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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054968
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】ガスメータ及び設定移植方法
(51)【国際特許分類】
   G01F 3/22 20060101AFI20240411BHJP
【FI】
G01F3/22 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022161465
(22)【出願日】2022-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145908
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 信雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136711
【弁理士】
【氏名又は名称】益頭 正一
(72)【発明者】
【氏名】牛嶋 一博
(72)【発明者】
【氏名】永田 晃太
(72)【発明者】
【氏名】甲斐野 卓哉
【テーマコード(参考)】
2F030
【Fターム(参考)】
2F030CC13
2F030CE09
(57)【要約】
【課題】移植作業の作業性の向上を図ることができるガスメータ及び設定移植方法を提供する。
【解決手段】新ガスメータ100は、表示部130と、第1通信制御部122aと、第1通信制御部122aよりも通信速度が速い通信を行う第2通信制御部122bと、所定の操作を受け付けた場合に、第1通信制御部122a又は第2通信制御部122bを通じて旧ガスメータの設定情報を取得して自己に設定する自己設定部123と、を備え、自己設定部123は、第1通信制御部122aにより旧ガスメータから設定に関する設定情報を取得する第1処理と、第2通信制御部122bにより旧ガスメータから設定情報を取得する第2処理とを実行可能であり、所定の操作を受け付けた場合に、第2処理及び第1処理をこの順に実行する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス流量を計測する流量計測手段と、前記流量計測手段により計測されたガス流量を積算表示可能な表示手段と、通信接続された他のガスメータと情報の送受信が可能な第1通信手段と、通信接続された他のガスメータと情報の送受信が可能であって前記第1通信手段よりも通信速度が速い通信を行う第2通信手段とを備えたガスメータであって、
所定の入力を受け付けた場合に、前記第1通信手段又は前記第2通信手段を通じて他のガスメータの設定に関する設定情報を取得して自己に設定する自己設定手段を備え、
前記自己設定手段は、前記第1通信手段により他のガスメータから前記設定情報を取得する第1処理と、前記第2通信手段により他のガスメータから前記設定情報を取得する第2処理とを実行可能であり、前記所定の入力を受け付けた場合に、前記第2処理及び前記第1処理をこの順に実行する
ことを特徴とするガスメータ。
【請求項2】
前記自己設定手段は、前記第2処理を実行して他のガスメータから前記設定情報を取得できた場合、前記第1処理の実行を禁止する
ことを特徴とする請求項1に記載のガスメータ。
【請求項3】
前記表示手段は、前記第2処理を実行して前記設定情報を取得できなかった場合に前記第2通信手段により前記設定情報の取得が失敗した旨の表示を行い、前記第1処理を実行して前記設定情報を取得できなかった場合に前記第1通信手段により前記設定情報の取得が失敗した旨の表示を行う
ことを特徴とする請求項1に記載のガスメータ。
【請求項4】
前記第1通信手段は、Nライン又はHラインによる通信を行うものであり、
前記第2通信手段は、Uバスによる通信を行うものである
ことを特徴とする請求項1に記載のガスメータ。
【請求項5】
ガス流量を計測する流量計測手段と、前記流量計測手段により計測されたガス流量を積算表示可能な表示手段と、通信接続された他のガスメータと情報の送受信が可能な第1通信手段と、通信接続された他のガスメータと情報の送受信が可能であって前記第1通信手段よりも通信速度が速い通信を行う第2通信手段とを備えたガスメータの設定移植方法であって、
所定の入力を受け付けた場合に、前記第1通信手段又は前記第2通信手段を通じて他のガスメータの設定に関する設定情報を取得して自己に設定する自己設定工程を備え、
前記自己設定工程では、前記第1通信手段により他のガスメータから前記設定情報を取得する第1工程と、前記第2通信手段により他のガスメータから前記設定情報を取得する第2工程とが実行可能であり、前記所定の入力を受け付けた場合に前記第2工程及び前記第1工程がこの順に実行される
