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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055107
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】配線モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/298 20210101AFI20240411BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20240411BHJP
   H01M 50/548 20210101ALI20240411BHJP
   H01M 50/557 20210101ALI20240411BHJP
   H01M 50/569 20210101ALI20240411BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20240411BHJP
   H01M 50/591 20210101ALI20240411BHJP
   H01M 50/588 20210101ALI20240411BHJP
   H01M 50/50 20210101ALI20240411BHJP
【FI】
H01M50/298
H01M50/211
H01M50/548 301
H01M50/557
H01M50/569
H01M50/204 401D
H01M50/591
H01M50/588 101
H01M50/50 201Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022161745
(22)【出願日】2022-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】507357232
【氏名又は名称】株式会社AESCジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高田 孝太郎
(72)【発明者】
【氏名】中山 治
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 克司
(72)【発明者】
【氏名】辻 大輝
(72)【発明者】
【氏名】井澤 貴美
(72)【発明者】
【氏名】中井 昌之
(72)【発明者】
【氏名】柳原 康宏
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA03
5H040AS07
5H040AT04
5H040AT06
5H040AY06
5H040DD03
5H040DD13
5H040DD26
5H040JJ02
5H040JJ03
5H040NN03
5H043AA13
5H043AA17
5H043AA19
5H043AA20
5H043CA05
5H043CA08
5H043FA02
5H043FA32
5H043GA23
5H043GA25
5H043GA30
(57)【要約】
【課題】検知電線の曲げ部におけるはみ出しを抑制する。
【解決手段】本開示の配線モジュール20は、検知端子30と、検知電線45と、第1収容部55と、第2収容部56と、曲げ部45Cの内周側に角部57Bを有し、第1収容部55と第2収容部56を連結するとともに曲げ部45Cを収容するL字状の第3収容部57と、曲げ部45Cの両端部に対応して一対設けられ、曲げ部45Cの外周側から内周側に向けて突出して曲げ部45Cを押さえる一対の外側押さえ片58と、曲げ部45Cの両端部に対応して一対設けられ、曲げ部45Cの内周側から外周側に向けて突出して曲げ部45Cを押さえる一対の内側押さえ片59と、を備え、一対の内側押さえ片59は、第3収容部57の両端部を構成する一対の第3側壁57Aのうち内周側の第3側壁57Aから、第3側壁57Aに対して45°をなす角度で角部57Bに沿って配される接線Tの位置まで少なくとも突出して形成されている。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の電極を有する単電池を複数個並べてなる単電池群に取り付けられる配線モジュールであって、
前記電極に接続される、もしくは前記電極に接続部材を介して接続される検知端子と、
前記検知端子に接続されて前記単電池の並び方向とは垂直方向にのびる第1配線部、前記単電池の並び方向にのびる第2配線部、および前記第1配線部と前記第2配線部を連結し前記垂直方向から前記並び方向に曲げられた曲げ部を有する検知電線と、
前記第1配線部を収容する第1収容部と、
前記第2配線部を収容する第2収容部と、
前記曲げ部の内周側に角部を有し、前記第1収容部と前記第2収容部を連結するとともに前記曲げ部を収容するL字状の第3収容部と、
前記曲げ部の両端部に対応して一対設けられ、前記曲げ部の外周側から内周側に向けて突出して前記曲げ部を押さえる一対の外側押さえ片と、
前記曲げ部の両端部に対応して一対設けられ、前記曲げ部の内周側から外周側に向けて突出して前記曲げ部を押さえる一対の内側押さえ片と、を備え、
前記一対の内側押さえ片は、前記第3収容部の両端部を構成する一対の第3側壁のうち内周側の前記第3側壁から、前記第3側壁に対して45°をなす角度で前記角部に沿って配される接線の位置まで少なくとも突出して形成されている、配線モジュール。
