(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054963
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】押圧装置
(51)【国際特許分類】
B66F 3/12 20060101AFI20240411BHJP
F16H 25/20 20060101ALI20240411BHJP
F16H 21/10 20060101ALI20240411BHJP
F16H 21/20 20060101ALI20240411BHJP
F16F 1/04 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
B66F3/12 A
F16H25/20 E
F16H21/10 F
F16H21/20 B
F16F1/04
B66F3/12 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022161458
(22)【出願日】2022-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】瀬野 秀英
(72)【発明者】
【氏名】小川 教喜
【テーマコード(参考)】
3J059
3J062
【Fターム(参考)】
3J059BA01
3J059BD01
3J059GA01
3J062AA60
3J062AB21
3J062AB27
3J062AC07
3J062CB02
3J062CB23
3J062CB27
3J062CB32
3J062CD02
3J062CD22
3J062CG83
(57)【要約】
【課題】押圧対象物の位置が第1方向に変動する場合であっても押圧状態が維持され易い押圧装置を実現する。
【解決手段】ベース部材11と、ベース部材11に対して第1方向Zに移動する押圧部材12と、リンク機構20と、駆動装置50と、連結機構60と、を備え、リンク機構20は、ベース部材11に対する位置が固定された固定支点41と、駆動装置50によって駆動され、第2方向Xに沿って移動する被駆動支点42と、押圧部材12に対する位置が固定され、被駆動支点42の移動に連動して第1方向Zに移動する移動支点43と、を備え、駆動装置50は、駆動軸55に設けられた第1ねじ部と、第2ねじ部を備えた被駆動部材56と、を備え、連結機構60は、被駆動支点42に対する位置が固定された連結部材61と、被駆動部材56と連結部材61との間に弾性力を作用させるばね部材と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部材と、
前記ベース部材に対して予め定められた第1方向に移動して、押圧対象物に押し付けられた押圧状態と前記押圧対象物から分離した分離状態とに状態変化する押圧部材と、
前記ベース部材と前記押圧部材とを連結するリンク機構と、
前記リンク機構を駆動する駆動装置と、
前記リンク機構と前記駆動装置とを連結する連結機構と、
を備えた押圧装置であって、
前記リンク機構は、
前記ベース部材に対する位置が固定された固定支点と、
前記駆動装置によって駆動され、予め定められた第2方向に沿って移動する被駆動支点と、
前記押圧部材に対する位置が固定され、前記被駆動支点の移動に連動して前記第1方向に移動する移動支点と、
を備え、
前記駆動装置は、
駆動源と、
前記第2方向に沿って配置され、前記駆動源によって回転駆動される駆動軸と、
前記駆動軸に設けられた第1ねじ部と、
前記第1ねじ部に螺合する第2ねじ部を備え、前記駆動軸の回転に応じて前記第2方向に沿って移動する被駆動部材と、
を備え、
前記連結機構は、
前記被駆動支点に対する位置が固定された連結部材と、
前記第2方向の弾性を有し、前記被駆動部材と前記連結部材との間に弾性力を作用させるばね部材と、
を備える、押圧装置。
【請求項2】
前記第1方向に沿う第1方向視で、前記第2方向に直交する方向を第3方向として、
前記リンク機構は、それぞれ前記固定支点と前記被駆動支点と前記移動支点とを備えて互いに同じ動作を行う第1リンクセットと第2リンクセットとを備え、
前記第1リンクセットと前記第2リンクセットとは、前記第3方向に離間して配置され、
前記連結部材は、前記第1リンクセットの前記被駆動支点と前記第2リンクセットの前記被駆動支点とを連結するように構成され、
前記駆動軸、前記被駆動部材、前記連結部材、及び、前記ばね部材が、前記第3方向における前記第1リンクセットと前記第2リンクセットとの間に配置されている、請求項1に記載の押圧装置。
【請求項3】
前記第2方向における前記被駆動支点に対して前記固定支点が配置された側を第2方向第1側として、
前記駆動源は、前記固定支点よりも前記第2方向第1側に配置され、
前記連結部材は、前記第1リンクセットの前記被駆動支点に取り付けられた第1取付部と、前記第2リンクセットの前記被駆動支点に取り付けられた第2取付部と、前記第1取付部から前記第2方向第1側に延在する第1延在部と、前記第2取付部から前記第2方向第1側に延在する第2延在部と、前記第1取付部及び前記第2取付部に対して前記第2方向第1側において前記第1延在部と前記第2延在部とを前記第3方向に接続する接続部と、を備え、
前記被駆動部材は、前記第1延在部と前記第2延在部との前記第3方向の間であって、前記第3方向に沿う第3方向視で前記第1延在部及び前記第2延在部と重複する位置に配置され、
前記ばね部材は、圧縮ばねであり、前記第1延在部と前記第2延在部との前記第3方向の間であって、前記被駆動部材と前記接続部との前記第2方向の間に挟まれて配置されている、請求項2に記載の押圧装置。
【請求項4】
前記リンク機構は、
前記被駆動支点の移動に連動して前記第1方向に沿う第1方向視で前記第2方向に沿って前記被駆動支点とは反対側に移動する連動支点と、
前記固定支点として前記第2方向に並んで配置された第1固定支点及び第2固定支点と、
