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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055247
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】間欠エア吐出用流体回路
(51)【国際特許分類】
   F15B 21/12 20060101AFI20240411BHJP
【FI】
F15B21/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162013
(22)【出願日】2022-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】000102511
【氏名又は名称】SMC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】高井 秀憲
【テーマコード(参考)】
3H082
【Fターム(参考)】
3H082AA17
3H082AA23
3H082BB15
3H082CC03
3H082DB06
3H082DB34
3H082DD03
3H082DE05
3H082EE20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】主弁およびパイロット弁の安定した動作が確保される簡欠エア吐出回路を提供する。
【解決手段】間欠エア吐出用流体回路10は、吐出用パイロット室14を備えた主弁12と、給気用パイロット室20を備えたパイロット弁18とを含む。主弁12は、エア室70がエア供給源30に接続されるとともに吐出口36が大気に開放される第1位置と、給気用パイロット室20が大気に開放されるとともに吐出口36がエア供給源30に接続される第2位置との間で切り換えられる。パイロット弁18は、吐出用パイロット室14が大気に開放される第1位置と、吐出用パイロット室14がエア供給源30に接続される第2位置との間で切り換えられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エア吐出装置の吐出口から間欠的にエアを吐出するための間欠エア吐出用流体回路であって、
吐出用パイロット室を備えた主弁と、給気用パイロット室を備えたパイロット弁とを含み、前記主弁は、前記給気用パイロット室がエア供給源に接続されるとともに前記吐出口が大気に開放される第1位置と、前記給気用パイロット室が大気に開放されるとともに前記吐出口がエア供給源に接続される第2位置との間で切り換えられ、前記パイロット弁は、前記吐出用パイロット室が大気に開放される第1位置と、前記吐出用パイロット室がエア供給源に接続される第2位置との間で切り換えられる間欠エア吐出用流体回路。
【請求項2】
請求項1記載の間欠エア吐出用流体回路において、
前記給気用パイロット室と前記主弁とを接続する流路に第1絞り弁が配置され、前記吐出用パイロット室と前記パイロット弁とを接続する流路に第2絞り弁が配置される間欠エア吐出用流体回路。
【請求項3】
請求項2記載の間欠エア吐出用流体回路において、
前記第1絞り弁と並列に第1チェック弁が配置され、前記第2絞り弁と並列に第2チェック弁が配置される間欠エア吐出用流体回路。
【請求項4】
請求項1記載の間欠エア吐出用流体回路において、
前記吐出口、前記給気用パイロット室および前記吐出用パイロット室は、同一のエア供給源に接続される間欠エア吐出用流体回路。
【請求項5】
請求項1記載の間欠エア吐出用流体回路において、
前記吐出口は、第1エア供給源に接続され、前記給気用パイロット室および前記吐出用パイロット室は、第2エア供給源に接続される間欠エア吐出用流体回路。
【請求項6】
請求項5記載の間欠エア吐出用流体回路において、
