(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055142
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】監視業務リモートシステム
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20240411BHJP
【FI】
H04Q9/00 311J
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022161826
(22)【出願日】2022-10-06
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】399073919
【氏名又は名称】株式会社テレビ北海道
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 康二
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 光司
(72)【発明者】
【氏名】柴田 篤志
(72)【発明者】
【氏名】須貝 和弘
(72)【発明者】
【氏名】今村 譲
【テーマコード(参考)】
5K048
【Fターム(参考)】
5K048BA02
5K048BA34
5K048EB02
5K048EB14
5K048EB15
5K048FB05
5K048FB15
5K048HA01
5K048HA02
5K048HA21
(57)【要約】
【課題】監視業務をリモートで支援及び実行する。
【解決手段】監視業務リモートシステム10は、リモート監視場所でリモート監視者により操作されるリモート端末12と、リモート端末12から入力された操作を受ける操作部16と、複数のシステム機器46から提供される映像モニター画面及び/又はPC操作画面を利用して監視画面を生成する映像制御部18と、リモート端末12から入力される操作の伝達先を、操作部16及び複数のシステム機器46の中で切り替えると操作切替部26と、操作部16が受けた操作に基づいて、映像制御部18、操作切替部26、及び少なくとも一部の複数のシステム機器46を制御する制御部28とを含む。これにより、監視室と異なるリモート監視場所において、リモート監視者により、あたかも実際の監視室にいるかのような環境で、監視業務を支援及び実行することが可能となる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視室で複数のシステム機器が使用されて行われる監視業務を、前記監視室と異なるリモート監視場所からリモート監視者により実行及び支援するためのシステムであって、
前記リモート監視場所に設置され、前記リモート監視者により操作が入力されると共に、前記リモート監視者に対して映像及び音声を出力するためのリモート端末と、
前記リモート端末に表示させる監視画面のベース映像を提供すると共に、前記リモート端末から入力された操作を受ける操作部と、
前記複数のシステム機器から提供される映像モニター画面及び/又はPC操作画面と、前記操作部から提供される前記ベース映像とを利用して、前記監視画面を生成すると共に、該生成した監視画面に音声が紐付いた前記映像モニター画面が含まれる場合に、該映像モニター画面に紐付いて前記複数のシステム機器から提供される音声の少なくとも一部を、前記生成した監視画面に付加する映像制御部と、
前記リモート端末から入力される操作の伝達先を、前記操作部及び前記複数のシステム機器の中で切り替えると共に、前記生成した監視画面を前記映像制御部から前記リモート端末へ伝達する操作切替部と、
前記操作部が受けた操作に基づいて、前記映像制御部、前記操作切替部、及び少なくとも一部の前記複数のシステム機器を制御する制御部と、を含むことを特徴とする監視業務リモートシステム。
【請求項2】
前記監視室がテレビ放送局の主調整室であると共に、前記監視業務がテレビ放送の運行監視業務であることを特徴とする請求項1記載の監視業務リモートシステム。
【請求項3】
前記リモート監視場所が、前記監視室が設けられた施設の外部にあり、
前記リモート端末は、インターネットを経由して前記操作切替部と接続されることを特徴とする請求項1又は2記載の監視業務リモートシステム。
【請求項4】
前記リモート監視場所が、前記監視室が設けられた施設の内部にあり、
前記リモート端末は、内部ネットワークを介して或いは直接的に前記操作切替部と接続されることを特徴とする請求項1又は2記載の監視業務リモートシステム。
【請求項5】
前記操作部は、前記監視画面の1つとしてメイン監視画面の前記ベース映像を提供し、
前記メイン監視画面に、前記複数のシステム機器から提供される前記映像モニター画面及び前記PC操作画面と、前記監視室に設置される複数のボタンに紐付けられると共に該複数のボタンを模した複数のボタン画像とが、表示要素として含まれ、
前記映像制御部は、前記複数のボタン画像の各々を、紐付け先の前記監視室のボタンの点灯状況と連動させて点灯させることを特徴とする請求項1又は2記載の監視業務リモートシステム。
【請求項6】
前記メイン監視画面は、前記映像モニター画面と前記PC操作画面と前記複数のボタン画像との少なくとも一部のレイアウトが、前記監視室における実際の前記映像モニター画面と前記PC操作画面と前記複数のボタンとのレイアウトを模したものになっていることを特徴とする請求項5記載の監視業務リモートシステム。
【請求項7】
前記映像制御部は、前記制御部から拡大ボタン制御を受けると、前記監視室内の前記複数のボタンとの紐付けを維持した状態で前記複数のボタン画像を拡大した複数の拡大ボタン画像と、前記映像モニター画面及び/又は前記PC操作画面を表示するための画面表示部とを、表示要素として含む拡大ボタン操作画面を生成し、
前記操作部は、前記メイン監視画面の前記複数のボタン画像を配置した領域が前記リモート端末により操作されると、前記制御部から前記映像制御部に対して前記拡大ボタン制御を行わせ、前記拡大ボタン操作画面の前記複数の拡大ボタン画像のうちの何れかが前記リモート端末により操作されると、該操作された拡大ボタン画像の情報を前記制御部へ送信し、
前記制御部は、前記操作部から前記操作された拡大ボタン画像の情報を受けて、該拡大ボタン画像に紐付けられた前記監視室内のボタンの機能が実行されるように、少なくとも一部の前記複数のシステム機器を制御することを特徴とする請求項5記載の監視業務リモートシステム。
【請求項8】
前記複数の拡大ボタン画像に、複数のモニター切替ボタン画像が含まれ、
前記操作部は、前記複数のモニター切替ボタン画像のうちの何れかが前記リモート端末により操作されると、該操作されたモニター切替ボタン画像の情報を前記制御部へ送信し、
前記制御部は、前記操作部から前記操作されたモニター切替ボタン画像の情報を受けて、該モニター切替ボタン画像に予め設定された前記映像モニター画面が前記画面表示部に表示されるように、前記映像制御部を制御することを特徴とする請求項7記載の監視業務リモートシステム。
【請求項9】
前記リモート端末がマイクを含み、
更に、前記監視室に在席している在席者のためのマイク及びスピーカーを含む通信会話部と、
前記リモート端末により受けた前記リモート監視者の音声を前記通信会話部に伝達すると共に、前記通信会話部により受けた前記在席者の音声を前記リモート端末に伝達する音声制御部と、を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の監視業務リモートシステム。
【請求項10】
更に、前記監視室に設置された電話への着信を検知すると共に、前記制御部からの制御を受けて、前記音声制御部を介して前記電話と前記リモート端末との間で通話が開始及び終了されるように、前記電話と前記音声制御部との間に介在する電話受信部を含み、
前記音声制御部は、前記電話受信部が着信を検知すると、前記リモート端末へ着信音を伝達し、通話中は前記電話受信部と前記リモート端末との間で双方向の音声通信を行い、
前記操作部は、前記制御部から着信制御を受けると、着信中であることを通知すると共に通話開始操作及び通話終了操作が可能な着信表示要素を含む、前記監視画面の前記ベース映像を提供し、前記リモート端末により前記着信表示要素が通話開始操作されると、前記制御部へ通話開始制御を要請し、前記リモート端末により前記着信表示要素が通話終了操作されると、前記制御部へ通話終了制御を要請し、
前記制御部は、前記電話受信部が着信を検知すると、前記操作部に対して前記着信制御を行い、前記操作部からの要請を受けると、前記電話受信部に対して前記通話開始制御及び前記通話終了制御を行うことを特徴とする請求項9記載の監視業務リモートシステム。
【請求項11】
前記制御部は、前記複数のシステム機器から入力されるトリガ信号に応じて、前記複数のシステム機器の中から、リモート監視者により操作されるべきシステム機器と、リモート監視者に対して表示するべき映像モニター画面を提供しているシステム機器とを選択すると共に、前記トリガ信号が示す事象に対処するために実行するべき操作を、前記複数のシステム機器に対する操作の中から選定し、
前記映像制御部は、前記制御部からの制御を受けて、前記表示するべき映像モニター画面を提供しているシステム機器の映像モニター画面と、前記操作されるべきシステム機器のPC操作画面及び/又は前記実行するべき操作を行うための少なくとも1つの操作ボタンとを含む、臨時操作画面を生成することを特徴とする請求項1又は2記載の監視業務リモートシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視室で行われる様々な監視業務を、監視室と異なるリモート監視場所から実行及び支援するための監視業務リモートシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電力、鉄道、警備、防災、ビル管理などといった各業界では、監視室で各業界に必要な様々な監視業務を行っている。そのような例の1つとして、テレビ放送局の主調整室では、番組素材やCM素材などを運行データに従って並べて組み合わせ、送信所へ送り出すことが行われる。また、システム機器に異常が発生した場合や、速報データを受信した時などには、複数のシステム機器を迅速に操作して、適切な処置を行わなくてはならない。このような運行監視業務の負担を軽減するために、本発明者らは、既に特許文献1に開示されるようなシステムを開発している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、近年の感染症対策の観点から、上記のようなテレビ放送局の運行監視業務を初めとした様々な監視業務についても、在宅勤務などでの対応が求められている。しかしながら、特許文献1のシステムでは、運行監視業務をリモートで支援することはできない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、監視業務をリモートで支援及び実行することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではない。そのため、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
【0006】
(1)監視室で複数のシステム機器が使用されて行われる監視業務を、前記監視室と異なるリモート監視場所からリモート監視者により実行及び支援するためのシステムであって、前記リモート監視場所に設置され、前記リモート監視者により操作が入力されると共に、前記リモート監視者に対して映像及び音声を出力するためのリモート端末と、前記リモート端末に表示させる監視画面のベース映像を提供すると共に、前記リモート端末から入力された操作を受ける操作部と、前記複数のシステム機器から提供される映像モニター画面及び/又はPC操作画面と、前記操作部から提供される前記ベース映像とを利用して、前記監視画面を生成すると共に、該生成した監視画面に音声が紐付いた前記映像モニター画面が含まれる場合に、該映像モニター画面に紐付いて前記複数のシステム機器から提供される音声の少なくとも一部を、前記生成した監視画面に付加する映像制御部と、前記リモート端末から入力される操作の伝達先を、前記操作部及び前記複数のシステム機器の中で切り替えると共に、前記生成した監視画面を前記映像制御部から前記リモート端末へ伝達する操作切替部と、前記操作部が受けた操作に基づいて、前記映像制御部、前記操作切替部、及び少なくとも一部の前記複数のシステム機器を制御する制御部と、を含む監視業務リモートシステム。
【0007】
