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特開2024-551ロボットアームのツール交換デバイスのための安全制御装置
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  • 特開-ロボットアームのツール交換デバイスのための安全制御装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000551
(43)【公開日】2024-01-05
(54)【発明の名称】ロボットアームのツール交換デバイスのための安全制御装置
(51)【国際特許分類】
   B25J 19/06 20060101AFI20231225BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20231225BHJP
   B25J 15/04 20060101ALN20231225BHJP
【FI】
B25J19/06
G06K19/077 200
B25J15/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023101228
(22)【出願日】2023-06-20
(31)【優先権主張番号】102022000012952
(32)【優先日】2022-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】523236191
【氏名又は名称】エフェクト グループ エス.ピー.エー.
【氏名又は名称原語表記】EFFECTO GROUP S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】パトリーニ ジョヴァンニ
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707CY12
3C707CY37
3C707GS01
3C707GS17
3C707GS19
3C707HS14
3C707JS07
3C707KS29
3C707KS36
3C707KV08
3C707MS05
3C707MS16
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ロボットアームのツール交換デバイスのための安全制御装置を提供する。
【解決手段】この装置は、ロボットアーム(5)とツール(6)の間の切離しまたは結合を安全に行うことができるように構成されている。安全制御装置は、ロボットアームに関連付けられた第1のモジュール(101)と、ツールに関連付けられた第2のモジュール(102)と、第2のモジュールにおける安全信号の生成を抑止または許可するツールパーキングステーション(30)に関連付けられた手段(103)と、を備え、第2のモジュールが、少なくとも1つの安全信号を第1のモジュールに無線送信するように構成され、第1のモジュールが、少なくとも1つの安全信号の受信に応答してロボットアームとツールとの間の切離しまたは結合を許可するように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットアーム(5)とツール(6)との間の切離しまたは結合を安全に行うことができるように構成され、
前記ロボットアームに関連付けられた第1のモジュール(101)と、
前記ツールに関連付けられた第2のモジュール(102)と、
該第2のモジュールにおける少なくとも1つの安全信号(S,Saut,UID,PR)の生成を抑止または許可するツールパーキングステーション(30)に関連付けられた手段(103)と、
を備え、
前記第2のモジュールが、前記少なくとも1つの安全信号を前記第1のモジュールに無線送信するように構成され、前記第1のモジュールが、前記少なくとも1つの安全信号の受信に応答してロボットアームとツールとの間の切離しまたは結合を許可するように構成される、ロボットアームのツール交換デバイスのための安全制御装置(100)。
【請求項2】
少なくとも前記第2のモジュールが、データ記憶手段(110)と、初期状態をとる少なくとも1つのデジタルポート(1021,1022;1041,1042;133)とを備え、前記ツールパーキングステーション(30)に関連付けられた手段(103)が、前記少なくとも1つのデジタルポートの前記初期状態を該初期状態とは異なる新たな状態に変更し、前記少なくとも1つのデジタルポートの前記新たな状態が前記記憶手段内に記憶され、前記少なくとも1つの安全信号が、前記少なくとも1つのデジタルポートの前記新たな状態を含む請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの安全信号が、前記記憶手段に記憶された数字または英数字の文字列の形式の安全コード(Saut)を含む請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記第2のモジュールの前記記憶手段(1101)が、前記ツールに割り当てられた累進番号を有する少なくとも1つのコード(PR)を記憶するように構成され、前記第2のモジュールから前記第1のモジュールに無線で送信可能な前記少なくとも1つの安全信号(S)が、前記ツールに割り当てられた累進番号を有する前記少なくとも1つのコードを含む請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記ツールに割り当てられた累進番号を有する前記少なくとも1つのコード(PR)が、外部通信モジュール(170)を介してユーザによって前記記憶手段に入力される請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記第1のモジュールに関連付けられた制御回路(106,150)を備え、該制御回路(106)が、前記少なくとも1つの安全信号が記憶されるメモリ(1070)を備え、前記制御回路が、前記第2のモジュールから発信されて前記第1のモジュールから受信される前記少なくとも1つの安全信号(S)と、前記制御回路(106,150)の前記メモリに存在する前記少なくとも1つの安全信号との一致を検証する動作を実行するように構成され、前記検証動作を実施した後、前記検証動作が肯定されるとロボットアームとツールとの間の切離しまたは結合を許可するように構成される請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記パーキングステーションに関連付けられた手段(103)が、磁気アクチュエータ(160)を備え、前記第2のモジュールが、前記磁気アクチュエータによって作動可能な磁気センサ(112)を備える請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記パーキングステーションに関連付けられた手段が、電気回路(1030)を備え、前記第2のモジュールの前記少なくとも1つのデジタルポートが、前記パーキングステーションに関連付けられた前記電気回路に電気的に接続可能(1031)である請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記第2のモジュールが、前記パーキングステーションに接続されると、前記パーキングステーションに関連付けられた前記電気回路(1030)に給電(Vout)するように構成される請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記磁気センサが、前記磁気アクチュエータによって指令される少なくとも1つの電気スイッチ(113)を備え、前記第2のモジュールの前記少なくとも1つのデジタルポート(1041,1042)が、前記磁気センサの少なくとも1つの電気スイッチ(113)に電気的に接続され、前記少なくとも1つのデジタルポートが、前記磁気センサが前記パーキングステーションに関連付けられた前記磁気アクチュエータによって作動されると状態を変更するように構成される請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記第2のモジュールが、前記磁気センサの電気接点に給電するように構成される請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記パーキングステーションに関連付けられた手段が電気回路を備え、前記第2のモジュールが、前記パーキングステーションに関連付けられた前記電気回路に電気的に接続可能な少なくとも1つのマイクロプロセッサ(130)を備え、前記第2のモジュールが、前記パーキングステーションに接続されると、前記マイクロプロセッサと前記パーキングステーションに関連付けられた前記電気回路とに給電するように構成される請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記第1のモジュールがRFIDリーダ(104)を備え、前記第2のモジュールが少なくとも1つのRFIDチップ(109)を備える請求項1から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の安全制御装置(100)を備えるロボットアーム用のツール交換デバイス。
