基板のリアフレームへの取り付けのための構造を簡素化することが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】この表示装置100は、表示パネル3と、表示パネル3の後方に配置される金属製のリアフレーム41と、接地パターン51を含むパネル用回路基板5と、パネル用回路基板5をリアフレーム41の後面41c側において保持する金属製のホルダー部材6と、を備え、ホルダー部材6は、接地パターン51に接触する接地パターン接触部60と、リアフレーム41に対してホルダー部材6を接触させた状態で取り付ける取付部61とを含み、接地パターン接触部60および取付部61を介して、接地パターン51をリアフレーム41に導通させるように構成されている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、
前記表示パネルの後方に配置される金属製のリアフレームと、
接地パターンを含む回路基板と、
前記回路基板を前記リアフレームの後面側において保持する金属製のホルダー部材と、を備え、
前記ホルダー部材は、前記接地パターンに接触する接地パターン接触部と、前記リアフレームに対して前記ホルダー部材を接触させた状態で取り付ける取付部とを含み、前記接地パターン接触部および前記取付部を介して、前記接地パターンを前記リアフレームに導通させるように構成されている、表示装置。
【請求項2】
前記回路基板は、フレキシブル配線基板を介して前記表示パネルに接続されるパネル用回路基板を含み、
前記表示パネルは、表示装置本体内に移動可能に配置されており、
前記ホルダー部材は、前記表示パネルの移動に伴い前記リアフレームに対して前記パネル用回路基板が移動可能な状態で、前記パネル用回路基板を保持するように構成されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記ホルダー部材は、金属製の線材により形成された線バネまたは金属製の板材により形成された板バネにより形成されており、
前記接地パターン接触部は、弾性変形した状態で前記接地パターンに接触するように構成されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記ホルダー部材は、前記接地パターンが設けられる前記回路基板の面とは反対側の前記回路基板の反対面に接触する反対面側接触部を含み、弾性変形した前記接地パターン接触部により、前記反対面側接触部に前記回路基板を押し付けて挟み込んだ状態で保持するように構成されている、請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記接地パターン接触部は、前記接地パターンに接触する部分であり、前記接地パターンに向けて膨らむ凸状に形成されている、請求項3に記載の表示装置。
【請求項6】
前記パネル用回路基板は、前記リアフレームの一端に沿って延びる長辺を有する矩形状に形成されており、
前記ホルダー部材は、前記パネル用回路基板の短手方向において、前記パネル用回路基板の短辺の両側から、前記ホルダー部材に対する前記パネル用回路基板の移動を規制する短手方向側規制部を含み、
前記短手方向側規制部は、前記パネル用回路基板との間に所定の隙間を有し、前記ホルダー部材は、前記隙間によって、前記表示パネルの移動に伴い前記リアフレームに対して前記パネル用回路基板が移動可能な状態で、前記パネル用回路基板を保持するように構成されている、請求項2に記載の表示装置。
【請求項7】
前記パネル用回路基板は、前記リアフレームの一端に沿って延びる長辺を有する矩形状に形成されており、前記リアフレームの前記一端に近い側の一方の前記長辺に前記フレキシブル配線基板が接続されており、
前記ホルダー部材は、前記一方の前記長辺が他方の前記長辺よりも前記表示パネルの近くである前方に位置するように、前記表示パネルの表示面に対して傾斜した状態で、前記パネル用回路基板を保持している、請求項2に記載の表示装置。
【請求項8】
前記ホルダー部材は、前記線バネにより形成されており、前記回路基板の断面視において、前記回路基板を取り囲む状態で保持している、請求項3に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示装置に関し、特に、回路基板を備える表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回路基板を備える表示装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、リアフレームと、リアフレームに取り付けられる液晶駆動用の回路基板とを備える表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-30296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記特許文献1には明記されていないが、リアフレームに取り付けられる回路基板を備える従来の表示装置では、通常、回路基板に接地パターンが設けられており、接地パターンとリアフレームとに跨るように導電性を有する接地用テープが張り付けられることにより、接地(グランド)が行われる。また、このような従来の表示装置では、回路基板は、接地用テープとは別個の保持部材により保持されて、保持部材を介してリアフレームに取り付けられる。このため、回路基板の接地(グランド)およびリアフレームへの取り付けのために、複数の部材が必要となっており、構造が複雑化しているという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、回路基板の接地(グランド)および回路基板のリアフレームへの取り付けのための構造を簡素化することが可能な表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による表示装置は、表示パネルと、表示パネルの後方に配置される金属製のリアフレームと、接地パターンを含む回路基板と、回路基板をリアフレームの後面側において保持する金属製のホルダー部材と、を備え、ホルダー部材は、接地パターンに接触する接地パターン接触部と、リアフレームに対してホルダー部材を接触させた状態で取り付ける取付部とを含み、接地パターン接触部および取付部を介して、接地パターンをリアフレームに導通させるように構成されている。
