(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055334
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】輸送補助装置及びこれを備えた貯留装置
(51)【国際特許分類】
B65G 65/40 20060101AFI20240411BHJP
【FI】
B65G65/40 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162169
(22)【出願日】2022-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】000146054
【氏名又は名称】株式会社松井製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002686
【氏名又は名称】協明国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】助川 義紀
【テーマコード(参考)】
3F075
【Fターム(参考)】
3F075AA08
3F075BA01
3F075BB01
3F075CA01
3F075CA02
3F075CA06
3F075CA09
3F075CC15
3F075CD02
3F075DA13
(57)【要約】
【課題】貯留部から排出される粉粒体材料を受ける受筒部の粉粒体材料を輸送先に向けて円滑に輸送し得る輸送補助装置及びこれを備えた貯留装置を提供する。
【解決手段】輸送補助装置10は、粉粒体材料を貯留する貯留部2の排出部3に連通するように接続され排出される粉粒体材料を受ける受筒部11と、該受筒部の下端部に設けられ、粉粒体材料を吸引輸送する吸引輸送管5が接続される接続部15と、前記受筒部内に向けて圧縮ガスをそれぞれに吐出する吐出口17a,18aが離間した位置となるように設けられた複数の吐出ノズル17,18と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体材料を貯留する貯留部の排出部に連通するように接続され排出される粉粒体材料を受ける受筒部と、該受筒部の下端部に設けられ、粉粒体材料を吸引輸送する吸引輸送管が接続される接続部と、前記受筒部内に向けて圧縮ガスをそれぞれに吐出する吐出口が離間した位置となるように設けられた複数の吐出ノズルと、を備えていることを特徴とする輸送補助装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記複数の吐出ノズルのうちの少なくとも一つの吐出ノズルの吐出口と他の吐出ノズルの吐出口とが上下方向に異なる位置となるように設けられていることを特徴とする輸送補助装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記複数の吐出ノズルのうちの少なくとも一つの吐出ノズルの吐出口と他の吐出ノズルの吐出口とが前記接続部との対向方向に異なる位置となるように設けられていることを特徴とする輸送補助装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記受筒部の下端部から前記接続部とは逆側に向けて突出するように設けられ、前記複数の吐出ノズルのうちの少なくとも一つを収容する収容筒部を備えており、
前記収容筒部に収容された吐出ノズルは、前記吐出口が前記収容筒部内において開口するように設けられた後方側吐出ノズルを含んでいることを特徴とする輸送補助装置。
【請求項5】
請求項1において、
前記受筒部の下端部から前記接続部とは逆側に向けて突出するように設けられ、前記複数の吐出ノズルのうちの少なくとも一つを収容する収容筒部を備えており、
前記収容筒部に収容された吐出ノズルは、前記受筒部の底面に連なるように設けられた前記収容筒部の底面に沿うように配される下段側吐出ノズルを含んでいることを特徴とする輸送補助装置。
【請求項6】
請求項1において、
前記排出部から粉粒体材料を排出させて粉粒体材料を吸引輸送する際には、前記複数の吐出ノズルのうちの少なくとも1つの吐出ノズルから圧縮ガスを間欠的に吐出させるように圧縮ガス供給弁を制御する制御部を備えていることを特徴とする輸送補助装置。
【請求項7】
粉粒体材料を貯留する貯留部と、該貯留部の排出部に連通するように前記受筒部が接続された請求項1乃至6のいずれか1項に記載の輸送補助装置と、を備えていることを特徴とする貯留装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、輸送補助装置及びこれを備えた貯留装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、粉粒体材料を貯留する貯留部の排出部に連通するように接続された吸引輸送管を介して輸送先に向けて粉粒体材料を吸引輸送する輸送システムが知られている。
例えば、下記特許文献1には、粉粒体を収容する容器の底面に取付けた噴射ボックスに、吸引作用が及ぶ輸送口と、圧縮空気を噴射ボックスの内部に対して噴射する噴射ノズルと、が設けられた粉粒体供給装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された粉粒体供給装置では、有底筒状の噴射ボックスの上下方向途中部位に設けられた輸送口に向けて圧縮空気を噴射する1本の噴射ノズルを設けた構成とされている。そのため、例えば、粉砕材等の形状が不均一な材料を吸引輸送する際には、粒状の材料と比べて滑り難く滞留し易くなることも相俟って、噴射ノズルから噴射された圧縮空気が吹き抜け等することによって噴射ボックスの底部や隅部等に残留する懸念がある。