【請求項15】
前記ロボットアーム(5)に接続されるロボットアダプタ(1)と、前記ツール(6)に接続されるツールアダプタ(2)とを備え、前記第1のモジュール(101)が前記ロボットアダプタに配置され、前記第2のモジュール(102)が前記ツールアダプタに配置される請求項14に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボティクスおよび産業オートメーションの分野に関し、具体的には、特に、ロボットアームに結合されるツール交換デバイスに関する。本発明は、特にロボットアームのツール交換デバイスのための安全制御装置に関連して開発されたものである。
【背景技術】
【0002】
ロボット島は、様々な用途のために、1つ以上の産業用ロボット、すなわちマニピュレータを備え、3軸以上の動作を行うように自動的に制御されプログラム可能な機械の集合体であることが、当該技術分野において知られている。
【0003】
物流から塗装、組立、塗装、溶接などまで様々な産業用途でそれらの使用はますます広がっている。そのため、これらの島内部において、ロボットやマニピュレータが、異なる機能を遂行するために複数の工具を使用する可能性を有すること、すなわち、ロボットやマニピュレータがツール交換デバイスを備えることの必要性が生じている。
【0004】
ツール交換システムは、好ましくは、
・ロボットまたはマニピュレータ(自動または半自動)と、
・ロボットアームまたはマニピュレータの端部に機械的に接続されるロボットアダプタまたは機械アダプタと、
・(機械加工用又は把持用等の)ツールに機械的に接続されるツールアダプタと、
・ツールアダプタを安全に受け取るように、したがって、ツールを収容し、落下の危険なく機械的に保持することを保証可能なパーキングステーションと、
を備える。
【0005】
産業用ロボットやロボット機器の生産ラインへの統合及び設置は、固有の危険性を伴うものである。国際規格では、これらの危険性を既に認識しており、安全な作業環境を確保するために、ロボットシステムに関わる関係者(メーカ、サプライヤ、インテグレータ及びユーザ)が採用すべき一連の最低安全要件を規定している。
【0006】
本所有者は、自動化アプリケーションにおけるツール交換器について、1つ以上の安全条件が満たされない限り、ツール自体をロボットアームから切り離すことができないことを保証する様々な解決策(機械的、空圧的、電気的)を見出すために、数多くの実験と研究開発活動を行った。これには、必要な安全条件を満たさない限り、ツール交換器に切り離し指令を適用できないという配慮も含まれている。
【0007】
以上のことから、本発明の目的は、このようなニーズに対する解決策を提供することである。
具体的には、本発明の目的は、公知のものよりも効率的で信頼性の高いロボットアームのツール交換デバイスの安全制御装置を提供することである。
【0008】
より具体的には、本発明の目的は、市販されているあらゆるツール交換器のサイズに適用可能なロボットアームのツール交換デバイス用安全制御装置を提供することである。
【0009】
この目的および他の目的は、主請求項に定義された技術的特徴を含む本発明の実施形態によって達成される。従属請求項は、本発明の好ましい及び/又は特に有利な態様を概説するものである。
【発明の概要】
【0010】
具体的には、本発明は、ロボットアームのツール交換デバイスのための安全制御装置を利用可能にし、当該装置は、ロボットアームとツールとの間の切離しまたは結合を安全に行うことができるように構成され、ロボットアームに関連付けられた第1のモジュールと、ツールに関連付けられた第2のモジュールと、該第2のモジュールにおける少なくとも1つの安全信号の生成を抑止または許可するツールパーキングステーションに関連付けられた手段と、を備え、前記第2のモジュールが、前記少なくとも1つの安全信号を第1のモジュールに無線送信するように構成され、前記第1のモジュールが、前記少なくとも1つの安全信号の受信に応答してロボットアームとツールとの間の切離しまたは結合を許可するように構成される。
これにより、これまで知られていたシステムや使用されてきたシステムの結合手段の摩耗や損傷、メンテナンスの必要性がなくなる。
【0011】
好ましくは、少なくとも前記第2のモジュールは、データ記憶手段と、初期状態をとる少なくとも1つのデジタルポートとを備え、前記ツールパーキングステーションに関連付けられた手段が、前記少なくとも1つのデジタルポートの初期状態を該初期状態と異なる新たな状態に変更し、前記少なくとも1つのデジタルポートの前記新たな状態が前記記憶手段内に記憶され、前記少なくとも1つの安全信号が、前記少なくとも1つのデジタルポートの前記新たな状態を含む。
【0012】
好ましくは、前記少なくとも1つの安全信号は、前記記憶手段に記憶された数字または英数字の文字列の形式の安全コードを含む。
【0013】
好ましくは、前記第2のモジュールの前記記憶手段は、前記ツールに割り当てられた累進番号を有する少なくとも1つのコードを記憶するように構成され、前記第2のモジュールから前記第1のモジュールに無線で送信可能な前記少なくとも1つの安全信号が、前記ツールに割り当てられた累進番号を有する前記少なくとも1つのコードを含む。
【0014】
これにより、ツールの数が少なくとも2つである場合、特に交換されるツールの数がかなりの数である場合、例えばロボットと結合されるツールの数が1つよりも大きい場合、ツールを他のツールから区別することができる追加のコードを提供する。
【0015】
好ましくは、前記ツールに割り当てられた累進番号を有する前記少なくとも1つのコードは、外部通信モジュールを介してユーザによって前記記憶手段に入力される。
【0016】
好ましくは、装置は、前記第1のモジュールに関連付けられた制御回路を備え、該制御回路が、前記少なくとも1つの安全信号が記憶されるメモリを備え、前記制御回路が、前記第2のモジュールから発信されて前記第1のモジュールから受信される前記少なくとも1つの安全信号と、前記制御回路の前記メモリに存在する前記少なくとも1つの安全信号との一致を検証する動作を実行するように構成され、前記検証動作を実施した後、前記検証動作が肯定されるとロボットアームとツールとの間の切離しまたは結合を許可するように構成される。このように、第2のモジュールから受信される安全信号に対する安全制御が存在する。
【0017】
好ましくは、前記パーキングステーションに関連付けられた手段は、磁気アクチュエータを備え、前記第2のモジュールが、前記磁気アクチュエータによって作動可能な磁気センサを備える。
【0018】
あるいは、前記パーキングステーションに関連付けられた手段は、電気回路を備え、前記第2のモジュールの前記少なくとも1つのデジタルポートが、前記パーキングステーションに関連付けられた前記電気回路に電気的に接続可能である。
【0019】
好ましくは、前記第2のモジュールは、前記パーキングステーションに接続されると、前記パーキングステーションに関連付けられた前記電気回路に給電するように構成される。
【0020】
