(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055273
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】充電制御システム
(51)【国際特許分類】
H02J 3/32 20060101AFI20240411BHJP
H02J 7/35 20060101ALI20240411BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20240411BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
H02J3/32
H02J7/35 K
H02J3/38 110
H02J3/38 130
H02J7/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162061
(22)【出願日】2022-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】弁理士法人クスノキ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮山 将
(72)【発明者】
【氏名】氏橋 和之
【テーマコード(参考)】
5G066
5G503
【Fターム(参考)】
5G066AA01
5G066HA10
5G066HB02
5G066HB09
5G066JA05
5G066JB03
5G503AA01
5G503AA06
5G503AA07
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA10
5G503DA04
5G503DA19
5G503GB06
5G503GD03
5G503GD06
(57)【要約】
【課題】蓄電池側の通信方式や電文方式を発電装置側の通信方式や電文方式と合わせなくても、蓄電池への充電制御を開始することができるようにする。
【解決手段】系統電源Pgの電力を利用可能な負荷Ldに発電電力を供給可能な発電装置11と、系統電源に逆潮流しないように発電電力の出力制御をする発電装置制御部12と、発電装置から負荷に発電電力を供給しているか否かを判定可能な判定部13と、電力が充電される蓄電池14と、系統電源から購入する系統電力を計測可能な系統電力計測部16と、発電装置から負荷に発電電力を供給していると判定された場合に、系統電源から購入する系統電力が第1閾値を下回ると、系統電源と発電装置の少なくとも一方からの電力を蓄電池に充電する充電制御を開始することが可能な蓄電池制御部15と、を備える充電制御システム1とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
系統電源の電力を利用可能な負荷に発電電力を供給可能な発電装置と、
系統電源に逆潮流しないように発電電力の出力制御をする発電装置制御部と、
発電装置から負荷に発電電力を供給しているか否かを判定可能な判定部と、
電力が充電される蓄電池と、
系統電源から購入する系統電力を計測可能な系統電力計測部と、
発電装置から負荷に発電電力を供給していると判定された場合に、系統電源から購入する系統電力が第1閾値を下回ると、系統電源と発電装置の少なくとも一方からの電力を蓄電池に充電する充電制御を開始することが可能な蓄電池制御部と、
を備える充電制御システム。
【請求項2】
発電装置制御部の出力制御がされる前に蓄電池への充電制御を開始するように第1閾値が設定される請求項1に記載の充電制御システム。
【請求項3】
「第1閾値-系統電力」の演算結果を用いて蓄電池に充電される単位時間毎の充電電力を制御する請求項2に記載の充電制御システム。
【請求項4】
系統電力が第1閾値よりも高い値である第2閾値を上回った場合、蓄電池から負荷に放電する第1放電制御を開始する請求項3に記載の充電制御システム。
【請求項5】
第1放電制御の機能のオン、オフを切り替える切替部を備えるとともに、設定時間に蓄電池から負荷に放電を行う第2放電制御を設定可能であり、
第1放電制御の機能がオンの時は第2放電制御の機能がオフとなり、第1放電制御の機能がオフの時は第2放電制御の機能がオンとなる請求項4に記載の充電制御システム。
【請求項6】
蓄電池制御部が日射量を計測する日射量計測部から日射量に関する情報を受け取ることが可能なように接続され、
判定部は、日射量が規定値以上となった場合、発電装置から負荷に発電電力を供給していると判定する請求項1から5の何れかに記載の充電制御システム。
【請求項7】
