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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054966
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】材料搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/02 20060101AFI20240411BHJP
   B65H 37/00 20060101ALI20240411BHJP
   B26D 7/06 20060101ALN20240411BHJP
【FI】
B65H5/02 N
B65H37/00
B26D7/06 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022161461
(22)【出願日】2022-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】516351991
【氏名又は名称】ミドリオートレザー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】今野 右京
【テーマコード(参考)】
3C021
3F049
3F108
【Fターム(参考)】
3C021DA03
3C021DA06
3C021DA14
3F049AA01
3F049DA02
3F049LA15
3F049LB12
3F108AA10
3F108GB07
(57)【要約】
【課題】厚さが互いに異なっている複数枚のシート状の材料を同時に搬送することができる搬送装置を提供する。
【解決手段】パンチ加工部17でのパンチング加工のために、シート状の材料3をベルト13の上面15に載置してパンチ加工部17へ向けて搬送する上流下側材料搬送コンベヤ5と、ベルト19の下面21が、上流下側材料搬送コンベヤ5のベルト13の上面15から僅かに離れるようにして上流下側材料搬送コンベヤ5の上側に設けられており、ベルト19の下面21と上流下側材料搬送コンベヤ5のベルト13の上面15との間の距離h1の値が、パンチ加工部17に近づくにしたがって次第に小さくなっている上流上側材料搬送コンベヤ7とを有する材料搬送装置1である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルトコンベヤで構成され、パンチ加工部でのパンチング加工のために、シート状の材料をベルトの上面に載置して前記パンチ加工部へ向けて搬送する上流下側材料搬送コンベヤと、
ベルトコンベヤで構成され、ベルトの下面が、前記上流下側材料搬送コンベヤのベルトの上面から僅かに離れ前記上流下側材料搬送コンベヤのベルトの上面に対向するようにして前記上流下側材料搬送コンベヤの上側に設けられており、前記ベルトの下面と前記上流下側材料搬送コンベヤのベルトの上面との間の距離の値が、前記パンチ加工部に近づくにしたがって次第に小さくなっている上流上側材料搬送コンベヤと、
を有する材料搬送装置。
【請求項2】
前記上流下側材料搬送コンベヤは、前記パンチ加工部の近傍に位置し前記ベルトが巻き掛けられている上流下側材料搬送コンベヤ第1プーリと、前記パンチ加工部から離れた側に位置し前記ベルトが巻き掛けられている上流下側材料搬送コンベヤ第2プーリとを備えて構成されており、
前記上流下側材料搬送コンベヤ第1プーリの外径の値が前記上流下側材料搬送コンベヤ第2プーリの外径の値よりも小さくなっており、
前記上流上側材料搬送コンベヤは、前記パンチ加工部の近傍に位置し前記ベルトが巻き掛けられている上流上側材料搬送コンベヤ第1プーリと、前記パンチ加工部から離れた側に位置し前記ベルトが巻き掛けられている上流上側材料搬送コンベヤ第2プーリとを備えて構成されており、
前記上流上側材料搬送コンベヤ第1プーリの外径の値が前記上流上側材料搬送コンベヤ第2プーリの外径の値よりも小さくなっている請求項1に記載の材料搬送装置。
【請求項3】
ベルトコンベヤで構成され、前記パンチ加工部でパンチング加工された前記シート状の材料を、ベルトの上面に載置して搬送する下流下側材料搬送コンベヤと、
ベルトコンベヤで構成され、ベルトの下面が、前記下流下側材料搬送コンベヤのベルトの上面から僅かに離れ前記下流下側材料搬送コンベヤのベルトの上面に対向するようにして前記下流下側材料搬送コンベヤの上側に設けられており、前記ベルトの下面と前記下流下側材料搬送コンベヤのベルトの上面との間の距離の値が、前記パンチ加工部から離れるにしたがって次第に小さくなっている下流上側材料搬送コンベヤと、
を有する請求項1または請求項2に記載の材料搬送装置。
【請求項4】
前記下流下側材料搬送コンベヤは、前記パンチ加工部の近傍に位置し前記ベルトが巻き掛けられている下流下側材料搬送コンベヤ第1プーリと、前記パンチ加工部から離れた側に位置し前記ベルトが巻き掛けられている下流下側材料搬送コンベヤ第2プーリとを備えて構成されており、
前記下流下側材料搬送コンベヤ第1プーリの外径の値が前記下流下側材料搬送コンベヤ第2プーリの外径の値よりも小さくなっており、
前記下流上側材料搬送コンベヤは、前記パンチ加工部の近傍に位置し前記ベルトが巻き掛けられている下流上側材料搬送コンベヤ第1プーリと、前記パンチ加工部から離れた側に位置し前記ベルトが巻き掛けられている下流上側材料搬送コンベヤ第2プーリとを備えて構成されており、
前記下流上側材料搬送コンベヤ第1プーリの外径の値が前記下流上側材料搬送コンベヤ第2プーリの外径の値よりも小さくなっている請求項3に記載の材料搬送装置。
【請求項5】
ベルトコンベヤで構成され、パンチ加工部でパンチング加工されたシート状の材料を、ベルトの上面に載置して搬送する下流下側材料搬送コンベヤと、
ベルトコンベヤで構成され、ベルトの下面が、前記下流下側材料搬送コンベヤのベルトの上面から僅かに離れ前記下流下側材料搬送コンベヤのベルトの上面に対向するようにして前記下流下側材料搬送コンベヤの上側に設けられており、前記ベルトの下面と前記下流下側材料搬送コンベヤのベルトの上面との間の距離の値が、前記パンチ加工部から離れるにしたがって次第に小さくなっている下流上側材料搬送コンベヤと、
を有する材料搬送装置。
【請求項6】
シート状の材料をパンチング加工のために搬送する材料搬送装置であって、
ベルトコンベヤで構成され、前記シート状の材料をベルトの上面に載置して搬送する下側材料搬送コンベヤと、