好ましくは、前記磁気センサは、前記磁気アクチュエータによって指令される少なくとも1つの電気スイッチを備え、前記第2のモジュールの前記少なくとも1つのデジタルポートが、前記磁気センサの少なくとも1つの電気スイッチに電気的に接続され、前記少なくとも1つのデジタルポートが、前記磁気センサがパーキングステーションに関連付けられた前記磁気アクチュエータによって作動されると状態を変更するように構成される。
【0021】
好ましくは、前記第2のモジュールは、前記磁気センサの電気接点に給電するように構成される。
【0022】
さらに別の方法として、前記パーキングステーションに関連付けられた手段が電気回路を備え、前記第2のモジュールが、前記パーキングステーションに関連付けられた前記電気回路に電気的に接続可能な少なくとも1つのマイクロプロセッサを備え、前記第2のモジュールが、前記パーキングステーションに接続されると、前記マイクロプロセッサと前記パーキングステーションに関連付けられた電気回路とに給電するように構成される。
【0023】
好ましくは、前記第1のモジュールがRFIDリーダを備え、前記第2のモジュールが少なくとも1つのRFIDチップを備える。
【0024】
これにより、使用する電力供給部品間の消耗を促し、そのメンテナンスが不要となる。
【0025】
また、本発明は、上記に記載の安全制御装置を備えるロボットアーム用のツール交換デバイスを提供する。
【0026】
好ましくは、ツール交換デバイスは、前記ロボットアームに接続されるロボットアダプタと、前記ツールに接続されるツールアダプタとを備え、前記第1のモジュールが前記ロボットアダプタに配置され、前記第2のモジュールが前記ツールアダプタに配置される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面の助けを借りて、非限定的な例として提供される以下の説明を読むことにより、より明らかになるであろう。
【0028】
図1】本発明に係る安全制御装置を備えるロボットアームのツール交換デバイスの概略側面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る図1のツール交換デバイスのための安全制御装置の概略図である。
図3a】本発明の第2の実施形態及びその変形例に係る安全制御装置の第2のモジュールが想定し得る種々の構成を示す図である。
図3b】本発明の第2の実施形態及びその変形例に係る安全制御装置の第2のモジュールが想定し得る種々の構成を示す図である。
図3c】本発明の第2の実施形態及びその変形例に係る安全制御装置の第2のモジュールが想定し得る種々の構成を示す図である。
図3d】本発明の第2の実施形態及びその変形例に係る安全制御装置の第2のモジュールが想定し得る種々の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
特に図1を参照すると、例えば圧縮空気によって作動させることができるツール交換デバイスが、参照番号10で大別して示されており、具体的にロボットアーム5に接続されるロボットアダプタ1と、好ましくは、具体的にツール6及び支持体7に接続されるツールアダプタ2と、を備えており、支持体7は、例えば、ツール6をパーキングステーション30に収容するためのプレートや棚である。ロボットアーム5は、ロボットアームまたはマニピュレータであり、自動またはプログラマブルのいずれでもよい。
【0030】
一般に、ツール交換デバイスには、好ましくは、ロボットアダプタをツールアダプタに堅固に結合することができる結合ユニットが設けられている。
【0031】
この結合ユニットは、ロボットアダプタ上またはツールアダプタ上に配置することができる。好ましくは、しかし必ずしも必要なわけではないが、ロボットアダプタに配置することで、アプリケーションにおいて明らかにより数の多いツールアダプタのコストを増加させないようにされる。
【0032】
結合ユニットは、能動部と受動部とを備えていてもよい。能動部は、受動部と結合するための少なくとも1つの可動要素を有し、これにより機械的に強い結合が形成される。通常、このような可動要素は複数設けられる。能動部はロボットアダプタに、受動部はツールアダプタに配置することができる。代替的には、受動部がロボットアダプタに、能動部がツールアダプタに配置される。能動部及び受動部が設けられている場合、結合ユニットを搭載するアダプタは、能動部、すなわち可動部がある方であるべきである。
【0033】
結合ユニットには、デバイス自体が引っ掛けられて、結合力によってその状態が維持されるデフォルト状態がある。
【0034】
結合ユニットは、切離し力が付与された場合にのみ、デフォルト状態から切離し状態に移行し得る。
切離しエネルギーは、空圧エネルギー、油圧エネルギーおよび/または電磁エネルギー、特に電気エネルギーからなり、その結果、切離し力は、空圧力および/または油圧力および/または電磁力、特に電気力を含むことが想定され得る。
【0035】
空圧エネルギーを使用する場合、圧縮空気の供給により結合ユニットをデフォルト状態から移行させることができる。これにより、産業用ロボットおよびオートメーションの分野でしばしば使用される技術を使用することができ、これらは容易に供給することができ、結合ユニットをデフォルト状態から切離し状態へ確実かつ迅速に切り替えるために利用できる。
【0036】
空圧エネルギーの場合、空気圧センサは、通常、供給エントリポイントと結合ユニットとの間に特に好ましい態様で配置され、圧縮空気の供給を制御する。この圧縮空気センサが、結合力の不足を示すような圧縮空気の供給量の低下またはその圧力の低下を検出した場合、圧縮空気センサは、適切な対策が取られるように警告信号を出力することができる。他のエネルギーの形式が使用される場合、センサは、結合ユニットへのエネルギーの供給を監視するための電磁センサおよび/または油圧センサであってもよい。
【0037】
さらに、結合エネルギーおよび結合力ならびに/または閉塞エネルギーおよび閉塞力が、バネによって引き起こされる、すなわちバネによって媒介されることが想定され得る。その結果、結合ユニットは、機械的に作用する弾性力によってデフォルト状態に保持される。結合力は、好ましくは、バネと圧縮空気、油圧力または電磁力との組み合わせから生じる。
【0038】
機械的結合要素の特別なプロファイル(例えば機械的に不可逆なプロファイルを有する)のような他の機械的保持システムは、バネの代替または追加となり得る。
【0039】
結合ユニットを結合位置に保持するために2つ以上の異なる機構が設けられているため、結合位置は、例えばバネの破損や圧縮空気の低下などの部品故障が発生した場合でも確実に保持される。もちろん、バネ力のみ、圧縮空気のみ、油圧力のみ、電磁力のみまたは機械要素のみでも、代替的に結合ユニットをデフォルト状態に保持することができる。
【0040】
切離しエネルギーは通常、結合エネルギーと同じタイプのエネルギーであるが、代替的に、2つのエネルギーが異なるタイプであってもよい。
【0041】
ツール交換器の切離しを作動させるために要求される安全条件は、例えば:
・ツール交換器がツールと結合しており(すなわち、ロボットアダプタとツールアダプタが結合しており)、それがパーキングステーションにある場合、
・パーキングステーションにはなく(すなわち移動中)、ツール自体に固定されたツールアダプタがロボットアダプタに結合されていない(ロボットアダプタが係合していない)場合等
であり得る。
【0042】
通常、ツール交換器の切離しコマンドは電子制御装置によって生成され、電子制御装置は、通常はロボットまたは機械のものである。
【0043】
特定の制御装置にかかわらず、切離しコマンドの生成と送信は、一般に、不用意に生成され、ロボットまたはマニピュレータアームからツールの非同期の切離しが起こらないように慎重に制御される。
【0044】
しかしながら、ソフトウエアの不具合やヒューマンエラーなどのリスクから、切離し回路にインターロックや安全制御を介在させることが望ましい。
【0045】
そのため、このようなオートメーション機器には、空圧もしくは電気制御装置またはその他のタイプの制御装置を備えた適切な安全制御システムを装備する必要が生じており、これにより、フックなしツールの解除が、指定された場所または特定の制御された条件下でのみ行われるようにし、解除が危険な状況を引き起こすことがないようにしている。
