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特開2024-55342車両の経路設定方法及び車両の経路設定装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055342
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】車両の経路設定方法及び車両の経路設定装置
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/36 20060101AFI20240411BHJP
   G08G 1/123 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
G01C21/36
G08G1/123 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162181
(22)【出願日】2022-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】山崎 翔太
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129BB26
2F129CC15
2F129CC16
2F129CC28
2F129CC35
2F129DD13
2F129DD15
2F129DD21
2F129DD24
2F129DD40
2F129DD53
2F129EE02
2F129EE52
2F129EE57
2F129EE78
2F129EE79
2F129EE90
2F129EE95
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF12
2F129FF20
2F129FF41
2F129FF62
2F129FF63
2F129FF72
2F129HH12
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB18
5H181CC27
5H181FF04
5H181FF05
5H181FF12
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
5H181LL09
5H181MB06
(57)【要約】
【課題】乗員及び周囲環境に対する危険度が軽減された場所へ車両を誘導する。
【解決手段】経路設定装置10は、車両の異常を検知し、異常が検知され車両の異常部品及び検知された異常から予想される車両の故障状態を特定し、車両の異常部品と検知された異常から予想される車両の故障状態とに関連付けられた車両の停車場所要件を所定の停車場所要件データベースから取得し、停車場所要件に基づいて車両の停車予定場所を決定して、停車予定場所までの車両の経路を設定する。車両の異常部品や検知された異常から予想される車両の故障状態に応じて設定された停車予定場所へ車両を誘導できるため、乗員及び周囲環境に対する危険度を軽減することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の異常を検知し、
異常が検知された上記車両の異常部品及び検知された異常から予想される上記車両の故障状態を特定し、
上記車両の異常部品と検知された異常から予想される上記車両の故障状態との少なくとも一方に関連付けられた上記車両の停車場所要件を所定の停車場所要件データベースから取得し、
上記停車場所要件に基づいて上記車両の停車予定場所を決定して、当該停車予定場所までの上記車両の経路を設定する、ことを特徴とする車両の経路設定方法。
【請求項2】
上記停車予定場所は、取得した上記停車場所要件を満たす位置を所定の地図データベースから取得した地図情報から探索して決定することを特徴とする請求項1に記載の車両の経路設定方法。
【請求項3】
上記停車場所要件には、予め優先順位が設定され、
上記停車予定場所は、優先順位の高いほうから上記停車場所要件を満たすように決定することを特徴とする請求項2に記載の車両の経路設定方法。
【請求項4】
上記車両の複数の異常部品及び検知された異常から予想される上記車両の複数の故障状態を特定した場合、
上記停車予定場所は、それぞれの異常部品またはそれぞれの故障状態に関連付けされた上記停車場所要件を統合した統合停車場所要件を満たす位置を上記地図情報から探索して決定することを特徴とする請求項3に記載の車両の経路設定方法。
【請求項5】
上記停車予定場所は、所定の環境情報データベースから取得した上記車両、上記停車予定場所及び上記停車予定場所までの経路周辺の環境情報を加味して決定することを特徴とする請求項4に記載の車両の経路設定方法。
【請求項6】
上記環境情報は、気象情報、日照情報、交通情報、人の混雑度のいずれかもしくは2つ以上の組み合わせであることを特徴とする請求項5に記載の車両の経路設定方法。
【請求項7】
上記停車場所要件に該当する車両の停車場所を決定できない場合、上記停車場所要件よりも条件が緩和された所定の緩和停車場所要件に基づいて上記停車予定場所を決定することを特徴とする請求項6に記載の車両の経路設定方法。
【請求項8】
上記車両の走行可能距離もしくは走行可能時間を算出し、