本項に記載の監視業務リモートシステムは、リモート端末、操作部、映像制御部、操作切替部、及び制御部を含んでいる。リモート端末は、監視室と異なるリモート監視場所において、リモート監視者を対象として情報の入出力を行うためのものであり、リモート監視者により操作が入力され、また、リモート監視者に対して映像及び音声を出力する。このため、リモート端末は、マウスやキーボードなどの操作入力手段、映像を出力するためのモニター、音声を出力するためのスピーカーなどを備える。操作部は、リモート監視者によってリモート端末から入力された操作を受けて、その操作内容を検知するものであり、そのためにリモート端末に表示させる監視画面のベース映像を提供する。すなわち、操作部は、リモート端末に表示させた監視画面のどの部分に対して、どのような操作が入力されたかを検知することで、リモート監視者によって入力された操作内容を把握する。
【0008】
映像制御部は、リモート端末に表示させる監視画面を実際に生成するものであって、複数のシステム機器から提供される映像モニター画面及び/又はPC操作画面と、上述したように操作部から提供される監視画面のベース映像とを利用して、監視画面を生成する。すなわち、映像制御部は、監視画面のベース映像の構成や制御部による制御などに基づいて、ベース映像に表示する映像モニター画面やPC操作画面を選択し、それらをベース映像に合成するなどして監視画面を生成する。このため、ベース映像の構成や映像制御部による制御に応じて、任意の表示要素を含む任意の様々なレイアウトの監視画面が生成されることになる。また、映像制御部は、生成した監視画面に音声が紐付いた映像モニター画面が含まれる場合に、必要に応じて、その映像モニター画面に紐付いて複数のシステム機器から提供される音声の少なくとも一部を、生成した監視画面に付加する。これによって、リモート端末に監視画面が表示される際に、その監視画面に含まれる映像モニター画面の音声がリモート端末から出力されるようになる。
【0009】
操作切替部は、リモート端末から入力される操作の伝達先を、操作部及び複数のシステム機器の中で切り替えるものであって、そのためにリモート端末と操作部及び複数のシステム機器との間に介在する。そして、操作切替部は、リモート端末に表示された監視画面でPC操作画面が操作された場合は、その操作されたPC操作画面を提供しているシステム機器に対して操作内容を伝達することで、リモート端末からシステム機器が操作されるようにする。これに対し、リモート端末からPC操作画面以外への操作が入力された場合は、その操作内容を操作部へ伝達する。また、操作切替部は、リモート端末と映像制御部との間にも介在し、映像制御部によって上記のように生成された監視画面を、映像制御部からリモート端末へ伝達する役割も担っている。
【0010】
制御部は、操作部が受けた操作に基づいて、映像制御部、操作切替部、及び少なくとも一部の複数のシステム機器を制御するものである。すなわち、制御部は、操作部によって検知された操作内容に応じて、監視画面の変更、監視画面のレイアウト変更、監視画面の表示要素の変更などが行われるように、映像制御部を制御する。また、制御部は、操作部によって検知された操作内容に応じて、リモート端末から入力される操作の伝達先が、操作部や複数のシステム機器の中で切り替えられるように、操作切替部を制御する。更に、制御部は、操作部によって検知された操作内容に応じて、複数のシステム機器の少なくとも一部を直接的に制御する。
【0011】
上記のような構成により、本項に記載の監視業務リモートシステムは、リモート端末から入力された操作に応じて、映像モニター画面及びPC操作画面の表示や必要な音声の出力などがリモート端末を介してリアルタイムで行われ、更に複数のシステム機器の操作及び制御が行われるものである。このため、監視室と異なるリモート監視場所において、リモート監視者により、あたかも実際の監視室にいるかのような環境で、監視業務が支援及び実行されるものとなる。また、リモート端末に表示される監視画面は、表示要素の追加、変更、削除、及びレイアウトの変更などが自由に行えるため、監視内容に合わせた適切な監視画面の表示により、監視業務が効率よく進められるものとなる。一例として、監視業務に必要な様々な情報を一度に表示するメイン監視画面や、必要に応じて個別の映像モニター画面やPC操作画面をそれらに操作的或いは機能的に紐付いた表示要素と共に拡大して表示する拡大監視画面などが、状況に合わせて表示されるものである。しかも、操作切替部や映像制御部などを介した制御により、既設のシステム機器が改修される必要なく導入されるものである。
【0012】
(2)上記(1)項において、前記監視室がテレビ放送局の主調整室であると共に、前記監視業務がテレビ放送の運行監視業務である監視業務リモートシステム。
本項に記載の運行監視業務リモートシステムは、テレビ放送局の主調整室で行われるテレビ放送の運行監視業務に適用されるものであって、リモート場所が主調整室と異なる場所に設定される。これにより、番組素材やCM素材などの組み合わせ及び送出、システム機器に異常が発生した場合の障害対応、並びに速報データ受信時の対応といった様々な運行監視業務が、リモート監視場所からリモート監視者によって実行及び支援されるものとなる。
【0013】
(3)上記(1)又は(2)項において、前記リモート監視場所が、前記監視室が設けられた施設の外部にあり、前記リモート端末は、インターネットを経由して前記操作切替部と接続される監視業務リモートシステム。
本項に記載の監視業務リモートシステムは、リモート監視者により監視業務をリモートで実行及び支援するためのリモート監視場所が、監視室が設けられた施設の外部にあり、そこに設置されるリモート端末が、インターネットを経由して操作切替部と接続されるものである。これにより、インターネットを使用できる環境が整っていれば、リモート監視者の自宅といった監視室の施設の外部にある任意の場所がリモート監視場所として利用されるため、監視業務が在宅勤務やサテライト勤務で問題なく実現されるものとなる。
【0014】
(4)上記(1)又は(2)項において、前記リモート監視場所が、前記監視室が設けられた施設の内部にあり、前記リモート端末は、内部ネットワークを介して或いは直接的に前記操作切替部と接続される監視業務リモートシステム。
本項に記載の監視業務リモートシステムは、リモート監視者により監視業務をリモートで実行及び支援するためのリモート監視場所が、監視室が設けられた施設の内部にあり、そこに設置されるリモート端末が、内部ネットワークを介して或いは直接的に操作切替部と接続されるものである。これにより、感染症対策などで監視室が使用できない場合や、監視項目の増加などによって別室からの監視が必要になった場合であっても、監視室の施設の内部にある任意の部屋がリモート監視場所として利用され、監視業務が問題なく実行されるものとなる。
【0015】
(5)上記(1)又は(2)項において、前記操作部は、前記監視画面の1つとしてメイン監視画面の前記ベース映像を提供し、前記メイン監視画面に、前記複数のシステム機器から提供される前記映像モニター画面及び前記PC操作画面と、前記監視室に設置される複数のボタンに紐付けられると共に該複数のボタンを模した複数のボタン画像とが、表示要素として含まれ、前記映像制御部は、前記複数のボタン画像の各々を、紐付け先の前記監視室のボタンの点灯状況と連動させて点灯させる監視業務リモートシステム。
本項に記載の監視業務リモートシステムは、操作部が監視画面の1つとしてのメイン監視画面のベース映像を提供するものであって、メイン監視画面は、リモート監視業務中にリモート端末に表示させるメインの画面である。このため、メイン監視画面を起点として他の監視画面を表示させることや、メイン監視画面に実際の監視室で表示される表示要素を配置することが好ましい。そのようなメイン監視画面には、映像モニター画面及びPC操作画面と複数のボタン画像とが表示要素として含まれており、複数のシステム機器から提供される映像モニター画面及びPC操作画面は、例えば監視室で表示されるものと同じものが配置される。
【0016】
複数のボタン画像は、監視室に設置されている複数のボタンに紐付けられると共に、それら複数のボタンを模したものである。そして、ベース映像からメイン監視画面を生成する映像制御部は、メイン監視画面に含まれる複数のボタン画像の各々を、紐付け先の監視室のボタンの点灯状況と連動させて点灯させるものである。これにより、監視室で実際に表示される映像モニター画面及びPC操作画面に加えて、監視室に配置された複数のボタンの点灯状況がリアルタイムで再現されるものとなる。このため、リモート端末に表示されるメイン監視画面から、監視業務に必要な情報がまとめて把握されるものである。
【0017】
(6)上記(5)項において、前記メイン監視画面は、前記映像モニター画面と前記PC操作画面と前記複数のボタン画像との少なくとも一部のレイアウトが、前記監視室における実際の前記映像モニター画面と前記PC操作画面と前記複数のボタンとのレイアウトを模したものになっている監視業務リモートシステム。
本項に記載の監視業務リモートシステムは、メイン監視画面における映像モニター画面とPC操作画面と複数のボタン画像との少なくとも一部のレイアウトが、監視室における実際の映像モニター画面とPC操作画面と複数のボタンとのレイアウトを模したものになっている。これにより、映像モニター画面及びPC操作画面の表示や、複数のボタン及びその点灯状況が、監視室における実際のレイアウトを模してリアルタイムで再現される。このため、監視室と異なるリモート監視場所であるにも関わらず、作業環境が実際の監視室により一層近くなり、リモートであっても監視業務が効率よく実行されるものである。
【0018】
(7)上記(5)項において、前記映像制御部は、前記制御部から拡大ボタン制御を受けると、前記監視室内の前記複数のボタンとの紐付けを維持した状態で前記複数のボタン画像を拡大した複数の拡大ボタン画像と、前記映像モニター画面及び/又は前記PC操作画面を表示するための画面表示部とを、表示要素として含む拡大ボタン操作画面を生成し、前記操作部は、前記メイン監視画面の前記複数のボタン画像を配置した領域が前記リモート端末により操作されると、前記制御部から前記映像制御部に対して前記拡大ボタン制御を行わせ、前記拡大ボタン操作画面の前記複数の拡大ボタン画像のうちの何れかが前記リモート端末により操作されると、該操作された拡大ボタン画像の情報を前記制御部へ送信し、前記制御部は、前記操作部から前記操作された拡大ボタン画像の情報を受けて、該拡大ボタン画像に紐付けられた前記監視室内のボタンの機能が実行されるように、少なくとも一部の前記複数のシステム機器を制御する監視業務リモートシステム。
【0019】
本項に記載の監視業務リモートシステムは、メイン監視画面を起点として拡大ボタン操作画面を表示させ、その拡大ボタン操作画面を介して、監視室に設置された複数のボタンの操作を実現するものである。そのために、操作部は、メイン監視画面の複数のボタン画像を配置した領域がリモート端末により操作されたことを検知すると、それを制御部へ通知し、その通知を受けた制御部は、映像制御部に対して拡大ボタン制御を行う。拡大ボタン制御を受けた映像制御部は、拡大ボタン操作画面を生成してリモート端末に表示させる。この拡大ボタン操作画面には、監視室内の複数のボタンとの紐付けを維持した状態で複数のボタン画像を拡大した複数の拡大ボタン画像と、映像モニター画面及び/又はPC操作画面を表示するための画面表示部とが、表示要素として含まれている。
【0020】
そして、操作部は、拡大ボタン操作画面の複数の拡大ボタン画像のうちの何れかがリモート端末により操作されたことを検知すると、その操作された拡大ボタン画像の情報を制御部へ送信する。その情報を受けた制御部は、操作された拡大ボタン画像に紐付けられた監視室内の実際のボタンの機能が実行されるように、少なくとも一部の複数のシステム機器を制御する。これにより、監視室内に実際に配置されたボタンの操作が、リモート端末から問題なく行われるものとなり、状況に応じて、必要なボタンに紐付けられた拡大ボタン画像が表示されることで、様々なボタンを介した制御が行われるものとなる。しかも、拡大表示された拡大ボタン画像に対して操作の入力が行われるため、誤操作の発生が抑制されるものである。
【0021】
(8)上記(7)項において、前記複数の拡大ボタン画像に、複数のモニター切替ボタン画像が含まれ、前記操作部は、前記複数のモニター切替ボタン画像のうちの何れかが前記リモート端末により操作されると、該操作されたモニター切替ボタン画像の情報を前記制御部へ送信し、前記制御部は、前記操作部から前記操作されたモニター切替ボタン画像の情報を受けて、該モニター切替ボタン画像に予め設定された前記映像モニター画面が前記画面表示部に表示されるように、前記映像制御部を制御する監視業務リモートシステム。
【0022】