【0046】
オートメーションに適用されるツール交換器用の安全制御システムは、従来から様々なタイプのものが知られている。
【0047】
第1のタイプは、ロボットからツール交換器結合ユニットに切離しエネルギーが供給され、ツール交換器結合ユニットの相対的な切離しまたは結合解除を作動させる場合である。
【0048】
この場合、空圧および/または電気制御システムは、通常、上記で定義された安全条件下でのみこのエネルギーの供給を許可するか、むしろ、安全でない条件下ではこのエネルギーの供給を許可しないように提供される。当該制御システムは、ツールアダプタのロボットアダプタに対する結合位置及び/又はパーキングステーションにおけるツールアダプタの正しい設置位置を検出しなければならない。
【0049】
この第1のタイプのツール交換器安全制御システムは、非常に信頼性が高く、様々な用途で広く実証されているが、かなり高価であり、小容量で小型のツール交換器に適用するのは困難である。
【0050】
加えて、空圧式、油圧式または電気式の結合手段を接触させて使用することにより摩耗が生じ、生産効率を確保するために定期的なメンテナンスが必要となる。
【0051】
第2のタイプのツール交換器制御システムは、ツールアダプタに切離しエネルギーを供給する供給デバイスによって、パーキングステーションからツールアダプタに切離しエネルギーを供給する。
【0052】
供給デバイスは、閉塞力によって閉状態に保たれる(すなわちエネルギーを供給できない)デフォルト状態を有する。閉塞力に抗して、ツールアダプタがパーキングステーションに受け入れられた後、供給デバイスは開位置に作動される。
【0053】
供給デバイスは現時点では開位置にあるので、切離しエネルギーは結合ユニットに伝達される。この供給は、パーキングステーションと、供給デバイスと、結合ユニットを搭載したアダプタにパーキングステーションを直接または間接的に接続する結合手段とを介して行われる。
【0054】
これにより、両アダプタ(ロボットおよびツール)がパーキングステーションに配置され、ロボットアダプタがツールアダプタに結合されているときに、安全な状況で切り離しが行われることが保証される。
【0055】
結合ユニットがロボットアダプタに配置されている場合、これは低コストであるため、当該技術分野においてより一般的な解決手段であるが、エネルギーは、空圧または油圧または電気的結合手段を介してツールアダプタからロボットアダプタに伝達される。
【0056】
ロボットアダプタがツールアダプタに結合されておらず、ツールをピックアップするためにパーキングステーションで結合しなければならない場合、ロボットアダプタがツールアダプタに係合する前に結合ユニットのロックを解除しなければならない。その結果、ツールアダプタからロボットアダプタへのエネルギー供給結合手段(例えば弁)を機械的に拡張する必要が生じる。これは、
・この場合に拡張機能を作動させないようにロボットアダプタとツールアダプタとの結合を検出し、
・ロボットアダプタへの供給に要求される最小距離を検出し、
・ツールアダプタへのロボットアダプタの接近を正確に機械的にガイドする必要があることを暗示している。
【0057】
これは、エネルギー結合手段の機械的な係合を可能にするために、ツールアダプタに向けてロボットアダプタを移動させるロボット動作またはマニピュレータ動作を停止させる必要があり、その結果、結合時間が長くなることもある。
【0058】
最後に、この第2のタイプの制御は、ロボットとツールアダプタ間の結合手段の機械的摩耗および必要なメンテナンスを改善するものではなく、それどころか、これらの手段をある一定の距離で結合しなければならないため、リスクを増大させる。
【0059】
ロボットアダプタ1は、空圧シリンダ17、限定されるものではないが好ましくは、シリンダまたは空圧室と、シリンダ内に摺動自在に配置されたピストン16とからなる複動空圧シリンダを備えている。ピストン16は、具体的にはその一端がツールアダプタ2と係合する、係合要素または結合ユニット120に接続されたシャフト119を備えている。空圧シリンダ17は、具体的には、ロボットアーム5、好ましくはロボットアダプタ1のツール6、好ましくはツールアダプタ2との結合/切離し機構を作動させる。結合ユニット120は、ツール2、好ましくはツールアダプタ2の切離しも可能にするので、結合/結合解除ユニットと呼ぶ方が良く、好ましくはロボットアダプタ1上に配置され、好ましくは、バネによって、場合によっては結合位置での不可逆性を保証する結合プロファイルによってもロボットアダプタ1に結合されたツールアダプタ2を保持するのを補助する少なくとも3つの可動結合要素(図示せず)を備えている。
【0060】
もちろん、ツール交換器は、本発明の範囲から逸脱することなく、手動、電気、油圧またはその他の方法で作動させることもできる。
【0061】
ツール交換器の作動状態では、ツール6をロボットアーム5から切り離す必要があり、ロボットアーム5、好ましくはロボットアダプタ1の、ツール6、好ましくはツールアダプタ2との結合/切離し機構に作用する空圧シリンダ17にコマンド信号を送る必要がある。具体的には、ロボットアーム5上、またはロボットアダプタ1と一体的に、またはロボットアダプタ1自体に設置された制御モジュール内に配置され、結合/結合解除ユニット120に作用する空圧シリンダ17に作用する1つの、しかし好ましくは複数の空圧作動弁V1にコマンド信号を送ることが必要である。空圧作動弁に代わるものとして、ロボットアーム5上またはロボットアダプタ1に関連付けて配置される油圧または電気作動デバイスを想定し得る。
【0062】
本発明では、ツール交換器を切り離すためのコマンド信号は、ツールアダプタ2がパーキングステーション30に配置され、同時にロボットアダプタ1がツールアダプタ2の近傍、すなわちツールアダプタ2から例えば2mm~60mmの距離D1にある場合にのみ、空圧作動弁V1に送信することができる。
【0063】
ツールアダプタ2の他の位置では、切離しまたは結合解除コマンド信号を空圧作動弁V1に伝達することはできない。
【0064】
この操作は、ロボットアーム5に関連し、好ましくはロボットアダプタ1上に配置された第1のモジュール101と、ツール6に関連し、好ましくはツールアダプタ2上に配置された第2のモジュール102と、パーキングステーション30に関連付けられた手段103と、を備える電子式安全制御装置100によって可能になる。従って、当該安全制御装置100は、ツール6のロボットアーム5からの、具体的にはツールアダプタ2のロボットアダプタ1からの、安全でない方法での切り離しを許可あるいは抑止するように、またはツール6とロボットアーム5との間の結合もしくは連結を許可するように構成されている。前記安全制御装置100は、ロボットアーム5、具体的にはロボットアダプタ1が、ロボットアーム5またはマニピュレータの制御ユニット150から切離しまたは結合コマンドを受信したときに起動され、例えば、制御ユニット150は、安全制御装置100の起動のために、制御信号である信号Ssgを第1のモジュール101に送信する。
【0065】
第1のモジュール101と第2のモジュール102は、互いに無線でデータを交換する。好ましくは、通信は無線周波数であり、特に、産業環境において最も好ましいように、HFまたはUHF通信である。
【0066】
図2に示す本発明の第1の実施形態の手段103は、第2のモジュール102における少なくとも1つの安全信号Sの生成を許可または抑止するように構成されている。
【0067】
第2のモジュール102は、本発明の実施形態に係るロボットアームのツール交換デバイスのための安全制御装置が示された図2においてより良く示されているように、第1のモジュール101の要求に応じて、第1のモジュール101に対して、ツール6のロボットアーム5からの切離しまたはツール6とロボットアーム5との間の結合、具体的にはロボットアダプタ1からの結合を可能にするために、少なくとも1つの安全信号Sを放出する。
【0068】