ことを特徴とする設定移植方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスメータ及び設定移植方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、古いガスメータを新しいガスメータに交換するにあたり、旧ガスメータの設定情報(例えばLP容器のガス残量や遮断条件の情報)を新ガスメータに引き継ぐ移植作業を行うシステムが提案されている(例えば特許文献1参照)。このシステムによれば、新旧ガスメータを通信線で接続し、新ガスメータに対して所定の操作(例えば弁開スイッチの操作)を行うことで、まず新ガスメータから通信線を介して旧ガスメータに電文を送信し、その後通信電文の送受信を繰り返し、旧ガスメータの設定情報を新ガスメータに移植する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4846460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、ガスメータは、Uバスにより高速通信が可能となっている。一方で、旧ガスメータによってはUバス通信ができず、NラインやHラインの通信しかできないものがある。このため、Uバス通信可能な新ガスメータに対して所定の操作等が行われたとしても、新ガスメータは、NラインやHラインを利用した通信を実行して移植作業を行ってしまう。NラインやHラインの通信は、Uバス通信よりも通信速度が遅いことから、移植について作業性が低下してしまう。
【0005】
なお、上記ではNラインやHラインの通信とUバス通信との間で発生する問題であるが、今後Uバス通信よりも高速な新規の通信手段がガスメータに搭載された場合には、新規の通信手段とUバス通信との間においても共通する問題である。
【0006】
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、移植作業の作業性の向上を図ることができるガスメータ及び設定移植方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るガスメータは、ガス流量を計測する流量計測手段と、前記流量計測手段により計測されたガス流量を積算表示可能な表示手段と、通信接続された他のガスメータと情報の送受信が可能な第1通信手段と、通信接続された他のガスメータと情報の送受信が可能であって前記第1通信手段よりも通信速度が速い通信を行う第2通信手段とを備えたガスメータであって、所定の入力を受け付けた場合に、前記第1通信手段又は前記第2通信手段を通じて他のガスメータの設定に関する設定情報を取得して自己に設定する自己設定手段を備え、前記自己設定手段は、前記第1通信手段により他のガスメータから前記設定情報を取得する第1処理と、前記第2通信手段により他のガスメータから前記設定情報を取得する第2処理とを実行可能であり、前記所定の入力を受け付けた場合に、前記第2処理及び前記第1処理をこの順に実行する。
【0008】
本発明に係る設定移植方法は、ガス流量を計測する流量計測手段と、前記流量計測手段により計測されたガス流量を積算表示可能な表示手段と、通信接続された他のガスメータと情報の送受信が可能な第1通信手段と、通信接続された他のガスメータと情報の送受信が可能であって前記第1通信手段よりも通信速度が速い通信を行う第2通信手段とを備えたガスメータの設定移植方法であって、所定の入力を受け付けた場合に、前記第1通信手段又は前記第2通信手段を通じて他のガスメータの設定に関する設定情報を取得して自己に設定する自己設定工程を備え、前記自己設定工程では、前記第1通信手段により他のガスメータから前記設定情報を取得する第1工程と、前記第2通信手段により他のガスメータから前記設定情報を取得する第2工程とが実行可能であり、前記所定の入力を受け付けた場合に前記第2工程及び前記第1工程がこの順に実行される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、移植作業の作業性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る設定移植システムを示す外観図である。
図2図1に示した新ガスメータ及び旧ガスメータの一部を示す正面図であり、(a)は第1の例を示し、(b)は第2の例を示している。
図3図1に示した新ガスメータの制御ブロック図である。
図4図1に示した旧ガスメータの制御ブロック図である。
図5図1に示した新ガスメータの表示内容の一例を示す正面図であり、(a)は出荷モードにおける表示例を示し、(b)は本実施形態に係る移植後における表示例を示している。
図6】本実施形態に係る新ガスメータの処理を示すフローチャートである。
図7】通信時における表示内容を示す表示部の正面図であり、(a)は第1の例を示し、(b)は第2の例を示し、(c)は第3の例を示している。
図8】通信が不可であるときの表示部の正面図であり、(a)はUバス通信が誤接続等により不可であるときの例を示し、(b)はNライン通信が誤接続等により不可であるときの例を示している。
図9】通信が不可であるときの表示部の正面図であり、(a)は通信不良により不可となるときの例を示し、(b)は通信不良時にUバス通信を行っていたときの例を示し、(c)は通信不良時にNライン通信を行っていたときの例を示している。