前記給気用パイロット室および前記吐出用パイロット室は、外部パイロット弁を介して前記第2エア供給源に接続される間欠エア吐出用流体回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮空気等のエアを間欠的に吐出するための間欠エア吐出用流体回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ワーク等の対象物に向けて圧縮空気を間欠的に吐出する装置において、エアオペレート式の主弁およびエアオペレート式のパイロット弁を含む流体回路を用いることが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、給気ポートと吐出ポートの連通および遮断を切り換える主弁と、主弁の吐出用パイロット室に圧縮空気を供給する状態と供給しない状態に切り換えるパイロット弁とを有する間欠エア吐出装置が記載されている。この間欠エア吐出装置では、給気ポートに供給される圧縮空気が主弁の吐出用パイロット室およびパイロット弁の給気停止用パイロット室に供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6289358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の間欠エア吐出装置では、給気ポートに供給される圧縮空気が主弁のパイロット室およびパイロット弁のパイロット室に同時に供給されるので、主弁が切り換わる前にパイロット弁が切り換わる可能性がある。また、給気ポートに供給される圧縮空気は、吐出ポートから吐出されているので、主弁のパイロット室およびパイロット弁のパイロット室には、圧力降下が生じた圧縮空気が供給される可能性がある。これらを要因として、主弁およびパイロット弁の動作が不安定になるおそれがある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、エア吐出装置の吐出口から間欠的にエアを吐出するための間欠エア吐出用流体回路であって、吐出用パイロット室を備えた主弁と、給気用パイロット室を備えたパイロット弁とを含む。主弁は、給気用パイロット室がエア供給源に接続されるとともに吐出口が大気に開放される第1位置と、給気用パイロット室が大気に開放されるとともに吐出口がエア供給源に接続される第2位置との間で切り換えられる。パイロット弁は、吐出用パイロット室が大気に開放される第1位置と、吐出用パイロット室がエア供給源に接続される第2位置との間で切り換えられる。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る間欠エア吐出用流体回路によれば、主弁は、パイロット弁が切り換わった後でなければ切り換わらない。また、エアの吐出によって圧力降下が生じても、該圧力降下がパイロット弁および主弁の動作に影響を及ぼすことがない。このため、主弁およびパイロット弁の安定した動作が確保される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る間欠エア吐出用流体回路を示す図である。
図2図2は、図1の間欠エア吐出用流体回路において、パイロット弁が切り換わった状態を示す図である。
図3図3は、図2の間欠エア吐出用流体回路において、主弁が切り換わった状態を示す図である。
図4図4は、図3の間欠エア吐出用流体回路において、パイロット弁が切り換わった状態を示す図である。
図5図5は、本発明の第2実施形態に係る間欠エア吐出用流体回路を示す図である。
図6図6は、本発明の第3実施形態に係る間欠エア吐出用流体回路を示す図である。
図7図7は、本発明の主弁およびパイロット弁の具体的な構造例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る間欠エア吐出用流体回路10について、図1図4を参照しながら説明する。
【0011】
図1に示されるように、間欠エア吐出用流体回路10は、吐出用パイロット室14を備えた主弁12と、給気用パイロット室20を備えたパイロット弁18とを含む。間欠エア吐出用流体回路10は、例えば、ワークに向けてエアを間欠的に吐出し、ワークに付着した塵埃等の異物を除去するエア吐出装置(図示せず)に用いられる。
【0012】
主弁12とパイロット弁18との間には、第1連携流路24および第2連携流路26が配置されている。主弁12、パイロット弁18およびエア供給源30の相互間には、第1~第4給気流路28a~28dが配置されている。第1給気流路28aの一端は、エア供給源30に接続され、第1給気流路28aの他端は、第2給気流路28b、第3給気流路28cおよび第4給気流路28dに接続される。第2給気流路28bおよび第3給気流路28cは、主弁12に接続される。第4給気流路28dは、パイロット弁18に接続される。
【0013】
第3給気流路28cは、パイロット弁18の給気用パイロット室20にエアを供給するための流路である。第4給気流路28dは、主弁12の吐出用パイロット室14にエアを供給するための流路である。なお、第1給気流路28aの一端は、エア供給源30に常時接続されているが、エア供給源30との接続および非接続を切り換える電磁弁を介してエア供給源30に接続されてもよい。