本項に記載の監視業務リモートシステムは、拡大ボタン操作画面に含まれる複数の拡大ボタン画像に、複数のモニター切替ボタン画像が含まれている。そして、操作部は、複数のモニター切替ボタン画像のうちの何れかがリモート端末により操作されたことを検知すると、その操作されたモニター切替ボタン画像の情報を制御部へ送信する。その情報を受けた制御部は、操作されたモニター切替ボタン画像に予め設定された映像モニター画面が画面表示部に表示されるように、映像制御部を制御する。これにより、拡大ボタン操作画面の画面表示部に表示される映像モニター画面が、複数のモニター切替ボタン画像の何れかの操作によって、任意の映像モニター画面に切り替えられるものとなる。しかも、画面表示部による映像モニター画面の表示が、監視室に設置された何れのモニター画面からも独立していることで、実際のモニター画面と表示を連動させることなく、画面表示部を介して任意の映像モニター画面が確認されるものである。
【0023】
(9)上記(1)又は(2)項において、前記リモート端末がマイクを含み、更に、前記監視室に在席している在席者のためのマイク及びスピーカーを含む通信会話部と、前記リモート端末により受けた前記リモート監視者の音声を前記通信会話部に伝達すると共に、前記通信会話部により受けた前記在席者の音声を前記リモート端末に伝達する音声制御部と、を含む監視業務リモートシステム。
本項に記載の監視業務リモートシステムは、リモート端末がリモート監視者の音声を入力するためのマイクを含んでおり、更に当該システムが通信会話部及び音声制御部を含むものである。
【0024】
通信会話部は、監視室に在席している在席者のためのマイク及びスピーカーを含み、マイクを介して在席者の音声が入力され、スピーカーを介して在席者に対して音声が出力される。音声制御部は、リモート端末により受けたリモート監視者の音声を通信会話部に伝達すると共に、通信会話部により受けた在席者の音声をリモート端末に伝達する。これによって、リモート監視者が発した音声が、リモート端末のマイク、音声制御部、及び通信会話部のスピーカーを介して監視室の在席者へ伝達され、また、監視室の在席者が発した音声が、通信会話部のマイク、音声制御部、及びリモート端末のスピーカーを介してリモート監視者へ伝達される。このため、リモート監視場所にいるリモート監視者と、監視室にいる在席者との間で、直接的に会話が行われるものとなり、情報の交換や確認が迅速に行われ、あたかもリモート監視者が監視室にいるかのように作業が行われるものである。
【0025】
(10)上記(9)項において、更に、前記監視室に設置された電話への着信を検知すると共に、前記制御部からの制御を受けて、前記音声制御部を介して前記電話と前記リモート端末との間で通話が開始及び終了されるように、前記電話と前記音声制御部との間に介在する電話受信部を含み、前記音声制御部は、前記電話受信部が着信を検知すると、前記リモート端末へ着信音を伝達し、通話中は前記電話受信部と前記リモート端末との間で双方向の音声通信を行い、前記操作部は、前記制御部から着信制御を受けると、着信中であることを通知すると共に通話開始操作及び通話終了操作が可能な着信表示要素を含む、前記監視画面の前記ベース映像を提供し、前記リモート端末により前記着信表示要素が通話開始操作されると、前記制御部へ通話開始制御を要請し、前記リモート端末により前記着信表示要素が通話終了操作されると、前記制御部へ通話終了制御を要請し、前記制御部は、前記電話受信部が着信を検知すると、前記操作部に対して前記着信制御を行い、前記操作部からの要請を受けると、前記電話受信部に対して前記通話開始制御及び前記通話終了制御を行う監視業務リモートシステム。
【0026】
本項に記載の監視業務リモートシステムは、更に電話受信部を含み、この電話受信部は、監視室に設置された電話への着信を検知し、着信中であることを制御部及び音声制御部へ通知する。この通知を受けた制御部は、操作部に対して着信制御を行い、着信制御を受けた操作部は、着信表示要素を含む監視画面のベース映像を映像制御部へ提供し、映像制御部は、着信表示要素を含む監視画面を生成してリモート端末に表示させる。ここで、着信表示要素とは、監視室に設置された電話が着信中であることをリモート監視者へ通知すると共に、リモート監視者によって通話開始操作及び通話終了操作が可能な表示要素である。一方、電話が着信中であることの通知を受けた音声制御部は、リモート端末に対して予め設定された着信音を伝達し、リモート端末のスピーカーから着信音を出力させる。これによって、リモート監視場所にいるリモート監視者に対して、監視室の電話が着信中であることが、着信表示要素により視覚的に通知されると共に、着信音によって聴覚的に通知されるものである。
【0027】
そして、リモート端末に表示された着信表示要素に対して、リモート監視者により通話開始操作が行われると、操作部は制御部に通話開始制御を要請し、この要請を受けた制御部は、電話受信部に対して通話開始制御を行う。すると、監視室の電話と音声制御部との間に介在する電話受信部は、それらの間で通話が開始されるように制御を行い、これと共に音声制御部は双方向の音声通信を行う。これによって、監視室に電話をかけた人物とリモート監視者との間で、あたかも直接的に電話がかけられたかのように通話が行われるものとなる。その後、リモート端末に表示された着信表示要素に対して、リモート監視者により通話終了操作が行われると、操作部は制御部に通話終了制御を要請し、この要請を受けた制御部は、電話受信部に対して通話終了制御を行う。すると、電話受信部は、通話が終了するように制御を行い、これと共に音声制御部は双方向の音声通信を終了する。これによって、監視室に電話をかけた人物とリモート監視者との間で行われていた通話が、あたかも電話が切られたかのように終了されるものとなる。
【0028】
上記のような構成により、本項に記載の監視業務リモートシステムは、監視室に内線又は外線電話の着信があり、監視室では何らかの理由によって着信に応答できない場合でも、リモート監視場所から着信に応答するものとなる。特に、障害発生時や、運行監視業務における特別番組の対応時には、通常よりも頻繁に監視室の電話に着信があるが、このような場合であっても、リモート監視場所にいるリモート監視者によって、代わりに監視室の電話着信に応答するものである。
【0029】
(11)上記(1)又は(2)項において、前記制御部は、前記複数のシステム機器から入力されるトリガ信号に応じて、前記複数のシステム機器の中から、リモート監視者により操作されるべきシステム機器と、リモート監視者に対して表示するべき映像モニター画面を提供しているシステム機器とを選択すると共に、前記トリガ信号が示す事象に対処するために実行するべき操作を、前記複数のシステム機器に対する操作の中から選定し、前記映像制御部は、前記制御部からの制御を受けて、前記表示するべき映像モニター画面を提供しているシステム機器の映像モニター画面と、前記操作されるべきシステム機器のPC操作画面及び/又は前記実行するべき操作を行うための少なくとも1つの操作ボタンとを含む、臨時操作画面を生成する監視業務リモートシステム。
【0030】
本項に記載の監視業務リモートシステムは、制御部が、複数のシステム機器から入力されるトリガ信号に応じて、複数のシステム機器の中から、リモート監視者により操作されるべきシステム機器と、リモート監視者に対して表示するべき映像モニター画面を提供しているシステム機器とを選択する。更に、制御部は、入力されたトリガ信号が示す事象に対処するために実行するべき操作を、複数のシステム機器に対する操作の中から選定し、それらに基づいて映像制御部を制御する。そして、この制御部からの制御を受けた映像制御部は、制御部に入力されたトリガ信号が示す事象に対応するための臨時操作画面を生成する。
【0031】
この臨時操作画面には、リモート監視者に対して表示するべき映像モニター画面を提供しているシステム機器の映像モニター画面と、リモート監視者により操作されるべきシステム機器のPC操作画面、及び/又は、トリガ信号が示す事象に対処するために実行するべき操作を行うための少なくとも1つの操作ボタンと、が含まれている。ここでの操作ボタンとは、監視室に実際に設置されているボタンと同じ機能のものであってもよく、監視室に設置されていないものであってもよい。これによって、リモート端末には、トリガ信号が示す事象に対応するために必要な、確認するべき映像モニター画面と、操作するべきシステム機器のPC操作画面及び/又は実行するべき操作を行うための操作ボタンとが提示される。このため、障害対応や、運行監視業務における速報送出といったトリガ信号が示す事象に対応するためのオペレーションが必要な場合でも、リモート監視者により、確認するべき映像モニター画面が確認されながら、PC操作画面や操作ボタンが操作されることで、迅速かつ的確に対応するものとなる。
【発明の効果】
【0032】
本発明はこのように構成したので、監視業務をリモートで支援及び実行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の実施の形態に係る監視業務リモートシステムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】メイン監視画面の構成の一例を示す表示イメージ図である。
【
図3】映像モニター拡大画面の一例を示す表示イメージ図である。
【
図4】PC操作拡大画面の一例を示す表示イメージ図である。
【
図5】拡大ボタン操作画面の一例を示す表示イメージ図である。
【
図6】拡大ボタン操作画面において映像モニター画面が切り替えられる様子を示す表示イメージ図である。
【
図7】在席者表示機能を説明するための表示イメージ図である。
【
図8】電話応答機能を説明するための表示イメージ図である。
【
図9】レイアウト変更機能を説明するための表示イメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。ここで、図面の全体にわたって、同一部分又は対応する部分は、同一符号で示している。また、従来技術と同一部分、若しくは相当する部分については、詳しい説明を省略する。
図1は、通常は監視室において複数のシステム機器46を使用して行う監視業務を、監視室と異なるリモート監視場所からリモート監視者により実行及び支援するための、本発明の実施の形態に係る監視業務リモートシステム10の構成の一例を示している。図示のように、監視業務リモートシステム10は、リモート端末12、リモートユニット14、操作部16、映像制御部18、操作切替部26、制御部28、通信会話部30、音声制御部32、電話受信部40、及び在席者表示部42を含んでいる。なお、以下では、特に断り書きのない限り、監視業務リモートシステム10がテレビ放送の運行監視業務に適用される場合を例にして、監視室がテレビ放送局の主調整室であり、監視対象が運行監視業務である場合について説明する。
【0035】
リモート端末12は、リモート監視場所に設置されるものであって、本実施形態ではテレビ放送局の局外及び局内に設定された2箇所のリモート監視場所に、リモート端末12A及び12Bが設置されている。局外のリモート監視場所に設置されたリモート端末12Aは、インターネットを経由してリモートユニット14を介して操作切替部26と接続されており、本実施形態ではリモートユニット14との接続に仮想プライベートネットワーク(VPN)が用いられている。また、リモート端末12Aは、音声制御部32ともインターネットを経由して接続されている。リモート端末12Aは、マウスやキーボードなどの操作入力手段、映像を表示するためのモニター、音声を出力するためのスピーカー、音声を入力するためのマイク、インターネット接続可能な通信手段、及びブラウザなどを備えた、各種のコンピュータで構成される。このようなリモート端末12Aが設置される局外のリモート監視場所には、運行監視業務の関係者の自宅や、テレビ放送局が用意したサテライトオフィスなどが想定される。
【0036】
局内のリモート監視場所に設置されたリモート端末12Bは、テレビ放送局の内部ネットワークを介して或いは直接的に、操作切替部26と接続されている。例えば、リモート端末12Bは、操作切替部26を構成する一部のコンピュータに、マウスやキーボードなどの操作入力手段、映像を表示するためのモニター、音声を出力するためのスピーカーなどが接続された構成であってもよく、それらが接続された専用のコンピュータを備えていてもよい。このようなリモート端末12Bが設置される局内のリモート監視場所には、主調整室とは別のテレビ放送局内の部屋が想定される。そして、各リモート監視場所においてリモート端末12を操作する人物が、リモート監視者となる。なお、局外のリモート端末12Aと局内のリモート端末12Bとは、少なくとも何れか一方が設置されればよい。
【0037】
リモートユニット14は、上述したように局外のリモート端末12Aと操作切替部26との間に介在して、リモート端末12Aと操作切替部26との間で通信される信号をそれらの双方で利用できるように変換するものであり、このような機能を備えた任意の機器で構成される。
【0038】
操作切替部26は、後述するように制御部28からの制御を受けて、リモート端末12のマウスやキーボードなどから入力される操作の伝達先を、操作部16と複数のシステム機器46(46A)との間で切り替えるものである。そのために、操作切替部26は、操作部16及び複数のシステム機器46Aと通信可能に接続され、また、制御部28とも通信可能に接続される。更に、操作切替部26は、後述するように映像制御部18によって生成される監視画面50(