図10】設定情報の移植が成功したときの表示部の正面図であり、(a)はUバス通信による移植成功時を示し、(b)はNライン通信による移植成功時を示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を好適な実施形態に沿って説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す実施形態においては、一部構成の図示や説明を省略している箇所があるが、省略された技術の詳細については、以下に説明する内容と矛盾点が発生しない範囲内において、適宜公知又は周知の技術が適用されていることはいうまでもない。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係る設定移植システムを示す外観図である。図1に示すように、設定移植システム1は、新規に設置される新ガスメータ(ガスメータ)100と、交換対象となる旧ガスメータ(他のガスメータ)200とを備え、旧ガスメータ200の設定に関する設定情報を新ガスメータ100に移植するものである。移植にあたり、新ガスメータ100と旧ガスメータ200とは通信線Lによって接続され、旧ガスメータ200の設定情報は通信線Lを介して新ガスメータ100に送信され、新ガスメータ100において記憶される。
【0013】
図2は、図1に示した新ガスメータ100及び旧ガスメータ200の一部を示す正面図であり、(a)は第1の例を示し、(b)は第2の例を示している。図1に示す新ガスメータ100及び旧ガスメータ200は、前面下方にカバーC1,C2を備えている。新ガスメータ100は、カバーC1を取り外すことにより、図2(a)に示す端子台TAが露出する。また、旧ガスメータ200は、カバーC2を取り外すことにより、図2(a)に示す端子台TA又は図2(b)に示す端子台TBが露出する。
【0014】
図2(a)に示す端子台TAにおいて、第1端子T1は、フレームグラウンド端子であり、第2端子T2及び第3端子T3は、Nラインによる通信(第1の通信プロトコルによる通信)を行うための端子であって、Nライン通信を行うための通信接続部となるものである。第4端子T4は、グラウンド端子である。第5端子T5及び第6端子T6は、建物内に設けられるガス漏れ警報器との接続端子である。第7端子T7及び第8端子T8は、第2のガス漏れ警報器、CO警報器、及び自動切替調整器等との接続端子である。第9端子T9及び第10端子T10は、Uバスによる通信(第2の通信プロトコルによる通信)を行うための端子であって、Uバス通信を行うための通信接続部となるものである。図2(b)に示す端子台TBは、Uバスによる通信を行うための第9端子T9及び第10端子T10を備えない以外は、端子台TAと同じ構成である。
【0015】
このように、新ガスメータ100は、図2(a)に示すように端子台TAを備え、Uバス通信及びNライン通信の双方が可能となっている。一方、旧ガスメータ200は、図2(a)に示す端子台TAを備える場合にはUバス通信及びNライン通信の双方の通信が可能であるが、図2(b)に示す端子台TBを備える場合もあり、この場合にはUバス通信が不可となりNライン通信のみが可能となる。
【0016】
このような設定移植システム1において、旧ガスメータ200から新ガスメータ100に交換作業を行う作業者は、旧ガスメータ200がどの端子台TA,TBを備えるかを確認する。作業者は、旧ガスメータ200が端子台TAを備える場合、新ガスメータ100と旧ガスメータ200との第9端子T9及び第10端子T10同士を通信線Lにより接続する。一方、作業者は、旧ガスメータ200が端子台TBを備える場合、新ガスメータ100と旧ガスメータ200との第2端子T2及び第3端子T3同士を通信線Lにより接続する。そして、作業者は、所定の操作(所定の入力の一例)を行い、Uバス通信又はNライン通信により、旧ガスメータ200の設定情報を新ガスメータ100に移植することとなる。
【0017】
なお、新旧ガスメータ100,200は、Nライン通信に代えて、Hライン通信を行うものであってもよい。また、上記では、通信線Lを接続のうえ、移植作業を行う例を説明したが、特に通信線Lを接続する場合に限らず、無線接続によって移植作業が行われてもよい。
【0018】
図3は、図1に示した新ガスメータ100の制御ブロック図である。図3に示すように、新ガスメータ100は、流量計測部(流量計測手段)110と、制御部120と、表示部(表示手段)130と、第1通信接続部141と、第2通信接続部142と、操作部150と、記憶部160とを備えている。
【0019】
流量計測部110は、新ガスメータ100内に形成された流路(図示せず)を流れる燃料ガスの流量を計測するものであって、流量センサ(図示せず)及び演算部(図示せず)等によって構成されている。流量計測部110によって計測された流量の情報は制御部120に送信される。制御部120は、新ガスメータ100の全体を制御するものであって、表示制御部121と、通信制御部122とを備えている。
【0020】
表示制御部121は、表示部130の表示内容を制御するものである。表示部130は、例えば流量計測部110によって計測された流量の積算表示を行うものである。この表示部130は、図1に示すように、新ガスメータ100の正面側から視認可能に設けられている。
【0021】
通信制御部122は、旧ガスメータ200(図1参照)との通信を制御するものであって、旧ガスメータ200に対して電文を送信したり旧ガスメータ200からの電文を受信して処理したりするものである。この通信制御部122は、第1通信制御部(第1通信手段)122aと第2通信制御部(第2通信手段)122bとを備えている。
【0022】