前記移動支点として前記第2方向に並んで配置された第1移動支点及び第2移動支点と、
前記第1固定支点と前記被駆動支点とを接続する第1リンクと、
前記第1移動支点と前記被駆動支点とを接続する第2リンクと、
前記第2固定支点と前記連動支点とを接続する第3リンクと、
前記第2移動支点と前記連動支点とを接続する第4リンクと、
前記第1固定支点と同軸に前記第1リンクに固定された第1ギヤと、
前記第1移動支点と同軸に前記第2リンクに固定された第2ギヤと、
前記第2固定支点と同軸に前記第3リンクに固定された第3ギヤと、
前記第2移動支点と同軸に前記第4リンクに固定された第4ギヤと、
を備え、
前記第1ギヤと前記第3ギヤとが噛み合っており、前記第2ギヤと前記第4ギヤとが噛み合っている、請求項1から3のいずれか一項に記載の押圧装置。
【請求項5】
前記ベース部材は、駆動輪を備えた牽引車両に固定され、
前記押圧対象物は、前記牽引車両により牽引される被牽引車両に設けられた被係合部であり、
前記押圧部材は、前記被係合部に係合する係合部を備え、
前記第1方向は上下方向に沿う方向であり、
前記押圧部材が前記押圧対象物に対して下側から押圧されることにより、前記係合部が前記被係合部に係合し、
前記押圧部材が前記押圧対象物から受ける反力により、前記駆動輪が路面に押し付けられる、請求項1から3のいずれか一項に記載の押圧装置。
【請求項6】
前記駆動装置を制御する制御装置を更に備え、
前記制御装置は、前記被牽引車両の重量が大きくなるに従って、前記ばね部材のたわみ量が大きくなるように、前記駆動源による前記駆動軸の回転量を制御する、請求項5に記載の押圧装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押圧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ベース部材と、ベース部材に対して予め定められた第1方向に移動して押圧対象物に押し付けられた押圧状態と押圧対象物から分離した分離状態とに状態変化する押圧部材と、を備える押圧装置が知られている。特許文献1には、ベース部材(基台枠26)と、押圧部材(荷受枠25)と、を備える押圧装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の押圧装置は、押圧部材が押圧対象物に押し付けられた押圧状態で、ベース部材と押圧部材との距離が固定されているため、ベース部材に対する押圧対象物の第1方向の位置が変動する場合には、押圧状態を維持できなくなるという問題があった。
【0005】
そこで、押圧対象物の位置が第1方向に変動する場合であっても押圧状態が維持され易い押圧装置の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る押圧装置は、ベース部材と、前記ベース部材に対して予め定められた第1方向に移動して、押圧対象物に押し付けられた押圧状態と前記押圧対象物から分離した分離状態とに状態変化する押圧部材と、前記ベース部材と前記押圧部材とを連結するリンク機構と、前記リンク機構を駆動する駆動装置と、前記リンク機構と前記駆動装置とを連結する連結機構と、を備えた押圧装置であって、前記リンク機構は、前記ベース部材に対する位置が固定された固定支点と、前記駆動装置によって駆動され、予め定められた第2方向に沿って移動する被駆動支点と、前記押圧部材に対する位置が固定され、前記被駆動支点の移動に連動して前記第1方向に移動する移動支点と、を備え、前記駆動装置は、駆動源と、前記第2方向に沿って配置され、前記駆動源によって回転駆動される駆動軸と、前記駆動軸に設けられた第1ねじ部と、前記第1ねじ部に螺合する第2ねじ部を備え、前記駆動軸の回転に応じて前記第2方向に沿って移動する被駆動部材と、を備え、前記連結機構は、前記被駆動支点に対する位置が固定された連結部材と、前記第2方向の弾性を有し、前記被駆動部材と前記連結部材との間に弾性力を作用させるばね部材と、を備える。
【0007】
本構成によれば、駆動源の駆動力を被駆動部材の第2方向の駆動力に変換し、被駆動支点を第2方向に沿って往復移動させることで、移動支点が固定された押圧部材を第1方向に移動させ、当該押圧部材を押圧対象物に押し付けることができる。また、押圧部材が押圧対象物に当接した状態から更に押圧部材を押圧対象物に押し付ける方向に被駆動部材を移動させることで、ばね部材の弾性力を連結部材と被駆動部材とに作用させた状態とすることができる。これにより、押圧部材をばね部材の弾性力に応じた力で押圧対象物に押し付けた状態とすることができると共に、ベース部材に対する押圧対象物の第1方向の位置が変動する場合であっても、押圧部材の第1方向の位置が押圧対象物の移動に追従するので押圧状態が維持され易い。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】
図1の連結部材が第2方向に移動した状態を示す側面図
【
図3】
図1の被駆動部材が第2方向に移動した押圧状態を示す断面図
【
図5】
図1の連結部材が第2方向に移動した状態を示す上面図
【
図6】
図1の被駆動部材が第2方向に移動した押圧状態を示す上面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔第1の実施形態〕
以下では、本実施形態に係る押圧装置10について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る押圧装置10の側面図である。押圧装置10は、ベース部材11と、押圧部材12と、を備えている。また、押圧装置10は、ベース部材11と押圧部材12とを連結するリンク機構20と、リンク機構20を駆動する駆動装置50と、を備えている。ここで、予め定められた方向を第1方向Zとする。本実施形態では、第1方向Zは上下方向に沿う方向である。また、予め定められた方向を第2方向Xとする。本実施形態では、第2方向Xは、上下方向と直交する方向である。また、第2方向Xにおける一方側を第2方向第1側X1とし、他方側を第2方向第2側X2とする。また、第1方向Zに沿う第1方向視で、第2方向Xに直交する方向を第3方向Yとする。