【0014】
主弁12は、第1~第5ポート16a~16eを有する。第1ポート16aは、エア吐出装置の吐出口36に繋がっている。第2ポート16bは、第1連携流路24を介してパイロット弁18の給気用パイロット室20に繋がっている。第3ポート16cは、第2給気流路28bおよび第1給気流路28aを介して、エア供給源30に繋がっている。第4ポート16dは、第1排気口32に繋がっている。第5ポート16eは、第3給気流路28cおよび第1給気流路28aを介して、エア供給源30に繋がっている。
【0015】
主弁12は、第1位置と第2位置との間で切り換えられる。主弁12が第1位置にあるとき、第1ポート16aと第4ポート16dが相互に連通し、第2ポート16bと第5ポート16eが相互に連通する(図1および図2参照)。主弁12が第2位置にあるとき、第1ポート16aと第3ポート16cが相互に連通し、第2ポート16bと第4ポート16dが相互に連通する(図3および図4参照)。
【0016】
主弁12は、吐出用パイロット室14のエアが排気されると第1位置に切り換わり、吐出用パイロット室14にエアが供給されると第2位置に切り換わる。主弁12が第1位置にあるとき、パイロット弁18の給気用パイロット室20がエア供給源30に接続され、吐出口36が第1排気口32を通じて大気に開放される。主弁12が第2位置にあるとき、パイロット弁18の給気用パイロット室20が第1排気口32を通じて大気に開放され、吐出口36がエア供給源30に接続される。
【0017】
パイロット弁18は、第1~第3ポート22a~22cを有する。第1ポート22aは、第2連携流路26を介して主弁12の吐出用パイロット室14に繋がっている。第2ポート22bは、第4給気流路28dおよび第1給気流路28aを介してエア供給源30に繋がっている。第3ポート22cは、第2排気口34に繋がっている。
【0018】
パイロット弁18は、第1位置と第2位置との間で切り換えられる。パイロット弁18が第1位置にあるとき、第1ポート22aと第3ポート22cが相互に連通し、第1ポート22aと第2ポート22bとの連通が遮断される(図1および図4参照)。パイロット弁18が第2位置にあるとき、第1ポート22aと第2ポート22bが相互に連通し、第1ポート22aと第3ポート22cとの連通が遮断される(図2および図3参照)。
【0019】
パイロット弁18は、給気用パイロット室20のエアが排気されると第1位置に切り換わり、給気用パイロット室20にエアが供給されると第2位置に切り換わる。パイロット弁18が第1位置にあるとき、主弁12の吐出用パイロット室14が第2排気口34を通じて大気に開放される。パイロット弁18が第2位置にあるとき、主弁12の吐出用パイロット室14がエア供給源30に接続される。
【0020】
なお、参照符号70で示されるのは、吐出用パイロット室14と対抗してエア圧を作用させるためのエア室であり、参照符号82で示されるのは、給気用パイロット室20と対抗してエア圧を作用させるためのパイロットエア室である。エア室70およびパイロットエア室82には、主弁12およびパイロット弁18の切換位置とは関係なく、エア供給源30からエアが供給されている。
【0021】
次に、間欠エア吐出用流体回路10の動作について説明する。図1に示されるように、主弁12が第1位置にあり、パイロット弁18が第1位置にある状態を初期状態とする。第1給気流路28aの一端がエア供給源30に常時接続されている場合を想定する。初期状態においてエア供給源30は停止されている。
【0022】
エア供給源30が稼働を開始すると、エア供給源30からのエアは、第1給気流路28a、第3給気流路28c、主弁12および第1連携流路24を経て、パイロット弁18の給気用パイロット室20に供給される。これにより、図2に示されるように、パイロット弁18が第1位置から第2位置に切り換わる。なお、第1給気流路28aの一端が電磁弁を介してエア供給源30に接続される場合は、エア供給源30が稼働していることを前提として、上記「エア供給源30が稼働を開始する」を「電磁弁が開位置に切り換わって第1給気流路28aがエア供給源30に接続される」と読み替える。
【0023】
パイロット弁18が第2位置に切り換わると、エア供給源30からのエアは、第1給気流路28a、第4給気流路28d、パイロット弁18および第2連携流路26を経て、主弁12の吐出用パイロット室14に供給される。これにより、図3に示されるように、主弁12が第1位置から第2位置に切り換わる。