【0005】
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、貯留部から排出される粉粒体材料を受ける受筒部の粉粒体材料を輸送先に向けて円滑に輸送し得る輸送補助装置及びこれを備えた貯留装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本開示に係る輸送補助装置の構成1は、粉粒体材料を貯留する貯留部の排出部に連通するように接続され排出される粉粒体材料を受ける受筒部と、該受筒部の下端部に設けられ、粉粒体材料を吸引輸送する吸引輸送管が接続される接続部と、前記受筒部内に向けて圧縮ガスをそれぞれに吐出する吐出口が離間した位置となるように設けられた複数の吐出ノズルと、を備えていることを特徴とする。
【0007】
以下の実施の形態の記載により、本開示に係る輸送補助装置は、以下の従属的構成を備えていてもよいことが開示される。
<構成2>
構成1において、前記複数の吐出ノズルのうちの少なくとも一つの吐出ノズルの吐出口と他の吐出ノズルの吐出口とが上下方向に異なる位置となるように設けられていてもよい。
<構成3>
構成1または構成2において、前記複数の吐出ノズルのうちの少なくとも一つの吐出ノズルの吐出口と他の吐出ノズルの吐出口とが前記接続部との対向方向に異なる位置となるように設けられていてもよい。
<構成4>
構成1~構成3のいずれか1つにおいて、前記受筒部の下端部から前記接続部とは逆側に向けて突出するように設けられ、前記複数の吐出ノズルのうちの少なくとも一つを収容する収容筒部を備えていてもよい。
<構成5>
構成4において、前記収容筒部に収容された吐出ノズルは、前記吐出口が前記収容筒部内において開口するように設けられた後方側吐出ノズルを含んでいてもよい。
<構成6>
構成4または構成5において、前記収容筒部に収容された吐出ノズルは、前記受筒部の底面に連なるように設けられた前記収容筒部の底面に沿うように配される下段側吐出ノズルを含んでいてもよい。
<構成7>
構成1~構成6のいずれか1つにおいて、前記排出部から粉粒体材料を排出させて粉粒体材料を吸引輸送する際には、前記複数の吐出ノズルのうちの少なくとも1つの吐出ノズルから圧縮ガスを間欠的に吐出させるように圧縮ガス供給弁を制御する制御部を備えていてもよい。
【0008】
前記目的を達成するために、本開示に係る貯留装置は、粉粒体材料を貯留する貯留部と、該貯留部の排出口に連通するように前記受筒部が接続された本開示に係る輸送補助装置と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る輸送補助装置及びこれを備えた貯留装置は、上述のような構成としたことで、貯留部から排出される粉粒体材料を受ける受筒部の粉粒体材料を輸送先に向けて円滑に輸送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態に係る輸送補助装置の一例を備えた粉粒体材料の貯留装置の一例が組み込まれた輸送システムの一例を模式的に示す一部破断概略システム図である。
【
図2】(a)は、同貯留装置の一例を模式的に示す一部破断概略正面図、(b)は、(a)におけるX-X線矢視に対応させた概略横断面図である。
【
図3】(a)は、同輸送システムの概略ブロック図、(b)は、同輸送システムにおいて実行される基本動作の一例を模式的に示す概略タイムチャートである。
【
図4】(a)、(b)は、
図2(b)におけるY-Y線矢視に対応させた概略縦断面図である。
【
図5】(a)、(b)は、同輸送補助装置の一変形例をそれぞれ模式的に示し、
図4(a)に対応させた概略縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
図1、
図4及び
図5では、ガスや粉粒体材料が通過する経路となる管路(配管)等を二点鎖線にて模式的に示している。
図3(b)における概略タイムチャートでは、各機器のON(起動)/OFF(停止)動作や開閉動作等を模式的に示している。
以下の実施形態では、本実施形態に係る輸送補助装置の一例を備えた本実施形態に係る貯留装置の一例を設置した状態を基準として上下方向等の方向を説明する。
【0012】
図1及び
図2は、本実施形態に係る輸送補助装置10の一例及びこれを備えた本実施形態に係る貯留装置1の一例を模式的に示す図である。
本実施形態に係る輸送補助装置10は、
図1に示すように、粉粒体材料を貯留する貯留部2の排出部3に連通するように接続され排出される粉粒体材料を受ける受筒部11と、この受筒部11の下端部に設けられ、粉粒体材料を吸引輸送する吸引輸送管5が接続される接続部15と、を備えている。このような構成とすれば、受筒部11の上下方向途中部位に接続部15を設けた構成と比べて、受筒部11の粉粒体材料を輸送先6に向けて円滑に輸送することができる。
本実施形態に係る貯留装置1は、粉粒体材料を貯留する貯留部2と、この貯留部2の排出部3に連通するように受筒部11が接続された輸送補助装置10と、を備えている。
【0013】
この貯留装置1の貯留部2に貯留される粉粒体材料は、粉体・粒体状の材料を指すが、微小薄片状(フレーク状)や短繊維片状、スライバー状、フラフ状の材料等を含む。上記材料としては、樹脂ペレットや樹脂繊維片等の合成樹脂材料、金属材料、半導体材料、木質材料、薬品材料、食品材料等どのような材料でもよい。粉粒体材料としては、例えば、合成樹脂シートや合成樹脂フィルム、合成樹脂容器(ボトル)等を含む合成樹脂成形品や、ゴム成形品等を粉砕機や破砕機等によって粉砕・破砕した粉砕材でもよい。また、粉粒体材料としては、例えば、当該貯留装置1の輸送先(供給先)において、合成樹脂成形品を成形する場合には、ナチュラル材(バージン材)や、上記のような粉砕材、マスターバッチ材、各種添加材等が挙げられる。粉粒体材料には、ガラス繊維や炭素繊維等の強化繊維が含まれていてもよい。
