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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055135
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】食器洗浄機
(51)【国際特許分類】
   A47L 15/50 20060101AFI20240411BHJP
   A47L 15/42 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
A47L15/50
A47L15/42 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022161814
(22)【出願日】2022-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000305
【氏名又は名称】弁理士法人青莪
(72)【発明者】
【氏名】深尾 英臣
【テーマコード(参考)】
3B082
【Fターム(参考)】
3B082FF04
3B082FF07
(57)【要約】
【課題】洗浄槽の下部と上部に配置される下カゴと上カゴを備える食器洗浄機であって、洗浄槽の奥行き方向と幅方向との一方をX軸方向、他方をY軸方向として、上カゴは、洗浄槽のX軸方向一方の側壁に近い外方カゴ部と外方カゴ部のX軸方向他方の端部にヒンジ軸を介して連結した内方カゴ部とを有し、外方カゴ部と内方カゴ部とが山折り状態になるように上カゴを折り畳み可能としたものにおいて、下カゴに丈高の被洗浄物を載置する場合でも、上カゴの一部に他の被洗浄物を載置できるようにする。
【解決手段】上カゴをY軸方向複数部分、例えば、2つの部分に分割する。そして、分割された一方の分割上カゴ6と他方の分割上カゴ6とを個別に折り畳み可能とする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被洗浄物を支持するカゴが収納された洗浄槽と、洗浄槽内に設けられた洗浄ノズルと、洗浄槽内の洗浄水を洗浄ノズルに供給する洗浄ポンプとを備える食器洗浄機であって、
カゴとして、洗浄槽の下部に配置される下カゴと、洗浄槽の上部に配置される上カゴとが設けられ、
洗浄槽の奥行き方向と幅方向との一方をX軸方向、他方をY軸方向として、上カゴは、洗浄槽のX軸方向一方の側壁に近い外方カゴ部と外方カゴ部のX軸方向他方に隣接する内方カゴ部とを有し、外方カゴ部は、X軸方向一方の端部において、Y軸方向に平行な第1ヒンジ軸を支点にして、被洗浄物を支持可能な使用姿勢とX軸方向他方の端部を上にした起立姿勢とに揺動自在に支持され、内方カゴ部は、X軸方向一方の端部において、外方カゴ部のX軸方向他方の端部にY軸方向に平行な第2ヒンジ軸を介して連結され、外方カゴ部を使用姿勢にしたときは、内方カゴ部が被洗浄物を支持可能な使用姿勢となり、外方カゴ部を起立姿勢にしたときは、内方カゴ部がX軸方向一方の端部を上にした起立姿勢となって、上カゴが山折り状態に折り畳まれるものにおいて、
上カゴは、Y軸方向複数部分に分割され、上カゴの分割された各部分を分割上カゴ、各分割上カゴを構成する外方カゴ部と内方カゴ部を夫々外方分割カゴ部と内方分割カゴ部として、第2ヒンジ軸も、外方分割カゴ部と内方分割カゴ部とを連結する軸部分に各分割上カゴ毎に分割され、複数の分割上カゴが個別に山折り状態に折り畳み可能であることを特徴とする食器洗浄機。
【請求項2】
Y軸方向一方の最外側に位置する前記分割上カゴを最外側分割上カゴとして、最外側分割上カゴは、折り畳んだ状態でY軸方向他方に所定距離スライド可能であることを特徴とする請求項1記載の食器洗浄機。
【請求項3】