【0024】
主弁12が第2位置に切り換わると、エア供給源30からのエアは、第1給気流路28a、第2給気流路28bおよび主弁12を経て、吐出口36から吐出される。これと同時に、パイロット弁18の給気用パイロット室20のエアは、第1連携流路24および主弁12を経て、第1排気口32から排気される。これにより、図4に示されるように、パイロット弁18が第2位置から第1位置に切り換わる。
【0025】
パイロット弁18が第1位置に切り換わると、主弁12の吐出用パイロット室14のエアは、第2連携流路26およびパイロット弁18を経て、第2排気口34から排気される。これにより、図1に示されるように、主弁12が第2位置から第1位置に切り換わる。エア供給源30が稼働している間、以上の動作が周期的に繰り返され、吐出口36からエアが間欠的に吐出される。なお、第1給気流路28aの一端が電磁弁を介してエア供給源30に接続される場合は、上記「エア供給源30が稼働している間」を「電磁弁が開位置にある間」と読み替える。
【0026】
本実施形態に係る間欠エア吐出用流体回路10によれば、第1位置にある主弁12は、パイロット弁18が第1位置から第2位置に切り換わった後でなければ、第2位置に切り換わらない。また、第2位置にある主弁12は、パイロット弁18が第2位置から第1位置に切り換わった後でなければ、第1位置に切り換わらない。このため、主弁12の安定した動作が確保される。
【0027】
また、主弁12が第1位置に切り換わった後において、エア供給源30からのエアは、パイロット弁18の給気用パイロット室20、および主弁12の吐出用パイロット室14に供給されるとき、吐出口36からは吐出されない。このため、パイロット弁18の給気用パイロット室20、および主弁12の吐出用パイロット室14に供給されるエアに圧力降下が生じることはない。
【0028】
一方、主弁12が第2位置に切り換わった後において、エア供給源30からのエアは、吐出口36から吐出されるとともに、パイロット弁18のパイロットエア室82、および主弁12のエア室70にも供給されている。このとき、圧力降下が生じたエアがパイロットエア室82、エア室70に供給される可能性があるが、この圧力降下が次の切り換え(第2位置から第1位置への切り換え)に及ぼす影響は極めて小さいと考えられる。パイロット弁18の給気用パイロット室20、および主弁12の吐出用パイロット室14のエアが排気されて大気開放状態となれば、パイロット弁18および主弁12を第2位置に付勢する残留圧力がほとんど存在しないからである。残留圧力がほとんど存在しないため、パイロットエア室82とエア室70へエアが供給されていれば、主弁12およびパイロット弁18は確実に第1位置へ切り換わる。以上のことから、主弁12およびパイロット弁18の安定した動作が確保される。
【0029】
なお、上記実施形態においては、主弁12とパイロット弁18を第2位置から第1位置へと切り換えるためにエア供給源30からのエアを利用した。それに代えて、例えばスプリングまたはエアとスプリングの複合等の付勢部材を利用することもできる。その場合、圧力降下の影響をさらに取り除くことができる。
【0030】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る間欠エア吐出用流体回路40について、図5を参照しながら説明する。第2実施形態に係る間欠エア吐出用流体回路40は、主弁12およびパイロット弁18の動作頻度を調整する回路が追加されている点で、第1実施形態に係る間欠エア吐出用流体回路10と異なる。なお、第1実施形態に係る間欠エア吐出用流体回路10と同一または同等の構成要素には同一の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0031】
第1連携流路24の途中に第1可変絞り弁42が配置され、第1可変絞り弁42をバイパスする流路に第1チェック弁44が配置される。すなわち、第1可変絞り弁42と並列に第1チェック弁44が配置される。第1チェック弁44は、パイロット弁18の給気用パイロット室20から主弁12の第2ポート16bに向かうエアの流れを許容し、主弁12の第2ポート16bからパイロット弁18の給気用パイロット室20に向かうエアの流れを阻止する。このため、エア供給源30からパイロット弁18の給気用パイロット室20に供給されるエアの流量は、第1可変絞り弁42で設定された流路面積に応じて制限される。
【0032】
