IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダイコク電機株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-遊技場用システム 図1
  • 特開-遊技場用システム 図2
  • 特開-遊技場用システム 図3
  • 特開-遊技場用システム 図4
  • 特開-遊技場用システム 図5
  • 特開-遊技場用システム 図6
  • 特開-遊技場用システム 図7
  • 特開-遊技場用システム 図8
  • 特開-遊技場用システム 図9
  • 特開-遊技場用システム 図10
  • 特開-遊技場用システム 図11
  • 特開-遊技場用システム 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055012
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240411BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240411BHJP
【FI】
A63F7/02 329
A63F7/02 354
A63F7/02 340
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022161569
(22)【出願日】2022-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129654
【弁理士】
【氏名又は名称】大池 達也
(72)【発明者】
【氏名】金井 崇矩
(72)【発明者】
【氏名】瀬口 浩之
(72)【発明者】
【氏名】内山 義崇
【テーマコード(参考)】
2C088
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
2C088BC80
2C088CA02
2C088CA06
2C088CA11
2C088CA31
5L049CC18
5L050CC18
(57)【要約】
【課題】遊技の邪魔にならないように商品を適切に配達するための遊技場用システムを提供すること。
【解決手段】遊技場用システム1は、遊技者が商品を注文するための注文端末としての携帯端末5と、商品を配達する配達ロボット6と、各遊技機2における遊技者の遊技状況を管理する遊技管理サーバ12と、配達ロボット6の動作を制御するための配達管理端末13と、を含むシステムであり、配達管理端末13は、遊技管理サーバ12から配達先の遊技者の遊技状況を示す遊技情報を受信し、その遊技情報に基づいて配達ロボット6の動作を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が遊技中において所望の商品を注文するための注文端末と、
遊技者が遊技により獲得した遊技価値を蓄積して記憶する遊技価値記憶手段と、
前記注文端末により注文された商品の対価として前記遊技価値を徴収することにより決済処理を行う決済手段と、
前記注文端末により注文された商品が載置された状態で、遊技中の遊技者の位置まで自走して配達する配達ロボットと、
各遊技機における遊技者の遊技状況を管理する遊技管理手段と、
前記配達ロボットの動作を制御するための配達管理端末と、を備え、
前記配達管理端末は、前記遊技管理手段から配達先の遊技者の遊技状況を示す遊技情報を受信し、当該遊技情報に基づいて前記配達ロボットの動作を制御することを特徴とする遊技場用システム。
【請求項2】
前記配達管理端末は、前記遊技管理手段から受信した遊技情報が大当たりを示している場合、前記配達ロボットに対して当該大当たりが終了するまで配達を待機させる制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の遊技場用システム。
【請求項3】
前記配達管理端末は、前記遊技管理手段から受信した遊技情報が離席中を示している場合、前記配達ロボットに対して当該遊技者が着席するまで配達を待機させる制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の遊技場用システム。
【請求項4】
前記配達ロボットは2以上の配達先の商品を同時に載置可能であり、
前記配達管理端末は、前記配達ロボットが2以上の配達先の商品を載置した状態において予め設定した順序で配達するように制御するとともに、前記遊技管理手段から受信した遊技情報に基づいて当該順序を変更する制御を行うことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の特許文献1に記載されているように、遊技中の遊技者が座席でドリンクやタバコ等の商品を注文できるシステムが採用されている。このようなシステムを導入すれば、遊技者が遊技をしながら所望の商品を入手できるようになるため、遊技機の稼動率を高める効果を期待できる。
【0003】
ところで、昨今の遊技場の多くでは、コロナ禍の感染対策や、人手不足解消や、人件費削減などが経営上の課題となっている。例えば、レストランや喫茶店などの飲食業界では、同様の課題を解決することを目的として、注文された料理をテーブルに届けるための、いわゆる配膳ロボットが提案されている(例えば下記の特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5466847号公報
【特許文献2】特開2019-153070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
遊技中の遊技者に商品を届けるロボットを遊技場に導入すれば、感染対策や人手不足解消や人件費削減等の課題に対して効果を期待できる一方、遊技の邪魔にならないように商品を配達できるか否かが問題となる。
【0006】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、遊技の邪魔にならないように商品を適切に配達するための遊技場用システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の遊技場用システムは、遊技者が商品を注文するための注文端末と、商品を配達する配達ロボットと、各遊技機における遊技者の遊技状況を管理する遊技管理手段と、配達ロボットの動作を制御するための配達管理端末と、を含むシステムである。この遊技場用システムにおける配達管理端末は、遊技管理手段から配達先の遊技者の遊技状況を示す遊技情報を受信し、その遊技情報に基づいて配達ロボットの動作を制御するように構成されている。