前記最外側分割上カゴの構成要素である前記外方分割カゴ部は、前記第1ヒンジ軸にY軸方向に摺動自在に支持され、第1ヒンジ軸が、折り畳んだ状態の最外側分割上カゴをY軸方向一方にスライドするためのガイド部材として兼用されることを特徴とする請求項2記載の食器洗浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被洗浄物を支持するカゴが収納された洗浄槽と、洗浄槽内に設けられた洗浄ノズルと、洗浄槽内の洗浄水を洗浄ノズルに供給する洗浄ポンプとを備える食器洗浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
元来、この種の食器洗浄機おいては、カゴとして、洗浄槽の下部に配置される下カゴと、洗浄槽の上部に配置される上カゴとが設けられている。そして、従来、洗浄槽の奥行き方向と幅方向との一方をX軸方向、他方をY軸方向として、上カゴを、洗浄槽のX軸方向一方の側壁に近い外方カゴ部と外方カゴ部のX軸方向他方に隣接する内方カゴ部とを有するものとし、外方カゴ部を、X軸方向一方の端部において、Y軸方向に平行な第1ヒンジ軸を支点にして、被洗浄物を支持可能な使用姿勢とX軸方向他方の端部を上にした起立姿勢とに揺動自在に支持し、内方カゴ部を、X軸方向一方の端部において、外方カゴ部のX軸方向他方の端部にY軸方向に平行な第2ヒンジ軸を介して連結し、外方カゴ部を使用姿勢にしたときは、内方カゴ部が被洗浄物を支持可能な使用姿勢となり、外方カゴ部を起立姿勢にしたときは、内方カゴ部がX軸方向一方の端部を上にした起立姿勢となって、上カゴが山折り状態に折り畳まれるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このものでは、上カゴを折り畳むことで、上カゴに干渉するような丈高の被洗浄物を下カゴに載置することができる。然し、この場合には、上カゴに他の被洗浄物を載置することができなくなり、使用者が不便さを感じてしまうことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-12662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上の点に鑑み、下カゴに丈高の被洗浄物を載置する場合でも、上カゴの一部に他の被洗浄物を載置できるようにした食器洗浄機を提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、被洗浄物を支持するカゴが収納された洗浄槽と、洗浄槽内に設けられた洗浄ノズルと、洗浄槽内の洗浄水を洗浄ノズルに供給する洗浄ポンプとを備える食器洗浄機であって、カゴとして、洗浄槽の下部に配置される下カゴと、洗浄槽の上部に配置される上カゴとが設けられ、洗浄槽の奥行き方向と幅方向との一方をX軸方向、他方をY軸方向として、上カゴは、洗浄槽のX軸方向一方の側壁に近い外方カゴ部と外方カゴ部のX軸方向他方に隣接する内方カゴ部とを有し、外方カゴ部は、X軸方向一方の端部において、Y軸方向に平行な第1ヒンジ軸を支点にして、被洗浄物を支持可能な使用姿勢とX軸方向他方の端部を上にした起立姿勢とに揺動自在に支持され、内方カゴ部は、X軸方向一方の端部において、外方カゴ部のX軸方向他方の端部にY軸方向に平行な第2ヒンジ軸を介して連結され、外方カゴ部を使用姿勢にしたときは、内方カゴ部が被洗浄物を支持可能な使用姿勢となり、外方カゴ部を起立姿勢にしたときは、内方カゴ部がX軸方向一方の端部を上にした起立姿勢となって、上カゴが山折り状態に折り畳まれるものにおいて、上カゴは、Y軸方向複数部分に分割され、上カゴの分割された各部分を分割上カゴ、各分割上カゴを構成する外方カゴ部と内方カゴ部を夫々外方分割カゴ部と内方分割カゴ部として、第2ヒンジ軸も、外方分割カゴ部と内方分割カゴ部とを連結する軸部分に各分割上カゴ毎に分割され、複数の分割上カゴが個別に山折り状態に折り畳み可能であることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、一部の分割上カゴを折り畳むことで、当該分割カゴ部の下の下カゴの部分に丈高の被洗浄物を載置すると共に、折り畳まない他の分割上カゴに他の被洗浄物を載置することができ、使用者が感じる不便さを軽減することができる。