【請求項2】
前記第1収容部は、前記一対の第3側壁にそれぞれ連なる一対の第1側壁を有し、
前記一対の第1側壁には、前記第1配線部を押さえる一対の第1押さえ片が互いに対向する配置で設けられており、
前記第3収容部における前記第1収容部側に位置して互いに対向する前記外側押さえ片と前記内側押さえ片との間に形成される第3空隙と、前記一対の第1押さえ片の間に形成される第1空隙と、は、同じ寸法を有し、かつ前記垂直方向にのびる同一直線上に並んでいる、請求項1に記載の配線モジュール。
【請求項3】
前記第1押さえ片の先端は山形とされており、一対の前記第1押さえ片の先端間である最狭小部に前記第1空隙が形成され、
前記外側押さえ片の先端および前記内側押さえ片の先端はいずれも山形とされており、前記第3収容部における前記第1収容部側に位置する前記外側押さえ片の先端と前記内側押さえ片の先端との間である最狭小部に前記第3空隙が形成されている、請求項2に記載の配線モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配線モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド自動車等の車両に搭載される配線モジュールとして、例えば特開2013-161566号公報(下記特許文献1)に記載の電池配線モジュールが知られている。この電池配線モジュールは、隣り合う一対の単電池の電極端子同士を接続するバスバーと、バスバーに接続される検知端子と、検知端子の電線接続部に接続された検知電線と、バスバーを収容するバスバー収容部と、検知電線を収容する電線収容溝と、を備える。電線収容溝は一対の溝壁部および底部を有して構成され、バスバー収容部の並び方向にのびて形成されている。電線収容溝の溝壁部には検知電線を押さえる一対の電線押さえ片36A、36Bが突出して形成されている。また、一対の溝壁部のうちバスバー収容部側の溝壁部には、検知電線をバスバー収容部側から電線収容溝内に導入するための切欠部が形成されている。
【0003】
この電池配線モジュールでは以下のような課題があった。すなわち、バスバー収容部から切欠部を通って電線収容溝内に向かう検知電線は、一対の溝壁部のうちバスバー収容部とは反対側の溝壁部に当たって横方向(電線収容溝ののびる方向)に屈曲し、屈曲に伴う反力によって溝壁部に沿って配索される。しかし、そのような屈曲部では検知電線がその反力によって電線収容溝の外部へはみ出すことが懸念される。
【0004】
これに対し上記の電池配線モジュールでは、一方の電線押さえ片36Bは、一対の溝壁部のうちバスバー収容部とは反対側の溝壁部から突設されており、その先端側に形成される検知電線の挿入用の空隙が電線収容溝の幅方向における中心線よりもバスバー収容部側に片寄っている構成を採用したから、検知電線が屈曲部において、電線収容溝の外部へはみ出そうとするのを効果的に抑制できる。
【0005】
上記の電池配線モジュールでは、特許文献1の図3に示すように、バスバー収容部と切欠部がバレル保持部を介して連結されており、バレル保持部には検知電線の電線接続部が保持されている。バレル保持部は電線収容溝に対して垂直方向にのびており、バレル保持部と切欠部によって電線収容溝とバスバー収容部が連結されている。切欠部の上端縁からは、バレル保持部から導出される検知電線のはみ出しを防止するための一対の電線押さえ片34A、34Bが互いに対向するように設けられている。一対の電線押さえ片34A、34Bのうち検知電線の屈曲側(図3の図示左側のことであり、以下「左側」という)に位置するものは左側電線押さえ片34Aとし、屈曲側と反対側(図3の図示右側のことであり、以下「右側」という)に位置するものは右側電線押さえ片34Bとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013-161566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の電池配線モジュールでは、左側電線押さえ片34Aは、切欠部と電線収容溝との角部から最接近箇所に配されているものの、電線収容溝内の電線押さえ片36Aは、左側電線押さえ片34Aよりも角部から離れた位置に配されている。検知電線の両端部のうち検知端子と反対側の端部にコネクタが設けられている場合があり、このコネクタと相手側コネクタとを嵌合させる際に検知電線が強く引っ張られることで検知電線が角部に沿って曲げられて最短経路で配されることになる。検知電線の曲げ部における切欠部側では左側電線押さえ片34Aによって検知電線が押さえられているものの、曲げ部における電線収容溝側では検知電線を押さえる電線押さえ片が存在しないため、検知電線が曲げ部において電線収容溝の外部にはみ出すおそれがある。
【0008】