【0008】
この発明の一の局面による表示装置では、上記のように、ホルダー部材を、接地パターンに接触する接地パターン接触部と、リアフレームに対してホルダー部材を接触させた状態で取り付ける取付部とを含み、接地パターン接触部および取付部を介して、接地パターンをリアフレームに導通させるように構成する。これによって、金属製のホルダー部材が接地パターン接触部と取付部との両方を含んでいるので、ホルダー部材のみにより、接地パターン接触部と接地パターンとの導通、および、取付部とリアフレームとの導通を確保することができるとともに、回路基板をリアフレームに取り付けることができる。したがって、従来のように複数の部材を用いることなく、ホルダー部材のみにより、回路基板の接地(グランド)、および、回路基板のリアフレームへの取り付けの両方を行うことができる。このため、回路基板の接地(グランド)および回路基板のリアフレームへの取り付けのための構造を簡素化することができる。また、従来のような接地用テープを用いる必要がないため、接地用テープが剥がれることによる導通不良が発生することがない。また、従来、回路基板を保持する保持部材は、通常、樹脂製であった。この場合、樹脂が削れて表示装置内に異物が発生することがあった。そこで、上記のように、ホルダー部材を金属製とすることにより、表示装置内に異物が発生することを抑制することができる。
【0009】
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、回路基板は、フレキシブル配線基板を介して表示パネルに接続されるパネル用回路基板を含み、表示パネルは、表示装置本体内に移動可能に配置されており、ホルダー部材は、表示パネルの移動に伴いリアフレームに対してパネル用回路基板が移動可能な状態で、パネル用回路基板を保持するように構成されている。このように構成すれば、ホルダー部材により、表示パネルの移動に伴いリアフレームに対してパネル用回路基板を移動させることができるので、表示パネルが移動する際に、表示パネルとパネル用回路基板とを接続するフレキシブル配線基板に作用する応力を緩和することができる。
【0010】
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、ホルダー部材は、金属製の線材により形成された線バネまたは金属製の板材により形成された板バネにより形成されており、接地パターン接触部は、弾性変形した状態で接地パターンに接触するように構成されている。このように構成すれば、線バネまたは板バネの弾性力により、接地パターン接触部と接地パターンとの接触状態を安定して保持することができる。また、ホルダー部材を線バネにより形成する場合、曲げ加工によりホルダー部材を容易に製造することができる。また、ホルダー部材を板バネにより形成する場合、回路基板との大きな接触面積を確保することができるので、接地パターン接触部と接地パターンとの接触状態をより安定して保持することができる。
【0011】
この場合、好ましくは、ホルダー部材は、接地パターンが設けられる回路基板の面とは反対側の回路基板の反対面に接触する反対面側接触部を含み、弾性変形した接地パターン接触部により、反対面側接触部に回路基板を押し付けて挟み込んだ状態で保持するように構成されている。このように構成すれば、接地パターン接触部のたわみ変形による弾性力を利用して、接地パターン接触部と反対面側接触部との間で、回路基板を挟持することができる。したがって、ホルダー部材により、回路基板を安定して保持することができる。
【0012】
上記接地パターン接触部が弾性変形した状態で接地パターンに接触する構成において、好ましくは、接地パターン接触部は、接地パターンに接触する部分であり、接地パターンに向けて膨らむ凸状に形成されている。このように構成すれば、弾性変形した凸状の接地パターン接触部により、ホルダー部材を接地パターンに容易に接触させることができる。
【0013】
上記回路基板がフレキシブル配線基板を介して表示パネルに接続されるパネル用回路基板を含む構成において、好ましくは、パネル用回路基板は、リアフレームの一端に沿って延びる長辺を有する矩形状に形成されており、ホルダー部材は、パネル用回路基板の短手方向において、パネル用回路基板の短辺の両側から、ホルダー部材に対するパネル用回路基板の移動を規制する短手方向側規制部を含み、短手方向側規制部は、パネル用回路基板との間に所定の隙間を有し、ホルダー部材は、隙間によって、表示パネルの移動に伴いリアフレームに対してパネル用回路基板が移動可能な状態で、パネル用回路基板を保持するように構成されている。このように構成すれば、短手方向側規制部により、表示パネルが移動する際に、パネル用回路基板の短辺方向においてフレキシブル配線基板に作用する応力を緩和することができるとともに、所定の隙間により必要以上のパネル用回路基板の移動を規制することができる。
【0014】
