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特開2024-55251音声取得アダプタ装置および音声取得システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055251
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】音声取得アダプタ装置および音声取得システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20240411BHJP
   H04M 11/10 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
H04M1/00 U
H04M11/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162024
(22)【出願日】2022-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】522395772
【氏名又は名称】テクノロジー・リンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128451
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 隆一
(72)【発明者】
【氏名】戸根 塁
(72)【発明者】
【氏名】平藤 守
【テーマコード(参考)】
5K127
5K201
【Fターム(参考)】
5K127AA36
5K127BA03
5K127CB41
5K127DA15
5K127GB64
5K201AA07
5K201CA01
5K201CB16
5K201EC06
5K201ED05
5K201ED07
(57)【要約】
【課題】携帯電話機などの音声通話端末装置における通話内容を簡易かつ安全に保存することができる音声取得アダプタ装置および音声取得システムを提供する。
【解決手段】音声通話端末装置20と無線通信を行う第1通信部11と、音声入出力装置30と無線通信を行う第2通信部12と、第1通信部11と第2通信部12との間における音声信号の送受信を制御する制御部13とを備え、制御部13が、第1通信部11と第2通信部12との間における音声信号を取得し、その取得した音声信号を外部装置40に出力する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声通話端末装置と無線通信を行う第1通信部と、
音声入出力装置、音声入力装置または音声出力装置と無線通信を行う第2通信部と、
前記第1通信部と前記第2通信部との間における音声信号の送受信を制御する制御部とを備え、
前記制御部が、前記第1通信部と前記第2通信部との間における音声信号を取得し、該取得した音声信号を外部装置に出力する音声取得アダプタ装置。
【請求項2】
前記音声通話端末装置と前記第1通信部とがBluetooth(登録商標)接続されるとともに、前記音声入出力装置、前記音声入力装置または前記音声出力装置と前記第2通信部とがBluetooth(登録商標)接続される請求項1記載の音声取得アダプタ装置。
【請求項3】
前記制御部が、前記外部装置から前記音声通話端末装置の操作信号を取得し、前記操作信号を前記第1通信部を経由して前記音声通話端末装置に出力する請求項1記載の音声取得アダプタ装置。
【請求項4】
前記制御部が、前記音声通話端末装置の動作信号を前記第1通信部を経由して取得し、前記動作信号を前記外部装置に出力する請求項1記載の音声取得アダプタ装置。
【請求項5】
前記制御部が、前記音声入出力装置における操作信号を前記第2通信部を経由して取得し、前記操作信号を前記外部装置に出力する請求項1記載の音声取得アダプタ装置。
【請求項6】
前記制御部が、前記外部装置から出力された外部音声信号を取得し、該取得した外部音声信号を前記第2通信部を経由して前記音声入出力装置または前記音声出力装置に出力する請求項1記載の音声取得アダプタ装置。
【請求項7】
前記制御部が、前記第1通信部と前記第2通信部との間における音声信号を無線信号として前記外部装置に出力する請求項1記載の音声取得アダプタ装置。
【請求項8】
前記制御部が、前記第1通信部と前記第2通信部との間における音声信号の送受信と前記第1通信部と前記第2通信部との間における音声信号の前記外部装置への出力をリアルタイムに行う請求項1記載の音声取得アダプタ装置。
【請求項9】
可搬性を有する請求項1記載の音声取得アダプタ装置。
【請求項10】
請求項1から9いずれか1項記載の音声取得アダプタ装置と、
前記音声取得アダプタ装置から出力された音声信号を受信する前記外部装置とを備えた音声取得システム。
【請求項11】
前記外部装置が、受信した音声信号を電子ファイル化する電子ファイル生成部を備えた請求項10記載の音声取得システム。
【請求項12】
