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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055089
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】入力装置
(51)【国際特許分類】
   G05G 1/10 20060101AFI20240411BHJP
   G05G 25/00 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
G05G1/10 B
G05G25/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022161715
(22)【出願日】2022-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】宮田 宗一
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 健二
(72)【発明者】
【氏名】名越 朗
【テーマコード(参考)】
3J070
【Fターム(参考)】
3J070AA14
3J070BA11
3J070BA51
3J070CB01
3J070CB37
3J070CC71
3J070DA01
(57)【要約】
【課題】操作性を向上する。
【解決手段】入力装置10では、検出板30が、操作ノブ40に連結された連結部32と、ベース20に支持された一対の被支持部36と、を有し、被支持部36が、連結部32に対して操作ノブ40の周方向両側に配置されている。検出板30は、前後方向を幅方向とする略長尺板状の検出部34を有し、検出部34は、検出本体部34Aと、長手方向両側部を構成する一対の脚部34Bと、を有しており、脚部34Bは、検出部34の両端部から同じ方向に延出している。これにより、回転操作時には、連結部32に対して回転操作方向側の検出部34では、一対の脚部34Bが近づくように変形し、連結部32に対して回転操作方向とは反対側の検出部34では、一対の脚部34Bが離れるように変形するため、検出部34の変形量を大きくできる。その結果、操作ノブ40に対する操作量を大きくすることができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向に沿った軸線を中心とする軸線回りの回転力が入力される操作ノブと、
前記操作ノブの前記所定方向の一方側に設けられたベースと、
前記操作ノブと前記ベースとの間に設けられ、前記ベースに支持された検出板と、
前記検出板に設けられた歪ゲージと、
前記軸線に対して偏心した位置において前記操作ノブと前記検出板とを連結すると共に、前記回転力を前記検出板に伝達する伝達部と、
を備え、
前記検出板は、
前記伝達部に連結され、前記回転力が伝達される連結部と、
前記連結部に対して前記軸線回りの両側に設けられ、前記ベースに支持された一対の被支持部と、
前記所定方向を幅方向とする長尺板状に形成されると共に、一端部が前記被支持部に接続され、他端部が前記連結部に接続された一対の検出部と、
を有し、
前記検出部は、
前記検出部の長手方向中間部を構成する検出本体部と、
前記検出部の長手方向両側部を構成すると共に、前記検出本体部の長手方向両端部において折り曲げられて当該長手方向両端部から同じ方向に延出された一対の接続部と、
を含んで構成され、
前記歪ゲージが、前記検出部に設けられ、前記検出部の変形時の歪を検出する入力装置。
【請求項2】
前記所定方向から見て、前記接続部が前記検出本体部から前記軸線側へ延出しており、
前記連結部が、前記検出本体部よりも前記軸線側に位置している請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記被支持部に接続される前記接続部の先端部には、前記所定方向から見て前記連結部とは反対側へ折り曲げられた折曲部が形成され、
前記被支持部が前記折曲部から前記連結部とは反対側へ延出されており、前記被支持部の先端部が前記ベースに支持されている請求項1に記載の入力装置。
【請求項4】
前記歪ゲージが、前記検出本体部に設けられている請求項1~請求項3の何れか1項に記載の入力装置。
【請求項5】
前記操作ノブに前記所定方向の一方側への操作力が付与されたときに、前記検出板が変形することで、前記操作ノブが前記所定方向の一方側へ移動する請求項4に記載の入力装置。
【請求項6】
