IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士機械製造株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-ストッカシステム 図1
  • 特開-ストッカシステム 図2
  • 特開-ストッカシステム 図3
  • 特開-ストッカシステム 図4
  • 特開-ストッカシステム 図5
  • 特開-ストッカシステム 図6
  • 特開-ストッカシステム 図7
  • 特開-ストッカシステム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055336
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】ストッカシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20230101AFI20240411BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162171
(22)【出願日】2022-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】樋田 大起
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】受取者の利便性をより向上させる。
【解決手段】ストッカシステムは、異なるサイズの複数の収容ボックスを有するストッカを備える。更に、このシステムは、物品の受取者を識別可能な情報である受取者情報を、収容ボックスを識別可能な情報である収容ボックス情報と対応付けて記憶する記憶部と、収容ボックス間で物品の移し替えが要求されると、受取者情報を入力させ、入力させた受取者情報に基づいて記憶部から対応する収容ボックスを見つけ出して解錠した後、物品が収容されていた収容ボックスとは異なるサイズの新たな収容ボックスを解錠する制御部と、受取者情報と収容ボックス情報との対応付けを、物品が収容されていた前の収容ボックスから新たな収容ボックスに更新する更新部と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なるサイズの複数の収容ボックスを有するストッカを備えるストッカシステムであって、
前記収容ボックスに収容されている物品の受取者を識別可能な情報である受取者情報を、当該収容ボックスを識別可能な情報である収容ボックス情報と対応付けて記憶する記憶部と、
前記収容ボックス間で物品の移し替えが要求されると、前記受取者情報を入力させ、入力させた前記受取者情報に基づいて前記記憶部から対応する収容ボックスを見つけ出して解錠した後、前記物品が収容されていた収容ボックスとは異なるサイズの新たな収容ボックスを解錠する制御部と、
前記受取者情報と前記収容ボックス情報との対応付けを、当該物品が収容されていた前の収容ボックスから前記新たな収容ボックスに更新する更新部と、
を備えるストッカシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のストッカシステムであって、
前記受取者情報は、受取者が前記物品を注文した際に付与された注文番号である、
ストッカシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のストッカシステムであって、
操作者により操作される操作部を備え、
前記制御部は、前記操作部を介して前記物品に収容されていた収容ボックスとは異なるサイズの新たな収容ボックスの選択を受け付け、選択された前記収容ボックスを解錠する、
ストッカシステム。
【請求項4】
請求項3に記載のストッカシステムであって、
前記収容ボックスの開閉を検知する検知部を備え、
前記制御部は、入力させた前記受取者情報に対応する収容ボックスを解錠した後、開放された前記収容ボックスが閉鎖されたことが前記検知部により検知されると、前記新たな収容ボックスの選択を受け付ける、
ストッカシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、ストッカシステムについて開示する。
【背景技術】
【0002】
