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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055181
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】推進装置
(51)【国際特許分類】
   F03G 3/00 20060101AFI20240411BHJP
【FI】
F03G3/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022161897
(22)【出願日】2022-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】522297236
【氏名又は名称】株式会社プロスパイラ
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100174023
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 怜愛
(72)【発明者】
【氏名】植木 哲
(57)【要約】      (修正有)
【課題】燃焼ガス等を噴射しなくても推進することができる推進装置を提供する。
【解決手段】推進装置1は、推力発生装置11と、逆回転力発生装置70と、を備える。推力発生装置は、中心軸線回りに沿う周方向に回転可能に支持された回転子13と、回転子が収容された筐体14と、回転子を周方向に回転させる推力発生装置用モータ15と、推力発生装置用モータを保持する保持体16と、を備え、筐体および保持体は、互いに相対変位可能に連結され、筐体における周方向の一部に、電気伝導体17が設けられ、推力発生装置は、中心軸線に垂直な一方向の推力を発生させるとともに周方向の回転力を発生させるように構成されている。逆回転力発生装置は、推力発生装置に連結されているとともに、推力発生装置が発生させる回転力とは逆向きの回転力を発生させるように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
推力発生装置と、
逆回転力発生装置と、
を備えた、推進装置であって、
前記推力発生装置は、
中心軸線回りに沿う周方向に回転可能に支持された回転子と、
前記回転子が収容された筐体と、
前記回転子を周方向に回転させる推力発生装置用モータと、
前記推力発生装置用モータを保持する保持体と、
を備え、
前記筐体および前記保持体は、互いに相対変位可能に連結され、
前記回転子は、
径方向の中央部に位置して前記推力発生装置用モータに連結された本体部と、
前記本体部を径方向に挟む位置に各別に設けられた磁性体、および前記磁性体と重量が異なる非磁性体と、
前記本体部と前記磁性体および前記非磁性体とを各別に連結するとともに、弾性変形可能に形成された一対の弾性連結片と、
を備え、
前記筐体における周方向の一部に、電気伝導体が設けられ、
前記推力発生装置は、前記中心軸線に垂直な一方向の推力を発生させるとともに周方向の回転力を発生させるように構成されており、
前記逆回転力発生装置は、前記推力発生装置に連結されているとともに、前記推力発生装置が発生させる回転力とは逆向きの回転力を発生させるように構成されている、
推進装置。
【請求項2】
前記非磁性体の重量は、前記磁性体の重量より重い、請求項1に記載の推進装置。
【請求項3】
前記筐体および前記保持体は、互いに弾性変位可能に連結されている、請求項1に記載の推進装置。
【請求項4】
前記弾性連結片は、
前記本体部から径方向の外側に向かうに従い、互いが周方向に離れる向きに延びる一対の連結部と、
一対の前記連結部における径方向の外端部同士を連結し、周方向に延びる周面部と、
を備え、
前記磁性体、および前記非磁性体は、前記周面部に設けられている、請求項1に記載の推進装置。
【請求項5】
前記逆回転力発生装置は、
逆回転力発生装置用モータと、
前記逆回転力発生装置用モータによって前記推力発生装置が発生させる回転力とは逆向きに回転される回転部材と、
を備えている、請求項1に記載の推進装置。
【請求項6】
それぞれ前記推力発生装置である第1推力発生装置及び第2推力発生装置を備え、
前記逆回転力発生装置は、前記第2推力発生装置から構成されており、前記第1推力発生装置に連結されているとともに、前記第1推力発生装置が発生させる回転力とは逆向きの回転力を発生させるように構成されている、請求項1に記載の推進装置。
【請求項7】
前記推力発生装置が発生させる推力の方向を調整できるように構成された調整部を、さらに備えた、請求項1に記載の推進装置。
【請求項8】
前記推進装置は、その全体として見たときに、実質的に回転せずに、前記中心軸線に垂直な一方向に並進するように、構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の推進装置。
【請求項9】
推進装置であって、
第1質量体と、
第2質量体と、
エネルギーの供給を受けて前記第1質量体に回転運動を励起させるように構成された、回転運動励起部と、
前記第1質量体及び前記第2質量体どうしの間に回転運動エネルギーを受け渡すように構成された、回転運動エネルギー受け渡し部と、
前記第1質量体及び前記第2質量体どうしの間に並進運動エネルギーを受け渡すように構成された、並進運動エネルギー受け渡し部と、
前記回転運動励起部によって励起される回転運動に起因して前記回転運動励起部を保持する保持部が回転するのを抑制するように構成された、回転抑制部と、
を備え、
前記第1質量体及び前記第2質量体は、それぞれ互いから独立して回転自由度を持っているとともに、それぞれ少なくとも一方向以上で振動可能に互いに連結されている、推進装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、推進装置に関する。
【背景技術】
【0002】
推進装置として、燃焼ガスを噴射して推力を発生させる装置が考えられる(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-58856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような推進装置では、燃料はもちろんその貯留タンク等も必要となり、重量および大きさが嵩む等の問題が考えられる。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、燃焼ガス等を噴射しなくても推進することができる推進装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔1〕推力発生装置と、
逆回転力発生装置と、
を備えた、推進装置であって、
前記推力発生装置は、
中心軸線回りに沿う周方向に回転可能に支持された回転子と、
前記回転子が収容された筐体と、
前記回転子を周方向に回転させる推力発生装置用モータと、
前記推力発生装置用モータを保持する保持体と、
を備え、
前記筐体および前記保持体は、互いに相対変位可能に連結され、
前記回転子は、
径方向の中央部に位置して前記推力発生装置用モータに連結された本体部と、
前記本体部を径方向に挟む位置に各別に設けられた磁性体、および前記磁性体と重量が異なる非磁性体と、
前記本体部と前記磁性体および前記非磁性体とを各別に連結するとともに、弾性変形可能に形成された一対の弾性連結片と、