本開示は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、検知電線の曲げ部におけるはみ出しを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の配線モジュールは、一対の電極を有する単電池を複数個並べてなる単電池群に取り付けられる配線モジュールであって、前記電極に接続される、もしくは前記電極に接続部材を介して接続される検知端子と、前記検知端子に接続されて前記単電池の並び方向とは垂直方向にのびる第1配線部、前記単電池の並び方向にのびる第2配線部、および前記第1配線部と前記第2配線部を連結し前記垂直方向から前記並び方向に曲げられた曲げ部を有する検知電線と、前記第1配線部を収容する第1収容部と、前記第2配線部を収容する第2収容部と、前記曲げ部の内周側に角部を有し、前記第1収容部と前記第2収容部を連結するとともに前記曲げ部を収容するL字状の第3収容部と、前記曲げ部の両端部に対応して一対設けられ、前記曲げ部の外周側から内周側に向けて突出して前記曲げ部を押さえる一対の外側押さえ片と、前記曲げ部の両端部に対応して一対設けられ、前記曲げ部の内周側から外周側に向けて突出して前記曲げ部を押さえる一対の内側押さえ片と、を備え、前記一対の内側押さえ片は、前記第3収容部の両端部を構成する一対の第3側壁のうち内周側の前記第3側壁から、前記第3側壁に対して45°をなす角度で前記角部に沿って配される接線の位置まで少なくとも突出して形成されている、配線モジュールである。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、検知電線の曲げ部におけるはみ出しを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態1にかかる蓄電モジュールの前部を示す斜視図である。
図2図2は、蓄電モジュールの正面図である。
図3図3は、電池積層体の前部の斜視図である。
図4図4は、ラミネート型電池の要部を示す斜視図である。
図5図5は、図2のA-A断面図である。
図6図6は、検知電線が余長を有した状態で曲げ部が第3収容部に収容されている状態を示す正面図である。
図7図7は、検知電線を第1収容部と第3収容部に収容する様子を示す正面図である。
図8図8は、検知電線が引っ張られた状態で曲げ部が第3収容部に収容されている状態を示す正面図である。
図9図9は、図8のB-B断面図である。
図10図10は、図8のC-C断面図である。
図11図11は、図8の要部拡大図であって、一対の内側押さえ片が角部に対して最接近箇所に配されていることを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
(1)本開示の配線モジュールは、一対の電極を有する単電池を複数個並べてなる単電池群に取り付けられる配線モジュールであって、前記電極に接続される、もしくは前記電極に接続部材を介して接続される検知端子と、前記検知端子に接続されて前記単電池の並び方向とは垂直方向にのびる第1配線部、前記単電池の並び方向にのびる第2配線部、および前記第1配線部と前記第2配線部を連結し前記垂直方向から前記並び方向に曲げられた曲げ部を有する検知電線と、前記第1配線部を収容する第1収容部と、前記第2配線部を収容する第2収容部と、前記曲げ部の内周側に角部を有し、前記第1収容部と前記第2収容部を連結するとともに前記曲げ部を収容するL字状の第3収容部と、前記曲げ部の両端部に対応して一対設けられ、前記曲げ部の外周側から内周側に向けて突出して前記曲げ部を押さえる一対の外側押さえ片と、前記曲げ部の両端部に対応して一対設けられ、前記曲げ部の内周側から外周側に向けて突出して前記曲げ部を押さえる一対の内側押さえ片と、を備え、前記一対の内側押さえ片は、前記第3収容部の両端部を構成する一対の第3側壁のうち内周側の前記第3側壁から、前記第3側壁に対して45°をなす角度で前記角部に沿って配される接線の位置まで少なくとも突出して形成されている、配線モジュールである。
【0013】
ここで、45°とは厳密に45°である必要はなく、例えば±5°の公差を有していてもよく、その場合、40°から50°の範囲内で接線が角部に沿って配されていてもよい。また、第3側壁は、厳密に接線の位置まで突出している必要はなく、少なくとも接線の位置まで突出していればよく、接線の位置を超えて突出していてもよい。
【0014】
第1収容部から第3収容部を通って第2収容部に向かう検知電線は、曲げ部では反力によって外周側の第3側壁に沿って垂直方向から並び方向に曲げられる。しかし、曲げ部では検知電線がその反力によって第3収容部の外部へはみ出すことが懸念される。そこで、上記の配線モジュールでは、曲げ部の両端部に対応して一対の外側押さえ片を設けているから、検知電線の曲げ部におけるはみ出しを抑制できる。
【0015】
また、例えば検知電線の両端部のうち検知端子と反対側の端部にコネクタが設けられており、このコネクタと相手側コネクタとを嵌合させる際に検知電線が強く引っ張られるような場合には、検知電線の曲げ部が第3収容部の角部に沿って曲げられて最短経路で配されることになる。これに対して上記の配線モジュールでは、曲げ部の両端部に対応して一対の内側押さえ片を設けており、一対の内側押さえ片は、第3収容部の両端部を構成する一対の第3側壁のうち内周側の第3側壁から、第3側壁に対して45°をなす角度で角部に沿って配される接線の位置まで突出して形成されているから、検知電線の曲げ部におけるはみ出しを抑制できる。
【0016】
(2)前記第1収容部は、前記一対の第3側壁にそれぞれ連なる一対の第1側壁を有し、前記一対の第1側壁には、前記第1配線部を押さえる一対の第1押さえ片が互いに対向する配置で設けられており、前記第3収容部における前記第1収容部側に位置して互いに対向する前記外側押さえ片と前記内側押さえ片との間に形成される第3空隙と、前記一対の第1押さえ片の間に形成される第1空隙と、は、同じ寸法を有し、かつ前記垂直方向にのびる同一直線上に並んでいることが好ましい。