第1通信制御部122aは、第1通信接続部141に接続される通信線L(図1参照)を通じて旧ガスメータ200と情報の送受信を行うものである。なお、第1通信接続部141は、Nライン通信を行うための接続部であって、図2(a)に示した第2端子T2及び第3端子T3が該当する。
【0023】
第2通信制御部122bは、第2通信接続部142に接続される通信線Lを通じて旧ガスメータ200と情報の送受信を行うものである。なお、第2通信接続部142は、Uバス通信を行うための接続部であって、図2(a)に示した第9端子T9及び第10端子T10が該当する。
【0024】
操作部150は、新ガスメータ100に対して操作を行うためのものであって、例えば図1に示す復帰ボタン151と容器リセットスイッチ152とが該当する。復帰ボタン151は、押下操作を行うことで流路を遮断した遮断弁(図示せず)を開放状態に移行させるものである。容器リセットスイッチ152は、LPガス容器(図示せず)の交換時等において磁石を近接させることでガスの残容量をリセットさせるものである。また、新ガスメータ100は、復帰ボタン151及び容器リセットスイッチ152が操作されることで、口火登録等の各種設定を行うことができる。
【0025】
記憶部160は、新ガスメータ100を制御するための制御プログラム等を記憶したものである。この記憶部160には設定情報も記憶されている。設定情報は、LP容器のガス残量や遮断条件の情報のほか、遮断弁の遮断時の発呼音の有無、微少漏洩機能の有無、及び、可視光通信出力等の設定に関する情報である。このような設定情報は、ガスメータ毎に記憶されている。
【0026】
図4は、図1に示した旧ガスメータ200の制御ブロック図である。図4に示すように、旧ガスメータ200は、流量計測部210と、制御部220と、表示部230と、第1通信接続部241と、第2通信接続部242と、操作部250と、記憶部260とを備えている。
【0027】
流量計測部210は、旧ガスメータ200内に形成された流路(図示せず)を流れる燃料ガスの流量を計測するものであって、流量センサ(図示せず)及び演算部(図示せず)等によって構成されている。流量計測部210によって計測された流量の情報は制御部220に送信される。制御部220は、旧ガスメータ200の全体を制御するものであって、表示制御部221と、通信制御部222とを備えている。
【0028】
表示制御部221は、表示部230の表示内容を制御するものである。表示部230は、例えば流量計測部210によって計測された流量の積算表示等を行うものである。この表示部230は、図1に示すように、旧ガスメータ200の正面側から視認可能に設けられている。
【0029】
通信制御部222は、新ガスメータ100(図1参照)との通信を制御するものであって、新ガスメータ100に対して電文を送信したり新ガスメータ100からの電文を処理したりするものである。この通信制御部222は、第1通信制御部222aと第2通信制御部222bとを備えている。
【0030】
第1通信制御部222aは、第1通信接続部241に接続される通信線L(図1参照)を通じて新ガスメータ100と情報の送受信を行うものである。なお、第1通信接続部241は、Nライン通信を行うための接続部であって、図2(a)及び図2(b)に示した第2端子T2及び第3端子T3が該当する。
【0031】
第2通信制御部222bは、第2通信接続部242に接続される通信線Lを通じて新ガスメータ100と情報の送受信を行うものである。なお、第2通信接続部242は、Uバス通信を行うための接続部であって、図2(a)に示した第9端子T9及び第10端子T10が該当する。なお、旧ガスメータ200は、図2(b)に示した端子台TBを備えるものである場合、第2通信制御部222b及び第2通信接続部242を備えないこととなる。
【0032】
操作部250は、旧ガスメータ200に対して操作を行うためのものであって、例えば図1に示す復帰ボタン251と容器リセットスイッチ252とが該当する。復帰ボタン251及び容器リセットスイッチ252は、新ガスメータ100のものと同様である。記憶部260は、旧ガスメータ200を制御するための制御プログラム等のほか、設定情報を記憶したものである。
【0033】
図5は、図1に示した新ガスメータ100の表示内容の一例を示す正面図であり、(a)は出荷モードにおける表示例を示し、(b)は本実施形態に係る移植後における表示例を示している。
【0034】
図5(a)及び図5(b)に示すように、表示部130は、液晶表示部によって構成されており、表示部130の周囲には各種内容を記載したパネルPが設けられている。表示部130は、積算流量を表示するための積算値表示部131を備えている。また、図5(a)に示すように、表示部130は、出荷モードにおいて遮断弁が閉じていることを示す「ガス止」表示132を表示している。また、図5(b)に示すように、表示部130は、通常において各種警告や状態を示す警告状態表示部133を表示している。
【0035】
再度図3を参照する。新ガスメータ100は、制御部120内に自己設定部(自己設定手段)123を備えている。自己設定部123は、所定の操作を受け付けた場合に第1通信制御部122a又は第2通信制御部122bを通じて旧ガスメータ200の設定情報を取得して記憶部160に記憶することにより自己に設定を反映させるものである。
【0036】