を備え、
前記筐体における周方向の一部に、電気伝導体が設けられ、
前記推力発生装置は、前記中心軸線に垂直な一方向の推力を発生させるとともに周方向の回転力を発生させるように構成されており、
前記逆回転力発生装置は、前記推力発生装置に連結されているとともに、前記推力発生装置が発生させる回転力とは逆向きの回転力を発生させるように構成されている、推進装置。
これにより、燃焼ガス等を噴射しなくても推進することができる。
【0007】
〔2〕前記非磁性体の重量は、前記磁性体の重量より重い、〔1〕に記載の推進装置。
この場合、回転子が周方向に回転する過程において、磁性体および非磁性体が、電気伝導体と前記一方向に並んだときに、軸線方向から見て、回転子、推力発生装置用モータ、および保持体が、中心軸線から非磁性体側に向かう向きに、筐体に対して変位するように径方向に振動する構成を容易に得ることができるとともに、大きな推力を容易に生じさせることができる。
【0008】
〔3〕前記筐体および前記保持体は、互いに弾性変位可能に連結されている、〔1〕又は〔2〕に記載の推進装置。
この場合、回転子が周方向に回転したときに、筐体および保持体を円滑に相対変位させることができる。
【0009】
〔4〕前記弾性連結片は、
前記本体部から径方向の外側に向かうに従い、互いが周方向に離れる向きに延びる一対の連結部と、
一対の前記連結部における径方向の外端部同士を連結し、周方向に延びる周面部と、
を備え、
前記磁性体、および前記非磁性体は、前記周面部に設けられている、〔1〕~〔3〕のいずれか一つに記載の推進装置。
この場合、弾性連結片が、軸線方向から見て閉曲線を呈するので、弾性連結片の剛性を容易に調整することができるとともに、負荷を抑えながら、径方向の弾性変形量を大きく確保することができる。
【0010】
〔5〕前記逆回転力発生装置は、
逆回転力発生装置用モータと、
前記逆回転力発生装置用モータによって前記推力発生装置が発生させる回転力とは逆向きに回転される回転部材と、
を備えている、〔1〕~〔4〕のいずれか一つに記載の推進装置。
この場合、推進装置が、その全体として回転するのを効果的に抑制できる。
【0011】
〔6〕それぞれ前記推力発生装置である第1推力発生装置及び第2推力発生装置を備え、
前記逆回転力発生装置は、前記第2推力発生装置から構成されており、前記第1推力発生装置に連結されているとともに、前記第1推力発生装置が発生させる回転力とは逆向きの回転力を発生させるように構成されている、〔1〕~〔4〕のいずれか一つに記載の推進装置。
この場合、推進装置が、その全体として回転するのを効果的に抑制できる。
【0012】
〔7〕前記推力発生装置が発生させる推力の方向を調整できるように構成された調整部を、さらに備えた、〔1〕~〔6〕のいずれか一つに記載の推進装置。
この場合、推進装置をより確実に所望の方向に推進させることができる。
【0013】
〔8〕前記推進装置は、その全体として見たときに、実質的に回転せずに、前記中心軸線に垂直な一方向に並進するように、構成されている、〔1〕~〔7〕のいずれか一つに記載の推進装置。
【0014】
〔9〕推進装置であって、
第1質量体と、
第2質量体と、
エネルギーの供給を受けて前記第1質量体に回転運動を励起させるように構成された、回転運動励起部と、
前記第1質量体及び前記第2質量体どうしの間に回転運動エネルギーを受け渡すように構成された、回転運動エネルギー受け渡し部と、
前記第1質量体及び前記第2質量体どうしの間に並進運動エネルギーを受け渡すように構成された、並進運動エネルギー受け渡し部と、
前記回転運動励起部によって励起される回転運動に起因して前記回転運動励起部を保持する保持部が回転するのを抑制するように構成された、回転抑制部と、
を備え、
前記第1質量体及び前記第2質量体は、それぞれ互いから独立して回転自由度を持っているとともに、それぞれ少なくとも一方向以上で振動可能に互いに連結されている、推進装置。
これにより、燃焼ガス等を噴射しなくても推進することができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、燃焼ガス等を噴射しなくても推進することができる、推進装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1実施形態に係る推進装置を示す、側面図である。
図2図1の推進装置を示す、斜視図である。
図3図1の推進装置を示す、斜視図である。
図4図1に示す推力発生装置の縦断面図である。
図5図4に示す推力発生装置を図4のIII-III線に沿う断面により示す、III-III断面図である。
図6】本発明の第2実施形態に係る推進装置を示す、側面図である。
図7図6の推進装置を示す、斜視図である。
図8図6の推進装置を示す、平面図である。
図9】本発明の第3実施形態に係る推進装置を示す、側面図である。
図10図9の推進装置を示す、斜視図である。
図11】磁場と渦電流との関係を説明するための説明図である。
図12】質点半径とポテンシャルエネルギーとの関係を説明するための説明図である。
図13】推力発生装置の動作原理を説明するための説明図である。
図14】推力発生装置の動作原理を説明するための説明図である。
図15】推力発生装置の動作原理を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る推進装置は、移動体の推進装置全般(タイヤやロケットエンジン等の代替等)、特に、氷上、宇宙といった摩擦力による推進が難しい環境で使用される推進装置全般に、好適に適用することができる。
【0018】
以下、本発明に係る推進装置の実施形態について、図面を参照しつつ例示説明する。
各図において共通する部材・部位には同一の符号を付している。
【0019】
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照し、本発明の第1実施形態に係る推進装置1を説明する。図1図5は、本発明の第1実施形態に係る推進装置1を説明するための図面である。
推進装置1は、移動体の推進装置全般(タイヤやロケットエンジン等の代替等)、特に、氷上、宇宙といった摩擦力による推進が難しい環境で使用される推進装置全般に、好適に適用することができる。推進装置1は、(モーター等による)回転運動を並進運動(剛体等において、それを構成する各点が同一方向に平行移動する運動)に変換するように構成されている。推進装置1は、その全体として見たときに、実質的に(すなわち、殆ど又は全く)回転せずに、所定の一方向(より具体的には、推力発生装置11の中心軸線Oに垂直な所定の一方向)に並進(推進。まっすぐに進むこと。)するように、構成されている。
図1図3に示されるように、本実施形態において、推進装置1は、推力発生装置11と、逆回転力発生装置70と、連結部50と、調整部60と、を備えている。
【0020】
本明細書では、便宜のため、各図に矢印で示すように、推力発生装置11に固定されたXYZ直交座標系を定義する。
本明細書では、各図に矢印で示すように、推力発生装置11の中心軸線Oに平行な方向を「軸線方向Z」といい、軸線方向Zにおける一方側を「軸線方向第1側Z1」といい、軸線方向Zにおける他方側を「軸線方向第2側Z2」という。例えば、推力発生装置11の軸線方向第2側Z2の端部は、地面等の上に載置されてもよく、その場合、軸線方向Zは鉛直方向に指向され、軸線方向第2側Z2は下側に指向される。ただし、軸線方向Zは、任意の方向に指向されてよい。