【0008】
また、本発明において、Y軸方向一方の最外側に位置する分割上カゴを最外側分割上カゴとして、最外側分割上カゴは、折り畳んだ状態でY軸方向他方に所定距離スライド可能であることが望ましい。これによれば、折り畳んだ最外側分割上カゴをY軸方向他方にスライドさせることで最外側分割上カゴのY軸方向一方側に生ずる空隙を利用して、下カゴにまな板等の板状の大型被洗浄物を載置することができ、利便性が向上する。
【0009】
この場合、最外側分割上カゴの構成要素である外方分割カゴ部を第1ヒンジ軸にY軸方向に摺動自在に支持し、第1ヒンジ軸を、折り畳んだ状態の最外側分割上カゴをY軸方向一方にスライドするためのガイド部材として兼用することが望ましい。これによれば、最外側分割上カゴをY軸方向他方にスライドするための専用のガイド部材が不要になり、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態の食器洗浄機の斜視図。
図2】実施形態の食器洗浄機の切断側面図。
図3】実施形態の食器洗浄機に設けられる上カゴの斜め上方から見た斜視図。
図4】上記上カゴの斜め下方から見た斜視図。
図5】(a)上記上カゴの第2分割上カゴを折り畳んだ状態の斜視図、(b)上記上カゴの第1分割上カゴを折り畳んだ状態の斜視図。
図6】上記上カゴの折り畳んだ第1分割上カゴをY軸方向他方に所定距離スライドさせた状態の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1図2に示す本発明の実施形態の食器洗浄機は、システムキッチンに組み込まれるビルトイン式のものであり、前面が開放されたハウジング1内に前方に引出し自在に収納される洗浄槽2を備えている。洗浄槽2内には、食器類等の被洗浄物を支持する後述するカゴが収納されると共に、カゴに向けて洗浄水を噴射する洗浄ノズル3が設けられている。尚、洗浄槽2の前面には、ハウジング1の前面開口1aを閉塞する前扉21が取付けられている。また、ハウジング1内の上部には、洗浄槽2の開放された上面を閉塞するシール蓋11が設けられている。
【0012】
洗浄槽2の底部には、残菜フィルタ22を介して洗浄槽2内に連通する洗浄水の溜り部23が設けられている。洗浄槽2の底部下側には、溜り部23に連通する洗浄ポンプ4が設置されている。そして、洗浄ポンプ4を正転させたとき、洗浄槽2内の洗浄水が溜り部23と洗浄ポンプ4とを介して洗浄ノズル3に供給され、洗浄ポンプ4を逆転させたとき、洗浄水が洗浄槽2から排水されるようにしている。
【0013】
洗浄ノズル3は、洗浄槽2の下部で水平方向にのび、長手方向中央部で鉛直軸線回りに旋回自在な下ノズル31と、下ノズル31の長手方向中央部に立設された、洗浄槽2の中央部で上方にのびるセンターノズル32とを有している。下ノズル31は、これに形成したノズル孔31aから洗浄水を噴射し、この噴射反力により旋回する。センターノズル32は、その上部に形成したノズル孔32aから洗浄水を噴射する。
【0014】
また、カゴとして、洗浄槽2の下部に、下ノズル31の上方に位置させて配置される、大皿、小皿、中鉢、椀等の比較的大型の食器類等から成る被洗浄物W1を支持する下カゴ5と、洗浄槽2の上部であって、平面視でセンターノズル32から離れた部分に配置される、湯呑みやコップ等の被洗浄物W2を支持する上カゴ6とが設けられている。下カゴ5の中央部には、これに載置する被洗浄物W1がセンターノズル32に干渉することを防止できるように、センターノズル32を囲うノズルガード枠51が立設されている。