上記走行可能距離もしくは上記走行可能時間の範囲内で上記停車予定場所を決定することを特徴とする請求項7に記載の車両の経路設定方法。
【請求項9】
上記車両の異常部品または検知された異常から予想される上記車両の故障状態を上記車両が上記停車予定場所に到達するまでの間に再評価し、上記停車予定場所を再設定することが可能なことを特徴とする請求項8に記載の車両の経路設定方法。
【請求項10】
上記車両の異常、上記車両の異常部品、検知された異常から予想される上記車両の故障状態、上記走行可能距離及び上記走行可能時間は、上記車両の車両情報に基づいて評価されることを特徴とする請求項9に記載の車両の経路設定方法。
【請求項11】
上記停車予定場所への案内情報、上記車両の異常部品及び検知された異常から予想される上記車両の故障状態の少なくともいずれか一つを上記車両の乗員に通知することを特徴とする請求項10に記載の車両の経路設定方法。
【請求項12】
上記車両は、上記停車予定場所に至る経路を所定の自動運転機能により走行することを特徴とする請求項10に記載の車両の経路設定方法。
【請求項13】
上記車両の異常部品及び検知された異常から予想される上記車両の故障状態に応じて、上記車両の位置情報、上記停車予定場所、上記停車予定場所に至る経路、上記車両の異常部品及び検知された異常から予想される上記車両の故障状態の少なくとも一つを予め設定された所定の通知先に通知することを特徴とする請求項10に記載の車両の経路設定方法。
【請求項14】
車両の異常を検知する異常検知部と、
異常が検知された上記車両の異常部品及び検知された異常から予想される上記車両の故障状態を特定する故障部品特定部と、
上記車両の異常部品と検知された異常から予想される上記車両の故障状態との少なくとも一方に関連付けられた上記車両の停車場所要件を所定の停車場所要件データベースから取得する停車場所要件取得部と、
上記停車場所要件に基づいて上記車両の停車予定場所を決定する停車場所設定部と、
上記停車予定場所までの上記車両の経路を設定する経路設定部と、を有することを特徴とする車両の経路設定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の経路設定方法及び車両の経路設定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、運転者の操作に応じて走行するマニュアル運転と、運転者による操作をアシストして走行するアシスト運転と、運転者の操作なしに走行する自動運転と、が可能な4輪自動車に搭載された演算システムが開示されている。
【0003】
この演算システムは、アシスト運転や自動運転をする場合の自動車の走行経路を生成する主演算装置と、走行中の自動車が予め設定した基準を満たす安全停車位置に停車するまで経路である安全経路を生成するバックアップ演算装置と、を有している。
【0004】
特許文献1の上記演算システムは、上記主演算装置の故障が検出された場合、車両がバックアップ演算装置で生成された安全経路に沿って車両を走行させることが可能となっている。
【0005】
この演算システムは、車外環境の情報に基づいて、走行中の自動車が予め設定した基準を満たす上記安全停車位置に停車するまでの安全経路を生成することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-142770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、この特許文献1においては、安全経路の上記安全停車位置が車両の故障種別に応じて設定されるものではなく、車両の故障種別によっては上記安全停車位置に車両が停止することでかえって乗員や周囲環境に危険をもたらす虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、車両の異常を検知し、異常が検知された上記車両の異常部品及び検知された異常から予想される上記車両の故障状態を特定し、上記車両の異常部品と検知された異常から予想される上記車両の故障状態との少なくとも一方に関連付けられた上記車両の停車場所要件を所定の停車場所要件データベースから取得し、上記停車場所要件に基づいて上記車両の停車予定場所を決定して、当該停車予定場所までの上記車両の経路を設定する、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、車両の異常部品や検知された異常から予想される車両の故障状態に応じて設定された停車予定場所へ車両を誘導できるため、乗員及び周囲環境に対する危険度を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施例における車両の経路設定装置の機能ブロック図。
図2】第1実施例の経路設定装置を搭載した車両の制御の流れを示すフローチャート。
図3】第2実施例における車両の経路設定装置の機能ブロック図。
図4】第2実施例の経路設定装置を搭載した車両の制御の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。一実施例における車両の経路設定装置は、例えば運転者の操作なしに車両を走行させることが可能な自動運転機能を有する車両に搭載されている。
【0012】