また、本明細書では、特に断りが無い限り、推力発生装置11の中心軸線Oを中心とする径方向及び周方向を、単にそれぞれ「径方向」及び「周方向」という。また、本明細書では、特に断りが無い限り、推力発生装置11の中心軸線Oに近い側を「径方向内側」又は「内周側」等といい、推力発生装置11の中心軸線Oから遠い側を「径方向外側」又は「外周側」等という。また、本明細書では、特に断りが無い限り、推力発生装置11の中心軸線Oに垂直な方向を、「軸直方向」という場合がある。
また、本明細書では、各図に矢印で示すように、中心軸線Oを中心とする各径方向のうちの1つを「奥行方向Y」といい、奥行方向Yにおける一方側を「奥行方向第1側Y1」といい、奥行方向Yにおける他方側を「奥行方向第2側Y2」という。
また、本明細書では、各図に矢印で示すように、軸線方向Z及び奥行方向Yに垂直な方向を「幅方向X」という。
【0021】
(推力発生装置11の構成)
まず、推力発生装置11の構成について説明する。図4図5は、推力発生装置11のみを示している。
推力発生装置11は、中心軸線Oに垂直な一方向の推力を発生させ、その全体として見たときに、中心軸線Oに垂直な一方向に並進するように構成されている。また、推力発生装置11は、周方向の回転力を発生させるようにも構成されており、推力発生装置11の後述の保持体16が周方向に回転しようとするように構成されている。
【0022】
図1図5に示すように、推力発生装置11は、回転子13、筐体14、推力発生装置用モータ15、および保持体16を備えている。
回転子13は、中心軸線O回りに沿う周方向に回転可能に支持されている。
【0023】
図4図5に示すように、筐体14は、第1収容部35、第1連結部36、及び、第2接続部39を備えている。筐体14は、合成樹脂材料等の絶縁材料で形成されている。
【0024】
筐体14の第1収容部35は、軸線方向Zに間隔をあけて設けられた一対の基板部37と、一対の基板部37における外周縁部同士を軸線方向Zに連結した第1接続部38と、を備えている。基板部37は、円板状に形成され、中心軸線Oと同軸に配設されている。第1接続部38は、周方向に間隔をあけて複数設けられている。一対の基板部37と複数の第1接続部38とに囲まれた空間に、回転子13が、基板部37および第1接続部38との非接触状態を維持したまま、周方向に回転可能に収容されている。
【0025】
筐体14における周方向の一部に、電気伝導体17が設けられている。電気伝導体17は、回転子13より径方向の外側に設けられている。電気伝導体17は、表裏面が軸線方向Zを向き、かつ周方向に延びる湾曲した板状に形成されている。軸線方向Zから見て、電気伝導体17の内周面の曲率中心は、中心軸線Oとほぼ一致している。電気伝導体17の外周部は、筐体14から径方向の外側に張り出している。電気伝導体17は、一対の基板部37に軸線方向Zに挟まれて固定されている。電気伝導体17は、例えばアルミニウム合金等により形成されている。電気伝導体17は、中心軸線Oを中心に例えば0°以上180°以下となっている。
【0026】
軸線方向Zから見て、筐体14の重心は、電気伝導体17の周方向の中央部と、中心軸線Oと、を結ぶ直線から離れて位置している。
なお、奥行方向Yは、この直線に平行であり、奥行方向Yにおいて、中心軸線Oに対して電気伝導体17が位置している側が奥行方向第1側Y1であり、これとは反対側が奥行方向第2側Y2である(図5)。
筐体14の第1連結部36は、筐体14の第1収容部35に対して軸線方向第1側Z1に設けられている。
【0027】
筐体14の第1連結部36に、図4に示されるように、保持体16の後述する第2連結部43が挿通された連結孔36aが形成されている。連結孔36aは、中心軸線Oと同軸に配設されている。第1連結部36は、軸線方向に延びる筐体14の第2接続部39を介して第1収容部35に連結されている。
筐体14の第2接続部39は、周方向に間隔をあけて複数設けられている。図1図5の例において、第2接続部39は、中心軸線Oを径方向に挟む両側に1つずつ、合計2つ設けられている。第2接続部39は、電気伝導体17の周方向の中央部から、中心軸線Oを中心に約90°離れた位置に設けられている。つまり、第2接続部39は、幅方向Xの両側に一対設けられている(図1図3)。
【0028】
図4に示すように、保持体16は、第2収容部41、取付部42、および第2連結部43を備え、推力発生装置用モータ15の駆動時に生ずる回転力を受け止める。保持体16は、合成樹脂材料等の絶縁材料で形成されている。
【0029】
保持体16の第2収容部41は、筐体14の第1連結部36の軸線方向第2側Z2に設けられている。保持体16の第2収容部41の軸線方向第1側Z1の面と筐体14の第1連結部36の軸線方向第2側Z2の面との間に、軸線方向の隙間が設けられている。保持体16の第2収容部41に、推力発生装置用モータ15が収容され保持されている。第2収容部41の軸線方向第2側Z2の端部は、軸線方向Z両側の一対の基板部37のうち、軸線方向第1側Z1の基板部37に形成された貫通孔37aに挿入されている。推力発生装置用モータ15の出力軸15aは、第2収容部41から軸線方向第2側Z2に突出し、回転子13に連結されている。これにより、推力発生装置用モータ15は、回転子13を周方向に回転可能に支持している。
【0030】
保持体16の取付部42は、筐体14の第1連結部36の軸線方向第1側Z1に設けられている。保持体16の取付部42の軸線方向第2側Z2の面と、筐体14の第1連結部36の軸線方向第1側Z1の面との間に、軸線方向Zの隙間が設けられている。保持体16の取付部42の軸線方向第2側Z2の面に、軸線方向第2側Z2に向けて突出し、筐体14の第1連結部36の軸線方向第1側Z1の面に形成された環状溝36bに、隙間を設けた状態で挿入された突出筒42bが形成されている。
【0031】
保持体16の第2連結部43は、保持体16の第2収容部41と保持体16の取付部42とを連結している。保持体16の第2連結部43は、軸線方向Zに延びるとともに、筐体14の第1連結部36の連結孔36aに挿通されている。保持体16の第2連結部43は、中心軸線Oと同軸に配設されている。第2連結部43の外周面と、連結孔36aの内周面と、の間に隙間が設けられている。
【0032】
筐体14の第1連結部36の軸線方向第1側Z1の面における連結孔36aの開口周縁部、および保持体16の第2収容部41の軸線方向第1側Z1の面にそれぞれ、窪み部が形成され、各窪み部に環状のゴム体44が各別に嵌合されている。これらのゴム体44内に、保持体16の第2連結部43が嵌合されている。筐体14の第1連結部36の軸線方向第1側Z1の面の窪み部に嵌合されたゴム体44は、保持体16の取付部42の軸線方向第2側Z2の面に当接している。保持体16の第2収容部41の軸線方向第1側Z1の面の窪み部に嵌合されたゴム体44は、筐体14の第1連結部36の軸線方向第2側Z2の面に当接している。
ゴム体44を介して、筐体14および保持体16が、互いに弾性変位可能に連結されている。なお、ゴム体44を設けず、筐体14および保持体16が、互いに相対変位可能に連結されてもよい。
また、筐体14と保持体16との間には回転自由度があり、いいかえれば、筐体14は保持体16に対して回転自由に取り付けられている。
【0033】
回転子13は、図5に示されるように、本体部21と、磁性体22および非磁性体23と、一対の弾性連結片24と、を備えている。