【0010】
本実施形態では、押圧部材12は、ベース部材11に対して予め定められた第1方向Zに移動して、押圧対象物Tに押し付けられた押圧状態と押圧対象物Tから分離した分離状態とに状態変化する。図示の例では、ベース部材11は、底板部11Pを備えている。また、押圧部材12は、押圧対象物Tに押し付けられる天板部12Pを備えている。
図1は、押圧部材12が押圧対象物Tから分離した分離状態を示している。
図2は押圧装置10の側面図であって、押圧部材12が押圧対象物Tに接触した接触状態を示している。
図3は後述の駆動軸55の軸心を含む押圧装置10の断面図であって、押圧部材12が更に押圧対象物Tに押し付けられた押圧状態を示している。
【0011】
本実施形態では、リンク機構20は、ベース部材11に対する位置が固定された第1固定支点41と、駆動装置50によって駆動され、予め定められた第2方向Xに沿って移動する被駆動支点42と、押圧部材12に対する位置が固定され、被駆動支点42の移動に連動して第1方向Zに移動する第1移動支点43と、を備えている。また、リンク機構20は、第1固定支点41と被駆動支点42とを接続する第1リンク21と、第1移動支点43と被駆動支点42とを接続する第2リンク22と、を備えている。ここで、第1固定支点41、被駆動支点42、第1移動支点43、及び、後述する第2固定支点46、連動支点47、第2移動支点48は、それぞれリンク機構20を構成する軸部材の軸心を指すものとする。
【0012】
本実施形態では、リンク機構20は、被駆動支点42の移動に連動して第1方向Zに沿う第1方向視で第2方向Xに沿って被駆動支点42とは反対側に移動する連動支点47と、固定支点として第2方向Xに並んで配置された第1固定支点41及び第2固定支点46と、移動支点として第2方向Xに並んで配置された第1移動支点43及び第2移動支点48と、を備えている。また、リンク機構20は、第2固定支点46と連動支点47とを接続する第3リンク23と、第2移動支点48と連動支点47とを接続する第4リンク24と、を備えている。
【0013】
本実施形態では、リンク機構20は、第1固定支点41と同軸に第1リンク21に固定された第1ギヤ31と、第2固定支点46と同軸に第3リンク23に固定された第3ギヤ33と、を備えている。また、第1ギヤ31と第3ギヤ33とが噛み合っている。また、本実施形態では、リンク機構20は、第1移動支点43と同軸に第2リンク22に固定された第2ギヤ32と、第2移動支点48と同軸に第4リンク24に固定された第4ギヤ34と、を備えている。また、第2ギヤ32と第4ギヤ34とが噛み合っている。
【0014】
本実施形態では、駆動装置50は、駆動源51と、駆動軸55と、被駆動部材56と、を備えている。
図3に示すように、本実施形態の駆動装置50は、駆動軸55に設けられた第1ねじ部55Cを備えている。駆動軸55は、第2方向Xに沿って配置され、駆動源51によって回転駆動される。被駆動部材56は、第1ねじ部55Cに螺合する第2ねじ部56Cを備え、駆動軸55の回転に応じて第2方向Xに沿って移動する。図示の例では、第1ねじ部55Cは、駆動軸55の外周面に設けられた雄ねじ部である。また、被駆動部材56は、ナット状部材であり、第2ねじ部56Cは、被駆動部材56の内周面に設けられた雌ねじ部である。
【0015】
本実施形態では、駆動源51は、第1固定支点41よりも第2方向第1側X1に配置されている。ここで、第2方向第1側X1は、第2方向Xにおける被駆動支点42に対して固定支点41、46が配置された側である。また、本実施形態では、駆動装置50は、被駆動部材56を第2方向Xに沿って移動可能、且つ、被駆動部材56の駆動軸55周りの回転を規制する案内部57(
図4を参照)を備えている。これにより、駆動軸55の回転と共に被駆動部材56が回転することが規制され、被駆動部材56が駆動軸55の回転に応じて第2方向Xに沿って移動する。また、
図1に示す例では、駆動装置50は回転電機である駆動源51と減速機52と軸接手53を備えている。駆動源51の回転は、減速機52により減速されて減速機52の出力軸52Cから軸接手53を介して駆動軸55に伝達される。
【0016】
本実施形態では、押圧装置10は、リンク機構20と駆動装置50とを連結する連結機構60を備えている。この連結機構60は、被駆動支点42に対する位置が固定された連結部材61と、第2方向Xの弾性を有し、被駆動部材56と連結部材61との間に弾性力を作用させるばね部材62と、を備えている。本実施形態では、ばね部材62はコイルばねである。このようにすれば、駆動源51の駆動力を被駆動部材56の第2方向Xの駆動力に変換し、被駆動支点42を第2方向Xに沿って往復移動させることで、第1移動支点43が固定された押圧部材12を第1方向Zに移動させ、当該押圧部材12を押圧対象物Tに押し付けることができる。また、被駆動支点42に固定された連結部材61と被駆動部材56との間がばね部材62によりつながれているため、押圧部材12が押圧対象物Tに当接した状態から更に押圧部材12を押圧対象物Tに押し付ける方向に被駆動部材56を移動させることで、ばね部材62をたわませて当該ばね部材62の弾性力を連結部材61と被駆動部材56とに作用させた状態とすることができる。
【0017】
図4は、
図1の分離状態である押圧装置10の上面を示す図である。
図5は、
図2の接触状態である押圧装置10の上面を示す図である。
図6は、
図3の押圧状態である押圧装置10の上面を示す図である。
図4、
図5、
図6では、押圧部材12の天板部12Pは省略されている。
【0018】