従来、内部に上側の収納領域A1と下側の収納領域A2とに分ける仕切りが設けられた収納部を備えたロッカー装置において、配送業者が収納領域A1に物品を配送し、物品を利用者が取り出す前に別の物品の配送を依頼し、配送業者が収納領域A2に物品を搬送することで、利用者が複数の物品を一括して受け取ることができるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このロッカー装置は、同一の利用者により配送先として予約され、受取が済んでいない収納部がある場合、新たに配送する物品を同一の収納部に収納可能であるか否かを判定する。ロッカー装置は、予約済みの収納部に空き状態の収納領域が残っており、空き状態の収納領域の最大収納寸法が物品特徴データに示された物品の寸法よりも大きく、物品特徴データに示された温度管理種別に対応可能な収納部であれば、新たに配送する物品を同一の収納部に収納可能であると判定する。そして、ロッカー装置は、同一の収納部に収納可能であれば、予約済みの収納部を配送先として選択し、同一の収納部に収納可能でなければ、予約済みの収納部の近傍から配送先の収納部を選択する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-055401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の装置では、新たに配送する物品の寸法が空き状態の収納領域の最大収納寸法よりも大きい場合には、当該物品を別の収納部に収納することとなるため、物品の受取者の利便性を欠く。
【0005】
本開示は、受取者の利便性をより向上させることができるストッカシステムを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本開示のストッカは、
異なるサイズの複数の収容ボックスを有するストッカを備えるストッカシステムであって、
前記収容ボックスに収容されている物品の受取者を識別可能な情報である受取者情報を、当該収容ボックスを識別可能な情報である収容ボックス情報と対応付けて記憶する記憶部と、
前記収容ボックス間で物品の移し替えが要求されると、前記受取者情報を入力させ、入力させた前記受取者情報に基づいて前記記憶部から対応する収容ボックスを見つけ出して解錠した後、前記物品が収容されていた収容ボックスとは異なるサイズの新たな収容ボックスを解錠する制御部と、
前記受取者情報と前記収容ボックス情報との対応付けを、当該物品が収容されていた前の収容ボックスから前記新たな収容ボックスに更新する更新部と、
を備えることを要旨とする。
【0008】
この本開示のストッカでは、例えば、既に物品が収容されている収容ボックスに十分な空きスペースがなく、同じ収容ボックスに追加で新たな物品を収容できない場合であっても、これらの物品をより大きいサイズの収容ボックスに移し替えることで、複数の物品を同じ収容ボックスに収容することが可能となる。受取者は、複数の物品を同じ収容ボックスからまとめて取り出すことができるため、受取者の利便性をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】販売管理システムおよびストッカシステムの一例を示す概略説明図である。
図2】ストッカの概略構成図である。
図3】使用状況情報の一例を示す説明図である。
図4】移動処理の前半部分の一例を示すフローチャートである。
図5】移動処理の後半部分の一例を示すフローチャートである。
図6】処理選択画面の一例を示す説明図である。
図7】移動先選択画面の一例を示す説明図である。
図8】移動先選択画面の他の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本開示を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1は、販売管理システム10およびストッカシステム11の一例を示す概略説明図である。図2は、ストッカ40の概略構成図である。図1に示すように、販売管理システム10は、店舗20などを有する事業者が管理するシステムであり、販売管理装置21を備えている。販売管理装置21は、インターネットなどのネットワーク13を介して、購入者14の携帯端末15などと情報のやりとりを行ない、購入者14(顧客)に商品17の販売情報を提供する。この販売管理装置21は、制御部22と、記憶部23と、通信部26とを備えている。制御部22は、CPU、ROMおよびRAMなどにより構成され装置全体の制御を司るものである。記憶部23は、各種アプリケーションプログラムや各種データファイルを記憶するものである。通信部26は、ストッカ管理装置30などの外部機器と通信を行なうものである。事業者は、この販売管理装置21から、ストッカ管理装置30へストッカ40の使用要求などを送信する。また、事業者は、配達者19により店舗20などからストッカ40へ商品17を配送させる。