【0034】
回転子13の本体部21は、径方向の中央部に位置して推力発生装置用モータ15の出力軸15aに連結されている。本体部21は、合成樹脂材料等の絶縁材料で形成されている。回転子13の磁性体22および非磁性体23は、重量が互いに異なっているとともに、回転子13の本体部21を径方向に挟む位置に各別に設けられている。磁性体22は、径方向に並べられた複数の磁石となっている。複数の磁石は、互いに異なる磁極が径方向で隣接するように設けられている。
非磁性体23の重量が、磁性体22の重量より重くなっている。なお、非磁性体23の重量を、磁性体22の重量以下としてもよい。
【0035】
回転子13の一対の弾性連結片24は、回転子13の本体部21と、回転子13の磁性体22および非磁性体23と、を各別に連結するとともに、弾性変形可能に形成されている。弾性連結片24は、合成樹脂材料等の絶縁材料で形成されている。
弾性連結片24は、一対の第3連結部(連結部)31と、周面部32と、を備え、本体部21に連結されることで、軸線方向から見て閉曲線を呈する。
【0036】
回転子13の弾性連結片24の一対の第3連結部31は、回転子13の本体部21から径方向の外側に向かうに従い、互いが周方向に離れる向きに延びている。第3連結部31は、表裏面が周方向を向く板状に形成されている。第3連結部31は、軸線方向から見て直線状に延びている。
回転子13の弾性連結片24の周面部32は、回転子13の弾性連結片24の一対の第3連結部31における径方向の外端部同士を連結し、周方向に延びている。周面部32は、表裏面が径方向を向く板状に形成されている。
磁性体22および非磁性体23は、周面部32に設けられている。図示の例では、磁性体22および非磁性体23は、周面部32における周方向の中央部に設けられている。周面部32の径方向の剛性は、第3連結部31の径方向の剛性より低くなっている。
【0037】
回転子13の回転時に、磁性体22が、電気伝導体17の設けられている周方向の位置に達すると、電気伝導体17に径方向で近接することで、電気伝導体17において磁場が変化する。
回転子13が、周方向に回転する過程において、磁性体22および非磁性体23が、電気伝導体17と奥行方向Y方向に並んだときに、軸線方向Zから見て、回転子13、推力発生装置用モータ15、および保持体16が、中心軸線Oから非磁性体23側に向かう向きに、筐体14に対して変位するように径方向に振動する。なお、このような構成は、例えば、磁性体22および非磁性体23の各重量、弾性連結片24の剛性、および回転子13の回転速度等を調整することで得ることができる。
【0038】
非磁性体23の重量が、磁性体22の重量より重くなっているので、回転子13が周方向に回転する過程において、磁性体22および非磁性体23が、電気伝導体17と奥行方向Yに並んだときに、軸線方向Zから見て、回転子13、推力発生装置用モータ15、および保持体16が、中心軸線Oから非磁性体23側に向かう向きに、筐体14に対して変位するように径方向に振動する構成を容易に得ることができるとともに、大きな推力を容易に生じさせることができる。
【0039】
筐体14および保持体16が、互いに弾性変位可能に連結されているので、回転子13が周方向に回転したときに、筐体14および保持体16を円滑に相対変位させることができる。
【0040】
弾性連結片24が、周面部32および一対の連結部31を備え、本体部21に連結されることで、軸線方向から見て閉曲線を呈するので、弾性連結片24の剛性を容易に調整することができるとともに、負荷を抑えながら、径方向の弾性変形量を大きく確保することができる。
【0041】
(推力発生装置11の動作原理)
ここで、図11図15を参照しつつ、推力発生装置11の動作原理について説明する。推力発生装置11の動作原理は、必ずしも完全に明確ではないが、次のように考えられる。
【0042】
まず、磁場と渦電流との関係について説明する。
図11(a)、図11(b)に示すように、一般的に、変化する磁場の中に導体を配置すると、導体の中には磁場変化に対抗する方向に電流が流れる。導体を非磁性体(アルミニウムなど)にすると、通常は磁石との間に引力は働かないが、磁石を離すと引力、近づけると斥力が発生するように渦電流が起きる。
図11(c)に示すように、平行に動かす場合はブレーキがかかる。
【0043】
つぎに、質点半径とポテンシャルエネルギーとの関係について説明する。
図12に示すように、一般的に、回転する質点の軌道を内側に移動させるためには、追加の力(仕事量)を供給する必要があるので、軌道が内側に移動した後の運動エネルギーは大きくなる。それとは反対に、軌道を外側に移動する際には力(仕事量)を放出するので、軌道が外側に移動した後の運動エネルギーは小さくなる。このエネルギーは、回転体のイナーシャ(質量×半径)と回転速度で決まる。さらに、軌道変化によって出し入れが可能なので、回転体の運動エネルギーは、径方向運動から見ると回転体のポテンシャルエネルギーと捉えることができる。回転体が回転している状態では、質点の軌道を変化させることで、回転体のポテンシャルエネルギーを変えることができる。
【0044】
図11及び図12を参照して上述した内容は、推力発生装置11の動作原理を理解する上での助けとなり得る。
【0045】
図13(a)を参照し、推力発生装置11においては、推力発生装置用モータ15の回転が始まると、筐体14と回転子13が揺動円運動及び回転運動を開始する。回転子13には、磁性体22とカウンターマスとしての非磁性体23とが対向して取り付けられている。ほんの少しだけ磁性体22側が軽くなるよう、調整する。この時、質量のアンバランスにより、筐体14と回転子13とは互いに振動する。
【0046】
図13(b)を参照し、回転体としての磁性体22が電気伝導体17近傍を通過するとき(以下、「第3象限」という。)、筐体14は回転自由に取り付けられていることから、電気伝導体17に発生する誘導起電力の作用で、筐体14は磁性体22と同じ方向にゆっくりと回転する。この時、磁性体22の回転エネルギーが失われ、筐体14の回転エネルギーが増大する。
【0047】
図14(a)を参照し、第3象限に突入するとき、磁性体22と電気伝導体17との反発運動が生まれる。
より具体的に、磁性体22が第3象限に突入するとき、そこに至るまでの過程で、磁性体22の回転速度が通常(1回転の平均)より大きくなっており、筐体14の回転速度は通常よりも小さくなっている。
磁性体22が電気伝導体17近傍に突入するとき、磁性体22と電気伝導体17との間には反発力が生まれる。よって、磁性体22は内周方向の力を、電気伝導体17は外周方向の力を受ける。
この時、磁性体22を有する回転子13は、ポテンシャルが上り勾配(追加の仕事量を必要とする)のため、内周側への軌道変更量は小さい。一方、電気伝導体17を有する筐体14は、ポテンシャルが下り勾配(仕事量を放出する)のため、外周側への軌道変更量は大きい。
【0048】
図14(b)を参照し、第3象限を通過するとき、筐体14に回転子13の回転エネルギーが受け渡される。
より具体的に、第3象限を通過するとき、電気伝導体17と磁性体22との間に生じる渦電流の作用により、磁性体22と筐体14との回転速度差に比例して、磁性体22には回転速度が減少する方向に力が働き、筐体14には回転速度が上昇する方向に力が働く。
つまり、磁性体22から筐体14に回転運動量が分け与えられる。