ベルトコンベヤで構成され、ベルトの下面が前記下側材料搬送コンベヤのベルトの上面から僅かに離れ前記下側材料搬送コンベヤのベルトの上面に対向するようにして前記下側材料搬送コンベヤの上側に設けられており、前記ベルトの下面と前記上流下側材料搬送コンベヤのベルトの上面との間の距離の値が、前記シート状の材料の搬送方向の下流側に向かうにしたがって次第に小さくなっている上側材料搬送コンベヤと、
を有する材料搬送装置。
【請求項7】
ベルトコンベヤもしくはローラコンベヤで構成され、シート状の材料のパンチ加工部でのパンチング加工のために、前記シート状の材料を載置して搬送する下側材料搬送コンベヤと、
前記下側材料搬送コンベヤの上側に設けられ、前記シート状の材料の、少なくとも、前記パンチ加工部の近傍で前記下側材料搬送コンベヤに載置されている部位を、前記下側材料搬送コンベヤと協働して挟み込む上側材料搬送コンベヤと、
を有する材料搬送装置。
【請求項8】
パンチ加工部でのパンチング加工のために、シート状の材料を、上流下側材料搬送コンベヤと上流上側材料搬送コンベヤとを用いて搬送する材料搬送であって、
前記上流下側材料搬送コンベヤは、ベルトコンベヤで構成されており、前記シート状の材料をベルトの上面に載置して前記パンチ加工部へ向けて搬送するようになっており、
上流上側材料搬送コンベヤは、ベルトコンベヤで構成されており、ベルトの下面が、前記上流下側材料搬送コンベヤのベルトの上面から僅かに離れ前記上流下側材料搬送コンベヤのベルトの上面に対向するようにして前記上流下側材料搬送コンベヤの上側に設けられており、前記ベルトの下面と前記上流下側材料搬送コンベヤのベルトの上面との間の距離の値が、前記パンチ加工部に近づくにしたがって次第に小さくなっている材料搬送方法。
【請求項9】
パンチ加工部でパンチング加工されたシート状の材料を、下流下側材料搬送コンベヤと下流上側材料搬送コンベヤとを用いて搬送する材料搬送であって、
前記下流下側材料搬送コンベヤは、ベルトコンベヤで構成されており、前記パンチ加工部でパンチング加工されたシート状の材料を、ベルトの上面に載置して搬送するようになっており、
前記下流上側材料搬送コンベヤは、ベルトコンベヤで構成されており、ベルトの下面が、前記下流下側材料搬送コンベヤのベルトの上面から僅かに離れ前記下流下側材料搬送コンベヤのベルトの上面に対向するようにして前記下流下側材料搬送コンベヤの上側に設けられており、前記ベルトの下面と前記下流下側材料搬送コンベヤのベルトの上面との間の距離の値が、前記パンチ加工部から離れるにしたがって次第に小さくなっている材料搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料搬送装置に係り、特に、シート状の材料をパンチング加工のために搬送するものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図10で示すようなパンチング装置301と搬送装置303とが知られている。搬送装置303は、紙製ロール材305が巻かれている繰り出しローラ307と、紙製ロール材305を巻き取る巻き取りローラ309と、紙製ロール材305をガイドするガイドローラ311とを備えて構成されている。
【0003】
搬送装置303では、各ローラ307、309、311が適宜回転することで、紙製ロール材305が矢印A10の方向に送られるようになっている。パンチング装置301の加工対象である被加工物(たとえば皮革)313は、紙製ロール材305に載置されている状態で、紙製ロール材305と同様に矢印A10の方向に搬送されるようになっている。
【0004】
図10で示す搬送装置303では、被加工物313を搬送するために、紙製ロール材305が必要になっており、製造コストを低減し難い。そこで、紙製ロール材を使用しない搬送装置として特許文献1に記載されている搬送装置が提案されている。
【0005】
特許文献1に記載されている搬送装置は、載置部12Bと載置部12Bの上側に設けられている送り出し部(回転式ローラ)13Bとを備えて構成されている。回転式ローラ13Bは、稼働機構23によって上昇し下降するようになっている。回転式ローラ13Bが下降したとき、回転式ローラ13B等の自重によって被加工物を載置部12Bの上面に押圧するようになっている。そして、回転式ローラ13Bが適宜回転することで、被加工物が搬送されるようになっている。なお、段落〔0005〕、〔0007〕、〔0008〕で使用されている12B等の参照符号は、特許文献1で使用されているものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6792311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に記載されている搬送装置では、互いの厚さが異なっている被加工物を同時に搬送することができないという問題がある。たとえば、特許文献1の図2(A)の下側(回転式ローラ13Bの回転中心軸の延伸方向における一方の側)に厚めの被加工物を配置する。また、特許文献1の図2(A)の上側(回転式ローラ13Bの回転中心軸の延伸方向における他方の側)に薄めの被加工物を配置する。
【0008】
このように、厚めの被加工物と薄めの被加工物とを配置した状態で、回転式ローラ13Bを下側に移動する。すると、厚めの被加工物は、載置部12Bで回転式ローラ13Bとで挟まれて、回転式ローラ13Bの回転によって搬送される。しかし、厚めの被加工物が邪魔をすることで回転式ローラ13Bは薄めの被加工物に接することができない。すなわち、薄めの被加工物が、載置部12Bで回転式ローラ13Bとで挟まれることはなく、回転式ローラ13Bが回転しても薄めの被加工物は搬送されない。
【0009】
本発明は、厚さが互いに異なっている複数枚のシート状の材料を同時に搬送することができる搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の態様に係る材料搬送装置は、ベルトコンベヤで構成され、パンチ加工部でのパンチング加工のために、シート状の材料をベルトの上面に載置して前記パンチ加工部へ向けて搬送する上流下側材料搬送コンベヤと、ベルトコンベヤで構成され、ベルトの下面が、前記上流下側材料搬送コンベヤのベルトの上面から僅かに離れ前記上流下側材料搬送コンベヤのベルトの上面に対向するようにして前記上流下側材料搬送コンベヤの上側に設けられており、前記ベルトの下面と前記上流下側材料搬送コンベヤのベルトの上面との間の距離の値が、前記パンチ加工部に近づくにしたがって次第に小さくなっている上流上側材料搬送コンベヤとを有する材料搬送装置である。
【0011】