判定部は、発電装置から負荷に発電電力を供給しているとみなす判定を行う時間帯を指定可能であり、指定された時間帯に該当する時間であれば発電装置から負荷に発電電力を供給していると判定する請求項1から5の何れかに記載の充電制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の記載から理解されるように、発電装置で発電された発電電力が系統電源側に逆潮流しないように、パワーコンディショナなどの発電装置制御部で発電電力を抑制して出力する出力制御を行っている。この出力制御は発電電力の負荷と蓄電池での消費電力に対する割合が一定以上となった場合に開始される。なお、出力制御を行う前に蓄電池への充電を行うことから、充電量に関する情報のやり取りが行われる。具体的には、発電装置制御部と、蓄電池への充電を制御する蓄電池制御部と、の間で通信を行う必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【0004】
ところで、発電装置制御部と蓄電池制御部の間で通信を行うためには、蓄電池制御部側と発電装置制御部側の通信方式(WiFi、LTE、ブルートゥース(登録商標)、シリアル通信等)や電文方式(一定の形式に従って記述された、機器間で送受信されるひとまとまりのデータ)の各々の項目を合わせる必要があり、蓄電池側と発電装置側の間のシステムを構築するのに手間がかかってしまう。また、発電装置制御部と蓄電池制御部は各々の管理者やメーカが異なる場合が多く、特に発電装置側で扱われる上記方式は各社まちまちであることから、各々の環境に応じてシステム構築を行わなければならなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件の発明者は、この点について鋭意検討することにより、解決を試みた。本発明が解決しようとする課題は、蓄電池側の通信方式や電文方式を発電装置側の通信方式や電文方式と合わせなくても、蓄電池への充電制御を開始することができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、系統電源の電力を利用可能な負荷に発電電力を供給可能な発電装置と、系統電源に逆潮流しないように発電電力の出力制御をする発電装置制御部と、発電装置から負荷に発電電力を供給しているか否かを判定可能な判定部と、電力が充電される蓄電池と、系統電源から購入する系統電力を計測可能な系統電力計測部と、発電装置から負荷に発電電力を供給していると判定された場合に、系統電源から購入する系統電力が第1閾値を下回ると、系統電源と発電装置の少なくとも一方からの電力を蓄電池に充電する充電制御を開始することが可能な蓄電池制御部と、を備える充電制御システムとする。
【0007】
また、発電装置制御部の出力制御がされる前に蓄電池への充電制御を開始するように第1閾値が設定される構成とすることが好ましい。
【0008】
また、「第1閾値-系統電力」の演算結果を用いて蓄電池に充電される単位時間毎の充電電力を制御する構成とすることが好ましい。
【0009】
また、系統電力が第1閾値よりも高い値である第2閾値を上回った場合、蓄電池から負荷に放電する第1放電制御を開始する構成とすることが好ましい。
【0010】
また、第1放電制御の機能のオン、オフを切り替える切替部を備えるとともに、設定時間に蓄電池から負荷に放電を行う第2放電制御を設定可能であり、第1放電制御の機能がオンの時は第2放電制御の機能がオフとなり、第1放電制御の機能がオフの時は第2放電制御の機能がオンとなる構成とすることが好ましい。
【0011】
また、蓄電池制御部が日射量を計測する日射量計測部から日射量に関する情報を受け取ることが可能なように接続され、判定部は、日射量が規定値以上となった場合、発電装置から負荷に発電電力を供給していると判定する構成とするのが好ましい。
【0012】
また、判定部は、発電装置から負荷に発電電力を供給しているとみなす判定を行う時間帯を指定可能であり、指定された時間帯に該当する時間であれば発電装置から負荷に発電電力を供給していると判定する構成とするのが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、蓄電池側の通信方式や電文方式を発電装置側の通信方式や電文方式と合わせなくても、蓄電池への充電制御を開始することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】
図1に示す充電制御システムにおける電力量などの経時変化の例を示す図である。ただし、充電率以外は、縦軸が電力である。
【
図3】系統電力の買電量の変化の例と演算のタイミングでの「第1閾値-系統電力」の絶対値の大きさを表す図である。
【
図4】充電制御システムの利用例を示すフロー図である。