回転子13は、磁性体22が電気伝導体17近傍通過の際に回転速度が低下するため、ポテンシャル勾配が減少する。
筐体14は、磁性体22が電気伝導体17近傍通過の際に回転速度が上昇するため、ポテンシャル勾配が増加する。
【0049】
図15を参照し、第3象限から離脱するとき、筐体14と回転子13の並進運動量の総和が変化する。
より具体的に、磁性体22が電気伝導体17の近傍を離脱するとき、磁性体22と電気伝導体17との間に渦電流による吸引力が働き、磁性体22は外周方向、電気伝導体17は内周方向への運動エネルギーを得る。
磁性体22は、外周側に軌道を変えるが、ポテンシャルが下り勾配のため、磁性体22は外向きの運動エネルギーを余分に受け取る。ただし、磁性体22は、第3象限を通過するとき(図14(b))に回転速度が減少しているため、ポテンシャルエネルギーの勾配(下り)が第3象限に突入するとき(図14(a))よりも小さくなっている。
筐体14(ひいては電気伝導体17)は、内周側に軌道を変えるが、ポテンシャルが上り勾配のため、筐体14は内向きの運動エネルギーを余分に失う。
ただし、筐体14(ひいては電気伝導体17)は第3象限を通過するとき(図14(b))に回転速度が増加しているため、ポテンシャルエネルギーの勾配(上り)が第3象限に突入するとき(図14(a))よりも大きくなっている。
ここで、図14(a)を参照しつつ上述したように、第3象限に突入するとき、磁性体22よりも筐体14の軌道変更量は大きくなっていた。よって、筐体14は、ポテンシャルエネルギーの上り勾配を乗り越えて、元の軌道に戻るために必要な運動エネルギーが不足する。そのため、筐体14は、磁性体22が電気伝導体17近傍に突入するときの軌道よりも外周側で径方向の運動を終える。一方、磁性体22側も外周方向への運動エネルギーが減少しているが、ポテンシャルエネルギーは下り勾配のため、外周側に軌道を変えることができる。
これらの運動の結果、筐体14、磁性体22ともに、電気伝導体17近傍に突入するときよりも外周方向に移動したところで運動を終了するため、全体としては並進運動をする。
【0050】
磁性体22が第2象限~第1象限~第4象限と移動する間においては筐体14と磁性体22との回転速度差が回復する。
磁性体22が第2象限から第4象限を通過するとき、筐体14は、中心軸線Oとの間の減衰により減速し、回転子13はは推力発生装置用モータ15の駆動トルクで加速する。
この時、磁性体22と筐体14にはその軌道を変更するような力はかからないので、並進運動量にも変化を与えない。
なお、上述の第1象限、第2象限、第3象限、及び第4象限は、二次元における四つの象限(四分儀)を指している。
【0051】
以上のようにして、推力発生装置11は、回転子13の回転中において、中心軸線Oに垂直な一方向の推力を発生させ、その全体として見たときに、当該一方向に並進するように構成されている。このとき、推力発生装置11は、回転子13の反力(上述した、推力発生装置11が発生させる周方向の回転力)によって、保持体16が、周方向(回転子13の回転方向とは逆向き)に回転しようとする。
そこで、本実施形態では、逆回転力発生装置70を設けることにより、保持体16が回転するのを抑制するようにしている。
【0052】
(推力発生装置11以外の構成)
図1図3に戻り、第1実施形態の推進装置1における推力発生装置11以外の構成について説明する。
上述のように、本実施形態において、推進装置1は、推力発生装置11に加えて、逆回転力発生装置70と、連結部50と、調整部60と、を備えている。
【0053】
逆回転力発生装置70は、推力発生装置11に連結されているとともに、推力発生装置11が発生させる周方向一方側への回転力(回転子13の反力)とは逆向き(周方向他方側)の回転力を発生させるように構成されている。
上述のように、推力発生装置11における保持体16は、回転子13の回転中において、回転子13の反力(上述した、推力発生装置11が発生させる周方向の回転力)によって、保持体16が、周方向一方側(回転子13の回転方向とは逆向き)に回転しようとする。
逆回転力発生装置70があることにより、逆回転力発生装置70が発生させる周方向他方側の回転力によって、推力発生装置11における保持体16が発生させる周方向一方側への回転力を相殺することができ、ひいては、筐体14が回転するのを抑制することができ、推進装置1の推力の方向(ひいては並進する方向)が変動するのを抑制できる。
【0054】
本実施形態において、逆回転力発生装置70は、逆回転力発生装置用モータ71と、回転部材72と、保持部材73と、を備えている。
逆回転力発生装置用モータ71は、その出力軸が回転部材72に連結されており、回転部材72を、推力発生装置11における保持体16が発生させる周方向一方側への回転力(回転子13の反力)とは逆向き(周方向他方側)に回転させるように構成されている。
回転部材72は、逆回転力発生装置用モータ71によって、推力発生装置11における保持体16が発生させる周方向一方側への回転力(回転子13の反力)とは逆向き(周方向他方側)に回転されるように構成されている。本実施形態において、回転部材72は、円板形状をなしているが、回転部材72は、任意の形状をなしていてよい。
保持部材73は、逆回転力発生装置用モータ71を所定位置に保持するように構成されている。本実施形態において、保持部材73は、逆回転力発生装置用モータ71が、連結部50の連結部材51の軸線方向第1側Z1において、連結部50の連結部材51上に固定されるよう、逆回転力発生装置用モータ71を保持している。
このようにして、逆回転力発生装置70は、推力発生装置11における保持体16が発生させる周方向一方側への回転力(回転子13の反力)とは逆向き(周方向他方側)の回転力を発生させるように構成されている。
【0055】
逆回転力発生装置70が発生させる回転力の方向(すなわち、回転部材72の回転方向)は、推力発生装置11の回転子13の回転方向とは反対方向であると、好適である。
【0056】
第1実施形態において、逆回転力発生装置70の中心軸線Kは、推力発生装置11の中心軸線Oと一致しており、逆回転力発生装置70が推力発生装置11と直列に連結されている。
逆回転力発生装置70は、推力発生装置11よりも、軸線方向第1側Z1に位置している。逆回転力発生装置70において、回転部材72は、逆回転力発生装置用モータ71よりも、軸線方向第1側Z1に位置している。逆回転力発生装置70の中心軸線Kは、逆回転力発生装置用モータ71の中心軸線(回転軸線)によって定義される。回転部材72の中心軸線は、逆回転力発生装置用モータ71の中心軸線(回転軸線)と一致している。逆回転力発生装置用モータ71は、連結部50の連結部材51よりも、軸線方向第1側Z1に位置している。
【0057】
連結部50は、軸線方向Zにおける推力発生装置11と逆回転力発生装置70との間に配置され、推力発生装置11と逆回転力発生装置70とを連結するように構成されている。
第1実施形態において、連結部50は、連結部材51と、出力部52と、を有している。
連結部材51は、軸線方向Zにおける推力発生装置11と逆回転力発生装置70との間に配置され、推力発生装置11と逆回転力発生装置70とを連結するように構成されている。連結部材51は、軸直方向に平行な板状をなしている。ただし、連結部材51は、任意の形状をなしていてよい。