【0012】
ストッカシステム11は、ストッカ管理装置30と、サイズの異なる複数種類の納品庫41を含む1又は2以上のストッカ40とを備えている。本実施形態では、図2に示すように、複数種類の納品庫41として、複数(8個)の小サイズの納品庫41sと、複数(7個)の中サイズの納品庫41mと、複数(2個)の大サイズの納品庫41bと、が含まれる。
【0013】
ストッカ管理装置30は、ネットワーク12を介してストッカ40と情報のやりとりを行なう。ストッカ管理装置30は、制御部31と、通信部36とを備えている。制御部31は、CPU32や記憶部33などを含み、装置全体の制御を司るものである。記憶部33は、各種アプリケーションプログラムや各種データファイルを記憶するものである。通信部36は、販売管理装置21やストッカ40などの外部機器と通信を行なうものである。記憶部33には、ストッカ情報34や、ストッカ40毎の使用状況情報35などが記憶されている。ストッカ情報34には、例えば、ストッカシステム11が有するストッカ40を識別する識別情報(ストッカID)や配置場所などの情報が含まれる。
【0014】
使用状況情報35は、図3に示すように、ストッカIDと、納品庫41のサイズと、納品庫41を識別する識別情報(納品庫ID)と、納品庫41の使用状況と、納品庫41を解錠するための解錠コードとが対応付けられたものである。本実施形態では、解錠コードには、購入者14が商品17の注文を行なった際に販売管理装置21により付与される注文番号が用いられる。勿論、販売管理装置21によって管理される顧客番号など、購入者14や、購入者14が注文した商品17を特定することができるものであれば如何なる情報であっても構わない。
【0015】
ストッカ40は、店舗20から配送された商品17を購入者14へ受け渡す際に用いられる装置である。ストッカ40は、多数の購入者14が利用可能であり、通勤などの外出時に商品17を受け取ることができるよう、オフィス、コンビニエンスストア、各種公共施設など様々な場所に設置されている。このストッカ40は、施錠可能な複数(例えば17個)の納品庫41を備えている。納品庫41の各々は、商品17等の物品を収容可能な内部空間を有しており、図2に示すように、前面の扉42と、扉42の施錠および解錠を行なうロック機構43と、納品庫41内の物品の有無を検出する物品センサ44と、扉42の開閉を検出する開閉センサ45とを備えている。物品センサ44は、光を用いた非接触式のセンサとしてもよいし、素子を用いた接触式のセンサとしてもよい。この納品庫41の一つには、制御装置50が収容され、その扉42には、操作表示部46と、読取部47とが配設されている。操作表示部46は、ストッカ40の前面に配置されたタッチパネルであり、商品17の配達者19および購入者14への各種情報の表示や、配達者19および購入者14からの各種操作の入力を行なう。読取部47は、配達者19を識別する配達者ID(配達者番号)がコード化されたものや、商品17を購入した際に付与される注文番号がコード化されたものを読み取るコードリーダである。制御装置50は、制御部51と、通信部56とを備えている。制御部51は、CPU52、記憶部53などを含み、装置全体の制御を司るものである。記憶部53は、各種アプリケーションプログラムや各種データファイルを記憶するものである。通信部56は、ストッカ管理装置30などの外部機器と通信を行なうものである。記憶部53には、ストッカ40の各納品庫41の使用状況情報55などが記憶されている。使用状況情報55は、該当するストッカ40においてストッカ管理装置30で管理される使用状況情報35に含まれるものと同様である。ストッカ管理装置30とストッカ40とは、通信を行なうことにより、これらの情報を最新のものに同期させる。
【0016】
