(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055192
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】コード付き媒体、コード付き媒体を利用した情報管理システム、コード付き媒体を利用した情報管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20240411BHJP
G06Q 30/0241 20230101ALI20240411BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20240411BHJP
【FI】
G06Q30/02 372
G06Q30/02 380
G06Q30/06 340
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022161916
(22)【出願日】2022-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】516288376
【氏名又は名称】株式会社新成堂ホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100175064
【弁理士】
【氏名又は名称】相澤 聡
(72)【発明者】
【氏名】新関 一成
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB07
5L030BB09
5L030BB66
5L049BB07
5L049BB09
5L049BB66
(57)【要約】 (修正有)
【課題】供給者及び需要者をデジタル化されたチャネルに誘導するためのコード付き媒体、コード付き媒体を利用した情報管理システム及びコード付き媒体を利用した情報管理方法を提供する。
【解決手段】コード付き媒体を利用した情報管理システム1において、サーバ20は、端末30によって撮像された、媒体10に付されたコードにエンコードされた供給者の識別子を、需要者からオンラインで受信し、コードに基づいて特定された供給者に対し所定のインセンティブを付与する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に付されたコードにエンコードされた供給者の識別子を、需要者からオンラインで受信するステップと、
前記コードに基づいて特定された前記供給者に対し所定のインセンティブを付与するステップと、を含む
コード付き媒体を利用した情報管理方法。
【請求項2】
媒体に付されたコードにエンコードされた供給者の識別子を、需要者からオンラインで受信するステップと、
前記需要者に対し、医療健康情報を管理するためのアプリを提供するステップと、
前記コードに基づいて特定された前記供給者に対し、前記需要者の医療健康情報へのアクセス権を付与するステップと、を含む
コード付き媒体を利用した情報管理方法。
【請求項3】
端末装置とサーバとを含み、
前記端末装置は、
供給者から提供されたコード付き媒体に付されたコードを読み取り、
前記コードをデコードして供給者の識別子を抽出し、
前記識別子を前記サーバに送信し、
前記サーバは、
前記識別子を受信して前記供給者を特定し、
前記供給者に対してインセンティブを付与する
コード付き媒体を利用した情報管理システム。
【請求項4】
端末装置と医療健康情報サーバとを含み、
供給者から提供されたコード付き媒体に付されたコードを読み取り、
前記コードをデコードして供給者の識別子を抽出し、
前記識別子を前記医療健康情報サーバに送信し、
前記医療健康情報サーバは、
前記識別子を受信して前記供給者を特定し、
前記供給者に対し、前記需要者の医療健康情報へのアクセス権を付与する
コード付き媒体を利用した情報管理システム。
【請求項5】
印刷物に、供給者の識別子をエンコードしたコードが付されたコード付き媒体。
【請求項6】
供給者の識別子をエンコードしたコードが印刷されたシール状のコード付き媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコード付き媒体、コード付き媒体を利用した情報管理システム、コード付き媒体を利用した情報管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
対面や紙媒体等によって行われてきたモノやサービスの提供行為をデジタル化することにより、供給者・需要者双方の利便性を高めようとする試みが広く行われている。例えば、従来対面で行われていたサプリメント等の販売をデジタル化し、ウェブサイトやスマートフォンのアプリでオンライン販売することで、ユーザの健康情報等のデータに基づくリコメンド等を容易に行うことができる。また、従来調剤薬局において紙媒体で提供されてきたお薬手帳をデジタル化し、スマートフォンのアプリとして提供することで、オンライン服薬指導等の従来なかった体験も実現できる。
【0003】