また、本発明の態様に係る材料搬送装置では、前記上流下側材料搬送コンベヤが、前記パンチ加工部の近傍に位置し前記ベルトが巻き掛けられている上流下側材料搬送コンベヤ第1プーリと、前記パンチ加工部から離れた側に位置し前記ベルトが巻き掛けられている上流下側材料搬送コンベヤ第2プーリとを備えて構成されており、前記上流下側材料搬送コンベヤ第1プーリの外径の値が前記上流下側材料搬送コンベヤ第2プーリの外径の値よりも小さくなっており、前記上流上側材料搬送コンベヤが、前記パンチ加工部の近傍に位置し前記ベルトが巻き掛けられている上流上側材料搬送コンベヤ第1プーリと、前記パンチ加工部から離れた側に位置し前記ベルトが巻き掛けられている上流上側材料搬送コンベヤ第2プーリとを備えて構成されており、前記上流上側材料搬送コンベヤ第1プーリの外径の値が前記上流上側材料搬送コンベヤ第2プーリの外径の値よりも小さくなっている。
【0012】
また、本発明の態様に係る材料搬送装置は、ベルトコンベヤで構成され、前記パンチ加工部でパンチング加工された前記シート状の材料を、ベルトの上面に載置して搬送する下流下側材料搬送コンベヤと、ベルトコンベヤで構成され、ベルトの下面が、前記下流下側材料搬送コンベヤのベルトの上面から僅かに離れ前記下流下側材料搬送コンベヤのベルトの上面に対向するようにして前記下流下側材料搬送コンベヤの上側に設けられており、前記ベルトの下面と前記下流下側材料搬送コンベヤのベルトの上面との間の距離の値が、前記パンチ加工部から離れるにしたがって次第に小さくなっている下流上側材料搬送コンベヤとを有する材料搬送装置である。
【0013】
また、本発明の態様に係る材料搬送装置では、前記下流下側材料搬送コンベヤが、前記パンチ加工部の近傍に位置し前記ベルトが巻き掛けられている下流下側材料搬送コンベヤ第1プーリと、前記パンチ加工部から離れた側に位置し前記ベルトが巻き掛けられている下流下側材料搬送コンベヤ第2プーリとを備えて構成されており、前記下流下側材料搬送コンベヤ第1プーリの外径の値が前記下流下側材料搬送コンベヤ第2プーリの外径の値よりも小さくなっており、前記下流上側材料搬送コンベヤが、前記パンチ加工部の近傍に位置し前記ベルトが巻き掛けられている下流上側材料搬送コンベヤ第1プーリと、前記パンチ加工部から離れた側に位置し前記ベルトが巻き掛けられている下流上側材料搬送コンベヤ第2プーリとを備えて構成されており、前記下流上側材料搬送コンベヤ第1プーリの外径の値が前記下流上側材料搬送コンベヤ第2プーリの外径の値よりも小さくなっている。
【0014】
また、本発明の態様に係る材料搬送装置は、ベルトコンベヤで構成され、パンチ加工部でパンチング加工されたシート状の材料を、ベルトの上面に載置して搬送する下流下側材料搬送コンベヤと、ベルトコンベヤで構成され、ベルトの下面が、前記下流下側材料搬送コンベヤのベルトの上面から僅かに離れ前記下流下側材料搬送コンベヤのベルトの上面に対向するようにして前記下流下側材料搬送コンベヤの上側に設けられており、前記ベルトの下面と前記下流下側材料搬送コンベヤのベルトの上面との間の距離の値が、前記パンチ加工部から離れるにしたがって次第に小さくなっている下流上側材料搬送コンベヤとを有する材料搬送装置である。
【0015】
また、本発明の態様に係る材料搬送装置は、シート状の材料をパンチング加工のために搬送する材料搬送装置であって、ベルトコンベヤで構成され、前記シート状の材料をベルトの上面に載置して搬送する下側材料搬送コンベヤと、ベルトコンベヤで構成され、ベルトの下面が前記下側材料搬送コンベヤのベルトの上面から僅かに離れ前記下側材料搬送コンベヤのベルトの上面に対向するようにして前記下側材料搬送コンベヤの上側に設けられており、前記ベルトの下面と前記上流下側材料搬送コンベヤのベルトの上面との間の距離の値が、前記シート状の材料の搬送方向の下流側に向かうにしたがって次第に小さくなっている上側材料搬送コンベヤとを有する材料搬送装置である。
【0016】
また、本発明の態様に係る材料搬送装置は、ベルトコンベヤもしくはローラコンベヤで構成され、シート状の材料のパンチ加工部でのパンチング加工のために、前記シート状の材料を載置して搬送する下側材料搬送コンベヤと、前記下側材料搬送コンベヤの上側に設けられ、前記シート状の材料の、少なくとも、前記パンチ加工部の近傍で前記下側材料搬送コンベヤに載置されている部位を、前記下側材料搬送コンベヤと協働して挟み込む上側材料搬送コンベヤとを有する材料搬送装置である。
【0017】
本発明の態様に係る材料搬送方法は、パンチ加工部でのパンチング加工のために、シート状の材料を、上流下側材料搬送コンベヤと上流上側材料搬送コンベヤとを用いて搬送する材料搬送であって、前記上流下側材料搬送コンベヤは、ベルトコンベヤで構成されており、前記シート状の材料をベルトの上面に載置して前記パンチ加工部へ向けて搬送するようになっており、上流上側材料搬送コンベヤは、ベルトコンベヤで構成されており、ベルトの下面が、前記上流下側材料搬送コンベヤのベルトの上面から僅かに離れ前記上流下側材料搬送コンベヤのベルトの上面に対向するようにして前記上流下側材料搬送コンベヤの上側に設けられており、前記ベルトの下面と前記上流下側材料搬送コンベヤのベルトの上面との間の距離の値が、前記パンチ加工部に近づくにしたがって次第に小さくなっている材料搬送方法である。
【0018】
また、本発明の態様に係る材料搬送方法は、パンチ加工部でパンチング加工されたシート状の材料を、下流下側材料搬送コンベヤと下流上側材料搬送コンベヤとを用いて搬送する材料搬送であって、前記下流下側材料搬送コンベヤは、ベルトコンベヤで構成されており、前記パンチ加工部でパンチング加工されたシート状の材料を、ベルトの上面に載置して搬送するようになっており、前記下流上側材料搬送コンベヤは、ベルトコンベヤで構成されており、ベルトの下面が、前記下流下側材料搬送コンベヤのベルトの上面から僅かに離れ前記下流下側材料搬送コンベヤのベルトの上面に対向するようにして前記下流下側材料搬送コンベヤの上側に設けられており、前記ベルトの下面と前記下流下側材料搬送コンベヤのベルトの上面との間の距離の値が、前記パンチ加工部から離れるにしたがって次第に小さくなっている材料搬送方法である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、厚さが互いに異なっている複数枚のシート状の材料を同時に搬送することができる搬送装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態に係る搬送装置の概略構成を示す図である。
図2図1におけるII矢視図である。
図3】本発明の実施形態に係る搬送装置で搬送され、パンチ加工部でパンチング加工されるシート状の材料の平面図である。
図4】本発明の実施形態に係る搬送装置でのシート状の材料の搬送態様を示す図である。