好ましくは、ロボットから電力供給を受ける第1のモジュール101は、モジュール102に電力を供給するように、ツール6に関連付けられた第2のモジュール102に無線で、好ましくは無線周波数でエネルギーを送信する。
【0069】
この解決策により、これまで知られ使用されてきたシステムの結合手段の摩耗及び損傷が排除され、メンテナンスの必要性もなくなる。
【0070】
好ましくは、第1のモジュール101は、例えばRFIDリーダなどの読取装置104と、特別に設計されたアンテナ105を備えている。
【0071】
読取装置104は、好ましくは、読取装置104を管理し、読取装置自体から受信した信号を処理する少なくとも1つのデータ処理ユニット107、例えばマイクロプロセッサ107を備える制御回路106に接続される。また、制御回路106は、処理ユニット107に関連付けられた不揮発性メモリ1070、例えばEEPROMメモリを備え、好ましくはメモリ1070はマイクロプロセッサ107に内蔵される。好ましくは、ロボット統合のためのISO/IEC 10218-2のようなロボット工学分野の国際安全規格を満たすために、制御回路106は、安全制御の信頼性を向上させるために、投票システム1002(1対2の1002投票)を備えた少なくとも2つの独立したマイクロプロセッサを備えている。異なるマイクロプロセッサの解決策も可能であり(例えば、2つのCPUまたはFPGAを備えたシングルチップ)、2つのマイクロプロセッサはいずれもそれぞれのメモリと関連付けられている。2つのマイクロプロセッサは互いを監視し、その処理結果を比較してツール交換器の作動、すなわちロボットアーム5からのツール6の切離しを許可する。制御回路106は第1のモジュール101に属し、制御ユニット150とは別体であってもよいし、単一の制御論理ユニット106,150を実現するように制御ユニット150に統合されていてもよい。
【0072】
ツール6に関連付けられた第2のモジュール102は、好ましくは、例えばEEPROMタイプの不揮発性メモリ110、すなわち電源が切られたときに保持されなければならないデータを記憶するように構成されたメモリが設けられたチップ109、例えばRFIDチップを備えている。メモリ110は、特別な手順によって書き込みや消去が可能である。
【0073】
第2のモジュールは、初期状態をとる少なくとも1つのデジタルポート1041,1042を備え、初期状態はLOW論理状態またはHIGH論理状態である。好ましくは、少なくとも1つのデジタルポート1041,1042は入力デジタルポートである。ツールパーキングステーション30に関連付けられた手段103は、当該少なくとも1つのデジタルポートの初期状態を初期状態以外の新たな状態に変更するように構成されている。当該少なくとも1つのデジタルポートの新たな状態は、モジュール102のメモリ110に記憶される。少なくとも1つの安全信号Sは、当該少なくとも1つのデジタルポートの新たな状態を含んでおり、したがって、手段103は、少なくとも1つのデジタルポートの状態の変更を可能にし、新たな状態が安全信号Sの一部となるので、安全信号Sを作成するように構成されている。
【0074】
第2のモジュール102のRFIDチップ109は、好ましくは、メモリ110に、RFIDチップの識別コードを構成する、あるビット数(例えば、RF ISO/IEC 15693規格では64)からなる固有の識別コードUIDを含んでいる。安全信号Sは、好ましくは固有の識別コードUIDを含んでいる。
【0075】
好ましくは、メモリ110は、専用アプリケーションを識別するためのRF ISO/IEC 15693規格のバイト(AFIコードまたはアプリケーションファミリ識別子)、および必要に応じて自由に選択可能なビット数を有するモジュール製造業者102によって選択された他のデータなどの他の識別データを含んでいる。
【0076】
具体的には、ツール交換器制御アプリケーションのために、各々があるバイト数の形態で、読み出しおよび書き込みパスワードで保護され暗号化され、指定されたメモリ領域に書き込まれた1つまたは複数の数値コードが、メモリ110に記憶される。
【0077】
安全信号Sは、メモリ110に記憶された、あるバイト数の数字または英数字の文字列の形態の少なくとも1つの安全コードSautを含み、好ましくは読み込み及び書き込みのパスワードで保護され、好ましくは暗号化され、安全コードSautはメモリ110の指定されたメモリ領域に書き込まれる。
【0078】
安全信号Sは、好ましくは、メモリ110に記憶されたAFIコードやその他の数値コードなどの上述の識別データも含んでいる。
【0079】
好ましくは、メモリ110に存在する同じ数値コードは、処理ユニット107のメモリ1070、または制御回路106が1よりも多くのマイクロプロセッサを備える場合にはマイクロプロセッサに関連付けられたメモリにも存在する。
【0080】
コードは、デバイス102によって冗長的に送信され、好ましくは、環境電磁干渉による通信エラーを回避するために巡回冗長制御(CRC)用の制御ビット列が付加される。
【0081】
第2のモジュール102は、少なくとも1つの安全コードSaut、少なくとも1つのデジタルポート1041,1042の新たな状態、好ましくは固有の識別コードUIDおよびメモリ110に含まれる他のコードをも含む少なくとも1つの安全信号Sを送信するように構成されたアンテナ111を備えている。アンテナ111は、好ましくは、適切な基板上に敷設され、チップ109に接続されたアンテナである。
【0082】
チップ109は、少なくとも1つの電気スイッチ113を備えた少なくとも1つの磁気センサ112に接続されており、磁気センサは、手段103内の磁気アクチュエータ160によって作動される。好ましくは、磁気センサ112は、ケーブルと4線式の雌雄コネクタ114との結合を介してチップ109に接続される。具体的には、磁気センサ112は、好ましくは、センサの近傍に磁気アクチュエータが存在することを知らせるための電源を必要としないリードタイプのものが選択された。
【0083】
本発明のこの第1の実施形態の変形例によれば、磁気アクチュエータ160をエンコードすることができる。
【0084】
リード磁気センサ112は、好ましくは、ツールアダプタ2に安定的に結合された支持体7上に配置され、支持体7は、ツール6を配置するためにパーキングステーション30に結合される。磁気アクチュエータ160は、ツール6がパーキングステーション30に配置されるとき、磁気アクチュエータ160が磁気センサ112の前に整列し、磁気センサ112が作動できるように、パーキングステーション30に配置される。具体的には、磁気アクチュエータ160が磁気センサ112から所定の距離D(数ミリメートル、センサの種類によって異なるが、例えば2mmまたは3mm)内にある場合、磁気センサ112を作動させることができる。
【0085】
パーキングステーション30内のツール6、具体的にはツールアダプタ2の有無に応じて、磁気センサ112は、その後第1のモジュール101、具体的には読取装置104に送信される少なくとも1つの安全信号Sの生成を許可または抑止する。
【0086】
ロボットアーム5、具体的にはロボットアダプタ1がツール6の切離しまたはツール6との結合を操作しなければならないとき、ロボットアーム5またはマニピュレータ(図示せず)の制御ユニット150は、コマンドSsgによって第1のモジュール101、具体的には第1のモジュールの読取装置104を作動させる。好ましくは、読取装置104がツール6から、具体的にはツールアダプタ2から、また例えば2mmから60mmの間で構成される第2のモジュール102から所定の距離D1内にあるとき、アンテナ105によってエネルギーを無線周波数で第2のモジュール102に送信する。
【0087】
パーキングステーション30に配置された手段103の磁気アクチュエータ160が磁気センサ112の前方、具体的にはそこから距離Dの範囲内に整列されたときにのみ、磁気センサ112の2つのスイッチ113が磁気アクチュエータ160によって作動され、安全信号SがRFIDチップ109に形成される。
【0088】
第1のモジュールの読取装置104がアクティブになると、RFIDチップ109に問い合わせ、指定されたメモリ領域を読み取る。
