(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055018
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】火災感知器
(51)【国際特許分類】
G08B 17/00 20060101AFI20240411BHJP
G08B 17/06 20060101ALI20240411BHJP
G08B 17/107 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
G08B17/00 D
G08B17/06 C
G08B17/107 A
G08B17/06 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022161576
(22)【出願日】2022-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】恩田 隆
【テーマコード(参考)】
5C085
5G405
【Fターム(参考)】
5C085AA01
5C085AA03
5C085BA20
5C085BA33
5C085CA11
5C085DA07
5C085DA08
5C085FA24
5G405AA01
5G405AB01
5G405AB02
5G405CA13
5G405FA16
(57)【要約】
【課題】種々のタイプの火災感知器の作動試験に適用でき、簡易な構成を用いて簡単な操作で作動試験を実施することができる火災感知器を得る。
【解決手段】火災監視エリアに設けられ、火災監視モード時に火災の発生を感知した際に火災信号を出力する信号出力部を備えた火災感知器であって、信号出力部は、外部から磁力を与える強制出力モード時において、磁力に反応することで火災信号を強制的に出力する強制出力構成を有するものである。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
火災監視エリアに設けられ、火災監視モード時に火災の発生を感知した際に火災信号を出力する信号出力部を備えた火災感知器であって、
前記信号出力部は、外部から磁力を与える強制出力モード時において、前記磁力に反応することで前記火災信号を強制的に出力する強制出力構成を有する
火災感知器。
【請求項2】
前記信号出力部は、
前記火災監視モード時には、周囲の温度の上昇率が一定の率以上になったときのダイヤフラムの膨張により接点がオン状態となることで前記火災信号を出力し、
前記強制出力モード時には、前記ダイヤフラムに取り付けられた磁石が前記磁力に反応することにより前記接点がオン状態となることで前記火災信号を強制的に出力する
請求項1に記載の火災感知器。
【請求項3】
前記信号出力部は、
前記火災監視モード時には、周囲の温度が一定の温度以上になったときのバイメタルの歪みにより接点がオン状態となることで前記火災信号を出力し、
前記強制出力モード時には、前記バイメタルに取り付けられた磁石が前記磁力に反応することにより前記接点がオン状態となることで前記火災信号を強制的に出力する
請求項1に記載の火災感知器。
【請求項4】
前記信号出力部は、
前記火災監視モード時には、発光部から照射された光が煙による散乱光として受光部で受光された際の受光量が閾値以上となることで前記火災信号を出力し、
前記強制出力モード時には、前記磁力に反応して移動する反射体により、前記発光部から照射された光を前記受光部に向けて反射させて前記受光量を前記閾値以上とさせることで前記火災信号を強制的に出力する
請求項1に記載の火災感知器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、火災感知器に関するものであり、特に、火災の発生を感知したことを知らせる火災信号を強制的に出力する構成を備えた火災感知器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
火災報知システムにおいては、火災を検出するために、種々のタイプの火災感知器が用いられている。具体的なタイプとしては、例えば、差動式スポット型感知器、定温式スポット型感知器、光電式スポット型感知器などが挙げられる。
【0003】
火災感知器は、周囲温度の上昇、あるいは煙の発生に起因して変化する状態をモニタすることで、火災の発生を感知した際に火災信号を出力する。このような火災感知器の作動試験を行う際には、温度上昇あるいは煙発生の環境を模擬することが一般的である。
【0004】
これに対して、火災温度に達した時の反転バイメタルの反転動作でスイッチ接点を閉じて火災検出信号を出力する熱感知器の作動試験にあたり、火災時の動作に近い形の作動試験を遠隔的に簡単にできる従来技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1は、試験用電磁石を設けておき、点検時に外部から試験用電磁石の励磁コイルに通電し、試験用電磁石の発生磁界によりスイッチ接点を閉じる構成を備えている。このような構成を備えることで、特許文献1は、強制的にスイッチ接点を閉じて作動試験を実施することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