前記操作ノブの外周部に前記軸線へ向けた操作力が付与されたときに、前記検出板が変形することで、前記操作ノブが前記軸線に対して直交する方向へ移動する請求項5に記載の入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載の入力装置(シートスイッチ構造体)では、ノブが、軸部の先端部に設けられており、検出板の板状部が、軸部の基端部に設けられている。板状部の一側面には、4箇所の歪ゲージが設けられている。また、板状部の外周部は、枠体によって固定されている。そして、ノブに対する操作時における検出板の歪を歪ゲージが検出することで、ノブの回転操作、傾倒操作、押込み操作の各操作を検知することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-82034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記入力装置では、以下に示す点において改善の余地がある。すなわち、上記入力装置では、板状部が軸部の軸方向を厚み方向とする円板状に形成され、板状部の中央部に軸部が設けられているため、例えば、ノブの回転操作時では、板状部が歪みにくい構造となっている。これにより、ノブの回転操作時におけるノブに対する操作量が比較的小さいため、ノブへの操作が十分であったのかが分かり難くなる可能性がある。すなわち、上記入力装置では、ノブへの操作性が低下する可能性があり、操作性を向上するという点において改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して、操作性を向上することができる入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、所定方向に沿った軸線を中心とする軸線回りの回転力が入力される操作ノブと、前記操作ノブの前記所定方向の一方側に設けられたベースと、前記操作ノブと前記ベースとの間に設けられ、前記ベースに支持された検出板と、前記検出板に設けられた歪ゲージと、前記軸線に対して偏心した位置において前記操作ノブと前記検出板とを連結すると共に、前記回転力を前記検出板に伝達する伝達部と、を備え、前記検出板は、前記伝達部に連結され、前記回転力が伝達される連結部と、前記連結部に対して前記軸線回りの両側に設けられ、前記ベースに支持された一対の被支持部と、前記所定方向を幅方向とする長尺板状に形成されると共に、一端部が前記被支持部に接続され、他端部が前記連結部に接続された一対の検出部と、を有し、前記検出部は、前記検出部の長手方向中間部を構成する検出本体部と、前記検出部の長手方向両側部を構成すると共に、前記検出本体部の長手方向両端部において折り曲げられて当該長手方向両端部から同じ方向に延出された一対の接続部と、を含んで構成され、前記歪ゲージが、前記検出部に設けられ、前記検出部の変形時の歪を検出する入力装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の1又はそれ以上の実施形態によれば、操作性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】(A)は、本実施形態に係る入力装置を示す斜視図であり、(B)は、本実施形態に係る入力装置を示す前側から見た正面図である。
図2図1(B)の入力装置の操作ノブを取外した状態を示す正面図である。
図3図2の入力装置の基板を取外した状態を示す正面図である。
図4図1(B)に示される入力装置の内部を示す第2方向一方側から見た断面図(図1(B)の4-4線断面図)である。
図5図2に示される基板のベースへの固定状態を示す断面図(図2の5-5線断面図)である。
図6図3に示される検出板を示す斜視図である。
図7】(A)は、図3に示される検出板の変形例1を示す正面図であり、(B)は、検出板の変形例2を示す正面図であり、(C)は、検出板の変形例3を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて、本実施形態に係る入力装置10について説明する。なお、図面に適宜示される矢印Aは、入力装置10の前側を示しており、以下の説明において、前後の方向を用いて説明するときには、特に断りのない限り、入力装置10の前後方向を示すものとする。そして、前後方向が、本発明の所定方向に対応し、後側が本発明の所定方向の一方側に対応している。また、以下の説明では、前後方向に直交する方向を第1方向(図1の矢印B方向及び矢印C方向参照)とし、前側から見た正面視で第1方向に直交する方向を第2方向(図1の矢印D方向及び矢印E方向参照)としている。
【0010】