前記外部装置が、受信した音声信号を音声認識してテキスト化するテキスト生成部を備えた請求項10記載の音声取得システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機などの音声通話端末装置での通話内容を保存するための音声取得アダプタ装置および音声取得システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、スマートフォンなどの携帯電話機での通話内容を録音する方法が種々提案されている。
【0003】
たとえば特許文献1においては、アダプタ装置を用いて携帯電話機自体に通話内容を録音することが提案されている。また、特許文献2および特許文献3においては、携帯電話機に接続されるヘッドセットに通話内容を録音することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6262910号公報
【特許文献2】特開2006-86747号公報
【特許文献3】特開2005-295253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、たとえば特許文献1に記載の方法のように携帯電話機に通話内容を録音したり、特許文献2および特許文献3に記載の方法のようにヘッドセットに通話内容を録音したのでは、たとえば携帯電話機やヘッドセットを紛失した場合、通話内容の録音も確認することができなくなる。
【0006】
また、他人に携帯電話機やヘッドセットが拾われた場合、録音された通話内容が漏洩してしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑み、携帯電話機などの音声通話端末装置における通話内容を簡易かつ安全に保存することができる音声取得アダプタ装置および音声取得システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の音声取得アダプタ装置は、音声通話端末装置と無線通信を行う第1通信部と、音声入出力装置、音声入力装置または音声出力装置と無線通信を行う第2通信部と、第1通信部と第2通信部との間における音声信号の送受信を制御する制御部とを備え、制御部が、第1通信部と第2通信部との間における音声信号を取得し、その取得した音声信号を外部装置に出力する。
【0009】
また、本発明の音声取得アダプタ装置においては、音声通話端末装置と第1通信部とをBluetooth(登録商標)接続するとともに、音声入出力装置、音声入力装置または音声出力装置と第2通信部とをBluetooth(登録商標)接続することができる。
【0010】
また、本発明の音声取得アダプタ装置において、制御部は、外部装置から音声通話端末装置の操作信号を取得し、操作信号を第1通信部を経由して音声通話端末装置に出力することができる。
【0011】
また、本発明の音声取得アダプタ装置において、制御部は、音声通話端末装置の動作信号を第1通信部を経由して取得し、その動作信号を外部装置に出力することができる。
【0012】
また、本発明の音声取得アダプタ装置において、制御部は、音声入出力装置における操作信号を第2通信部を経由して取得し、その操作信号を外部装置に出力することができる。
【0013】
また、本発明の音声取得アダプタ装置において、制御部は、外部装置から出力された外部音声信号を取得し、その取得した外部音声信号を第2通信部を経由して音声入出力装置または音声出力装置に出力することができる。
【0014】
また、本発明の音声取得アダプタ装置において、制御部は、第1通信部と第2通信部との間における音声信号を無線信号として外部装置に出力することができる。
【0015】
また、本発明の音声取得アダプタ装置において、制御部は、第1通信部と第2通信部との間における音声信号の送受信と第1通信部と第2通信部との間における音声信号の外部装置への出力をリアルタイムに行うことができる。
【0016】
また、本発明の音声取得アダプタ装置は、可搬性を有することができる。
【0017】
本発明の音声取得システムは、上記本発明の音声取得アダプタ装置と、音声取得アダプタ装置から出力された音声信号を受信する外部装置とを備える。
【0018】
また、本発明の音声取得システムにおいて、外部装置は、受信した音声信号を電子ファイル化する電子ファイル生成部を備えることができる。
【0019】
また、本発明の音声取得システムにおいて、外部装置は、受信した音声信号を音声認識してテキスト化するテキスト生成部を備えることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の音声取得アダプタ装置および音声取得システムによれば、音声通話端末装置と無線通信を行う第1通信部と、音声入出力装置等と無線通信を行う第2通信部と、第1通信部と第2通信部との間における音声信号の送受信を制御する制御部とを備え、制御部が、第1通信部と第2通信部との間における音声信号を取得し、その取得した音声信号を外部装置に出力するようにしたので、音声通話端末装置における通話内容を音声信号を、たとえばPCなどの外部装置に保存することができる。これにより、音声通話端末装置における通話内容を簡易かつ安全に保存することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の音声取得システムの一実施形態の概略構成を示すブロック図