上記回路基板がフレキシブル配線基板を介して表示パネルに接続されるパネル用回路基板を含む構成において、好ましくは、パネル用回路基板は、リアフレームの一端に沿って延びる長辺を有する矩形状に形成されており、リアフレームの一端に近い側の一方の長辺にフレキシブル配線基板が接続されており、ホルダー部材は、一方の長辺が他方の長辺よりも表示パネルの近くである前方に位置するように、表示パネルの表示面に対して傾斜した状態で、パネル用回路基板を保持している。ここで、一般的に、回路基板に接続されたフレキシブル配線基板は、回路基板の厚み方向に直交する方向に向けて回路基板から導出される。このため、上記のように構成すれば、フレキシブル配線基板を回路基板の直下に向けて回路基板から導出する場合と比較して、傾斜によってフレキシブル配線基板を表示パネル側に向けて回路基板から導出することができるので、フレキシブル配線基板をより短く形成することができる。
【0015】
上記接地パターン接触部が弾性変形した状態で接地パターンに接触する構成において、好ましくは、ホルダー部材は、線バネにより形成されており、回路基板の断面視において、回路基板を取り囲む状態で保持している。このように構成すれば、ホルダー部材により回路基板を取り囲む状態で保持することができるので、回路基板を安定して保持することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、上記のように、回路基板の接地(グランド)および回路基板のリアフレームへの取り付けのための構造を簡素化することが可能な表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態による表示装置を前方かつ上方から見た全体斜視図である。
図2】第1実施形態による表示装置を前方かつ下方から見た分解斜視図である。
図3図1のIII-III線に沿った断面図である。
図4図3のA部を拡大した部分拡大図である。
図5】第1実施形態による表示装置のホルダー部材のリアフレームへの取り付け、および、ホルダー部材によるパネル用回路基板の保持について説明するための斜視図である。
図6】第1実施形態による表示装置のホルダー部材をリアフレームに取り付けた状態を示した斜視図である。
図7】第1実施形態による表示装置のホルダー部材によりパネル用回路基板を保持した状態を示した斜視図である。
図8】第2実施形態による表示装置のホルダー部材によりパネル用回路基板を保持した状態を示した斜視図である。
図9】第3実施形態による表示装置のホルダー部材によりパネル用回路基板を保持した状態を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
[第1実施形態]
(表示装置の構成)
図1図7を参照して、第1実施形態による表示装置100の構成について説明する。なお、表示装置100は、放送信号を受信するチューナを備えるテレビジョン装置として構成されている。この他、表示装置は、パーソナルコンピュータのディスプレイなどとして構成することも可能である。一例ではあるが、表示装置100は、液晶表示装置である。
【0020】
ここで、各図では、表示装置100の上下方向をZ方向により示し、上方をZ1方向により示し、下方をZ2方向により示す。
【0021】
また、各図では、表示装置100の前後方向(厚み方向)をY方向により示し、前方(表示装置100側から表示装置100を観るユーザに向かう方向)をY2方向により示し、後方をY1方向により示す。
【0022】
また、各図では、表示装置100の左右方向をX方向により示し、右方(表示装置100を観るユーザに対する右方)をX1方向により示し、左方をX2方向により示す。
【0023】
図1および図2に示す表示装置100は、光源1と、光学部材2と、表示パネル3と、筐体4と、パネル用回路基板5と、ホルダー部材6とを備えている。ホルダー部材6は、4つ設けられている。
【0024】
光源1、光学部材2、表示パネル3、筐体4、パネル用回路基板5、および、ホルダー部材6により構成される表示装置本体100aは、スタンド部材Sにより下方から支持されている。筐体4は、フロントキャビネット40と、リアフレーム41と、リアカバー42とを含んでいる。
【0025】
(光源の構成)
図2に示すように、光源1は、リアフレーム41に設けられている。光源1は、光学部材2に向かって光を照射するように構成されている。光源1は、複数のLED(Light Emitting Diode)を有している。LEDは、表示パネル3の長手方向(X方向)に略平行な方向に一直線状に並んで配置されている。光源1は、いわゆるバックライト方式の光源である。
【0026】
(光学部材の構成)
光学部材2は、表示パネル3の表示面3aに略垂直な方向(Y方向)において、表示パネル3とリアフレーム41との間に配置されている。光学部材2は、Y方向から見て、矩形の平板形状に形成されている。光学部材2は、光源1から光が照射される。光学部材2は、反射シート2aと、拡散板2bと、光学シート2cと、光学シート2dとを含んでおり、この順にリアフレーム41側から表示パネル3側に向けて積層されている。
【0027】
反射シート2aは、光源1からの光の一部を、拡散板2bに向けて反射するように構成されている。拡散板2bは、光源1からの光を拡散するように構成されている。光学シート2cおよび光学シート2dは、光の偏光方向の調整、および、光の拡散の抑制などを行うとともに、表示パネル3に対して光を照射するように構成されている。
【0028】
(表示パネルの構成)
表示パネル3は、液晶表示パネルである。表示パネル3は、光学部材2を透過した光に対して、液晶の透過率を変化させることにより、画像の表示を行うように構成されている。
【0029】