図2~
図6参照)を、リモートユニット14を介してリモート端末12Aへ及び直接的にリモート端末12Bへ出力し、また、複数のシステム機器46AからPC操作画面が入力され、そこから監視画面50に利用されるPC操作画面を選択して映像制御部18に出力する。そのために、操作切替部26は、映像制御部18と通信可能に接続されている。なお、操作切替部26は、音声制御部32とも通信可能に接続されている。このような操作切替部26は、例えばKVMスイッチ、CPUユニット、及びコンソールユニットにより構成される。
【0039】
映像制御部18は、リモート端末12のモニターに表示させる各種の監視画面50を生成するものであり、本実施形態では映像切替部20及び映像合成部22を含んでいる。映像切替部20は、制御部28からの制御を受けて、複数のシステム機器46(46B)から提供される複数の映像モニター画面のうち、監視画面50に利用される映像モニター画面を選択し、その映像モニター画面が映像合成部22へ出力されるように切り替えるものである。映像合成部22へ出力する映像モニター画面は複数であってもよい。そのために、映像切替部20は、複数のシステム機器46B、映像合成部22、及び制御部28と通信可能に接続されている。このような映像切替部20には、入力された映像信号の中から出力する映像信号を切り替え可能な、例えばビデオルーターなどの任意の機器が使用できる。
【0040】
映像合成部22は、実質的に監視画面50を生成するものであって、上述したように映像切替部20及び操作切替部26に加えて、操作部16、制御部28、在席者表示部42、及び複数のシステム機器46Bと通信可能に接続されている。具体的に、映像合成部22は、制御部28からの制御を受けて、後述するように操作部16から提供される監視画面50のベース映像と、操作切替部26を介して複数のシステム機器46Aから提供されるPC操作画面と、映像切替部20を介して或いは直接的に複数のシステム機器46Bから提供される映像モニター画面と、後述するように在席者表示部42から提供される在席者シルエット64及び在席者名プレート66(
図7参照)とを利用して、各種の監視画面50を生成する。監視画面50の具体例については後述する。
【0041】
更に、映像合成部22は、生成した監視画面50に音声が紐付いた映像モニター画面が含まれる場合に、その映像モニター画面に紐付いて複数のシステム機器46Bから提供される音声を、生成した監視画面50に付加する。すなわち、監視画面50に音声が紐付いた映像モニター画面が表示されている期間は、その表示されている映像モニター画面の音声が出力されるようにする。なお、生成した監視画面50に音声が紐付いた複数の映像モニター画面が含まれている場合は、1つの映像モニター画面の音声のみが常に出力されるように、例えば、主に表示される映像モニター画面の切り替えと連動させて音声を切り替えたり、音声の出力のみを独立して切り替え可能にしたりすればよい。映像合成部22は、例えば、上記の機能を実現可能な各種のコンピュータと、映像信号などを受けるための各種の入力ユニットとで構成される。
【0042】
操作部16は、上述したように映像制御部18の映像合成部22により各種の監視画面50を生成する際に必要な監視画面50のベース映像を、映像合成部22に対して提供する。また、操作部16は、リモート端末12から入力されて伝達先が操作部16である操作が、操作切替部26から伝達される。そして、操作部16は、提供したベース映像から生成された監視画面50のどの部分に対してどのような操作が為されたかを把握し、把握した操作内容を制御部28へ伝達する。このために、操作部16は、上述したように映像合成部22及び操作切替部26に加えて、制御部28と通信可能に接続される。このような操作部16は、上記の機能を提供可能な各種のコンピュータで構成される。
【0043】
制御部28は、上記のように操作部16から伝達された操作内容に基づいて、映像制御部18(映像切替部20及び映像合成部22)、操作切替部26、電話受信部40、及び複数のシステム機器46(46C)を制御する。また、制御部28は、操作部16に対しても制御を行うが、それらの詳しい制御内容については後述する。更に、制御部28は、電話受信部40から電話着信通知を受けたり、複数のシステム機器46Cからトリガ信号を受けたりする。このために、制御部28は、映像切替部20、映像合成部22、操作切替部26、電話受信部40、及び複数のシステム機器46Cと通信可能に接続される。制御部28は、各構成要素を制御可能な各種のコンピュータで構成される。
【0044】
音声制御部32は、主に局外のリモート監視場所と主調整室との間で音声のやり取りを行うためのものであって、本実施形態では音声合成部34及び音声伝送部36を含んでいる。音声合成部34は、主に主調整室内の音声を合成して分配するものであり、通信会話部30及び電話受信部40と音声伝送部36との間に介在する。また、音声合成部34は、複数のシステム機器46Aにも接続され、複数のシステム機器46Aからアラームやメッセージ音声などが入力される。このような音声合成部34は、音声の合成及び分配が可能な任意の機器で構成される。音声伝送部36は、音声合成部34から伝達される主調整室内の音声と、リモート端末12Aから伝達されるリモート監視者の音声とを、相互に伝送するものであって、リモート端末12Aとはネットワークを介して接続される。音声伝送部36は、音声の相互伝送が可能な任意の機器で構成される。
【0045】
通信会話部30は、主調整室に在席している在席者が発する音声を音声合成部34へ伝達し、リモート監視者が発してリモート端末12Aに入力された音声を、音声合成部34から受けて主調整室の在席者に対して出力するものである。このため、通信会話部30は、主調整室に設置され、在席者の音声が入力されるマイクと、在席者に対して音声を出力するスピーカーとを含んでいる。
【0046】
電話受信部40は、詳しくは後述するが、主調整室に設置された電話に外線や内線の着信があった場合に、リモート端末12Aで応答して通話するためのものであり、主調整室の電話と監視業務リモートシステム10との間のインターフェースの役割を果たし、主調整室の電話への着信検知などを行う。電話受信部40は、音声合成部34及び制御部28と通信可能に接続されており、また、上記のような機能を実現可能な任意のユニットで構成される。
【0047】
在席者表示部42は、主調整室の監視卓に在席者がいるか否かを検知して、それをリモート端末12へ通知するためのものであり、詳しくは後述するが、本実施形態では在席者が在席していた場合に監視画面50に在席者が在席していることを表示する。このために、在席者表示部42は、監視画面50を生成する映像制御部18の映像合成部22と通信可能に接続されている。在席者表示部42は、在席者を検知するための各種のセンサーや、監視画面50へ在席者の表示要素を提供する各種のコンピュータで構成される。
【0048】
ここで、
図1には、複数のシステム機器46として、3種のシステム機器46A、46B、46Cが示されているが、これらの分類について簡単に説明する。なお、実際のシステム機器によっては、3種のシステム機器46A、46B、46Cのうちの2種或いは3種に跨って分類されるものも存在する。システム機器46Aは、主調整室に設置されてPC操作画面を介して操作されるシステム機器であって、上述したように操作切替部26へPC操作画面を出力する。具体例を挙げると、速報システム、データサーバー、アラーム監視システム、統合バンク、放送機リモコン、TS監視装置、L字送出システム、緊急地震速報システム、WEB配信システム、及びArcastなどがシステム機器46Aに該当する。
【0049】
一方、システム機器46Bは、主調整室に設置されて映像モニター画面及び音声を出力するシステム機器であって、上述したように映像制御部18へ映像モニター画面及び音声を出力する。具体的には、速報システム、統合バンク、L字送出システム、及び緊急地震速報システムなどがシステム機器46Bに該当する。他方、システム機器46Cは、主調整室に設置され、制御部28から直接的に制御を受けたり制御部28に対してトリガ信号を出力したりする任意のシステム機器である。具体例を挙げると、マスターシステム、速報システム、統合バンク、放送機リモコン、及びL字送出システムなどがシステム機器46Cに該当する。
【0050】
なお、
図1に示す構成要素間の接続は、直接的或いは他の機器などを介して間接的に通信可能に接続されていることを示しており、それらの接続方法は、各要素を構成している機器に応じた任意の接続方法であってよく、そのような接続方法には、無線接続、有線接続、インターネットを介した接続などが含まれる。また、本発明の実施の形態に係る監視業務リモートシステム10は、
図1に示すような構成に限定されるものでなく、
図1に示された複数の構成要素の一部が削除又は置換されたものであってもよく、新たな構成要素が追加されたものであってもよい。更に、
図1の各構成要素は、監視業務リモートシステム10の構成を機能的に分けて示したものであって、監視業務リモートシステム10を実際に構成する各機器と必ずしも1対1で対応する必要はない。
【0051】
続いて、本発明の実施の形態に係る監視業務リモートシステム10によって実現される各機能を、各種の監視画面50の具体例を挙げながら、具体的な制御内容と共に説明する。監視業務リモートシステム10の構成については、適宜、
図1を参照のこと。
まず、
図2には、リモート監視者によるリモート監視時に、リモート端末12にメインで表示させるメイン監視画面50Aの一例を示している。このメイン監視画面50Aには、複合モニター表示部52、個別モニター表示部54、波形表示部56、操作画面表示部58、複数のボタン画像60、及び着信表示要素62が含まれている。そして、
図2のメイン監視画面50Aは、各表示要素のレイアウトが、監視業務リモートシステム10が用いられる主調整室に設置された実際の各機器のレイアウトを模したものになっている。
【0052】
複合モニター表示部52は、複数のシステム機器46Bから提供される複数の映像モニター画面を複合させて表示したものである。個別モニター表示部54は、選択中の1つの映像モニター画面を個別に表示するものであって、波形表示部56には、個別モニター表示部54で表示されている映像モニター画面の波形モニターが表示される。個別モニター表示部54は、リモート端末12からクリック操作などが可能になっており、個別モニター表示部54が操作されると、後述する映像モニター拡大画面50B(
図3参照)がリモート端末12に表示される。また、メイン監視画面50Aの表示中は、個別モニター表示部54で表示されている映像モニター画面に紐付けされた音声が出力される。操作画面表示部58は、複数のシステム機器46Bから提供されるPC操作画面を表示するものであって、本実施形態では、主調整室の実際のPCモニターを模して、左右2つの操作画面表示部58が斜めに傾いて表示されている。操作画面表示部58は、リモート端末12からクリック操作などが可能になっており、操作画面表示部58が操作されると、後述するPC操作拡大画面50C(
図4参照)がリモート端末12に表示される。
【0053】
複数のボタン画像60は、主調整室に設置された実際の複数のボタンを模したものであって、ボタン画像60の各々が実際のボタンに紐付けられており、実際のボタンの点灯状況が紐付け先のボタン画像60にリアルタイムに反映される。また、これとは別に、複数のボタン画像60に、主調整室には実際に設置されていないボタンの画像が含まれていてもよい。複数のボタン画像60が配置された領域は、リモート端末12からクリック操作などが可能になっており、その領域が操作されると、後述する拡大ボタン操作画面50D(
図5及び
図6参照)がリモート端末12に表示される。着信表示要素62は、本実施形態では主調整室に設置された実際の電話を模したものであって、主調整室の電話が着信中であることを視覚的に通知する。着信表示要素62は、リモート端末12からクリック操作などが可能になっており、詳しくは後述するが、着信表示要素62への操作によって、通話開始操作や通話終了操作が可能になっている。
【0054】
メイン監視画面50Aは、以下のようにしてリモート端末12に表示される。すなわち、複数のシステム機器46Aから操作切替部26へ各PC操作画面が入力され、制御部28の制御を受けて操作切替部26で選択されたPC操作画面が映像合成部22へ入力される。また、複数のシステム機器46Bから映像切替部20及び映像合成部22へ、各映像モニター画面及び音声が入力され、制御部28の制御を受けて映像切替部20で選択された映像モニター画面及び音声も、映像合成部22へ入力される。更に、操作部16から映像合成部22へ、各表示部52、54、56、58、複数のボタン画像60、及び着信表示要素62を含むメイン監視画面50Aのベース映像が入力される。そして、映像合成部22は、入力されたメイン監視画面50Aのベース映像の複合モニター表示部52及び個別モニター表示部54に、入力された映像モニター画面を合成し、個別モニター表示部54に合成した映像モニター画面の波形モニターを、波形表示部56に合成する。更に、映像合成部22は、メイン監視画面50Aのベース映像の操作画面表示部58に、入力されたPC操作画面を合成して、メイン監視画面50Aを生成する。