【0017】
ここで、同じ寸法とは厳密に同じ寸法である必要はなく、第1空隙と第3空隙を垂直方向から見た場合に、全寸法の50%以上が重なり合えばよく、検知電線を一直線にのばした状態で第1収容部と第3収容部に収容できればよいことを意味する。
【0018】
第3空隙と第1空隙とが同じ寸法を有し、かつ垂直方向にのびる同一直線上に並んでいるから、検知電線を垂直方向に一直線にのばした状態で第1収容部と第3収容部に収容して配索でき、検知電線の配索作業性を向上できる。
【0019】
(3)前記第1押さえ片の先端は山形とされており、一対の前記第1押さえ片の先端間である最狭小部に前記第1空隙が形成され、前記外側押さえ片の先端および前記内側押さえ片の先端はいずれも山形とされており、前記第3収容部における前記第1収容部側に位置する前記外側押さえ片の先端と前記内側押さえ片の先端との間である最狭小部に前記第3空隙が形成されていることが好ましい。
【0020】
外側押さえ片の先端と内側押さえ片の先端と第1押さえ片の先端とが山形とされているから、最も検知電線を通しにくい最狭小部の寸法が小さくなり、検知電線の配索作業性をより向上できる。
【0021】
[本開示の実施形態の詳細]
以下に、本開示の実施形態について説明する。本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0022】
<実施形態>
実施形態を図1から図11を参照しつつ説明する。本実施形態の配線モジュール20を備えた蓄電モジュール10は、例えば、電気自動車またはハイブリッド自動車等の車両に搭載されて、車両の駆動源として用いられる。以下の説明においては、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材の符号を省略する場合がある。以下では、矢線Xの示す方向を前方、矢線Yの示す方向を左方、矢線Zの示す方向を上方として説明する。本実施形態では、上下方向は垂直方向の一例、左右方向は並び方向の一例である。
【0023】
[電池積層体]
蓄電モジュール10は、図3に示す電池積層体11Lと、電池積層体11Lに取り付けられる配線モジュール20と、を備える。図1に示すように、本実施形態の蓄電モジュール10は、さらに電池積層体11Lを上下左右の四方から覆う筐体15を備える。筐体15は、電池積層体11Lの下面側に配される底部15Aと、電池積層体11Lの上面側に配される天井部15Bと、底部15Aと天井部15Bとを左右両側において接続する一対の側方部15Cと、からなる。
【0024】
[ラミネート型電池、電極リード]
図3に示すように、電池積層体11Lは、ラミネート型電池11が左右方向に複数個(本実施形態では18個)積層されて構成されている。なお、図3においては、電池積層体11Lの前側部分のみを示している。図4に示すように、ラミネート型電池11は、前後方向に長く、左右方向に扁平な形状をなしている。ラミネート型電池11の内部には、蓄電素子(図示せず)が収容されている。ラミネート型電池11の前後方向の両側には、一対の電極リード12が配置され、互いに反対方向を向くようにして突出している。一対の電極リード12は、板状をなし、互いに反対の極性を有している。
【0025】
[接合部]
図3および図5に示すように、電池積層体11Lには、左右方向に連続して並ぶラミネート型電池11の4つの電極リード12が電気的に接続された接合部13が設けられている。すなわち、4つの電極リード12が、略直角に左方または右方に折り曲げられ、重ね合わせられて、レーザー溶接により接合されることにより、接合部13が構成されている。接合部13を構成する電極リード12は、接続電極リード12Aとされている。4つの接続電極リード12Aのうち、右側に配される2つの接続電極リード12Aと、左側に配される2つの接続電極リード12Aとは、反対の極性を有している。例えば、右側の2つの接続電極リード12Aが正極とされ、左側の2つの接続電極リード12Aが負極とされている。したがって、電池積層体11Lにおいて、接合部13は、並列接続された2つのラミネート型電池11を直列接続している。図3に示すように、電池積層体11Lは前部に4つの接合部13を備える。なお、図示しないものの、電池積層体11Lは後部にも4つの接合部13を備える。
【0026】
接合部13の形成工程には、電極リード12の折り曲げ加工や、レーザー溶接等が含まれるため、特に接合部13(および接続電極リード12A)の前後方向における公差が大きくなりやすい。例えば、本実施形態では、接合部13(および接続電極リード12A)の前後方向における公差は、電極リード12の厚み(0.2mm,0.4mm)に比べて大きな数値となっている。
【0027】
図3および図5に示すように、電池積層体11Lは、前部の左端部に出力部14を備える。なお、図示しないものの、電池積層体11Lは、後部の右端部にも出力部14を備える。出力部14は、電極リード12のうち、接合部13を構成しない2つの電極リード12が接合されることで構成されている。出力部14を構成する電極リード12は、出力電極リード12Bとされている。1つの出力部14を構成する2つの出力電極リード12Bは、互いに同じ極性を有している。出力部14は、電池積層体11L全体の正極あるいは負極を構成している。すなわち、例えば前部の出力部14が電池積層体11Lの総正極である場合、後部の出力部14は電池積層体11Lの総負極である。