図2】本発明の音声取得システムの一実施形態の第1の使用例を説明するための図
図3】本発明の音声取得システムの一実施形態の第2の使用例を説明するための図
図4】本発明の音声取得システムの一実施形態の第3の使用例を説明するための図
図5】本発明の音声取得システムの一実施形態の第3の使用例の変形例を説明するための図
図6】本発明の音声取得システムの一実施形態の第4の使用例の変形例を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の音声取得アダプタ装置の一実施形態を用いた音声取得システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施形態の音声取得システム1の概略構成図である。
【0023】
本実施形態の音声取得システム1は、図1に示すように、音声取得アダプタ装置10と、音声通話端末装置20と、音声入出力装置30と、外部装置40とを備えている。
【0024】
音声通話端末装置20は、たとえばスマートフォンなどの携帯電話機である。ただし、携帯電話機に限らず、たとえば音声通話が可能なタブレット端末やPCなど音声通話が可能な装置であれば如何なる装置でもよい。
【0025】
音声入出力装置30は、たとえばヘッドセットやマイク付きイヤホンであり、音声の入力と音声の出力が可能である装置であれば如何なる装置でもよい。
【0026】
そして、音声通話端末装置20が受信した通話相手の音声信号は、音声取得アダプタ装置10を経由して音声入出力装置30に送信され、音声入出力装置30のスピーカーなどの音声出力部から出力される。
【0027】
また、音声入出力装置30のマイクなどの音声入力部から入力された音声信号は、音声取得アダプタ装置10を経由して音声通話端末装置20によって受信され、音声通話端末装置20は、受信した音声信号を通話相手の携帯電話機などに向けて送信する。
【0028】
そして、本実施形態の音声取得アダプタ装置10は、音声通話端末装置20と音声入出力装置30との間で送受信される音声信号を取得し、その音声信号を外部装置40に出力する。
【0029】
音声取得アダプタ装置10は、具体的には、図1に示すように、第1通信部11と、第2通信部12と、制御部13とを備える。
【0030】
第1通信部11は、音声通話端末装置20と無線通信を行って、音声通話端末装置20から送信された音声信号を制御部13に出力するとともに、制御部13から出力された音声信号を音声通話端末装置20に送信する。本実施形態においては、第1通信部11と音声通話端末装置20と間はBluetooth接続される。ただし、無線通信としては、Bluetoothに限らず、たとえばWi-Fiなどの無線LANや赤外線などその他の近距離無線通信であれば如何なるものでもよい。
【0031】
第2通信部12は、音声入出力装置30と無線通信を行って、音声入出力装置30から送信された音声信号を制御部13に出力するとともに、制御部13から出力された音声信号を音声入出力装置30に送信する。本実施形態においては、第2通信部12と音声通話端末装置20と間はBluetooth接続される。ただし、第1通信部11と同様に、無線通信としては、Bluetoothに限らず、たとえばWi-Fiなどの無線LANや赤外線などその他の近距離無線通信であれば如何なるものでもよい。
【0032】
制御部13は、CPU(Central Processing Unit)、半導体メモリおよび通信I/Fなどを有し、第1通信部11と第2通信部12との間における音声信号の送受信を制御する。そして、本実施形態の制御部13は、第1通信部11と第2通信部12との間における音声信号を取得し、その取得した音声信号を外部装置40に出力する。
【0033】
第1通信部11と第2通信部12との間における音声信号とは、音声通話端末装置20から送信され、第1通信部11を介して制御部13に入力された音声信号と、音声入出力装置30から送信され、第2通信部12を介して制御部13に入力された音声信号とが含まれる。すなわち、音声入出力装置30および音声通話端末装置20を使用するユーザの会話の音声信号と、音声通話端末装置20によって受信される通話相手の会話の音声信号とが、制御部13によって取得され、外部装置40に出力される。
【0034】
音声取得アダプタ装置10は、可搬性を有する小型の筐体に収容したものとすることが好ましい。これにより、持ち運びが楽になり、たとえば外出先や在宅勤務中でも使用することができる。
【0035】
外部装置40は、音声取得アダプタ装置10とUSB接続されるPCなどのコンピュータや、音声取得アダプタ装置10とLAN(Local Area Network)やインターネット回線を介して接続されるサーバ装置などから構成される。
【0036】