図5】1つ目の変形例に係る搬送装置の概略構成を示す図である。
図6】2つ目の変形例に係る搬送装置の概略構成を示す図である。
図7】3つ目の変形例に係る搬送装置の概略構成を示す図である。
図8】4つ目の変形例に係る搬送装置の概略構成を示す図である。
図9】5つ目の変形例に係る搬送装置の概略構成を示す図である。
図10】従来の搬送装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施形態に係る材料搬送装置1は、図1図2図4で示すように、シート状の材料(シート状の被加工物)3を搬送するものである。材料搬送装置1は、図1等で示すように、たとえば、上流下側材料搬送コンベヤ5と上流上側材料搬送コンベヤ7と下流下側材料搬送コンベヤ9と下流上側材料搬送コンベヤ11とを備えて構成されている。なお、シート状の材料3として、天然皮革、合成皮革等を掲げることができる。
【0022】
ここで、説明の便宜のために、水平な所定の一方向を前後方向とし、水平な所定の他の一方向であって前後方向に対して直交する方向を幅方向とし、前後方向と幅方向とに対して直交する方向を上下方向とする。
【0023】
上流下側材料搬送コンベヤ5は、ベルトコンベヤ(第1のベルトコンベヤ)で構成されている。上流下側材料搬送コンベヤ5は、シート状の材料3を第1のベルトコンベヤのベルト13の平面状の上面15に載置してパンチ加工部(パンチング加工部;パンチング装置)17へ向けて搬送するようになっている。上記搬送は、パンチ加工部17でのパンチング加工のためにされるものである。
【0024】
上流上側材料搬送コンベヤ7は、ベルトコンベヤ(第2のベルトコンベヤ)で構成されている。上流上側材料搬送コンベヤ7は、第2のベルトコンベヤのベルト19の平面状の下面21が上流下側材料搬送コンベヤ5のベルト13の上面15に対向するようにして上流下側材料搬送コンベヤ5の上側に設けられている。上流上側材料搬送コンベヤ7は、第2のベルトコンベヤのベルト19の平面状の下面21が上流下側材料搬送コンベヤ5のベルト13の上面15から僅かに離れるようにして上流下側材料搬送コンベヤ5の上側に設けられている。
【0025】
上流上側材料搬送コンベヤ7のベルト19の下面21と上流下側材料搬送コンベヤ5のベルト13の上面15との間の距離h1の値が、パンチ加工部17に近づくにしたがって次第に小さくなっている。すなわち、図1で示す寸法h1の値が、図1の右側から左側に向かうにしたがって次第に小さくなっている。また、上流上側材料搬送コンベヤ7は、上流下側材料搬送コンベヤ5と協働してシート状の材料3を挟み込んでパンチ加工部17へ向けて搬送するために設けられている。シート状の材料3は、ベルト13とベルト19とによって上下方向で挟み込まれる。
【0026】
下流下側材料搬送コンベヤ9は、ベルトコンベヤ(第3のベルトコンベヤ)で構成されている。下流下側材料搬送コンベヤ9は、パンチ加工部17でパンチング加工されたシート状の材料3を、第3のベルトコンベヤのベルト23の平面状の上面25に載置して搬送するようになっている。
【0027】
下流上側材料搬送コンベヤ11は、ベルトコンベヤ(第4のベルトコンベヤ)で構成されている。下流上側材料搬送コンベヤ11は、ベルト27の平面状の下面29が、下流下側材料搬送コンベヤ9のベルト23の上面25に対向するようにして下流下側材料搬送コンベヤ9の上側に設けられている。下流上側材料搬送コンベヤ11は、下流下側材料搬送コンベヤ9のベルト23の上面25から僅かに離れて、下流下側材料搬送コンベヤ9の上側に設けられている。
【0028】
下流上側材料搬送コンベヤ11のベルト27の下面29と下流下側材料搬送コンベヤ9のベルト23の上面25との間の距離h2の値が、パンチ加工部17から離れるにしたがって次第に小さくなっている。すなわち、図1で示す寸法h2の値が、図1の右側から左側に向かうにしたがって次第に小さくなっている。また、下流上側材料搬送コンベヤ11は、下流下側材料搬送コンベヤ9と協働して、パンチ加工部17でパンチング加工されたシート状の材料3を挟み込んで搬送するために設けられている。シート状の材料3は、ベルト23とベルト27とによって上下方向で挟み込まれる。
【0029】
上流下側材料搬送コンベヤ5は、円柱状の第1のプーリ31と円柱状の第2のプーリ33とを備えて構成されている。ベルト13は、平ベルトであり、第1のプーリ31と第2のプーリ33とに巻き掛けられている。第1のプーリ31は、この中心軸C1を回転中心にして矢印A1で示す方向に回転するようになっている。第2のプーリ33は、この中心軸C2を回転中心にして矢印A2で示す方向に回転するようになっている。上下方向では、中心軸C1の位置と中心軸C2の位置とが互いに一致している。前後方向では、中心軸C1が、中心軸C2よりも前側に位置している。
【0030】
なお、図示してはいないが、上流下側材料搬送コンベヤ5には、テンションプーリ、駆動プーリ等のプーリが設けられている。ベルト13は、テンションプーリ、駆動プーリ等のプーリにも巻き掛けられている。なお、テンションプーリ、駆動プーリ等は、第1のプーリ31、第2のプーリ33よりも下側に配置されている。そして、ベルト13がテンションプーリ、駆動プーリ等のプーリにも巻き掛けられていても、第1のプーリ31と第2のプーリ33との間で延伸しているベルト13の部位は、この全長にわたって厚さ方向が上下方向になって前後方向に延びている。上記延伸している部位は、上面15を形成している部位である。
【0031】
さらに、上流下側材料搬送コンベヤ5の駆動プーリは図示しないサーボモータ等のアクチュエータによって回転駆動するようになっている。これにより、ベルト13の移動速度を変更できるとともに、ベルト13の停止位置も設定することができる。すなわち、ベルト13に載置されているシート状の材料3の搬送速度を設定できるとともに、ベルト13に載置されているシート状の材料3を前後方向で移動位置決めすることができるようになっている。
【0032】
上流上側材料搬送コンベヤ7も、円柱状の第1のプーリ35と円柱状の第2のプーリ37とを備えて構成されている。ベルト19は、平ベルトであり、第1のプーリ35と第2のプーリ37とに巻き掛けられている。第1のプーリ35は、この中心軸C3を回転中心にして矢印A3で示す方向に回転するようになっている。第2のプーリ37は、この中心軸C4を回転中心にして矢印A4で示す方向に回転するようになっている。前後方向では、中心軸C1の位置と中心軸C3の位置とが互いに一致しており、中心軸C2の位置と中心軸C4の位置とが互いに一致している。
【0033】
