特開 2024-55178 改装建具

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024055178

(43)【公開日】2024-04-18

(54)【発明の名称】改装建具

(51)【国際特許分類】

   E06B 1/56 20060101AFI20240411BHJP

【ＦＩ】

E06B1/56 B

E06B1/56 A

【審査請求】未請求

【請求項の数】3

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022161893

(22)【出願日】2022-10-06

(71)【出願人】

【識別番号】504163612

【氏名又は名称】株式会社ＬＩＸＩＬ

(74)【代理人】

【識別番号】100106002

【弁理士】

【氏名又は名称】正林 真之

(74)【代理人】

【識別番号】100165157

【弁理士】

【氏名又は名称】芝 哲央

(74)【代理人】

【識別番号】100126000

【弁理士】

【氏名又は名称】岩池 満

(74)【代理人】

【識別番号】100160794

【弁理士】

【氏名又は名称】星野 寛明

(72)【発明者】

【氏名】大東 正樹

(72)【発明者】

【氏名】筒井 淳司

【テーマコード（参考）】

2E011

【Ｆターム（参考）】

2E011KA06

2E011KB03

2E011KC03

2E011KD26

2E011KD28

2E011KE02

2E011KE07

2E011KF01

2E011KH01

(57)【要約】

【課題】施工時間を減らすことができる改装建具を提供すること。
【解決手段】改装建具１は、建物１００の開口部１１に設けられる既設枠２２と、既設枠２２の内周側に配置される新設枠３２と、を備え、開口部１１の下方において既設枠２２及び新設枠３２の間に配置されるアタッチメント４２を備え、アタッチメント４２は、室内外方向に延びると共に、室内外方向の一方側に配置され既設枠２２に直接又は補助材を介して固定される一方側固定部４２２と、室内外方向の他方側に配置される上下方向位置調整部５と、を有し、上下方向位置調整部５は、既設枠２２に対するアタッチメント４２の上下方向の位置を調整可能に構成されると共に、既設枠２２に固定される他方側固定部５５を有する。
【選択図】図３

【特許請求の範囲】

【請求項1】

建物の開口部に設けられる既設枠と、前記既設枠の内周側に配置される新設枠と、を備える改装建具であって、
前記開口部の下方において前記既設枠及び前記新設枠の間に配置されるアタッチメントを備え、
前記アタッチメントは、室内外方向に延びると共に、室内外方向の一方側に配置され前記既設枠に直接又は補助材を介して固定される一方側固定部と、室内外方向の他方側に配置される上下方向位置調整部と、を有し、
前記上下方向位置調整部は、前記既設枠に対する前記アタッチメントの上下方向の位置を調整可能に構成されると共に、前記既設枠に固定される他方側固定部を有する、改装建具。

【請求項2】

前記上下方向位置調整部は、回転操作により回転可能な調整ネジと、前記調整ネジの軸部に形成されたネジ溝に螺合して配置され前記調整ネジの回転操作により上下方向に移動可能な上下方向移動部材と、を有し、
前記他方側固定部は、前記上下方向移動部材に接続されると共に前記既設枠に固定される、請求項１に記載の改装建具。

【請求項3】

前記調整ネジは、上部に配置される頭部と、前記頭部から下方に延びる軸部と、を有し、
前記上下方向位置調整部は、前記頭部を上方側から回転操作することにより、前記アタッチメントの上下方向の位置を調整可能である、請求項２に記載の改装建具。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本開示は、改装建具に関する。

【背景技術】

【0002】

従来、建物の開口部をリフォーム等で改装する方法として開口部に新たな建具を設置するカバー工法が採用されている。カバー工法において、建物の開口部に設けられる既設枠と、既設枠の内周側に配置される新設枠と、前記開口部の下方において既設下枠及び新設下枠の間に配置される下枠アタッチメントと、を備える改装建具が知られている（例えば、特許文献１参照）。特許文献１に記載の下枠アタッチメントは、既設下枠に固定される固定アタッチメントと、固定アタッチメントに接続され既設下枠に対する上下方向の位置を調整可能な調整機能を有する調整アタッチメントと、を有する。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０２１－１３４４８９号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

特許文献１に記載の下枠アタッチメントは、固定アタッチメントと調整アタッチメントとが別体の２部材で構成されている。そのため、既設枠に新設枠をアタッチメントにより取り付ける場合に、施工に時間を要する。