【0014】
貯留部2は、
図1及び
図2に示すように、タンク状とされている。図例では、貯留部2は、上方側に向けて開口する有底円筒状の本体部と、この本体部の上端開口を覆う蓋部材と、を備えている。貯留部2としては、底部が平坦状のタンク状とされた構成に限られず、底部が湾曲形状のタンク状とされた構成でもよく、また、下方側部位が逆錘形状のホッパー状とされた構成でもよい。
貯留部2の上端の天壁部を構成する蓋部材には、貯留部2の上流側の供給元から供給される粉粒体材料が投入される投入部が設けられている。この投入部は、供給元から適宜のコンベア等によって供給される粉粒体材料を受けるように上方側に向けて開口する形状とされていてもよく、また、供給元から気力輸送される粉粒体材料を捕集する捕集器でもよい。この貯留部2の適所には、貯留部2内の粉粒体材料の貯留レベルを検出する検出部や材料無信号を出力する検出部、満杯信号を検出する検出部等が設けられていてもよい。この貯留部2の供給元としては、上記したような粉砕機や、粉粒体材料を乾燥する乾燥装置、複数種の粉粒体材料を配合する配合装置等でもよく、その他、種々の供給元でもよい。
【0015】
排出部3は、貯留部2の下端側に設けられている。この排出部3は、受筒部11に向けて定量的に粉粒体材料を排出する定量排出部でもよい。排出部3は、
図2(a)に示すように、貯留部2の本体部の底部の開口から落下する粉粒体材料を受筒部11側に向けて搬送するスクリュー3eを備えている。この排出部3は、本体部の底部の開口に接続され、下方側のスクリュー3eに向けて粉粒体材料を投入する投入筒部3aと、この投入筒部3aの下端に連なるように、かつ略水平方向に延びるように設けられ、スクリュー3eを収容するスクリュー収容筒部3bと、を備えている。スクリュー収容筒部3bの軸方向一方側となる基端側の端部には、スクリュー3eの基端部が連結され、スクリュー3eを回転駆動するモータ等の排出駆動部4が設けられている。
【0016】
スクリュー収容筒部3bの軸方向他方側となる先端側の端部には、下方側の受筒部11に向けて粉粒体材料を排出する排出筒部3cが連なるように設けられている。スクリュー収容筒部3bの先端側の端部が排出筒部3cの一方の側壁に接続され、粉粒体材料を排出する排出口を構成する。スクリュー3eは、この排出筒部3cの一方の側壁を貫通するように設けられている。スクリュー3eの先端部は、排出筒部3cの一方の側壁に対向する他方の側壁側に設けられた適宜の軸受部に回転自在に保持されている。排出筒部3cの上端側は、大気開放されている。排出筒部3cの上端側には、空気の流通が可能で異物の侵入を防止する適宜のフィルター3dが設けられている。このように排出筒部3cの上端側を大気開放させた構成とすることで、後記するように吸引輸送する際における貯留部2(排出部3)側からの意図しない粉粒体材料の輸送を抑制することができる。排出部3の構成によっては、排出筒部3cの上端側を大気開放していない構成としてもよい。
貯留部2の排出部3としては、上記したようなスクリュー3eを備えたスクリューフィーダに限られず、その他、ロータリーバルブやマスフィーダ、振動フィーダ等の他の定量排出部でもよい。排出部3は、このような定量排出部に限られず、プッシュダンパーやスライドダンパー、バタフライバルブ等でもよい。つまりは、排出部3は、上記のような定量排出部を含み、貯留部2から排出される粉粒体材料を排出制御可能な構成とされていてもよい。
貯留部2は、その下方側に排出部3や後記する輸送補助装置10の設置が可能なように適宜の架台上に設置されていてもよい。
【0017】
この貯留部2から排出される粉粒体材料は、
図1に示すように、後記する輸送補助装置10の接続部15に接続される吸引輸送管5を介して輸送先6に吸引輸送(気力輸送)される。
輸送先6としては、吸引輸送管5を介して吸引輸送される粉粒体材料を輸送空気から分離させて捕集する構成とされた捕集装置でもよい。このような捕集装置は、粉粒体材料を一時的に貯留する貯留タンクや貯留ホッパー等の貯留部や、粉粒体材料を乾燥する乾燥ホッパー、種々の成形機等に設置されてもよい。
この輸送先6は、空気吸引源を構成する適宜の送風機等の吸引ブロワ7等を有した吸引輸送機に吸引管を介して接続されていてもよい。このような吸引輸送機は、吸引ブロワ7の上流側(吸込側)の適所に設けられたバグフィルターやサイクロンフィルター等の適宜のフィルターを備えた集塵装置を備えた構成とされていてもよい。輸送補助装置10は、当該輸送補助装置10が設けられる貯留装置1と、輸送先6を構成する捕集装置と、吸引ブロワ7を有した吸引輸送機と、によって粉粒体材料の輸送システムを構成してもよい。
【0018】
輸送補助装置10は、
図4(a)、(b)に示すように、受筒部11内に向けて圧縮ガスをそれぞれに吐出する吐出口17a,18aが離間した位置となるように設けられた複数の吐出ノズル17,18を備えている。このような構成とすれば、これら複数の吐出ノズル17,18の離間した位置に設けられた各吐出口17a,18aから圧縮ガスを吐出させることで、1本のノズルを設けた構成と比べて、吹き抜け等によって粉粒体材料が底部や隅部等に残留することを抑制することができる。これにより、粉砕材等の形状が不均一な粉粒体材料を輸送する場合にも受筒部11の粉粒体材料を輸送先6に向けてより円滑に輸送することができる。
【0019】