本実施形態では、リンク機構20は、第1リンクセット20Aと第2リンクセット20Bとを備えている。第1リンクセット20Aと第2リンクセット20Bとは、互いに同じ動作を行うように構成されている。第1リンクセット20Aは、第1固定支点41Aと被駆動支点42Aと第1移動支点43Aとを備えている。第2リンクセット20Bは、第1固定支点41Bと被駆動支点42Bと第1移動支点43Bとを備えている。第1リンクセット20Aと第2リンクセット20Bとは、第3方向Yに離間して配置されている。なお、上述の
図1及び
図2では第1リンクセット20Aが示され、
図3では第2リンクセット20Bが示されている。
【0019】
本実施形態では、連結部材61は、第1リンクセット20Aの被駆動支点42Aと第2リンクセット20Bの被駆動支点42Bとを連結するように構成されている。また、駆動軸55、被駆動部材56、連結部材61、及び、ばね部材62は、第3方向Yにおける第1リンクセット20Aと第2リンクセット20Bとの間に配置されている。このようにすれば、押圧装置10の第2方向Xの寸法を小さく抑え易い。
【0020】
本実施形態では、連結部材61は、第1リンクセット20Aの被駆動支点42Aに取り付けられた第1取付部64Aと、第2リンクセット20Bの被駆動支点42Bに取り付けられた第2取付部64Bと、を備えている。また、連結部材61は、第1取付部64Aから第2方向第1側X1に延在する第1延在部65Aと、第2取付部64Bから第2方向第1側X1に延在する第2延在部65Bと、を備えている。また、連結部材61は、第1取付部64A及び第2取付部64Bに対して第2方向第1側X1において第1延在部65Aと第2延在部65Bとを第3方向Yに接続する接続部66と、を備えている。図示の例では、連結部材61はU字状部材である。また、連結部材61の第1延在部65A及び第2延在部65Bに、上述の案内部57が設けられている。ここで、ある方向に「延在する」とは、当該方向を基準方向とし、少なくとも前記基準方向へ向かう成分を有していることを指す。好適には、前記基準方向へ向かう成分を、前記基準方向に直交する方向へ向かう成分よりも多く有していることを指す。
【0021】
本実施形態では、被駆動部材56は、第1延在部65Aと第2延在部65Bとの第3方向Yの間であって、第3方向Yに沿う第3方向視で第1延在部65A及び第2延在部65Bと重複する位置に配置されている。また、ばね部材62は圧縮ばねであり、第1延在部65Aと第2延在部65Bとの第3方向Yの間であって、被駆動部材56と接続部66との第2方向Xの間に挟まれて配置されている。図示の例では、接続部66には駆動軸55が挿通する貫通孔66Cが設けられている。ここで、2つの部材の配置に関して、「特定方向視で重複する」とは、その視線方向に平行な仮想直線を当該仮想直線に直交する各方向に移動させた場合に、当該仮想直線が2つの部材の双方に交わる領域が存在することを指す。
【0022】
図示の例では、第1リンクセット20Aは、リンク機構20と同様に、連動支点47Aと、第2固定支点46Aと、第2移動支点48Aと、第1リンク21Aと、第2リンク22Aと、第3リンク23Aと、第4リンク24Aと、第1ギヤ31Aと、第3ギヤ33Aと、を備えている。第1ギヤ31Aと第3ギヤ33Aとは、噛み合っている。また、本実施形態では、第1リンクセット20Aは、第2ギヤ32Aと、第4ギヤ34Aと、を備えている。また、第2ギヤ32Aと第4ギヤ34Aとが噛み合っている。
【0023】
図示の例では、第2リンクセット20Bは、リンク機構20と同様に、連動支点47Bと、第2固定支点46Bと、第2移動支点48Bと、第1リンク21Bと、第2リンク22Bと、第3リンク23Bと、第4リンク24Bと、第1ギヤ31Bと、第3ギヤ33Bと、を備えている。第1ギヤ31Bと第3ギヤ33Bとは、噛み合っている。また、本実施形態では、第2リンクセット20Bは、第2ギヤ32Bと、第4ギヤ34Bと、を備えている。また、第2ギヤ32Bと第4ギヤ34Bとが噛み合っている。
【0024】
本実施形態では、リンク機構20には、駆動源取付部70が設けられている。図示の例では、駆動源取付部70は、第1リンクセット20Aの連動支点47Aと、第2リンクセット20Bの連動支点47Bとを連結する連動支点連結部材75と一体に設けられている。また、本実施形態では、駆動源51は、第1リンクセット20Aの第1固定支点41A及び第2リンクセット20Bの第1固定支点41Bよりも第2方向第1側X1に配置されている。
【0025】
本実施形態では、駆動源取付部70は、軸接手53及び減速機52を介して駆動源51を支持している。また、駆動源取付部70は、軸受72を介して駆動軸55を支持している。すなわち、本実施形態では、駆動軸55が被駆動部材56と駆動源取付部70とに支持されている。本実施形態では、軸受72は円すいころ軸受が用いられているが、他のラジアルころ軸受、ラジアル玉軸受、滑り軸受等が用いられてもよい。好適には、第2方向Xにおける被駆動部材56の移動範囲は、第3方向Yに沿う第3方向視で被駆動支点42と連動支点47との中間点よりも被駆動支点42側であることが望ましい。更に好適には、第3方向Yに沿う第3方向視で被駆動部材56が被駆動支点42と重複する範囲内であることが望ましい。このようにすれば、被駆動部材56と軸受72とによる駆動軸55の支持が安定し易い。
【0026】
以下に、本実施形態の押圧部材12の状態変化について、
図1から
図6を用いて説明する。
図1及び
図4は、押圧部材12が押圧対象物Tから分離した「分離状態」であり、ばね部材62が被駆動部材56と連結部材61との間に弾性力を作用させていない状態である。この状態から、駆動源51によって駆動軸55が回転駆動されると、被駆動部材56が第2方向第1側X1に移動する。被駆動部材56が移動するとばね部材62を介して連結部材61及び被駆動支点42が第2方向第1側X1に移動する。被駆動支点42は、押圧部材12が押圧対象物Tに接触した「接触状態」になると第2方向第1側X1への移動を停止する。
【0027】
図2及び