特許文献1は、所定の火災温度に達した時の反転バイメタルの反転動作によりバネ部材を押してスイッチ接点を閉成し、このスイッチ接点の閉成で火災信号を外部に出力する熱感知器の作動試験に特化したものである。
【0008】
さらに、特許文献1は、作動試験を行うために、試験用電磁石をあらかじめ設けておくとともに、外部から試験用電磁石の励磁コイルに通電する必要がある。従って、特許文献1は、作動試験を行うことができる対象がバイメタルを用いた熱感知器に限られてしまうとともに、作動試験用としてあらかじめ組み込んでおく回路構成が複雑であり、作動試験を行う際にも通電作業が必要となり、手間が掛かるという課題があった。
【0009】
本開示は、上記の課題を解決するためになされたものであり、種々のタイプの火災感知器の作動試験に適用でき、簡易な構成を用いて簡単な操作で作動試験を実施することができる火災感知器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示に係る火災感知器は、火災監視エリアに設けられ、火災監視モード時に火災の発生を感知した際に火災信号を出力する信号出力部を備えた火災感知器であって、信号出力部は、外部から磁力を与える強制出力モード時において、磁力に反応することで火災信号を強制的に出力する強制出力構成を有するものである。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、種々のタイプの火災感知器の作動試験に適用でき、簡易な構成を用いて簡単な操作で作動試験を実施することができる火災感知器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の実施の形態1における火災感知器を含む火災報知システムの全体構成図である。
【
図2】本開示の実施の形態1における、強制出力構成を備えた火災感知器の作動試験に関する説明図である。
【
図3】本開示の実施の形態1における差動式スポット型感知器の強制出力構成に関する説明図である。
【
図4】本開示の実施の形態1における定温式スポット型感知器の強制出力構成に関する説明図である。
【
図5】本開示の実施の形態1における光電式スポット型感知器の強制出力構成に関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の火災感知器の好適な実施の形態につき、図面を用いて説明する。
本開示に係る火災感知器は、従来技術と比較して、種々のタイプの火災感知器の作動試験に適用でき、外部から磁力を与える簡単な操作で作動試験を実施することができる強制出力構成を備えることを技術的特徴とするものである。
【0014】
実施の形態1.
まず始めに、火災感知器を含む火災報知システムの全体像について説明する。
図1は、本開示の実施の形態1における火災感知器を含む火災報知システムの全体構成図である。具体的には、
図1に示した火災報知システムは、火災受信機10および複数の火災感知器を主な構成要素として含んでいる。
【0015】
火災受信機10は、信号線SGを介して、アドレッサブル発信機20、火災感知器31、32、感知器用中継器40、および防排煙制御用中継器50と接続されている。
【0016】
感知器用中継器40には、火災感知器が、複数台接続されている。
図1では、4台の火災感知器41~44を例示している。また、防排煙制御用中継器50には、防火戸51、排煙機52、シャッタ53、およびたれ壁54が接続されている。
【0017】
ここで、火災感知器31、32、および火災感知器41~44は、あらかじめ設定されたそれぞれの火災監視エリアにおいて火災の発生を感知する複数の火災感知器に相当する。複数の火災感知器により感知器群が構成される。
【0018】
また、防火戸51、排煙機52、シャッタ53、およびたれ壁54は、複数の火災感知器のそれぞれの感知結果と連動して動作し、火災、煙等の拡散を防止するために機能する複数の端末設備に相当する。複数の端末設備により、端末設備群が構成される。
【0019】
複数の火災感知器のそれぞれは、個々の火災感知器を識別するためのアドレス情報があらかじめ割り付けられている。そして、複数の火災感知器のそれぞれは、自身に割り付けられたアドレス情報を含めた情報として、火災関連情報を火災受信機10に対して送信することができる。一方、火災受信機10は、アドレス情報を付加して情報伝送を行うことで、所望の火災感知器に対して必要な情報を送信することができる。
【0020】
また、複数の端末設備のそれぞれにも、個々の端末設備を識別するためのアドレス情報があらかじめ割り付けられている。従って、火災受信機10は、アドレス情報を付加して情報伝送を行うことで、所望の端末設備を稼働させる指令を送信することができる。
【0021】
このような構成により、火災受信機10は、あらかじめ決められた種々の火災監視エリアに設置されている複数の火災感知器、およびアドレッサブル発信機20から火災関連情報を収集する。そして、火災受信機10は、収集した火災関連情報に基づいて、火災警報を行い、端末設備群を作動させることができる。
【0022】
なお、端末設備群に含まれているそれぞれの端末設備は、どの火災感知器の感知結果と連動して動作するかがあらかじめ規定されている。例えば、複数の火災感知器と複数の端末設備との連動動作の対応関係を連動表としてあらかじめ設定しておくことで、火災受信機10は、複数の火災感知器のそれぞれの感知結果に基づいて、連動表から適切な端末設備を特定し、連動動作させることができる。