本実施形態において所定の操作は、例えば復帰ボタン151を押しながら容器リセットスイッチ152をオンする操作であるが、特にこれに限らず、復帰ボタン151の長押し(例えば3秒以上)等の他の操作であってもよい。特に所定の操作は、新ガスメータ100に対して行われる操作に限らず、新ガスメータ100に接続される端末等への操作であってもよい。さらには、操作に限らず、ガス管理センター等から送信される特定信号の入力であってもよい。
【0037】
このような自己設定部123は、第1通信制御部122aにより旧ガスメータ200から設定情報を取得する第1処理と、第2通信制御部122bにより旧ガスメータ200から設定情報を取得する第2処理とを実行可能となっている。特に本実施形態に係る自己設定部123は、所定の操作を受け付けた場合に、第2処理及び第1処理をこの順に実行する。よって、本実施形態に係る自己設定部123は、より高速なUバス通信により設定情報を取得する処理を先に実行することとなる。
【0038】
より詳細に説明すると、自己設定部123は、まず第2通信制御部122bを制御して、より高速なUバス通信により設定情報を取得することを試み、設定情報を取得できた場合には、記憶部160に記憶させる。一方、自己設定部123は、第2通信制御部122bを制御して設定情報を取得できなかった場合、Nライン通信により設定情報を取得するよう第1通信制御部122aを制御する。すなわち、自己設定部123は、まず、第2処理を実行して設定情報を取得できた場合には第1処理を実行することなく、設定情報を取得できなかった場合のみに第1処理を実行する。
【0039】
次に、本実施形態に係る設定移植方法を説明する。設定情報を移植するにあたり、まず作業者は新旧ガスメータ100,200のカバーC1,C2を取り外して図2(a)及び図2(b)に示すいずれの端子台TA,TBを有するか確認する。次いで、作業者は、新旧ガスメータ100,200の端子台TA,TB同士を通信線Lで接続する。また、新ガスメータ100では図6に示す処理が実行される。
【0040】
図6は、本実施形態に係る新ガスメータ100の処理を示すフローチャートである。なお、図6に示すステップS4,S6,S7,S9,S10に示す処理が上記第1処理に該当し、図6に示すステップS2~S4,S9,S10に示す処理が上記第2処理に該当する。
【0041】
図6に示すように、まず、新ガスメータ100の自己設定部123は、所定の操作があったかを判断する(S1)。所定の操作がなかった場合(S1:NO)、所定の操作があるまで、この処理が繰り返される。
【0042】
一方、所定の操作があった場合(S1:YES)、自己設定部123は、旧ガスメータ200から設定情報を取得すべくUバス通信を開始する。このとき、自己設定部123は、表示制御部121を制御して、Uバス通信を行っている旨の表示を表示部130に行わせる(S2)。
【0043】
図7は、通信時における表示内容を示す表示部130の正面図であり、(a)は第1の例を示し、(b)は第2の例を示し、(c)は第3の例を示している。図7(a)~図7(c)に示すように、表示制御部121は、通信を行っている場合、警告状態表示部133の表示内容を順次変化させることで、通信状態であることを表示する。具体的に表示制御部121は、まず図7(a)に示すように、警告状態表示部133に表示される3つ円のうち左側の円内に「A」を表示させる。次に、表示制御部121は、図7(b)に示すように、警告状態表示部133に表示される3つ円のうち中央の円内に「B」を表示させる。その後、表示制御部121は、図7(c)に示すように、警告状態表示部133に表示される3つ円のうち右側の円内に「C」を表示させる。次いで、表示制御部121は、再度図7(a)に示す表示を行い、以後図7(a)~図7(c)に示す表示を繰り返す。このように、表示制御部121は、通信を行っている場合、図7(a)~図7(c)の表示を順次繰り返すことで、通信状態であることを表示する。なお、図7においては、ABCの表示を順次繰り返す例を説明したが、これに限らず、123を繰り返す等の他の文字表示を行ってもよいし、左側、中央及び右側の順に円内を塗りつぶす等の図形表示を行ってもよい。
【0044】
再度図6を参照する。通信状態の表示を開始した後(S2の後)、自己設定部123は、Uバスにより通信可能かを判断する(S3)。この処理において、自己設定部123は、第2通信制御部122bを通じて旧ガスメータ200に対してUバス通信を行う旨の電文を送信し、旧ガスメータ200からUバス通信を行ってもよい旨の電文の返信があった場合に、Uバスにより通信可能と判断する。
【0045】
Uバスにより通信が可能である場合(S3:YES)、自己設定部123は、第2通信制御部122bを通じて設定情報を要求する電文を送信させる(S4)。一方、Uバスにより通信が不可である場合(S3:NO)、自己設定部123は、表示制御部121を制御して、Uバスによる通信が不可である旨(通信が失敗した旨)を表示部130に表示させる(S5)。
【0046】
図8及び図9は、通信が不可であるときの表示部130の正面図である。図8(a)は、Uバス通信が誤接続等により不可であるときの例を示している。また、図9(a)は、通信不良により不可となるときの例を示し、図9(b)は、通信不良時にUバス通信を行っていたときの例を示している。