【0008】
本発明の遊技場用システムでは、配達先の遊技者の遊技状況に応じて配達ロボットの動作を制御できるので、遊技の邪魔になるタイミングでの商品の配達を未然に回避することが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】遊技場用システムの構成を示す説明図。
図2】遊技機と得点処理装置との組合せを示す正面図。
図3】遊技機と得点処理装置の電気的な構成を示すブロック図。
図4】シャッターが閉じたときの配達ロボットの斜視図。
図5】シャッターが開いたときの配達ロボットの斜視図。
図6】配達ロボットの電気的な構成を示すブロック図。
図7】会員登録データを例示する説明図。
図8】会員遊技履歴データを例示する説明図。
図9】会員遊技価値データを例示する説明図。
図10】商品配達サービスの運用フローを示すフロー図。
図11】得点処理装置の初期画面の正面図。
図12】携帯端末に表示される商品注文ページの正面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、商品配達サービスを提供する遊技場用システム1に関する例である。商品配達サービスは、遊技者が遊技中に注文した商品を配達ロボット6が配達するサービスである。図1図12を用いて遊技場用システム1の内容について説明する。
【0011】
遊技場用システム1(図1)は、遊技機2が設置される遊技場の場内システム10、クラウド上に設けられた商品管理サーバ15、商品を配達する配達ロボット6、配達ロボット6の管理等のための配達管理端末13、及びインターネットに接続可能な遊技者所有の携帯端末5、などを含めて構成されるシステムである。
【0012】
商品管理サーバ15は、公衆通信回線であるインターネットを介して遊技場の場内システム10と通信可能なようにクラウド上に設けられたインターネットサーバである。商品管理サーバ15が提供する商品注文サイトは、注文端末の一例をなす携帯端末5からインターネットを介してアクセス可能である。遊技者は、遊技場での会員登録を前提として、携帯端末5を介して商品配達サービスを利用できる。
【0013】
遊技場には、遊技機2が配列された遊技スペースが設けられているほか、遊技場の管理者等が詰める管理スペースや、遊技場のスタッフが接客するためのサービスカウンタや、注文された商品を配達するための商品配達カウンタ、等が設けられている。
【0014】
管理スペースには、遊技場を管理するための遊技管理サーバ12等が設置されている。サービスカウンタには、遊技者が獲得した得点数(遊技価値)に基づいて景品交換処理を行う景品交換端末14が設置されている。商品配達カウンタには、商品配達サービスを担う配達管理端末13が設置されている。
【0015】
遊技場では、場内システム10を構成する場内ネットワーク10Nが構築されている。遊技機2や配達ロボット6を含めて、遊技場内に設置された装置や機器等は、直接的あるいは間接的に場内ネットワーク10Nに接続されている。遊技管理サーバ12は、場内ネットワーク10Nを介して各遊技機2の遊技状況や、各種機器の稼動状況を表す情報を取得できる。
【0016】
場内ネットワーク10Nには、無線LAN接続のためのアクセスポイント11が設けられている。遊技場内では、アクセスポイント11を利用して無線LAN接続が可能である。配達ロボット6は、無線LAN接続により遊技場内の配達管理端末13と通信できる。携帯端末5は、無線LAN接続によりインターネットアクセスが可能となる。
【0017】
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機2に対しては、遊技に必要な遊技価値である遊技玉の付与機能(貸出機能)を備える得点処理装置4や遊技情報表示装置2D等が個別に設置されている。場内システム10では、場内ネットワーク10Nに接続された中継装置101が、2台の遊技機毎に設置されている。中継装置101には、得点処理装置4および遊技情報表示装置2Dが接続されている。得点処理装置4および遊技情報表示装置2Dは、中継装置101を介して場内ネットワーク10Nに接続される。遊技機2は、得点処理装置4を介して場内ネットワーク10Nに接続される。
【0018】
遊技管理サーバ12は、遊技場内の遊技機2及び各種周辺機器の稼動状況を管理する場内サーバ装置である。遊技管理サーバ12は、遊技者が所有する遊技価値を表す得点数を蓄積して記憶し管理する機能や、景品の交換状況や在庫状況を管理する機能、などを備えている。
【0019】
配達管理端末13は、商品注文サイトの注文状況を確認する端末である。配達管理端末13は、商品注文サイト上での注文を受けて配達ロボット6を制御し、商品を配達させるように構成されている。
【0020】
携帯端末5は、遊技者が所持する通信端末であり、例えば多機能型携帯端末(いわゆるスマートフォン)である。遊技者は、携帯端末5を利用して商品管理サーバ15が運営する商品注文サイトへアクセスでき、商品注文サイト上で所望の商品を注文可能である。携帯端末5は、本例の遊技場用システム1において注文端末としての機能を備えている。
【0021】
配達ロボット6は、自律走行する機能を有する車両型のロボットである。配達ロボット6は、配達管理端末13から受信した配達予定情報に基づいて商品の配達を実行する。遊技場では、複数台の配達ロボット6が配置されている。商品配達カウンタには、非制御中の配達ロボット6の待機スペース(図示略)が設けられている。
【0022】
アクセスポイント11は、場内ネットワーク10Nに設けられた無線LAN接続のための通信機器である。携帯端末5は、アクセスポイント11を利用して無線LAN接続すると、インターネット上の商品注文サイトにアクセスできるようになる。配達ロボット6は、アクセスポイント11を利用して無線LAN接続すると、配達管理端末13との間での情報の送受信が可能になる。
【0023】
遊技情報表示装置2Dは、対応する遊技機2の上方に設置される機器である。遊技情報表示装置2Dは、対応する遊技機2の稼動データを表示可能である。遊技情報表示装置2Dは、図示しない表示切替ボタンを有し、表示切替ボタンの操作に応じて、各種の稼動データを切替表示可能である。