【0015】
以下、洗浄槽2の奥行き方向(前後方向)をX軸方向、幅方向(横方向)をY軸方向として、上カゴ6について説明する。図3図4も参照して、上カゴ6は、洗浄槽2のX軸方向一方(後方)の半部の上部に着脱自在に係止される支持枠60に取付けられている。支持枠60は、洗浄槽2のX軸方向一方(後方)の側壁2a内面に沿う後枠部601と、後枠部601のY軸方向両端からX軸方向他方(前方)に屈曲してのびる一対の側枠部602,602とを有している。上カゴ6は、洗浄槽2のX軸方向一方の側壁2aに近い外方カゴ部61と、外方カゴ部61のX軸方向他方(前方)に隣接する内方カゴ部62とを有する。外方カゴ部61は、X軸方向一方の端部において、Y軸方向に平行な第1ヒンジ軸63を支点にして、被洗浄物W2を支持可能な使用姿勢とX軸方向他方の端部を上にした起立姿勢とに揺動自在に支持される。内方カゴ部62は、X軸方向一方の端部において、外方カゴ部61のX軸方向他方の端部にY軸方向に平行な第2ヒンジ軸64を介して連結されている。そして、外方カゴ部61を使用姿勢にしたときは、内方カゴ部62が被洗浄物W2を支持可能な使用姿勢となり、外方カゴ部61を起立姿勢にしたときは、内方カゴ部62がX軸方向一方の端部を上にした起立姿勢となって、上カゴ6が山折り状態に折り畳まれるようにしている。
【0016】
尚、外方カゴ部61のY軸方向外側部のX軸方向他方の端部には、外方カゴ部61を使用姿勢にしたときに、支持枠60の側枠部602に上方から当接して、外方カゴ部61が使用姿勢を超えて前下がりに倒れることを防止する突起部611が突設されている。更に、内方カゴ部62のY軸方向外側部のX軸方向他方の端部寄りの部分にも、内方カゴ部62を使用姿勢にしたときに、支持枠60の側枠部602に上方から当接して、内方カゴ部62が使用姿勢を超えて前下がりに倒れることを防止する突起部621が突設されている。また、側枠部602のX軸方向中間部には、上方にオフセットした山部602aが設けられている。そして、上カゴ6を折り畳んだときは、内方カゴ部62の突起部621が山部602aを乗り越えて、上カゴ6が折り畳み状態に保持されるようにしている。
【0017】
第1ヒンジ軸63は、Y軸方向両端部が上方に折り曲げられて、支持枠60の両側枠部602,602に固定されている。第1ヒンジ軸63は、更に、支持枠60の後枠部601にY軸方向に離間して取付けた第1と第2の一対の支持棒603,604によって、Y軸方向2箇所で支持されている。そして、外方カゴ部61のX軸方向一方の端部の下部に、第1ヒンジ軸63に回動自在に係止される軸支部612を設け、外方カゴ部61が軸支部612を介して第1ヒンジ軸63に揺動自在に支持されるようにしている。
【0018】
ここで、本実施形態では、上カゴ6を、Y軸方向2つの部分に分割している。そして、上カゴ6の分割されたY軸方向一方(前から見て右方)の部分を第1分割上カゴ6、Y軸方向他方の部分を第2分割上カゴ6、第1分割上カゴ6を構成する外方カゴ部と内方カゴ部を夫々第1外方分割カゴ部61と第1内方分割カゴ部62、第2分割上カゴ6を構成する外方カゴ部と内方カゴ部を夫々第2外方分割カゴ部61と第2内方分割カゴ部62として、第2ヒンジ軸64も、第1と第2の各分割上カゴ6、6毎に分割され、即ち、第1外方分割カゴ部61と第1内方分割カゴ部62とを連結する第1軸部分64と、第2外方分割カゴ部61と第2内方分割カゴ部62とを連結する第2軸部分64とに分割されている。
【0019】
尚、第2ヒンジ軸64の第1と第2の各軸部分64,64は、夫々2分割されて、2分割された各軸部分64,64が第1と第2の各外方分割カゴ部61,61のX軸方向他方の端部のY軸方向両側部の下部に設けた軸固定部613に片持ち状態で固定されている。そして、第1と第2の各内方分割カゴ部62,62のX軸方向一方の端部のY軸方向両側部の下部に、軸固定部613からY軸方向内方に突出する各軸部分64,64に回動自在に係止される軸支部622を設け、各内方分割カゴ部62,62が軸支部622を介して各軸部分64,64に揺動自在に支持されるようにしている。