なお、上述したように音声取得アダプタ装置10とサーバ装置とを接続する場合、音声取得アダプタ装置10の制御部13が、LANや電話回線に接続可能なユニットを有するようにしてもよいし、USB接続可能な音声取得アダプタ装置10に対して、別途、USB-WiFi接続可能な変換アダプタや、USB-SIM(携帯電話回線)接続可能な変換アダプタを設けるようにしてもよい。
【0037】
そして、外部装置40は、図1に示すように、電子ファイル生成部41と、テキスト生成部42と、記憶部43とを備える。
【0038】
電子ファイル生成部41は、音声取得アダプタ装置10の制御部13から出力され、外部装置40によって受信された音声信号を音声データとして電子ファイル化し、記憶部43に記憶する。
【0039】
テキスト生成部42は、音声取得アダプタ装置10の制御部13から出力され、外部装置40によって受信した音声信号を音声認識してテキスト化し、テキストデータの電子ファイルとして記憶部43に記憶する。
【0040】
記憶部43は、ハードディスクや半導体メモリなどから構成され、上述したように音声信号の電子ファイルやテキストデータの電子ファイルを記憶する。
【0041】
電子ファイル生成部41によって生成された音声データの電子ファイルや、テキスト生成部42によって生成されたテキストデータの電子ファイルは、外部装置40のCPUなどによって記憶部43から適宜読み出され、外部装置40が有する音声出力部から音声出力されたり、外部装置40が有する表示部に表示されたりする。
【0042】
外部装置40によって受信された音声データは、上述したように電子ファイルとして保存するだけでなく、外部装置40が有する音声出力部からリアルタイムに音声出力してもよい。また、外部装置40によって受信された音声データから生成されたテキストデータを外部装置40が有する表示部にリアルタイムに表示してもよい。
【0043】
また、電子ファイル生成部41やテキスト生成部42は必須の構成要件ではなく、外部装置40に設けなくてもよい。また、外部装置40が受信した音声信号を外部装置40からその他の装置に送信するようにしてもよい。
【0044】
上記実施形態の音声取得システム1によれば、制御部13が、第1通信部11と第2通信部12との間における音声信号を取得し、その取得した音声信号を外部装置40に出力するようにしたので、音声通話端末装置20における通話内容の音声信号を、たとえばPCなどの外部装置40に保存することができる。これにより、音声通話端末装置20における通話内容を簡易かつ安全に保存することができる。
【0045】
また、音声通話端末装置20と音声取得アダプタ装置10とをBluetooth接続し、音声入出力装置30と音声取得アダプタ装置10とをBluetooth接続するようにしたので、音声取得アダプタ装置10の取り扱いが楽である。
【0046】
次に、上記実施形態の音声取得システム1の使用例について説明する。図2には、音声取得システム1の第1の使用例を示す図である。
【0047】
第1の使用例では、たとえば電話オペレータが、音声入出力装置30としてヘッドセットを使用し、音声通話端末装置20として携帯電話機を用いて、顧客と通話する。
【0048】
そして、音声取得アダプタ装置10は、ヘッドセットと携帯電話機にBluetooth接続され、電話オペレータが使用するPC(外部装置40)にUSB接続される。
【0049】
そして、電話オペレータと顧客との間で通話が行われ、その通話の内容が、音声取得アダプタ装置10の制御部13によって取得され、その通話の音声信号が、電話オペレータのPC(外部装置40)に出力される。
【0050】
これにより、電話オペレータと顧客との通話内容をPC(外部装置40)に保存することができ、後で確認することができる。
【0051】
次に、音声取得システム1の第2の使用例について説明する。図3は、音声取得システム1の第2の使用例を示す図である。
【0052】
第2の使用例では、たとえば在宅中の会社員、音声入出力装置30としてヘッドセットを使用し、音声通話端末装置20として携帯電話機を用いて、顧客と通話する。
【0053】
そして、音声取得アダプタ装置10は、ヘッドセットと携帯電話機にBluetooth接続される。また、第3の使用例では、音声取得アダプタ装置10は在宅中の会社員が使用するPC(外部装置40)にUSB接続され、そのPC(外部装置40)が、無線LAN回線およびインターネット回線などを介してサーバと通信して接続する。
【0054】
そして、在宅中の会社員と顧客との間で通話が行われ、その通話の内容が、音声取得アダプタ装置10の制御部13によって取得され、制御部13は、その通話の音声信号をPC(外部装置40)に送信する。そして、PC(外部装置40)は、受信した音声信号をサーバに送信する。
【0055】
これにより、在宅中の会社員と顧客との通話内容を、PC(外部装置40)を経由してサーバに保存することができる。そして、第2の使用例では、図3に示すように、会社員の会社事務所において、会社員の上司が、端末装置を用いてサーバにアクセスすることによって、サーバに保存された通話内容をリアルタイムでモニタリングすることができる。これにより、会社員の上司は、在宅中の会社員の稼働状況を管理することができる。
【0056】