【0024】
次に、遊技機2及び得点処理装置4の構成及び基本動作を説明すると共に、遊技管理サーバ12、携帯端末5、商品管理サーバ15、配達管理端末13、及び配達ロボット6の構成について順番に説明する。続いて、遊技管理サーバ12が管理する情報、及び商品配達サービスの運用フローについて説明する。
【0025】
(遊技機及び得点処理装置の構成)
本例では、遊技媒体である遊技玉を発射して遊技が行われるパチンコ遊技機(図1及び図2)を遊技機2として例示する。本例の遊技機2は、遊技価値を表す遊技点数を消費して遊技玉を発射できると共に、入賞に応じたポイントが遊技点数に加算されることで遊技価値の付与が受けられる、いわゆる封入式の遊技機である。遊技機2は、始動口への入賞に応じて大当たり抽選が実行され、当選に応じて所定の大当たり条件が成立すると大当たり状態(大当たり)が発生する、いわゆるセブン機である。遊技機2の遊技状態には、通常状態、確変状態、大当たり状態がある。確変状態は、大当たり抽選等の当選確率が通常状態よりも高まる有利な遊技状態である。
【0026】
遊技機2は、遊技玉が打ち込まれる略円形状の遊技盤面230を有している。遊技盤面230の上部両側には装飾ランプ部236が配置され、遊技盤面230の下方、遊技者側から見て左側の隅にスピーカ231が配置されている。遊技盤面230の左上に当たる内部には、遊技玉を発射するための発射装置349(図2では図示略。図3参照。)が配設されている。
【0027】
遊技盤面230の下方には、情報表示部250が設けられている。遊技者側から見て情報表示部250の右下方には、遊技盤面230に遊技玉を打ち込むための操作ハンドル235が立設されている。
【0028】
情報表示部250は、発射可能な遊技点数や大当たり回数などの各種の遊技データ等を表示するための表示部である。情報表示部250の表示画面は、タッチセンサシート251(図3)が積層された画面であり、タッチ操作が可能である。情報表示部250には、各種の操作ボタンが表示される。操作ボタンには、計数ボタンや表示ボタン等のボタンがある。計数ボタンは、遊技機2が記憶する遊技点数を持玉数に変換するための操作ボタンである。表示ボタンは、情報表示部250による表示内容を切り替えるための操作ボタンである。
【0029】
遊技盤面230では、液晶表示部290を含む表示装置29を中心として、電チュータイプの特図始動口21、スルー式の普図始動口24、開閉式の大入賞口260等が配置されている。遊技盤面230の最下部には、入賞することなく流下した遊技玉を回収するためのアウト孔238が開口している。特図始動口21は、大当たり抽選の契機となる始動口である。普図始動口24は、普図抽選の契機となる始動口である。普図抽選に当選すると、特図始動口21の開放動作が実行される。なお、大当たり抽選の当否、普図抽選の当否は、表示装置29によって報知される。
【0030】
液晶表示部290は、特図抽選である大当たり抽選の当否を表示する特図表示部、普図抽選の当否を表示する普図表示部としての機能を有している。特図表示部としての液晶表示部290は、例えば複数の図柄の組合せにより大当たり抽選の当否を表示する。普図表示部としての液晶表示部290は、例えば〇か×かによって普図抽選の当否を表示する。
【0031】
次に、遊技機2の電気的な構成について、図3を用いて説明する。遊技機2は、主制御部20を中心として構成されている。主制御部20は、CPU(Central Processing Unit)、記憶素子であるROM(Read Only Memory)・RAM(Random Access Memory)、及び入出力インターフェースをなすI/O(Input/Output)を含む回路である。
【0032】
主制御部20に対しては、上記の構成のほか、スピーカ231を駆動するアンプ231Aや装飾ランプ部236等を制御する演出制御部31、液晶表示部290を制御する表示制御部32、入賞玉の検出センサ351~353、特図始動口21を開放する特図始動ソレノイド362、大入賞口260を開放する大入賞口ソレノイド364、動作電力を供給する電源回路部37、等が電気的に接続されている。さらに、主制御部20には、得点処理装置4との間で各種通信を実行する際の窓口となるI/F部38が接続されている。なお、得点処理装置4との間で送受信する情報あるいはデータの内容については、得点処理装置4の構成を説明した後で説明する。
【0033】
入賞玉の検出センサとしては、図3のごとく、特図始動口21の入賞玉を検出する特図入賞センサ351、普図始動口24の入賞玉を検出する普図入賞センサ352、及び大入賞口260の入賞玉を検出する大入賞センサ353、等がある。
【0034】
次に、得点処理装置4(図1及び図2)は、遊技カード460の受付等を条件に、対応する遊技機2での遊技を可能にする装置である。得点処理装置4は、中継装置101を介して場内ネットワーク10Nに接続されており、遊技管理サーバ12との間で信号や情報などの送受信が可能である。
【0035】
得点処理装置4の前面パネルには、状態ランプ41、紙幣投入口42、カメラ部47、タッチパネル43、操作ボタン441~443、会員カード461などの遊技カード460用のカード挿入口46等が設けられている。タッチパネル43は、表示部430の表示画面にタッチセンサシート431が積層され、タッチ操作が可能なように構成された表示パネルである。操作ボタンとしては、遊技に必要な遊技価値の付与を受けるための貸出ボタン441、貯玉の払出を受けるための再遊技ボタン442、遊技カードの返却を求める返却ボタン443等がある。
【0036】
得点処理装置4は、図3のごとく、CPU、ROM・RAM、I/O等を備える制御部40を中心として電気的に構成されている。制御部40に対しては、上記の構成のほか、紙幣の受付処理を実行する紙幣処理部421、遊技カード460に関する各種処理を実行するカード処理部465などが電気的に接続されている。カード処理部465は、遊技カード460の記録情報を読み書きする機能に加えて、遊技カード460の吸込機能および排出機能を備えている。さらに、制御部40には、遊技機2との間で各種通信を実行するための窓口となるI/F部48が接続されている。
【0037】
(遊技機及び得点処理装置の基本動作)