しかしながら、従来の対面や紙媒体に慣れ親しんだ人々を、デジタル化されたチャネルへ誘導することには難しさが伴う。例えば、モノやサービスの供給者(販売店、代理店等)にデジタル化のインセンティブが希薄であるという観念があると、デジタル化が進まない。また、需要者側も操作な難しいなどの技術的コスト、面倒くさいなどの心理的コストが大きく感じると、やはりデジタル化は進まない。
【0004】
この問題に関連する従来技術として特許文献1乃至3がある。
【0005】
特許文献1には、紙の手帳を撮影して画像として管理することができる装置が開示されている。
【0006】
特許文献2には、母子手帳に記載された情報をICカードに記憶させた後、その情報を診療情報データベースとリンクする装置が開示されている。
【0007】
特許文献3には、薬局のホストPCに記憶された調剤履歴にアクセスするためのQRコード(登録商標)を印刷したカードが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2019-179461号公報
【特許文献2】特開2000-285178号公報
【特許文献3】特開2009-032225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1乃至3はいずれも従来は紙等の媒体で管理されていた情報をデジタル化するための要素技術を開示している。しかしながら、このような要素技術を使いたくなるようなインセンティブを利用者(モノやサービスの供給者及び需要者)にどのように提供するかについて、これらの文献開示も示唆もしていない。
【0010】
本発明は、このような問題点を解決するためのコード付き媒体、コード付き媒体を利用した情報管理システム、コード付き媒体を利用した情報管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一実施の形態によれば、コード付き媒体を利用した情報管理方法は、媒体に付されたコードにエンコードされた供給者の識別子を、需要者からオンラインで受信するステップと、前記コードに基づいて特定された前記供給者に対し所定のインセンティブを付与するステップと、を含む。
一実施の形態によれば、媒体に付されたコードにエンコードされた供給者の識別子を、需要者からオンラインで受信するステップと、前記需要者に対し、医療健康情報を管理するためのアプリを提供するステップと、前記コードに基づいて特定された前記供給者に対し、前記需要者の医療健康情報へのアクセス権を付与するステップと、を含む。
一実施の形態によれば、コード付き媒体を利用した情報管理システムは、端末装置とサーバとを含み、前記端末装置は、供給者から提供されたコード付き媒体に付されたコードを読み取り、前記コードをデコードして供給者の識別子を抽出し、前記識別子を前記サーバに送信し、前記サーバは、前記識別子を受信して前記供給者を特定し、前記供給者に対してインセンティブを付与する。
一実施の形態によれば、コード付き媒体を利用した情報管理システムは、端末装置と医療健康情報サーバとを含み、供給者から提供されたコード付き媒体に付されたコードを読み取り、前記コードをデコードして供給者の識別子を抽出し、前記識別子を前記医療健康情報サーバに送信し、前記医療健康情報サーバは、前記識別子を受信して前記供給者を特定し、前記供給者に対し、前記需要者の医療健康情報へのアクセス権を付与する。
一実施の形態によれば、コード付き媒体は、コード付き媒体を利用した情報管理システムは、印刷物に、供給者の識別子をエンコードしたコードが付された媒体である。
一実施の形態によれば、コード付き媒体は、供給者の識別子をエンコードしたコードが印刷されたシール状の媒体である。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、コード付き媒体、コード付き媒体を利用した情報管理システム、コード付き媒体を利用した情報管理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】コード付き媒体10を利用した情報管理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】コード付き媒体10を利用した情報管理システム1の機能構成を示すブロック図である。
【
図5】コード付き媒体10を利用した情報管理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図6】コード付き媒体10を利用した情報管理システム1の機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施の形態1>
実施の形態1にかかるコード付き媒体を利用した情報管理システム1(以下、単にシステム1と称する)は、従来は対面でなされてきたモノ(この例ではサプリメント及び美容健康に役立つ機器類等)の販売業務を、コード付き媒体10を介することで、オンライン販売へとスムーズに移行させるためのシステムである。
【0015】
図1は、コード付き媒体10の一例を示す図である。コード付き媒体10は、典型的にはチラシ、フライヤー、ショップカード等の宣伝用印刷物である。コード付き媒体10には、コンピュータにより読み取り可能なコード(以下、単にコードという)が付されている。コードは、例えば2次元コード(QRコード(登録商標)等)、バーコード等でありうるがこれに限定されない。