表示パネル3は、表示装置本体100a内(筐体4内)に移動可能に配置されている。詳細には、表示パネル3は、筐体4に対して固定されてはおらず、筐体4に対する僅かな移動が許容される状態で、筐体4内に配置されている。このような構成によって、表示装置100は、表示パネル3に過大な応力が作用することを防いでいる。一例ではあるが、表示パネル3は、上下、左右の各方向に最大1mmだけ移動可能な状態で、筐体4内に配置されている。
【0030】
(筐体の構成)
図2に示すように、フロントキャビネット40は、表示パネル3に対して前方側(Y2方向側)に配置された額縁部である。フロントキャビネット40は、矩形の枠状に形成されている。フロントキャビネット40は、樹脂製である。また、フロントキャビネット40は、ねじなどの固定具により、リアフレーム41およびリアカバー42に取り付けられている。
【0031】
リアフレーム41は、光源1、光学部材2、および、パネル用回路基板5などを支持する支持部材である。リアフレーム41は、表示パネル3および光学部材2の後方側(Y1方向側)に配置されている。リアフレーム41は、金属製である。
【0032】
リアフレーム41には、ホルダー部材6を取り付けるための左右方向に並ぶ一対の取付孔41aが設けられている。一対の取付孔41aは、各ホルダー部材6に対して1組ずつ設けられている。すなわち、リアフレーム41には、4つのホルダー部材6を取り付けるためのX方向に並ぶ8つの取付孔41aが設けられている。
【0033】
リアカバー42は、リアフレーム41に対して背面側(Z2方向側)に配置されている。リアカバー42は、リアフレーム41の下方側部分のみを後方から覆うように構成されている。これにより、リアカバー42は、パネル用回路基板5が外部に露出しないように、パネル用回路基板5を後方から覆い隠すように構成されている。
【0034】
(パネル用回路基板の構成)
パネル用回路基板5は、リアフレーム41の一端41bである下端に沿って配置されている。パネル用回路基板5は、X方向に並ぶように2つ設けられている。パネル用回路基板5は、リアフレーム41の一端41bである下端に沿って延びる長辺50を有する矩形状に形成されている。すなわち、パネル用回路基板5の長手方向は、表示装置100の左右方向(X方向)に一致する。
【0035】
図3および図4に示すように、パネル用回路基板5は、フレキシブル配線基板Fを介して表示パネル3に接続されている。パネル用回路基板5は、リアフレーム41の一端41bである下端に近い側の一方(Z2方向側)の長辺50にフレキシブル配線基板Fが接続されている。なお、図3では、光源1および光学部材2などを省略して図面を簡略化している。
【0036】
フレキシブル配線基板Fは、1つのパネル用回路基板5に対して3つ設けられている(図2参照)。3つのフレキシブル配線基板Fは、左右方向(X方向)に所定の間隔を隔てて離間して配置されている。X方向において、フレキシブル配線基板Fは、ホルダー部材6と重ならない位置に配置されている。すなわち、X方向において、フレキシブル配線基板Fとホルダー部材6とは、交互に配置されている。
【0037】
フレキシブル配線基板Fは、リアフレーム41の一端41bである下端の下方側を経由して、パネル用回路基板5と表示パネル3とを接続している。一例ではあるが、パネル用回路基板5は、COF(Chip On Film)型の半導体パッケージを有している。
【0038】
パネル用回路基板5は、接地パターン(グランドパターン)51を含んでいる。接地パターン51は、1つのパネル用回路基板5に対して2つ設けられている。2つの接地パターン51は、左右方向(X方向)に離間して配置されている。接地パターン51は、パネル用回路基板5の後面52に配置されている。なお、後面52は、特許請求の範囲の「接地パターンが設けられる回路基板の面」の一例である。また、接地パターン51は、銅箔等の導体層で形成されている。
【0039】
図2ではパネル用回路基板5が表示パネル3の直下に配置される状態を示しているが、パネル用回路基板5がホルダー部材6に保持された状態(図3の状態)ではパネル用回路基板5は表示パネル3およびリアフレーム41の後方(Y1方向)に配置される。すなわち、図2では、パネル用回路基板5の後面52に配置される接地パターン51を前方側(X1方向側)から視認可能な状態を示している。
【0040】
(ホルダー部材の構成)
図5図7に示すホルダー部材6は、パネル用回路基板5をリアフレーム41の後面41c側において保持するように構成されている。ホルダー部材6は、金属製である。一例ではあるが、ホルダー部材6は、ステンレス材料により形成されている。
【0041】
ホルダー部材6は、弾性変形可能に構成されている。詳細には、ホルダー部材6は、金属製の線材により形成された線バネにより形成されている。1つのホルダー部材6は、1つのみの線バネにより形成されている。ホルダー部材6は、線バネに対する曲げ加工により、線バネに曲げ癖を付けることによって形成されている。ホルダー部材6は、左右方向において略対称となるように形成されている。
【0042】
ホルダー部材6は、接地パターン接触部60と、取付部61と、反対面側接触部62と、短手方向側規制部63とを含んでいる。
【0043】
ホルダー部材6は、パネル用回路基板5の接地パターン51に直接接触する接地パターン接触部60、および、リアフレーム41に対して直接接触する取付部61を介して、接地パターン51をリアフレーム41に導通させるように構成されている。したがって、接地パターン51とリアフレーム41とは金属製のホルダー部材6によって電気的に接続されるので、接地パターン51の電位は、電位の基準であるリアフレーム41の電位と同じ電位に保たれる。すなわち、接地パターン51は、ホルダー部材6を介してリアフレーム41にグランドされる。
【0044】