こうして構成されたストッカシステム11の動作について説明する。販売管理装置21は、購入者14から商品17の注文を受け付けると、商品17の受取希望先を含む使用要求をストッカ管理装置30に送信する。ストッカ管理装置30は、使用要求を受信すると、商品17の受取希望先や各ストッカ40の使用状況から配達先のストッカ40を決定し、配達に必要な各種情報を配達者19に送信して配達を依頼する。この情報には、配達先のストッカ40を示す配達先情報や、配達者19の本人認証に必要な認証情報(配達者番号)、購入者14がストッカ40から商品17を受け取るのに必要な購入者情報(注文番号)が含まれる。配達者19は、配達先のストッカ40まで商品17を配送し、配達先のストッカ40において、操作表示部46への入力操作や読取部47への読み取り操作などにより配達者番号や注文番号などの必要な情報の入力を行なう。ストッカ40の制御部51は、配達者19が入力した配達者番号により配達者19の本人認証を行ない、納品庫41の扉42を解錠する(納品処理)。配達者19は、解錠された納品庫41の扉42を開けて商品17を納品し、納品庫41の扉42を閉じることにより、納品庫41に商品17を納品する。商品17の納品が完了すると、ストッカ40の制御部51は、納品庫41の扉42を施錠する。そして、ストッカ40の制御部51は、配達者19が入力した注文番号を使用状況情報55に記憶する。また、ストッカ管理装置30は、受取先(配達先)のストッカ40を示す受取先情報を購入者14の携帯端末15に送信する。購入者14は、受取先のストッカ40に出向いて、操作表示部46への入力操作や読取部47への読み取り操作などにより注文番号を入力して、購入者14の本人認証を受ける。ストッカ40の制御部51は、購入者14の本人認証を行なうと、該当する納品庫41の扉42を解錠する(受取処理)。これにより、購入者14は、解錠された納品庫41の扉42を開けて商品17を取り出すことができる。
【0017】
本実施形態のストッカ40では、例えば、購入者14が複数の商品17を注文してこれらの複数の商品17に対して同じ注文番号が付与され、一部の商品17を配達者19が納品した後、購入者14の受取が済んでいない状態で残りの商品17を追加で納品する場合などに、残りの商品17を納品済みの一部の商品17と同じ納品庫41に納品することが可能である。すなわち、ストッカ40の制御部51は、納品処理において、配達者19が注文番号を入力すると、納品済みの納品庫41のうち同じ注文番号が記憶されている納品庫41があれば、該当する納品庫41を解錠する。これにより、配達者19は、新たに配達した残りの商品17を、同じ注文番号の納品済みの一部の商品17と同じ納品庫41に納品することができる。更に、本実施形態のストッカ40では、サイズの異なる複数種類の納品庫41を備えているため、例えば、納品済みの一部の商品17が納品されている納品庫41に、残りの商品17が入らない場合に、納品済みの一部の商品17を残りの商品17と共に、より大きいサイズの納品庫41に移し替えることもできる。以下、納品済みの商品17を別の納品庫41に移動させるための動作(移動処理)について説明する。
【0018】
図4および図5は、ストッカ40の制御部51により実行される移動処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、配達者19により納品済みの物品の移動が指示されたときに実行される。移動の指示は、例えば、図6に例示する処理選択画面を操作表示部46に表示させ、処理選択画面にて「納品」、「受取」および「移動」の選択肢のうち配達者19が「移動」を選択することにより行なわれる。なお、制御部51は、「納品」が選択されると、配達者19が商品17をストッカ40に納品するための納品処理を実行し、「受取」が選択されると、購入者14がストッカ40から商品17を取り出すための受取処理を実行する。
【0019】
移動処理が実行されると、制御部51のCPU52は、まず、操作表示部46に配達者番号入力画面を表示して配達者番号の入力を受け付ける(S100)。配達者番号の入力は、配達者19が操作表示部46を操作して直接に番号を入力することにより行なってもよいし、配達者19が携帯する配達者コード(配達者番号)を読取部47に読み取らせてもよい。
【0020】
CPU52は、配達者番号の入力が完了すると(S102)、配達者19の本人認証を行なう(S104)。CPU52は、配達者19の本人認証が失敗した場合には、操作表示部46にエラーを出力して(S124)、移動処理を終了する。一方、CPU52は、配達者19の本人認証が成功した場合には、操作表示部46に注文番号入力画面を表示して注文番号の入力を受け付ける(S106)。注文番号の入力は、配達者19が操作表示部46を操作して注文番号を直接入力することにより行なってもよいし、商品17の伝票に記された注文番号を含む伝票コードを読取部47に読み取らせてもよい。
【0021】