複数の吐出ノズル17,18のうちの少なくとも一つの吐出ノズル17の吐出口17aと他の吐出ノズル18の吐出口18aとが上下方向に異なる位置となるように設けられている。このような構成とすれば、上下方向に異なる位置に設けられた吐出口17a,18aから受筒部11内に向けて圧縮ガスを吐出させることで、粉粒体材料の残留をより効果的に抑制することができる。
複数の吐出ノズル吐出ノズル17,18のうちの少なくとも一つの吐出ノズル17の吐出口17aと他の吐出ノズル18の吐出口18aとが接続部15との対向方向に異なる位置となるように設けられている。このような構成とすれば、接続部15の対向方向に異なる位置に設けられた吐出口17a,18aから受筒部11内に向けて圧縮ガスを吐出させることで、粉粒体材料の残留をより効果的に抑制することができる。
つまり、本実施形態では、複数の吐出ノズル17,18のうちの少なくとも一つの吐出ノズル17の吐出口17aと他の吐出ノズル18の吐出口18aとが上下方向に異なる位置となるように、かつ接続部15との対向方向に異なる位置となるように設けられている。
【0020】
輸送補助装置10は、受筒部11の下端部から接続部15とは逆側に向けて突出するように設けられ、複数の吐出ノズル17,18のうちの少なくとも一つを収容する収容筒部12を備えている。
収容筒部12に収容された吐出ノズル18は、吐出口18aが収容筒部12内において開口するように設けられた後方側吐出ノズルを構成する第2吐出ノズル18を含んでいる。このような構成とすれば、この第2吐出ノズル18の吐出口18aから圧縮ガスを吐出させることで、受筒部11の下端部の接続部15とは逆側部位における粉粒体材料の残留を効果的に抑制することができる。
収容筒部12に収容された吐出ノズル18は、受筒部11の底面11aに連なるように設けられた収容筒部12の底面12aに沿うように配される下段側吐出ノズルを構成する第2吐出ノズル18を含んでいる。このような構成とすれば、この第2吐出ノズル18の吐出口18aから圧縮ガスを吐出させることで、受筒部11の底面11a側部位における粉粒体材料の残留を効果的に抑制することができる。
つまり、本実施形態では、第2吐出ノズル18が後方側吐出ノズル及び下段側吐出ノズルを構成する。このような構成とすれば、粉粒体材料が残留し易くなる受筒部11の下端部の接続部15とは逆側の底面11a側部位における粉粒体材料の残留を効果的に抑制することができる。
【0021】
具体的には、受筒部11は、排出部3の排出筒部3cに接続されている。この受筒部11は、上方側に向けて開口する上端開口を排出筒部3cの下方側に向けて開口する下端開口に整合させて排出筒部3cに接続されている。
この受筒部11の四周の壁部は、収容筒部12側の後壁部11bと、接続部15側の前壁部11cと、これら後壁部11b及び前壁部11cを接続する両側の側壁部11d,11dと、によって構成されている。
後壁部11bは、図例では、厚さ方向が略水平方向となるように配される略垂直板状とされている。図例では、この後壁部11bに、材料の有無を検出する材料検出部16を設けた例を示している。この材料検出部16としては、電磁誘導式や静電容量式等の近接スイッチ(センサー)でもよい。
【0022】
前壁部11cは、下方側に向かうに従い後壁部11bから離間するように傾斜する傾斜板状とされている。つまり、前壁部11cは、受筒部11内の後壁部11bとの対向方向に沿う寸法が下方側に向かうに従い大となるように設けられている。このような構成とすれば、前壁部11cを垂直板状とした構成と比べて、排出筒部3cから排出される粉粒体材料を円滑に接続部15に向けて輸送することができる。
両側の側壁部11d,11dは、
図2(a)に示すように、下方側に向かうに従い互いに近接するように傾斜する傾斜板状とされている。つまり、両側の側壁部11d,11dは、受筒部11内の互いの対向方向に沿う寸法が下方側に向かうに従い小となるように設けられている。
受筒部11の底面11aを構成する底壁部は、これら側壁部11d,11dの下端部を接続するように設けられている。この底壁部は、略水平方向に延びるように設けられ、上方側に向けて開口する略半円筒状とされている(
図4も参照)。受筒部11は、上記のような形状に限られず、その他、種々の形状とされていてもよい。
【0023】
接続部15は、
図1、
図2(b)及び
図4(a)、(b)に示すように、側壁部11d,11d及び前壁部11cの下端部並びに底壁部に連なるように、かつ略水平方向に延びるように設けられた円筒状とされている。この接続部15は、その底面が受筒部11の底面11aに連なるように設けられている。
収容筒部12は、側壁部11d,11d及び後壁部11bの下端部並びに底壁部に連なるように、かつ略水平方向に延びるように設けられた円筒状とされている。この収容筒部12は、接続部15と略同軸状に設けられている。図例では、収容筒部12の内径を、接続部15の内径と同径とした例を示している。
この収容筒部12の受筒部11側とは異なる側となる外側端部近傍部位には、上方側に向けて突出するように、かつ上端側が大気開放された分岐管が設けられている。この分岐管の上端側には、空気の流通が可能で異物の侵入を防止する適宜のフィルター14が設けられている。このように収容筒部12の外側端部近傍部位を大気開放させた構成とすることで、収容筒部12側への粉粒体材料の侵入を軽減することができる。このように収容筒部12の外側端部近傍部位を大気開放していない構成としてもよい。
【0024】
輸送補助装置10には、
図4(a)、(b)に示すように、複数の吐出ノズル17,18を構成する第1吐出ノズル17と第2吐出ノズル18とが設けられている。つまり、本実施形態では、輸送補助装置10には、2つの吐出ノズル17,18が設けられている。