ホルダー部材6は、リアフレーム41の一端41bに沿って延びるパネル用回路基板5の一方(下方、Z2方向)の長辺50が他方(上方、Z1方向)の長辺よりも表示パネル3の近くである前方(Y2方向)に位置するように、表示パネル3の表示面3aに対して傾斜した状態でパネル用回路基板5を保持している。すなわち、ホルダー部材6は、パネル用回路基板5から導出されるフレキシブル配線基板Fが、リアフレーム41の一端41bである下端側に向かうように、表示面3aに対して傾斜した状態でパネル用回路基板5を保持している。
【0045】
1つのパネル用回路基板5を保持する2つのホルダー部材6は、X方向に離間して配置されている。1つのパネル用回路基板5を保持する2つのホルダー部材6は、1つのパネル用回路基板5の左右方向(X方向)の一端近傍、および、他端近傍に1つずつ配置されている。
【0046】
(ホルダー部材の接地パターン接触部の構成)
接地パターン接触部60は、接地パターン51に接触する部分である。接地パターン接触部60は、接地パターン51に向けて膨らむ凸状に形成されている。接地パターン接触部60は、前方(Y2方向)に向けて凸状に形成されている。接地パターン接触部60は、X方向に離間するとともに、平行に配置される一対の凸状部分である。
【0047】
接地パターン接触部60は、弾性変形した状態で接地パターン51に接触するように構成されている。接地パターン接触部60は、ホルダー部材6がパネル用回路基板5を保持した状態で、接地パターン51に向けた押圧力P(図4参照)を発生させるように弾性変形する。したがって、接地パターン接触部60は、弾性変形することによって、接地パターン51への接触状態が保持される。
【0048】
接地パターン接触部60は、ホルダー部材6がパネル用回路基板5を保持していない状態からホルダー部材6がパネル用回路基板5を保持した状態になった場合に、反対面側接触部62からより離れた位置に配置される。すなわち、接地パターン接触部60は、弾性変形していない状態からパネル用回路基板5により弾性変形した状態になった場合に、反対面側接触部62からより離れた位置に配置され、弾性変形によって反対面側接触部62に向けた押圧力P(図4参照)を発生させる。
【0049】
(ホルダー部材の取付部の構成)
取付部61は、リアフレーム41に対してホルダー部材6を接触させた状態で取り付けるように構成されている。取付部61は、左右方向に離間して配置される一対のフック状に形成されている。一対の取付部61は、互いに近づくように弾性変形した状態で、リアフレーム41の後方側(Y1方向側)から、リアフレーム41の取付孔41aに通される。そして、一対の取付部61は、弾性変形した状態が解除されて、取付孔41aに係合することによって、取付孔41aに取り付けられるように構成されている。
【0050】
(ホルダー部材の反対面側接触部の構成)
反対面側接触部62は、接地パターン51が設けられるパネル用回路基板5の後面52とは反対側のパネル用回路基板5の前面53に接触するように構成されている。なお、前面53は、特許請求の範囲の「反対面」の一例である。
【0051】
ホルダー部材6は、弾性変形した凸状の接地パターン接触部60により、反対面側接触部62にパネル用回路基板5を押し付けて、パネル用回路基板5を挟み込んだ状態で保持するように構成されている。したがって、ホルダー部材6がパネル用回路基板5を保持した状態で、パネル用回路基板5の後方(Y1方向)には接地パターン接触部60が配置され、パネル用回路基板5の前方(Y2方向)には反対面側接触部62が配置される。
【0052】
(ホルダー部材の短手方向側規制部の構成)
上記説明した通り、表示パネル3は、表示装置本体100a内(筐体4内)に移動可能に配置されている。なお、表示パネル3の移動は、表示装置100の搬送などの際に発生する。
【0053】
ここで、仮に、パネル用回路基板がリアフレームに対して一切移動することがないように固定されているとした場合、表示パネルの移動する際に、パネル用回路基板が移動することがないため、表示パネルとパネル用回路基板とを接続するフレキシブル配線基板に過大な応力が作用することになる。
【0054】
そこで、第1実施形態では、ホルダー部材6は、表示パネル3の移動に伴いリアフレーム41に対してパネル用回路基板5が移動可能な状態で、パネル用回路基板5を保持するように構成されている。すなわち、パネル用回路基板5は、表示パネル3の移動に合わせて移動可能な構成である。
【0055】
詳細には、図3および図4に示すように、短手方向側規制部63は、パネル用回路基板5の短手方向(Z方向に沿った方向)において、パネル用回路基板5を両側から挟み込むように構成されている。短手方向側規制部63は、パネル用回路基板5の短手方向(Z方向に沿った方向)において、パネル用回路基板5の両側から、ホルダー部材6に対するパネル用回路基板5の移動を接触により規制するように構成されている。
【0056】
短手方向側規制部63は、パネル用回路基板5との間に所定の隙間Cを有する。ホルダー部材6は、隙間Cによって、表示パネル3の移動に伴いリアフレーム41に対してパネル用回路基板5が移動可能な状態で、パネル用回路基板5を保持するように構成されている。一例ではあるが、隙間Cは1mmであり、パネル用回路基板5は短手方向に最大1mmの移動可能な状態でホルダー部材6に保持されている。
【0057】
(表示装置の組立)
表示装置100の組立方法について説明する。
【0058】
まず、図2に示すように、光源1をリアフレーム41に設置した上で、表示パネル3および光学部材2などが筐体4に収容されるように、リアカバー42を除いた他の筐体4を互いに組み付ける筐体組付工程が行われる。
【0059】