【0020】
以上の構成によれば、第1と第2の分割上カゴ6,6を個別に山折り状態に折り畳み可能となる。従って、第1と第2の両分割上カゴ6,6を共に折り畳むだけでなく、図5(a)に示す如く第2分割上カゴ6のみを折り畳み、或いは、図5(b)に示す如く第1分割上カゴ6のみを折り畳むこともできる。そのため、第1と第2の両分割上カゴ6,6のうち折り畳んだ一方の分割カゴ部の下の下カゴ5の部分に丈高の被洗浄物を載置すると共に、折り畳まない他方の分割上カゴに他の被洗浄物W2を載置することができ、使用者が感じる不便さを軽減することができる。
【0021】
また、本実施形態において、Y軸方向一方の最外側に位置する最外側分割上カゴである第1上分割カゴ6は、折り畳んだ状態でY軸方向他方に所定距離スライド可能である。具体的に説明すれば、第1外方分割カゴ部61を第1ヒンジ軸63にY軸方向に摺動自在に支持している。図4を参照して、第1ヒンジ軸63をY軸方向他方側で支持する前記第2支持棒604は、第2外方分割カゴ部61のY軸方向他方の軸支部612に隣接しているため、第2外方分割カゴ部61はY軸方向に摺動しない。一方、第1ヒンジ軸63をY軸方向一方側で支持する前記第1支持棒603は、第1外方分割カゴ部61のY軸方向一方の軸支部612からY軸方向他方に所定距離以上離れている。そのため、第1外方分割カゴ部61は第1ヒンジ軸63にY軸方向に摺動自在に支持されることになる。
【0022】
また、第1分割上カゴ6を折り畳んだ状態でY軸方向他方にスライドさせる際の障害物となる部分である、第2外方分割カゴ部61のY軸方向一方の側縁のX軸方向一方寄り部分61aをY軸方向他方に所定距離オフセットさせている。これにより、図6に示す如く、第1分割上カゴ6を折り畳んだ状態でY軸方向他方に所定距離、即ち、第2外方分割カゴ部61の上記部分61aに当接するまでスライドさせることができる。そして、第1分割上カゴ6をY軸方向他方にスライドさせることにより、第1分割上カゴ6のY軸方向一方側に空隙が生ずる。従って、この空隙を利用して、下カゴ5にまな板等の板状の大型被洗浄物W3を載置することができ、利便性が向上する。
【0023】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記実施形態では、第1分割上カゴ6と第2分割上カゴ6のY軸方向幅の比を4:6にしているが、これ以外の例えば5:5にすることも可能である。また、上記実施形態では、第1外方分割カゴ部61を第1ヒンジ軸63にY軸方向に摺動自在に支持させているが、第1外方分割カゴ部61を第1ヒンジ軸63に対しY軸方向に不動とし、第1ヒンジ軸63をガイド部材を介してY軸方向に移動自在に支持させることも可能である。但し、上記実施形態によれば、第1分割上カゴ6をY軸方向他方にスライドするための専用のガイド部材が不要になり、コストダウンを図る上で有利である。更に、上記実施形態では、上カゴ6をY軸方向2つの部分に分割しているが、3つ以上の部分に分割することも可能である。また、上記実施形態では、洗浄槽2の奥行き方向をX軸方向、幅方向をY軸方向としているが、洗浄槽2の幅方向をX軸方向、奥行き方向をY軸方向とすることも可能である。尚、本発明の食器洗浄機は、乾燥機能付きの食器洗浄乾燥機を含む。
【符号の説明】
【0024】
2…洗浄槽、3…洗浄ノズル、4…洗浄ポンプ、5…下カゴ、6…上カゴ、6…第1分割上カゴ(最外側分割上カゴ),6…第2分割上カゴ、61…外方カゴ部、61,61…外方分割カゴ部、62…内方カゴ部、62,62…内方分割カゴ部、63…第1ヒンジ軸、64…第2ヒンジ軸、64,64…軸部分。
図1
図2
図3
図4
図5
図6