【0055】
その後、映像合成部22は、生成したメイン監視画面50Aを、個別モニター表示部54に合成した映像モニター画面に紐付いている音声と共に、操作切替部26へ出力する。操作切替部26は、映像合成部22から受けたメイン監視画面50A及び音声を、局内のリモート端末12Bに出力すると共に、リモートユニット14を経由して局外のリモート端末12Aにも出力する。そして、リモート端末12A、12Bの各々では、メイン監視画面50Aがモニターに表示され、メイン監視画面50Aの個別モニター表示部54に表示されている映像モニター画面の音声がスピーカーから出力される。
【0056】
次に、
図3を参照すると、映像モニター拡大画面50Bの一例が示されており、この映像モニター拡大画面50Bは、メイン監視画面50Aの個別モニター表示部54に表示されていた映像モニター画面を拡大して提示するものである。映像モニター拡大画面50Bには、拡大個別モニター表示部70、拡大波形表示部72、及び操作画面表示部74が含まれている。拡大個別モニター表示部70及び拡大波形表示部72は、メイン監視画面50Aの個別モニター表示部54及び波形表示部56を拡大したものであり、操作画面表示部74は、拡大個別モニター表示部70に表示させる映像モニター画面を切り替えるためのPC操作画面を表示するものである。このため、操作画面表示部74は、リモート端末12からクリック操作などが可能になっており、操作画面表示部74に対する操作内容に応じて、拡大個別モニター表示部70に表示される映像モニター画面が切り替えられる。また、この拡大個別モニター表示部70の切り替えに連動して、主調整室に設置された個別モニターの映像も切り替わる。映像モニター拡大画面50Bの表示中は、拡大個別モニター表示部70で表示されている映像モニター画面に紐付けされた音声が出力される。
【0057】
映像モニター拡大画面50Bは、以下のようにしてリモート端末12に表示される。すなわち、リモート端末12にメイン監視画面50Aが表示された状態において、リモート端末12からメイン監視画面50Aの個別モニター表示部54が操作されると、それが操作部16を対象とした操作であるとして、操作切替部26から操作部16へ伝達される。それを受けた操作部16は、映像モニター拡大画面50Bを生成させるために、制御部28へレイアウト変更制御を要請する。この要請を受けた制御部28は、映像合成部22に映像モニター拡大画面50Bを生成させるレイアウト変更制御を行う。映像合成部22は、操作部16から提供される映像モニター拡大画面50Bのベース映像の拡大個別モニター表示部70及び拡大波形表示部72に、複数のシステム機器46Bから入力される映像モニター画面及び波形モニターのうち、主調整室に設置された個別モニターに表示されているのと同じ、映像モニター画面及び波形モニターを合成する。更に、映像合成部22は、映像モニター拡大画面50Bのベース映像の操作画面表示部74に、システム機器46Aから提供される、映像モニター画面を切り替えるためのPC操作画面を合成して、映像モニター拡大画面50Bを生成する。
【0058】
その後、映像合成部22は、生成した映像モニター拡大画面50Bを、拡大個別モニター表示部70に合成した映像モニター画面に紐付いている音声と共に、操作切替部26へ出力する。以降は、メイン監視画面50Aの場合と同様に、操作切替部26からリモート端末12A、12Bの各々へ映像モニター拡大画面50B及び音声が伝達され、リモート端末12A、12Bに映像モニター拡大画面50Bが表示されると共に、拡大個別モニター表示部70に表示された映像モニター画面の音声が出力される。更に、映像モニター拡大画面50Bの操作画面表示部74のPC操作画面が操作されると、それが操作切替部26を介してシステム機器46Aへ伝達され、主調整室に設置された個別モニターに表示される映像モニター画面が切り替えられる。すると、これに連動して、映像合成部22により、拡大個別モニター表示部70に合成される映像モニター画面が、主調整室の個別モニターと同じ映像モニター画面に切り替えられる。更にこれに連動して、拡大波形表示部72に表示される波形モニターと、出力される音声とが切り替わる。このようにして、拡大個別モニター表示部70に表示される映像モニター画面の切り替えが実現される。
【0059】
続いて、
図4には、PC操作画面を拡大して操作するためのPC操作拡大画面50Cが例示されており、このPC操作拡大画面50Cには、操作画面表示部78及びアイコン表示部80が含まれている。操作画面表示部78は、各種のPC操作画面を拡大したものであって、リモート端末12からクリック操作などが可能になっている。アイコン表示部80には、操作画面表示部78に表示させるPC操作画面を切り替えるための複数のアイコンと、メイン監視画面50Aに戻るための「BACK」アイコンとが表示されている。このため、これらの各アイコンは、リモート端末12からクリック操作などが可能になっており、各アイコンへの操作によって、操作画面表示部78に表示されるPC操作画面或いは監視画面50そのものが切り替わる。
【0060】
PC操作拡大画面50Cは、以下のようにしてリモート端末12に表示される。すなわち、リモート端末12にメイン監視画面50Aが表示された状態において、リモート端末12からメイン監視画面50Aの操作画面表示部58が操作されると、それが操作部16を対象とした操作であるとして、操作切替部26から操作部16へ伝達される。それを受けた操作部16は、PC操作拡大画面50Cを生成させるために、制御部28へレイアウト変更制御を要請する。この要請を受けた制御部28は、映像合成部22にPC操作拡大画面50Cを生成させるレイアウト変更制御を行う。映像合成部22は、操作部16から提供されるPC操作拡大画面50Cのベース映像の操作画面表示部78に、複数のシステム機器46Aから入力されるPC操作画面を合成して、PC操作拡大画面50Cを生成する。その後、映像合成部22は、生成したPC操作拡大画面50Cを操作切替部26へ出力し、操作切替部26は、映像合成部22から受けたPC操作拡大画面50Cを、リモート端末12A、12Bの各々へ伝達する。すると、リモート端末12A、12Bの各々では、PC操作拡大画面50Cがモニターに表示される。
【0061】
更に、PC操作拡大画面50Cの操作画面表示部78が操作されると、その操作が、操作画面表示部78に表示されたPC操作画面を提供しているシステム機器46Aへ、操作切替部26から伝達される。これによって、操作画面表示部78に表示されたPC操作画面を提供しているシステム機器46Aの操作が実現される。また、アイコン表示部80の各アイコンが操作されると、それが操作部16によって認識され、制御部28からの制御によって、操作切替部26により選択されて映像合成部22により操作画面表示部78に合成されるPC操作画面が切り替わる。このようにして、操作画面表示部78に表示されるPC操作画面の切り替えが実現される。或いは、「BACK」アイコンが操作された場合は、それが操作部16によって認識され、
図2を参照して説明したようにメイン監視画面50Aが生成され、それがリモート端末12に表示される。
【0062】
次に、
図5を参照すると、拡大ボタン操作画面50Dの一例が示されており、この拡大ボタン操作画面50Dは、メイン監視画面50Aに表示されていた複数のボタン画像60を拡大して操作するためのものである。拡大ボタン操作画面50Dには、複数の拡大ボタン画像84と画面表示部88とが含まれている。複数の拡大ボタン画像84は、メイン監視画面50Aの複数のボタン画像60を拡大したものであって、主調整室に設置された実際のボタンを模したものは、そのボタンとの紐付けを維持した状態で拡大される。画面表示部88は、主調整室に設置された何れのモニターとも連動させずに、映像モニター画面やPC操作画面を個別に或いは複合して表示するためのものである。
図5の拡大ボタン操作画面50Dでは、上下の2列に分けて複数の拡大ボタン画像84が表示されているが、上側の列の複数の拡大ボタン画像84は、画面表示部88に表示する映像モニター画面を手動で切り替えるためのモニター切替ボタン画像86で構成されている。これに対し、下側の列の複数の拡大ボタン画像84には、主調整室に実際に設置されたボタンを模して拡大したものに加えて、主調整室に設置されたボタンと異なる機能の割り当ても可能な操作ボタン90が含まれてもよい。
【0063】
これら複数の拡大ボタン画像84の各々は、リモート端末12からクリック操作などが可能になっており、各拡大ボタン画像84への操作によって、各拡大ボタン画像84に割り当てられている各機能が実行される。すなわち、主調整室に実際に設置されたボタンを模した拡大ボタン画像84が操作されると、その実際のボタンの機能が実行され、操作ボタン90に該当する拡大ボタン画像84が操作されると、操作ボタン90に予め割り当てられた操作が実行される。また、モニター切替ボタン画像86に該当する拡大ボタン画像84が操作されると、画面表示部88に表示される映像モニター画面が切り替えられる。更に、画面表示部88に映像モニター画面が表示されていると、その映像モニター画面に紐付けされた音声が出力される。なお、拡大ボタン操作画面50Dの左下には、PC操作拡大画面50Cの「BACK」アイコンと同じものが表示されており、その機能もPC操作拡大画面50Cのものと同様である。
【0064】
拡大ボタン操作画面50Dは、以下のようにしてリモート端末12に表示される。すなわち、リモート端末12にメイン監視画面50Aが表示された状態において、リモート端末12から複数のボタン画像60が配置された領域が操作されると、それが操作部16を対象とした操作であるとして、操作切替部26から操作部16へ伝達される。それを受けた操作部16は、拡大ボタン操作画面50Dを生成させるために、制御部28へレイアウト変更制御を要請する。この要請を受けた制御部28は、映像合成部22に拡大ボタン操作画面50Dを生成させるレイアウト変更制御を行う。映像合成部22は、操作部16から提供される拡大ボタン操作画面50Dのベース映像の画面表示部88に、複数のシステム機器46Bから入力される映像モニター画面及び/又は複数のシステム機器46Aから入力されるPC操作画面を合成して、拡大ボタン操作画面50Dを生成する。
【0065】
画面表示部88に合成する映像モニター画面及び/又はPC操作画面は、制御部28の制御によって、複数の拡大ボタン画像84の操作に必要なものが選定される。その後、映像合成部22は、生成した拡大ボタン操作画面50Dを、画面表示部88に映像モニター画面が合成されている場合はその映像モニター画面に紐付いている音声と共に、操作切替部26へ出力する。以降は、メイン監視画面50Aの場合と同様に、操作切替部26からリモート端末12A、12Bの各々へ拡大ボタン操作画面50D及び音声が伝達され、リモート端末12A、12Bに拡大ボタン操作画面50Dが表示されると共に、画面表示部88に映像モニター画面が合成されている場合はその音声が出力される。
【0066】
更に、主調整室に実際に設置されたボタンを模した拡大ボタン画像84が操作されると、それが操作部16によって認識され、操作された拡大ボタン画像84に紐付けされた実際のボタンの機能が実行されるように、例えば制御部28によって複数のシステム機器46Cが制御される。これによって、リモート端末12を介した実際のボタンの操作が実現される。また、モニター切替ボタン画像86に該当する拡大ボタン画像84が操作されると、それが操作部16によって認識され、操作されたモニター切替ボタン画像86に予め設定された映像モニター画面が画面表示部88に表示されるように、制御部28によって映像制御部18が制御される。更にこれと連動して、映像合成部22から操作切替部26を介してリモート端末12に伝達される音声が、画面表示部88に表示された映像モニター画面のものに切り替えられる。このようにして、画面表示部88に表示される映像モニター画面の切り替えが実現され、
図6には、
図5の状態から画面表示部88に表示される映像モニター画面が切り替えられた様子が示されている。
【0067】
ここで、本実施形態では、監視画面50の1つとして生成される臨時操作画面50Eが、
図5及び