出力部52は、連結部材51の外周面に連結されている。出力部52は、推力発生装置11ひいては推進装置1が発生させる推力の方向(ひいては、推進装置1が並進する方向)を向く出力面52aを有している。これにより、出力部52は、例えば、推進装置1のユーザ等が推進装置1が発生させる推力の方向(ひいては、推進装置1が並進する方向)を容易に把握できるようにする目印としての機能を有することができる。
本実施形態において、出力部52は、円板形状をなしている。ただし、出力部52は、任意の形状をなしていてよい。また、出力部52は、設けられなくてもよい。
また、連結部50は、設けられなくてもよい。
【0058】
調整部60は、推力発生装置11が発生させる推力の方向を調整できるように構成されている。
第1実施形態において、調整部60は、軸線方向Zにおける推力発生装置11と連結部50との間に配置されており、推力発生装置11(具体的には保持体16)と連結部50(具体的には連結部材51)とに連結されている。本実施形態において、調整部60は、調整部用モータ61を備えている。調整部60(ひいては調整部用モータ61)の中心軸線(回転軸線)は、推力発生装置11の中心軸線Oと一致しており、調整部60(ひいては調整部用モータ61)が推力発生装置11と直列に連結されている。調整部60(ひいては調整部用モータ61)は、推力発生装置11(具体的には保持体16)と連結部50(具体的には連結部材51)との相対回転位置(相対周方向位置)を調整できるように構成されている。推力発生装置11ひいては推進装置1が発生させる推力の方向は、電気伝導体17の周方向位置によって決まるところ、調整部60により、電気伝導体17の周方向位置を調整でき、それにより、推力発生装置11が発生させる推力の方向を調整できる。
また、調整部60があることにより、推力発生装置11ひいては推進装置1が発生させる推力の方向(ひいては、推進装置1が並進する方向)を、所定の一方向に一定に維持しやすくなる。
なお、調整部60によって、推力発生装置11ひいては推進装置1が発生させる推力の方向(ひいては、推進装置1が並進する方向)を、任意の一方向となるように、能動的に調整するようにしてもよい。
ただし、調整部60は設けられなくてもよい。
【0059】
本実施形態によれば、推力発生装置11ひいては推進装置1が、推力発生装置用モータ15の駆動に基づいて推力発生装置11の中心軸線Oに垂直な一方向に推力を発生させるように構成されているので、推進装置1は、燃焼ガス等を噴射しなくても推進することができる。
また、逆回転力発生装置70があることにより、逆回転力発生装置70が発生させる周方向他方側の回転力によって、保持体16が発生させる周方向一方側への回転力(回転子13の反力)を相殺することができ、ひいては、推進装置1がその全体として見たときに回転するのを抑制することができ、推進装置1の推力の方向(ひいては並進する方向)が変動するのを抑制できる。
【0060】
本実施形態において、逆回転力発生装置70は、連結部50及び調整部60を介して推力発生装置11に連結されているが、逆回転力発生装置70は、連結部50及び調整部60のいずれか一方のみを介して推力発生装置11に連結されてもよいし、あるいは、連結部50及び調整部60を介さずに、直接、推力発生装置11に連結されてもよい。
【0061】
推進装置1は、その全体として見たときに、実質的に(すなわち、殆ど又は全く)回転せずに、推力発生装置11の中心軸線Oに垂直な一方向に並進するように構成されていると、好適である。
【0062】
図5に示すように、電気伝導体17は、その周方向の両端部17aが、径方向にテーパ形状となっていてもよい。より具体的に、図5の例において、電気伝導体17は、その周方向の両端部17aにおいて、周方向において電気伝導体17の周方向中心から遠ざかるにつれて、中心軸線Oと電気伝導体17の内周側縁部17bとの距離が徐々に増大するようにされている。
これにより、回転子13が回転するにつれて、磁性体22と電気伝導体17との距離が徐変し、吸引力と反発力を効果的に生成することができる。
【0063】
〔第2実施形態〕
以下、図面を参照し、本発明の第2実施形態に係る推進装置1を説明する。図6図8は、本発明の第2実施形態に係る推進装置1を説明するための図面である。以下では、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
第2実施形態の推進装置1は、主に、逆回転力発生装置70が推力発生装置11と同様の構成を有している点で、第1実施形態とは異なる。
【0064】
より具体的に、第2実施形態の推進装置1は、図6図7に示すように、それぞれ推力発生装置11である第1推力発生装置111及び第2推力発生装置112を備えている。
逆回転力発生装置70は、第2推力発生装置112から構成されている。第1推力発生装置111は、第1実施形態における推力発生装置11に相当する。逆回転力発生装置70は、第1推力発生装置111に連結されているとともに、第1推力発生装置111が発生させる回転力(回転子13の反力)とは逆向きの回転力を発生させるように構成されている。すなわち、逆回転力発生装置70(第2推力発生装置112)は、第1推力発生装置111とは逆向きに回転しようとするように構成されている。
第1推力発生装置111及び第2推力発生装置112は、指向方向が互いに異なること以外は、互いに同様の構成を有していてよい。第1推力発生装置111及び第2推力発生装置112の構成は、それぞれ、第1実施形態において上述した推力発生装置11の構成と同様としてよい。
【0065】
図6図7に示すように、第2実施形態において、逆回転力発生装置70(第2推力発生装置112)は、第1推力発生装置111を軸線方向Zにおいて反転した向きに指向されている。逆回転力発生装置70(第2推力発生装置112)は、第1推力発生装置111よりも軸線方向第1側Z1に位置している。逆回転力発生装置70(第2推力発生装置112)の中心軸線K(O)は、第1推力発生装置111の中心軸線Oと一致しており、逆回転力発生装置70と第1推力発生装置111とは直列に連結されている。
このようにして、逆回転力発生装置70は、第1推力発生装置111が発生させる回転力(回転子13の反力)とは逆向きの回転力を発生させるように構成されている。
【0066】
第2実施形態の推進装置1は、さらに、一対の調整部60と、連結部50と、を備えている。
一方の調整部60は、第1推力発生装置111(具体的にはその保持体16)と連結部50(具体的には連結部材51)との相対回転位置(相対周方向位置)を調整し、それにより、第1推力発生装置111が発生させる推力の方向を調整できるように構成されている。この調整部60は、軸線方向Zにおける第1推力発生装置111と連結部50との間に配置されており、第1推力発生装置111(具体的にはその保持体16)と連結部50(具体的には連結部材51)とに連結されている。
他方の調整部60は、第2推力発生装置112(具体的にはその保持体16)と連結部50(具体的には連結部材51)との相対回転位置(相対周方向位置)を調整し、それにより、第2推力発生装置112(逆回転力発生装置70)が発生させる推力の方向を調整できるように構成されている。この調整部60は、軸線方向Zにおける第2推力発生装置112と連結部50との間に配置されており、第2推力発生装置112(具体的にはその保持体16)と連結部50(具体的には連結部材51)とに連結されている。
連結部50は、軸線方向Zにおける一対の調整部60どうしの間に配置され、一対の調整部60どうしを連結するように構成されている。