図1(A)及び(B)に示されるように、入力装置10は、全体として前後方向を高さ方向とする略円柱状に形成されており、入力装置10の高さが比較的低く設定されている。図2図5にも示されるように、入力装置10は、ベース20と、複数(本実施の形態では、4個)の検出板30と、操作ノブ40と、基板50と、複数(本実施の形態では、8個)の歪ゲージ60と、を含んで構成されている。また、入力装置10は、押圧操作、スライド操作、及び回転操作可能に構成されている。ここで、入力装置10の押圧操作では、操作ノブ40が後側へ押圧操作され、入力装置10のスライド操作では、操作ノブ40が径方向にスライド操作され、入力装置10の回転操作では、操作ノブ40が周方向に回転操作されるようになっている。以下、入力装置10の各構成について説明する。
【0011】
(ベース20について)
ベース20は、入力装置10の後端部を構成している。ベース20は、前後方向を板厚方向とする円板状に形成されており、ベース20の軸線が、入力装置10の軸線ALと一致している。ベース20の中央部には、円形状のベース孔20Aが貫通形成されている。図3及び図5に示されるように、ベース20には、後述する基板50を固定するための4箇所の固定柱22が形成されており、固定柱22は、ベース20から前側へ突出している。1箇所の固定柱22は、軸線ALに対して第1方向一方側(図3の矢印B方向側)で且つ第2方向一方側(図3の矢印D方向側)に位置しており、4箇所の固定柱22がベース20の周方向に90度毎に並んで配置されている。
【0012】
固定柱22は、外側柱部22A及び内側柱部22Bを有しており、外側柱部22Aが、内側柱部22Bに対してベース20の径方向外側に配置されている。外側柱部22Aは、正面視で略直角2等辺三角形となる略三角柱状に形成されており、外側柱部22Aの頂部が、ベース20の径方向内側へ向くように配置されている。内側柱部22Bは、正面視でベース20の径方向内側へ開放された略V字形状となる柱状に形成されており、内側柱部22Bにおけるベース20の径方向外側部分が、外側柱部22Aに接続されている。これにより、固定柱22には、ベース20の周方向両側へ開放された一対の切欠部22Cが形成されており、切欠部22Cは、正面視で固定柱22に対してベース20の周方向外側へ開放された略L字形状(又は、逆L字形状)に形成されている。また、内側柱部22Bのベース20からの突出高さが、外側柱部22Aよりも低く設定されている。外側柱部22Aには、固定ボス22Dが一体に形成されており、固定ボス22Dは、前後方向を軸方向とする略円筒状に形成され、固定ボス22Dの前端部が外側柱部22Aよりも前側へ突出している。
【0013】
ベース20には、固定柱22の一対の切欠部22Cに対応する位置において、後述する検出板30の位置を決定するための位置決めボス20Bがそれぞれ形成されている。すなわち、ベース20には、8箇所の位置決めボス20Bが形成されている。位置決めボス20Bは、前後方向を軸方向とする略円柱状に形成されて、ベース20から前側へ突出している。
【0014】
(検出板30について)
図3図4、及び図6に示されるように、検出板30は、金属の板材によって構成されている。検出板30は、ベース20の周方向に隣り合う固定柱22の間に配置されて、ベース20の周方向に90度毎に並んで配置されている。すなわち、1個の検出板30が、軸線ALに対して第1方向一方側に配置され、4個の検出板30が、ベース20の周方向に90度毎に並んで配置されている。以下、軸線ALに対して第1方向一方側に配置された検出板30を用いて、検出板30の構成について説明する。
【0015】
検出板30は、長尺板状に形成されて、所定の形状に屈曲されている。検出板30は、検出板30の長手方向中間部を構成する連結部32と、検出板30の長手方向両端部を構成する一対の被支持部36と、連結部32及び被支持部36の間に配置された一対の検出部34と、を含んで構成されている。
【0016】
連結部32は、前後方向を板厚方向とし且つ第1方向を長手方向とする略楕円板状に形成されている。連結部32は、軸線ALに対して第1方向一方側に偏心した位置に配置されると共に、軸線ALに対して第1方向一方側の一対の固定柱22における内側柱部22Bの間に配置されている。また、連結部32は、内側柱部22Bの前面よりも若干前側に位置している。連結部32の略中央部には、後述する伝達軸42を連結するための連結孔32Aが貫通形成されている。
【0017】
被支持部36は、連結部32に対して第2方向の両側にそれぞれ設けられている。すなわち、被支持部36は、連結部32に対してベース20の周方向両側(軸線ALを中心とする軸回りの両側)に設けられている。一対の被支持部36は、連結部32に対して第2方向において対称に構成されている。以下、連結部32に対して第2方向一方側に配置された被支持部36を用いて、被支持部36の構成を説明する。
【0018】