図1は、第1実施例の車両の経路設定装置10の機能ブロック図である。第1実施例における経路設定装置10は、車両の異常を検知した際に、車両の異常部品及び検知された異常から予想される車両の故障状態(故障症状)に基づき、適切な停車予定場所を設定し、設定された停車予定場所まで車両を自動運転機能により走行させるものである。
【0013】
経路設定装置10は、例えば、CPU、ROM、RAM及び入出力インターフェースを備えた周知のデジタルコンピュータであって、車両に搭載されるものである。
【0014】
経路設定装置10は、車両情報取得部1010と、異常検知部1011と、故障部品特定部1012と、残走行可能距離推定部1013と、位置情報取得部1014と、地図情報取得部1015と、交通情報取得部1016と、停車場所要件取得部1017と、停車場所設定部1018と、経路設定部1019と、外部通報部1020と、車両制御部1021と、を有している。
【0015】
車両情報取得部1010は、経路設定装置10が搭載された車両に関する情報(車両情報)を取得する。車両情報取得部1010には、車両の各種センサ類からの出力信号が入力されている。車両情報取得部1010は、例えば、車両の車速センサ、加速度センサ、ステアリングトルクセンサ、ブレーキセンサ及びマイクロフォン等の各種センサ類のいずれか1つ以上から測定された値を取得するものであってもよい。車両情報取得部1010は、例えば、当該車両に取り付けられたエンジンのクランク角センサ、スロットル開度センサ、O2センサ、エアフロメータ、ノックセンサ、吸気温度センサ、排気温度センサ、水温センサ、のいずれか1つ以上から測定された値を取得するものであってもよい。車両情報取得部1010は、例えば、当該車両に取り付けられた各種モータのポジションセンサ、温度センサ、トルクセンサ、電圧センサ、電流センサのいずれか1つ以上から測定された値を取得するものであってもよい。
【0016】
異常検知部1011は、車両情報取得部1010にて取得された車両情報に基づき、車両に故障につながりうる異常が発生しているか否かを判断する。つまり、異常検知部1011は、車両の運転中に、当該車両の故障につながりうる異常を検知する。異常検知部1011は、具体的には、例えば、自己符号化器(オートエンコーダ)や敵対的生成ネットワーク(Generative Adversarial Networks)を用いた異常検知方法であってもよい。
【0017】
故障部品特定部1012は、異常検知部1011が当該車両において異常が発生していると判断した場合に、車両情報取得部1010にて取得された車両情報に基づき、当該車両に取り付けられた部品の中で異常がある部品及び検知された異常から予想される故障状態を特定する。すなわち、故障部品特定部1012は、異常が検知された車両の異常部品及び検知された異常から予想される車両の故障状態を特定する。
【0018】
残走行可能距離推定部1013は、車両情報取得部1010において取得された車両情報と、故障部品特定部1012にて特定された異常部品及び検知された異常から予想される車両の故障状態に基づいて、車両の走行が困難となるまでに走行可能な距離である残走行可能距離(走行可能距離)を推定する。すなわち、残走行可能距離推定部1013は、車両の現時点からの残走行可能距離(走行可能距離)を算出する。なお、残走行可能距離推定部1013は、車両情報取得部1010にて取得された車両情報のみに基づき、車両の現時点からの残走行可能距離(走行可能距離)を算出してもよい。
【0019】
位置情報取得部1014は、車両の現在時刻における位置情報を取得する。位置情報取得部1014は、例えば、GPS衛星からの信号に基づき地球上での3次元位置情報を取得するものでもよい。また、位置情報取得部1014は、例えば、4GLTEネットワークに基づき地球上での3次元位置情報を取得するものでもよい。
【0020】
地図情報取得部1015は、位置情報取得部1014において取得された位置情報に基づき、当該位置情報の周辺の地図情報を環境情報データベースである地図データベース20から取得する。地図データベース20は、地図情報を記録したものであり、例えば車外のクラウドサーバ上に設けられている。上記地図情報は、例えば、距離、位置、標高、地形の他に、住宅位置、人口密集度、照度を含むものであってもよい。
【0021】
交通情報取得部1016は、地図情報取得部1015において取得された地図情報に基づき、環境情報データベースである交通情報データベース21から車両の現在位置周辺の交通情報を取得する。交通情報データベース21は、交通情報を記録したものであり、例えば車外のクラウドサーバ上に設けられている。上記交通情報は、例えば、道路上における交通量の現在時刻における情報もしくは現在時刻以降の予測情報であってもよい。
【0022】
停車場所要件取得部1017は、故障部品特定部1012において特定された異常部品及び検知された異常から予想される車両の故障状態に基づいて、停車場所要件データベースである所定の故障-停車要件対応データベース22にアクセスし、検知された異常から予想される故障状態に対応した停車場所の要件である停車場所要件を取得する。すなわち、停車場所要件取得部1017は、車両の異常部品及び検知された異常から予想される車両の故障状態と関連付けられた車両の停車場所要件を故障-停車要件対応データベース22から少なくとも一つ以上取得する。また、取得された停車場所要件には、予め優先順位が設定される。故障-停車要件対応データベース22は、車両の異常部品及び検知された異常から予想される車両の故障状態に対応する停車場所要件を記録したものであり、例えば車外のクラウドサーバ上に設けられている。