【0016】
コードには、サプリメント及び美容健康に役立つ機器類等(以下、単にサプリメント等という)販売のデジタル化されたチャネルへ誘導するためのリンクがエンコードされる。リンクは、例えばサプリメント等を販売するウェブサイトのURL、スマートフォン用アプリのダウンロード用URL等である。
【0017】
また、コードには、サプリメント等の供給者(小売店、代理店等)を一意に特定するための識別子がエンコードされる。従来より、宣伝用印刷物には供給者の名称、住所、電話番号等を印刷したり、これらの情報が彫られたハンコを押すことが広くなされていた。本実施の形態では、供給者特定するための情報はコードに記録される。すなわち、供給者ごとに一意のコードが作成される。
【0018】
コードは、媒体に直接印刷されてもよく、シール等に印刷されたコードが媒体に貼付されても良い、例えば、図示しないサプライヤーが、供給者毎に一意のコードを印刷し、供給者に支給することも可能である。
【0019】
リンクと識別子は、1つのコードにエンコードされてもよく、別々のコードにエンコードされても良い。すなわち、1つのコードにエンコードされた場合は1個のコード、別々のコードにエンコードされた場合は2個のコードが、コード付き媒体10に印刷されることになる。
【0020】
図2は、コード付き媒体10を利用した情報管理システム1(以下、単にシステム1ともいう)のハードウェア構成を示すブロック図である。システム1は、コード付き媒体10、販売用ウェブサイトをホストし又はアプリをダウンロードさせるサーバ20、コード付き媒体10を読み取ってサーバ20にアクセスする端末装置30を含む。サーバ20と端末装置30とは、例えばインターネット等の通信回線を介して相互に通信可能に接続される。
【0021】
図3は、システム1の機能構成を示すブロック図である。
【0022】
サーバ20は、プロセッサがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより所定の機能を実現する情報処理装置であり、典型的にはサーバコンピュータである。サーバ20は、コンテンツ提供部201、供給者識別子取得部202、インセンティブ提供部203を有する。
【0023】
コンテンツ提供部201はサプリメント等をオンライン販売するためのウェブサイトをホストし、端末装置30の要求に応じウェブコンテンツを表示させる。又は、コンテンツ提供部201はサプリメント等をオンライン販売するためのアプリをストアし、端末装置30の要求に応じアプリをダウンロードさせる。
【0024】
供給者識別子取得部202は、端末装置30から送信される識別子を取得し、需要者にコードを提供した供給者(小売店、代理店等)を特定する。この処理を行うため、供給者識別子取得部202は、コードと供給者等を一意に対応づけるためのテーブルやデータベース等を予め保持しているものとする。
【0025】
インセンティブ提供部203は、供給者識別子取得部202が特定した供給者に対し、所定のインセンティブを提供する。例えば、供給者が配布したコードを介して新たな需要者が獲得される、供給者が配布したコードを介して需要者がウェブサイト又はアプリを利用する、供給者が配布したコードを介して需要者がサプリメント等を購入する、といったイベントが発生する毎に、インセンティブ提供部203は需要者に所定のポイントを付与する。インセンティブ提供部203は、付与されたポイントを需要者毎にポイントデータベースで管理する。また、ポイントを一定期間毎に金銭に換算して需要者に支払う。
【0026】
端末装置30は、プロセッサがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより所定の機能を実現する情報処理装置であり、典型的には需要者が使用するスマートフォンである。端末装置30は、カメラ301、コード解析部302、コンテンツ取得部303、供給者識別子送信部304を有する。
【0027】
カメラ301は、コード付き媒体10に印刷されたコードを撮影する。
【0028】
コード解析部302は、撮影されたコードをデコードしてリンクと識別子を抽出する。
【0029】
コンテンツ取得部303は、リンク先であるサーバ20のコンテンツ提供部201にアクセスして、サプリメント等をオンライン販売するためのウェブサイトを表示する。又は、コンテンツ取得部303はアプリをダウンロードする。
【0030】
供給者識別子送信部304は、リンク先であるサーバ20の供給者識別子取得部202に供給者の識別子を送信する。
【0031】
本実施の形態によれば、供給者が配布したチラシ等に印刷されたQRコードを、需要者が読み取ってサプリメント等の販売サイトにアクセスしたり、アプリをダウンロードしたりすると、サーバ20がチラシ等を配布した供給者を特定し、供給者にポイントや金銭等の報奨を提供する。これにより、供給者には、デジタル化された販路に顧客を誘導するインセンティブが働くので、デジタル化された販売チャネルへの移行が従来よりもスムーズに実現する。