第2連携流路26の途中に第2可変絞り弁46が配置され、第2可変絞り弁46をバイパスする流路に第2チェック弁48が配置される。すなわち、第2可変絞り弁46と並列に第2チェック弁48が配置される。第2チェック弁48は、パイロット弁18の第1ポート22aから主弁12の吐出用パイロット室14に向かうエアの流れを許容し、主弁12の吐出用パイロット室14からパイロット弁18の第1ポート22aに向かうエアの流れを阻止する。このため、主弁12の吐出用パイロット室14から第2排気口34に向けて排出されるエアの流量は、第2可変絞り弁46で設定された流路面積に応じて制限される。
【0033】
給気用パイロット室20に供給されるエアの流量が小さいほど、給気用パイロット室20の圧力上昇速度が小さく、主弁12が第1位置に切り換わってからパイロット弁18が第2位置に切り換わるまでの時間(T1)が長い。吐出用パイロット室14から排出されるエアの流量が小さいほど、パイロット弁18が第1位置に切り換わってから主弁12が第1位置に切り換わるまでの時間(T2)が長い。
【0034】
T1およびT2が長いほど、主弁12およびパイロット弁18の動作頻度が少ない。T1は、吐出口36からエアが吐出されない時間帯に含まれるので、T1が長いほど、吐出口36から吐出されるエアの流量が小さい。一方、T2は、吐出口36から吐出される時間帯に含まれるので、T2が長いほど、吐出口36から吐出されるエアの流量が大きい。吐出口36から吐出されるエアの流量を大きくするためには、T1を短くし、T2を長くすればよい。換言すれば、吐出口36から吐出されるエアの流量を大きくするためには、第1可変絞り弁42で設定される流路面積を大きくし、第2可変絞り弁46で設定される流路面積を小さくすればよい。
【0035】
本実施形態に係る間欠エア吐出用流体回路40によれば、主弁12およびパイロット弁18の動作頻度を調整することができ、また、吐出口36から吐出されるエアの流量を調整することができる。
【0036】
主弁12およびパイロット弁18の具体的な構造例が図7に示されている。主弁12は、ボデイ60、スリーブ62およびスプール64を含む。パイロット弁18は、パイロットボデイ74、パイロットスリーブ76およびパイロットスプール78を含む。
【0037】
ボデイ60は、第1~第5ポート16a~16eを備える。スリーブ62は、ボデイ60の内部に固定される。スプール64がスリーブ62の内側を摺動することによって、第1~第5ポート16a~16eの接続関係が変わる。図7に示されるように、スプール64が左方の移動端にあるとき、第1ポート16aと第4ポート16dが相互に連通し、第2ポート16bと第5ポート16eが相互に連通する。すなわち、図7は、主弁12が第1位置にあることを示す。スプール64が右方に移動すると、第1ポート16aと第3ポート16cが相互に連通し、第2ポート16bと第4ポート16dが相互に連通する。すなわち、主弁12は第2位置に切り換わる。
【0038】
スプール64の左端に第1ピストン66が当接する。吐出用パイロット室14は、第1ピストン66の左方に形成されている。スプール64の右端に第2ピストン68が当接する。第2ピストン68の右方には、第3ポート16cと連通するエア室70が形成されている。エア室70には、第2ピストン68を左方に付勢するスプリング72が配置される。
【0039】
パイロットボデイ74は、第1~第3ポート22a~22cを備える。パイロットスリーブ76は、パイロットボデイ74の内部に固定される。パイロットスプール78がパイロットスリーブ76の内側を摺動することによって、第1~第3ポート22a~22cの接続関係が変わる。図7に示されるように、パイロットスプール78が右方の移動端にあるとき、第1ポート22aと第3ポート22cが相互に連通する。すなわち、図7は、パイロット弁18が第1位置にあることを示す。パイロットスプール78が左方に移動すると、第1ポート22aと第2ポート22bが相互に連通し、パイロット弁18が第2位置に切り換わる。
【0040】
パイロットスプール78の右端にパイロットピストン80が当接する。給気用パイロット室20は、パイロットピストン80の右方に形成されている。パイロットスプール78の左方には、第2ポート22bと連通するパイロットエア室82が形成されている。パイロットエア室82には、パイロットスプール78を右方に付勢するパイロットスプリング84が配置される。なお、スプリング72およびパイロットスプリング84は、必ずしも必要な部材ではない。
【0041】