さらに、第2の使用例では、図3に示すように、会社員の会社事務所において、会社員自身が、端末装置を用いてサーバにアクセスすることによって、サーバに保存された通話内容を後で確認することができる。
【0057】
上述したように音声取得アダプタ装置10からサーバ(外部装置40)に音声信号を無線信号として送信し、サーバ(外部装置40)に音声信号を保存するようにした場合には、上述したように通話者以外の上司のような第3者が、通話者の会話をリアルタイムにモニタリングすることができる。
【0058】
また、サーバ(外部装置40)に通話内容の音声信号を保存することによって、より安全性を強化することができる。
【0059】
次に、音声取得システム1の第3の使用例について説明する。図4は、音声取得システム1の第3の使用例を示す図である。
【0060】
第3の使用例では、たとえば外出中の営業マンが、音声入出力装置30としてヘッドセットを使用し、音声通話端末装置20として携帯電話機を用いて、顧客と通話する。
【0061】
そして、音声取得アダプタ装置10は、ヘッドセットと携帯電話機にBluetooth接続される。また、第3の使用例では、音声取得アダプタ装置10の制御部13は、無線LAN回線およびインターネット回線などを介して、たとえば外部装置40としてのサーバと通信して接続する。なお、第3の使用例では、図4に示すように、携帯電話機と音声取得アダプタ装置10は、カバンの中にいれたままでよい。
【0062】
そして、営業マンと顧客との間で通話が行われ、その通話の内容が、音声取得アダプタ装置10の制御部13によって取得され、制御部13は、その通話の音声信号を無線通信信号としてサーバ(外部装置40)に送信する。
【0063】
これにより、営業マンと顧客との通話内容をサーバ(外部装置40)に保存することができる。そして、第3の使用例では、図4に示すように、営業マンの会社事務所において、営業マンの上司が、端末装置を用いてサーバ(外部装置40)にアクセスすることによって、サーバ(外部装置40)に保存された通話内容をリアルタイムでモニタリングすることができる。これにより、営業マンの上司は、営業マンの稼働状況を管理することができる。
【0064】
さらに、第3の使用例では、図4に示すように、営業マンの会社事務所において、営業マン自身が、端末装置を用いてサーバにアクセスすることによって、サーバに保存された通話内容を後で確認することができる。
【0065】
次に、上述した音声取得システム1の第3の使用例の変形例について説明する。図5は、音声取得システム1の第3の使用例の変形例を示す図である。
【0066】
第3の使用例の変形例で使用される音声取得アダプタ装置10は、制御部13が、外部装置40から送信された外部音声信号を受信する。そして、制御部13は、外部装置40から送信されて受信した外部音声信号を第2通信部12を介してヘッドセット(音声入出力装置30)に送信する。
【0067】
具体的には、第3の使用例の変形例では、外出中の営業マンと顧客との間の通話内容を音声信号としてサーバ(外部装置40)に保存するまでの処理は第3の使用例と同様である。そして、第3の使用例の変形例では、さらに図5に示すように、外出中の営業マンと顧客とが通話している間に、会社事務所にいる営業マンの上司が端末装置を用いてサーバ(外部装置40)にアクセスし、サーバ(外部装置40)に保存された営業マンと顧客との通話内容をリアルタイムに聞く。
【0068】
そして、営業マンの上司が営業マンに対してアドバイスをしたい場合には、サーバ(外部装置40)にアクセスした端末装置とヘッドセットなどを用いて、サーバ(外部装置40)に対してアドバイスの内容を音声信号として送信する。そして、サーバ(外部装置40)は、受信した音声信号を音声取得アダプタ装置10に外部音声信号として送信する。音声取得アダプタ装置10は、サーバ(外部装置40)から送信された外部音声信号を受信し、その外部音声信号を第2通信部12を介して営業マンが使用するヘッドセット(音声入出力装置30)に送信する。
【0069】
これにより、外出中の営業マンは、ヘッドセット(音声入出力装置30)から上司のアドバイスを聞くことができる。
【0070】
次に、音声取得システム1の第4の使用例について説明する。図6は、音声取得システム1の第4の使用例を示す図である。
【0071】
第4の使用例では、音声取得アダプタ装置10の第2通信部12とヘッドセット(音声入出力装置30)とがBluetooth接続されない。そして、図6に示すように、ヘッドセット(音声入出力装置30)は、電話オペレータが使用するPC(外部装置40)にUSB接続され、PC(外部装置40)と音声取得アダプタ装置10がUSB接続される。
【0072】
そして、電話オペレータが使用する携帯電話機(音声通話端末装置20)において送受信される音声信号は、音声取得アダプタ装置10の制御部13によって取得され、PC(外部装置40)に保存されるとともに、PC(外部装置40)からヘッドセット(音声入出力装置30)に送信される。
【0073】