次に、図5および図6に示すように、筐体4のリアフレーム41にホルダー部材6を取り付けるホルダー部材取付工程が行われる。詳細には、ホルダー部材6の一対のフック状の取付部61を左右方向(X方向)において互いに近づくように弾性変形させた状態で、リアフレーム41の取付孔41aに後方側(Y1方向側)から導入する。そして、ホルダー部材6の弾性変形状態を解除して、リアフレーム41の取付孔41aにホルダー部材6のフック状の取付部61を係合させることによって、リアフレーム41にホルダー部材6を取り付ける。これにより、取付部61とリアフレーム41との導通が確保される。なお、このホルダー部材取付工程は、上記の筐体組付工程の前に行われてもよい。
【0060】
次に、図3および図7に示すように、表示パネル3の直下に配置されたパネル用回路基板5(図2参照)をリアフレーム41の後方に移動させて、ホルダー部材6によりパネル用回路基板5を保持する基板保持工程が行われる。
【0061】
詳細には、パネル用回路基板5の短手方向(Z方向に沿った方向)において、パネル用回路基板5を、短手方向側規制部63により両側から挟み込まれる位置に配置する。これにより、パネル用回路基板5は、ホルダー部材6に対する移動が短手方向側規制部63に対する接触により規制される。そして、接地パターン接触部60を接地パターン51に接触させた状態で、パネル用回路基板5により接地パターン接触部60を短手方向側規制部63から離間する方向に弾性変形させる。これにより、接地パターン接触部60は、接地パターン51に向けた押圧力P(図4参照)を発生させる。その結果、接地パターン接触部60と接地パターン51との接触状態が安定して保持される。これにより、接地パターン接触部60と接地パターン51との導通が確保される。したがって、リアフレーム41と接地パターン51との導通が確保される。
【0062】
次に、図2に示すリアカバー42によりパネル用回路基板5を覆い隠すリアカバー取付工程が行われる。
【0063】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0064】
第1実施形態では、上記のように、ホルダー部材6を、接地パターン51に接触する接地パターン接触部60と、リアフレーム41に対してホルダー部材6を接触させた状態で取り付ける取付部61とを含み、接地パターン接触部60および取付部61を介して、接地パターン51をリアフレーム41に導通させるように構成する。これによって、金属製のホルダー部材6が接地パターン接触部60と取付部61との両方を含んでいるので、ホルダー部材6のみにより、接地パターン接触部60と接地パターン51との導通、および、取付部61とリアフレーム41との導通を確保することができるとともに、回路基板(パネル用回路基板5)をリアフレーム41に取り付けることができる。したがって、従来のように複数の部材を用いることなく、ホルダー部材6のみにより、回路基板の接地(グランド)、および、回路基板のリアフレーム41への取り付けの両方を行うことができる。このため、回路基板の接地(グランド)および回路基板のリアフレーム41への取り付けのための構造を簡素化することができる。また、従来のような接地用テープを用いる必要がないため、接地用テープが剥がれることによる導通不良が発生することがない。また、従来、回路基板を保持する保持部材は、通常、樹脂製であった。この場合、樹脂が削れて表示装置100内に異物が発生することがあった。そこで、上記のように、ホルダー部材6を金属製とすることにより、表示装置100内に異物が発生すること抑制することができる。
【0065】
第1実施形態では、上記のように、回路基板は、フレキシブル配線基板Fを介して表示パネル3に接続されるパネル用回路基板5を含み、表示パネル3は、表示装置本体100a内に移動可能に配置されており、ホルダー部材6は、表示パネル3の移動に伴いリアフレーム41に対してパネル用回路基板5が移動可能な状態で、パネル用回路基板5を保持するように構成されている。これによって、ホルダー部材6により、表示パネル3の移動に伴いリアフレーム41に対してパネル用回路基板5を移動させることができるので、表示パネル3が移動する際に、表示パネル3とパネル用回路基板5とを接続するフレキシブル配線基板Fに作用する応力を緩和することができる。
【0066】
第1実施形態では、上記のように、ホルダー部材6は、金属製の線材により形成された線バネにより形成されており、接地パターン接触部60は、弾性変形した状態で接地パターン51に接触するように構成されている。これによって、線バネの弾性力により、接地パターン接触部60と接地パターン51との接触状態を安定して保持することができる。また、ホルダー部材6を線バネにより形成することにより、曲げ加工によりホルダー部材6を容易に製造することができる。
【0067】
第1実施形態では、上記のように、ホルダー部材6は、接地パターン51が設けられる回路基板(パネル用回路基板5)の後面52とは反対側の回路基板の前面53に接触する反対面側接触部62を含み、弾性変形した接地パターン接触部60により、反対面側接触部62に回路基板を押し付けて挟み込んだ状態で保持するように構成されている。これによって、接地パターン接触部60のたわみ変形による弾性力を利用して、接地パターン接触部60と反対面側接触部62との間で、回路基板を挟持することができる。したがって、ホルダー部材6により、回路基板を安定して保持することができる。
【0068】
第1実施形態では、上記のように、接地パターン接触部60は、接地パターン51に接触する部分であり、接地パターン51に向けて膨らむ凸状に形成されている。これによって、弾性変形した凸状の接地パターン接触部60により、ホルダー部材6を接地パターン51に容易に接触させることができる。
【0069】