【0005】

本開示は、施工時間を減らすことができる改装建具を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本開示は、建物の開口部に設けられる既設枠と、前記既設枠の内周側に配置される新設枠と、を備える改装建具であって、前記開口部の下方において前記既設枠及び前記新設枠の間に配置されるアタッチメントを備え、前記アタッチメントは、室内外方向に延びると共に、室内外方向の一方側に配置され前記既設枠に直接又は補助材を介して固定される一方側固定部と、室内外方向の他方側に配置される上下方向位置調整部と、を有し、前記上下方向位置調整部は、前記既設枠に対する前記アタッチメントの上下方向の位置を調整可能に構成されると共に、前記既設枠に固定される他方側固定部を有する、改装建具に関する。

【図面の簡単な説明】

【0007】

【図1】本実施形態の改装建具の正面図である。

【図2】図１のＡ－Ａ線断面図であって、本実施形態の改装建具の下方側の部分の縦断面図である。

【図3】一体化されたアタッチメント下枠を示す図である。

【図4】高さ調整機構の高さ調整ネジ及び高さ移動部材を示す図である。

【図5】高さ調整機構の高さ調整ネジ及び高さ移動部材を示す斜視図である。

【発明を実施するための形態】

【0008】

以下、本開示の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図１に示すように、本実施形態の改装建具１は、例えば、マンション等のビルなどの建物１００の開口部１１に設けられる。図１は、改装建具１を室内側から見た様子を示している。改装建具１は、すでに設置されている既設枠２に、新設枠３を取り付ける改修を行って形成される。

【0009】

本明細書において、「見付方向」とは、建物１００の壁に形成された開口部１１に納められた改装建具１における障子１２の面材の面方向を意味し、「見込方向」とは、上記面材の厚さ方向（即ち、奥行き方向）を意味する。「見込方向」は室内外方向でもある。「見付面」は、改装建具１における室外側及び室内側に面するそれぞれの面を意味し、「見込面」は、改装建具１において室内外方向に延びる面を意味する。図面において、改装建具１の見込方向の室外側を室外側Ｘ１とし、改装建具１の見込方向の室内側を室内側Ｘ２とする。改装建具１の見付方向における横方向を左右方向とする。

【0010】

改装建具１は、図１に示すように、建物１００の開口部１１に設置された既設枠２の内周側に、アタッチメント４（図２参照）を介して、新設枠３を取り付けることで構成される。改装建具１は、既設枠２と、新設枠３と、アタッチメント４（図２参照）と、を有する。新設枠３の内側には、障子１２，１２が開閉可能に納められる。

【0011】

既設枠２は、窓枠１０と一体若しくは別体で構成され、開口部１１に設けられる枠体である。既設枠２は、矩形の枠状に形成される。既設枠２は、アルミニウム製、アルミ樹脂複合製又は樹脂製の形材により構成される。既設枠２は、既設上枠２１と、既設下枠２２と、左右一対の既設縦枠２３と、を有する。

【0012】

既設上枠２１は、開口部１１の上方で左右方向に沿って延びる長尺の部材である。既設下枠２２は、開口部１１の下方で左右方向に沿って延びる長尺の部材である。一対の既設縦枠２３は、開口部１１の左右方向の両端部で上下方向に延びる長尺の部材である。

【0013】

新設枠３は、アタッチメント４（図２参照）を介して、既設枠２の内周側に配置される。新設枠３は、矩形の枠状に形成される。新設枠３は、アルミニウム製の形材により構成される。新設枠３は、新設上枠３１と、新設下枠３２と、左右一対の新設縦枠３３と、を有する。

【0014】

新設上枠３１は、開口部１１の上方で左右方向に沿って延びる長尺の部材である。新設下枠３２は、開口部１１の下方で左右方向に沿って延びる長尺の部材である。一対の新設縦枠３３は、開口部１１の左右方向の両端部で上下方向に延びる長尺の部材である。

【0015】

図２に示すように、アタッチメント４は、既設枠２と新設枠３の間に配置され、新設枠３を既設枠２に固定するための部材である。アタッチメント４は、アタッチメント上枠（図示せず）と、アタッチメント下枠４２（図２参照）と、左右一対のアタッチメント縦枠と、を有する。アタッチメント上枠、アタッチメント下枠４２及び左右一対のアタッチメント縦枠は、それぞれ、例えば、アルミニウム製の形材により構成される。