図5は、上記の「接触状態」を示している。この状態から、更に、駆動源51によって駆動軸55が回転駆動されると被駆動部材56が第2方向第1側X1に移動する。しかし、連結部材61が停止しているので、連結部材61と被駆動部材56との間でばね部材62が撓み、押圧部材12が押圧対象物Tに押し付けられた「押圧状態」となる。
【0028】
図3及び
図6は、上記の「押圧状態」を示している。
図3及び
図6に示す押圧状態では、ベース部材11に対する押圧対象物Tの位置が、第1方向Zのどちら側に変動しても押圧部材12の第1方向Zの位置を押圧対象物Tの移動に追従させて押圧状態を維持することができる。本実施形態では、「分離状態」及び「接触状態」では、ばね部材62は被駆動部材56と連結部材61との間に弾性力を作用させていないが、「分離状態」及び「接触状態」において、ばね部材62が被駆動部材56と連結部材61との間に弾性力を作用させるように構成されていてもよい。
【0029】
図7は、押圧装置10を備えた牽引車両80と、被牽引車両90と、を示す図である。本実施形態では、押圧対象物Tは、牽引車両80により牽引される被牽引車両90である。被牽引車両90は被係合部95を備えている。また、本実施形態では、被係合部95が、押圧部材12が押し付けられる押圧対象物Tである。
【0030】
本実施形態では、被牽引車両90は車輪91を備えている。また、被牽引車両90は、物品Wを載置する載置台を備えている。図示の例では、物品Wは車のボディである。図示の例では、被係合部95は、被押圧面と孔部を備えた凹部である。被係合部95の孔部の形状は、例えば、第2方向Xに長い長穴、楕円、正円等である。
【0031】
本実施形態では、ベース部材11は、駆動輪81を備えた牽引車両80に固定されている。また、押圧部材12は、被係合部95に係合する係合部85を備えている。図示の例では、係合部85は、押圧面と係合ピンを備えた凸部である。
【0032】
本実施形態では、押圧部材12が押圧対象物Tに対して下側から押圧されることにより、係合部85が被係合部95に係合する。また、押圧部材12が押圧対象物Tから受ける反力により、駆動輪81が路面Gに押し付けられる。このようにすれば、押圧装置10による押圧によって、牽引車両80にベース部材11が固定された押圧装置10の係合部85と被牽引車両90の被係合部95とを係合することができると共に、牽引車両80の駆動輪81を路面Gに押し付けて、駆動輪81の摩擦力を大きく確保することができる。従って、被牽引車両90の重量が大きい場合であっても、牽引車両80の駆動輪81のスリップを少なく抑え易い。また、路面Gの勾配の変化や凹凸に起因して、ベース部材11に対する押圧対象物Tの第1方向Zの位置が変動する場合であっても、押圧部材12の第1方向Zの位置を押圧対象物Tの移動に追従させて押圧状態を維持し易い。
【0033】
本実施形態において、ばね部材62のたわみ量Δx(mm)が、ベース部材11に対する押圧対象物Tの第1方向Zの位置が最大限変位した場合でも押圧部材12が押圧対象物Tから分離しないように設定されていてもよい。このようにすれば、押圧部材12による押圧対象物Tの押圧状態を適切に維持することができる。このような設定は、予めベース部材11に対する押圧対象物Tの第1方向Zの位置の最大限変位を算出し、ばね部材62のたわみ量Δxを当該最大限変位よりも大きい値に設定することで実現できる。ばね部材62のたわみ量Δxは、例えば、駆動装置50による駆動軸55の回転駆動により設定できる。
【0034】
図示の例では、上側に突き出した係合部85の係合ピンの側面と下側に開口を有する孔部の側面が接触して、牽引車両80の駆動力が被牽引車両90に伝達されることにより、被牽引車両90が牽引される。また、図示の例では、押圧状態において係合部85の係合ピンと被係合部95の孔部の底は接触しない。路面Gとしては、建物の床、道路、軌条の上面等が例として挙げられる。牽引車両80としては、無人搬送車、貨物自動車、乗用車、列車等が例として挙げられる。被牽引車両90は、車輪91に代えて滑走面を備えるものであってもよい。被牽引車両90としては、物品搬送用の台車、貨物自動車、乗用車、列車等が例として挙げられる。
【0035】
本実施形態では、押圧装置10は駆動装置50を制御する制御装置100を備えている。制御装置100は、被牽引車両90の重量が大きくなるに従って、ばね部材62のたわみ量Δxが大きくなるように、駆動源51による駆動軸55の回転量を制御する。このようにすれば、被牽引車両90の重量が大きくなるに従って押圧装置10による押圧力Fが大きくなるようにすることができる。すなわち、被牽引車両90の重量が大きくなるに従って牽引車両80の駆動輪81を路面Gに強く押し付けることができるので、駆動輪81のスリップを少なく抑え易い。本実施形態では、被牽引車両90の重量には、物品Wの重量を含んでいる。
【0036】
本実施形態において、押圧力Fが、押圧対象物Tを第1方向Zに変位させることが可能な大きさよりも小さい値に設定されていてもよい。押圧力F(N)は、例えば、ばね部材62のたわみ量Δx(mm)と、ばね部材62のばね定数K(N/mm)と、リンク機構20における力の増減率Cr(%)と、を用いて以下の式(1)で示される。
F=K×Δx×Cr・・・(1)
また、押圧力F(N)の最大値が、被牽引車両90の重量(N)の最小値よりも小さい値に設定されていてもよい。被牽引車両90の重量の最小値は、例えば、物品Wを載せていない被牽引車両90の重量である。
【0037】
本実施形態では、制御装置100は、上位制御装置110から被牽引車両90の重量情報を取得する。被牽引車両90の重量情報としては、例えば、被牽引車両90の種類、物品Wの種類、物品Wの有無等が挙げられる。また、被牽引車両90の重量情報が、図示しない重量計により測定された被牽引車両90や物品Wの実際の重量であってもよい。
【0038】
〔第2の実施形態〕