【
図5】
図1とは異なる充電制御システムの例を示す図である。
【
図6】
図1及び
図5とは異なる充電制御システムの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に発明を実施するための形態を示す。
図1に示されていることから理解されるように、実施形態の充電制御システム1は、系統電源Pgの電力を利用可能な負荷Ldに発電電力を供給可能な発電装置11と、系統電源Pgに逆潮流しないように発電電力の出力制御をする発電装置制御部12と、発電装置11から負荷Ldに発電電力を供給しているか否かを判定可能な判定部13と、電力が充電される蓄電池14と、系統電源Pgから購入する系統電力を計測可能な系統電力計測部16と、発電装置11から負荷Ldに発電電力を供給していると判定された場合に、系統電源Pgから購入する系統電力が第1閾値を下回ると、系統電源Pgと発電装置11の少なくとも一方からの電力を蓄電池14に充電する充電制御を開始することが可能な蓄電池制御部15と、を備えている。このため、蓄電池14側の通信方式や電文方式を発電装置11側の通信方式や電文方式と合わせなくても、蓄電池14への充電制御を開始することが可能となる。
【0016】
ここで、充電制御システム1の構成について説明をする。充電制御システム1は、系統電源Pgの電力を利用できる負荷Ldに対して発電電力を供給可能な発電装置11を備えている。発電装置11は太陽光を用いて発電するものが典型的であるが、ガソリンなどの燃料を用いて発電することができる発電装置11など、太陽光以外を用いて発電するものであっても良い。
【0017】
また、充電制御システム1は、発電装置11で得た電力を利用するために用いられる発電装置制御部12を備えている。実施形態の発電装置制御部12はPCS(Power Conditioning Subsystem)やパワーコンディショナと言われるものであり、発電装置11で発電された直流の発電電力を交流に変換することができる。
【0018】
また、この発電装置制御部12は、発電電力の出力が系統電源Pg側へ逆潮流することを防ぐために、発電電力が系統電源Pg側に流れることを抑制することを可能とする出力抑制制御を行うことができる。通常、出力抑制制御は逆潮流が発生する手前で制御を開始する。例えば、系統電源Pgの系統電力が一定値以下になった場合に制御を開始したり、負荷Ldの消費電力に対して発電電力の割合が一定以上となった場合に制御を開始したりすること等が例示できる。通常、出力抑制制御を行うことにより、抑制された分の電力は発電装置制御部12で廃棄され、発電損失となる。
【0019】
ところで、発電装置11から負荷Ldに電力を供給しているか否かは状況に左右される。発電装置11から負荷Ldに電力を供給しているか否かの情報は、充電制御システム1を運用する際に利用することができるため、実施形態では、発電装置11から負荷Ldに発電電力を供給しているか否かを判定可能な判定部13を備えている。
【0020】
また、発電装置11で発電した電力などを後から利用できるようにするため、充電制御システム1は蓄電池14を備えている。実施形態では、蓄電池14が発電装置11に接続されており、発電装置11で発電した電力を、負荷Ldに送ることも蓄電池14に送ることもできるように構成されている。
【0021】
蓄電池14に電力を蓄えるための制御などを可能とするために、実施形態の充電制御システム1は蓄電池制御部15を備えている。この蓄電池制御部15は、系統電源Pgと発電装置11の少なくとも一方からの電力を蓄電池14に充電する充電制御を開始することが可能である。
【0022】
また、実施形態の充電制御システム1は、系統電源Pgから購入する系統電力を計測可能な系統電力計測部16を備えている。この系統電力計測部16は、センサ16aを備えており、センサ16aで計測された結果を基に蓄電池制御部15に計測情報を送信することができる。
【0023】
系統電源Pgから購入する系統電力の量が少ない場合、系統電源Pgに逆潮流が発生し得る。これに対して、系統電源Pgから購入する系統電力の量が少ない場合に、蓄電池14への充電を開始できるように制御を行えば、系統電源Pgに逆潮流が発生することを回避可能である。つまり、系統電源Pgから購入する系統電力の計測結果をもとに蓄電池14に充電する充電制御を開始するようにすれば、蓄電池14側の通信方式や電文方式を発電装置11側の通信方式や電文方式と合わせる必要がなくなる。
【0024】
そこで、実施形態の充電制御システム1では、発電装置11から負荷Ldに発電電力を供給していると判定された場合に、系統電源Pgから購入する系統電力が第1閾値を下回ると、系統電源Pgと発電装置11の少なくとも一方からの電力を蓄電池14に充電する充電制御を開始することが可能であるように構成している(