【0023】
また、図示は省略しているが、火災受信機10は、収集した火災関連情報に基づいて、移報信号を出力し、消火設備を起動して消火作業を開始したり、非常放送装置により火災報知あるいは避難誘導を行ったり、ネットワークを介して上位装置に対して火災関連情報を伝送したりすることができる。
【0024】
なお、以上の説明では、複数の火災感知器のそれぞれに対して、個々の火災感知器を識別するためのアドレス情報があらかじめ割り付けられており、火災受信機10とそれぞれの火災感知器との間で通信機能による情報伝達が行われる場合を例示したが、本開示に係る火災感知器は、このようなタイプに限定されない。火災受信機10からの情報を受信することのできる通信機能を有さず、火災を感知した際に接点信号を出力する構成を備えたタイプの火災感知器も、本開示に係る火災感知器に含まれる。
【0025】
いずれのタイプの火災感知器においても、火災の発生を感知した際に出力される火災信号の作動試験が行われる。本開示に係る火災感知器は、外部から磁力を与える簡単な操作で作動試験を実施することができる強制出力構成を備えることを技術的特徴とする。そこで、以下では、火災感知器の具体例として、差動式スポット型感知器、定温式スポット型感知器、光電式スポット型感知器を挙げ、技術的特徴について詳細に説明する。
【0026】
まず初めに、差動式スポット型感知器、定温式スポット型感知器、光電式スポット型感知器の総称を火災感知器100として、簡易な構成を用いて簡単な操作で作動試験を実施することができる信号出力部200のコンセプトを、
図2を用いて説明する。
【0027】
図2は、本開示の実施の形態1における、強制出力構成を備えた火災感知器の作動試験に関する説明図である。
図2に示した火災感知器100は、強制出力構成201を有する信号出力部200を備えている。
【0028】
強制出力構成201は、外部から与えられた磁力に反応することで、火災信号を強制的に出力する構成のことである。作動試験を行う試験員は、例えば、作業棒の先端に取り付けられた永久磁石を火災感知器100に近づけることで、火災感知器100の外部から強制的に磁力を与えることができる。
【0029】
すなわち、火災感知器100は、通常は、火災監視エリアにおける火災の発生をモニタする火災監視モードとして機能し、火災を感知した場合に火災信号を出力するが、外部から磁力を与えられることで強制出力モードとして機能し、火災信号を強制的に出力することができる。
【0030】
次に、火災感知器100として、差動式スポット型感知器110、定温式スポット型感知器120、および光電式スポット型感知器130を用いる場合を具体例として、本開示における強制出力構成201について、詳細に説明する。
【0031】
<1>差動式スポット型感知器110を火災感知器100として用いた場合
図3は、本開示の実施の形態1における差動式スポット型感知器110の強制出力構成に関する説明図である。差動式スポット型感知器110は、感知部の周囲の温度の上昇率が一定の率以上になったときに火災信号を発信するものであり、一局所の熱効果により作動するものである。
【0032】
図3(A)は、火災監視モード時において火災が感知されていない通常時の状態を示している。また、
図3(B)は、火災監視モード時において火災が感知されて火災信号が出力された火災時の状態を示している。さらに、
図3(C)は、強制出力モード時において火災信号が強制的に出力された強制出力時の状態を示している。
【0033】
差動式スポット型感知器110は、感知部内に設けられたダイヤフラム111が空気の膨張により押し上げられ、機械的に接点112を閉じることで火災信号を発信する構造を有している。さらに、差動式スポット型感知器110は、強制出力構成を実現するための磁石113を備えている。
【0034】
ここで、
図3(C)に示した磁石113を備えたダイヤフラム111、および接点112は、外部からの磁力により火災信号を強制的に出力することができ、強制出力構成に相当する。
【0035】
図3(A)においては、感知部の周囲の温度の上昇率が一定の率に至っておらず、ダイヤフラム111の押し上げ量が少なく、接点112がオフ状態となっている。
図3(B)においては、感知部の周囲の温度の上昇率が一定の率以上となったことでダイヤフラム111が押し上げられて接点112がオン状態となり、その結果、火災信号が出力される。
【0036】
図3(C)においては、強制出力構成を備えた差動式スポット型感知器110に対して、外部から磁力が与えられることで、磁石113を備えたダイヤフラム111が強制的に押し上げられて接点112がオン状態となり、その結果、火災信号が強制的に出力される。従って、簡易な構成を用いて簡単な操作で作動試験を実施することができる。
【0037】
<2>定温式スポット型感知器120を火災感知器100として用いた場合
図4は、本開示の実施の形態1における定温式スポット型感知器120の強制出力構成に関する説明図である。定温式スポット型感知器120は、感知部の周囲の温度が一定の温度以上になったときに火災信号を発信するものであり、一局所の熱効果により作動するものである。
【0038】
図4(A)は、火災監視モード時において火災が感知されていない通常時の状態を示している。また、