【0023】
[異常部品及び予想される故障状態と対応する停車場所要件の例1]
例えば、特定された異常部品が内燃機関であり、予想される故障状態が内燃機関の異常燃焼の場合における車両の停車場所要件について説明する。
【0024】
停車場所要件取得部1017は、例えば内燃機関のノッキングの強度が所定の閾値以上となって内燃機関に燃焼異常があると判定されると、内燃機関の燃焼異常による故障に対応した停車場所要件を取得する。
【0025】
内燃機関の燃焼異常による故障に対応した停車場所要件には、例えば、周囲の建物への影響を軽減できること、乗員の移動が容易であることなどを満たすことが求められる。
【0026】
そのため、停車場所要件取得部1017において取得される内燃機関の異常燃焼に対応した停車場所要件には、例えば、周囲への影響を軽減できること、乗員の移動が容易であることなどを満たすことが求められる。
以上を踏まえた内燃機関の異常燃焼に対応した停車場所要件は、例えば、表1のようになる。
【0027】
【表1】
【0028】
表1における「所定の施設」とは、例えば、ガソリンスタンドやガスタンク等である。また、表1における「水源」とは、例えば、海や川、湖、消火栓等である。
【0029】
[異常部品及び予想される故障状態と対応する停車場所要件の例2]
例えば、特定された異常部品が車両のブレーキであり、予想される故障状態がブレーキロータの摩耗劣化の場合における車両の停車場所要件について説明する。
【0030】
車両は、ブレーキロータが摩耗劣化した状態で走行し続けると、ブレーキロータが過度に摩耗し、車両の制動に影響が生じる虞がある。
【0031】
そこで、停車場所要件取得部1017は、例えばブレーキロータからの異音の大きさが所定の閾値以上となってブレーキロータに異常があると判定されると、ブレーキロータの過度の摩耗により車両の制動に影響が生じた場合を想定した停車場所要件を取得する。
【0032】
ブレーキロータの過度の摩耗により車両の制動に影響が生じた場合に対応した停車場所要件には、例えば、傾斜が小さいこと、車両の周囲に建造物がないことなどを満たすことが求められる。
【0033】
以上を踏まえた車両の制動に影響が生じた場合に対応した停車場所要件は、例えば、表2のようになる。
【0034】
【表2】
【0035】
[異常部品及び予想される故障状態と対応する停車場所要件の例3]
例えば、特定された異常部品が2つある場合における車両の停車場所要件について説明する。
【0036】
具体的には、特定された異常部品の一方がテールランプであり、予想される一方の故障状態がバルブの劣化故障とする。また特定された異常部品の他方が車両のブレーキであり、予想される他方の故障状態がブレーキロータの摩耗劣化とする。
【0037】
このような場合、停車場所要件取得部1017は、レールランプのバルブ劣化故障と、ブレーキロータの過度の摩耗により車両の制動に影響が生じた場合と、の両方を満たす停車場所要件を取得することが求められる。
【0038】
以上を踏まえた停車場所要件は、例えば、上述した表2と後述する表5を組み合わせた、表3のようになる。
【0039】
表3は、異常部品がテールランプであり、予想される故障状態がバルブの劣化故障の場合の停車場所要件と、異常部品が車両のブレーキであり、予想される故障状態がブレーキロータの摩耗劣化の場合の停車場所要件と、を統合して得られた統合停車場所要件である。統合停車場所要件は、それぞれ(複数)の異常部品またはそれぞれ(複数)の故障状態に関連付けされた停車場所要件を統合したものである。
【0040】
【表3】
【0041】
なお、特定された異常部品が2つ以上ある場合における車両の統合停車場所要件は、それぞれの異常部品またはそれぞれの故障状態に関連付けされた停車場所要件を統合したものであってもよい。
【0042】
停車場所設定部1018は、残走行可能距離推定部1013において取得された残走行可能距離と、地図情報取得部1015において取得された地図情報と、交通情報取得部1016において取得された交通情報と、停車場所要件取得部1017において取得された停車場所要件と、に基づいて、当該車両が停車するのに適した停車予定場所を設定する。
【0043】
なお、停車予定場所は、優先順位の高いほうから停車場所要件を満たすように決定される。つまり、停車予定場所は、優先順位の高い停車場所要件を優先的に満たすように設定される。
【0044】
また、停車予定場所は、少なくとも停車場所要件取得部1017において取得された停車場所要件に基づいて決定するようにしてもよい。すなわち、停車予定場所は、残走行可能距離、地図情報、交通情報及び停車場所要件のうち、停車場所要件以外の情報は適宜取捨選択して、設定するようにしてもよい。
【0045】
また、停車場所設定部1018は、停車場所要件を満たす停車予定要件が存在しなかった場合に、停車場所要件を緩和した緩和停車場所要件を設定し、この緩和停車場所要件に基づいて、車両が停車するのに適した停車予定場所を設定する。すなわち、停車場所設定部1018は、例えば距離に関する緩和停車場所要件であれば、対応する停車場所要件の距離の値よりも大きくもしくは小さくする。停車場所設定部1018は、停車場所要件を満たす停車予定要件が存在しなかった場合、例えば複数の停車場所要件の中で任意の要件を削除する。