これら第1吐出ノズル17及び第2吐出ノズル18は、それぞれの吐出口17a,18aが接続部15に向けて開口するように設けられている。これら第1吐出ノズル17及び第2吐出ノズル18は、上下方向及び接続部15との対向方向に直交する方向には、互いに同じ位置となるように設けられている。
これら第1吐出ノズル17及び第2吐出ノズル18は、収容筒部12の外側端部から挿入されたノズル管のそれぞれの先端部に設けられている。これら第1吐出ノズル17及び第2吐出ノズル18のノズル管は、それぞれの軸方向が収容筒部12の軸方向と略平行状となるように設けられている。また、これら第1吐出ノズル17及び第2吐出ノズル18のノズル管は、収容筒部12の外側端部を封止するように設けられたノズル管保持部13を貫通するように設けられ、ノズル管保持部13に保持されている。これらノズル管の末端部には、
図1に示すように、アキュムレータ等の圧縮ガス源9に接続された圧縮ガス供給路8が接続されている。
【0025】
圧縮ガス供給路8には、第1吐出ノズル17に向かう圧縮ガスの通過を許容または遮断する第1圧縮ガス供給弁21と第2吐出ノズル18に向かう圧縮ガスの通過を許容または遮断する第2圧縮ガス供給弁22とが設けられている。図例では、圧縮ガス供給路8は、第1吐出ノズル17及び第2吐出ノズル18の各ノズル管に対応させて2本に分岐しており、これら分岐した一方の圧縮ガス供給路8の途中部位に第1圧縮ガス供給弁21が設けられ、他方の圧縮ガス供給路8の途中部位に第2圧縮ガス供給弁22が設けられている。これら第1圧縮ガス供給弁21及び第2圧縮ガス供給弁22としては、後記する制御部20(
図3(a)参照)に信号線等を介して接続されて開閉制御される電磁弁等であってもよい。第1吐出ノズル17及び第2吐出ノズル18からの圧縮ガスの供給態様によっては、分岐した圧縮ガス供給路8のそれぞれに第1圧縮ガス供給弁21及び第2圧縮ガス供給弁22を設けた態様に代えて、1つの切替弁を分岐部に設けた構成としてもよい。
圧縮ガス源9としては、コンプレッサー等によって圧縮された圧縮ガスを、レギュレータ等を含む適宜の調質ユニット等を介して貯留するアキュムレータ等でもよい。この圧縮ガス源9から供給される圧縮ガスの圧力は、0.1MPa~0.8MPa(ゲージ圧)程度でもよく、0.3MPa~0.6MPa(ゲージ圧)程度でもよい。圧縮ガス源9は、当該輸送補助装置10専用のものに限られず、工場設備として設けられたものでもよい。
【0026】
第1吐出ノズル17のノズル管は、収容筒部12内において第2吐出ノズル18のノズル管よりも上方側に位置するように設けられている。図例では、第1吐出ノズル17のノズル管は、収容筒部12の略軸心部に位置するように設けられた例を示しているが、このような位置に限られない。第1吐出ノズル17のノズル管は、収容筒部12から受筒部11内に向けて突出するように設けられている。つまり、第1吐出ノズル17は、吐出口17aが受筒部11内において開口するように設けられている。図例では、この第1吐出ノズル17の吐出口17aを、粉粒体材料を自重落下で排出する排出部3の排出口の概ね直下に位置するように設けた例を示している。より特定的には、第1吐出ノズル17の吐出口17aを、排出筒部3c内に架け渡されるように設けられたスクリュー3eの直下に位置するように設けた例を示している。
【0027】
第2吐出ノズル18のノズル管は、収容筒部12内において収容筒部12の軸心部よりも下方側に位置するように設けられている。この第2吐出ノズル18のノズル管は、収容筒部12の軸心部と収容筒部12内の最下部との概ね中央部に位置するように設けられている。図例では、この第2吐出ノズル18のノズル管は、同中央部よりも最下部側に僅かに位置するように設けられた例を示しているが、このような位置に限られない。
第2吐出ノズル18は、吐出口18aが収容筒部12と受筒部11との境界部よりも収容筒部12の外側端部側に位置するように設けられている。収容筒部12と受筒部11との境界部から第2吐出ノズル18の吐出口18aまでの収容筒部12の軸方向に沿う寸法は、収容筒部12内に入り込む粉粒体材料を効果的に接続部15側に向けて吹き飛ばせるように、また、収容筒部12の内径等に応じて適宜の寸法としてもよい。収容筒部12と受筒部11との境界部から第2吐出ノズル18の吐出口18aまでの収容筒部12の軸方向に沿う寸法は、例えば、20mm~200mm程度でもよく、50mm~100mm程度でもよい。図例では、同寸法を、収容筒部12の内径と概ね同寸法とした例を示しているが、このような寸法に限られない。また、第2吐出ノズル18の吐出口18aを、収容筒部12と受筒部11との境界部や境界部近傍部位に位置させたり、収容筒部12から受筒部11内に僅かに突出した位置としてもよい。
【0028】
これら第1吐出ノズル17及び第2吐出ノズル18の噴射パターン(吐出口17a,18aから噴射された圧縮ガスが拡散した際の断面形状)は、局所的に噴射するような直進形(断面が点状)でもよいが、受筒部11内における粉粒体材料の残留を抑制し得るように適宜の噴射パターンでもよい。例えば、断面が扁平状に広がる扇形状の噴射パターンや、断面が楕円や円形状に広がる円錐形状の噴射パターンでもよい。これら第1吐出ノズル17及び第2吐出ノズル18の噴射角(吐出口17a,18aから噴射された圧縮ガスの広がり角度)は、圧縮ガス源9から供給される圧縮ガスの圧力にもよるが、受筒部11内における粉粒体材料の残留を抑制し得るように適宜の噴射角でもよい。これら第1吐出ノズル17及び第2吐出ノズル18の噴射角は、5度~60度程度でもよく、10度~30度程度でもよい。また、第1吐出ノズル17の噴射角と第2吐出ノズル18の噴射角とは、同じ角度に限られず、一方を他方よりも大としてもよい。