遊技機2は、発射可能な遊技点数を得点処理装置4から受信すると、その遊技点数分の遊技玉を発射することが可能となる。その後、遊技に応じて遊技点数がゼロになった時点で遊技玉の発射が不可能となる。遊技機2の遊技では、発射玉数の分だけ遊技点数が減算されると共に、入賞により付与された玉数が遊技点数に加算される。
【0038】
遊技機2の遊技点数は、情報表示部250に表示される計数ボタンへのタッチ操作(計数操作)により、得点処理装置4が記憶する持玉数に変換できる。遊技機2は、計数操作に応じて遊技点数の全部あるいは一部を得点処理装置4へ送信し、遊技点数を減算する。計数ボタンの短押しにより1玉ずつ持玉数に加算され、長押しにより全玉一括して持玉数へ変換され、遊技点数がゼロリセットされる。
【0039】
遊技機2では、操作ハンドル235の操作により発射装置349から遊技玉を発射できる。発射された遊技玉が特図始動口21へ入賞すると大当たり抽選(特図抽選)が実行されると共に、表示装置29にて特図の図柄変動が開始される。大当たり抽選で当選した場合は、大当たり図柄の停止表示により大当たり当選が報知され、その後、大当たり状態へ移行できる。
【0040】
大当たり状態では、大入賞口260が規定回数開放され、これにより、入賞率が大幅に向上する。また、遊技玉が普図始動口24へ入賞すると、普図抽選が実行されると共に、表示装置29にて、普図の図柄変動が開始される。普図抽選に当選すると、電チュータイプの特図始動口21が開放されて入賞率が格段に高くなる。
【0041】
遊技機2の遊技では、各入賞口への入賞に応じて所定の得点が付与される。上記のごとく、遊技状態として、通常状態、確変状態、大当たり状態がある。大当たり終了後は、70%の確率で確変状態に移行し、30%の確率で通常状態へ移行する。確変状態は、通常状態よりも特図抽選及び普図抽選の当選確率が高まる遊技状態である。
【0042】
なお、遊技機2では、情報表示部250に表示される表示ボタンへのタッチ操作(情報表示操作)に応じて、各種の遊技データ(大当たり回数、特図抽選回数など)を情報表示部250に表示させることができる。
【0043】
得点処理装置4は、対応する遊技機2から遊技の進行状況を表す台データ(後述)を受信して稼動データ等を集計・記憶するとともに、随時、遊技管理サーバ12へ送信する。また、得点処理装置4は、遊技者の入金残高、得点数も随時、遊技管理サーバ12へ送信する。得点処理装置4は、遊技管理サーバ12から各種設定情報(遊技機番号、機種名、得点単価(ポイント単価)、種別など)を受信し、記憶する。
【0044】
得点処理装置4は、紙幣が挿入されたときは、入金残高に加算して記憶する。なお、入金残高の上限は、例えば10000円に設定される。一般カードが挿入されたときは、得点処理装置4は、カードIDに基づいて遊技管理サーバ12が記憶しているカード情報と照合し、照合結果がOKのときは入金残高及び持点数を読み出して表示する。会員カード461が挿入されたときは、得点処理装置4は、暗証番号による認証を条件として会員カード461から入金残高を読み出して表示し、遊技管理サーバ12から持点数を読み出して表示する。
【0045】
得点処理装置4は、貸出ボタン441が操作されると、一定金額(1000円)ずつ遊技点数(250点)に変換し、遊技機2へ送信する。また、再遊技ボタン442が操作されると、持点数を250点ずつ遊技点数に変換し、遊技機2へ送信する。得点処理装置4は、持点数、遊技点数を記憶し表示する。得点処理装置4は、遊技機2からの得点の加算情報及び減算情報を受信し、記憶している得点数を更新する。
【0046】
得点処理装置4は、会員カード461が未受付である一方、入金残高及び持点数の少なくとも何れか一方が存在する状態で返却ボタン443が操作されたとき、その入金残高及び持点数を一般カードに記録して発行するとともに、発行情報を遊技管理サーバ12へ送信する。なお、得点処理装置4の内部には、一般カードが最大10枚ストックされている。一方、会員カード461の受付中では、その会員カード461を返却するに当たって、得点処理装置4は、入金残高のみを会員カード461に記録し、発行情報を遊技管理サーバ12へ送信する。なお、遊技点数については、遊技カードに記録されず、遊技機側に残る。
【0047】
得点処理装置4は、上記のようにカメラ部47を備えており、遊技者を撮像できるようにカメラ部47が組み込まれている。得点処理装置4は、このカメラ部47を利用して、例えば3秒などの一定時間間隔で遊技者を撮像し、その画像を遊技管理サーバ12へ送信する。
【0048】
遊技機2と得点処理装置4との間では、例えば以下の信号が送受信される。
(1)状態確認要求信号:状態確認応答である台データの要求信号。得点処理装置4が200m秒毎に遊技機2に送信する。
(2)台データ:状態確認要求信号に応じて遊技機2が得点処理装置4に返信する状態確認応答。なお、台データの内訳は後述の通りである。
(3)カード挿入通知:遊技カード460を受け付けた旨の得点処理装置4による通知。
(4)カード挿入応答:カード挿入通知に対する遊技機2の応答。
(5)計数要求信号:情報表示部250に表示される計数ボタン(図示略)が操作されたときに遊技機2が送信する信号。計数要求信号は、遊技機2が記憶する遊技点数のうちの1ポイント分の計数を要求する信号である。
【0049】
遊技機2が得点処理装置4に送信する台データは、アウトやセーフや大当たり回数などの複数の遊技データを一括して含む情報である。この台データには、遊技者の会員ID、送信元の得点処理装置4の識別情報(例えば、対応する遊技機2の台番。)等が対応付けられている。台データには、例えば、以下のデータや情報等が含まれている。なお、以下の説明では、遊技機2が得点処理装置4に送信する台データを稼動情報という。
【0050】
(1)アウト(回数):前回データ送信時からの消費価値(使用価値、打込価値、アウト)を1玉単位で示す。
(2)セーフ(回数):前回データ送信時からの入賞に応じて付与された入賞付与価値(セーフ)を1玉単位で示す。
(3)S入賞(回数):前回データ送信時からの始動入賞(S入賞)を1回単位で示す。
(4)スタート(回数):前回データ送信時からのS入賞により作動(変動)する役物(特図表示部)のスタート(図柄変動数、役物作動数、単位遊技数)を示す。確定した時点で計数されるが、開始した時点で計数しても良い。
(5)大当たり(回数):前回データ送信時から発生した大当たり数を1回単位で示す。高モード演出が発生した時点で計数されるが、終了した時点で計数しても良い。