その他の点において、調整部60及び連結部50の構成は、第1実施形態において上述したものと同様でよい。
【0067】
調整部60があることにより、各推力発生装置11ひいては推進装置1が発生させる推力の方向(ひいては、推進装置1が並進する方向)を、所定の一方向に一定に維持しやすくなる。
なお、調整部60によって、各推力発生装置11ひいては推進装置1が発生させる推力の方向(ひいては、推進装置1が並進する方向)を、任意の一方向となるように、能動的に調整するようにしてもよい。
【0068】
各推力発生装置11が発生させる推力の方向は、互いに略同じであると、好適である。
図8に示すように、本例において、各推力発生装置11の電気伝導体17は、周方向において互いからずれた位置にある。
【0069】
第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0070】
〔第3実施形態〕
以下、図面を参照し、本発明の第3実施形態に係る推進装置1を説明する。図9図10は、本発明の第3実施形態に係る推進装置1を説明するための図面である。以下では、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
第3実施形態の推進装置1は、主に、逆回転力発生装置70が推力発生装置11と並列に連結されている点で、第1実施形態とは異なる。
推力発生装置11の構成は、第1実施形態において上述した推力発生装置11の構成と同様としてよい。
【0071】
第3実施形態において、連結部50の連結部材51は、軸線方向Zに垂直な一方向に延在している。
【0072】
連結部材51の延在方向一方側の端部は、調整部60と連結されている。調整部60は、連結部材51の延在方向一方側の端部よりも軸線方向第2側Z2に位置している。調整部60は、第1推力発生装置11(具体的にはその保持体16)と連結部50(具体的には連結部材51)との相対回転位置(相対周方向位置)を調整し、それにより、第1推力発生装置11が発生させる推力の方向を調整できるように構成されている。調整部60は、軸線方向Zにおける推力発生装置11と連結部50との間に配置されており、推力発生装置11(具体的には保持体16)と連結部50(具体的には連結部材51)とに連結されている。
【0073】
連結部材51の延在方向他方側の端部は、逆回転力発生装置70(具体的には、保持部材73)と連結されている。逆回転力発生装置70は、連結部材51の延在方向他方側の端部よりも軸線方向第2側Z2に位置している。逆回転力発生装置70において、回転部材72は、保持部材73によって保持される逆回転力発生装置用モータ71よりも、軸線方向第2側Z2に位置している。逆回転力発生装置70の中心軸線Kは、推力発生装置11の中心軸線Oと平行であり、推力発生装置11から径方向に離間している。
【0074】
連結部50の出力部52は、連結部材51の延在方向の中央部に連結されている。出力部52の出力面52aは、軸線方向Zと連結部材51の延在方向とに垂直な方向を向くように指向されている。すなわち、本例において、推進装置1は、軸線方向Zと連結部材51の延在方向とに垂直な方向に並進するように構成されている。
【0075】
逆回転力発生装置70は、推力発生装置11が発生させる周方向一方側への回転力(回転子13の反力)とは逆向き(周方向他方側)の回転力を発生させるように構成されている。
逆回転力発生装置70が発生させる回転力の方向(すなわち、回転部材72の回転方向)は、推力発生装置11の回転子13の回転方向とは反対方向であると、好適である。
【0076】
その他の点において、調整部60、連結部50、及び逆回転力発生装置70の構成は、第1実施形態において上述したものと同様でよい。
【0077】
第3実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0078】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0079】
例えば、保持体16の取付部42を、筐体14の軸線方向第2側Z2に設けてもよい。
【0080】
また、第3実施形態において、逆回転力発生装置70を、第2実施形態と同様に第2推力発生装置112から構成してもよい。すなわち、第1推力発生装置111及び第2推力発生装置112を互いに並列に連結してもよい。
【0081】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した実施形態および変形例を適宜組み合わせてもよい。
【0082】
なお、本明細書で上述した各例の推進装置1は、つぎのように表現することもできる。
推進装置1であって、
第1質量体Aと、
第2質量体Bと、
エネルギーの供給を受けて第1質量体Aに回転運動を励起させるように構成された、回転運動励起部Cと、
第1質量体及び第2質量体どうしの間に回転運動エネルギーを受け渡すように構成された、回転運動エネルギー受け渡し部Dと、
第1質量体及び第2質量体どうしの間に並進運動エネルギーを受け渡すように構成された、並進運動エネルギー受け渡し部Eと、
回転運動励起部Cによって励起される回転運動に起因して回転運動励起部Cを保持する保持部Hが回転するのを抑制するように構成された、回転抑制部Fと、
を備え、
第1質量体A及び第2質量体Bは、それぞれ互いから独立して回転自由度を持っているとともに、それぞれ少なくとも一方向以上で振動可能に互いに連結されている、推進装置1。
推進装置1は、推力の方向を調整するように構成された、推力方向調整部Gをさらに備えていると、好適である。
【0083】
以下に、補足説明をする。
第1質量体Aは、例えば、回転子13から構成することができる。
第2質量体Bは、例えば、筐体14から構成することができる。
第1質量体Aと第2質量体Bとは、互いから独立に回転することができる。
また、第1質量体Aと第2質量体Bとは、ゴム体44等のばねで支持され、互いに径方向に振動することができる。
第1質量体Aは、第2質量体Bに対して内周側に位置している。
【0084】
回転運動励起部Cは、例えば、推力発生装置用モータ15から構成される。
回転運動励起部Cは、第1質量体Aを回転させる。その時の回転反力は、回転抑制部Fで受け、保持部Hが回転してしまうのを抑制する。
回転抑制部Fは、例えば、逆回転力発生装置70から構成される。
保持部Hは、例えば、保持体16から構成される。
【0085】
並進運動エネルギー受け渡し部Eは、径方向(並進)運動エネルギーを増減させる(反発力、吸引力を発生させる)ように構成されている。
並進運動エネルギー受け渡し部Eの具体例としては、例えば、第1質量体Aに磁性体22等の磁石を設け、第2質量体Bに電気伝導体17等の非磁性の電気伝導体を設け、それらが並進方向に振動することで、それらの距離が変化する、といった構造が挙げられる。その場合、第2質量体Bに渦電流が発生するため、近接すると反発力を発生し、離間すると吸引力が発生し、それぞれの並進運動エネルギーが増減する。
【0086】
回転運動エネルギー受け渡し部Dは、回転運動エネルギーを増減させるように構成されている。回転運動エネルギー受け渡し部Dの具体例としては、例えば第1質量体Aに磁性体22等の磁石を設け、第2質量体Bに電気伝導体17等の非磁性の電気伝導体を設け、当該磁石を電気伝導体で構成し、径方向におおよそ等距離を保ちながら回転する、といった構造が挙げられる。その場合、第2質量体Bに渦電流が発生するため、回転速度が速いほうには減速力が働き、遅いほうには加速力が働き、それぞれの回転運動エネルギーが増減する。