図7の構造例は、第1実施形態に係る間欠エア吐出用流体回路10および後述する第3実施形態に係る間欠エア吐出用流体回路50にも適用できる。なお、図7の構造例では、パイロット弁18の第2ポート22bは、第4給気流路28dおよび第3給気流路28cを介して、エア供給源30に接続されている。
【0042】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る間欠エア吐出用流体回路50について、図6を参照しながら説明する。第3実施形態に係る間欠エア吐出用流体回路50は、主弁12に接続される第1エア供給源54と、主弁12およびパイロット弁18に接続される第2エア供給源56とを備える点で、第2実施形態に係る間欠エア吐出用流体回路40と異なる。また、第3実施形態に係る間欠エア吐出用流体回路50は、外部パイロット弁58を備える点で、第2実施形態に係る間欠エア吐出用流体回路40と異なる。なお、第2実施形態に係る間欠エア吐出用流体回路40と同一または同等の構成要素には同一の参照符号を付してある。
【0043】
主弁12とパイロット弁18との間には、第1連携流路24および第2連携流路26が配置されている。主弁12と第1エア供給源54との間には、第1給気流路52aが配置されている。第1給気流路52aは、第1エア供給源54に常時接続されている。主弁12、パイロット弁18および第2エア供給源56の相互間には、第2給気流路52b、第3給気流路52cおよび第4給気流路52dが配置されている。第2給気流路52bの一端は、第2エア供給源56に接続され、第2給気流路52bの他端は、第3給気流路52cおよび第4給気流路52dに接続される。第3給気流路52cは、主弁12に接続される。第4給気流路52dは、パイロット弁18に接続される。第2給気流路52bの途中に外部パイロット弁58が配置されている。
【0044】
主弁12は、第1~第5ポート16a~16eを有する。第1ポート16aは、吐出口36に繋がっている。第2ポート16bは、第1連携流路24を介して、パイロット弁18の給気用パイロット室20に繋がっている。第3ポート16cは、第1給気流路52aを介して第1エア供給源54に繋がっている。第4ポート16dは、第1排気口32に繋がっている。第5ポート16eは、第3給気流路52cおよび第2給気流路52bを介して、第2エア供給源56に繋がっている。
【0045】
パイロット弁18は、第1~第3ポート22a~22cを有する。第1ポート22aは、第2連携流路26を介して主弁12の吐出用パイロット室14に繋がっている。第2ポート22bは、第4給気流路52dおよび第2給気流路52bを介して、第2エア供給源56に繋がっている。第3ポート22cは、第2排気口34に繋がっている。
【0046】
主弁12は、第1位置と第2位置との間で切り換えられる。主弁12が第1位置にあるとき、第1ポート16aと第4ポート16dが相互に連通し、第2ポート16bと第5ポート16eが相互に連通する。主弁12が第2位置にあるとき、第1ポート16aと第3ポート16cが相互に連通し、第2ポート16bと第4ポート16dが相互に連通する。
【0047】
主弁12は、吐出用パイロット室14のエアが排気されると第1位置に切り換わり、吐出用パイロット室14にエアが供給されると第2位置に切り換わる。主弁12が第1位置にあるとき、パイロット弁18の給気用パイロット室20が外部パイロット弁58を介して第2エア供給源56に接続され、吐出口36が第1排気口32を通じて大気に開放される。主弁12が第2位置にあるとき、パイロット弁18の給気用パイロット室20が第1排気口32を通じて大気に開放され、吐出口36が第1エア供給源54に接続される。
【0048】
パイロット弁18は、第1位置と第2位置との間で切り換えられる。パイロット弁18が第1位置にあるとき、第1ポート22aと第3ポート22cが相互に連通し、第1ポート22aと第2ポート22bとの連通が遮断される。パイロット弁18が第2位置にあるとき、第1ポート22aと第2ポート22bが相互に連通し、第1ポート22aと第3ポート22cとの連通が遮断される。
【0049】
外部パイロット弁58は、2ポート弁として構成され、閉位置と開位置との間で切り換えられる。外部パイロット弁58が開位置にあるとき、第2エア供給源56は、主弁12の第5ポート16eおよびパイロット弁18の第2ポート22bに接続される。外部パイロット弁58が閉位置にあるとき、第2エア供給源56と主弁12の第5ポート16eとの接続が遮断され、第2エア供給源56とパイロット弁18の第2ポート22bとの接続が遮断される。外部パイロット弁58は、吐出口36からのエアの吐出動作の開始および停止を制御する。