(6)大当フラグ(状態):データ送信時に大当たり状態の発生中であればON、大当たり状態の発生中でなければOFFが示されるので、ONとなってからOFFとなるまでの期間を大当たり中として特定できる。
【0051】
(遊技管理サーバ)
遊技管理サーバ12(図1)は、遊技場内の各種機器の稼動状況を集中的に管理するためのコンピュータ装置である。遊技管理サーバ12は、液晶ディスプレイ等のPCモニタや図示しないプリンタ等の出力手段、各種の演算処理を実行する装置本体、及びキーボード及び図示しないマウス等の入力手段等を含めて構成されている。装置本体は、各種信号あるいは情報を送受信する通信手段やハードディスクドライブなどの記憶手段などを有する。遊技管理サーバ12は、遊技機2から受信した稼動情報(台データ)に基づいて各遊技機2の稼動データを生成し記憶・管理している。
【0052】
本例の遊技管理サーバ12は、例えば以下の(1)~(6)の各手段としての機能を有する。
(1)稼動データ取得手段:各遊技機2の稼動データを取得する手段。稼動データ取得手段は、各遊技機2の稼動データを、対応する得点処理装置4から一定時間毎に取得する。
(2)集計手段:稼動データ取得手段が取得した稼動データに基づき、各遊技機2の稼動状況を示す各種の稼動データや、遊技者別の遊技データを集計する手段。
(3)会員データ記憶手段:会員である遊技者の登録情報を記憶する手段。
(4)遊技データ記憶手段:遊技機毎の稼動データや、会員毎の個別の遊技データを記憶する手段。各会員の個別の遊技データは、遊技者の識別情報の一例である会員IDを対応付けて記憶される。
(5)遊技価値記憶手段:遊技者が遊技により獲得した遊技価値(得点)を蓄積して記憶する手段。遊技価値記憶手段は、会員IDを対応付けて貯玉数、持玉数を記憶する。貯玉及び持玉は、遊技者が遊技により獲得した遊技価値の大きさを示す指標の一例である。貯玉数と持玉数との合計が、会員である遊技者が所持する得点数となる。
(6)遊技管理手段:各遊技機2における遊技者の遊技状況を管理する手段。
【0053】
(携帯端末)
携帯端末5(図1)は、遊技者が所持する端末である。本例の遊技場用システム1では、商品の注文端末としての機能を、携帯端末5が実現する。注文端末の一例をなす携帯端末5を利用すれば、遊技者が遊技中に所望の商品を注文できる。携帯端末5は、例えばタッチ操作可能な表示画面50を備えるスマートフォン(多機能型携帯電話)などの通信端末であり、インターネット等の公衆通信回線に接続可能である。注文端末としては、例示する携帯端末5のほか、インターネットに接続可能なタブレット端末やPC端末等を利用できる。
【0054】
携帯端末5は、2次元バーコードの読み取り機能を備えている。携帯端末5は、得点処理装置4が表示する2次元バーコード(図11を参照して後述する。)を読み取ることで、商品管理サーバ15が提供する商品注文サイトにアクセスできる。商品注文サイトには、注文する商品を選択する画面が含まれており、その画面上で、所望の商品を注文可能である。
【0055】
(商品管理サーバ)
商品管理サーバ15は、遊技者から商品の注文を受け付け、各遊技場の配達管理端末13に対して注文情報を送信する場外サーバ装置である。商品管理サーバ15は、インターネット上で、遊技場の管理者が制作し運営する商品注文サイトを提供する。商品注文サイトにおける配達可能な商品のメニューや、在庫状況は、遊技場の管理者によって随時更新される。
【0056】
商品管理サーバ15は、以下の各手段としての機能を備えている。
(1)サイト提供手段:インターネット上で商品注文サイトを提供する手段。遊技者は、この商品注文サイト上で所望の商品を注文できる。
(2)決済手段:注文端末としての携帯端末5により注文された商品の対価として遊技価値(得点)を徴収することにより決済処理を行う手段。
(3)決済情報送信手段:決済処理の内容を表す決済情報を、遊技管理サーバ12及び配達管理端末13に対して送信する手段。
【0057】
(配達管理端末)
配達管理端末13(図1)は、遊技者が注文した商品の配達を管理するための端末である。配達管理端末13は、液晶ディスプレイ等のPCモニタ等の出力手段、各種の演算処理を実行する演算手段、及びキーボード及び図示しないマウス等の入力手段等を含めて構成されている。配達管理端末13は、場内ネットワーク10Nに接続されていると共に、場内ネットワーク10Nを介してインターネットにアクセス可能である。
【0058】
配達管理端末13は、インターネットを介して、商品管理サーバ15と通信可能である。また、配達管理端末13は、場内ネットワーク10Nを介して、遊技管理サーバ12や配達ロボット6と通信可能である。遊技者が商品を注文した内容を表す決済情報は、インターネットを利用して商品管理サーバ15から配達管理端末13に送信される。
【0059】
配達管理端末13は、以下の各手段としての機能を有している。
(1)配達予定情報作成手段:商品管理サーバ15から受信した決済情報に基づき、配達予定情報を作成する手段。
(2)遊技情報取得手段:遊技管理サーバ12から配達先の遊技機2の遊技情報を取得する手段。
(3)遊技状況判定手段:配達先の遊技機2の遊技状況を判定する手段。遊技状況判定手段は、稼働中、大当たり中、離席中のいずれであるのかを判定する。
(4)遠隔制御手段:配達ロボット6を遠隔制御する手段。
(5)マップ表示手段:遊技場内の地図データであるエリアマップを表示する手段。マップ表示手段は、配達ロボット6の位置をエリアマップ上にプロット可能である。
【0060】
なお、本例の遊技場用システム1で採用されるエリアマップは、立体構造に関する情報を含む3次元地図データである。エリアマップは、配達ロボット6(図4)が取得する3次元情報との突き合わせが可能である。遊技場用システム1では、配達ロボット6がカメラ62やエリアセンサ603等を利用して取得した3次元情報をエリアマップと突き合わせることで、配達ロボット6の位置の測位が可能となっている。
【0061】
(配達ロボット)
配達ロボット6(図4及び図5)は、商品を配達するための自律移動ロボットである。配達ロボット6は、遊技場内を走行して商品6Sを注文した遊技者の席まで移動し、商品6Sを配達する。配達ロボット6は、自律走行する機能を備えている。配達ロボット6は、遊技場内のエリアマップ上に設定された経路に沿って移動し、指定された遊技機2の位置まで走行できる。配達ロボット6は、アクセスポイント11に接続するための無線通信機能を有している。配達ロボット6は、場内ネットワーク10Nを利用して配達管理端末13との間で各種情報の送受信を実行可能である。