【0016】

アタッチメント上枠、アタッチメント下枠４２、左右一対のアタッチメント縦枠は、それぞれ、既設上枠２１、既設下枠２２、既設縦枠２３の長手方向に沿って配置される。アタッチメント上枠、アタッチメント下枠４２、左右一対のアタッチメント縦枠は、既設上枠２１、既設下枠２２、既設縦枠２３の長手方向において、間隔を空けて複数配置されてもよいし、既設上枠２１、既設下枠２２、既設縦枠２３の長手方向に延びる１部材により構成されていてもよい。

【0017】

図２により、既設下枠２２、新設下枠３２及びアタッチメント下枠４２の固定構造について説明する。

【0018】

既設下枠２２は、図２に示すように、建物１００の開口部１１の下部側に取り付けられている。既設下枠２２は、段差状に形成される。既設下枠２２は、室内側Ｘ２に設けられる上段部２２１と、室外側Ｘ１に設けられる下段部２２２と、上段部２２１と下段部２２２との間に設けられる中段部２２３と、上段部２２１の室内側Ｘ２の端部から上方に延びる室内側上下方向延出板２２４と、下段部２２２の室外側Ｘ１の端部から上方に突出する室外側突出板２２５と、上方に向けて立設される既設障子用のガイドレール２２６、２２７と、上段部２２１の室内側Ｘ２の端部から下方に突出する室内側下方突出板２２８と、下段部２２２の下面から下方に突出する室外側下方突出板２２９と、室内側Ｘ２の端部に設けられるＬ字接続部材２５と、を有する。ガイドレール２２６は、上段部２２１と中段部２２３との境に設けられる。ガイドレール２２７は、中段部２２３と下段部２２２との境に設けられる。

【0019】

既設下枠２２は、開口部１１の下方において、Ｌ字状のＬ字接続部材２５を介して、建物１００の下縁部材１０１に固定されていると共に、室内側下方突出板２２８及び室外側下方突出板２２９が、建物１００の下部材１０２に固定されている。なお、本実施形態では、既設下枠２２の室内側Ｘ２の端部に別体のＬ字接続部材２５を接続したが、これに限定されない。Ｌ字接続部材２５を設けずに、既設下枠２２と一体で既設下枠２２から突出するリブを設けてもよい。

【0020】

アタッチメント下枠４２は、既設下枠２２と新設下枠３２とを接続する。アタッチメント下枠４２は、開口部１１の下方において、既設下枠２２及び新設下枠３２の間に配置され、左右方向に延びる長尺の部材である。アタッチメント下枠４２は、既設下枠２２の内周側に接続される。アタッチメント下枠４２は、既設下枠２２の上方に配置され、既設下枠２２に固定される。

【0021】

アタッチメント下枠４２は、室内外方向に延びる。アタッチメント下枠４２は、図３に示すように、一体化して構成される。アタッチメント下枠４２は、室内外方向に延びる室内外方向延在板４２１と、室内外方向の室内側Ｘ２（一方側）の端部に配置される室内側端部延出部４２２（室内側延出部、一方側固定部）と、室内外方向延在板４２１の室外側Ｘ１（他方側）の端部に配置される高さ調整機構５（上下方向位置調整部）と、を有する。

【0022】

室内外方向延在板４２１は、段差状に形成され、室外側Ｘ１に配置され室内外方向に延びる板状の上段部４２１ａと、上段部４２１ａの室内側Ｘ２に段差４２１ｂを介して接続され上段部４２１ａよりも下方において室内外方向に延びる板状の下段部４２１ｃと、下段部４２１ｃの室内側Ｘ２の端部から上方に突出する突出部４２１ｄと、を有する。

【0023】

室内側端部延出部４２２は、図２に示すように、室内外方向延在板４２１の室内側Ｘ２の端部に形成され、室内外方向に延びる。室内側端部延出部４２２は、ネジ１１１により、既設下枠２２のＬ字接続部材２５の水平板部２５ａに直接固定される。室内側端部延出部４２２の上方には、室内側端部延出部４２２及びネジ１１２を覆うように、端部カバー部材４２３が取り付けられている。