被支持部36は、前後方向を幅方向とし且つ第2方向を長手方向とする略矩形板状に形成されている。被支持部36の前端面は、固定柱22の内側柱部22Bの前面と略面一に配置され、被支持部36の第2方向一方側端部が、固定柱22の切欠部22C内に位置すると共に、内側柱部22Bの第1方向一方側に隣接配置されている。被支持部36の第2方向一方側端部の後端部には、第1方向一方側へ直角に折り曲げられた設置部36Aが形成されており、設置部36Aは、ベース20の前面に設置されると共に、外側柱部22Aの第2方向他方側に隣接配置されている。設置部36Aには、位置決めボス20Bに対応する位置において位置決め孔36Bが貫通形成されており、位置決めボス20Bが位置決め孔36B内に嵌入されている。これにより、被支持部36が、ベース20に相対移動不能に連結されて、ベース20に支持されている。すなわち、検出板30は、長手方向両端部においてベース20に支持されている。なお、固定柱22には、固定キャップ70(図5参照)が上側から組付けられており、固定キャップ70によって、被支持部36の前側への移動が制限されて、検出板30がベース20に固定されている。この固定キャップ70は、後述する基板50と共に、ベース20に締結固定されている。
【0019】
検出部34は、連結部32の第2方向両側において、連結部32と被支持部36との間に配置され、両者に接続されている。一対の検出部34は、連結部32に対して第2方向において対称に構成されている。以下、連結部32に対して第2方向一方側に配置された検出部34を用いて、検出部34の構成を説明する。
【0020】
検出部34は、前後方向を幅方向とする略長尺板状に形成されており、正面視で第1方向他方側へ開放された略U字形状に形成されている。具体的には、検出部34は、検出部34の長手方向中間部を構成する検出本体部34Aと、検出部34の長手方向両側部を構成する一対の接続部としての脚部34Bと、を含んで構成されている。すなわち、検出本体部34Aの長手方向両端部には、第1方向他方側(軸線AL側)へ直角に折曲げられた中間折曲部34Cが形成されており、脚部34Bが中間折曲部34Cから第1方向他方側(軸線AL側)へ延出している。
【0021】
検出部34の前後位置は、被支持部36の前後位置と一致している。また、一方(被支持部36側)の脚部34Bの延出長さが、他方の脚部34Bの延出長さよりも短く設定されており、一方の脚部34Bの先端部に被支持部36が接続されている。すなわち、一方の脚部34Bの先端部には、第2方向一方側(連結部32とは反対側)へ直角に折り曲げられた先端側折曲部34Dが形成されており、被支持部36が先端側折曲部34Dから第2方向一方側へ延出している。また、他方の脚部34Bにおける先端部の前端部に連結部32が接続されている。これにより、連結部32が検出本体部34Aよりも軸線AL側に位置している。
【0022】
(操作ノブ40について)
図1図4、及び図5に示されるように、操作ノブ40は、後側へ開放された略有底円筒状に形成されている。具体的には、操作ノブ40は、前後方向を板厚方向とする円板状のノブベース部40Aと、ノブベース部40Aの外周部から後側へ延出された円筒状のノブ筒部40Bと、を含んで構成されている。操作ノブ40の外径は、ベース20の外径と略一致している。そして、操作ノブ40が、ベース20と同軸上に配置されると共に、ノブベース部40Aがベース20を前側から覆っている。すなわち、軸線ALが、操作ノブ40の中央部を通過している。
【0023】
ノブベース部40Aには、複数(本実施形態では、4箇所)の伝達部としての伝達軸42が一体に設けられている。伝達軸42は、前後方向を軸方向とする略円筒状に形成されると共に、前述した検出板30の連結孔32Aと同軸上に配置されている。また、伝達軸42は、ノブベース部40Aから後側へ延出されており、伝達軸42の後端が、検出板30の連結部32の前側に隣接して配置されている。そして、連結ネジSC1が、連結孔32A内に後側から挿入され、伝達軸42の内周部に螺合されて、伝達軸42が、連結部32に相対移動不能に連結されている。すなわち、軸線ALに対して偏心した位置に配置された伝達軸42によって、操作ノブ40と検出板30とが相対移動不能に連結され、検出板30が操作ノブ40を後側から支持している。換言すると、検出板30では、連結部32が、操作ノブ40を支持する支持部として機能すると共に、操作ノブ40からの操作力が入力される入力部として機能する。
【0024】
(基板50について)
図2図4、及び図5に示されるように、基板50は、前後方向を板厚方向とする略X字形板状に形成されている。基板50は、操作ノブ40のノブベース部40Aとベース20との間に配置されて、検出板30の前側に位置している。基板50には、ベース20の固定ボス22Dに対応する位置において、4箇所の固定孔50Aが貫通形成されている。固定孔50Aは、正面視で、外周側へ開放された凹形状に形成されている。そして、固定ネジSC2が、固定孔50A内に前側から挿入され、固定ボス22Dの内周部に螺合されて、基板50が固定ボス22Dに固定されている。