【0028】
[配線モジュール]
図1に示すように、本実施形態の配線モジュール20は、接続電極リード12Aに接続される検知端子30と、出力電極リード12Bに接続されるバスバー40と、検知端子30に接続される検知電線45と、検知端子30とバスバー40と検知電線45とを保持するプロテクタ50と、を備えている。以下では、蓄電モジュール10の前側に配される配線モジュール20の構成について詳細に説明する。図示しないものの、蓄電モジュール10の後側に配される配線モジュール20は、蓄電モジュール10の前側に配される配線モジュール20と同様に構成されている。
【0029】
バスバー40は、板状の形状をなし、導電性の金属板材を加工することにより形成されている。図2に示すように、バスバー40は、上下方向にのびる第1部分40Aと、第1部分40Aの上端部に接続される第2部分40Bと、を備える。第1部分40Aは、前後方向に扁平とされている。第2部分40Bは、第1部分40Aの上端部から右方にのびており、上下方向に扁平とされている。バスバー40は、プロテクタ50のバスバー保持部53に保持され、第1部分40Aの上下方向中央部において出力電極リード12Bに接続されている。第2部分40Bの右端部には、バスバー側接続部41が設けられている。
【0030】
図1に示すように、バスバー側接続部41は、ボルトが挿通される貫通孔41Aを有する。バスバー側接続部41の上には、図示しない外部接続端子が重ねられ、バスバー側接続部41にボルト締結されるようになっている。これにより、バスバー側接続部41は、外部接続端子と電気的に接続される。外部接続端子は、図示しない外部機器と蓄電モジュール10とを接続するために用いられる。
【0031】
[検知電線]
検知電線45は、芯線と、芯線を覆う絶縁被覆と、を有している。検知電線45の一方の端部は各ラミネート型電池11の電圧を検知する検知端子30と接続されている。図1および図2に示すように、検知電線45の他方の端部は一束にまとめられ、コネクタ48に接続されている。検知電線45は、プロテクタ50の配索凹部50Aに配索され、所定位置に配索されるようになっている。請求項の検知電線とは、検知端子30に接続されている電線以外にも各ラミネート型電池11の電流、温度等を検知するデバイス、その他の制御部に接続されている電線を含む。
【0032】
図2に示すように、コネクタ48は、絶縁性の合成樹脂製のハウジング48Aと、ハウジング48Aの内部に収容される雄端子48Bと、を備える。コネクタ48は、雌端子を有する相手側コネクタ(図示せず)と嵌合するようになっている。相手側コネクタは、図示しない電線を介して外部のECU(Electronic Contorol Unit)等に接続されている。ECUは、マイクロコンピュータ、素子等が搭載されたものであって、各ラミネート型電池11の電圧、電流、温度等の検知や、各ラミネート型電池11の充放電制御コントロール等を行うための機能を備えた周知の構成のものである。
【0033】
[検知端子]
検知端子30は、導電性の金属板材を加工して設けられている。検知端子30は、図2に示すように、本体部31と、本体部31から右方にのびる接続部32、本体部31から上方にのびる電線接続部34等を備える。本体部31は検知端子30の右側に配されており、正面視で矩形状をなしている。本体部31は板厚方向が前後方向となるように端子収容部54に収容される。端子収容部54の下端部には、検知端子30を端子収容部54の内部に保持する端子保持部54Aが設けられている。
【0034】
接続部32は左右方向に長い矩形状をなし、本体部31と面一に形成されている。接続部32は、上下方向について本体部31よりも上方および下方に突出している。図5に示すように、接続部32は、接合部13あるいは接合部13を構成する接続電極リード12Aの一部に面接触して接続される態様とされている。すなわち、検知端子30は、隣り合う接続電極リード12A間を接続するための部材ではなく、予め接続された接続電極リード12A(接合部13)と検知電線45との間を接続するための部材である。このため、接続部32の上下方向の寸法は、接続電極リード12Aの上下方向の寸法に比べて小さくてもよい。
【0035】
[プロテクタ]
図1に示すように、プロテクタ50は、絶縁性の合成樹脂からなり、板状をなしている。プロテクタ50は、筐体15(および電池積層体11L)に対して位置決めされるプロテクタ本体51を備える。図2に示すように、プロテクタ本体51の上下方向の中央部には、左右方向に並列して、複数の電極収容凹部52が設けられている。電極収容凹部52は、前後方向に貫通形成され、上下に長い矩形状をなしている。電極収容凹部52は、接合部13および接続電極リード12Aを受け入れる接続電極収容凹部52Aと、出力電極リード12Bおよび出力部14を受け入れる出力電極収容凹部52Bと、から構成されている。
【0036】
図2に示すように、出力電極収容凹部52Bの上側および下側には、バスバー40を保持するバスバー保持部53が設けられている。上側のバスバー保持部53の右側には、バスバー40をボルト締結するためのボルト締結部53Aが設けられている。接続電極収容凹部52Aの左斜め下側に、検知端子30の一部を収容する端子収容部54が設けられている。端子収容部54は、プロテクタ本体51から後方に凹んで形成されている。