CPU52は、注文番号の入力が完了すると(S108)、使用状況情報55に納品済みの納品庫41のうち注文番号が一致する納品庫41があるか否かを判定する(S110)。CPU52は、注文番号が一致する納品庫41がないと判定すると、物品の移動ができないと判断し、操作表示部46にエラーを出力して(S124)、移動処理を終了する。一方、CPU52は、注文番号が一致する納品庫41があると判定すると、該当する納品庫41(移動元の納品庫41)を解錠する(S112)。配達者19は、移動元の納品庫41の扉42を開けて、移動元の納品庫41から納品済みの商品17を取り出し、納品庫41の扉42を閉じる。CPU52は、物品センサ44により納品庫41内で物品(商品17)が検知されず、且つ、開閉センサ45により移動元の納品庫41の閉鎖が検知されるのを待って(S114)、移動元の納品庫41を施錠する(S116)。そして、CPU52は、移動先の納品庫41のサイズを配達者19に選択させるための移動先選択画面を操作表示部46に表示し(S118)、移動先の納品庫41のサイズが選択されるのを待つ(S120)。移動先選択画面の一例を図7に示す。移動先選択画面は、移動元の納品庫41のサイズよりも大きいサイズの納品庫41が選択可能であり、図7に示すように、移動元の納品庫41のサイズが小サイズであれば、大サイズと中サイズとが選択可能に表示される。また、移動先選択画面は、移動元の納品庫のサイズが中サイズであれば、大サイズのみが選択可能に表示される。移動元の納品庫41のサイズが大サイズであれば、選択可能なサイズがないため、物品の移動ができない旨を操作表示部46に表示して配達者19に報知するようにしてもよい。
【0022】
CPU52は、移動先の納品庫41のサイズが選択されると、使用状況情報55に基づいて選択されたサイズの納品庫41の空き状況を確認する(S122)。CPU52は、選択されたサイズの納品庫41に空きがなければ、エラーを出力して(S124)、移動処理を終了する。なお、CPU52は、移動先選択画面を表示する前に、各サイズの納品庫41の空き状況を確認し、空いているサイズのみを配達者19が選択可能に移動先選択画面に表示するものとしてもよい。
【0023】
一方、CPU52は、選択されたサイズの移動先の納品庫41に空きがあれば、その移動先の納品庫41を解錠する(S126)。配達者19は、移動先の納品庫41の扉42を開けて、移動元の納品庫41から取り出した納品済みの商品17と新たに配達した商品17とをまとめて移動先の納品庫41に納品し、納品庫41の扉42を閉じる。CPU52は、物品センサ44により納品庫41内で物品(商品17)が検知され、且つ、開閉センサ45により移動先の納品庫41の扉42が閉鎖が検知されるのを待って(S128)、移動先の納品庫41を施錠する(S130)。そして、CPU52は、使用状況情報55を更新し(S132)、更新した使用状況情報55をストッカ管理装置30に送信して(S134)、移動処理を終了する。使用状況情報55の更新は、移動元の納品庫41の納品庫IDについて、使用状況を「納品済み」から「空き」に変更すると共に注文番号を削除し、移動先の納品庫41の納品庫IDについて、使用状況を「空き」から「納品済み」に変更すると共に当該注文番号を追加することにより行なわれる。これにより、購入者14は、1つの納品庫41から複数の商品17をまとめて取り出すことができるため、購入者14の利便性をより向上させることができる。また、同じ購入者14の複数の商品17を別々の納品庫41に納品する場合に比して、納品庫41の空き数を増やすことができるため、より多くの物品をストッカ40に納品することが可能となり、ストッカ40の利用を促進させることができる。
【0024】
ここで、実施形態の主要な要素と請求の範囲に記載した本開示の主要な要素との対応関係について説明する。即ち、本実施形態の納品庫41が本開示の収容ボックスに相当し、ストッカ40がストッカに相当し、ストッカシステム11がストッカシステムに相当し、商品17が物品に相当し、購入者14が受取者に相当し、注文番号が受取者情報に相当し、記憶部53が記憶部に相当し、移動処理を実行する制御部51のCPU52が制御部に相当し、移動処理のS132の処理を実行する制御部51のCPU52が更新部に相当する。また、操作表示部46が操作部に相当する。また、開閉センサ44が検知部に相当する。
【0025】
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0026】
例えば、上述した実施形態では、制御部51のCPU52は、配達者19により移動先の納品庫41として選択された希望サイズの納品庫41に空きがない場合には、エラーを出力した。しかし、CPU52は、別のサイズの納品庫41に空きがある場合には、配達者19にその旨を通知し、別のサイズの納品庫41の選択を受け付けるようにしてもよい。