【0029】
制御部20は、詳細については後述するが、排出部3から粉粒体材料を排出させて粉粒体材料を吸引輸送する際には、複数の吐出ノズル17,18のうちの少なくとも1つの吐出ノズル(第1吐出ノズル17)から圧縮ガスを間欠的に吐出させるように圧縮ガス供給弁(第1圧縮ガス供給弁21)を制御する。このような構成とすれば、圧縮ガスを間欠的に吐出させることで、受筒部11の下端側においてブリッジ状に滞留する粉粒体材料をまき散らすようにして崩すことができ、粉粒体材料の残留を効果的に抑制することができる。
この制御部20には、
図3(a)に示すように、吸引ブロワ7や、排出駆動部4、第1圧縮ガス供給弁21、第2圧縮ガス供給弁22等が信号線等を介して接続されている。この制御部20には、上記した材料検出部16や、貯留部2の検出部、輸送先6の検出部等が信号線等を介して接続されていてもよい。
【0030】
この制御部20には、CPU(Central Processing Unit)等の制御回路や、各種設定などの設定や入力、表示をするための表示操作部、電源部等が設けられている。また、制御部20には、表示操作部の操作により設定、入力された設定条件や入力値、後記する基本動作等を実行するための制御プログラムなどの各種プログラム、予め設定された各種動作条件、各種データテーブル等が格納され、ROMやRAM等の各種メモリ等から構成された記憶部が設けられている。
輸送補助装置10が制御部20を備えている構成とは、輸送補助装置10自体に制御部20が設けられた構成に限られず、輸送補助装置10を備えた貯留装置1や貯留装置1を備えた輸送システムの適所に制御部20が設けられた構成でもよく、更には、これらから離間した箇所に設けられた構成でもよい。
【0031】
次に、上記構成とされた本実施形態に係る輸送補助装置10を含む輸送システムにおいて実行される基本動作の一例を、
図3(b)を参照して説明する。
貯留部2の排出部3から粉粒体材料を排出させて粉粒体材料を輸送先6に向けて吸引輸送する排出・輸送モードを実行する際には、吸引ブロワ7及び排出駆動部4を起動させる。吸引ブロワ7及び排出駆動部4の起動は、同時でもよく、一方を起動してから所定の遅延時間経過後に他方を起動させてもよい。また、輸送先6の検出部から材料要求信号等が出力されれば、吸引ブロワ7及び排出駆動部4を起動させてもよい。
また、これら吸引ブロワ7及び排出駆動部4を起動して吸引輸送する際には、第1圧縮ガス供給弁21を間欠的(パルス的)に開放させて第1吐出ノズル17から圧縮ガスを間欠的に吐出させる。これにより、
図4(a)に示すように、第1吐出ノズル17から吐出される圧縮ガスによって受筒部11内の第1吐出ノズル17よりも接続部15側に滞留しようとする粉粒体材料を接続部15に向けて吹き飛ばすようにして輸送することができる。この結果、排出部3から接続部15までの輸送路を確保することができ、排出部3から排出される粉粒体材料を円滑に輸送することができる。
【0032】
排出・輸送モードにおいて第1圧縮ガス供給弁21を間欠的に開放させる際の一開放当たりの開放時間(パルス幅)及びパルス間の閉鎖時間は、粉粒体材料の種類や粉粒体材料の輸送量、圧縮ガスの圧力、圧縮ガス源9を構成するアキュムレータの容積等にもよるが、例えば、0.5秒~5秒程度でもよく、好ましくは、1秒~2秒程度でもよい。図例では、開放時間よりも閉鎖時間を大とした例を示しているが、これらを同時間としてもよい。
そして、排出・輸送モードが終了すれば、吸引ブロワ7を起動させた状態で、排出駆動部4を停止させて吸引輸送管5内の粉粒体材料を輸送先6に向けて送り切る残材輸送モードに移行する。例えば、予め設定された所定の排出・輸送時間が経過したり、輸送先6の検出部から満杯信号等が出力されたりすれば、排出・輸送モードの終了と判断するようにしてもよい。
残材輸送モードにおいては、第1吐出ノズル17と第2吐出ノズル18とから交互に、かつ間欠的に圧縮ガスを吐出させるようにしている。このような構成とすれば、
図4(a)、(b)に示すように、受筒部11に滞留する粉粒体材料を、互いに異なる位置に設けられた第1吐出ノズル17と第2吐出ノズル18とから交互に吐出される圧縮ガスによって効果的に崩しながら接続部15に向けて輸送することができる。また、圧縮ガス源9を構成するアキュムレータの小型化を図ることもできる。
【0033】
具体的には、本例では、残材輸送モードに移行すれば、第1圧縮ガス供給弁21及び第2圧縮ガス供給弁22のうちの一方を所定の開放時間が経過するまで開放させ、次いで、他方を所定の開放時間が経過するまで開放させ、以下、同様に、第1圧縮ガス供給弁21と第2圧縮ガス供給弁22とを交互に、かつ間欠的に開放させるようにしている。このような構成とすれば、受筒部11内の第1吐出ノズル17よりも接続部15側に滞留する粉粒体材料は、第1吐出ノズル17から吐出された圧縮ガスによって吹き飛ばされる。このように受筒部11内の滞留量が減少した状態で、第2吐出ノズル18から圧縮ガスを吐出させることができる。これにより、受筒部11内において粉粒体材料が滞留し易くなる接続部15とは逆側でかつ底側の粉粒体材料を第2吐出ノズル18から吐出させた圧縮ガスによって崩すことができる。また、第1吐出ノズル17と第2吐出ノズル18とから交互に圧縮ガスを吐出させることで、受筒部11内において滞留する粉粒体材料を効果的に崩しながら徐々に接続部15側に向けて輸送することができる。
【0034】
残材輸送モードにおいて第1圧縮ガス供給弁21を一開放当たりに開放させる開放時間及び第2圧縮ガス供給弁22を一開放当たりに開放させる開放時間は、排出・輸送モードにおいて第1圧縮ガス供給弁21を間欠的に開放させる際の開放時間と同時間でもよく、異なる時間でもよい。