【0037】
[配索凹部]
配索凹部50Aは、端子収容部54と同様に、プロテクタ本体51から後方に凹んで形成されている。配索凹部50Aの内部は端子収容部54の内部に連通しており、端子収容部54に収容された検知端子30から引き出された検知電線45が配索凹部50Aに収容されて配索されている。配索凹部50Aは、端子収容部54の上方に連なって上下方向にのびる第1収容部55と、第1収容部55の上方に配されて左右方向にのびる第2収容部56と、第1収容部55と第2収容部56を連結する第3収容部57と、を備える。
【0038】
第1収容部55は、接続電極収容凹部52Aの右側に隣り合うように形成されている。第2収容部56は、接続電極収容凹部52Aの上側に隣り合うように形成されている。第3収容部57はL字状をなし、第1収容部55の上端部と第1収容部55の右上に位置する第2収容部56の左端部とを連結している。角部57Bは接続電極収容凹部52Aの左上に位置し、次述する曲げ部45Cの内周側に位置している。
【0039】
検知電線45は、検知端子30に接続されてラミネート型電池11の並び方向とは垂直方向である上下方向にのびる第1配線部45A、ラミネート型電池11の並び方向である左右方向にのびる第2配線部45B、および第1配線部45Aと第2配線部45Bを連結し上下方向から左右方向に曲げられた曲げ部45Cを有する。検知電線45は、配索凹部50Aへの配索時、あるいはコネクタ48と相手側コネクタの嵌合時に必要となる余長を有している。このため、検知電線45は、図6に示すように、曲げ部45Cにおいて反力が発生し、外周側に広がった状態で第3収容部57に収容されている。
【0040】
第1収容部55は検知電線45の第1配線部45Aを収容し、第2収容部56は検知電線45の第2配線部45Bを収容し、第3収容部57は検知電線45の曲げ部45Cを収容している。詳細に示すと第3収容部57は、図6に示す破線で囲われたL字状の領域であって、曲げ部45Cが収容される領域のことをいう。
【0041】
第3収容部57の両端部は一対の第3側壁57Aによって構成されており、下端部側に位置する一対の第3側壁57Aは左右方向に互いに対向し、右端部側に位置する一対の第3側壁57Aは上下方向に互いに対向している。また、下端部側に位置する一対の第3側壁57Aのうち右側に位置するものは外周側の第3側壁57Aとされ、左側に位置するものは内周側の第3側壁57Aとされている。同様に、右端部側に位置する一対の第3側壁57Aのうち上側に位置するものは外周側の第3側壁57Aとされ、下側に位置するものは内周側の第3側壁57Aとされている。
【0042】
第3収容部57の両端部には、一対の外側押さえ片58と、一対の内側押さえ片59と、が形成されている。一対の外側押さえ片58は曲げ部45Cの両端部に対応して一対設けられ、曲げ部45Cの外周側から内周側に向けて突出して曲げ部45Cを前方から押さえる。一対の内側押さえ片59は曲げ部45Cの両端部に対応して一対設けられ、曲げ部45Cの内周側から外周側に向けて突出して曲げ部45Cを前方から押さえる。
【0043】
外側押さえ片58の役割は、検知電線45が余長を有している状態で検知電線45の反力によって角部57Bから離れた外周側に配置された際に検知電線45が外部にはみ出すことを抑制することにある。内側押さえ片59の役割は、コネクタ48を相手側コネクタに嵌合する作業時に検知電線45が引っ張られた際や、検知電線45が余長のない状態で角部57Bに近い内周側に配置された際に検知電線45が外部にはみ出すことを抑制することにある。
【0044】
より詳細には、一対の外側押さえ片58は、第3収容部57の右端部側の上側の第3側壁57Aから下方に突出して形成された外側押さえ片58と、第3収容部57の下端部側の左側の第3側壁57Aから右方に突出して形成された外側押さえ片58と、から構成されている。一方、一対の内側押さえ片59は、第3収容部57の右端部側の下側の第3側壁57Aから上方に突出して形成された内側押さえ片59と、第3収容部57の下端部側の右側の第3側壁57Aから左方に突出して形成された内側押さえ片59と、から構成されている。
【0045】
一対の外側押さえ片58は一対の内側押さえ片59よりも突出寸法が小さくなるように形成されている。しかし、通常時は検知電線45が余長を有した状態で配索凹部50Aに配索されているため、曲げ部45Cの両端部は反力によって一対の外側押さえ片58の後方に配され、一対の外側押さえ片58によって前方から押さえられるようになっている。
【0046】
第1収容部55は、第3収容部57の下端部側に位置する一対の第3側壁57Aの下方にそれぞれ連なる一対の第1側壁55Aを有している。一対の第1側壁55Aには、第1配線部45Aを押さえる一対の第1押さえ片61が互いに対向する配置で設けられている。左側の第1押さえ片61は、左側の第1側壁55Aから右方に突出して形成され、右側の第1押さえ片61は、右側の第1側壁55Aから左方に突出して形成されている。
【0047】