以下では、第2の実施形態に係る押圧装置10について図面を参照して説明する。本実施形態では、ばね部材62が引張ばねであり、連結部材61が第1延在部65Aと第2延在部65Bとを備えない点で第1の実施形態と異なっている。以下では、第1の実施形態との相違点を中心として説明する。なお、特に説明しない点については、第1の実施形態と同様とする。
【0039】
図8は、第2の実施形態に係る押圧装置10の上面図であって、第1の実施形態における
図4に相当する図である。
図8において、押圧部材12は押圧対象物Tから分離した分離状態となっている。本実施形態では、連結部材61は、第1リンクセット20Aの被駆動支点42Aに取り付けられた第1取付部64Aと、第2リンクセット20Bの被駆動支点42Bに取り付けられた第2取付部64Bと、第1取付部64Aと第2取付部64Bとを第3方向Yに接続する接続部66と、を備えている。また、ばね部材62は、引張コイルばねであり、第1取付部64Aと第2取付部64Bとの第3方向Yの間であって、被駆動部材56と接続部66との第2方向Xの間に挟まれて配置されている。図示の例では、被駆動支点42に固定された連結部材61と被駆動部材56との間がばね部材62によりつながれている。また、連結部材61には案内部57が形成された案内部材58が第2方向第1側X1に延在するように設けられている。
【0040】
このようにすれば、被駆動支点42に固定された連結部材61と被駆動部材56との間がばね部材62によりつながれているため、押圧部材12が押圧対象物Tに当接した状態から更に押圧部材12を押圧対象物Tに押し付ける方向に被駆動部材56を移動させることで、ばね部材62を伸長させて当該ばね部材62の弾性力を連結部材61と被駆動部材56とに作用させた状態とすることができる。
【0041】
〔第3の実施形態〕
以下では、第3の実施形態に係る押圧装置10について図面を参照して説明する。本実施形態では、リンク機構20の種類が異なる点、及び、駆動装置50が減速機52と軸接手53とを備えていない点で、第1の実施形態と異なっている。以下では、第1の実施形態との相違点を中心として説明する。なお、特に説明しない点については、第1の実施形態と同様とする。
【0042】
図9は、第3の実施形態に係る押圧装置10の断面図であって、第1の実施形態における
図3に相当する図である。本実施形態では、連結機構60が第1の実施形態と同様のU字状部材である連結部材61を備え、連結部材61が被駆動支点42と共に、ベース部材11に形成された連結部材案内部11Dにより予め定められた第2方向Xに沿って移動する。また、ベース部材11に、駆動源51を支持する駆動源取付部70が設けられている。本実施形態では、第1移動支点43が第1固定支点41を中心とした円運動を行うため、円運動を第1方向Zに沿った運動に変換する変換機構が押圧装置10に更に設けられてもよい。なお、
図9では示されていないが、本実施形態のリンク機構20は、第1リンクセット20Aと第2リンクセット20Bとを備えている。
【0043】
〔第4の実施形態〕
以下では、第4の実施形態に係る押圧装置10について図面を参照して説明する。本実施形態では、リンク機構20の種類が異なる点、及び、駆動装置50が減速機52と軸接手53とを備えていない点で、第1の実施形態と異なっている。以下では、第1の実施形態との相違点を中心として説明する。なお、特に説明しない点については、第1の実施形態と同様とする。
【0044】
図10は、第4の実施形態に係る押圧装置10の断面図であって、第1の実施形態における
図3に相当する図である。本実施形態では、連結機構60が第1の実施形態と同様のU字状部材である連結部材61を備え、連結部材61が被駆動支点42と共に、ベース部材11に形成された連結部材案内部11Dにより予め定められた第2方向Xに沿って移動する。また、ベース部材11に、駆動源51を支持する駆動源取付部70が設けられている。本実施形態では、第1移動支点43が第1固定支点41を中心とした円運動を行うため、円運動を第1方向Zに沿った運動に変換する変換機構が押圧装置10に更に設けられてもよい。なお、
図10では示されていないが、本実施形態のリンク機構20は、第1リンクセット20Aと第2リンクセット20Bとを備えている。
【0045】
〔第5の実施形態〕
以下では、第5の実施形態に係る押圧装置10について図面を参照して説明する。本実施形態では、リンク機構20の種類が異なる点、及び、駆動装置50が減速機52と軸接手53とを備えていない点で、第1の実施形態と異なっている。以下では、第1の実施形態との相違点を中心として説明する。なお、特に説明しない点については、第1の実施形態と同様とする。
【0046】
図11は、第5の実施形態に係る押圧装置10の断面図であって、第1の実施形態における
図3に相当する図である。本実施形態では、連結機構60が第1の実施形態と同様のU字状部材である連結部材61を備え、連結部材61が被駆動支点42と共に、ベース部材11に形成された連結部材案内部11Dにより予め定められた第2方向Xに沿って移動する。また、ベース部材11に、駆動源51を支持する駆動源取付部70が設けられている。なお、
図11では示されていないが、本実施形態のリンク機構20は、第1リンクセット20Aと第2リンクセット20Bとを備えている。また、本実施形態のリンク機構20は、第3の実施形態及び第4の実施形態と異なり、第1方向Zに沿って移動するように第1移動支点43を案内する移動支点案内部11Eがベース部材11に形成されている。なお、本実施形態の天板部12Pにおいて、天板部12Pを第1方向Zに沿って安定的に移動させる図示しない天板案内部が更に設けられてもよい。
【0047】
〔その他の実施形態〕
次に、押圧装置10のその他の実施形態について説明する。
【0048】
(1)上記の実施形態では、押圧装置10が牽引車両80に備えられ、牽引車両80の駆動輪81を路面Gに押し付ける構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、押圧装置10が移載装置のチャック機構、搬送装置における物品保持機構等に備えられてもよい。