【0047】
まず、Uバス通信が不可となる場合には、通信線Lが他の端子に接続される等、そもそも第2通信接続部142(第9端子T9及び第10端子T10)に接続されていない場合が挙げられる。このような場合、新ガスメータ100からUバス通信を行う旨の電文を送信しても、何ら返信が返ってこないこととなる。何ら返信がない場合、表示制御部121は、図8(a)に示す表示を行う。すなわち、表示制御部121は、図8(a)に示すように、表示部130の一部セグメント134を除き全点灯させると共に、当該一部セグメント134にUバス通信が不可であることを示す「U」表示を行う。これにより、表示制御部121は、誤接続等(断線を含む)によってUバス通信が不可となっていることを表示する。
【0048】
一方、Uバス通信が不可となる場合には、旧ガスメータ200の通信機能が故障している場合等が挙げられる。このような場合、Uバス通信を行う旨の電文を送信したときに、例えば旧ガスメータ200から壊れた電文や異なる内容の電文等が返信される。壊れた電文等が返信された場合、表示制御部121は、図9(a)及び図9(b)に示す表示を行う。すなわち、表示制御部121は、まず図9(a)に示すように、表示部130を全点灯させる。次いで、表示制御部121は、図9(b)に示すように、Uバス通信が通信不良により不可であることを示す「U」を積算値表示部131に表示する。以後、表示制御部121は、図9(a)に示す表示と図9(b)に示す表示とを繰り返す。これにより、表示制御部121は、通信線Lの接続は正しいものの通信不良等によってUバス通信が不可となっていることを表示する。
【0049】
再度図6を参照する。図6に示すように、Uバスによる通信が不可である旨が表示された後(S5の後)、自己設定部123は、旧ガスメータ200から設定情報を取得すべくNライン通信を開始する。このとき、自己設定部123は、表示制御部121を制御して、Nライン通信を行っている旨の表示を表示部130に行わせる(S6)。ステップS6において行われる表示は、ステップS2と同様に、図7に示す表示である。
【0050】
次に、自己設定部123は、Nラインにより通信可能かを判断する(S7)。この処理において、自己設定部123は、第1通信制御部122aを通じて旧ガスメータ200に対してNライン通信を行う旨の電文を送信し、旧ガスメータ200からNライン通信を行ってもよい旨の電文の返信があった場合に、Nラインにより通信可能と判断する。
【0051】
Nラインにより通信が可能である場合(S7:YES)、自己設定部123は、第1通信制御部122aを通じて設定情報を要求する電文を送信させる(S4)。一方、Nラインにより通信が不可である場合(S7:NO)、自己設定部123は、表示制御部121を制御して、Nラインによる通信が不可である旨(通信が失敗した旨)を表示部130に表示させる(S8)。
【0052】
図8(b)は、Nライン通信が誤接続等により不可であるときの例を示している。また、図9(c)は、通信不良時にNライン通信を行っていたときの例を示している。
【0053】
Uバス通信時と同様に、Nライン通信が不可となる場合には、通信線Lが他の端子に接続される等、そもそも第1通信接続部141(第2端子T2及び第3端子T3)に接続されていない場合が挙げられる。このような場合、新ガスメータ100からNライン通信を行う旨の電文を送信しても、何ら返信が返ってこないこととなる。何ら返信がない場合、表示制御部121は、図8(b)に示す表示を行う。すなわち、表示制御部121は、図8(b)に示すように、表示部130の一部セグメント134を除き全点灯させると共に、当該一部セグメント134にNライン通信であることを示す「5」表示(5bitである旨の表示)を行う。これにより、表示制御部121は、誤接続等によってNライン通信が不可となっていることを表示する。
【0054】
一方、Nライン通信が不可となる場合には、旧ガスメータ200の通信機能が故障している場合等が挙げられる。このような場合、Nライン通信を行う旨の電文を送信したときに、例えば旧ガスメータ200から壊れた電文や異なる内容の電文等が返信される。壊れた電文等が返信された場合、表示制御部121は、図9(a)及び図9(c)に示す表示を行う。すなわち、表示制御部121は、まず図9(a)に示すように、表示部130を全点灯させる。次いで、表示制御部121は、図9(c)に示すように、Nライン通信が通信不良により不可であることを示す「5bit」を積算値表示部131に表示する。以後、表示制御部121は、図9(a)に示す表示と図9(c)に示す表示とを繰り返す。これにより、表示制御部121は、通信線Lの接続は正しいものの通信不良等によってNライン通信が不可となっていることを表示する。
【0055】
ところで、図6に示すステップS4において設定情報を要求した後、自己設定部123は、旧ガスメータ200から設定情報を受信したかを判断する(S9)。設定情報が受信された場合(S9:YES)、自己設定部123は、受信した設定情報を記憶部160に保存すると共に、保存した情報に基づいて自己の設定を書き換える(S10)。その後、自己設定部123は、表示制御部121を制御して、自己設定が成功した旨を表示させ(S11)、図6に示す処理は終了する。
【0056】