【0062】
配達ロボット6は、高さ1m程度の縦長箱型の筐体を有し、その上面にタッチパネル61が設けられたロボットである。筐体の下面には、駆動輪を含む4輪が設けられ、自走が可能である。筐体の4つの側面には、それぞれ、超音波センサ等のエリアセンサ603が取り付けられている。筐体の正面に当たる側面では、エリアセンサ603の上方に、開口部67が設けられている。開口部67は、筐体の正面から上面に亘って形成されている。
【0063】
開口部67は、可動シャッター671により開閉可能である。可動シャッター671の内側には、円形状のターンテーブルである商品テーブル66が配設されている。商品テーブル66は、配達する商品6Sを載置可能なテーブルである。商品テーブル66の載置面には、回転中央を中心として周方向、等間隔に配置された3枚の仕切り板661が取り付けられている。商品テーブル66の載置面は、3枚の仕切り板661によって3等分に区画されている。配達ロボット6は、商品テーブル66に載置された最大3つの商品を、1回の出動で配達可能である。
【0064】
タッチパネル61は、筐体の上面において、開口部67の奥側に当たる位置に立設されている。タッチパネル61の表面エリアの上方の枠には、カメラ62およびマイク65が埋設されている。また、タッチパネル61を支持するスタンドには、スピーカ63が埋設されている。
【0065】
配達ロボット6は、図6のブロック図の通り、CPU、ROM、RAM、I/Oを備える制御部60を中心として電気的に構成されている。制御部60には、液晶ディスプレイ等の表示部601、タッチセンサシート602、スピーカ63、マイク65、カメラ62、アクセスポイント11に接続するための無線通信部604、エリアセンサ603、駆動輪の駆動モータを含む走行機構部605、商品テーブル66を回転させるテーブル駆動モータ606、エリアマップが格納された地図データベース(地図DB)をなす記憶装置600、等が接続されている。タッチ操作が可能なタッチパネル61は、表示部601の表示画面に、タッチセンサシート602を積層して構成されている。
【0066】
スピーカ63は、遊技場内の遊技客、商品6Sを注文した遊技者、従業員等に対する音声メッセージを出力する音声出力機能を実現する。マイク65から入力された音声データは、制御部60による音声認識処理が施される。カメラ62は、自律走行のために周囲環境を撮影したり、商品6Sを注文した遊技者を撮影したり、するためのカメラである。
【0067】
無線通信部604は、配達管理端末13との間で各種の情報をやり取りするための通信ユニットである。
エリアセンサ603は、周囲の障害物などを検知するためのセンサである。本例では、エリアセンサ603として超音波センサを採用している。エリアセンサ603として、ミリ波レーダーやライダー等を利用することも良い。
【0068】
配達ロボット6は、以下の各手段としての機能を備えている。
(1)情報送受信手段:配達管理端末13との間で各種情報の送受信を行う機能。また、配達ロボット6は、タッチパネル61を利用して入力された各種の情報を取得することも可能である。
(2)測位手段:自身の位置(現在位置)を測位する機能。測位手段は、エリアセンサ603やカメラ62による取得情報を、エリアマップと突き合わせることで現在位置を特定する。現在位置は、配達管理端末13に随時、送信される。
(3)コミュニケーション手段:遊技者や従業員との間で、コミュニケーションを実行する手段。コミュニケーション手段は、タッチパネル61、カメラ62、マイク65、スピーカ63などの入出力装置を利用してコミュニケーションを実行する。コミュニケーションは、カメラ62による撮影画像に基づく人物認証機能、マイク65から入力された音声の認識機能、遊技客あるいは店員に対するメッセージをスピーカ63から出力する音声出力機能、等を利用して実現される。
(4)自律走行手段:エリアマップ上で設定された経路に沿って移動できるように、駆動モータなどの走行機構部605を制御する手段。
【0069】
(遊技管理サーバが管理する情報)
遊技場に設置された遊技管理サーバ12は、図7図9の各種情報を記憶・管理している。
図7の会員登録データは、会員登録手続で入力された各会員の属性情報を登録したデータである。なお、本例の商品配達サービスは、会員限定のサービスである。会員登録を済ませた遊技者が、商品配達サービスを利用できる。
【0070】
図8の会員遊技履歴データは、遊技管理サーバ12が会員別の遊技履歴を作成して管理するデータである。会員遊技履歴データでは、遊技開始から遊技終了までの遊技履歴を表すデータが、会員別で記録される。遊技履歴を表すデータには、遊技機2の台番、種別、遊技開始時刻、遊技終了時刻、使用金額、遊技に使用した貯玉数(再プレイ)、アウト、セーフ、大当たり回数(大当たり)、持玉数、等のデータが含まれる。
図9の会員遊技価値データは、各会員が所有する入金残高、持玉数、貯玉数を記憶したデータである。
【0071】
(商品配達サービスの運用フロー)
商品配達サービスの運用フローについて、図10のフロー図を参照して説明する。遊技場用システム1では、注文ステップS1→決済ステップS2→配達準備ステップS3→遠隔制御ステップS4、という大まかな流れで、商品配達サービスが実行される。
【0072】
商品配達サービスは、上記の通り会員登録された遊技者のみ利用可能である。会員登録を済ませた遊技者は、所有する得点数の範囲内において商品を購入できる。
【0073】
注文ステップS1は、携帯端末5を利用して遊技者が商品6Sを注文するステップである。遊技場用システム1では、得点処理装置4が表示する2次元コード(図11)を介して商品注文サイトへのアクセスが可能である。ここで、2次元コードは、得点処理装置4が表示する図11に例示の初期画面に表示される。初期画面は、得点処理装置4のタッチパネル43に表示される画面である。
【0074】