【0089】
安全信号Sは、読取装置104が読み取ることができるように、アンテナ111を介して第2のモジュール102のチップ109から第1のモジュール101に送信される。
【0090】
好ましくは、第2のモジュール102は、第1のモジュール101が前記第2のモジュールからの距離D1以下の距離に配置されているときに、少なくとも1つの安全信号Sを送信する。
【0091】
好ましくは、第1のモジュールの読取装置104は、安全信号Sと、安全コードSautと、少なくとも1つのデジタルポート1041,1042の新たな状態と、それらがメモリ110に存在する場合、コードUID及び存在する他の数値コードとを、少なくとも1つの処理ユニット107に送信し、少なくとも1つのメモリ1070に記憶されたコードとの一致を検証する動作を実行し、送信されたコードと少なくとも1つのメモリ1070に記憶されたコードとの間で一致がある場合、すなわち、検証動作が肯定的である場合、第1のモジュール101の処理ユニット107は、電子式、電気機械式、または他のタイプの弁作動ドライバ500(好ましくは第1のモジュール101に属する)に認可信号Autを送信し、この認可信号Autは、ロボットアーム5上に、またはロボットアダプタ1と一体的に配置された空圧作動弁V1にコマンドを送り、ツール6をロボットアーム5から切離す動作またはロボットアーム5をツール6に結合する動作を可能にする。
【0092】
しかしながら、第1のモジュール101は、検証動作を実施せずに、すなわち、第1のモジュール101への信号Sの到着時に、ツール6をロボットアーム5から切り離す動作またはロボットアーム5をツール6に結合する動作を可能にするために、ドライバ500に認可信号Autを送信することも可能である。
【0093】
認可信号Autが到着すると、弁作動ドライバ500は、ロボットアーム5上またはロボットアダプタ1と一体的に位置決めされた空圧作動弁V1にコマンドSsgautを送信し、前述の空圧作動弁V1が、ツール6をロボットアーム5から切り離しまたは切り離し、具体的には、ロボットアダプタ1をツールアダプタ2から切り離しまたは切り離し、またはロボットアーム5をツール6と結合するために、空圧シリンダ17に作用する。
【0094】
既に上述したように、通常は制御ユニット150から独立している制御回路106を、制御ユニット150から独立させず、同じユニット150に属するようにして、ロボットアーム5が単一の論理制御ユニット150,106を有するようにすることも可能である。
【0095】
好ましくは、各マイクロプロセッサは、それ自身の専用メモリ領域に記憶された一対の数値コードを有する。各マイクロプロセッサは、読取装置104によって読み取られたデータの組と、そのメモリに記憶されたデータの組とを比較し、好ましくはチェックサムでチェックされたデータが一致する場合にのみ、承諾する。
【0096】
好ましくは、少なくとも1つの処理ユニット107は、ツールアダプタ2を結合するステップの間にチップ109のコードUIDを記憶し、例えば、処理ユニット107自身が信号Ssgを受信したときにチップ109によって読み取られるコードUID、または常に好ましくは、ツール交換器のロボット側とツール側との全結合時間の間の周期的な時間間隔で、切離し時に読み取られるコードUIDと比較することもできる。これにより、作業環境に存在する他のRFIDチップとの干渉を避けることができる。
【0097】
AFIアプリケーションファミリーのコードもこの目的に使用できる。
【0098】
第1のモジュール101が2つのマイクロプロセッサ107を備える場合、両方のマイクロプロセッサが同時に(またはミリ秒オーダーの妥当な時間枠内に)承諾を与えた場合にのみ、第1のモジュール101の制御回路106は、信号Autにより、ツール2をロボットアーム5から切り離す動作または結合する動作を許可する。
【0099】
ツールアダプタ2がパーキングステーション30に適切に位置づけられていない場合、磁気センサ112は磁気アクチュエータ160によって作動せず、スイッチ113はデフォルト位置のままであり、安全信号Sの生成のために第2のモジュール102を設定しない。
【0100】
ロボットアーム5またはマニピュレータが移動している間に、ツールアダプタ2をパーキングステーション30に適切に位置決めして、その先端に固定されたロボットアダプタ1をツールアダプタ2に結合する場合、結合/切離しユニット120は、ロボットアダプタ1がツールアダプタ2と係合する前にロックを解除しなければならない。
【0101】
本発明による安全制御システムは、ロボットアダプタ1がモジュール102のアンテナ111に通電するのに十分な距離にあれば、すぐにこの操作を実行することができる。
【0102】
ツール交換デバイス用安全制御装置100は、ロボットアダプタ1とツールアダプタ2との間、具体的にはロボットアダプタ1に関連付けられた第1のモジュール101とツールアダプタ2に関連付けられた第2のモジュール102との間に接触する結合手段を有していない。
【0103】
さらに、ロボットアーム5またはマニピュレータが低速でツールアダプタ2にロボットアダプタ1を接近させている間に、停止させる必要なしに、したがってサイクル時間の遅延なしに、1つまたは複数のコードを読み取ることができる。
【0104】
ツール交換器のサイズ、したがってツールアダプタ2に係合する前にロボットアダプタ1の結合ユニットのロックを解除しなければならない距離に応じて、読取装置104とRFIDチップ109の両方のアンテナは、読取距離に比例した拡張部を有する異なる領域を有することができる。
【0105】
図1~2の第1の実施形態のさらなる変形例によれば、安全制御装置100は、追加の機能を実行することができる。
【0106】
例えば、ロボットに結合されるツールの数が1つよりも多いなど、交換されるツールの数がかなりの数になる用途においては、ピッキング段階でそのツールをパーキングステーション(これも番号が振られている)から区別できるようにするために、ユーザがツールに累進番号を持つコードを割り当てる必要性が生じる。これは、各ツールが予め設定されたプログラムに従ってワークセル内を移動する必要があるため、ロボットやマニピュレータがある加工段階で誤った工具をピックアップした場合、別のツール用に設計された軌道でセル内の機械と衝突したり、予期せぬリスクが発生したりする可能性があるので、作業エリア内での衝突も回避できる。
【0107】
したがって、累進番号を持つコードPRは、ロボットまたはマニピュレータの初期プログラミングの段階で、ユーザーがツールに割り当てる必要がある。
【0108】
コードPRは、好ましくは、ツール6に関連付けられた、具体的にはツールアダプタ2に配置された通信モジュールに設置された装置、好ましくはディップスイッチを用いて、バイナリデジタルコーディングを用いて割り当てられる。
【0109】
好ましくは、チップ109は、安全コードSaut(ユーザによって割り当てられたツールの累進番号であるバイナリ識別コードPR)が書き込まれるメモリ領域1100とは別のメモリ領域1101への書き込みアクセスを受ける。
【0110】
コードPRは、(図2に示される)外部書込デバイス170によってチップ109のメモリ1101に書き込まれてもよく、例えば、NFC技術などの既知の通信技術を使用して、ウェブ上で既に利用可能なアプリケーションを備えた携帯電話やアドホックに設計されたものであってもよい。
【0111】
好ましくは、読み取りが同じパスワードまたは別のパスワードで保護され得るのと同様に、チップ109内のツールのこの識別コードPRの書き込みはパスワードで保護される。
【0112】
好ましくは、安全信号Sの一部であり得るバイナリ識別コードPRは、ツール2が接続されたときに読取装置104によって読み取られ、例えばシリアルプロトコル(例えばIO-Link)や機能安全通信プロトコル(例えばIO-Link Safety)によって、適切なチェックのためにロボットまたはマニピュレータの制御ユニット150と通信可能な処理ユニット107に転送される。
【0113】
好ましくは、安全信号Sはバイナリ識別コードPRも含んでいる。
【0114】