【0049】
(2)上記の実施形態では、押圧装置10が駆動装置50を制御する制御装置100を備える構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、押圧装置10が制御装置100を備えず、駆動装置50が作業者により操作される構成であってもよい。
【0050】
(3)上記の実施形態では、ばね部材62がコイルばねである構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、ばね部材62が板ばねや複数枚の皿ばねを重ねた構成であってもよい。
【0051】
(4)上記の実施形態では、第1方向Zが上下方向に沿う方向であり、第2方向Xが上下方向と直交する方向である構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、第1方向Zが上下方向に対して傾斜した方向でもよく、水平方向であってもよい。また、例えば、第1方向Zと第2方向Xとが平行であって、被駆動支点42と第1移動支点43とが互いに反対側或いは同じ側に移動する構成であってもよい。
【0052】
(5)上記の実施形態では、押圧部材12が天板部12Pと凸部である係合部85を備え、押圧対象物Tが凹部である被係合部95を備える構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、押圧部材12が天板部12Pを備えていなくてもよい。また、ベース部材11が底板部11Pを備えていなくてもよい。また、例えば、係合部85が凹部であり、被係合部95が凸部であってもよい。被係合部95が貫通孔であってもよい。また、押圧部材12が係合部85を備えず、押圧対象物Tが被係合部95を備えていなくてもよい。
【0053】
(6)上記の実施形態では、被駆動部材56を案内する案内部57を駆動装置50が備え、第1ねじ部55Cが雄ねじ部であり、第2ねじ部56Cが雌ねじ部である構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、駆動装置50が案内部57を備えず、第1ねじ部55Cが筒状の駆動軸55の内周面に設けられた雌ねじ部であり、被駆動部材56が駆動軸55の雌ねじ部に螺合する雄ねじ部である第2ねじ部56Cを備えたボルト状部材であってもよい。
【0054】
(7)上記の実施形態では、被駆動部材56を案内する案内部57が連結部材61に形成されている構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、駆動源取付部70や連動支点連結部材75に案内部57が形成される構成であってもよい。また、第2の実施形態において、案内部57が形成された案内部材58が駆動源取付部70や連動支点連結部材75に固定されていてもよい。また、第3の実施形態、第4の実施形態、第5の実施形態において、案内部57がベース部材11に形成されていてもよい。
【0055】
(8)第1の実施形態では、軸受72を備える駆動源取付部70と連動支点連結部材75とが一体に設けられている構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、駆動源取付部70と連動支点連結部材75とが別体に設けられてもよい。また、例えば、軸受72が連動支点連結部材75に備えられ、駆動源取付部70が連結部材61に設けられる構成であってもよい。
【0056】
(9)なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0057】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した押圧装置について説明する。
【0058】
本開示に係る押圧装置は、ベース部材と、前記ベース部材に対して予め定められた第1方向に移動して、押圧対象物に押し付けられた押圧状態と前記押圧対象物から分離した分離状態とに状態変化する押圧部材と、前記ベース部材と前記押圧部材とを連結するリンク機構と、前記リンク機構を駆動する駆動装置と、前記リンク機構と前記駆動装置とを連結する連結機構と、を備えた押圧装置であって、前記リンク機構は、前記ベース部材に対する位置が固定された固定支点と、前記駆動装置によって駆動され、予め定められた第2方向に沿って移動する被駆動支点と、前記押圧部材に対する位置が固定され、前記被駆動支点の移動に連動して前記第1方向に移動する移動支点と、を備え、前記駆動装置は、駆動源と、前記第2方向に沿って配置され、前記駆動源によって回転駆動される駆動軸と、前記駆動軸に設けられた第1ねじ部と、前記第1ねじ部に螺合する第2ねじ部を備え、前記駆動軸の回転に応じて前記第2方向に沿って移動する被駆動部材と、を備え、前記連結機構は、前記被駆動支点に対する位置が固定された連結部材と、前記第2方向の弾性を有し、前記被駆動部材と前記連結部材との間に弾性力を作用させるばね部材と、を備える。
【0059】
本構成によれば、駆動源の駆動力を被駆動部材の第2方向の駆動力に変換し、被駆動支点を第2方向に沿って往復移動させることで、移動支点が固定された押圧部材を第1方向に移動させ、当該押圧部材を押圧対象物に押し付けることができる。また、押圧部材が押圧対象物に当接した状態から更に押圧部材を押圧対象物に押し付ける方向に被駆動部材を移動させることで、ばね部材の弾性力を連結部材と被駆動部材とに作用させた状態とすることができる。これにより、押圧部材をばね部材の弾性力に応じた力で押圧対象物に押し付けた状態とすることができると共に、ベース部材に対する押圧対象物の第1方向の位置が変動する場合であっても、押圧部材の第1方向の位置が押圧対象物の移動に追従するので押圧状態が維持され易い。
【0060】