【0025】
基板50には、操作ノブ40の伝達軸42に対応する位置において、4箇所の円形状の挿通孔50Bが貫通形成されており、伝達軸42が挿通孔50B内を挿通している。操作ノブ40の操作時において、伝達軸42が挿通孔50Bの内周面に干渉しないように、挿通孔50Bの直径が設定されている。
【0026】
(歪ゲージ60について)
図2図4に示されるように、歪ゲージ60は、略矩形シート状に形成されて、検出板30における一対の検出部34にそれぞれ貼着されている。具体的には、検出部34の検出本体部34Aにおける外側面(検出部34の脚部34Bの延出方向とは反対側の面)の略中央部にそれぞれ貼着されている。すなわち、本実施の形態では、入力装置10が、8個の歪ゲージ60を有している。なお、図2及び図3では、8個の歪ゲージ60を区別して図示するために、歪ゲージ60の符号の末尾に数字の番号を追加している。具体的には、軸線ALに対して第1方向一方側の検出板30における第2方向一方側の検出部34に設けられた歪ゲージ60を、歪ゲージ60-1とし、歪ゲージ60-1を先頭として周方向一方側(図3の矢印F方向側)へ向かうにつれて、追加される数字番号が増加するように記載している。
【0027】
また、歪ゲージ60は、検出本体部34Aの変形によって歪ゲージ60に作用する引張荷重又は圧縮荷重に基づいて、検出本体部34Aの歪を検出する。詳細については後述するが、歪ゲージ60は、操作ノブ40に各操作力が入力されたときに、検出本体部34Aの変形により生じる検出本体部34Aの歪を検出する。
【0028】
歪ゲージ60は、それぞれホイートストンブリッジ回路(図示省略)を形成しており、当該ホイートストンブリッジ回路が、基板50に搭載された制御部(図示省略)に電気的に接続されている。そして、制御部によって各ホイートストンブリッジ回路に印加電圧をかけることで、印加電圧に比例し且つ歪ゲージ60の電気抵抗変化に比例した出力電圧が制御部に出力されるようになっている。また、歪ゲージ60に圧縮荷重が作用した場合には、制御部が、マイナスの歪値を検出し、歪ゲージ60に引張荷重が作用した場合には、制御部が、プラスの歪値を検出するようになっている。そして、制御部が、8個の歪ゲージ60から検出された荷重のパターンに基づいて、操作ノブ40に対する各操作を検出するようになっている。
【0029】
(作用効果)
次に、操作者の入力装置10に対する押圧操作、スライド操作、及び回転操作について説明しつつ、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0030】
操作者の入力装置10に対する押圧操作では、操作者が操作ノブ40を後側へ押圧する。これにより、操作ノブ40の伝達軸42によって、後側への押圧力が検出板30の連結部32に入力される。検出板30では、検出板30の長手方向両端部である被支持部36がベース20の固定柱22に相対移動不能に支持されているため、連結部32が被支持部36に対して後側へ相対移動する。このため、検出板30の検出部34において、一方(被支持部36側)の脚部34Bに対して他方(連結部32側)の脚部34Bの先端部が移動する。その結果、検出部34が捩じれ変形すると共に、検出本体部34Aの外側面が凸面となるように検出本体部34Aが変形する。よって、引張荷重が歪ゲージ60-1~歪ゲージ60-8に作用して、制御部が、全ての歪ゲージ60-1~歪ゲージ60-8において、プラスの歪値を検出する。したがって、制御部が、歪ゲージ60-1~歪ゲージ60-8からの検出結果に基づいて、操作者の入力装置10への押圧操作を検出する。
【0031】
操作者の入力装置10に対するスライド操作では、操作者が操作ノブ40を径方向内側へ押圧する。例えば、第1方向又は第2方向に沿った方向の押圧力を操作ノブ40の付与する十字スライド操作では、操作ノブ40における図1(B)の矢印G1にて指される部位を径方向内側へ押圧する。この十字スライド操作では、軸線ALに対して操作部位とは反対側に配置された検出部34に設けられた歪ゲージに引張力が作用し、軸線ALに対して操作部位側に配置された検出部34に設けられた歪ゲージに圧縮力が作用する。以下、この点について、操作ノブ40の第1方向一方側端部(図1(B)の点aの部位)を径方向内側へ押圧する場合を用いて説明する。
【0032】