コードPRは、ロボットアーム5、具体的にはロボットアダプタ1に送信され、したがってロボットまたはマニピュレータの制御ユニット150に送信され、制御ユニット150は、コードPRとロボットまたはマニピュレータプログラムで割り当てられたツール番号との一致を比較する。
【0115】
モジュール102、具体的にはチップ109は、磁気センサ112の少なくとも1つの電気スイッチ113に電気的に接続された少なくとも1つのデジタルポート1041,1042を備え、少なくとも1つのデジタルポート1041,1042は、磁気センサがパーキングステーション30に関連付けられた当該磁気アクチュエータ160によって作動されると、HIGHまたはLOW状態からLOWまたはHIGH状態にその状態を変更するように構成されている。
【0116】
少なくとも1つのデジタルポート1041,1042の状態の変化は、第2のモジュール102のメモリ110に記録され、当該変化は、第2のモジュールが第1のモジュール101に送信する安全信号Sの形成に寄与する。したがって、安全信号Sは、安全コードSautと、少なくとも1つのデジタルポート1041,1042の新たな状態と、好ましくは、コードUID、コードPRおよびメモリ110に記憶された他のコードとを含む。
【0117】
チップ109は、好ましくは、個別に設定可能なHIGHまたはLOWの初期状態を有する2つのデジタルポート1041,1042を備え、好ましくは、デジタルポート1041,1042は、デジタル入力または出力ポートとして個別に設定可能である。これらのポートのHIGHまたはLOW論理状態は、チップ109の専用メモリレジスタ110に記憶されている。信号Sの生成は、2つのポート1041,1042の少なくとも1つの状態、好ましくはデジタル入力ポートとして構成された少なくとも1つのデジタルポートの状態に依存し、その信号は、次に、ツール6をロボットアーム5から切り離す動作を可能にするために提供される第1のモジュール101に送信される。
【0118】
例えば、モジュール102の信号Sは、パーキングステーション30に関連付けられた前記磁気アクチュエータ160による磁気センサの作動により、少なくとも1つのデジタル入力ポート1041,1042が、HIGHの初期状態から、LOWのハイ状態をとるときに作成される。少なくとも1つのデジタルポート1041,1042のLOW状態は、チップ109のメモリ110に記録され、少なくとも1つの安全コードSautと共に安全信号Sの形成に寄与する。
【0119】
さらに例えば、モジュール102の信号Sは、パーキングステーション30に関連付けられた磁気アクチュエータ160による磁気センサの作動により、少なくとも1つのデジタル入力ポート1041,1042が、LOWの初期状態から、HIGH状態をとるときに作成される。少なくとも1つのデジタルポート1041,1042のHIGH状態は、チップ109のメモリ110に記録され、少なくとも安全コードSautとともに安全信号Sの形成に寄与する。
【0120】
さらに例えば、モジュール102の信号Sは、両デジタルポート1041,1042が入力デジタルポートとして設定可能であり、パーキングステーション30に関連付けられた磁気アクチュエータ160による磁気センサの作動により、両デジタルポート1041,1042がその状態を変化させるとき、すなわち、両方LOWの初期状態からHIGHの状態になるとき、または両方HIGHの初期状態からLOWの状態になるとき、または一方がLOWで他方がHIGHの初期状態から、一方がHIGHで他方がLOWの各状態になるときに作成される。デジタルポート1041、1042の両方がHIGHの状態、両方がLOWの状態、または一方がLOWで他方がHIGHの状態は、チップ109のメモリ110に記録され、少なくとも安全コードSautとともに安全信号Sを形成するのに寄与する。
【0121】
好ましくは、第1のモジュール101は、第2のモジュール102に無線でエネルギーを送信し、同じモジュール102には、第1のモジュール101によって送信されたエネルギーを収集(エナジーハーベスティング)する可能性が提供され得る。モジュール102によって収集された電気エネルギーは、一部はチップ109に供給され、一部は出力供給ポートに電気電圧Voutを生成するために使用される。
【0122】
好ましくは、両方のデジタルポート1041,1042は、抵抗負荷に接続され、それぞれのハイおよびローの初期状態(HIGHおよびLOWデフォルト状態)を有する入力デジタルポートとして構成される。好ましくは、抵抗負荷とデジタルポート1041,1042との間に2つのLED、LED1,LED2が介挿される。
【0123】
チップ109は、結合手段114、例えば4極雌雄コネクタを備えた電気ケーブルを介して、2つのスイッチ113(1つの常開スイッチ、および1つの常閉スイッチ、または2つの常開スイッチ、または2つの常閉スイッチ)を備えた磁気センサ112に接続される。好ましくは、出力電圧Voutは、磁気センサ112の両スイッチ113と並列に、その出力ピンを介してチップ109から供給される。
【0124】
2つのデジタルポート1041,1042は、磁気センサ112の電気スイッチ113に電気的に接続されている。
【0125】
好ましくは、磁気センサ112は、磁気アクチュエータ160によって一旦作動されると、両方のポート1041,1042の状態の変更を可能にする。具体的には、ツール6、具体的にはツールアダプタ2がパーキングステーション30になく、その結果磁気センサ112が作動していないとき、センサ112が常開のスイッチ113と常閉のスイッチ113を有する場合、常開のスイッチ113に接続されたチップ109のポート1041の状態はHIGHのままであり、常閉のスイッチ113に接続された他方の入力ポート1042の状態はLOWのままである。
【0126】
ツール6、具体的にはツールアダプタ2がパーキングステーション30に配置され、その結果磁気センサ112が作動すると、チップ109の2つのポート1041,1042の状態が変化し、常開スイッチ113に接続されたチップのポート1041の状態はLOWになり、常閉スイッチ113に接続された他方のポート1042の状態はHIGHになる。
【0127】
2つの入力ポート1041,1042の状態、すなわち論理状態がLOWのポート1041と論理状態がHIGHのポート1042の状態の変化により、ツール6をロボットアーム5から切り離す動作を可能にする第1のモジュール101に送信される信号Sを生成することが可能となる。デジタルポート1041のLOW状態とデジタルポート1042のHIGH状態は、チップ109のメモリ110に記録され、少なくとも安全コードSautとともに安全信号Sの形成に寄与する。
【0128】
本発明の実施形態の第2の変形例によれば、先に説明した安全制御装置100との唯一の相違点として、本発明の第1の実施形態およびその変形例に対して、第2のモジュール102は磁気センサ112をもはや備えておらず、磁気アクチュエータ160はステーション30にもはや存在していない。
【0129】
本発明の第2の実施形態によれば、図3a~3dにより良く示されているが、磁気アクチュエータ160に代わる手段103は、パーキングステーション30に関連付けられた電気回路1030を備えている。モジュール102、具体的にはチップ109は、パーキングステーションに関連付けられた電気回路1030に電気的に接続可能な少なくとも1つのデジタルポート1021,1022を備えている。しかしながら、この第2の実施形態においても、本発明の第1の実施形態と同様に、モジュール102は、第1のモジュール101から一旦供給されると、既に送信可能になっており、メモリ110は、安全コードSaut、すなわち数字または英数字の安全文字列を含み、少なくとも1つのデジタル入力ポート1021,1022の状態変化を記録する。
【0130】
少なくとも1つのデジタルポート1021,1022は、電気回路1030に接続されると、その状態が変化するように構成されている。このようにして、状態の変化がメモリ110に記録され、同じ状態の変化が、アンテナ111によって送信される信号Sの形成に寄与する。
【0131】