図4(B)は、火災監視モード時において火災が感知されて火災信号が出力された火災時の状態を示している。さらに、
図4(C)は、強制出力モード時において火災信号が強制的に出力された強制出力時の状態を示している。
【0039】
定温式スポット型感知器120は、感知部に用いられているバイメタル121が歪む、または反転し、機械的に接点122を閉じることで火災信号を発信する構造を有している。さらに、定温式スポット型感知器120は、強制出力構成を実現するための磁石123を備えている。
【0040】
ここで、
図4(C)に示した磁石123を備えたバイメタル121、および接点122は、外部からの磁力により火災信号を強制的に出力することができ、強制出力構成に相当する。
【0041】
図4(A)においては、感知部の周囲の温度が一定の温度に至っておらず、バイメタル121の変形量が少なく、接点122がオフ状態となっている。
図4(B)においては、感知部の周囲の温度が一定の温度以上となったことでバイメタル121が変形して接点122がオン状態となり、その結果、火災信号が出力される。
【0042】
図4(C)においては、強制出力構成を備えた定温式スポット型感知器120に対して、外部から磁力が与えられることで、磁石123を備えたバイメタル121が強制的に押し上げられて接点122がオン状態となり、その結果、火災信号が強制的に出力される。従って、簡易な構成を用いて簡単な操作で作動試験を実施することができる。
【0043】
<3>光電式スポット型感知器130を火災感知器100として用いた場合
図5は、本開示の実施の形態1における光電式スポット型感知器130の強制出力構成に関する説明図である。光電式スポット型感知器130は、火災による煙が入り易い形状の暗箱内に発光部131および受光部132が設けられ、発光部131から照射された光が煙による散乱光として受光部で受光された際の受光量が閾値以上となることで火災信号を発信するものであり、煙に起因して作動するものである。
【0044】
なお、光電式スポット型感知器130には、発光部131からの光がダイレクトで受光部132によって受光されることを防止するために、遮光板133が設けられている。また、図示は省略しているが、自然光や照明器具による外部光、虫等による非火災報を防止するための措置が講じられている。
【0045】
図5(A)は、火災監視モード時において火災が感知されていない通常時の状態を示している。また、
図5(B)は、火災監視モード時において火災が感知されて火災信号が出力された火災時の状態を示している。さらに、
図5(C)は、強制出力モード時において火災信号が強制的に出力された強制出力時の状態を示している。
【0046】
光電式スポット型感知器130は、受光部132による受光量が閾値以上となることで、煙が発生したことによる散乱光が増加したと判断し、火災信号を発信する構造を有している。さらに、光電式スポット型感知器130は、強制出力構成を実現するための反射体134を備えている。
【0047】
ここで、
図5(C)に示した反射体134、発光部131、および受光部132は、外部からの磁力により火災信号を強制的に出力することができ、強制出力構成に相当する。
【0048】
図5(A)においては、煙に起因した散乱光が発生しておらず、受光量が閾値未満のため、火災信号は出力されない。
図5(B)においては、煙に起因した散乱光が発生し、受光量が閾値以上となり、その結果、火災信号が出力される。
【0049】
図5(C)においては、強制出力構成を備えた光電式スポット型感知器130に対して、外部から磁力が与えられることで、反射体134が適切な位置に移動できる。その結果、発光部131から照射された光が反射体134により受光部132に向けて反射され、受光部132において閾値以上の受光量となり、火災信号が強制的に出力される。従って、簡易な構成を用いて簡単な操作で作動試験を実施することができる。
【0050】
以上のように、実施の形態1によれば、外部から磁力を与える簡単な操作で、強制的に火災信号を出力することができる強制出力構成を備えた火災感知器を実現できる。また、火災感知器のタイプに応じて、適切な強制出力構成を採用することで、同一の技術思想に基づいて種々のタイプの火災感知器の作動試験に適用することができる。
【0051】
また、加煙ガス、ベンジン等を使用する必要がなく、環境に優しい形で作動試験を実施できる。さらに、温度上昇あるいは煙の充満のような状態を模擬して作動試験を実施する必要がなく、外部から磁力を与えるだけで、短時間で、強制的に火災信号を発生させることができる。
【0052】
また、外部から磁力を与えるための作動試験用の治具としては、作業棒の先端に永久磁石を取り付けた小型で軽量な構成を採用することができる。この結果、高所に設置された火災感知器の作動試験を行う際の作業性を改善することができる。
【符号の説明】
【0053】
10 火災受信機、31、41、100 火災感知器、110 差動式スポット型感知器、111 ダイヤフラム、112 接点、113 磁石、120 定温式スポット型感知器、121 バイメタル、122 接点、123 磁石、130 光電式スポット型感知器、131 発光部、132 受光部、133 遮光板、134 反射体、200 信号出力部、201 強制出力構成。