すなわち、操作ノブ40の点aの部位を径方向内側(第1方向他方側)へ押圧すると、それぞれの検出板30において、連結部32が第1方向他方側へ移動する。そして、軸線ALに対して点aとは反対側に配置された歪ゲージ60-4~歪ゲージ60-7が設けられた検出部34では、連結部32の第1方向他方側への移動によって、一対の脚部34Bが互いに近づくように検出部34が変形すると共に、検出本体部34Aの外側面が凸面となるように検出本体部34Aが変形する。これにより、歪ゲージ60-4~歪ゲージ60-7に引張力が作用して、制御部が、歪ゲージ60-4~歪ゲージ60-7において、プラスの歪値を検出する。一方、軸線ALに対して点a側に配置された歪ゲージ60-1~歪ゲージ60-3、及び歪ゲージ60-8が設けられた検出部34では、連結部32の第1方向他方側への移動によって、一対の脚部34Bが互いに離れるように検出部34が変形すると共に、検出本体部34Aの外側面が凹面となるように検出本体部34Aが変形する。これにより、歪ゲージ60-1~歪ゲージ60-3、及び歪ゲージ60-8に圧縮力が作用して、制御部が、歪ゲージ60-1~歪ゲージ60-3、及び歪ゲージ60-8において、マイナスの歪値を検出する。
【0033】
また、例えば、第1方向又は第2方向に対して45度傾斜した方向に沿った押圧力を操作ノブ40の付与する斜め十字スライド操作では、操作ノブ40における図1(B)の矢印G2にて指される部位を径方向内側へ押圧する。この斜め十字スライド操作では、それぞれの検出板30において、連結部32に対して操作方向側に配置された検出部34の歪ゲージに引張力が作用し、連結部32に対して操作方向とは反対側に配置された検出部34の歪ゲージに圧縮力が作用する。以下、この点について、操作ノブ40の第1方向一方側で且つ第2方向一方側の部分(図1(B)の点bの部位)を径方向内側へ押圧する場合を用いて説明する。
【0034】
すなわち、操作ノブ40の点bの部位を径方向内側へ押圧すると、それぞれの検出板30において、連結部32が第1方向他方側且つ第2方向他方側へ移動する。また、第1方向一方側の検出板30では、歪ゲージ60-2が設けられた検出部34が、連結部32に対して操作方向側の検出部となり、第2方向一方側の検出板30では、歪ゲージ60-7が設けられた検出部34が、連結部32に対して操作方向側の検出部となり、第1方向他方側の検出板30では、歪ゲージ60-5が設けられた検出部34が、連結部32に対して操作方向側の検出部となり、第2方向他方側の検出板30では、歪ゲージ60-4が設けられた検出部34が、連結部32に対して操作方向側の検出部となる。そして、歪ゲージ60-2、歪ゲージ60-4、歪ゲージ60-5、及び歪ゲージ60-7が設けられた検出部34では、連結部32の移動によって、一対の脚部34Bが互いに近づくように検出部34が変形すると共に、検出本体部34Aの外側面が凸面となるように検出本体部34Aが変形する。これにより、歪ゲージ60-2、歪ゲージ60-4、歪ゲージ60-5、及び歪ゲージ60-7に引張力が作用して、制御部が、歪ゲージ60-2、歪ゲージ60-4、歪ゲージ60-5、及び歪ゲージ60-7において、プラスの歪値を検出する。一方、歪ゲージ60-1、歪ゲージ60-3、歪ゲージ60-6、及び歪ゲージ60-8が設けられた検出部34では、連結部32の変位によって、一対の脚部34Bが互いに離れるように検出部34が変形すると共に、検出本体部34Aの外側面が凹面となるように検出本体部34Aが変形する。これにより、歪ゲージ60-1、歪ゲージ60-3、歪ゲージ60-6、及び歪ゲージ60-8に圧縮力が作用して、制御部が、歪ゲージ60-1、歪ゲージ60-3、歪ゲージ60-6、及び歪ゲージ60-8において、マイナスの歪値を検出する。以上により、制御部が、歪ゲージ60-1~歪ゲージ60-8からの検出結果に基づいて、操作者の入力装置10へのスライド操作を検出する。
【0035】
操作者の入力装置10に対する回転操作では、操作者が操作ノブ40に周方向(軸線AL回り)の回転力を付与する。また、回転操作では、それぞれの検出板30において、連結部32に対して回転操作方向側に配置された検出部34の歪ゲージに引張力が作用し、連結部32に対して回転操作方向とは反対側に配置された検出部34の歪ゲージに圧縮力が作用する。例えば、第1方向一方側の検出板30では、操作ノブ40への回転方向一方側(図3の矢印F方向側)への回転操作において連結部32が回転方向一方側へ移動する。このため、歪ゲージ60-2が設けられた検出部34では、一対の脚部34Bが互いに近づくように検出部34が変形すると共に、検出本体部34Aの外側面が凸面となるように検出本体部34Aが変形する。一方、歪ゲージ60-1が設けられた検出部34では、一対の脚部34Bが互いに離れるように検出部34が変形すると共に、検出本体部34Aの外側面が凹面となるように検出本体部34Aが変形する。その結果、回転方向一方側への回転操作では、歪ゲージ60-2、歪ゲージ60-4、歪ゲージ60-6、及び歪ゲージ60-8に引張力が作用して、制御部が、歪ゲージ60-2、歪ゲージ60-4、歪ゲージ60-6、及び歪ゲージ60-8において、プラスの歪値を検出すると共に、歪ゲージ60-1、歪ゲージ60-3、歪ゲージ60-5、及び歪ゲージ60-7に圧縮力が作用して、制御部が、歪ゲージ60-1、歪ゲージ60-3、歪ゲージ60-5、及び歪ゲージ60-7において、マイナスの歪値を検出する。