第3収容部57の下端部側に位置して互いに対向する外側押さえ片58と内側押さえ片59との間に形成される空隙を第3空隙S3とし、一対の第1押さえ片61の間に形成される空隙を第1空隙S1とする。図7に示すように、第1空隙S1と第3空隙S3は略同じ寸法を有し、かつ上下方向にのびる同一の直線L上に並んで配されている。このように各空隙S1、S3を配置すると、検知電線45を配索凹部50Aに収容して配索する際、検知電線45を真っ直ぐに伸ばした状態で収容できるため、配索作業がしやすくなり作業性が向上する。
【0048】
第1押さえ片61の先端は山形とされており、一対の第1押さえ片61の先端間である最狭小部に第1空隙S1が形成されている。また、第3収容部57の下端部側に位置する外側押さえ片58の先端と内側押さえ片59の先端との間である最狭小部に第3空隙S3が形成されている。検知電線45を配索凹部50Aに収容して配索する際、最狭小部において最も検知電線45を通しにくくなるが、上記の構成によると、最狭小部の上下方向の寸法が最も小さくなるため、検知電線45の配索作業性をより向上できる。
【0049】
[内側押さえ片の配置]
次に、内側押さえ片59の配置について図8から図11を参照しながら説明する。一対の内側押さえ片59は、第3収容部57の角部57Bに対して最接近箇所に配置されている。外側押さえ片58と内側押さえ片59の後方には、これらを成形する際に金型を抜くための抜き孔62が形成されている。製造上のズレ公差を考慮した上で一対の内側押さえ片59を角部57Bに近づけていくと、一対の抜き孔62に挟まれた領域の肉厚が小さくなるため、第3収容部57の底壁の強度が低下する。したがって、上記した最接近箇所とは、強度低下の問題が発生しない範囲内で一対の内側押さえ片59を角部57Bに最も近づけることができる箇所のことである。
【0050】
図8に示すように、コネクタ48を相手側コネクタに嵌合させる等して検知電線45がプロテクタ50の外部に強く引っ張られた場合、検知電線45が最短経路をとることになる。ここで、仮に一対の内側押さえ片59が最接近箇所に配置されていないとした場合、角部57Bにおいて検知電線45が第3収容部57から前方にはみ出すおそれがある。その点、本実施形態では一対の内側押さえ片59が最接近箇所に配置されているため、検知電線45が最短経路をとった場合でも、検知電線45が一対の内側押さえ片59の後方に配置されるため、一対の内側押さえ片59によって検知電線45を前方から確実に押さえることができる。
【0051】
図9に示す第3収容部57の下端部側では、検知電線45の曲げ部45Cが内側押さえ片59の後方に位置しており、曲げ部45Cが第3収容部57から前方にはみ出すことを抑制できることがわかる。同様にして、図10に示す第3収容部57の右端部側では、検知電線45の曲げ部45Cが内側押さえ片59の後方に位置しており、曲げ部45Cが第3収容部57から前方にはみ出すことを抑制できることがわかる。外側押さえ片58の先端と内側押さえ片59の先端との間である最狭小部の離間寸法は、検知電線45の外径と同じかこれよりもやや小さめとされているため、検知電線45が最狭小部において配索凹部50Aの外部に容易にはみ出さないようになっている。
【0052】
検知電線45が最短経路をとった場合に一対の内側押さえ片59によって検知電線45を確実に押さえることができる理由について図11を参照しながら説明する。まず、第3側壁57Aに対して45°をなす角度で角部57Bに沿って配される接線Tを引くものとする。接線Tは角部57Bに接する接線Tであって、第3収容部57の下端部側に位置する第3側壁57Aに対して45°をなす角度であるとともに、第3収容部57の右端部側に位置する第3側壁57Aに対しても45°をなす角度で配されている。一対の内側押さえ片59はいずれも、内周側の第3側壁57Aから接線Tの位置まで突出して形成されている。これにより、内側押さえ片59の先端に形成された一対の斜辺59Aのうち角部57Bに近い方の斜辺59Aが接線Tに沿って配されるようになっている。
【0053】
検知電線45が最短経路をとった場合、内側押さえ片59の位置では検知電線45が接線Tよりも内周側を通ることになるから、内側押さえ片59が接線Tの位置まで突出して形成されていると、検知電線45は必ず内側押さえ片59の後方に位置することになる。したがって、検知電線45は、第3収容部57の両端部で一対の内側押さえ片59によって前方から押さえられることになり、角部57Bで検知電線45が前方にはみ出さないようにすることができる。
【0054】
[実施形態の作用効果]
実施形態によれば、以下の作用、効果を奏する。
【0055】
実施形態にかかる配線モジュール20は、一対の電極リード12を有するラミネート型電池11を複数個並べてなる電池積層体11Lに取り付けられる配線モジュール20であって、電極リード12に接続される検知端子30と、検知端子30に接続されて上下方向にのびる第1配線部45A、左右方向にのびる第2配線部45B、および第1配線部45Aと第2配線部45Bを連結し上下方向から左右方向に曲げられた曲げ部45Cを有する検知電線45と、第1配線部45Aを収容する第1収容部55と、第2配線部45Bを収容する第2収容部56と、曲げ部45Cの内周側に角部57Bを有し、第1収容部55と第2収容部56を連結するとともに曲げ部45Cを収容するL字状の第3収容部57と、曲げ部45Cの両端部に対応して一対設けられ、曲げ部45Cの外周側から内周側に向けて突出して曲げ部45Cを押さえる一対の外側押さえ片58と、曲げ部45Cの両端部に対応して一対設けられ、曲げ部45Cの内周側から外周側に向けて突出して曲げ部45Cを押さえる一対の内側押さえ片59と、を備え、一対の内側押さえ片59は、第3収容部57の両端部を構成する一対の第3側壁57Aのうち内周側の第3側壁57Aから、第3側壁57Aに対して45°をなす角度で角部57Bに沿って配される接線Tの位置まで突出して形成されている。