なお、図示してはいないが、上流上側材料搬送コンベヤ7にも、テンションプーリ、駆動プーリ等のプーリが設けられている。ベルト19は、テンションプーリ、駆動プーリ等のプーリにも巻き掛けられている。なお、テンションプーリ、駆動プーリ等は、第1のプーリ35と第2のプーリ37との上側に配置されている。そして、ベルト19がテンションプーリ、駆動プーリ等のプーリにも巻き掛けられていても、第1のプーリ35と第2のプーリ37との間で延伸しているベルト13の部位は、この全長にわたって厚さ方向が上下方向になって前後方向に延びている。上記延伸している部位は、下面21を形成している部位である。
【0034】
さらに、上流上側材料搬送コンベヤ7の駆動プーリも図示しないサーボモータ等のアクチュエータによって回転駆動するようになっている。第1のプーリ31の外径の値と第1のプーリ35の外径の値と第2のプーリ33の外径の値と第2のプーリ37との外径の値は互いが等しくなっている。また、上流下側材料搬送コンベヤ5の駆動プーリの外径の値は、上流上側材料搬送コンベヤ7の駆動プーリの外径の値と等しくなっている。そして、上流上側材料搬送コンベヤ7の駆動プーリが、上流下側材料搬送コンベヤ5の駆動プーリと同期した回転速度で回転するようになっている。
【0035】
上流上側材料搬送コンベヤ7の駆動プーリが、上流下側材料搬送コンベヤ5の駆動プーリと同期した回転速度で回転することで、ベルト13とベルト19とが同じ移動速度で移動するようになっている。
【0036】
上下方向での中心軸C2と中心軸C4との距離L2の値は、上下方向での中心軸C1と中心軸C3との距離L1の値よりも僅かに大きくなっている。これにより、上流上側材料搬送コンベヤ7のベルト19の下面21が、上流下側材料搬送コンベヤ5のベルト13の上面15に対して、小さな角度θ1だけ傾斜している。
【0037】
なお、上流下側材料搬送コンベヤ5と上流上側材料搬送コンベヤ7とにおいて、たとえば、中心軸C1と中心軸C3との間の距離L1、中心軸C2と中心軸C4との間の距離L2を僅かに変更し調整することができるように構成されていてもよい。
【0038】
パンチ加工部17は、下型39と上型41とを備えて構成されている。パンチ加工部17は、上流下側材料搬送コンベヤ5と上流上側材料搬送コンベヤ7との前側で上流下側材料搬送コンベヤ5と上流上側材料搬送コンベヤ7とに隣接して配置されている。なお、下流下側材料搬送コンベヤ9と下流上側材料搬送コンベヤ11とは、パンチ加工部17の後側で、パンチ加工部17に隣接して配置されている。
【0039】
パンチ加工部17によって、図3で示すように、シート状の材料3にたとえば多数の小孔43が形成されるようになっている。小孔43は、シート状の材料3の厚さ方向でシート状の材料3を貫通している。なお、小孔43に代えてもしくは加えて、多数の凹部(たとえば所定形状の止まり孔)を形成してもよい。
【0040】
図3に示す部位45、47のそれぞれは、パンチ加工部17での1回のパンチング加工によって小孔43が形成される部位を示している。すなわち、シート状の材料3が停止した状態で、1回のパンチング加工によって部位45に多数の小孔43が形成されるようになっている。この後、シート状の材料3が搬送され、シート状の材料3が停止した状態での次の1回のパンチング加工によって、部位47に多数の小孔43が形成されるようになっている。なお、図1から図9で示す矢印Aは、シート状の材料3の搬送方向を示している。
【0041】
下流下側材料搬送コンベヤ9は、円柱状の第2のプーリ49と円柱状の第1のプーリ51とを備えて構成されている。ベルト23は、平ベルトであり、第2のプーリ49と第1のプーリ51とに巻き掛けられている。第2のプーリ49は、この中心軸C5を回転中心にして矢印A5で示す方向に回転するようになっている。第1のプーリ51は、この中心軸C6を回転中心にして矢印A6で示す方向に回転するようになっている。上下方向で、中心軸C5の位置と中心軸C6の位置とが互いに一致している。前後方向では、中心軸C5が、中心軸C6よりも前側に位置している。
【0042】
なお、図示してはいないが、下流下側材料搬送コンベヤ9にも、テンションプーリ、駆動プーリ等のプーリが設けられている。ベルト23は、テンションプーリ、駆動プーリ等のプーリにも、巻き掛けられている。なお、テンションプーリ、駆動プーリ等は、第2のプーリ49と第1のプーリ51との下側に配置されている。そして、ベルト23がテンションプーリ、駆動プーリ等のプーリにも巻き掛けられていても、第2のプーリ49と第1のプーリ51との間で延伸しているベルト23の部位は、この全長にわたって厚さ方向が上下方向になって前後方向に延びている。上記延伸している部位は、上面25を形成している部位である。
【0043】
さらに、下流下側材料搬送コンベヤ9の駆動プーリは図示しないサーボモータ等のアクチュエータによって回転駆動するようになっている。これにより、ベルト23の移動速度を変更できるとともに、ベルト23の停止位置も設定することができる。すなわち、ベルト23に載置されているシート状の材料3の搬送速度を設定できるとともに、ベルト23に載置されているシート状の材料3を前後方向で移動位置決めすることができるようになっている。
【0044】
下流上側材料搬送コンベヤ11も、円柱状の第2のプーリ53と円柱状の第1のプーリ55とを備えて構成されている。ベルト27は、平ベルトであり、第2のプーリ53と第1のプーリ55とに巻き掛けられている。第2のプーリ53は、この中心軸C7を回転中心にして矢印A7で示す方向に回転するようになっている。第1のプーリ55は、この中心軸C8を回転中心にして矢印A8で示す方向に回転するようになっている。前後方向では、中心軸C5の位置と中心軸C7の位置とが互いに一致しており、中心軸C6の位置と中心軸C8の位置とが互いに一致している。
【0045】
なお、図示してはいないが、下流上側材料搬送コンベヤ11にも、テンションプーリ、駆動プーリ等のプーリが設けられている。ベルト27は、テンションプーリ、駆動プーリ等のプーリにも、巻き掛けられている。なお、テンションプーリ、駆動プーリ等は、第2のプーリ53と第1のプーリ55との上側に配置されている。そして、ベルト27がテンションプーリ、駆動プーリ等のプーリにも巻き掛けられていても、第2のプーリ53と第1のプーリ55との間で延伸しているベルト27の部位は、この全長にわたって厚さ方向が上下方向になって前後方向に延びている。上記延伸しているベルト27の部位は、下面29を形成している部位である。
【0046】