また、回転方向他方側への回転操作では、歪ゲージ60-1、歪ゲージ60-3、歪ゲージ60-5、及び歪ゲージ60-7に引張力が作用して、制御部が、歪ゲージ60-1、歪ゲージ60-3、歪ゲージ60-5、及び歪ゲージ60-7において、プラスの歪値を検出すると共に、歪ゲージ60-2、歪ゲージ60-4、歪ゲージ60-6、及び歪ゲージ60-8に圧縮力が作用して、制御部が、歪ゲージ60-2、歪ゲージ60-4、歪ゲージ60-8、及び歪ゲージ60-8において、マイナスの歪値を検出する。以上により、制御部が、歪ゲージ60-1~歪ゲージ60-8からの検出結果に基づいて、操作者の入力装置10への回転操作を検出する。
【0036】
このように、入力装置10では、検出板30が、操作ノブ40に連結された連結部32と、ベース20に支持された一対の被支持部36と、を有しており、被支持部36が、連結部32に対して操作ノブ40の周方向両側(軸線ALを中心とする軸回りの両側)に配置されている。また、検出板30は、連結部32及び被支持部36に接続された検出部34を有しており、検出部34は、前後方向を幅方向とする略長尺板状に形成されている。検出部34は、長手方向中間部を構成する検出本体部34Aと、長手方向両側部を構成する一対の脚部34Bと、を有しており、脚部34Bは、検出部34の両端部である中間折曲部34Cから同じ方向に延出している。これにより、入力装置10の回転操作時には、上述のように、連結部32に対して回転操作方向側の検出部34では、一対の脚部34Bが近づくように検出部34が変形し、連結部32に対して回転操作方向とは反対側の検出部34では、一対の脚部34Bが離れるように検出部34が変形する。すなわち、回転操作では、U字形に屈曲された板状の検出部34において、長手方向両端部が接離するように検出部34の全体が曲げ変形するため、回転操作時における検出部34の変形量を大きくすることができる。その結果、回転操作時の操作ノブ40への操作量を大きくすることができると共に、操作者に操作感を十分に付与することができる。したがって、操作ノブ40への操作性を向上することができる。
【0037】
また、正面視で、検出本体部34Aの長手方向両端部である中間折曲部34Cが、軸線AL側(すなわち、入力装置10の中央側)へ向けて屈曲しており、脚部34Bが中間折曲部34Cから軸線AL側へ延出し、連結部32が検出本体部34Aよりも軸線AL側に位置している。これにより、検出部34の一対の脚部34Bの先端部を、入力装置10の径方向内側部分に配置しつつ、一対の脚部34Bによって連結部32及び被支持部36を連結することができる。その結果、入力装置10の径方向の大型化を抑制しつつ、検出部34の長手方向の長さを比較的長く設定することができる。よって、回転操作時における検出部34における脚部34Bの変形量を効果的に大きくすることができる。
【0038】
また、被支持部36に接続される脚部34Bの先端部には、連結部32とは反対側へ折り曲げられた先端側折曲部34Dが形成されている。さらに、被支持部36が先端側折曲部34Dから連結部32とは反対側へ延出されており、被支持部36の先端部がベース20に支持されている。このため、操作ノブ40への回転操作時に、先端側折曲部34Dを起点として被支持部36をも変形させることができる。これにより、操作ノブ40への回転操作時における操作量を一層大きくすることができる。
【0039】
また、歪ゲージ60が、検出部34の長手方向中間部を構成する検出本体部34Aに設けられている。すなわち、操作ノブ40への回転操作時に、一対の脚部34Bの変形によってベース20の径方向外側又は径方向内側へ凸に変形する検出本体部34Aに、歪ゲージ60が設けられている。具体的には、操作ノブ40への回転操作時に、凸面又は凹面に変形する検出本体部34Aの外側面に歪ゲージ60が設けられている。これにより、歪ゲージ60によって検出本体部34Aの歪を良好に検出して、操作ノブ40への回転操作を検出することができる。
【0040】
また、操作ノブ40は、長手方向両端部がベース20に支持された検出板30の中間部(連結部32)に連結されて、検出板30によって後側から支持されている。そして、操作ノブ40の押圧操作では、上述のように、連結部32が後側へ移動することで、検出板30の検出部34が捻じれ変形して、検出本体部34Aが、回転操作時とは異なるパターンで、ベース20の径方向外側へ凸に変形する。したがって、操作ノブ40への押圧操作も、歪ゲージ60によって検出することができる。
【0041】