図11の初期画面の最上段には、対応する遊技機2の種別(単価)および単位付与数の表示欄43Aが配置され、最下段には、入金残高の表示欄43C、所有遊技価値の表示欄43Dが配置されている。表示画面の大部分を占有する中段の表示エリア43Bには、遊技者に対する各種の案内メッセージと共に、商品注文サイトに誘導するための2次元コード(商品注文サイト誘導コード)が表示される。2次元コードには遊技場ID及び遊技機IDが含まれている。なお、この2次元コードが印字されたシールを、遊技機2の近辺に貼付しておくことも良い。
【0075】
遊技者は、図11の初期画面中の2次元コードを携帯端末5で読み取ることで、商品注文サイトへアクセスできる。商品注文サイトにアクセスすると、例えば図12に例示する商品注文ページが、携帯端末5の表示画面50に表示される。商品注文ページ(図12)では、遊技者の持点数が表示されると共に、注文可能な商品6Sのリストであるメニュー表示欄50A、決定ボタン50B等が配置されている。遊技者は、メニュー表示欄50Aの中から所望の商品6Sを選択し、決定ボタン50Bをタッチ操作する注文操作により商品6Sを注文できる。なお、遊技者が所有する持点数が対価点数に満たない商品6Sについては、選択できないようにメニュー表示欄50Aにおいてシャドー表示(反転表示)される。
【0076】
なお、商品注文サイトへのアクセスに利用された2次元コードには、上記のように、遊技場ID及び遊技機IDが含まれている。それ故、商品管理サーバ15側では、携帯端末5がいずれの遊技場のいずれの遊技機2から商品注文サイトへアクセスして来たのかを特定できる。
【0077】
決済ステップS2は、商品注文サイト上での注文操作の受付に応じて開始される。商品管理サーバ15は、注文操作を受け付けると、注文者が所在する遊技場の遊技管理サーバ12に対し、注文者の得点数情報を要求する。商品管理サーバ15は、遊技管理サーバ12から得点数情報を受信し、注文商品の対価点数が得点数の範囲内であるかどうかを判定する。商品管理サーバ15は、注文商品の対価点数が、遊技者が所有する得点数の範囲内にあれば、注文の受付を確定して決済処理を実行する。決済処理では、遊技管理サーバ12及び配達管理端末13に対して決済情報が送信される。
【0078】
遊技管理サーバ12は、商品管理サーバ15から受信した決済情報に基づき、注文者の得点数を減算するとともに、得点処理装置4へ得点減算情報を送信する。得点処理装置4は、遊技管理サーバ12から受信した得点減算情報に基づいて得点数を減算する。
【0079】
配達準備ステップS3において、配達管理端末13は、商品管理サーバ15から受信した決済情報に基づいて配達予定情報を作成する。遊技場の配達担当者は、配達管理端末13が表示する配達予定情報を確認しながら、注文された商品6Sを配達ロボット6の商品テーブル66に載置する作業を実施する。配達担当者は、商品テーブル66に商品6Sを載置する毎に、配達先の遊技機番号を入力する必要がある。
【0080】
配達ロボット6は、商品6Sが載置されて配達先の遊技機番号が入力されると、次の配達商品を積み込みできるよう、商品テーブル66を回転させる。なお、上記の通り、配達ロボット6では、配達商品を載置するための商品テーブル66が3区画に区分されている。配達ロボット6は、一度の出動で最大3カ所への配達が可能である。配達ロボット6は、配達先が2箇所以上の場合は、配達先が入力された順番が、商品6Sを配達する順序として設定される。
【0081】
遠隔制御ステップS4において、配達管理端末13は、遊技場内のエリアマップ上で配達ロボット6を移動させる経路を設定する。エリアマップ上の経路は、配達ロボット6に随時、送信され、配達管理端末13と配達ロボット6との間で共有される。
【0082】
配達管理端末13は、遊技管理サーバ12から配達先の遊技機2の遊技情報を随時受信しながら、配達ロボット6の動作を遠隔制御する。配達ロボット6は、遊技場内のエリアマップ上に設定された経路に応じて、指定された遊技機2の位置まで走行する。配達ロボット6は、移動中に、現在位置を示す位置データを配達管理端末13へ随時、送信する。これにより、配達管理端末13は、配達ロボット6の現在位置をエリアマップ上に表示可能である。
【0083】
配達ロボット6を遠隔制御している間、配達管理端末13は、遊技管理サーバ12から受信する遊技情報等に基づき、配達先の遊技機2が、稼動中、大当たり中、離席中の何れであるのかを判定する。配達管理端末13は、遊技機2から出力される各種遊技信号や、得点処理装置4が取得するカメラ画像や、配達ロボット6が取得するカメラ画像などにより、配達先の遊技機2の遊技状況を判定可能である。
【0084】
配達ロボット6は、配達先に到着すると、大当たり中、離席中でなければ、商品6Sの配達動作を実行する。配達動作では、まず、配達する商品6Sが開口部67に位置するよう、商品テーブル66が回転駆動される。配達する商品6Sが開口部67に位置した後、可動シャッター671が開けられて開口部67が解放される。このような配達動作により、遊技者が開口部67に手を差し入れて商品6Sを受け取ることができるようになる。なお、可動シャッター671を開ける前に、遊技者に対する声掛けの音声メッセージをスピーカ63から出力することも良い。
【0085】
大当たり中又は離席中のときは、配達管理端末13は、次の配達先の有無を判定する。次の配達先が有る場合には、次の配達先へ移動するよう、配達ロボット6を遠隔制御する。このように、配達管理端末13は、遊技管理手段としての遊技管理サーバ12から受信した遊技情報に基づいて、予め設定された配達順序を変更する制御を実行可能である。
【0086】
配達先の遊技機2が大当たり中であって、かつ、次の配達先が無い場合、配達管理端末13は、配達ロボット6に対して、大当たりが終了するまで配達を待機させる制御を実行する。配達管理端末13は、遊技管理サーバ12から受信した遊技情報が大当たりを示すとき、その後、遊技管理サーバ12から受信した遊技情報が通常状態を示すようになるまで、配達を待機させる。なお、大当たりの終了後、遊技者が落ち着いた様子になったことを検知するよう、配達管理端末13を構成することも良い。遊技者が落ち着いた後での商品6Sの配達のタイミングは一層適切である。例えば、得点処理装置4あるいは配達ロボット6が取得する遊技者画像に画像処理を施したり、遊技管理サーバ12から受信した遊技情報を処理して玉発射の一旦停止などを検出することで、遊技者の落ち着いた様子を検知しても良い。
【0087】