【0032】
なお、本実施の形態ではコンテンツ提供部201、供給者識別子取得部202、インセンティブ提供部203がサーバ20に集約された形態を開示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、コンテンツ提供部201、供給者識別子取得部202、インセンティブ提供部203がそれぞれ別のサーバに実装されていても構わない。これらのサーバは、それぞれ異なる事業者によって運営されても良い。すなわち、ウェブサイトやアプリを提供する事業者、供給者情報を収集する事業者、供給者に報償を提供する事業者が各サーバをそれぞれ運用しても良い。この場合、コードにはコンテンツ提供部201へのリンク、供給者識別子取得部202へのリンクがそれぞれ含まれることになる。これらのリンクは1つのコードにエンコードされていても良く、別のコードにエンコードされていても良い。すなわち、コンテンツを取得する際に使用するコードと、供給者情報を送信する際に使用するコードは別のものであっても良い。この場合、需要者は都合2回コードを読み取ることになる。
【0033】
<実施の形態2>
実施の形態2にかかるコード付き媒体を利用した情報管理システム1は、従来は紙媒体として提供されてきたモノ(この例ではお薬手帳)や、紙媒体を使用して提供されてきたサービス(この例ではお薬手帳を使用した薬歴管理サービス)を、コード付き媒体10を介することで、お薬手帳アプリやそれを利用した薬歴管理サービスにスムーズに移行させるためのシステムである。
【0034】
なお、従来より知られている技術として、既にお薬手帳アプリを使用中の患者(需要者)を対象として、薬局(供給者)が投薬内容を記録したQRコードを提供し、患者がそのQRコードを読み取ることによってお薬手帳アプリに投薬内容を記録するシステムがある。本実施の形態はこのような従来技術とは異なるものであり、未だお薬手帳アプリを使用していない患者に対し、お薬手帳アプリの使用を促すことを目的とするものである。
【0035】
図4は、実施の形態2におけるコード付き媒体10の一例を示す図である。コード付き媒体10は、従来は紙媒体で提供されてきたコンテンツであり、典型的にはお薬手帳である。コード付き媒体10には、コンピュータにより読み取り可能なコードが印刷されている。
【0036】
薬局(供給者)は、自らが患者(需要者)に対して提供する紙媒体のお薬手帳に、あらかじめコードを印刷する。又は、紙媒体のお薬手帳に貼れるよう、コードが印刷されたシールを提供しても良い。
【0037】
コードには、お薬手帳アプリをダウンロードするためのサーバ20へのリンクがエンコードされる。お薬手帳アプリとは、需要者の薬歴管理を行うことができるアプリである。これに加えて、アプリでは需要者の健康情報(健診結果、診療結果等)を蓄積する機能、オンライン服薬指導やオンライン診療等を受けるための機能、サプリメント等をオンラインで購入する機能等が提供されうる。
【0038】
また、コードには、薬歴情報を含む医療健康情報を蓄積する医療健康情報サーバ40にアクセスするためのリンクがエンコードされる。
【0039】
また、コードには、供給者(薬局)を一意に特定するための識別子がエンコードされる。
【0040】
これらのリンクと識別子は、1つのコードにエンコードされてもよく、それぞれ別々のコードにエンコードされても良い。
【0041】
図5は、実施の形態2にかかるシステム1のハードウェア構成を示すブロック図である。システム1は、コード付き媒体10、お薬手帳アプリをダウンロードさせるサーバ20、コード付き媒体10を読み取ってサーバ20にアクセスする端末装置30、薬歴情報を含む医療健康情報を蓄積する医療健康情報サーバ40を含む。
【0042】
図6は、実施の形態2にかかるシステム10の機能構成を示すブロック図である。
【0043】
サーバ20は、コンテンツ提供部201、供給者識別子取得部202、インセンティブ提供部203を有する。
【0044】
コンテンツ提供部201はお薬手帳アプリをストアし、端末装置30の要求に応じアプリをダウンロードさせる。
【0045】
供給者識別子取得部202は、端末装置30から送信される識別子を取得し、需要者にコードを提供した供給者(薬局)を特定する。この処理を行うため、供給者識別子取得部202は、コードと供給者等を一意に対応づけるためのテーブルやデータベース等を予め保持しているものとする。
【0046】
インセンティブ提供部203は、供給者識別子取得部202が特定した供給者に対し、所定のインセンティブを提供する。例えば、供給者が配布したコードを介して新たな需要者が獲得される、供給者が配布したコードを介して需要者がアプリを利用する、供給者が配布したコードを介して需要者が薬やサプリメント等を購入する、といったイベントが発生する毎に、インセンティブ提供部203は需要者に所定のポイントを付与する。インセンティブ提供部203は、付与されたポイントを需要者毎にポイントデータベースで管理する。また、ポイントを一定期間毎に金銭に換算して需要者に支払う。
【0047】