【0046】
以上を踏まえた緩和停車場所要件は、例えば、表1の停車場所要件に対応するものとしては、表4のようになる。
【0047】
【表4】
【0048】
経路設定部1019は、位置情報取得部1014において取得された位置情報から、停車場所設定部1018において設定された停車予定場所への走行経路を設定する。
【0049】
外部通報部1020は、故障部品特定部1012にて特定された異常部品及び検知された異常から予想される車両の故障状態と、停車場所設定部1018において設定された停車予定場所と、経路設定部1019において算出された走行経路とを外部へ通報する。外部通報部1020は、例えば携帯電話回線を利用して、消防やロードサービスに通報するものであってもよい。また、外部通報部1020は、特定された異常部品、検知された異常から予想される車両の故障状態、停車予定場所、走行経路の少なくとも一つを外部に通報するようにしてもよい。
【0050】
車両制御部1021は、経路設定部1019において設定された走行経路に基づき、当該車両を自動制御し、車両を停車予定場所まで走行させる。
【0051】
図2は、第1実施例の経路設定装置10が搭載された車両の制御の流れを示すフローチャートである。
【0052】
ステップS10では、車両情報を取得する。
【0053】
ステップS11では、車両情報に基づき車両に異常が発生しているか否かを判断する。ステップS11において車両に故障に繋がりうる異常が発生していると判断した場合には、ステップS12へ進む。ステップS11において車両に故障に繋がりうる異常が発生していないと判断した場合には、ステップS10へ進む。
【0054】
ステップS12では、車両の異常部品及び検知された異常から予想される車両の故障状態を特定する。
【0055】
ステップS131、ステップS132及びステップS133は、ステップS12の後に並列処理されるステップである。なお、ステップS132は、ステップS1320、ステップS1321、ステップS1322からなるステップ群である。ステップS131、ステップS132及びステップS133からなる並列処理の結果は、ステップS15へ送られる。
【0056】
ステップS131では、例えば、異常部品及び検知された異常から予想される車両の故障状態に基づいて、残走行可能距離(走行可能距離)を推定する。
【0057】
ステップS1320では、車両の現在時刻における位置情報を取得する。
【0058】
ステップS1321では、車両の現在位置周辺の地図情報を取得する。
【0059】
ステップS1322では、車両の現在位置周辺の交通情報を取得する。
【0060】
ステップS133では、異常部品及び検知された異常から予想される車両の故障状態に対応した停車場所要件を取得する。
【0061】
ステップS15では、停車予定場所を決定する。
【0062】
ステップS16では、停車予定場所までの走行経路を決定する。
【0063】
ステップS17では、異常部品、検知された異常から予想される車両の故障状態と、停車予定場所及び停車予定場所までの走行経路を外部へ通報する。
【0064】
ステップS18では、停車予定場所までの走行経路に沿って車両を自動走行(自動運転)させ、車両を停車予定場所まで移動させる。
【0065】
ステップS19では、車両が停車予定場所へ到達したか否かを判断する。ステップS19において車両が停車予定場所に到達したと判断した場合は、自動運転されている車両を停止し、今回のルーチンを終了する。ステップS19において車両が停車予定場所に到達していないと判断した場合は、ステップS12へ進む。ステップS19からステップS12へ進む場合は、異常部品及び検知された異常から予想される車両の故障状態を再評価し、異常の度合いや交通状態の変化に応じて停車予定場所を再検討する。
【0066】
このような第1実施例の経路設定装置10は、車両の異常部品や検知された異常から予想される車両の故障状態に応じて設定された停車予定場所へ車両を誘導できるため、乗員及び周囲環境に対する危険度を軽減することができる。
【0067】
第1実施例の経路設定装置10における停車場所設定部1018は、取得した停車場所要件を満たす位置を地図データベース20から取得した地図情報から探索して決定している。すなわち、第1実施例の経路設定装置10において、停車予定場所は、取得した停車場所要件を満たす位置を地図データベース20から取得した地図情報から探索して決定している。
【0068】
そのため、第1実施例の経路設定装置10は、より効率的に乗員や周囲環境への影響を軽減できる停車予定場所を設定することができる。
【0069】
第1実施例の経路設定装置10における停車場所設定部1018は、優先順位の高いほうから停車場所要件を満たすように停車予定場所を決定している。すなわち、第1実施例の経路設定装置10において、停車予定場所は、優先順位の高いほうから停車場所要件を満たすように決定している。
【0070】
そのため、第1実施例の経路設定装置10は、複数の停車予定場所の候補の中でより乗員や周囲環境への影響を軽減できる停車予定場所を設定することができる。