【0027】
上述した実施形態では、制御部51のCPU52は、図7に例示する移動先選択画面を操作表示部46に表示して、移動先の納品庫41の希望サイズを配達者19に選択させるものとした。しかし、CPU52は、図8に示すように、ストッカ40が備える複数の納品庫41のうち空いている納品庫41(図中、灰色で塗りつぶした納品庫)を操作表示部46に表示し、空いている納品庫41の中からいずれかを配達者19に選択させるようにしてもよい。
【0028】
上述した実施形態では、制御部51のCPU52は、移動先の納品庫41として希望サイズの選択を配達者19から受け付けるものとした。しかし、CPU52は、納品済みの納品庫41よりも大きいサイズの納品庫41のうち空いている納品庫41を自動で決定するようにしてもよい。
【0029】
上述した実施形態では、ストッカ管理装置30の記憶部33とストッカ40の記憶部53とにそれぞれ使用状況情報を記憶するものとした。しかし、ストッカ管理装置30の記憶部33にのみ使用状況情報を記憶し、配達者19や購入者14の本人認証をストッカ管理装置30が行なうようにしてもよい。
【0030】
上述した実施形態では、ストッカシステム11は、ストッカ管理装置30とストッカ40とを備えるものとしたが、これに限定されず、ストッカ40がストッカ管理装置30の機能を有するものとしてもよい。また、上述した実施形態では、販売管理装置21とストッカ管理装置30とが別のサーバであるものとしたが、ストッカ管理装置30が販売管理装置21の機能を有するものとしてもよい。
【0031】
以上説明したように、本開示のストッカシステムでは、例えば、既に物品が収容されている収容ボックスに十分な空きスペースがなく、同じ収容ボックスに追加で新たな物品を収容できない場合であっても、これらの物品をより大きいサイズの収容ボックスに移し替えることで、複数の物品を同じ収容ボックスに収容することが可能となる。受取者は、複数の物品を同じ収容ボックスからまとめて取り出すことができるため、受取者の利便性をより向上させることができる。
【0032】
こうした本開示のストッカシステムにおいて、前記受取者情報は、受取者が前記物品を注文した際に付与された注文番号であってもよい。こうすれば、受取者が注文時に付与された番号をそのまま収容ボックスの解錠に用いることができる。
【0033】
また、本開示のストッカシステムにおいて、操作者により操作される操作部を備え、前記制御部は、前記操作部を介して前記物品に収容されていた収容ボックスとは異なるサイズの新たな収容ボックスの選択を受け付け、選択された前記収容ボックスを解錠してもよい。こうすれば、物品の移し替えに適したサイズの収容ボックスを操作者に選択させることができる。この場合、前記収容ボックスの開閉を検知する検知部を備え、前記制御部は、入力させた前記受取者情報に対応する収容ボックスを解錠した後、開放された前記収容ボックスが閉鎖されたことが前記検知部により検知されると、前記新たな収容ボックスの選択を受け付けてもよい。こうすれば、物品の移し替えをより適切な手順で行なうことができる。なお、検知部は、収容ボックス内の物品の有無を検知可能であり、開放された前記収容ボックスが閉鎖され、且つ、当該収容ボックス内に物品がないことが前記検知部によって検知されると、前記新たな収容ボックスの選択を受け付けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、商品をストッカに配送する商品流通システムの技術分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0035】
10 販売管理システム、11 ストッカシステム、12,13 ネットワーク、14 購入者、15 携帯端末、17 商品、19 配達者、20 店舗、21 販売管理装置、22 制御部、23 記憶部、26 通信部、30 ストッカ管理装置、31 制御部、32 CPU、33 記憶部、34 ストッカ情報、35 使用状況情報、36 通信部、40 ストッカ、41,41s,41m,41b 納品庫、42 扉、43 ロック機構、44 物品センサ、45 開閉センサ、46 操作表示部、47 読取部、50 制御装置、51 制御部、52 CPU、53 記憶部、55 使用状況情報、56 通信部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8