図10は、設定情報の移植が成功したときの表示部130の正面図であり、(a)はUバス通信による移植成功時を示し、(b)はNライン通信による移植成功時を示している。
【0057】
図10(a)に示すように、表示制御部121は、積算値表示部131に「SUCCESS」を表示させると共に、一部セグメント134にUバス通信であることを示す「U」表示を行う。これにより、表示制御部121は、Uバス通信によって移植作業が完了したことを表示する。また、図10(b)に示すように、表示制御部121は、積算値表示部131に「SUCCESS」を表示させると共に、一部セグメント134にNライン通信であることを示す「5」表示を行う。これにより、表示制御部121は、Nライン通信によって移植作業が完了したことを表示する。
【0058】
再度図6を参照する。一方、設定情報が受信されなかった場合(S9:NO)、自己設定部123は、表示制御部121を制御して、Uバス又はNラインによる通信が不可であった旨(通信が失敗した旨)を表示部130に表示させる(S12)。この処理においてステップS4における設定情報の要求電文が旧ガスメータ200に送信されていることから、ステップS12における通信不可は誤接続等であるものではなく、通信不良であるといえる。よって、表示制御部121は、図9に示す表示を行って、Uバス又はNラインによる通信が不可であった旨を表示部130に表示させる。その後、図6に示す処理は終了する。
【0059】
次に、本実施形態に係る新ガスメータ100の表示状態の変化を説明する。表示状態については、Uバス通信による移植成功時、Nライン通信による移植成功時、及び、誤接続時の3つで説明する。
【0060】
まず、Uバス通信による移植が成功する場合について説明する。この場合、新ガスメータ100に対して所定の操作が行われると(S1:YES)、自己設定部123は、表示制御部121を制御して、図7に示す表示を行う(S2)。次いで、Uバス通信が可能であると判断されることから(S3:YES)、図7に示す表示は継続する。
【0061】
そして、新ガスメータ100が設定情報を受信し(S9:YES)、自己設定部123により自己の設定が行われると、図10(a)に示す表示が行われる。
【0062】
以上より、Uバス通信による移植が成功する場合は、図7の表示の後に図10(a)の表示が行われることとなる。また、Uバス通信による移植が成功することから、Nライン通信の必要はなく、処理の流れからすると、Nライン通信による設定情報の取得が禁止されることとなる。
【0063】
なお、本実施形態においてはUバス通信による移植成功時にはNライン通信による設定情報の取得が禁止されるが、特に禁止されることなく、Nライン通信による設定情報の取得が継続して行われてもよい。この場合、Uバス通信により取得した設定情報により自己の設定を行った後に、Nライン通信を通じて取得された設定情報と対比させることで、通信エラーがなかったことを確認することができる。
【0064】
次に、Nライン通信による移植が成功する場合を説明する。この場合、新ガスメータ100に対して所定の操作が行われると(S1:YES)、自己設定部123は、表示制御部121を制御して、図7に示す表示を行う(S2)。そして、Uバス通信が不可であると判断されることから(S3:NO)、図7に示す表示は一度終了し、図8(a)に示す表示が行われる(S5)。
【0065】
その後、自己設定部123は、表示制御部121を制御して、再度図7に示す表示を行う(S6)。次いで、Nライン通信が可能であると判断されることから(S7:YES)、図7に示す表示は継続する。
【0066】
そして、新ガスメータ100が設定情報を受信し(S9:YES)、自己設定部123により自己の設定が行われると、図10(b)に示す表示が行われる。
【0067】
以上より、Nライン通信による移植が成功する場合は、図7の表示の後に図8(a)に表示が行われ、次いで、図7の表示の後に図10(b)の表示が行われることとなる。特に、Nライン通信による移植成功時には、Uバス通信が不可である図8(a)の表示が行われることから、作業者は、図8(a)の表示の後の図7の表示において、Nライン通信が行われようとしていることを理解することができる。
【0068】
次に、誤接続の場合を説明する。この場合、新ガスメータ100に対して所定の操作が行われると(S1:YES)、自己設定部123は、表示制御部121を制御して、図7に示す表示を行う(S2)。そして、誤接続によりUバス通信が不可であると判断されることから(S3:NO)、図7に示す表示は一度終了し、図8(a)に示す表示が行われる(S5)。
【0069】
その後、自己設定部123は、表示制御部121を制御して、再度図7に示す表示を行う(S6)。そして、誤接続によりNライン通信も不可であると判断されることから(S7:NO)、図7に示す表示は終了し、図8(b)に示す表示が行われる(S8)。
【0070】
以上より、誤接続の場合は、図7の表示の後に図8(a)の表示が行われ、次いで、図7の表示の後に図8(b)の表示が行われることとなる。すなわち、誤接続の場合には、Uバス通信が不可である図8(a)の表示と、Nライン通信が不可である図8(b)の表示との間に図7に示す表示が介在することから、図8(a)及び図8(b)の双方の表示が行われたことを作業者が理解し易くなる。特に、本実施形態において図8(a)と図8(b)との表示は、一部セグメント134しか変化せず、作業者は気付き難くなるが、図7に示す表示を介在させることで、作業者の識別性が顕著に向上することとなる。