【0071】
車両の複数の異常部品及び検知された異常から予想される車両の複数の故障状態を特定した場合、第1実施例の経路設定装置10における停車場所設定部1018は、それぞれの異常部品またはそれぞれの故障状態に関連付けされた停車場所要件を統合した統合停車場所要件を満たす停車予定位置を地図データベース20から取得した地図情報から探索して決定している。すなわち、車両の複数の異常部品及び検知された異常から予想される車両の複数の故障状態を特定した場合、第1実施例の経路設定装置10において、停車予定場所は、それぞれの異常部品またはそれぞれの故障状態に関連付けされた停車場所要件を統合した統合停車場所要件を満たす位置を上記地図情報から探索して決定している。
【0072】
そのため、第1実施例の経路設定装置10は、すべての異常部品と検知された異常から予想される全ての故障状態に対する危険を低減できる停車予定場所へ車両を誘導することができる。
【0073】
第1実施例の経路設定装置10における停車場所設定部1018は、環境情報データベースから取得した地図情報、交通情報を加味して停車予定場所を決定している。すなわち、第1実施例の経路設定装置10において、停車予定場所は、車両、停車予定場所及び停車予定場所までの経路周辺の環境情報を加味して決定している。
【0074】
そのため、第1実施例の経路設定装置10は、車両や車両の走行経路周辺の環境情報を考慮した停車予定場所を設定できるので、環境の変化に合わせたより乗員や周囲環境への影響を軽減できる停車予定場所を設定することができる。
【0075】
停車場所要件に該当する車両の停車予定場所を決定できない場合、第1実施例の経路設定装置10における停車場所設定部1018は、停車場所要件よりも条件が緩和された所定の緩和停車場所要件に基づいて停車予定場所を決定している。すなわち、停車場所要件に該当する停車予定場所を決定できない場合、第1実施例の経路設定装置10において、停車予定場所は、停車場所要件よりも条件が緩和された所定の緩和停車場所要件に基づいて決定している。
【0076】
そのため、第1実施例の経路設定装置10は、停車場所要件で停車予定場所が見つからなかった場合に、条件が緩和された緩和停車場所要件に基づいて最善の停車予定場所を設定することができる。
【0077】
第1実施例の経路設定装置10における停車場所設定部1018は、車両の残走行可能距離(走行可能距離)の範囲内で停車予定場所を決定している。すなわち、 第1実施例の経路設定装置10において、停車予定位置は、車両の残走行可能距離(走行可能距離)の範囲内で決定している。
【0078】
そのため、第1実施例の経路設定装置10は、より確実に乗員や周囲環境への影響を軽減することができる停車場所へ車両を移動させることができる。
【0079】
第1実施例の経路設定装置10は、図2のステップS19で「No」と判定された場合、停車予定場所を再設定することが可能となっている。すなわち、 第1実施例の経路設定装置10は、車両の異常部品または検知された異常から予想される車両の故障状態を当該車両が停車予定場所に到達するまでの間に再評価し、当該停車予定場所を再設定することが可能となっている。
【0080】
そのため、第1実施例の 経路設定装置10は、車両の故障状態の変化や環境の変化に応じたより乗員や周囲環境への影響を軽減できる停車場所を設定することができる。
【0081】
第1実施例の経路設定装置10において、車両の異常、車両の異常部品、検知された異常から予想される車両の故障状態、残走行可能距離(走行可能距離)は、車両情報に基づいて評価(検知、特定あるいは決定)される。
【0082】
そのため、第1実施例の経路設定装置10は、精度高く故障部品や故障状態を特定することができる。
【0083】
第1実施例の経路設定装置10においては、停車予定場所に至る経路を車両が所定の自動運転機能により走行する。
【0084】
そのため、第1実施例の経路設定装置10においては、確実に車両を停車予定場所まで誘導することができる。
【0085】
第1実施例の経路設定装置10における外部通報部1020は、車両の異常部品と、検知された異常から予想される車両の故障状態と、停車場所設定部1018において設定された停車予定場所と、経路設定部1019において算出された走行経路と、を外部へ通報する。
【0086】
そのため、経路設定装置10は、外部から車両へ故障状態に応じた対応をとることができる。
【0087】
以下、本発明の他の実施例について説明する。なお、上述した実施例と同一の構成要素には同一の符号を付し重複する説明を省略する。
【0088】
図3は、第2実施例の車両の経路設定装置11の機能ブロック図である。第2実施例における経路設定装置11は、上述した第1実施例の経路設定装置10と略同一構成となっているが、停車場所設定部1118が気象情報、日照情報、人の混雑度を表す人流情報等を加味して、適切な停車予定場所を設定している。すなわち、第2実施例の経路設定装置11は、車両の異常を検知した際に、車両の異常部品、検知された異常から予想される車両の故障状態(故障症状)、気象日照情報及び人流情報に基づき、適切な停車予定場所を設定している。
【0089】