図6に示された拡大ボタン操作画面50Dと同じ構成を有しており、この臨時操作画面50Eがリモート端末12に表示される場合について説明する。まず、リモート端末12にメイン監視画面50Aなどの何かしら監視画面50が表示された状態において、複数のシステム機器46Cの何れかから制御部28に対してトリガ信号が入力される。トリガ信号を受けた制御部28は、入力されたトリガ信号が示す事象に応じて、複数のシステム機器46Aの中から、リモート監視者により操作されるべきシステム機器46Aを選択し、更に複数のシステム機器46Bの中から、リモート監視者に対して表示するべき映像モニター画面を提供しているシステム機器46Bを選択する。加えて、制御部28は、入力されたトリガ信号が示す事象に対処するために実行するべき操作を、複数のシステム機器46Cに対する操作の中から選定する。
【0068】
そして、制御部28は、リモート端末12から入力される操作の伝達先が、上記のように選択した操作されるべきシステム機器46Aになり、そのシステム機器46Aが提供しているPC操作画面が映像合成部22へ入力されるように、操作切替部26を制御する。また、制御部28は、上記のように選択した表示するべき映像モニター画面が映像合成部22へ入力されるように、映像切替部20を制御する。更に、制御部28は、上記のように選定した実行するべき操作を行うための操作ボタン90を含む、臨時操作画面50Eのベース映像が映像合成部22へ提供されるように、操作部16を制御する。その後、制御部28は、映像合成部22に臨時操作画面50Eを生成させるレイアウト変更制御を行う。映像合成部22は、操作部16から提供される臨時操作画面50Eのベース映像の画面表示部88に、表示するべき映像モニター画面を合成し、更に必要に応じて操作されるべきシステム機器46AのPC操作画面を合成して、臨時操作画面50Eを生成する。なお、上記のようなトリガ信号を受けて選択される、リモート監視者により操作されるべきシステム機器46A、表示するべき映像モニター画面を提供しているシステム機器46B、及びシステム機器46Cに対して実行するべき操作などは、トリガ信号の種類毎に予め設定されているものとする。
【0069】
図5や
図6のような臨時操作画面50Eが表示された状態で、操作ボタン90に該当する拡大ボタン画像84が操作されると、それが操作部16によって認識され、操作された操作ボタン90に予め割り当てられた操作が実行されるように、制御部28によって複数のシステム機器46Cが制御される。ここでの操作ボタン90に予め割り当てられた操作とは、入力されたトリガ信号が示す事象に対処するために実行するべき操作として、制御部28により選定された操作である。また、主調整室に実際に設置されたボタンを模した拡大ボタン画像84や、モニター切替ボタン画像86に該当する拡大ボタン画像84が操作された場合の動作は、拡大ボタン操作画面50Dと同様であってよい。更に、臨時操作画面50EにPC操作画面が合成されている場合は、PC操作拡大画面50Cと同じようにして、PC操作画面が操作可能になる。
【0070】
続いて、
図7を参照して、監視業務リモートシステム10の在席者表示機能について説明する。在席者表示機能とは、主調整室の監視卓に在席者が在席しているか否かを検知し、在席者が在席している場合に、在席者が在席していること及び誰が在席しているかを、リモート監視者へ通知するためのものである。具体的に、在席者表示部42は、センサーによって主調整室の監視卓に在席者がいることを検知すると共に、その在席者が誰であるかを識別する。これは、例えば、監視卓に在席する可能性のある関係者の社員証などに、在席者表示部42のセンサーにより検知及び識別可能な各種の発信機を取り付けることなどによって実現される。そして、在席者表示部42は、在席者を検知及び識別すると、在席者が在席していることを示す表示要素と、在席者が誰であるかを示す表示要素とを、映像合成部22へ出力する。本実施形態では、前者の表示要素が在席者シルエット64であり、後者の表示要素が在席者名プレート66である。これを受けた映像合成部22は、メイン監視画面50Aに在席者シルエット64及び在席者名プレート66を合成して、
図7のようにリモート端末12に表示させるものである。
【0071】
次に、
図1に戻り、音声制御部32を介して実現される、局外にいるリモート監視者が音声でコミュニケーションするための、通信会話機能及び電話応答機能について説明する。まず、通信会話機能は、局外のリモート監視者が主調整室にいる在席者と会話するための機能であり、局外のリモート監視者が発した音声がリモート端末12Aのマイクによって受けられ、主調整室の在席者が発した音声が通信会話部30のマイクによって受けられる。そして、音声制御部32の音声合成部34及び音声伝送部36によって、リモート端末12Aのマイクにより受けた音声と通信会話部30のマイクにより受けた音声とが相互に伝送され、リモート監視者が発した音声が通信会話部30のスピーカーから出力されると共に、在席者が発した音声がリモート端末12Aのスピーカーから出力される。この音声の伝送系統は、常時接続されていることが好ましい。
【0072】
一方、電話応答機能は、主調整室に設置されている電話に内線或いは外線の着信があった場合に、在席者に代わってリモート監視者が応答するための機能である。具体的に、主調整室の電話に着信があると、それが電話受信部40によって検知され、着信中であることが電話受信部40から制御部28へ通知される。これを受けた制御部28は、操作部16を制御し、リモート端末12Aに表示されている
図2のようなメイン監視画面50Aの着信表示要素62で光を点滅させるなどして、主調整室の電話が着信中であることをリモート監視者へ伝達する。例えば
図8(a)には、着信表示要素62の一部が発光した様子を図示している。また、電話への着信を検知した電話受信部40は、予め設定された着信音を音声合成部34へ送信し、それが音声合成部34及び音声伝送部36を介して、リモート端末12Aへ伝達される。これによって、リモート端末12Aのスピーカーから着信音が出力される。
【0073】
着信表示要素62は、リモート端末12からクリック操作などが可能になっており、上記のような着信中に着信表示要素62が操作されると、それが操作部16によって通話開始操作であると認識され、操作部16から制御部28へ通話開始制御が要請される。この要請を受けた制御部28は、電話受信部40に通話開始制御を行い、通話開始制御を受けた電話受信部40は、主調整室の電話とリモート端末12Aとの間で通話を開始させる。これによって、主調整室に電話をかけた人物が発した音声が、電話受信部40及び音声制御部32を介してリモート端末12Aのスピーカーから出力され、リモート端末12Aのマイクに入力されたリモート監視者の発した音声が、音声制御部32及び電話受信部40を介して電話をかけた人物まで伝送される。このように通話が開始されたら、リモート端末12への着信音の伝達を停止し、また、例えば
図8(b)に示すように、着信表示要素62の受話器部分を外して通話中であることを表示してもよい。
【0074】
その後、上記のような通話中に着信表示要素62が操作されると、それが操作部16によって通話終了操作であると認識され、操作部16から制御部28へ通話終了制御が要請される。この要請を受けた制御部28は、電話受信部40に通話終了制御を行い、通話終了制御を受けた電話受信部40は、主調整室の電話とリモート端末12Aとの間の通話を終了させる。これによって、主調整室に電話をかけた人物とリモート監視者との間の通話が終了となる。
【0075】
更に、監視業務リモートシステム10は、各監視画面50のレイアウト変更機能を有しており、
図9には、レイアウトが変更されたメイン監視画面50Aが例示されている。
図9のメイン監視画面50Aは、上段に3つの複合モニター表示部52が並べられ、下段に2つの個別モニター表示部54及び1つの操作画面表示部58が並べられた、単純な構成を有している。このレイアウトの変更には、各表示要素の位置の変更だけでなく、ボタン画像60などの各表示要素の追加、変更、削除が含まれる。レイアウト変更機能は、例えば各監視画面50に予め設定された所定領域が、リモート端末12から操作されることにより開始される。以降は、操作部16によって認識された操作内容に応じて、制御部28から映像合成部22に対してレイアウト変更制御が行われ、それによってレイアウト変更が反映された監視画面50が、リモート端末12に表示されるようになる。
【0076】
なお、
図2~
図9に示した表示イメージは、本発明の実施の形態に係る監視業務リモートシステム10で利用する監視画面50の構成を限定するものではなく、例えば、
図5及び
図6に示した拡大ボタン操作画面50Dは、ボタン操作を行うための監視画面50と映像モニター画面を確認するための監視画面50とに分けられてもよい。すなわち、ボタン操作を行うための監視画面50は、
図5及び
図6に示された複数の拡大ボタン画像84のうち、下側の列に配置された拡大ボタン画像84のみと画面表示部88とを備え、画面表示部88による表示内容が確認されながら拡大ボタン画像84を介したボタン操作が行われるものである。これに対し、映像モニター画面を確認するための監視画面50は、
図5及び
図6に示された複数の拡大ボタン画像84のうち、上側の列に配置されたモニター切替ボタン画像86に該当する拡大ボタン画像84のみと画面表示部88とを備え、画面表示部88に表示される映像モニター画面がモニター切替ボタン画像86により切り替えられるものである。
【0077】
また、同じく
図5及び
図6に例示されている臨時操作画面50Eは、拡大ボタン操作画面50Dと異なる構成であってもよく、当然のことながら、システム機器46Cから制御部28へ入力されるトリガ信号に応じて、臨時操作画面50Eの構成、例えば配置される操作ボタン90の種類などが異なっていてもよい。更に、
図2や
図8に示された着信表示要素62は、電話を模したものに限定されることなく、例えば、単に着信中や通話中であることを示すテキスト表示で構成され、そのテキスト表示部分が操作されることで、通話開始操作や通話終了操作が入力されるものであってもよい。
【0078】
さて、上記構成をなす本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能である。すなわち、本発明の実施の形態に係る監視業務リモートシステム10は、
図1に示すように、リモート端末12、操作部16、映像制御部18、操作切替部26、及び制御部28を含んでいる。リモート端末12は、主調整室(監視室)と異なるリモート監視場所において、リモート監視者を対象として情報の入出力を行うためのものであり、リモート監視者により操作が入力され、また、リモート監視者に対して映像及び音声を出力する。このため、リモート端末12は、マウスやキーボードなどの操作入力手段、映像を出力するためのモニター、音声を出力するためのスピーカーなどを備える。操作部16は、リモート監視者によってリモート端末12から入力された操作を受けて、その操作内容を検知するものであり、そのためにリモート端末12に表示させる監視画面50(
図2~
図6参照)のベース映像を提供する。すなわち、操作部16は、リモート端末12に表示させた監視画面50のどの部分に対して、どのような操作が入力されたかを検知することで、リモート監視者によって入力された操作内容を把握する。
【0079】
映像制御部18は、リモート端末12に表示させる監視画面50を実際に生成するものであって、複数のシステム機器46から提供される映像モニター画面及び/又はPC操作画面と、上述したように操作部16から提供される監視画面50のベース映像とを利用して、監視画面50を生成する。すなわち、映像制御部18は、監視画面50のベース映像の構成や制御部28による制御などに基づいて、ベース映像に表示する映像モニター画面やPC操作画面を選択し、それらをベース映像に合成するなどして監視画面50を生成する。このため、ベース映像の構成や映像制御部18による制御に応じて、任意の表示要素を含む任意の様々なレイアウトの監視画面50を生成することができる。また、映像制御部18は、生成した監視画面50に音声が紐付いた映像モニター画面が含まれる場合に、必要に応じて、その映像モニター画面に紐付いて複数のシステム機器46Bから提供される音声の少なくとも一部を、生成した監視画面50に付加する。これによって、リモート端末12に監視画面50が表示される際に、その監視画面50に含まれる映像モニター画面の音声をリモート端末12から出力させることができる。
【0080】
操作切替部26は、リモート端末12から入力される操作の伝達先を、操作部16及び複数のシステム機器46Aの中で切り替えるものであって、そのためにリモート端末12と操作部16及び複数のシステム機器46Aとの間に介在する。そして、操作切替部26は、リモート端末12に表示された監視画面50でPC操作画面が操作された場合は、その操作されたPC操作画面を提供しているシステム機器46Aに対して操作内容を伝達することで、リモート端末12からシステム機器46Aが操作できるようにする。これに対し、リモート端末12からPC操作画面以外への操作が入力された場合は、その操作内容を操作部16へ伝達する。また、操作切替部26は、リモート端末12と映像制御部18との間にも介在し、映像制御部18によって上記のように生成された監視画面50を、映像制御部18からリモート端末12へ伝達する役割も担っている。