好ましくは、第2のモジュールは、個別に設定可能なHIGHまたはLOW状態を有する2つのデジタルポート1021,1022を備え、好ましくは、デジタルポート1021,1022は、デジタル入力または出力ポートとして個別に設定可能である。少なくとも入力デジタルポートのHIGHまたはLOW状態は、メモリ110、具体的には専用メモリレジスタ110に記録されてもよく、読取装置104によって読み取られてもよい。信号Sの生成は、2つのポート1021,1022のうちの少なくとも1つの状態、すなわちデジタル入力ポートとして構成されたデジタルポートに依存し、その信号は、ロボットアーム5からのツール6を切り離す動作を可能にするために提供される第1のモジュール101に送信される。
【0132】
パーキングステーション30に関連付けられた電気回路1030は、電気接点1031を介してデジタルポート1021,1022に電気的に接続可能である。
【0133】
本発明のこの第2の実施形態に関連し、図3aに示される第1の構成では、電気回路1030は、GNDグランドに接続され、電気接点1031を介して2つのポート1021,1022に個別に接続可能な、2本の電気ワイヤ、または2本の電気ワイヤと同じ機能を有する任意のタイプの電気部品を備えている。ポート1021,1022は、通常、初期状態またはデフォルト状態などのHIGH状態を有するデジタル入力ポートとして構成される。ツール6、好ましくはツールアダプタ2がパーキングステーション30に配置されると、2つのポート1021,1022は、回路1030を介してGNDグランドに接続され、それらの状態はLOWとなり、デジタルポート1021,1022の当該LOW状態は、メモリ110に記録され、第1のモジュール101に送信される信号Sの形成に寄与する。
【0134】
再び本発明の第2の実施形態に関連し、図3bに示される第2の構成では、電気回路1030は、抵抗Rによって互いに接続され、電気接点1031を介して2つのポート1021,1022に個別に接続可能な、2つの電気ワイヤ、または電気ワイヤに類似した電気部品を備えている。デジタルポート1021,1022は、1つが入力デジタルポートとして、1つが出力デジタルポートとして構成され、初期状態またはデフォルト状態として、HIGH状態で構成される。ツール6、好ましくはツールアダプタ2がパーキングステーション30に配置されると、2つのポート1021,1022は回路1030を介して抵抗Rに接続され、デジタル入力ポート1022の状態はLOWとなり、デジタルポート1022の当該LOW状態はメモリ110に記録され、第1のモジュール101に送信される信号Sの生成に寄与する。好ましくは、ポート1021は出力デジタルポート(デフォルト状態がHIGH)として構成され、ポート1022は入力デジタルポート(デフォルト状態がHIGH)として構成される。ツールアダプタがパーキングステーションに配置されると、ポート1022の状態はLOWになる。
【0135】
本発明の第2の実施形態の変形例によれば、第1のモジュール101は、第2のモジュール102にエネルギーを無線送信し、同じモジュール102は、第1のモジュール101によって送信されたエネルギーを収集(エナジーハーベスティング)する可能性が提供され得る。
【0136】
モジュール102によって収集された電気エネルギーは、一部はチップ109に供給するために採用され、一部は出力供給ポートに電気電圧Voutを生成するために使用され、電気電圧Voutによって、モジュール102が接続されると、パーキングステーション30に関連付けられた電気回路1030に給電することができる。例えば、好ましくは初期LOW状態(デフォルト状態がLOW)を有する入力デジタルポートとして構成された2つのデジタルポート1021,1022は、図3cに示されるように、モジュール102が電気接点1031の結合を介して回路1030に接続されると、回路1030を介して電圧Voutに直接接続される。ツール6、好ましくはツールアダプタ2がパーキングステーション30に配置されると、2つのポート1021,1022の状態はHIGHになり、デジタルポート1021,1022の当該HIGH状態はメモリ110に記録され、第1のモジュール101に送信可能な信号Sの生成に寄与する。
【0137】
本発明の第2の実施形態のさらなる変形例によれば、図3dに示されるように、第2のモジュール102は、チップ109に加えて、チップ109の出力供給ポートに存在する電圧Voutによって供給される非常に低消費のマイクロプロセッサ130を備えている。マイクロプロセッサ130は、2線シリアル通信131を介してチップ109とデータを交換する。マイクロプロセッサ130は、電気接点1031を介して回路1030に常時接続可能である。マイクロプロセッサ130は、汎用の入出力ポートを備え、デジタル出力信号を生成し、電気接点1031を介してパーキングステーション30の回路接点1030と接続可能なデジタル入力ポート133の状態を読み取ることができ、例えば、回路1030は並列に接続された電気接点を備え、マイクロプロセッサは、接点1031を介して回路1030の対応する電気接点と接続可能な複数の入力ポート133を備えている。ツール6、好ましくはツールアダプタ2がパーキングステーション30に配置されると、接点1031と回路接点1030との接続により、入力ポート133の状態を変更することができ、これは2線シリアル通信131によりチップ109に伝達される。このようにして、ロボットアーム5からツール6を切り離す動作またはロボットアーム5にツール6を結合する動作を可能にするために、第1のモジュール101に送信される信号Sを作成することが可能である。
【0138】
こうして着想された本発明は、いくつかの改良や変形が可能であり、そのすべてが発明概念の範囲内にある。
【0139】
好ましくは、第1のモジュール101は常にアクティブであり、安全制御装置100の起動のために信号Ssgを送信する必要はない。
【0140】
好ましくは、制御信号Ssgは2つの制御信号で構成され得る。
【0141】
好ましくは、第1のモジュール101は2つの読取装置104、例えばRFIDリーダを備え、それぞれには特別に設計されたアンテナ105が設けられ、両者が同じ制御回路106に接続され、上述の安全規格に準拠するために、好ましくは両読取装置104がともに制御回路106の2つのマイクロプロセッサに接続される。
【0142】
好ましくは、チップ109はNFCタイプであり得る。
【0143】
好ましくは、抑止手段の冗長性を要求される上述の安全基準のために、ドライバ500は、それぞれが処理ユニット107から認可信号Autを受信し、空圧作動弁V1のために1つ以上の信号Ssgautを生成する少なくとも2つの独立した電子または電気機械デバイスを備える。
【0144】
例えば、上記の実施形態の変形例では、ドライバ500は、各々が2つのマイクロプロセッサのうちの1つから導出される認可信号Autによって制御される2つの独立した電子または電気機械デバイスを備える。
【0145】
例えば、上記の実施形態の別の変形例では、ロボットアームまたはマニピュレータの制御ユニット150から得られる制御信号Ssgは、処理ユニット107にではなく、弁作動ドライバ500に送信される。同じドライバが処理ユニット107から認可信号Autも受信し、制御信号Ssg及び認可信号Autが同時にドライバ500によって受信された場合にのみ、ドライバ500自身が空気圧弁V1を制御する。
【0146】
例えば、2つの電気スイッチの使用を提供する上記の実施形態の場合、1つのマイクロプロセッサから導出される認可信号Autによって1つのスイッチが閉じられると、スイッチは、ツール交換器を切り離すために同じ弁を作動させることによって、2つの空圧弁の1つに対する制御信号Ssgの通過を可能にする。
【0147】
さらに、すべての細部は、他の技術的に同等な要素で置き換えることができる。
【0148】
実際には、以下の特許請求の範囲の保護範囲から逸脱することなく、要求される形状や大きさだけでなく、使用される材料も、要求に応じてどのようなものであってもよい。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
【外国語明細書】