残材輸送モードにおいて第1圧縮ガス供給弁21及び第2圧縮ガス供給弁22のうちの一方を閉鎖させてから他方を開放させるまでの時間は、圧縮ガス源9を構成するアキュムレータの容積等にもよるが、排出・輸送モードにおける第1圧縮ガス供給弁21のパルス間の閉鎖時間と同時間としてもよく、異なる時間としてもよい。圧縮ガス源9を構成するアキュムレータが第1圧縮ガス供給弁21の上流側及び第2圧縮ガス供給弁22の上流側のそれぞれに設けられている場合や、アキュムレータの容積等によっては、第1圧縮ガス供給弁21及び第2圧縮ガス供給弁22のうちの一方を閉鎖させてから他方を開放させるまでの時間を略ゼロとしてもよい。また、上記同様、圧縮ガス源9を構成するアキュムレータが第1圧縮ガス供給弁21の上流側及び第2圧縮ガス供給弁22の上流側のそれぞれに設けられている場合や、アキュムレータの容積等によっては、残材輸送モードにおいて第1圧縮ガス供給弁21と第2圧縮ガス供給弁22とを同時に間欠的に開放させる構成としてもよい。
【0035】
残材輸送モードが終了すれば、吸引ブロワ7を停止させ、また、第1圧縮ガス供給弁21及び第2圧縮ガス供給弁22を間欠的に開放させる動作を停止させる。例えば、予め設定された所定の残材輸送時間が経過したり、受筒部11や輸送先6、吸引輸送管5内の適所に設けられた残材無を検出する検出部から残材無信号等が出力されたりすれば、残材輸送モードの終了と判断するようにしてもよい。
図例では、残材輸送モードにおいて、第1圧縮ガス供給弁21を最先に開放させた例を示しているが、第2圧縮ガス供給弁22を最先に開放させる構成としてもよい。また、図例では、残材輸送モードにおいて、第2圧縮ガス供給弁22を最後に開放させた例を示しているが、第1圧縮ガス供給弁21を最後に開放させる構成としてもよい。
【0036】
また、上記した排出・輸送モードにおいて第1圧縮ガス供給弁21を間欠的に開放させる回数や、残材輸送モードにおいて第1圧縮ガス供給弁21及び第2圧縮ガス供給弁22を間欠的に開放させる回数は、図例の回数に限られず、粉粒体材料の輸送量や、吸引輸送管5の長さ等に応じて適宜の回数としてもよい。また、本実施形態に係る輸送補助装置10を含む輸送システムにおいて実行される基本動作としては、上記した例に限られず、その他、種々の変形が可能である。例えば、材料検出部16が粉粒体材料を検出すれば、受筒部11内に粉粒体材料が滞留していると判断し、第1吐出ノズル17から圧縮ガスを吐出させるような態様等としてもよい。また、上記した例では、排出・輸送モードにおいて第1圧縮ガス供給弁21のみを間欠的に開放させた例を示しているが、排出・輸送モードにおいても上記した残材輸送モードと同様、第1圧縮ガス供給弁21及び第2圧縮ガス供給弁22を間欠的に開放させる態様としてもよい。また、排出・輸送モードにおいては、いずれの吐出ノズル17,18からも圧縮ガスを吐出させないように第1圧縮ガス供給弁21及び第2圧縮ガス供給弁22を閉鎖し、残材輸送モードにおいて、上記同様に第1圧縮ガス供給弁21及び第2圧縮ガス供給弁22を間欠的に開放させる態様等としてもよい。
【0037】
上記した例では、接続部15との対向方向となる前後方向に2つの吐出ノズル17,18(吐出口17a,18a)を設けた例を示しているが、前後方向に3つ以上の吐出ノズル17,18(吐出口17a,18a)を設けた構成としてもよい。上記した例では、上下方向に2つの吐出ノズル17,18(吐出口17a,18a)を設けた例を示しているが、上下方向に3つ以上の吐出ノズル17,18(吐出口17a,18a)を設けた構成としてもよい。上記した例では、複数の吐出ノズル17,18の各吐出口17a,18aを、前後方向に、かつ上下方向に異なる位置となるように設けた例を示しているが、前後方向または上下方向に異なる位置となるように設けた構成としてもよい。つまりは、複数の吐出ノズル17,18の各吐出口17a,18aを、前後方向に同位置で、かつ上下方向に異なる位置となるように設けた構成としたり、上下方向に同位置で、かつ前後方向に異なる位置となるように設けた構成としたりしてもよい。
上記した例では、収容筒部12内において吐出口18aを開口させた1つの吐出ノズル(第2吐出ノズル18)を設けた例を示しているが、収容筒部12内において吐出口を開口させた2つ以上の吐出ノズルを設けた構成としてもよい。
【0038】
次に、輸送補助装置の一変形例について、図面を参照しながら説明する。
以下の各変形例では、先に説明した例との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。また、先に説明した例と同様の動作や作用効果等についても説明を省略または簡略に説明する。
【0039】
図5(a)は、第1変形例に係る輸送補助装置10Aの一例を模式的に示す図である。
本変形例では、輸送補助装置10Aは、受筒部11内において斜め上方側から圧縮ガスを吐出させる第3吐出ノズル19と、上記同様な第2吐出ノズル18と、を備えている。つまり、本変形例では、上記した例とは異なり、第3吐出ノズル19の吐出口19aの吐出方向と第2吐出ノズル18の吐出口18aの吐出方向とを互いに異ならせた構成としている。図例では、受筒部11の前壁部11cを貫通させるように設けられたノズル管の先端に、受筒部11と収容筒部12との境界部に向けて斜め上方側から圧縮ガスを吐出させる吐出口19aを有した第3吐出ノズル19を設けた例を示している。このような構成とすれば、第3吐出ノズル19から圧縮ガスを吐出させることで、受筒部11内において粉粒体材料が滞留し易くなる傾向がある受筒部11と収容筒部12との隅部の粉粒体材料を崩すことができる。これにより、排出部3から接続部15までの輸送路を確保することができ、排出部3から排出される粉粒体材料を円滑に輸送することができる。