さらに、下流上側材料搬送コンベヤ11の駆動プーリは図示しないサーボモータ等のアクチュエータによって回転駆動するようになっている。第2のプーリ49の外径の値と第2のプーリ53の外径の値と第1のプーリ51の外径の値と第1のプーリ55との外径の値は互いが等しくなっている。また、下流下側材料搬送コンベヤ9の駆動プーリの外径の値は、下流上側材料搬送コンベヤ11の駆動プーリの外径の値と等しくなっている。そして、下流上側材料搬送コンベヤ11の駆動プーリが、下流下側材料搬送コンベヤ9の駆動プーリと同期した回転速度で回転するようになっている。
【0047】
下流上側材料搬送コンベヤ11の駆動プーリが、下流下側材料搬送コンベヤ9の駆動プーリと同期した回転速度で回転することで、ベルト23とベルト27とが同じ移動速度で移動するようになっている。
【0048】
上下方向での中心軸C6と中心軸C8との距離L4の値が、上下方向での中心軸C5と中心軸C7との距離L3の値よりも僅かに大きくなっている。これにより、下流上側材料搬送コンベヤ11のベルト27の下面29が、下流下側材料搬送コンベヤ9のベルト23の上面25に対して、小さな角度θ2だけ傾斜している。
【0049】
なお、下流下側材料搬送コンベヤ9と下流上側材料搬送コンベヤ11とにおいて、たとえば、中心軸C5と中心軸C7との間の距離L3、中心軸C6と中心軸C8との間の距離L4を僅かに変更し調整することができるように構成されていてもよい。
【0050】
ところで、材料搬送装置1の各ベルト13、19、23、27は若干の弾性を備えている。したがって、シート状の材料3を挟み込んだときに、各ベルト13、19、23、27が若干薄くなるような変形をするようになっている。また、ベルト13等が若干の弾性を備えることに代えてもしくは加えて、プーリ31等の外周に円筒状の弾性体(たとえばゴム)を設置等することで、プーリ31等が、この径方向で若干の弾性変形するように構成されていてもよい。
【0051】
また、材料搬送装置1には、各コンベヤ5、7、9、11で搬送されているシート状の材料3の位置を検出するセンサ(図示せず)が設けられている。また、材料搬送装置1では、各コンベヤ5、7、9、11、17、パンチ加工部17、上記センサが、フレーム57(図5参照)で支持されている。また、材料搬送装置1では、上下方向で、上流下側材料搬送コンベヤ5のベルト13の上面15の位置と、下流下側材料搬送コンベヤ9のベルト23の上面25の位置とが互いに一致している。さらに、すでに理解されるように、材料搬送装置1で搬送されパンチ加工部17でパンチング加工されるシート状の材料3の厚さは、上下方向になっている。
【0052】
次に、材料搬送装置1の動作について説明する。材料搬送装置1は、図示しない制御装置(CPUとメモリとを備えて構成されている制御装置)の制御の下、動作するようになっている。初期状態では、各コンベヤ5、7、9、11が停止しており、各コンベヤ5、7、9、11には、シート状の材料3が設置されておらず、パンチ加工部17は、パンチングができる状態になっている。
【0053】
上記初期において、上流下側材料搬送コンベヤ5の後端部にシート状の材料3が載置されるようにして、シート状の材料3を設置する。続いて、上流下側材料搬送コンベヤ5と上流上側材料搬送コンベヤ7とを駆動すると、シート状の材料3が後側から前側に向かって移動する。この移動によって、シート状の材料3が、上流下側材料搬送コンベヤ5のベルト13と上流上側材料搬送コンベヤ7のベルト19とによって、上下方向で挟み込まれる。
【0054】
なお、上流下側材料搬送コンベヤ5のベルト13と上流上側材料搬送コンベヤ7のベルト19とによる挟み込みが開始されるときの、シート状の材料3の前後方向における位置は、図4で示すように、シート状の材料3も厚さによって変化する。
【0055】
たとえば、上流上側材料搬送コンベヤ7のベルト19の下面21が傾斜していることで、シート状の材料3が厚い場合、図4(a)で示すように、シート状の材料3が後側に位置している状態で、シート状の材料3の挟み込みが開始される。一方、シート状の材料3が薄い場合、図4(b)で示すように、シート状の材料3が前側に位置している状態で、シート状の材料3の挟み込みが開始される。
【0056】
続いて、シート状の材料3がパンチ加工部17によって加工される位置まで搬送されてきたことを上記センサ(図示せず)が検知する。この検知によって、上流下側材料搬送コンベヤ5と上流上側材料搬送コンベヤ7とシート状の材料3とが停止し、パンチ加工部17でのパンチング加工がされる。
【0057】
続いて、各コンベヤ5、7、9、11が稼働し、シート状の材料3を搬送し、シート状の材料3がパンチ加工部17によって次の加工がされる位置まで搬送されてきたことを上記センサが検知する。この検知によって、各コンベヤ5、7、9、11とシート状の材料3とが停止し、パンチ加工部17での次のパンチング加工がされる。
【0058】
パンチ加工部17から出てきたシート状の材料3は、下流下側材料搬送コンベヤ9と下流上側材料搬送コンベヤ11とによって搬送される。この場合、上流下側材料搬送コンベヤ5と上流上側材料搬送コンベヤ7との場合と同様にして、挟み込みが開始されるときの、シート状の材料3の前後方向における位置が、図4で示すように、シート状の材料3も厚さによって変化する。
【0059】
なお、図2で示すように、複数枚のシート状の材料3(3A、3B、3C)が、各コンベヤ5、7、9、11の幅方向でならんで搬送される場合もある。複数枚のシート状の材料3(3A、3B、3C)は、前後方向でも位置が異なっている場合がある。
【0060】
材料搬送装置1では、上流上側材料搬送コンベヤ7が上流下側材料搬送コンベヤ5の上側に設けられている。また、上流上側材料搬送コンベヤ7のベルト19の下面21が、上流下側材料搬送コンベヤ5のベルト13の上面15から僅かに離れ上流下側材料搬送コンベヤ5のベルト13の上面15に対向している。さらに、上流上側材料搬送コンベヤ7のベルト19の下面21と上流下側材料搬送コンベヤ5のベルト13の上面15との間の距離h1の値が、パンチ加工部17に近づくにしたがって次第に小さくなっている。
【0061】
これにより、厚さが互いに異なっている複数枚のシート状の材料3A、3B、3Cを同時に搬送する際、複数枚のシート状の材料3を、上流上側材料搬送コンベヤ7のベルト19と上流下側材料搬送コンベヤ5のベルト13とでいっしょに挟み込むことができる。そして、厚さが互いに異なっている複数枚のシート状の材料3(3A、3B、3C)をまとめて搬送することができる。さらに、1枚のシート状の材料3であっても、部分によって厚さにばらつきが存在する場合がある。このようなシート状の材料3であっても、引っ掛かり等をなくしつつ確実に連続して搬送することができる。
【0062】