一態様として、前記第1方向に沿う第1方向視で、前記第2方向に直交する方向を第3方向として、前記リンク機構は、それぞれ前記固定支点と前記被駆動支点と前記移動支点とを備えて互いに同じ動作を行う第1リンクセットと第2リンクセットとを備え、前記第1リンクセットと前記第2リンクセットとは、前記第3方向に離間して配置され、前記連結部材は、前記第1リンクセットの前記被駆動支点と前記第2リンクセットの前記被駆動支点とを連結するように構成され、前記駆動軸、前記被駆動部材、前記連結部材、及び、前記ばね部材が、前記第3方向における前記第1リンクセットと前記第2リンクセットとの間に配置されていると好適である。
【0061】
本構成によれば、一対のリンクセットを備える場合において、これら一対のリンクセットの第3方向の間に駆動軸、被駆動部材、連結部材、及び、ばね部材が配置されているため、これらと一対のリンクセットとが第2方向に並ぶように配置されている場合に比べて、押圧装置の第2方向の寸法を小さく抑え易い。
【0062】
一態様として、前記第2方向における前記被駆動支点に対して前記固定支点が配置された側を第2方向第1側として、前記駆動源は、前記固定支点よりも前記第2方向第1側に配置され、前記連結部材は、前記第1リンクセットの前記被駆動支点に取り付けられた第1取付部と、前記第2リンクセットの前記被駆動支点に取り付けられた第2取付部と、前記第1取付部から前記第2方向第1側に延在する第1延在部と、前記第2取付部から前記第2方向第1側に延在する第2延在部と、前記第1取付部及び前記第2取付部に対して前記第2方向第1側において前記第1延在部と前記第2延在部とを前記第3方向に接続する接続部と、を備え、前記被駆動部材は、前記第1延在部と前記第2延在部との前記第3方向の間であって、前記第3方向に沿う第3方向視で前記第1延在部及び前記第2延在部と重複する位置に配置され、前記ばね部材は、圧縮ばねであり、前記第1延在部と前記第2延在部との前記第3方向の間であって、前記被駆動部材と前記接続部との前記第2方向の間に挟まれて配置されていると好適である。
【0063】
本構成によれば、連結部材により第1リンクセットの被駆動支点と第2リンクセットの被駆動支点とを適切に連結できると共に、当該連結部材により囲まれたスペースに被駆動部材とばね部材とを配置することができる。従って、押圧装置の寸法を小さく抑え易い。
【0064】
一態様として、前記リンク機構は、前記被駆動支点の移動に連動して前記第1方向に沿う第1方向視で前記第2方向に沿って前記被駆動支点とは反対側に移動する連動支点と、前記固定支点として前記第2方向に並んで配置された第1固定支点及び第2固定支点と、前記移動支点として前記第2方向に並んで配置された第1移動支点及び第2移動支点と、前記第1固定支点と前記被駆動支点とを接続する第1リンクと、前記第1移動支点と前記被駆動支点とを接続する第2リンクと、前記第2固定支点と前記連動支点とを接続する第3リンクと、前記第2移動支点と前記連動支点とを接続する第4リンクと、前記第1固定支点と同軸に前記第1リンクに固定された第1ギヤと、前記第1移動支点と同軸に前記第2リンクに固定された第2ギヤと、前記第2固定支点と同軸に前記第3リンクに固定された第3ギヤと、前記第2移動支点と同軸に前記第4リンクに固定された第4ギヤと、を備え、前記第1ギヤと前記第3ギヤとが噛み合っており、前記第2ギヤと前記第4ギヤとが噛み合っていると好適である。
【0065】
本構成によれば、ベース部材と押圧部材との間で第1方向の大きな荷重を支持し易い。また、本構成によれば、ベース部材に対する押圧部材の傾きが規制されるため、押圧部材の姿勢を維持し易い。
【0066】
一態様として、前記ベース部材は、駆動輪を備えた牽引車両に固定され、前記押圧対象物は、前記牽引車両により牽引される被牽引車両に設けられた被係合部であり、前記押圧部材は、前記被係合部に係合する係合部を備え、前記第1方向は上下方向に沿う方向であり、前記押圧部材が前記押圧対象物に対して下側から押圧されることにより、前記係合部が前記被係合部に係合し、前記押圧部材が前記押圧対象物から受ける反力により、前記駆動輪が路面に押し付けられると好適である。
【0067】
本構成によれば、押圧装置による押圧によって、牽引車両の係合部と被牽引車両の被係合部とを係合することができると共に、押圧部材が押圧対象物から受ける反力によって牽引車両の駆動輪を路面に押し付けて、駆動輪の摩擦力を大きく確保することができる。従って、被牽引車両の重量が大きい場合であっても、牽引車両の駆動輪のスリップを少なく抑え易い。
【0068】
一態様として、前記駆動装置を制御する制御装置を更に備え、前記制御装置は、前記被牽引車両の重量が大きくなるに従って、前記ばね部材のたわみ量が大きくなるように、前記駆動源による前記駆動軸の回転量を制御すると好適である。
【0069】
本構成によれば、被牽引車両の重量が大きくなるに従って押圧装置による押圧力が大きくなるようにすることができる。従って、押圧装置による押圧力を適切な大きさにし易いと共に牽引車両の駆動輪のスリップを少なく抑え易い。
【符号の説明】
【0070】
10 :押圧装置
11 :ベース部材
12 :押圧部材
20 :リンク機構
20A :第1リンクセット
20B :第2リンクセット
21 :第1リンク
22 :第2リンク
23 :第3リンク
24 :第4リンク
31 :第1ギヤ
32 :第2ギヤ
33 :第3ギヤ
34 :第4ギヤ
41 :第1固定支点(固定支点)
42 :被駆動支点
43 :第1移動支点(移動支点)
46 :第2固定支点(固定支点)
47 :連動支点
48 :第2移動支点(移動支点)
50 :駆動装置
51 :駆動源
55 :駆動軸
55C :第1ねじ部
56 :被駆動部材
56C :第2ねじ部
60 :連結機構
61 :連結部材
62 :ばね部材
64A :第1取付部
64B :第2取付部
65A :第1延在部
65B :第2延在部
80 :牽引車両
81 :駆動輪
85 :係合部
90 :被牽引車両
95 :被係合部
100 :制御装置
T :押圧対象物
Z :第1方向
X :第2方向
Y :第3方向
G :路面