図2参照)。
【0025】
第1閾値は、系統電源Pgに逆潮流しないように設定すればよいが、特に、発電装置制御部12の出力制御がされる前に蓄電池14への充電制御を開始するように第1閾値が設定されるのが好ましい。そうすれば、発電装置制御部12で発電電力が廃棄される可能性を抑制することができる。
【0026】
ここで、第1閾値の設定について説明をする。例えば、負荷Ld電力をあまり使用していない休日の単位期間の予測負荷電力使用量(100kW)に対して発電装置制御部12の出力制御の割合(90%)をかけて、その値(90kW)を予測負荷電力使用量(100kW)から引き、得られた値(10kW)に一定値(5kW)足すと望ましい第1閾値(15kW)とすることができる。しかし、このような演算を施設管理者が行うのは困難であるため、契約電力に任意の係数(0.1等)をかけたものを第1閾値として設定できるようにすることが望ましい。
【0027】
実施形態では、第1閾値は、充電制御を開始するタイミングの指標とするほか、蓄電池14に充電される充電電力を求めるために、利用している。より詳しくは、「第1閾値-系統電力」の演算結果を用いて蓄電池14に充電される単位時間毎の充電電力を制御する構成としている(
図3参照)。このようにすれば、系統電力を購入する量を抑制しながら蓄電池14への充電を行うことができる。
【0028】
図3に示すことから理解されるように、実施形態では定期的に「第1閾値-系統電力」の演算を行う。
図3に示す例では、A(0.5kW)、B(0.1kW)、C(0.5kW)である。この例では、演算タイミング1で系統電力が第1閾値を下回ったことが確認されたので、「第1閾値-系統電力」の値が充電電力となるように制御する。具体的には、0.5kWを(=「第1閾値-系統電力」)が単位時間毎の充電電力となるように制御する。
【0029】
また、演算タイミング2で系統電力が閾値を上回り「第1閾値-系統電力」=-0.1kWとなるので、現在の充電電力0.5kWから0.1kWを引いた値(0.5kW-0.1kW=0.4kW)を単位時間毎の充電電力とするように制御する。また、演算タイミング3で系統電力が閾値を0.5kW下回ったので、現在の充電電力0.4kWに0.5kWを足した値(0.4kW+0.5kW=0.9kW)を単位時間毎の充電電力とするように制御する。
【0030】
ただし、「第1閾値-系統電力」がマイナスとなり、直近の充電電力との積算が0kW以下となった場合、蓄電池14への充電が停止されるように制御することが好ましい。例えば、直近の充電電力を0.15kWとした場合に、
図3におけるBが0.2kW、つまりは「第1閾値-系統電力」=-0.2kWとなった場合には、直近の充電電力との積算(0.15kW-0.2kW=-0.05kW)が0kW以下となり、蓄電池14への充電が停止されるように制御する。なお、実施形態では、蓄電池14への充電が停止されるタイミングでは蓄電池14からの放電は行われないようにしている。
【0031】
実施形態においては充電制御を開始するタイミングの指標となる第1閾値の他に、蓄電池14から負荷Ldに放電するタイミングの指標となる第2閾値を設定している。第2閾値は必ずしも必要ではないが、系統電力の計測結果を用いて蓄電池14から負荷Ldに放電するタイミングを定められるようにすれば、充電制御システム1の複雑化を抑制することができる。
【0032】
このため、実施形態では、系統電力が第1閾値よりも高い値である第2閾値を上回った場合、蓄電池14から負荷Ldに放電する第1放電制御を開始する構成としている(
図2参照)。
【0033】
ただし、第1放電制御は、優先されるべき制御であるとは限らない。そこで、第1放電制御の機能のオン、オフを切り替える切替部を備える構成とすることが好ましい。また、この場合、設定時間に蓄電池14から負荷Ldに放電を行う第2放電制御を設定可能であり、第1放電制御の機能がオンの時は第2放電制御の機能がオフとなり、第1放電制御の機能がオフの時は第2放電制御の機能がオンとなる構成とすることが好ましい。このようにすれば、第1放電制御の機能と第2放電制御の機能を選択することができるため、使用環境に応じた対応が可能となる。
【0034】
例えば、一定期間は放電をせずに確実に充電量を溜めておき、その一定期間後の指定時間に溜まった電力の放電を行いたい場合に、第1放電制御の機能をオフにして第2放電制御の機能を働かせるようにすればよい。この場合、例えば設定時間を一日のうちの使用電力量がピークとなる時間帯にすれば、電力料金の抑制が可能となる。
【0035】