【0081】
制御部28は、操作部16が受けた操作に基づいて、映像制御部18、操作切替部26、及び少なくとも一部の複数のシステム機器46Cを制御するものである。すなわち、制御部28は、操作部16によって検知された操作内容に応じて、監視画面50の変更、監視画面50のレイアウト変更、監視画面50の表示要素の変更などが行われるように、映像制御部18を制御する。また、制御部28は、操作部16によって検知された操作内容に応じて、リモート端末12から入力される操作の伝達先が、操作部16や複数のシステム機器46Aの中で切り替えられるように、操作切替部26を制御する。更に、制御部28は、操作部16によって検知された操作内容に応じて、複数のシステム機器46Cの少なくとも一部を直接的に制御する。
【0082】
上記のような構成により、本発明の実施の形態に係る監視業務リモートシステム10は、リモート端末12から入力された操作に応じて、映像モニター画面及びPC操作画面の表示や必要な音声の出力などをリモート端末12を介してリアルタイムで行うことができ、更に複数のシステム機器46の操作及び制御を行うことができる。このため、主調整室と異なるリモート監視場所において、リモート監視者により、あたかも実際の主調整室にいるかのような環境で、運行監視業務(監視業務)を支援及び実行することが可能となる。また、リモート端末12に表示される監視画面50は、表示要素の追加、変更、削除、及びレイアウトの変更などを自由に行うことができるため、監視内容に合わせた適切な監視画面50の表示により、運行監視業務を効率よく進めることができる。一例として、運行監視業務に必要な様々な情報を一度に表示するメイン監視画面50A(
図2及び
図9参照)や、必要に応じて個別の映像モニター画面やPC操作画面をそれらに操作的或いは機能的に紐付いた表示要素と共に拡大して表示する、
図3のような映像モニター拡大画面50B及び
図4のようなPC操作拡大画面50Cなどを、状況に合わせて表示することが可能である。しかも、操作切替部26や映像制御部18などを介した制御により、既設のシステム機器46を改修する必要なく導入することができる。
【0083】
また、本発明の実施の形態に係る監視業務リモートシステム10は、リモート監視者により運行監視業務をリモートで実行及び支援するためのリモート監視場所が、テレビ放送局の外部にあり、そこに設置されるリモート端末12Aが、インターネットを経由して操作切替部26と接続されるものである。これにより、インターネットを使用できる環境が整っていれば、リモート監視者の自宅といったテレビ放送局の外部にある任意の場所をリモート監視場所として利用することができるため、運行監視業務を在宅勤務やサテライト勤務で問題なく実現することが可能となる。
【0084】
更に、本発明の実施の形態に係る監視業務リモートシステム10は、リモート監視者により運行監視業務をリモートで実行及び支援するためのリモート監視場所が、テレビ放送局の内部にあってもよく、この場合はそこに設置されるリモート端末12Bが、内部ネットワークを介して或いは直接的に操作切替部26と接続されるものである。これにより、感染症対策などで主調整室が使用できない場合や、監視項目の増加などによって別室からの監視が必要になった場合であっても、テレビ放送局の内部にある任意の部屋をリモート監視場所として利用して対応することができ、運行監視業務を問題なく実行することが可能となる。
【0085】
また、本発明の実施の形態に係る監視業務リモートシステム10は、操作部16が監視画面50の1つとしての
図2のようなメイン監視画面50Aのベース映像を提供するものであって、メイン監視画面50Aは、リモート監視業務中にリモート端末12に表示させるメインの画面である。このため、メイン監視画面50Aを起点として他の監視画面50を表示させることや、メイン監視画面50Aに実際の主調整室で表示される表示要素を配置することが好ましい。そのようなメイン監視画面50Aには、映像モニター画面及びPC操作画面を表示するものと複数のボタン画像60とが表示要素として含まれており、複数のシステム機器46から提供される映像モニター画面及びPC操作画面は、例えば主調整室で表示されるものと同じものが配置される。
【0086】
複数のボタン画像60は、主調整室に設置されている複数のボタンに紐付けられると共に、それら複数のボタンを模したものである。そして、ベース映像からメイン監視画面50Aを生成する映像制御部18は、メイン監視画面50Aに含まれる複数のボタン画像60の各々を、紐付け先の主調整室のボタンの点灯状況と連動させて点灯させるものである。これにより、主調整室で実際に表示される映像モニター画面及びPC操作画面に加えて、主調整室に配置された複数のボタンの点灯状況をリアルタイムで再現することができる。このため、リモート端末12に表示されるメイン監視画面50Aから、運行監視業務に必要な情報をまとめて把握することができる。
【0087】
また、本発明の実施の形態に係る監視業務リモートシステム10は、メイン監視画面50Aにおける映像モニター画面を表示するものとPC操作画面を表示するものと複数のボタン画像60との少なくとも一部のレイアウトが、主調整室における実際の映像モニター画面とPC操作画面と複数のボタンとのレイアウトを模したものになっている。これにより、映像モニター画面及びPC操作画面の表示や、複数のボタン及びその点灯状況を、主調整室における実際のレイアウトを模してリアルタイムで再現することができる。このため、主調整室と異なるリモート監視場所であるにも関わらず、作業環境を実際の主調整室により一層近くすることができ、リモートであっても運行監視業務を効率よく実行することができる。
【0088】
更に、本発明の実施の形態に係る監視業務リモートシステム10は、メイン監視画面50Aを起点として、
図5及び
図6に示すような拡大ボタン操作画面50Dを表示させ、その拡大ボタン操作画面50Dを介して、主調整室に設置された複数のボタンの操作を実現するものである。そのために、操作部16は、メイン監視画面50Aの複数のボタン画像60を配置した領域がリモート端末12により操作されたことを検知すると、それを制御部28へ通知し、その通知を受けた制御部28は、映像制御部18に対して拡大ボタン制御を行う。拡大ボタン制御を受けた映像制御部18は、拡大ボタン操作画面50Dを生成してリモート端末12に表示させる。この拡大ボタン操作画面50Dには、主調整室内の複数のボタンとの紐付けを維持した状態で複数のボタン画像60を拡大した複数の拡大ボタン画像84と、映像モニター画面及び/又はPC操作画面を表示するための画面表示部88とが、表示要素として含まれている。
【0089】
そして、操作部16は、拡大ボタン操作画面50Dの複数の拡大ボタン画像84のうちの何れかがリモート端末12により操作されたことを検知すると、その操作された拡大ボタン画像84の情報を制御部28へ送信する。その情報を受けた制御部28は、操作された拡大ボタン画像84に紐付けられた主調整室内の実際のボタンの機能が実行されるように、少なくとも一部の複数のシステム機器46Cを制御する。これにより、主調整室内に実際に配置されたボタンの操作を、リモート端末12から問題なく行うことができ、状況に応じて、必要なボタンに紐付けた拡大ボタン画像84を表示させることで、様々なボタンを介した制御を行うことが可能となる。しかも、拡大表示した拡大ボタン画像84に対して操作の入力を行うため、誤操作の発生を抑制することができる。
【0090】
また、本発明の実施の形態に係る監視業務リモートシステム10は、拡大ボタン操作画面50Dに含まれる複数の拡大ボタン画像84に、複数のモニター切替ボタン画像86が含まれている。そして、操作部16は、複数のモニター切替ボタン画像86のうちの何れかがリモート端末12により操作されたことを検知すると、その操作されたモニター切替ボタン画像86の情報を制御部28へ送信する。その情報を受けた制御部28は、操作されたモニター切替ボタン画像86に予め設定された映像モニター画面が画面表示部88に表示されるように、映像制御部18を制御する。これにより、拡大ボタン操作画面50Dの画面表示部88に表示させる映像モニター画面を、複数のモニター切替ボタン画像86の何れかの操作によって、任意の映像モニター画面に切り替えることができる。しかも、画面表示部88による映像モニター画面の表示を、主調整室に設置された何れのモニター画面からも独立させることで、実際のモニター画面と表示を連動させることなく、画面表示部88を介して任意の映像モニター画面を確認することが可能となる。
【0091】
更に、本発明の実施の形態に係る監視業務リモートシステム10は、リモート端末12がリモート監視者の音声を入力するためのマイクを含んでおり、更に監視業務リモートシステム10が、
図1に示すように通信会話部30及び音声制御部32を含むものである。通信会話部30は、主調整室に在席している在席者のためのマイク及びスピーカーを含み、マイクを介して在席者の音声が入力され、スピーカーを介して在席者に対して音声が出力される。音声制御部32は、リモート端末12により受けたリモート監視者の音声を通信会話部30に伝達すると共に、通信会話部30により受けた在席者の音声をリモート端末12に伝達する。これによって、リモート監視者が発した音声が、リモート端末12のマイク、音声制御部32、及び通信会話部30のスピーカーを介して主調整室の在席者へ伝達され、また、主調整室の在席者が発した音声が、通信会話部30のマイク、音声制御部32、及びリモート端末12のスピーカーを介してリモート監視者へ伝達される。これにより、リモート監視場所にいるリモート監視者と、主調整室にいる在席者との間で、直接的に会話を行うことができるため、情報の交換や確認を迅速に行うことができ、あたかもリモート監視者が主調整室にいるかのように作業を行うことが可能となる。
【0092】
加えて、本発明の実施の形態に係る監視業務リモートシステム10は、更に電話受信部40を含み、この電話受信部40は、主調整室に設置された電話への着信を検知し、着信中であることを制御部28及び音声制御部32へ通知する。この通知を受けた制御部28は、操作部16に対して着信制御を行い、着信制御を受けた操作部16は、例えば
図2に示すような着信表示要素62を含む監視画面50のベース映像を映像制御部18へ提供し、映像制御部18は、着信表示要素62を含む監視画面50(本実施形態ではメイン監視画面50A)を生成してリモート端末12に表示させる。ここで、着信表示要素62とは、主調整室に設置された電話が着信中であることをリモート監視者へ通知すると共に、リモート監視者によって通話開始操作及び通話終了操作が可能な表示要素である。一方、電話が着信中であることの通知を受けた音声制御部32は、リモート端末12に対して予め設定された着信音を伝達し、リモート端末12のスピーカーから着信音を出力させる。これによって、リモート監視場所にいるリモート監視者に対して、主調整室の電話が着信中であることを、着信表示要素62により視覚的に通知することができると共に、着信音によって聴覚的にも通知することができる。
【0093】
そして、リモート端末12に表示された着信表示要素62に対して、リモート監視者により通話開始操作が行われると、操作部16は制御部28に通話開始制御を要請し、この要請を受けた制御部28は、電話受信部40に対して通話開始制御を行う。すると、主調整室の電話と音声制御部32との間に介在する電話受信部40は、それらの間で通話が開始されるように制御を行い、これと共に音声制御部32は双方向の音声通信を行う。これによって、主調整室に電話をかけた人物とリモート監視者との間で、あたかも直接的に電話がかけられたかのように通話を行うことができる。その後、リモート端末12に表示された着信表示要素62に対して、リモート監視者により通話終了操作が行われると、操作部16は制御部28に通話終了制御を要請し、この要請を受けた制御部28は、電話受信部40に対して通話終了制御を行う。すると、電話受信部40は、通話が終了するように制御を行い、これと共に音声制御部32は双方向の音声通信を終了する。これによって、主調整室に電話をかけた人物とリモート監視者との間で行われていた通話を、あたかも電話が切られたかのように終了させることができる。
【0094】
上記のような構成により、本発明の実施の形態に係る監視業務リモートシステム10は、主調整室に内線又は外線電話の着信があり、主調整室では何らかの理由によって着信に応答できない場合でも、リモート監視場所から着信に応答することが可能となる。特に、障害発生時や特別番組の対応時には、通常よりも頻繁に主調整室の電話に着信があるが、このような場合であっても、リモート監視場所にいるリモート監視者によって、代わりに主調整室の電話着信に応答することができる。