端末装置30は、カメラ301、コード解析部302、コンテンツ取得部303、供給者識別子送信部304、紙面画像送信部305を有する。
【0048】
カメラ301は、コード付き媒体10に印刷されたコードを撮影する。
【0049】
コード解析部302は、撮影されたコードをデコードして、サーバ20へのリンク、医療健康情報サーバ40、及び供給者の識別子を抽出する。
【0050】
コンテンツ取得部303は、リンク先であるサーバ20のコンテンツ提供部201にアクセスしてアプリをダウンロードする。
【0051】
供給者識別子送信部304は、リンク先であるサーバ20の供給者識別子取得部202に供給者の識別子を送信する。また、リンク先である医療健康情報サーバ40にも供給者の識別子を送信する。
【0052】
紙面画像送信部305は、カメラ301を使用して紙媒体のお薬手帳の画像を取得し、医療健康情報サーバ40に送信する。好ましくは、紙面画像送信部305は「紙のお薬手帳の1ページ目を開いて撮影してください」といったガイダンスを表示し、需要者がカメラ301を使用して紙媒体のお薬手帳の所定のページを撮影するよう誘導する。
【0053】
医療健康情報サーバ40は、医療健康情報蓄積部401を有する。
【0054】
医療健康情報蓄積部401は、従来紙媒体のお薬手帳で管理されてきた薬歴情報のほか、健康情報(健診結果、診療結果等)を需要者毎に蓄積する。需要者自身と、コードを提供した供給者とには、需要者の薬歴情報及び健康情報へのアクセス権が付与される。これにより、供給者は、需要者に対して調剤を行う際、紙媒体のお薬手帳に調剤内容を記録する代わりに、図示しないシステムを使用して医療健康情報蓄積部401にアクセスし、需要者の薬歴情報に調剤内容を記録できるようになる。また、調剤に際し需要者の健康情報を参照できるようになる。需要者は、お薬手帳アプリを使用して自己の薬歴情報や健康情報を参照できる。
【0055】
これらを実現するため、医療健康情報蓄積部401は、需要者と、需要者の薬歴情報及び健康情報と、これらの情報へのアクセスを許可された供給者の識別子とを対応づけたデータベースを保持する。
【0056】
医療健康情報蓄積部401は、需要者の供給者識別子送信部304から供給者の識別子を受信したならば、この供給者に対し、この需要者の薬歴情報及び健康情報へのアクセスを許可する。
【0057】
医療健康情報蓄積部401は、需要者の紙面画像送信部305から紙媒体のお薬手帳のページ画像を受信したならば、この需要者の薬歴情報の一部として当該画像を蓄積する。なお、公知の画像認識技術等を利用してページ画像に含まれる文字情報を抽出し、当該文字情報を薬歴情報の一部として蓄積しても良い。
【0058】
本実施の形態によれば、供給者が配布した紙媒体のお薬手帳に印刷されたQRコードを、需要者が読み取ってお薬手帳アプリをダウンロードすると、サーバ20が供給者を特定し、供給者にポイントや金銭等の報奨を提供する。これにより、供給者には、お薬手帳アプリを利用するよう需要者を誘導するインセンティブが働くので、お薬手帳アプリへの移行が従来よりもスムーズに実現する。
【0059】
また、本実施の形態によれば、需要者は紙媒体のお薬手帳に印刷されたQRコードを読み取ることでお薬手帳アプリをダウンロードでき、紙面画像送信部305のガイダンスに従って紙媒体に記録された情報をデジタル化することができる。デジタル化された情報はお薬手帳アプリでも引き続き使用できるので、紙媒体のお薬手帳からお薬手帳アプリに移行する際に感じるかもしれない面倒くささや不安といった心理的・技術的なコストを抑制することができる。これにより、需要者サイドでもお薬手帳アプリへの移行が従来よりもスムーズに実現する。
【0060】
なお、本実施の形態ではコンテンツ提供部201、供給者識別子取得部202、インセンティブ提供部203がサーバ20に集約された形態を開示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、コンテンツ提供部201、供給者識別子取得部202、インセンティブ提供部203がそれぞれ別のサーバに実装されていても構わない。
【0061】
また、本実施の形態ではサーバ20と医療健康情報サーバ40とを別のサーバとした形態を開示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、医療健康情報蓄積部401はサーバ20内に実装されていても良い。
【0062】
また、本発明は、ハードウェアにより実現することも可能であり、任意の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。この場合、コンピュータプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【符号の説明】
【0063】
1 情報管理システム
10 コード付き媒体
20 サーバ
201 コンテンツ提供部
202 供給者識別子取得部
203 インセンティブ提供部
30 端末装置
301 カメラ
302 コード解析部
303 コンテンツ取得部
304 供給者識別子送信部
305 紙面画像送信部
40 医療健康情報サーバ
401 医療健康情報蓄積部