また、第2実施例の経路設定装置11は、停車予定場所まで車両を自動運転で走行させるものではなく、設定された停車予定場所を乗員に通知するにとどめたものである。すなわち、第2実施例の経路設定装置11は、停車予定場所までは運転者自身の運転で車両を走行させるものである。
【0090】
経路設定装置11は、例えば、CPU、ROM、RAM及び入出力インターフェースを備えた周知のデジタルコンピュータであって、車両に搭載されるものである。
【0091】
経路設定装置11は、車両情報取得部1010と、異常検知部1011と、故障部品特定部1012と、残走行可能時間推定部1113と、位置情報取得部1014と、地図情報取得部1015と、停車場所要件取得部1017と、停車場所設定部1118と、経路設定部1019と、外部通報部1020と、経路通知部1121と、気象日照情報取得部1122と、人流情報取得部1123と、有している。
【0092】
残走行可能時間推定部1113は、車両情報取得部1010において取得された車両情報と、故障部品特定部1012にて特定された異常部品及び検知された異常から予想される車両の故障状態に基づいて、車両の走行が困難となるまでに走行可能な時間である残走行可能時間(走行可能時間)を推定する。すなわち、残走行可能時間推定部1113は、車両の現時点からの残走行可能時間(走行可能時間)を算出する。なお、残走行可能時間推定部1113は、車両情報取得部1010にて取得された車両情報のみに基づき、車両の現時点からの残走行可能時間(走行可能時間)を算出してもよい。
【0093】
停車場所設定部1118は、残走行可能時間推定部1113において取得された残走行可能時間と、地図情報取得部1015において取得された地図情報と、停車場所要件取得部1017において取得された停車場所要件と、気象日照情報取得部1122において取得された気象日照情報と、人流情報取得部1123において取得された人流情報(人の混雑度に関する情報)と、に基づいて、当該車両が停車するのに適した停車場所を設定する。
【0094】
気象日照情報取得部1122は、気象及び日照に関する情報である気象日照情報を環境情報データベースである気象日照データベース23から取得する。気象日照データベース23は、例えば車外のクラウドサーバ上に設けられている。気象日照情報は、例えば、気象と、日照時間及び日照度のいずれか1つ以上(少なくとも一つ)の現在時刻情報もしくは予測情報であってもよい。
【0095】
人流情報取得部1123は、人の流れやどの場所にどれだけの人がいるかといった人の混雑度に関する人流情報を人流情報データベース24から取得する。人流情報データベース24は、例えば車外のクラウドサーバ上に設けられている。
[故障部品および故障症状と対応する停車場所要件の例4]
例えば、特定された異常部品がテールランプであり、予想される故障状態がテールランプのバルブ劣化故障の場合における車両の停車場所要件について説明する。
【0096】
車両は、異常があるテールランプの点灯を続けるとバルブ劣化がさらに進み、やがてランプが点灯しにくくなる虞がある。
そのため、停車場所要件取得部1017において取得されるテールランプのバルブ劣化故障に対応した停車場所要件には、例えば、周囲の照度が明るく、当該車両の存在に気づきやすいこと、周囲に障害物が少なく見晴らしがよいことなどを満たすことが求められる。さらに、気象日照情報に基づき、例えば雨天のときであれば雨を避けられることなどが求められる。
【0097】
以上を踏まえた停車場所要件は、例えば、表5のようになる。
【0098】
【表5】
【0099】
経路通知部1121は、停車場所設定部1118において設定された停車予定場所と、経路設定部1019において設定されて走行経路と、を当該車両の乗員(運転者)に通知する。
【0100】
図4は、第2実施例の経路設定装置11が搭載された車両の制御の流れを示すフローチャートである。
【0101】
なお、図4のステップS10~12、ステップS1320、ステップS1321、ステップS133、ステップS15~17、ステップS19は、上述した第1実施例と重複する同一機能のステップであり、説明を省略する。
【0102】
ステップS135は、例えば、異常部品及び検知された異常から予想される車両の故障状態に基づいて、残走行可能時間(走行可能時間)を推定する。
【0103】
ステップS136では、気象日照情報を取得する。
【0104】
ステップS137では、人流情報を取得する。
【0105】
ステップS28では、車両の乗員(運転者)に対して停車予定場所までの経路案内を実施する。
【0106】
このような第2実施例の経路設定装置11は、上述した第1実施例の経路設定装置10と同様に、車両の異常部品や検知された異常から予想される車両の故障状態に応じて設定された停車予定場所へ車両を誘導できるため、乗員及び周囲環境に対する危険度を軽減することができる。
【0107】
また、第2実施例の経路設定装置11は、気象日照情報を考慮することで、気象日照の変化に対応した停車予定場所へ車両を誘導することができる。
【0108】
また、第2実施例の経路設定装置11は、車両を停車予定場所まで自動運転で走行させるではなく、乗員(運転者)に移動経路を通知するにとどめるため、乗員(運転者)が実際の周辺環境に応じてより適切な停車場所を判断し停車させることができる。
【0109】