また、材料搬送装置1では、下流上側材料搬送コンベヤ11が下流下側材料搬送コンベヤ9の上側に設けられている。また、下流上側材料搬送コンベヤ11のベルト27の下面29が、下流下側材料搬送コンベヤ9のベルト23の上面25から僅かに離れ下流下側材料搬送コンベヤ9のベルト23の上面25に対向している。さらに、下流上側材料搬送コンベヤ11のベルト27の下面29と下流下側材料搬送コンベヤ9のベルト23の上面25との間の距離h2の値が、パンチ加工部17から離れるにしたがって次第に小さくなっている。
【0063】
これにより、厚さが互いに異なっている複数枚のシート状の材料3(3A、3B、3C)を同時に搬送する際、複数枚のシート状の材料3(3A、3B、3C)を、いっしょに挟み込むことができる。そして、厚さが互いに異なっている複数枚のシート状の材料3(3A、3B、3C)をまとめて搬送することができる。
【0064】
ここで、1つ目の変形例に係る材料搬送装置1aについて、図5を参照しつつ説明する。1つ目の変形例に係る材料搬送装置1aは、上流上側材料搬送コンベヤ7(下流上側材料搬送コンベヤ11)が弾性体59を介してフレーム57に支持されている点が、材料搬送装置1と異なり、その他の点は、材料搬送装置1と同様に構成されている。
【0065】
材料搬送装置1aでは、上流上側材料搬送コンベヤ7(下流上側材料搬送コンベヤ11)が弾性体59を介してフレーム57に支持されているので、上流上側材料搬送コンベヤ7(下流上側材料搬送コンベヤ11)が上下方向で僅かに移動できるようになっている。なお、上流上側材料搬送コンベヤ7(下流上側材料搬送コンベヤ11)を、弾性体59で支持することに代えてもしくは加えて、上流下側材料搬送コンベヤ5(下流下側材料搬送コンベヤ9)が弾性体59を介してフレーム57に支持されている構成であってもよい。
【0066】
次に、2つ目の変形例に係る材料搬送装置1bについて、図6を参照しつつ説明する。2つ目の変形例に係る材料搬送装置1bは、上流上側材料搬送コンベヤ7の前後方向の寸法が、上流下側材料搬送コンベヤ5の寸法よりも短くなっている。また、下流上側材料搬送コンベヤ11の前後方向の寸法が、下流下側材料搬送コンベヤ9の寸法よりも短くなっている。材料搬送装置1bのその他の点は、材料搬送装置1と同様に構成されている。
【0067】
材料搬送装置1bでは、前後方向での、上流下側材料搬送コンベヤ5の第1のプーリ31の位置と上流上側材料搬送コンベヤ7の第1のプーリ35の位置とが互いに一致している。材料搬送装置1bでは、前後方向で上流上側材料搬送コンベヤ7の第2のプーリ37が上流下側材料搬送コンベヤ5の第2のプーリ33よりも前側に位置している。
【0068】
材料搬送装置1bでは、前後方向での、下流下側材料搬送コンベヤ9の第1のプーリ51の位置と下流上側材料搬送コンベヤ11の第1のプーリ55の位置とが互いに一致している。材料搬送装置1bでは、前後方向で下流上側材料搬送コンベヤ11の第2のプーリ53が下流下側材料搬送コンベヤ9の第2のプーリ49よりも後側に位置している。
【0069】
次に、3つ目の変形例に係る材料搬送装置1cについて、図7を参照しつつ説明する。材料搬送装置1cは、各プーリ31、33、35、37、49、51、53、55の径の値が異なっている点が、材料搬送装置1と異なり、その他の点は、材料搬送装置1と同様に構成されている。
【0070】
材料搬送装置1cの上流下側材料搬送コンベヤ5は、上流下側材料搬送コンベヤ第1プーリ31と、上流下側材料搬送コンベヤ第2プーリ33とを備えて構成されている。上流下側材料搬送コンベヤ第1プーリ31は、パンチ加工部17の近傍に位置している。上流下側材料搬送コンベヤ第2プーリ33は、パンチ加工部17から離れた側に位置している。上流下側材料搬送コンベヤ第1プーリ31と上流下側材料搬送コンベヤ第2プーリ33とにはベルト13が巻き掛けられている。
【0071】
材料搬送装置1cの上流下側材料搬送コンベヤ5では、上流下側材料搬送コンベヤ第1プーリ31の外径の値が上流下側材料搬送コンベヤ第2プーリ33の外径の値よりも小さくなっている。
【0072】
材料搬送装置1cの上流上側材料搬送コンベヤ7は、上流上側材料搬送コンベヤ第1プーリ35と、上流上側材料搬送コンベヤ第2プーリ37とを備えて構成されている。上流上側材料搬送コンベヤ第1プーリ35は、パンチ加工部17の近傍に位置している。上流上側材料搬送コンベヤ第2プーリ37は、パンチ加工部17から離れた側に位置している。上流上側材料搬送コンベヤ第1プーリ35と上流上側材料搬送コンベヤ第2プーリ37とにはベルト19が巻き掛けられている。
【0073】
材料搬送装置1cの上流上側材料搬送コンベヤ7では、上流上側材料搬送コンベヤ第1プーリ35の外径の値が上流上側材料搬送コンベヤ第2プーリ37の外径の値よりも小さくなっている。なお、コンベヤ5、7では、第1のプーリ31の外径の値と第1のプーリ35の外径の値とが互いに等しくなっており、第2のプーリ33の外径の値と第2のプーリ37の外径の値とが互いに等しくなっている。
【0074】
材料搬送装置1cでは、上流下側材料搬送コンベヤ第1プーリ31の外径の値が上流下側材料搬送コンベヤ第2プーリ33の外径の値よりも小さくなっている。また、上流上側材料搬送コンベヤ第1プーリ35の外径の値が上流上側材料搬送コンベヤ第2プーリ37の外径の値よりも小さくなっている。すなわち、パンチ加工部17の近傍に位置する第1プーリ31、35の外径の値が小さくなっている。
【0075】
これにより、上流下側材料搬送コンベヤ5および上流上側材料搬送コンベヤ7のベルト13、19の平面状部位(シート状の材料3と接する部位)を、パンチ加工部17の近くまで設けることができ、前後方向の寸法が小さいシート状の材料3の搬送が可能になる。
【0076】
また、材料搬送装置1cでは、上流下側材料搬送コンベヤ5および上流上側材料搬送コンベヤ7の場合と同様にして、下流下側材料搬送コンベヤ9および下流上側材料搬送コンベヤ11の各プーリ49、51、53、55の径が異なっている。
【0077】
すなわち、材料搬送装置1cの下流下側材料搬送コンベヤ9は、下流下側材料搬送コンベヤ第2プーリ49と、下流下側材料搬送コンベヤ第1プーリ51とを備えて構成されている。下流下側材料搬送コンベヤ第2プーリ49は、パンチ加工部17から離れた側に位置している。下流下側材料搬送コンベヤ第1プーリ51は、パンチ加工部17の近傍に位置している。下流下側材料搬送コンベヤ第2プーリ49と下流下側材料搬送コンベヤ第1プーリ51とにはベルト23が巻き掛けられている。
【0078】