【0087】
第1質量体Aと第2質量体Bは、回転中心に対し、ゴム体44等のばねを介して支持され、径方向に移動が可能となっている。これらの質量体A、Bが回転運動している状態で、径方向に外力が加わると、イナーシャが変化する。イナーシャが増加するとき回転速度は減少し、イナーシャが減少するとき、回転速度は増加する。
【0088】
ここで、各部位の挙動について、第1質量体Aの回転運動の時系列的に説明する。
第1質量体Aと第2質量体Bは同じ方向に回転しているが、第1質量体Aの回転速度は第2質量体Bよりもずっと大きいとする。
【0089】
第1質量体Aに取り付けられた磁石が第2質量体Bに取り付けられた電気伝導体に径方向に近づくとき、磁石と電気伝導体の間には反発力が生まれる。このとき、第1質量体Aは内周側に回転軌道が変化することでイナーシャが減少し、回転速度が増加する。第2質量体Bは外周側にその回転軌道が変化することでイナーシャが増加し、回転速度が減少する。
【0090】
ここで、中心軸線と質量体、およびそれらをつなぐ糸でできた構造体を考える。中心軸線周りに質量体が回転しており、その質量体には遠心力が働く。その遠心力(=糸の張力)に対抗して、径方向に糸を縮めるような力を加えると、イナーシャの減少に伴い回転速度が上昇する。この時、構造体は(糸の張力×径変化)の仕事量を受けているので、回転運動エネルギーは増加している。一方、糸をダンパーを介して緩めると、質点に働く遠心力のため回転半径が拡大し、イナーシャの増大に伴い回転速度が減少する。この時、構造体は(糸の張力×径変化)の仕事量を外部(ダンパー)に与えているので、回転運動エネルギーは減少している。
これらのエネルギーは、回転半径の増減にて出し入れが可能なので、ポテンシャルエネルギーと捉えることができる。このポテンシャルエネルギーは、質量体の質量と回転半径、回転速度によって決まる。また、半径を小さくするときに外部のエネルギーが必要で、大きくするときにはエネルギーを排出するので、回転中心に向かって正の勾配(上り勾配)を持っている。
【0091】
よって、第1質量体Aが内周側に回転軌道が変化するとき、ポテンシャルエネルギーは増加(上り勾配)し、第2質量体Bが外周側に軌道が変化するとき、ポテンシャルエネルギーは減少(下り勾配)するため、第1質量体Aよりも第2質量体Bの軌道変化量が大きくなる(i)。
【0092】
次に第1質量体Aに取り付けられた磁石が径方向におおよそ等距離を保ちながら、第2質量体Bの電気伝導体の近傍を通過するとき、第2質量体Bに発生する渦電流による力で、第1質量体Aの回転速度は減少し、第2質量体Bの回転速度は増加する。この時、第1質量体Aのポテンシャルエネルギーは減少し、第2質量体Bのポテンシャルエネルギーは増加する。
【0093】
第1質量体Aに取り付けられた磁石が第2質量体Bに取り付けられた電気伝導体から径方向に離れるとき、磁石と電気伝導体の間には吸引力が生まれる。このとき、第1質量体Aは外周側に回転軌道が変化することでイナーシャが増加し、回転速度が減少する。第2質量体Bは内周側にその回転軌道が変化することでイナーシャが減少し、回転速度が増加する。
【0094】
第2質量体Bは内周側に軌道を変えるとき、ポテンシャルエネルギーを増加(上り勾配)させながら、吸引力で得た径方向の運動エネルギーを失う。このとき、(i)において第2質量体Bは外周側に大きく膨らんだ軌道を通っており、かつ回転速度が上昇することで、ポテンシャルの勾配が大きく(上り勾配の角度が急に)なっているため、元の回転軌道に復帰する前に径方向の運動エネルギーを失ってしまう。
【0095】
一方、第1質量体Aは外周側に軌道を変えるとき、ポテンシャルエネルギーを減少(下り勾配)させながら、元に軌道に戻ろうとする。第1質量体Aの回転速度は減少しており、ポテンシャル勾配は小さくなってしまっているが、ポテンシャルエネルギーは下り勾配のため、元の軌道を超えて外周側に移動することが可能(ii)である。
【0096】
これらにより、第1質量体A、第2質量体Bともに、電気伝導体を通過する前と比較して、径方向に外側の軌道を通ることとなり、全体は、その膨らんだ径方向に並進運動を開始する。
【0097】
この時の並進運動のエネルギーは、(ii)で第1質量体Aが余分に失ったポテンシャルエネルギーから得たものである。そのため第1質量体Aの回転速度はさらに低下している。しかし、第1質量体Aは電気伝導体近傍を通過した後、回転運動励起部Cから回転運動エネルギーを受け取って、これを補うことができるので、連続的に並進運動のエネルギーを増加させることが可能となる。
【0098】
第1質量体Aはその重心が回転軸とずれていてもよい。第1質量体Aが回転するとき、このずれによって第1質量体Aと第2質量体Bが相互に振動させ、第1質量体Aの磁石と第2質量体Bの電気伝導体の吸引力と反発力を効果的に生成することができる。
【0099】
並進運動エネルギー受け渡し部Eにおいて、その片方を非磁性の電気伝導体とするとき、電気伝導体は、その周方向の両端部が、径方向にテーパ形状となっていてもよい。これにより、第1質量体A(回転子)が回転するにつれて、磁石と電気伝導体の距離が徐変し、吸引力と反発力を効果的に生成することができる。
【0100】
第2質量体Bの質量体を回転させ、推力方向を調整する推力方向調整部Gを備えていてもよい。第2質量体Bに取り付けた電気伝導体は推力の方向を決定するが、一連の動作により、第2質量体Bの質量体は回転してしまうので、推力の方向も変化してしまう。推力方向調整部Gによって、これを一定にする、もしくは推力を任意の方向に調整することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本願発明は、移動体の推進装置全般(タイヤやロケットエンジン等の代替等)、特に、氷上、宇宙といった摩擦力による推進が難しい環境で使用される推進装置全般に、好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0102】
1 推進装置
11 推力発生装置
111 第1推力発生装置(推力発生装置)
112 第2推力発生装置(推力発生装置、逆回転力発生装置)
13 回転子
21 本体部
22 磁性体
23 非磁性体
24 弾性連結片
31 第3連結部(連結部)
32 周面部
14 筐体
35 第1収容部
36 第1連結部
36a 連結孔
36b 環状溝
37 基板部
37a 貫通孔
38 第1接続部
39 第2接続部
15 推力発生装置用モータ
15a 出力軸
16 保持体
41 第2収容部
42 取付部
42b 突出筒
43 第2連結部
17 電気伝導体
44 ゴム体
50 連結部
51 連結部材
52 出力部
52a 出力面
60 調整部
61 調整部用モータ
70 逆回転力発生装置
71 逆回転力発生装置用モータ
72 回転部材
73 保持部材
O 中心軸線
K 中心軸線
X 幅方向
Y 奥行方向
Y1 奥行方向第1側
Y2 奥行方向第2側
Z 軸線方向
Z1 軸線方向第1側
Z2 軸線方向第2側
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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