そのため、第2実施例の経路設定装置11は、より乗員及び周囲環境に対する危険度が低減される停車場所へ車両を誘導することができる。
【0110】
第2実施例の経路設定装置11における停車場所設定部1018は、車両の残走行可能時間(走行可能時間)の範囲内で停車予定場所を決定している。すなわち、 第2実施例の経路設定装置11において、停車予定位置は、車両の残走行可能時間(走行可能時間)の範囲内で決定している。
【0111】
そのため、第2実施例の経路設定装置11は、より確実に乗員や周囲環境への影響を軽減することができる停車場所へ車両を移動させることができる。
【0112】
第2実施例の経路設定装置11において、車両の異常、車両の異常部品、検知された異常から予想される車両の故障状態、残走行可能時間(走行可能時間)は、車両情報に基づいて評価(検知、特定あるいは決定)される。
【0113】
そのため、第2実施例の経路設定装置11は、精度高く故障部品や故障状態を特定することができる。
【0114】
第2実施例の経路設定装置11において、経路通知部1121は、停車予定場所と、停車予定場所へ至る走行経路と、車両の乗員に通知している。すなわち、第2実施例の経路設定装置11において、経路通知部1121は、停車予定場所への案内情報を車両の乗員に通知している。
【0115】
そのため、車両の乗員は、停車予定場所への運転が可能となる。
【0116】
また、第2実施例の経路設定装置11において、経路通知部1121は、停車予定場所への案内情報のほかに、車両の異常部品と、検知された異常から予想される車両の故障状態との少なくともいずれか一つを車両の乗員に通知するようにしてもよい。車両の異常部品や検知された異常から予想される車両の故障状態を車両の乗員に通知することによって、車両の乗員は、異常部品や予想される車両の故障状態への事前の対処が可能となる。
【0117】
以上、本発明の具体的な実施例を説明してきたが、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0118】
上述した各実施例において、経路設定装置10は、車両情報取得部1010、位置情報取得部1014等の車載が必要なもの以外は、クラウドサーバ上に設けて、車両との間で必要な情報の遣り取り(入出力)を行うようにしてもよい。
【0119】
上述した各実施例において、各種データベースは、経路設定装置10または経路設定装置11に内蔵し、必要に応じて外部と通信して内容をアップデートするようにしてもよい。
【0120】
上述した各実施例において、停車予定場所は、少なくとも停車場所要件取得部1017において取得された停車場所要件に基づいて決定するようにしてもよい。すなわち、停車予定場所は、残走行可能距離、地図情報、交通情報及び停車場所要件のうち、停車場所要件以外の情報は適宜取捨選択して、決定するようにしてもよい。
【0121】
上述した各実施例において、経路設定装置10、11は、停車予定場所へ至る経路の案内情報、特定された異常部品、検知された異常から予想される車両の故障状態の少なくともいずれか一つを車両の乗員に通知するようにしてもよい。
【0122】
上述した各実施例において、環境情報は、気象情報、日照情報、交通情報、人の混雑度のいずれかもしくは2つ以上の組み合わせであってもよい。
【0123】
上述した各実施例において、外部通報部1020は、車両の異常部品及び検知された異常から予想される車両の故障状態に応じて、車両の位置情報、停車予定場所、停車予定場所に至る経路、車両の異常部品及び検知された異常から予想される車両の故障状態の少なくとも一つを予め設定された所定の通知先に通知するようにしてもよい。
【0124】
第1実施例においては、例えば、停車予定場所までの経路を車載のカーナビゲーション画面に表示するにとどめ、停車予定場所までの車両の運転を運転者に委ねる(自動運転は行わない)ようにしてもよい。
【0125】
第1実施例においては、残走行可能距離(走行可能距離)に変えて、現時点からの残走行可能時間(走行可能時間)を用い停車予定場所を決定(設定)するようにしてもよい。
【0126】
第1実施例においては、停車予定場所までの自動運転中に、運転者の判断で自動運転を解除して、運転者自身で運転をするようにしてもよい。
【0127】
第2実施例においては、残走行可能時間(走行可能時間)に変えて、現時点からの残走行可能距離(走行可能距離)を用い停車予定場所を決定(設定)するようにしてもよい。
【0128】
第1実施例の経路設定装置10においては、停車予定場所と、停車予定場所へ至る走行経路と、車両の異常部品と、検知された異常から予想される車両の故障状態と、のうちの少なくとも一つを車両に乗員に通知するようにしてもよい。
【0129】
第2実施例においては、停車予定場所まで自動運転で走行するようにしてもよい。
【0130】
上述した各実施例は、車両の経路設定方法及び車両の経路設定装置に関するものである。
【符号の説明】
【0131】
10…経路設定装置
1010…車両情報取得部
1011…異常検知部
1012…故障部品特定部
1013…残走行可能距離推定部
1014…位置情報取得部
1015…地図情報取得部
1016…交通情報取得部
1017…停車場所要件取得部
1018…停車場所設定部
1019…経路設定部
1020…外部通報部
1021…車両制御部
図1
図2
図3
図4