ここで、系統電力計測部16と蓄電池制御部15との通信方法について説明をする。これらは、電圧を送るようなアナログ通信とすることが好ましい。センサ16aで計測された結果をそのまま送信するアナログ通信とすれば、デジタル変換のために生じるタイムラグを必要とせずに通信を行うことができる。デジタル通信では、よりタイムラグが発生してしまい、例えば発電装置11に太陽光発電を用いている場合、急峻な日射変化による発電量の変化に追従できないおそれがある。より詳しくは、デジタル通信を用いると、急に曇った場合に、充電しつづけて買電量が増えたり、急に晴れた場合でも蓄電池14からの放電が継続されることにより、発電電力が発電装置制御部12の出力制御により廃棄され、発電損失が増えたりする可能性があるが、アナログ通信を用いれば、そのような可能性を抑制することができる。
【0036】
次に、充電制御システム1の使用方法の例について
図4に示すフローに則って説明をする。充電制御システム1が起動した状態で、発電装置11が発電をしているか否かを判定する(S001)。発電装置11が発電をしていた場合、系統電力が第1閾値未満であるか否かを判定する(S002)。系統電力が第1閾値未満であると判定された場合、蓄電池14に充電可能であるか否かを判定する(S003)。蓄電池14に充電可能であると判定された場合、蓄電池14に充電を行う(S004)。なお、ステップ003で蓄電池14に充電可能ではないと判定された後や、充電が開始された後には、しばらく待機をする(S005)。
【0037】
ステップ001で発電装置11が発電をしていると判定されなかった場合、系統電力が第2閾値を超えているか否かを判定する(S006)。また、ステップ002で系統電力が第1閾値未満でないと判定された場合もステップ006に進む。
【0038】
ステップ006で系統電力が第2閾値を超えていると判定された場合、蓄電池14の残量が規定値を超えているか否かを判定する(S007)。ステップ007で蓄電池14の残量が規定値を超えていると判定された場合、蓄電池14から放電を行う(S008)。
【0039】
ステップ006で系統電力が第2閾値を超えていないと判定された場合や、ステップ007で蓄電池14の残量が規定値を超えていないと判定された場合、放電が開始された場合の何れかになったら、しばらく待機をする(S009)。
【0040】
ここで、日射量計測部17で計測された値を基に判定部13で判定する例について説明をする。
図5に示す例では、発電装置11から負荷Ldに流れる電流を直接計測しているが、この例では、蓄電池制御部15が日射量を計測する日射量計測部17から日射量に関する情報を受け取ることが可能なように接続され、判定部13は、日射量が規定値以上となった場合、発電装置11から負荷Ldに発電電力を供給していると判定する。このようにすれば、発電電力の負荷Ldへの出力情報を計測する計測部13aを発電装置11側に設置する必要がない。日射量計測部17を適宜都合の良い箇所に設置して、蓄電池制御部15が日射量計測部17から日射量に関する情報を受け取ることで容易に判定を行うことができる。通常、発電装置11は主に屋根に設置されているため、発電電力の計測部13aや発電判定部13を屋根に設置することが困難であったり、蓄電池14側への通信距離が長くなってしまったりするが上記したようにすれば日射量計測部17や発電判定部13を主に地上に設置される蓄電池14側の周辺に設置することができる。
【0041】
図5に示す例では、日射量計測部17と判定部13を接続し、計測された日射量が規定値以上となった場合、判定部13は、発電装置11から負荷Ldに発電電力を供給していると判定する。
【0042】
日射量計測部17を用いない場合でも、蓄電池制御部15に判定部13を接続してその判定結果を基に蓄電池制御部15を制御するようにしても良い(
図6参照)。例えば、判定部13は、発電装置11から負荷Ldに発電電力を供給しているとみなす判定を行う時間帯を指定可能であり、指定された時間帯に該当する時間であれば発電装置11から負荷Ldに発電電力を供給していると判定するようにする。この場合、発電電力を負荷Ldに供給していることを判定するための計測部13aや日射量計測部17を設けることなく、判定を行うことができる。例えば、発電装置11から負荷Ldに発電電力を供給しているとみなす判定を行う時間帯は、「日の出時間の一定時間後から日の入時間の一定時間前」とすればよい。
【0043】
以上、実施形態を例に挙げて本発明について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 充電制御システム
11 発電装置
12 発電装置制御部
13 判定部
14 蓄電池
15 蓄電池制御部
16 系統電力計測部
17 日射量計測部