また、配達先の遊技機2が離席中であって、かつ、次の配達先が無い場合には、配達管理端末13は、配達先の遊技機2が稼動中に変わるまで待機するよう、配達ロボット6を遠隔制御する。配達管理端末13は、例えば、得点処理装置4あるいは配達ロボット6が取得するカメラ画像に画像処理を施すことで、遊技者が席に戻ったことを検知すると良い。遊技管理サーバ12から受信する遊技情報を処理し、遊技再開を検出することで遊技者が席に戻ったことを検知しても良い。
【0088】
以上のような構成の遊技場用システム1は、配達ロボット6による商品配達サービスを提供するための遊技場向けのシステムである。この商品配達サービスでは、遊技者が所持する携帯端末5等の通信端末が、商品6Sを注文するための注文端末として活用される。この遊技場用システム1は、各遊技機2における遊技者の遊技状況を管理する遊技管理サーバ12(遊技管理手段)と、配達ロボット6の動作を制御するための配達管理端末13と、を含むシステムである。この遊技場用システム1における配達管理端末13は、遊技管理サーバ12から配達先の遊技者の遊技状況を示す遊技情報を受信し、その遊技情報に基づいて配達ロボット6の動作を制御するように構成されている。
【0089】
本例の遊技場用システム1では、配達先の遊技者の遊技状況に応じて配達ロボット6の動作を制御するので、遊技の邪魔になるタイミングでの商品6Sの配達を未然に回避し、商品配達サービスの質の向上が可能となっている。
【0090】
配達管理端末13は、遊技管理サーバ12(遊技管理手段)から受信した遊技情報が大当たりを示している場合、配達ロボット6に対して大当たりが終了するまで配達を待機させる制御を実行する。このような配達を待機させる制御を実行すれば、配達のタイミングを一層適切にでき、遊技の邪魔とならない商品配達サービスを提供できる。
【0091】
配達管理端末13は、遊技管理サーバ12(遊技管理手段)から受信した遊技情報が離席中を示している場合、配達ロボット6に対して遊技者が着席するまで配達を待機させる制御を実行する。このように離席した遊技者が席に戻るまで待機すれば、第三者に間違って商品6Sを渡してしまう等のトラブルを未然に回避できる。
【0092】
配達ロボット6は、内蔵する商品テーブル66に、2つ以上の配達先の商品を同時に載置可能である。配達管理端末13は、配達ロボット6が2以上の配達先の商品を載置した状態において予め設定した順序で配達するように制御するとともに、遊技管理サーバ12(遊技管理手段)から受信した遊技情報に基づいて配達の順序を変更する制御を行うことが可能である。配達の順序を変更する制御を実行可能なように配達管理端末13を構成すれば、配達先の状況に応じて配達の順序を臨機応変に変更できるようになる。
【0093】
本例の構成に代えて、あるいは加えて以下のような構成を採用することも良い。また、以下の各構成を適宜組み合わせて採用することも良い。
本例では、商品管理サーバ15をクラウド上に設けたが、遊技管理サーバ12と同様、遊技場内に設けても良い。また、遊技管理サーバ12をクラウド上に設けることも良い。このように商品管理サーバ15や遊技管理サーバ12の設置場所は、遊技場やクラウド上に限定されず、インターネットに接続可能であれば設置場所はいずれの場所でも良い。
【0094】
遊技管理サーバ12は、単一のハードウェア上で構成しても良いし、機能別に区分して2つ以上のハードウェアを利用して構成しても良い。例えば、遊技機2の稼動状況を管理する機能と、景品交換の状況を管理する機能と、会員の遊技価値を管理する機能とを別々のハードウェアで構成することができる。
【0095】
得点処理装置4や遊技情報表示装置2Dに、注文操作を受け付ける機能を設けることも良い。この場合、携帯端末5を所持していない遊技者であっても、商品配達サービスを利用できるようになる。
【0096】
本例では、いわゆる封入式のパチンコ遊技機を遊技機2として例示している。遊技機は封入式のパチンコ遊技機には限定されない。入賞に応じて実際に玉を払い出す方式のパチンコ遊技機であっても良い。この場合、得点処理装置4に玉の計数機能を付加すると良い。また、パチスロ遊技機であっても良く、その場合も同様に入賞に応じてメダルを払い出さない方式、メダルを払い出す方式の何れであっても良い。さらに、アレンジボール遊技機、ジャン球遊技機などであっても良い。
【0097】
本例は、得点処理装置4が表示する2次元コードを携帯端末5で読み取って商品注文サイトにアクセスし、商品注文サイト上で注文操作できるように構成された例である。これに代えて、商品注文アプリを携帯端末5へダウンロードし、そのアプリ上で注文操作を行うような構成であっても良い。商品注文アプリは、例えば、商品管理サーバ15から携帯端末5へダウンロードできるように構成すると良い。
【0098】
本例の遊技場用システム1では、予め会員登録した遊技者のみが商品配達サービスを利用可能である。これに代えて、会員登録していない一般遊技者も商品配達サービスを利用できるように構成しても良い。
【0099】
本例では、配達担当者が商品の配達先を配達管理端末13に入力した順番を、配達の順序として設定している。これに代えて、配達の順序を配達担当者が任意で設定できるように構成しても良い。あるいは、商品の属性や、配達ルート等に応じて、配達管理端末13あるいは配達ロボット6が演算処理により配達する順序を決定することも良い。商品の属性に関しては、ホットの飲み物など、時間の経過により品質の低下が予測される場合には配達の序列を優先的にしても良い。配達ルートに関しては、複数個所の配達先を効率良く回ることができることを優先しても良い。
【0100】
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。
【符号の説明】
【0101】
1 遊技場用システム
10 場内システム
101 中継装置
10N 場内ネットワーク
12 遊技管理サーバ(稼動データ取得手段、集計手段、会員データ記憶手段、遊技データ記憶手段、遊技価値記憶手段、遊技管理手段)
13 配達管理端末(配達予定情報作成手段、遊技情報取得手段、遊技状況判定手段、遠隔制御手段、マップ表示手段)
14 景品交換端末
15 商品管理サーバ(サイト提供手段、決済手段、決済情報送信手段)
2 遊技機
2D 遊技情報表示装置
4 得点処理装置
5 携帯端末(注文端末)
6 配達ロボット(情報送受信手段、測位手段、コミュニケーション手段、自律走行手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12