【0024】

端部カバー部材４２３は、ネジ１１１の上方に配置される平面板４２３ａと、平面板４２３ａの室内側Ｘ２の端部から室内側Ｘ２に延びる傾斜板４２３ｂと、を有する。傾斜板４２３ｂは、室外側Ｘ１から室内側Ｘ２に向かうに従って下る下り傾斜に形成される。傾斜板４２３ｂは、ネジ１１２により、室内側端部延出部４２２、既設下枠２２のＬ字接続部材２５の水平板部２５ａ及び下縁部材１０１に固定される。

【0025】

ここで、端部カバー部材４２３の上方に、室内側化粧カバー６２（後述）を取り付ける作業を行う場合について説明する。室内側化粧カバー６２を取り付ける作業を行う場合、新設下枠３２の室内側Ｘ２に樹脂アングル部材６１を取り付けた後に、室内側化粧カバー６２を取り付ける。この場合、室内側化粧カバー６２を取り付ける前に、上方に樹脂アングル部材６１が配置されていても、傾斜板４２３ｂが傾斜しているため、ドライバーで傾斜板４２３ｂを固定する場合に、樹脂アングル部材６１を避けてドライバーの先端を樹脂アングル部材６１の下方に斜めから挿入できる。そのため、ネジ１１２の固定が容易である。

【0026】

高さ調整機構５は、室内外方向延在板４２１の室外側Ｘ１（他方側）の端部において、既設下枠２２に対するアタッチメント下枠４２の上下方向の位置を調整することが可能である。高さ調整機構５の下端部は、ネジ１１３により、既設下枠２２のガイドレール２２７に固定される。高さ調整機構５の詳細については後述する。

【0027】

新設下枠３２は、アタッチメント下枠４２の内周側（アタッチメント下枠４２の上方）に取り付けられる。新設下枠３２は、後述する高さ調整機構５により、アタッチメント下枠４２の上下方向の位置が調整された状態で、アタッチメント下枠４２の上方に配置される。

【0028】

新設下枠３２は、室内側Ｘ２に配置される室内側中空部３２１と、室内側中空部３２１の室外側Ｘ１に配置される室外側中空部３２２と、ガイドレール３２３，３２４を有する。室内側中空部３２１は、室内外方向に延びる長方形状の中空状に形成される。室外側中空部３２２は、全体形状がＬ字状の中空状に形成され、室内側Ｘ２及び下方側が開放する。室外側中空部３２２の室内側Ｘ２の部分は、ネジ１１４により、アタッチメント下枠４２に固定される。

【0029】

室内側中空部３２１及び室外側中空部３２２の下面には、アタッチメント下枠４２の室内外方向延在板４２１が配置されている。室内側中空部３２１及び室外側中空部３２２の下面と室内外方向延在板４２１の下段部４２１ｃとの間には、空間Ｓが形成される。これにより、アタッチメント下枠４２の室内外方向延在板４２１の上面に水が浸入しても、室内側中空部３２１及び室外側中空部３２２の下面と室内外方向延在板４２１の下段部４２１ｃとの間の空間Ｓに水を流すことで、アタッチメント下枠４２の室内外方向延在板４２１の上面の水が室内側Ｘ２に流れて行かないように抑制できる。

【0030】

ガイドレール３２３，３２４は、室内側中空部３２１及び室外側中空部３２２から、上方に向けて立設される。ガイドレール３２３，３２４は、障子１２，１２（図１参照）の下部をガイドする。室内側Ｘ２にガイドレール３２３が設けられ、室外側Ｘ１にガイドレール３２４が設けられる。ガイドレール３２３とガイドレール３２４との間において、室内側中空部３２１及び室外側中空部３２２の上面には、室内側中空部３２１及び室外側中空部３２２のアルミニウムが露出された部分を覆うように、樹脂カバー材３２５が取り付けられている。樹脂カバー材３２５は、室内側中空部３２１及び室外側中空部３２２の上面において、ガイドレール３２３とガイドレール３２４との間のレール間を覆うカバーである。

【0031】

新設下枠３２の室内側Ｘ２の上部には、樹脂アングル部材６１が取り付けられる。樹脂アングル部材６１には、室内側化粧カバー６２が取り付けられる。

【0032】

高さ調整機構５の詳細について説明する。高さ調整機構５は、図２に示すように、既設下枠２２に対するアタッチメント下枠４２の上下方向の位置を調整可能に構成される。高さ調整機構５は、左右方向に間隔をあけて、アタッチメント下枠４２の長手方向に沿って複数設けられる。高さ調整機構５は、アタッチメント下枠４２の上下方向に位置を調整した状態で、ネジ１１３により、既設下枠２２のガイドレール２２７に固定される。