また、操作ノブ40のスライド操作では、上述のように、検出部34における一対の脚部34Bの変形によって、検出板30の検出部34が変形して、検出本体部34Aが、回転操作時及び押圧操作時とは異なるパターンで、ベース20の径方向外側又は径方向内側へ凸に変形する。したがって、操作ノブ40へのスライド操作も、歪ゲージ60によって検出することができる。
【0042】
(検出板30の変形例1)
以下、軸線ALに対して第1方向の一方側に配置された検出板30を用いて、検出板30の変形例1について説明する。図7(A)に示されるように、変形例1では、本実施の形態と比べて、検出板30が、設置部36Aを除いて、第1方向において反転した形状に形成されている。すなわち、検出部34が、連結部32に対して第1方向の他方側に位置しており、一対の脚部34Bが検出本体部34Aの両端部から第1方向一方側へ延出されて、連結部32及び被支持部36に接続されている。
【0043】
そして、変形例1においても、操作ノブ40への回転操作時に、連結部32に対して回転操作方向側の検出部34において、一対の脚部34Bが近づくように検出部34が変形し、連結部32に対して回転操作方向とは反対側の検出部34において、一対の脚部34Bが離れるように検出部34が変形する。したがって、変形例1においても、本実施の形態と同様に、回転操作時の操作ノブ40への操作量を大きくすることができると共に、操作性を向上することができる。
【0044】
(検出板30の変形例2)
以下、軸線ALに対して第1方向の一方側に配置された検出板30を用いて、検出板30の変形例2について説明する。図7(B)に示されるように、変形例2では、一方の検出部34が、連結部32に対して第1方向他方側に位置すると共に、本実施の形態と比べて、第1方向において反転した形状に形成されている(図7(B)に示される例では、第2方向他方側の検出部34が連結部32に対して第1方向他方側に配置されている)。すなわち、一方の検出部34では、変形例1と同様に、一対の脚部34Bが検出本体部34Aの両端部から第1方向一方側へ延出されて、連結部32及び被支持部36に接続されている。
【0045】
そして、変形例2においても、操作ノブ40への回転操作時に、連結部32に対して回転操作方向側の検出部34において、一対の脚部34Bが近づくように検出部34が変形し、連結部32に対して回転操作方向とは反対側の検出部34において、一対の脚部34Bが離れるように検出部34が変形する。したがって、変形例2においても、本実施の形態と同様に、回転操作時の操作ノブ40への操作量を大きくすることができると共に、操作性を向上することができる。
【0046】
(検出板30の変形例3)
以下、軸線ALに対して第1方向の一方側に配置された検出板30を用いて、検出板30の変形例3について説明する。図7(C)に示されるように、変形例3では、検出部34における被支持部36と接続される脚部34Bにおいて、先端側折曲部34Dが省略されており、被支持部36が脚部34Bの先端部から第1方向他方側(脚部34Bの検出本体部34Aからの延出方向と同じ方向)へ延出している。換言すると、脚部34Bの先端部が、被支持部36として構成されている。また、設置部36Aが被支持部36の後端部において連結部32とは反対側へ直角に屈曲されている。
【0047】
そして、変形例3においても、操作ノブ40への回転操作時に、連結部32に対して回転操作方向側の検出部34において、一対の脚部34Bが近づくように検出部34が変形し、連結部32に対して回転操作方向とは反対側の検出部34において、一対の脚部34Bが離れるように検出部34が変形する。したがって、変形例3においても、本実施の形態と同様に、回転操作時の操作ノブ40への操作量を大きくすることができると共に、操作性を向上することができる。
【0048】
なお、本実施形態では、検出板30とベース20とが別部材で構成されているが、検出板30とベース20とを一体成形して、検出板30の被支持部36をベース20に固定するよう構成してもよい。
【0049】
また、本実施形態では、伝達軸42が操作ノブ40と一体に形成されているが、伝達軸42を操作ノブ40と別体で構成して両者を一体化してもよい。
【0050】
また、本実施形態では、歪ゲージ60が検出部34の検出本体部34Aにおける外側面に貼着されているが、歪ゲージ60を検出本体部34Aにおける内側面(検出部34の脚部34Bの延出方向側の面)に貼着してもよい。
【符号の説明】
【0051】
10 入力装置
20 ベース
30 検出板
32 連結部
34 検出部
34A 検出本体部
34B 脚部(接続部)
34D 先端側折曲部(折曲部)
36 被支持部
40 操作ノブ
42 伝達軸(伝達部)
60 歪ゲージ
AL 軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7