【0050】
パイロット弁18は、給気用パイロット室20のエアが排気されると第1位置に切り換わり、給気用パイロット室20にエアが供給されると第2位置に切り換わる。パイロット弁18が第1位置にあるとき、主弁12の吐出用パイロット室14が第2排気口34を通じて大気に開放される。パイロット弁18が第2位置にあり、かつ、外部パイロット弁58が開位置にあるとき、主弁12の吐出用パイロット室14が第2エア供給源56に接続される。
【0051】
次に、間欠エア吐出用流体回路50の動作について説明する。初期状態において、第1エア供給源54および第2エア供給源56は稼働しており、外部パイロット弁58は閉位置にある。また、主弁12は第1位置にあり、パイロット弁18は第1位置にある。吐出口36からエアは吐出されていない。
【0052】
外部パイロット弁58が開位置になると、第2エア供給源56からのエアは、第2給気流路52b、第3給気流路52c、主弁12および第1連携流路24を経て、パイロット弁18の給気用パイロット室20に供給される。これにより、パイロット弁18が第1位置から第2位置に切り換わる。
【0053】
パイロット弁18が第2位置に切り換わると、第2エア供給源56からのエアは、第2給気流路52b、第4給気流路52d、パイロット弁18および第2連携流路26を経て、主弁12の吐出用パイロット室14に供給される。これにより、主弁12が第1位置から第2位置に切り換わる。
【0054】
主弁12が第2位置に切り換わると、第1エア供給源54からのエアは、第1給気流路52aおよび主弁12を経て、吐出口36から吐出される。これと同時に、パイロット弁18の給気用パイロット室20のエアは、第1連携流路24および主弁12を経て、第1排気口32から排気される。これにより、パイロット弁18が第2位置から第1位置に切り換わる。
【0055】
パイロット弁18が第1位置に切り換わると、主弁12の吐出用パイロット室14のエアは、第2連携流路26およびパイロット弁18を経て、第2排気口34から排気される。これにより、主弁12が第2位置から第1位置に切り換わる。外部パイロット弁58が開位置にある間、以上の動作が周期的に繰り返され、吐出口36からエアが間欠的に吐出される。
【0056】
外部パイロット弁58が閉位置に切り換わると、パイロット弁18の第2ポート22bに対するエアの供給が停止する。このため、パイロット弁18が第2位置にあるときは、主弁12の吐出用パイロット室14へのエアの供給が停止する。主弁12の吐出用パイロット室14へのエアの供給が停止すると、主弁12が第2位置にあって吐出口36からエアが吐出されていた場合、パイロット弁18の給気用パイロット室20のエアの排気が進行してパイロット弁18が第1位置に切り換わる。
【0057】
パイロット弁18が第1位置に切り換わると、主弁12の吐出用パイロット室14のエアが速やかに排気されて、主弁12が第1位置に切り換わり、吐出口36からのエアの吐出が停止する。その後、主弁12の吐出用パイロット室14にエアが供給されることはないので、吐出口36からエアが吐出されない状態が確実に維持される。
【0058】
本実施形態に係る間欠エア吐出用流体回路50によれば、吐出口36から吐出されるエアの流量を第1エア供給源54の能力に基づいて決めることができる。また、主弁12の吐出用パイロット室14に供給するエアの流量、および、パイロット弁18の給気用パイロット室20に供給するエアの流量を第2エア供給源56の能力に基づいて決めることができる。このため、吐出口36から大流量のエアを吐出させる場合に有用である。
【0059】
本発明は、上述した実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
【符号の説明】
【0060】
10、40、50…間欠エア吐出用流体回路
12…主弁 14…吐出用パイロット室
18…パイロット弁 20…給気用パイロット室
24…第1連携流路(流路) 26…第2連携流路(流路)
30…エア供給源 36…吐出口
42…第1可変絞り弁(第1絞り弁) 44…第1チェック弁
46…第2可変絞り弁(第2絞り弁) 48…第2チェック弁
54…第1エア供給源 56…第2エア供給源
58…外部パイロット弁
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