【0040】
図例では、第3吐出ノズル19の吐出口19aを、受筒部11の上下方向概ね中央部に位置するように、かつ排出部3の排出口の中心よりも僅かに接続部15側に位置するように設けた例を示しているが、このような位置に限られない。この第3吐出ノズル19の吐出口19aは、受筒部11内において、上下方向及び接続部15の軸方向に直交する方向で中央に位置するように設けられていてもよい。
この第3吐出ノズル19の噴射パターンや噴射角は、上記した第1吐出ノズル17と同様でもよい。
この第3吐出ノズル19のノズル管の末端にも上記同様な圧縮ガス供給弁が配された圧縮ガス供給路8が接続されている。
【0041】
この第3吐出ノズル19から圧縮ガスを吐出させる態様としては、上記した第1吐出ノズル17と同様でもよい。つまり、排出・輸送モードにおいては、第3吐出ノズル19から圧縮ガスを間欠的に吐出させ、残材輸送モードにおいては、第3吐出ノズル19と第2吐出ノズル18とから交互に、かつ間欠的に圧縮ガスを吐出させるようにしてもよい。
また、本変形例においても二点鎖線にて示すように、上記と概ね同様の第1吐出ノズル17を設けた構成としてもよい。図例では、第1吐出ノズル17を、上記した例よりも収容筒部12側となる受筒部11と収容筒部12との境界部に位置させた例を示しているが、このような位置に限られない。
このように第1吐出ノズル17を更に設けた場合には、排出・輸送モードにおいては、第1吐出ノズル17と第3吐出ノズル19とから交互に、かつ間欠的に圧縮ガスを吐出させるようにしてもよい。また、残材輸送モードにおいては、第1吐出ノズル17と第2吐出ノズル18と第3吐出ノズル19とから順々に、かつ間欠的に圧縮ガスを吐出させるようにしてもよい。各吐出ノズル17,18,19から圧縮ガスを吐出させる態様としては、上記同様、種々の変形が可能である。
【0042】
図5(b)は、第2変形例に係る輸送補助装置10Bの一例を模式的に示す図である。
本変形例では、輸送補助装置10Bは、受筒部11内において下方側から圧縮ガスを吐出させる第3吐出ノズル19Aと、上記同様な第2吐出ノズル18と、を備えている。図例では、受筒部11の底壁部を貫通させるように設けられたノズル管の先端に、上方側に向けて圧縮ガスを吐出させる吐出口19Aaを有した第3吐出ノズル19Aを設けた例を示している。また、図例では、第3吐出ノズル19Aの吐出口19Aaを、収容筒部12の上下方向で概ね中央部に位置するように、かつ排出部3の排出口の中心よりも僅かに接続部15側に位置するように設けた例を示しているが、このような位置に限られない。この第3吐出ノズル19Aの吐出口19Aaは、受筒部11内において、上下方向及び接続部15の軸方向に直交する方向で中央に位置するように設けられていてもよい。この第3吐出ノズル19Aの噴射パターンや噴射角は、上記した第1吐出ノズル17と同様でもよい。
【0043】
この第3吐出ノズル19Aのノズル管の末端にも上記同様な圧縮ガス供給弁が配された圧縮ガス供給路8が接続されている。
本変形例においても、上記した第1変形例と同様な態様で第3吐出ノズル19Aから圧縮ガスを吐出させるようにしてもよい。
第3吐出ノズル19,19Aを設ける位置は、各変形例において説明した位置に限られない。例えば、後壁部11bを貫通させるように設けられたノズル管の先端に、接続部15側となる斜め下方側に向けて圧縮ガスを吐出させる第3吐出ノズル19,19Aを設けた態様としてもよい。また、受筒部11の上方側を区画する天壁部ともなるフィルター3dを貫通させるように設けられたノズル管の先端に、下方側や斜め下方側に向けて圧縮ガスを吐出させる第3吐出ノズル19,19Aを設けた態様としてもよく、その他、種々の位置に吐出ノズルを設けた態様としてもよい。また、4つ以上の吐出ノズルを設けた態様としてもよい。
【0044】
上記した各例では、複数の吐出ノズル17,18,19,19Aの吐出口17a,18a,19a,19Aaを、上下方向及び接続部15の軸方向に直交する方向で一致する位置となるように設けた例を示しているが、このような例に限られない。複数の吐出ノズル17,18,19,19Aのうちの少なくとも一つの吐出口を、他の吐出ノズルの吐出口と上下方向及び接続部15の軸方向に直交する方向で異なる位置となるように設けた構成としてもよい。
上記した各例では、接続部15を、受筒部11から略水平方向に突出する筒状とした例を示しているが、受筒部11の前壁部11cにおいて開口する接続口としてもよい。
上記した各例では、収容筒部12を設けた例を示しているが、このような収容筒部12を設けていない構成としてもよい。この場合は、受筒部11の後壁部11bの下端部を貫通させるように設けられたノズル管の先端に吐出ノズルを設けた構成等としてもよい。上記した各例に係る輸送補助装置10,10A,10Bが備える各部の具体的構成や各例に係る輸送補助装置10,10A,10Bを備えた貯留装置1が備える各部の具体的構成としては、上記した構成に限られず、その他、種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 貯留装置
2 貯留部
3 排出部
5 吸引輸送管
10,10A,10B 輸送補助装置
11 受筒部
11a 底面
12 収容筒部
12a 底面
15 接続部
17 第1吐出ノズル
17a 吐出口
18 第2吐出ノズル(後方側吐出ノズル、下段側吐出ノズル)
18a 吐出口
19,19A 第3吐出ノズル
19a,19Aa 吐出口
20 制御部
21 第1圧縮ガス供給弁
22 第2圧縮ガス供給弁