【0056】
第1収容部55から第3収容部57を通って第2収容部56に向かう検知電線45は、曲げ部45Cでは反力によって外周側の第3側壁57Aに沿って上下方向から左右方向に曲げられる。しかし、曲げ部45Cでは検知電線45がその反力によって第3収容部57の外部へはみ出すことが懸念される。そこで、上記の配線モジュール20では、曲げ部45Cの両端部に対応して一対の外側押さえ片58を設けているから、検知電線45の曲げ部45Cにおけるはみ出しを抑制できる。
【0057】
また、例えば検知電線45の両端部のうち検知端子30と反対側の端部にコネクタ48が設けられており、このコネクタ48と相手側コネクタとを嵌合させる際に検知電線45が強く引っ張られるような場合には、検知電線45の曲げ部45Cが第3収容部57の角部57Bに沿って曲げられて最短経路で配されることになる。これに対して上記の配線モジュール20では、曲げ部45Cの両端部に対応して一対の内側押さえ片59を設けており、一対の内側押さえ片59は、第3収容部57の両端部を構成する一対の第3側壁57Aのうち内周側の第3側壁57Aから、第3側壁57Aに対して45°をなす角度で角部57Bに沿って配される接線Tの位置まで突出して形成されているから、検知電線45の曲げ部45Cにおけるはみ出しを抑制できる。
【0058】
実施形態では、第1収容部55は、一対の第3側壁57Aにそれぞれ連なる一対の第1側壁55Aを有し、一対の第1側壁55Aには、第1配線部45Aを押さえる一対の第1押さえ片61が互いに対向する配置で設けられており、第3収容部57における第1収容部55側に位置して互いに対向する外側押さえ片58と内側押さえ片59との間に形成される第3空隙S3と、一対の第1押さえ片61の間に形成される第1空隙S1と、は、同じ寸法を有し、かつ上下方向にのびる同一の直線L上に並んでいる。
【0059】
第3空隙S3と第1空隙S1とが同じ寸法を有し、かつ上下方向にのびる同一の直線L上に並んでいるから、検知電線45を上下方向に一直線にのばした状態で第1収容部55と第3収容部57に収容して配索でき、検知電線45の配索作業性を向上できる。
【0060】
実施形態では、第1押さえ片61の先端は山形とされており、一対の第1押さえ片61の先端間である最狭小部に第1空隙S1が形成され、外側押さえ片58の先端および内側押さえ片59の先端はいずれも山形とされており、第3収容部57における第1収容部55側に位置する外側押さえ片58の先端と内側押さえ片59の先端との間である最狭小部に第3空隙S3が形成されている。
【0061】
外側押さえ片58の先端と内側押さえ片59の先端と第1押さえ片61の先端とが山形とされているから、最も検知電線45を通しにくい最狭小部の寸法が小さくなり、検知電線45の配索作業性をより向上できる。
【0062】
<他の実施形態>
(1)上記実施形態では、検知端子30は接合部13(接続電極リード12A)に直接接続されているものを例示したが、バスバー等の接続部材を介して接合部13(接続電極リード12A)に接続されているものでもよい。
【0063】
(2)上記実施形態では、一対の第1押さえ片61が1箇所だけ配されているものを例示したが、一対の第1押さえ片61が複数箇所に配されているものでもよい。
【0064】
(3)上記実施形態では、外側押さえ片58の先端と内側押さえ片59の先端と第1押さえ片61の先端とはいずれも山形とされているものを例示したが、これに限定されることはなく、山形以外に円弧形でもよく、上下方向にのびる平坦な形状でもよい。
【0065】
(4)上記実施形態では、接合部13は4つの電極リード12が接合されて構成されていたが、これに限られることはない。接合部は複数の電極リードが接合されて構成されていればよい。
【符号の説明】
【0066】
10:蓄電モジュール
11:ラミネート型電池(単電池)
11L:電池積層体(単電池群)
12:電極リード(電極)
12A:接続電極リード
12B:出力電極リード
13:接合部
15:筐体
15A:底部
15B:天井部
15C:側方部
20:配線モジュール
30:検知端子
31:本体部
32:接続部
34:電線接続部
40:バスバー
40A:第1部分
40B:第2部分
41:バスバー側接続部
41A:貫通孔
45:検知電線
45A:第1配線部
45B:第2配線部
45C:曲げ部
48:コネクタ
48A:ハウジング
48B:雄端子
50:プロテクタ
50A:配索凹部
51:プロテクタ本体
52:電極収容凹部
52A:接続電極収容凹部
52B:出力電極収容凹部
53:バスバー保持部
53A:ボルト締結部
54:端子収容部
54A:端子保持部
55:第1収容部
55A:第1側壁
56:第2収容部
57:第3収容部
57A:第3側壁
57B:角部
58:外側押さえ片
59:内側押さえ片
59A:斜辺
60:接線
61:第1押さえ片
62:抜き孔
L:直線
S1:第1空隙
S3:第3空隙
T:接線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11