第1実施形態では、上記のように、パネル用回路基板5は、リアフレーム41の一端41bに沿って延びる長辺50を有する矩形状に形成されており、ホルダー部材6は、パネル用回路基板5の短手方向において、パネル用回路基板5の短辺の両側から、ホルダー部材6に対するパネル用回路基板5の移動を規制する短手方向側規制部63を含み、短手方向側規制部63は、パネル用回路基板5との間に所定の隙間Cを有し、ホルダー部材6は、隙間Cによって、表示パネル3の移動に伴いリアフレーム41に対してパネル用回路基板5が移動可能な状態で、パネル用回路基板5を保持するように構成されている。これによって、短手方向側規制部63により、表示パネル3が移動する際に、パネル用回路基板5の短辺方向においてフレキシブル配線基板Fに作用する応力を緩和することができるとともに、所定の隙間Cにより必要以上のパネル用回路基板5の移動を規制することができる。
【0070】
第1実施形態では、上記のように、パネル用回路基板5は、リアフレーム41の一端41bに沿って延びる長辺50を有する矩形状に形成されており、リアフレーム41の一端41bに近い側の一方の長辺50にフレキシブル配線基板Fが接続されており、ホルダー部材6は、一方の長辺50が他方の長辺よりも表示パネル3の近くである前方に位置するように、表示パネル3の表示面3aに対して傾斜した状態で、パネル用回路基板5を保持している。ここで、一般的に、回路基板に接続されたフレキシブル配線基板は、回路基板の厚み方向に直交する方向に向けて回路基板から導出される。このため、上記のように構成することによって、フレキシブル配線基板Fを回路基板の直下に向けて回路基板から導出する場合と比較して、傾斜によってフレキシブル配線基板Fを表示パネル3側に向けて回路基板から導出することができるので、フレキシブル配線基板Fをより短く形成することができる。
【0071】
[第2実施形態]
次に、図1および図8を参照して、第2実施形態の表示装置200について説明する。この第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、ホルダー部材206がパネル用回路基板5を取り囲む状態で保持する例について説明する。なお、第1実施形態と同様の部分は同一の符号を付し、説明を省略する。
【0072】
図1および図8に示す第2実施形態の表示装置200は、ホルダー部材206を備えている。
【0073】
ホルダー部材206は、接地パターン接触部260を含んでいる。接地パターン接触部260は、下方側(Z2方向側)の端部にフック部260aを有している。
【0074】
ホルダー部材206には、接地パターン接触部260のフック部260aが係合する係合部206aと、トーションばね部206bとが設けられている。ホルダー部材206は、線バネにより形成されている。
【0075】
第2実施形態のホルダー部材206は、接地パターン接触部260および取付部61を介して、パネル用回路基板5の接地パターン51をリアフレーム41に導通させるように構成されている。
【0076】
ホルダー部材206は、パネル用回路基板5の左右方向(X方向)に直交する断面視において、パネル用回路基板5を取り囲む状態で保持している。
【0077】
詳細には、接地パターン接触部260のフック部260aは、接地パターン51に接触する凸状部分からさらに下方(Z2方向)に延びており、パネル用回路基板5の下端側で係合部206aに係合している。ホルダー部材206は、接地パターン接触部260のフック部260aが係合部206aに係合した状態で、パネル用回路基板5を取り囲む環状となる。
【0078】
トーションばね部206bは、接地パターン接触部260の上方側の根元部分に形成されている。トーションばね部206bは、接地パターン接触部260を接地パターン51に向けて付勢する力を発生させるように構成されている。
【0079】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0080】
第2実施形態では、上記のように、ホルダー部材206を、接地パターン51に接触する接地パターン接触部260と、リアフレーム41に対してホルダー部材206を接触させた状態で取り付ける取付部61とを含み、接地パターン接触部260および取付部61を介して、接地パターン51をリアフレーム41に導通させるように構成する。これによって、上記第1実施形態と同様に、回路基板(パネル用回路基板5)の接地(グランド)および回路基板のリアフレーム41への取り付けのための構造を簡素化することができる。
【0081】
第2実施形態では、上記のように、ホルダー部材206は、線バネにより形成されており、回路基板(パネル用回路基板5)の断面視において、回路基板を取り囲む状態で保持している。このように構成すれば、ホルダー部材206により回路基板を取り囲む状態で保持することができるので、回路基板を安定して保持することができる。
【0082】
第2実施形態のその他の効果は上記第1実施形態と同様である。
【0083】
[第3実施形態]
次に、図1および図9を参照して、第3実施形態の表示装置300について説明する。この第3実施形態では、ホルダー部材6を線バネにより形成した第1実施形態とは異なり、ホルダー部材6を板バネにより形成する例について説明する。なお、第1実施形態と同様の部分は同一の符号を付し、説明を省略する。
【0084】
図1および図9に示す表示装置300は、ホルダー部材306と、リアフレーム341とを備えている。
【0085】
ホルダー部材306は、金属製の板バネにより形成されている。
【0086】
ホルダー部材306は、板状の取付部361を含んでいる。リアフレーム341は、板状の挟持部341aを含んでいる。
【0087】