【0033】

高さ調整機構５は、図３に示すように、室内外方向延在板４２１の室外側Ｘ１の端部から下方に延びる下方延出板５１と、下方延出板５１の下端部に接続される下方開放枠部５２と、下方開放枠部５２の内部に回転可能に保持される高さ調整ネジ５３（調整ネジ）と、高さ調整ネジ５３の下方に配置される高さ移動部材５４（上下方向移動部材）と、高さ移動部材５４の下部に接続されると共に既設下枠２２に固定される下端固定部５５（他方側固定部）と、を備える。高さ調整ネジ５３は、上部に配置される頭部５３１と、頭部５３１から下方に延びる軸部５３２と、を有する。

【0034】

下方開放枠部５２は、図３及び図４に示すように、下方側に向けて開放する枠状に形成される。下方開放枠部５２は、上部に配置され高さ調整ネジ５３の頭部５３１が収容される頭部保持部５２１と、頭部保持部５２１の室内外方向の両端から下方に向けて延びる一対の側壁部５２２と、を有する。頭部保持部５２１及び一対の側壁部５２２は、左右方向に延びる。

【0035】

頭部保持部５２１は、高さ調整ネジ５３の頭部５３１の断面形状に沿う形状に形成される一対の保持段部５２１ａを有する。一対の側壁部５２２の間には、高さ調整ネジ５３の軸部５３２が収容されている。

【0036】

高さ調整ネジ５３は、上方側からのドライバー等の回転操作により回転可能である。高さ調整ネジ５３は、下方開放枠部５２の側方から、一対の保持段部５２１ａ及び一対の側壁部５２２の間に挿入されることにより、一対の保持段部５２１ａ及び一対の側壁部５２２の間に回転可能に保持されている。

【0037】

頭部保持部５２１の上面板には、貫通孔５２１ｂが形成される。貫通孔５２１ｂは、高さ調整ネジ５３の頭部５３１の外径よりも小径に形成され、頭部保持部５２１の上面板を上下方向に貫通する。高さ調整ネジ５３の頭部５３１は、上方側からのドライバー等の回転操作可能なように、貫通孔５２１ｂを介して上方に向けて露出する。これにより、高さ調整ネジ５３の頭部５３１を上方側から回転操作することにより、アタッチメント下枠４２の上下方向の位置を調整可能である。

【0038】

高さ移動部材５４は、高さ調整ネジ５３の軸部５３２の下端に取り付けられ、高さ調整ネジ５３の軸部５３２のネジ溝に螺合する。高さ移動部材５４は、一対の側壁部５２２の下部において、一対の側壁部５２２の間に配置される。高さ移動部材５４は、一対の側壁部５２２の間に配置されることで、高さ調整ネジ５３が螺合部５４１ａにより回転しても、回転不能である。

【0039】

高さ移動部材５４は、図４及び図５に示すように、高さ調整ネジ５３の軸部５３２に形成されたネジ溝に螺合する螺合部５４１ａが形成された上面板５４１と、上面板５４１の左右方向の両端部から下方に向けて延びる一対のＬ字状の脚部５４２と、を有する。高さ移動部材５４は、高さ調整ネジ５３の回転操作により、螺合部５４１ａが上下方向に移動することで、上下方向に移動可能である。一対の脚部５４２は、下方開放枠部５２の下方の外部に配置される下端固定部５５に固定される。

【0040】

下端固定部５５は、アタッチメント下枠４２の上下方向の位置を調整した状態で既設下枠２２（図２参照）に固定される。下端固定部５５は、左右方向に延びる固定部上面板５５１と、固定部上面板５５１の室内側Ｘ２の端部から下方に突出する突出板５５２と、固定部上面板５５１の室外側Ｘ１の端部から下方に延出する延出固定板５５３と、を有する。

【0041】

延出固定板５５３は、図２に示すように、既設下枠２２のガイドレール２２７の室外側Ｘ１の面に沿って配置される。延出固定板５５３は、高さ調整機構５によりアタッチメント下枠４２の上下方向の位置の調整が行われた後に、室外側Ｘ１から、室内外方向に延びるネジ１１３により、既設下枠２２のガイドレール２２７にネジ固定されることで、既設下枠２２に固定される。