【0095】
また、本発明の実施の形態に係る監視業務リモートシステム10は、制御部28が、複数のシステム機器46Cから入力されるトリガ信号に応じて、複数のシステム機器46の中から、リモート監視者により操作されるべきシステム機器46Aと、リモート監視者に対して表示するべき映像モニター画面を提供しているシステム機器46Bとを選択する。更に、制御部28は、入力されたトリガ信号が示す事象に対処するために実行するべき操作を、複数のシステム機器46に対する操作の中から選定し、それらに基づいて映像制御部18を制御する。そして、この制御部28からの制御を受けた映像制御部18は、制御部28に入力されたトリガ信号が示す事象に対応するための臨時操作画面50E(
図5及び
図6参照)を生成する。
【0096】
この臨時操作画面50Eには、リモート監視者に対して表示するべき映像モニター画面を提供しているシステム機器46Bの映像モニター画面と、リモート監視者により操作されるべきシステム機器46AのPC操作画面、及び/又は、トリガ信号が示す事象に対処するために実行するべき操作を行うための少なくとも1つの操作ボタン90と、が含まれている。ここでの操作ボタン90とは、主調整室に実際に設置されているボタンと同じ機能のもの(すなわち、主調整室に実際に設置されたボタンを模した拡大ボタン画像84と同等のもの)であってもよく、主調整室に設置されていないものであってもよい。これによって、リモート端末12には、トリガ信号が示す事象に対応するために必要な、確認するべき映像モニター画面と、操作するべきシステム機器46AのPC操作画面及び/又は実行するべき操作を行うための操作ボタン90とが提示される。このため、障害対応や速報送出といったトリガ信号が示す事象に対応するためのオペレーションが必要な場合でも、リモート監視者により、臨時操作画面50Eにおいて、確認するべき映像モニター画面を確認しながら、PC操作画面や操作ボタン90を操作することで、迅速かつ的確に対応することが可能となる。
【0097】
更に、本発明の実施の形態に係る監視業務リモートシステム10は、テレビ放送の運行監視業務への適用に限定されるものではなく、電力、鉄道、警備、防災、ビル管理などの種々の業界で行われる、様々な監視業務に適用可能なものである。
【符号の説明】
【0098】
10:監視業務リモートシステム、12(12A、12B):リモート端末、16:操作部、18:映像制御部、26:操作切替部、28:制御部、30:通信会話部、32:音声制御部、40:電話受信部、46(46A、46B、46C):複数のシステム機器、50:監視画面、50A:メイン監視画面、60:ボタン画像、62:着信表示要素、50D:拡大ボタン操作画面、84:拡大ボタン画像、86:モニター切替ボタン画像、88:画面表示部、50E:臨時操作画面、90:操作ボタン
【手続補正書】
【提出日】2023-05-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視室で複数のシステム機器が使用されて行われる監視業務を、前記監視室と異なるリモート監視場所からリモート監視者により実行及び支援するためのシステムであって、
前記リモート監視場所に設置され、前記リモート監視者により操作が入力されると共に、前記リモート監視者に対して映像及び音声を出力するためのリモート端末と、
前記リモート端末に表示させる監視画面のベース映像を提供すると共に、前記リモート端末から入力された操作を受ける操作部と、
前記複数のシステム機器から提供される映像モニター画面及び/又はPC操作画面と、前記操作部から提供される前記ベース映像とを利用して、前記監視画面を生成すると共に、該生成した監視画面に音声が紐付いた前記映像モニター画面が含まれる場合に、該映像モニター画面に紐付いて前記複数のシステム機器から提供される音声の少なくとも一部を、前記生成した監視画面に付加する映像制御部と、
前記リモート端末から入力される操作の伝達先を、前記操作部及び前記複数のシステム機器の中で切り替えると共に、前記生成した監視画面を前記映像制御部から前記リモート端末へ伝達する操作切替部と、
前記操作部が受けた操作に基づいて、前記映像制御部、前記操作切替部、及び少なくとも一部の前記複数のシステム機器を制御する制御部と、を含み、
前記操作部は、前記監視画面の1つとしてメイン監視画面の前記ベース映像を提供し、
前記メイン監視画面に、前記複数のシステム機器から提供される前記映像モニター画面及び前記PC操作画面と、前記監視室に設置される複数のボタンに紐付けられると共に該複数のボタンを模した複数のボタン画像とが、表示要素として含まれ、
前記映像制御部は、前記複数のボタン画像の各々を、紐付け先の前記監視室のボタンの点灯状況と連動させて点灯させ、
前記映像制御部は、前記制御部から拡大ボタン制御を受けると、前記監視室内の前記複数のボタンとの紐付けを維持した状態で前記複数のボタン画像を拡大した複数の拡大ボタン画像と、前記映像モニター画面及び/又は前記PC操作画面を表示するための画面表示部とを、表示要素として含む拡大ボタン操作画面を生成し、
前記操作部は、前記メイン監視画面の前記複数のボタン画像を配置した領域が前記リモート端末により操作されると、前記制御部から前記映像制御部に対して前記拡大ボタン制御を行わせ、前記拡大ボタン操作画面の前記複数の拡大ボタン画像のうちの何れかが前記リモート端末により操作されると、該操作された拡大ボタン画像の情報を前記制御部へ送信し、
前記制御部は、前記操作部から前記操作された拡大ボタン画像の情報を受けて、該拡大ボタン画像に紐付けられた前記監視室内のボタンの機能が実行されるように、少なくとも一部の前記複数のシステム機器を制御することを特徴とする監視業務リモートシステム。
【請求項2】
監視室で複数のシステム機器が使用されて行われる監視業務を、前記監視室と異なるリモート監視場所からリモート監視者により実行及び支援するためのシステムであって、
前記リモート監視場所に設置され、前記リモート監視者により操作が入力されると共に、前記リモート監視者に対して映像及び音声を出力するためのリモート端末と、
前記リモート端末に表示させる監視画面のベース映像を提供すると共に、前記リモート端末から入力された操作を受ける操作部と、
前記複数のシステム機器から提供される映像モニター画面及び/又はPC操作画面と、前記操作部から提供される前記ベース映像とを利用して、前記監視画面を生成すると共に、該生成した監視画面に音声が紐付いた前記映像モニター画面が含まれる場合に、該映像モニター画面に紐付いて前記複数のシステム機器から提供される音声の少なくとも一部を、前記生成した監視画面に付加する映像制御部と、
前記リモート端末から入力される操作の伝達先を、前記操作部及び前記複数のシステム機器の中で切り替えると共に、前記生成した監視画面を前記映像制御部から前記リモート端末へ伝達する操作切替部と、
前記操作部が受けた操作に基づいて、前記映像制御部、前記操作切替部、及び少なくとも一部の前記複数のシステム機器を制御する制御部と、を含み、
前記リモート端末がマイクを含み、
更に、前記監視室に在席している在席者のためのマイク及びスピーカーを含む通信会話部と、
前記リモート端末により受けた前記リモート監視者の音声を前記通信会話部に伝達すると共に、前記通信会話部により受けた前記在席者の音声を前記リモート端末に伝達する音声制御部と、
前記監視室に設置された電話への着信を検知すると共に、前記制御部からの制御を受けて、前記音声制御部を介して前記電話と前記リモート端末との間で通話が開始及び終了されるように、前記電話と前記音声制御部との間に介在する電話受信部と、を含み、
前記音声制御部は、前記電話受信部が着信を検知すると、前記リモート端末へ着信音を伝達し、通話中は前記電話受信部と前記リモート端末との間で双方向の音声通信を行い、
前記操作部は、前記制御部から着信制御を受けると、着信中であることを通知すると共に通話開始操作及び通話終了操作が可能な着信表示要素を含む、前記監視画面の前記ベース映像を提供し、前記リモート端末により前記着信表示要素が通話開始操作されると、前記制御部へ通話開始制御を要請し、前記リモート端末により前記着信表示要素が通話終了操作されると、前記制御部へ通話終了制御を要請し、
前記制御部は、前記電話受信部が着信を検知すると、前記操作部に対して前記着信制御を行い、前記操作部からの要請を受けると、前記電話受信部に対して前記通話開始制御及び前記通話終了制御を行うことを特徴とする監視業務リモートシステム。
【請求項3】
前記監視室がテレビ放送局の主調整室であると共に、前記監視業務がテレビ放送の運行監視業務であることを特徴とする請求項1又は2記載の監視業務リモートシステム。
【請求項4】
前記リモート監視場所が、前記監視室が設けられた施設の外部にあり、
前記リモート端末は、インターネットを経由して前記操作切替部と接続されることを特徴とする請求項1又は2記載の監視業務リモートシステム。
【請求項5】
前記リモート監視場所が、前記監視室が設けられた施設の内部にあり、
前記リモート端末は、内部ネットワークを介して或いは直接的に前記操作切替部と接続されることを特徴とする請求項1又は2記載の監視業務リモートシステム。
【請求項6】
前記操作部は、前記監視画面の1つとしてメイン監視画面の前記ベース映像を提供し、
前記メイン監視画面に、前記複数のシステム機器から提供される前記映像モニター画面及び前記PC操作画面と、前記監視室に設置される複数のボタンに紐付けられると共に該複数のボタンを模した複数のボタン画像とが、表示要素として含まれ、
前記映像制御部は、前記複数のボタン画像の各々を、紐付け先の前記監視室のボタンの点灯状況と連動させて点灯させることを特徴とする請求項2記載の監視業務リモートシステム。
【請求項7】
前記メイン監視画面は、前記映像モニター画面と前記PC操作画面と前記複数のボタン画像との少なくとも一部のレイアウトが、前記監視室における実際の前記映像モニター画面と前記PC操作画面と前記複数のボタンとのレイアウトを模したものになっていることを特徴とする請求項6記載の監視業務リモートシステム。
【請求項8】
前記映像制御部は、前記制御部から拡大ボタン制御を受けると、前記監視室内の前記複数のボタンとの紐付けを維持した状態で前記複数のボタン画像を拡大した複数の拡大ボタン画像と、前記映像モニター画面及び/又は前記PC操作画面を表示するための画面表示部とを、表示要素として含む拡大ボタン操作画面を生成し、
前記操作部は、前記メイン監視画面の前記複数のボタン画像を配置した領域が前記リモート端末により操作されると、前記制御部から前記映像制御部に対して前記拡大ボタン制御を行わせ、前記拡大ボタン操作画面の前記複数の拡大ボタン画像のうちの何れかが前記リモート端末により操作されると、該操作された拡大ボタン画像の情報を前記制御部へ送信し、
前記制御部は、前記操作部から前記操作された拡大ボタン画像の情報を受けて、該拡大ボタン画像に紐付けられた前記監視室内のボタンの機能が実行されるように、少なくとも一部の前記複数のシステム機器を制御することを特徴とする請求項6記載の監視業務リモートシステム。
【請求項9】
前記複数の拡大ボタン画像に、複数のモニター切替ボタン画像が含まれ、
前記操作部は、前記複数のモニター切替ボタン画像のうちの何れかが前記リモート端末により操作されると、該操作されたモニター切替ボタン画像の情報を前記制御部へ送信し、
前記制御部は、前記操作部から前記操作されたモニター切替ボタン画像の情報を受けて、該モニター切替ボタン画像に予め設定された前記映像モニター画面が前記画面表示部に表示されるように、前記映像制御部を制御することを特徴とする請求項1又は8記載の監視業務リモートシステム。
【請求項10】
前記リモート端末がマイクを含み、
更に、前記監視室に在席している在席者のためのマイク及びスピーカーを含む通信会話部と、
前記リモート端末により受けた前記リモート監視者の音声を前記通信会話部に伝達すると共に、前記通信会話部により受けた前記在席者の音声を前記リモート端末に伝達する音声制御部と、を含むことを特徴とする請求項1記載の監視業務リモートシステム。
【請求項11】
前記制御部は、前記複数のシステム機器から入力されるトリガ信号に応じて、前記複数のシステム機器の中から、リモート監視者により操作されるべきシステム機器と、リモート監視者に対して表示するべき映像モニター画面を提供しているシステム機器とを選択すると共に、前記トリガ信号が示す事象に対処するために実行するべき操作を、前記複数のシステム機器に対する操作の中から選定し、
前記映像制御部は、前記制御部からの制御を受けて、前記表示するべき映像モニター画面を提供しているシステム機器の映像モニター画面と、前記操作されるべきシステム機器のPC操作画面及び/又は前記実行するべき操作を行うための少なくとも1つの操作ボタンとを含む、臨時操作画面を生成することを特徴とする請求項1又は2記載の監視業務リモートシステム。