第3実施形態のホルダー部材306は、接地パターン接触部60および取付部361を介して、パネル用回路基板5の接地パターン51をリアフレーム341に導通させるように構成されている。
【0088】
リアフレーム341の挟持部341aは、板状の取付部361を、リアフレーム341の後面41cに押し付けることにより、ホルダー部材306を挟持するように構成されている。これにより、ホルダー部材306は、リアフレーム341に面接触状態で取り付けられる。挟持部341aは、左右方向(X方向)に並ぶ一対の構成である。
【0089】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0090】
第3実施形態では、上記のように、ホルダー部材306を、接地パターン51に接触する接地パターン接触部60と、リアフレーム341に対してホルダー部材306を接触させた状態で取り付ける取付部361とを含み、接地パターン接触部60および取付部361を介して、接地パターン51をリアフレーム341に導通させるように構成する。これによって、上記第1実施形態と同様に、回路基板(パネル用回路基板5)の接地(グランド)および回路基板のリアフレーム341への取り付けのための構造を簡素化することができる。
【0091】
第3実施形態では、上記のように、ホルダー部材306は、金属製の板材により形成された板バネにより形成されており、接地パターン接触部60は、弾性変形した状態で接地パターン51に接触するように構成されている。これによって、板バネの弾性力により、接地パターン接触部60と接地パターン51との接触状態を安定して保持することができる。また、ホルダー部材306を板バネにより形成することにより、回路基板(パネル用回路基板5)との大きな接触面積を確保することができるので、接地パターン接触部60と接地パターン51との接触状態をより安定して保持することができる。
【0092】
第3実施形態のその他の効果は上記第1実施形態と同様である。
【0093】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0094】
たとえば、上記第1~第3実施形態では、本発明の表示装置を、テレビジョン装置に適用した例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明を、テレビジョン装置以外の表示装置に適用してもよい。
【0095】
また、上記第1~第3実施形態では、1つの回路基板を、2つのホルダー部材により保持した例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、1つの回路基板を、1つ、または、3つ以上のホルダー部材により保持してもよい。
【0096】
また、上記第1~第3実施形態では、表示装置が、2つの回路基板を備える例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、表示装置が1つ、または、3つ以上の回路基板を備えていてもよい。
【0097】
また、上記第1~第3実施形態では、フレキシブル配線基板が、1つのパネル用回路基板に対して3つ設けられる例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、フレキシブル配線基板が、1つのパネル用回路基板に対して1つ、2つ、または、4つ以上設けられていてもよい。
【0098】
また、上記第1~第3実施形態では、接地パターンが、1つのパネル用回路基板に対して2つ設けられている例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、接地パターンが、1つのパネル用回路基板に対して、1つ、または、3つ以上設けられていてもよい。
【0099】
また、上記第1~第3実施形態では、表示装置が、下端側に回路基板(ホルダ―部材)を備える例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、表示装置が、上端側、右方の端部側、または、左方の端部側に回路基板(ホルダ―部材)を備えていてもよい。
【0100】
また、上記第1~第3実施形態では、接地パターンを回路基板の後面に設けた例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、接地パターンを回路基板の前面に設けてもよい。
【0101】
また、上記第1~第3実施形態では、本発明の回路基板を、パネル用回路基板に適用した例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明の回路基板を、リモコン信号を受信する素子が設けられた基板などに適用してもよい。
【0102】
また、上記第1~第3実施形態では、パネル用回路基板を、表示面に対して傾斜させた例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明の回路基板を、パネル用回路基板を、表示面に対して平行に配置してもよい。
【符号の説明】
【0103】
3 表示パネル
3a 表示面
5 パネル用回路基板(回路基板)
6、206、306 ホルダー部材
41、341 リアフレーム
41b 一端
41c 後面
50 長辺
51 接地パターン
52 後面(接地パターンが設けられる回路基板の面)
53 前面(反対面)
60、260 接地パターン接触部
61、361 取付部
62 反対面側接触部
63 短手方向側規制部
100、200、300 表示装置
100a 表示装置本体
C 隙間
F フレキシブル配線基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9