また、第4の使用例においては、電話オペレータが、PC(外部装置40)を用いて携帯電話機(音声通話端末装置20)に対する操作信号を入力することができる。PC(外部装置40)において入力された操作信号は、音声取得アダプタ装置10の制御部13によって受信され、制御部13は、受信した操作信号を第1通信部11を介して携帯電話機(音声入出力装置30)に送信する。これにより、電話オペレータは、PC(外部装置40)を用いて携帯電話機(音声入出力装置30)を容易に操作することができる。
【0074】
PC(外部装置40)から送信される操作信号としては、たとえば携帯電話機(音声通話端末装置20)から携帯電話機が着信した相手の電話番号や携帯電話機から発信した電話番号を出力させ、PCがそれらを取得する操作信号がある。
【0075】
また、PC(外部装置40)から送信される操作信号としては、携帯電話機(音声通話端末装置20における電話発信/切断を操作する信号、電話着信/切断を操作する信号などがある。
【0076】
また、上記説明では、PCから携帯電話機に向けて操作信号を送信するようにしたが、これに限らず、PCからの操作信号を受信することなく、携帯電話機において動作が行われた場合に、その動作信号をPCに送信するようにしてもよい。
【0077】
具体的には、たとえば携帯電話機から発信した場合はその発信した番号が、携帯電話機が着信した場合には、その着信した相手の番号が、音声取得アダプタ装置10に送信され、第1通信部11を経由して制御部13によって取得される。そして、制御部13は、取得した番号(動作信号)をPCに送信し、PCによって保存される。
【0078】
また、携帯電話機において、電話発信/切断、電話着信/切断、音楽再生/停止などの動作が行われた場合には、その動作信号が携帯電話機から音声取得アダプタ装置10に送信され、第1通信部11を経由して制御部13によって取得される。そして、制御部13は、取得した動作信号をPCに送信し、PCによって保存される。
【0079】
また、上記説明では、携帯電話機の動作信号を音声取得アダプタ装置10を経由してPCに送信する例について説明したが、ヘッドセット(音声入出力装置30)と音声取得アダプタ装置10とをBluetooth接続した場合において、ヘッドセット(音声入出力装置30)における操作信号を音声取得アダプタ装置10を経由してPCに送信し、これを保存するようにしてもよい。
【0080】
具体的には、ヘッドセットにおいて、着信に対する応答や、発信通話/着信通話の切断などの操作が行われた場合には、その操作信号がヘッドセットから音声取得アダプタ装置10に送信され、第2通信部12を経由して制御部13によって取得される。そして、制御部13は、取得した操作信号をPCに送信し、PCによって保存される。
【0081】
なお、上記実施形態の音声取得システム1においては、音声取得アダプタ装置10と音声入出力装置30とをBluetooth接続するようにしたが、これに限らず、たとえば通話相手の会話のみを記憶したい場合などにおいては、音声入出力装置30の代わりに、スピーカーなどの音声出力装置をBluetooth接続するようにしてもよい。そして、音声通話端末装置20によって受信した通話相手の音声信号を音声取得アダプタ装置10を経由して上述した音声出力装置から出力するとともに、音声取得アダプタ装置10が、通話相手の会話の音声信号を取得し、PC(外部装置40)に送信して記憶部43に記憶するようにしてもよい。
【0082】
そして、この場合、音声通話端末装置20および音声取得アダプタ装置10のユーザの会話については、たとえば外部装置40としてのPCのマイク機能を用いて受信し、その受信した音声信号を音声取得アダプタ装置10を経由して、音声通話端末装置20に送信するようにすればよい。
【0083】
また、たとえば通話相手の会話の録音が必要な場合には、音声入出力装置30の代わりに、マイクなどの音声入力装置をBluetooth接続するようにしてもよい。そして、音声入力装置によって受信したユーザの会話の音声信号を音声取得アダプタ装置10を経由して音声通話端末装置20に出力するとともに、音声取得アダプタ装置10が、ユーザの会話の音声信号を取得し、PC(外部装置40)に送信して記憶部43に記憶するようにしてもよい。
【0084】
そして、この場合、通話相手の会話の音声信号については、音声取得アダプタ装置10の制御部13が、たとえば外部装置40としてのPCに送信し、PCのスピーカー機能を用いて出力するようにすればよい。
【0085】
また、本発明は、上記実施形態および使用例に限定されるものではなく、実施段階でその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。たとえば実施形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることはもちろんである。
【符号の説明】
【0086】
1 音声取得システム
10 音声取得アダプタ装置
11 第1の通信部
13 制御部
20 音声通話端末装置
30 音声入出力装置
40 外部装置
41 電子ファイル生成部
42 テキスト生成部
43 記憶部

図1
図2
図3
図4
図5
図6