【0071】
誤接続に代えて断線及び通信不良の場合も同様である。なお、通信不良の場合には、図8に示す表示に代えて、図9に示す表示が行われることとなる。
【0072】
このようにして、本実施形態に係る新ガスメータ100及び設定移植方法によれば、所定の操作を受け付けた場合に第2処理及び第1処理をこの順に実行するため、まず、所定の操作があった場合には、通信速度の速い通信が実行されることとなり、移植について作業性の向上が見込める。従って、移植作業の作業性の向上を図ることができる。
【0073】
また、第2処理を実行して旧ガスメータ200から設定情報を取得できた場合、第1処理の実行を禁止するため、設定情報を正常に取得できた場合には第2通信制御部122bよりも通信速度が遅い第1通信制御部122aによる通信を禁止して不要な処理の実行による作業性の低下について防止を図ることができる。
【0074】
また、第2通信制御部122bにより設定情報の取得が失敗した場合に、その旨の表示を行い、且つ、第1通信制御部122aにより設定情報の取得が失敗した場合にも、その旨の表示を行う。このため、表示を参照することで、作業者はどの通信制御部122a,122bにより設定情報の取得が失敗したかを判断することができ、通信制御部122a,122bを特定したうえで改善作業等を行うことができる。
【0075】
また、第1通信制御部122aは、Nライン又はHラインによる通信を行うものであり、第2通信制御部122bは、Uバスによる通信を行うものであるため、既存のガスメータにおいて搭載実績のある通信手段に適用することができる。
【0076】
また、誤接続時等には、図7に示す表示、図8(a)に示す表示、図7に示す表示、及び図8(b)に示す表示の順に表示される。このため、Uバス通信が不可である図8(a)の表示と、Nライン通信が不可である図8(b)の表示との間に通信の実行中である旨の図7に示す表示が行われることから、作業者に識別し易くすることができる。特に、図8(a)に示す表示と図8(b)に示す表示とのように、一部しか変化しない場合には、図7に示す表示を介在させることで一層識別性を向上させることができる。
【0077】
また、図8に示す表示と図9に示す表示とのように、誤接続等と通信不良との場合で表示内容を変更する。このため、例えば誤接続のように作業者によって改善可能な内容と、通信不良のように作業者によって改善不可の内容とで表示を変更することとなる。この結果、図8に示す表示では作業者に通信線Lの接続先の変更等を促すこととなり、図9に示す表示では移植作業を諦め設定器の使用等を促すこととなる。従って、作業者の適切な対応に資することができる。
【0078】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、可能な範囲で適宜他の技術を組み合わせてもよい。
【0079】
例えば、本実施形態において新ガスメータ100と旧ガスメータ200とが通信線Lによって接続されている。しかし、これに限らず、無線により接続されて、無線により設定情報が移植される構成であってもよい。
【0080】
また、本実施形態に係る新ガスメータ100は、容器リセットスイッチ152を備えているが、特にLPガスの流量を計測するガスメータに限らず、都市ガスの流量を計測するガスメータであってもよい。
【0081】
さらに、上記において誤接続は、Nライン通信用の端子(第2端子T2及び第3端子T3)と、Uバス通信用の端子(第9端子T9及び第10端子T10)との誤接続を想定して説明したが、特にこれに限らず、誤接続は他の端子T1,T4~T8に接続した場合も含まれるものである。
【0082】
加えて、本実施形態において新ガスメータ100及び旧ガスメータ200については、新ガスメータ100の方が新規に製造されたものであり、旧ガスメータ200が新ガスメータ100よりも古いものであるとは限らない。例えば製造年月日の基準で新ガスメータ100の方が旧ガスメータ200よりも古いものであってもよいし、製造年月日が同日のものであってもよい。すなわち、旧ガスメータ200とは既に設置されているガスメータであり、新ガスメータ100は新たに設置されるガスメータであって、製造年月日等を問うものではない。
【0083】
また、可能であれば、移植作業を開始するための所定の操作が旧ガスメータ200に対して行われてもよい。
【符号の説明】
【0084】
1 :設定移植システム
100 :新ガスメータ(ガスメータ)
110 :流量計測部(流量計測手段)
122a :第1通信制御部(第1通信手段)
122b :第2通信制御部(第2通信手段)
123 :自己設定部(自己設定手段)
130 :表示部(表示手段)
131 :積算値表示部
134 :一部セグメント
141 :第1通信接続部
142 :第2通信接続部
150 :操作部
160 :記憶部
200 :旧ガスメータ(他のガスメータ)
241 :第1通信接続部
242 :第2通信接続部
260 :記憶部
L :通信線
T2 :第2端子
T3 :第3端子
T9 :第9端子
T10 :第10端子
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9
図10