【0042】

以上のように構成される高さ調整機構５において、アタッチメント下枠４２の上下方向の位置調整を行う場合、図３及び図４に示すように、下方開放枠部５２の上方側から、貫通孔５２１ｂを介して上方に向けて露出する高さ調整ネジ５３の頭部５３１を、ドライバーＤにより回転操作することで行われる。

【0043】

高さ調整ネジ５３の頭部５３１が回転操作されると、高さ移動部材５４が一対の側壁部５２２の間に配置されて回転不能であるため、一対の側壁部５２２の間において、高さ調整ネジ５３の軸部５３２が上下方向に移動する。これにより、アタッチメント下枠４２の室外側Ｘ１の上下方向の位置が調整される。高さ調整機構５によるアタッチメント下枠４２の上下方向の位置の調整後に、下端固定部５５を既設下枠２２のガイドレールに固定する。そのため、アタッチメント下枠４２の水平度を容易に調整することができる。

【0044】

このように、アタッチメント下枠４２が高さ調整機構５を備えることで、アタッチメント下枠４２の室内側Ｘ２において、既設下枠２２に直接固定され、室外側Ｘ１において、高さ調整機構５により調整された状態で既設下枠２２のガイドレール２２７に固定される。

【0045】

本実施形態によれば、以下の効果が奏される。本実施形態の改装建具１においては、アタッチメント下枠４２は、室内外方向に延びると共に、室内外方向の室内側Ｘ２に配置され既設下枠２２に直接固定される室内側端部延出部４２２と、室内外方向の室外側Ｘ１に配置される高さ調整機構５と、を有し、高さ調整機構５は、既設枠２２に対するアタッチメント下枠４２の上下方向の位置を調整可能に構成されると共に、既設下枠２２に固定される下端固定部５５を有する。これにより、アタッチメント下枠４２は、アタッチメント下枠４２の上下方向の位置を調整する高さ調整機構５と、既設下枠２２に固定される室内側端部延出部４２２（一方側固定部）及び下端固定部５５（他方側固定部）と、を備えることで、アタッチメント下枠４２が一体化して構成される。そのため、部品点数を減らすことができる。よって、改装建具１の施工時間を減らすことができる。

【0046】

また、本実施形態においては、高さ調整機構５は、回転操作により回転可能な高さ調整ネジ５３と、高さ調整ネジ５３の軸部５３２に形成されたネジ溝に螺合して配置され高さ調整ネジ５３の回転操作により上下方向に移動可能な高さ移動部材５４と、を有し、下端固定部５５は、高さ移動部材５４に接続されると共に既設下枠２２に固定される。これにより、高さ調整ネジ５３を回転操作するだけで、アタッチメント下枠４２の上下方向の位置を容易に調整できる。

【0047】

また、本実施形態においては、高さ調整機構５は、高さ調整ネジ５３の頭部５３１を上方側から回転操作することにより、アタッチメント下枠４２の上下方向の位置を調整可能である。これにより、上方側から、高さ調整ネジ５３の頭部５３１を回転操作できる。よって、高さ調整ネジ５３を容易に回転操作できる。

【0048】

以上、本開示の好ましい一実施形態について説明したが、本開示は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。

【0049】

例えば、前記実施形態においては、改装建具１を引違い窓タイプの改装サッシに適用した場合について説明した。しかし、これに限定されない。改装建具を、例えば、回転軸を中心に戸体が回転して開閉する開閉式の改装建具や、縦辷り出し式の改装建具に適用してもよい。また、改装建具を、例えば、枠に対して開閉しないで固定してガラスが取り付けられるＦＩＸ式の改装建具に適用してもよい。

【0050】

前記実施形態では、室内外方向の一方側において、アタッチメント下枠４２を既設下枠２２に直接固定するように構成したが、これに限定されない。アタッチメント下枠４２を、補助材を介して、既設下枠２２に固定するように構成してもよい。

【符号の説明】

【0051】

１ 改装建具、２ 既設枠、３ 新設枠、４ アタッチメント、５ 高さ調整機構（上下方向位置調整部）、１１ 開口部、２２ 既設下枠（既設枠）、３２ 新設下枠（新設枠）、４２ アタッチメント下枠（アタッチメント）、５３ 高さ調整ネジ（調整ネジ）、５４ 高さ移動部材（上下方向移動部材）、５５ 下端固定部（他方側固定部）、４２２ 室内側端部延出部（一方側固定部）、１００ 建物、５３１ 頭部、５３２ 軸部

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】