材料搬送装置1cの下流下側材料搬送コンベヤ9では、下流下側材料搬送コンベヤ第1プーリ51の外径の値が、下流下側材料搬送コンベヤ第2プーリ49の外径の値がよりも小さくなっている。
【0079】
材料搬送装置1cの下流上側材料搬送コンベヤ11は、下流上側材料搬送コンベヤ第2プーリ53と、下流上側材料搬送コンベヤ第1プーリ55とを備えて構成されている。下流上側材料搬送コンベヤ第2プーリ53は、パンチ加工部17から離れた側に位置している。下流上側材料搬送コンベヤ第1プーリ55は、パンチ加工部17の近傍に位置している。下流上側材料搬送コンベヤ第2プーリ53と下流上側材料搬送コンベヤ第1プーリ55とにはベルト27が巻き掛けられている。
【0080】
材料搬送装置1cの下流上側材料搬送コンベヤ11では、下流上側材料搬送コンベヤ第1プーリ55の外径の値が、下流上側材料搬送コンベヤ第2プーリ53の外径の値がよりも小さくなっている。なお、コンベヤ9、11では、第1のプーリ51の外径の値と第1のプーリ55の外径の値とが互いに等しくなっており、第2のプーリ49の外径の値と第2のプーリ53の外径の値とが互いに等しくなっている。
【0081】
材料搬送装置1cでは、下流下側材料搬送コンベヤ第1プーリ51の外径の値が下流下側材料搬送コンベヤ第2プーリ49の外径の値よりも小さくなっている。また、下流上側材料搬送コンベヤ第1プーリ55の外径の値が下流上側材料搬送コンベヤ第2プーリ53の外径の値よりも小さくなっている。すなわち、パンチ加工部17の近傍に位置するプーリの外径の値が小さくなっている。
【0082】
これにより、下流下側材料搬送コンベヤ9および下流上側材料搬送コンベヤ11のベルト23、27の平面状部位(シート状の材料3と接する部位)を、パンチ加工部17の近くまで設けることができ、前後方向の寸法が小さいシート状の材料3の搬送が可能になる。
【0083】
次に、4つ目の変形例に係る材料搬送装置1dについて、図8を参照しつつ説明する。材料搬送装置1dは、ベルトコンベヤではなくローラコンベヤよって、上流下側材料搬送コンベヤ5、上流上側材料搬送コンベヤ7、下流下側材料搬送コンベヤ9、下流上側材料搬送コンベヤ11が構成されている。材料搬送装置1dのその他の点は、材料搬送装置1と同様に構成されている。
【0084】
材料搬送装置1dの上流下側材料搬送コンベヤ5は複数の円柱状のローラ61を備えて構成されている。各ローラ61は互いが同期して、サーボモータ等のアクチュエータにより回転するようになっている。材料搬送装置1dの上流上側材料搬送コンベヤ7も、複数の円柱状のローラ61を備えて構成されている。各ローラ61は互いが同期して、サーボモータ等のアクチュエータにより回転するようになっている。
【0085】
上流下側材料搬送コンベヤ5のローラ61と上流上側材料搬送コンベヤ7のローラ61との間の上下方向における間隔の値は、パンチ加工部17に近づくにしたがって次第に小さくなっている。すなわち、寸法h4の値が寸法h3の値よりも小さくなっている。
【0086】
材料搬送装置1dの下流下側材料搬送コンベヤ9も複数の円柱状のローラ61を備えて構成されている。各ローラ61は互いが同期して、サーボモータ等のアクチュエータにより回転するようになっている。材料搬送装置1dの下流上側材料搬送コンベヤ11も、複数の円柱状のローラ61を備えて構成されている。各ローラ61は互いが同期して、サーボモータ等のアクチュエータにより回転するようになっている。
【0087】
下流下側材料搬送コンベヤ9のローラ61と下流上側材料搬送コンベヤ11のローラ61との間の上下方向における間隔の値は、パンチ加工部17から離れるにしたがって次第に小さくなっている。すなわち、寸法h6の値が寸法h5の値よりも小さくなっている。
【0088】
次に、5つ目の変形例に係る材料搬送装置1eについて、図9を参照しつつ説明する。材料搬送装置1eは、上流上側材料搬送コンベヤ7が1本の円柱状のローラ63で構成されており、下流上側材料搬送コンベヤ11も1本の円柱状のローラ63で構成されている。材料搬送装置1eのその他の点は、材料搬送装置1と同様に構成されている。
【0089】
ローラ63は、パンチ加工部17の近傍で、上流下側材料搬送コンベヤ5、下流下側材料搬送コンベヤ9の上側に配置されている。
【0090】
なお、上述した材料搬送装置は、シート状の材料をパンチング加工のために搬送する材料搬送装置であって、ベルトコンベヤ(下側のベルトコンベヤ)で構成されシート状の材料を下側のベルトコンベヤのベルトの平面状の上面に載置して搬送する下側材料搬送コンベヤと、ベルトコンベヤ(上側のベルトコンベヤ)で構成され下側材料搬送コンベヤと協働してシート状の材料を挟み込んで搬送するために上側のベルトコンベヤのベルトの平面状の下面が、前記下側材料搬送コンベヤのベルトの上面から僅かに離れ前記下側材料搬送コンベヤのベルトの上面に対向するようにして前記下側材料搬送コンベヤの上側に設けられており前記ベルトの下面と前記上流下側材料搬送コンベヤのベルトの上面との間の距離の値が前記シート状の材料の搬送方向の下流側に向かうにしたがって次第に小さくなっている上側材料搬送コンベヤとを有する材料搬送装置の例である。
【0091】
また、上述した材料搬送装置は、ベルトコンベヤもしくはローラコンベヤで構成され、シート状の材料(天然皮革、合成皮革等)のパンチ加工部でのパンチング加工のために、前記シート状の材料を載置して搬送する下側材料搬送コンベヤと、前記下側材料搬送コンベヤの上側に設けられ、前記シート状の材料の、少なくとも、前記パンチ加工部の近傍で前記下側材料搬送コンベヤに載置されている部位を、前記下側材料搬送コンベヤと協働して挟み込む上側材料搬送コンベヤとを有する材料搬送装置の例である。
【0092】
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0093】
1 材料搬送装置
3 シート状の材料
5 上流下側材料搬送コンベヤ
7 上流上側材料搬送コンベヤ
9 下流下側材料搬送コンベヤ
11 下流上側材料搬送コンベヤ
13 ベルト
15 上面
17 パンチ加工部
19 ベルト
21 下面
23 ベルト
25 上面
27 ベルト
29 下面
31 上流下側材料搬送コンベヤ第1プーリ
33 上流下側材料搬送コンベヤ第2プーリ
35 上流上側材料搬送コンベヤ第1プーリ
37 上流上側材料搬送コンベヤ第2プーリ
49 下流下側材料搬送コンベヤ第2プーリ
51 下流下側材料搬送コンベヤ第1プーリ
53 下流上側材料搬送コンベヤ第2プーリ
55 下流上側材料搬送コンベヤ第1プーリ
h1 距離
h2 距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10