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特開2024-55356郵便物管理装置、郵便物管理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055356
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】郵便物管理装置、郵便物管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A47G 29/122 20060101AFI20240411BHJP
   A47G 29/126 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
A47G29/122 Z
A47G29/126
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162201
(22)【出願日】2022-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】000230858
【氏名又は名称】日本金銭機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085660
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 均
(74)【代理人】
【識別番号】100149892
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 弥生
(74)【代理人】
【識別番号】100185672
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 雅人
(72)【発明者】
【氏名】井澤 伸也
【テーマコード(参考)】
3K100
【Fターム(参考)】
3K100CA01
3K100CA02
3K100CA60
3K100CC03
3K100CD01
(57)【要約】
【課題】郵便箱の投入口に広告用の投入物以外(郵便物)が投入される際に、投入口を開放できない状態から開放できる状態へ自動で切替可能な郵便物管理装置を提供する。
【解決手段】郵便箱の投入口に投入される投入物を示す対象画像を取得する取得部と、対象画像が示す投入物の種類を判別する判別部と、判別結果が広告用の投入物でない場合、投入口を開放可能にする制御部とを具備する構成において、予め定められた特定文字列を記憶する記憶部と、対象画像が示す投入物における特定文字列を認識可能な認識部とを具備し、判別部は、認識部により特定文字列が認識されると、対象画像が示す投入物は広告用の投入物ではないと判別する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
郵便箱の投入口に投入される投入物を示す対象画像を取得する取得部と、
前記対象画像が示す投入物の種類を判別する判別部と、
前記判別結果が広告用の投入物でない場合、前記投入口を開放可能にする制御部と
を具備する郵便物管理装置。
【請求項2】
予め定められた特定文字列を記憶する記憶部と、
前記対象画像が示す投入物における前記特定文字列を認識可能な認識部とを具備し、
前記判別部は、前記認識部により前記特定文字列が認識されると、前記対象画像が示す投入物は広告用の投入物ではないと判別する
請求項1に記載の郵便物管理装置。
【請求項3】
前記特定文字列は、予め定められた住所を表す文字列である
請求項2に記載の郵便物管理装置。
【請求項4】
前記制御部は、複数個の前記投入口のうち、前記特定文字列に応じた前記投入口を開放可能にする
請求項2または3に記載の郵便物管理装置。
【請求項5】
郵便箱の投入口に投入される投入物を示す対象画像を取得するステップと、
前記対象画像が示す投入物の種類を判別するステップと、
前記判別結果が広告用の投入物でない場合、前記投入口を開放可能にするステップと
を具備する郵便物管理方法。
【請求項6】
請求項5に記載の各ステップをコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は郵便物管理装置、郵便物管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、配達された郵便物(葉書など)が投入される各種の郵便箱が提案されている。例えば、特許文献1には、郵便物が投入される投入口を開閉可能に塞ぐフラップが設けられた郵便箱において、投入口を塞ぐ閉鎖位置でフラップを係止可能なストッパを設ける技術が開示される。特許文献1の技術によれば、ストッパをロック状態にすることで、フラップが閉鎖位置で係止され、不要なチラシが郵便箱に投入され難くなるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-74496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、ロック状態から解除状態へストッパを切替えることで、投入口が開放される開放位置へフラップが移動可能になり、投入口へ郵便物が投入できる。しかし、ストッパを解除状態に切替えるには手作業を要するため、ストッパを解除状態に切替忘れる場合がある。以上の場合、不要なチラシに加え、必要な郵便物が郵便箱に投入できないという不都合がある。以上の事情を考慮して、本発明は、郵便箱の投入口に広告用の投入物以外(郵便物)が投入される際に、投入口を開放できない状態から開放できる状態へ自動で切替可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するため、本発明の郵便物管理装置は、郵便箱の投入口に投入される投入物を示す対象画像を取得する取得部と、対象画像が示す投入物の種類を判別する判別部と、判別結果が広告用の投入物でない場合、前記投入口を開放可能にする制御部とを具備する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、郵便箱の投入口に広告用の投入物以外(郵便物)が投入される際に、投入口を開放できない状態から開放できる状態へ自動で切替可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】郵便物管理システムの各構成を説明するための図である。
図2】郵便物管理装置のハードウェア構成図である。
図3】郵便物管理装置の機能ブロック図である。
図4】メールボックスの解除状態を説明するための図である。
図5】投入物の種類を判別する動作の具体例を説明するための図である。
図6】投入物の種類を判別する動作の他の具体例を説明するための図である。
図7】郵便物管理装置における処理のフローチャートである。
図8】第2実施形態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、郵便物管理システム1の各構成を説明するための図である。郵便物管理システム1は、門柱ユニット100(郵便物管理装置の一例)、サーバ装置200および携帯用端末300を含む。郵便物管理システム1の各構成は、ネットワークNを介して通信可能に構成される。ネットワークNとしては、例えば、インターネットが採用され得る。
【0009】
門柱ユニット100は、例えば、門柱として家屋の近傍に設置される。図1に示す通り、門柱ユニット100は、制御ユニットCおよび郵便箱ユニットBを含んで構成される。郵便箱ユニットBには郵便物を投入可能な投入口H(後述の図4(b)参照)が設けられ、投入口Hに投入された郵便物は郵便箱ユニットBの内部に収納される。また、郵便箱ユニットBには、投入口Hを開閉可能に塞ぐフラップFが設けられる。郵便物の配達員は、フラップFを閉鎖位置から開放位置へ移動させて郵便物を投入口Hヘ投入する。
【0010】
制御ユニットCは、郵便箱ユニットBを投入許可状態および投入禁止状態へ移行させる。投入許可状態は、郵便箱Bの投入口Hから郵便物を投入できる状態である。投入禁止状態は、郵便箱ユニットBの投入口Hから郵便物を投入できない(困難な)状態である。
【0011】
具体的には、郵便箱ユニットBには後述のストッパ(図4(a)における17)が設けられる。以上のストッパは、閉鎖位置から開放位置へフラップFが移動するのを禁止する状態と、閉鎖位置から開放位置へフラップFが移動可能な状態とに制御可能である。投入許可状態では、閉鎖位置から開放位置へフラップFが移動可能な状態にストッパが制御される。一方、投入禁止状態では、閉鎖位置から開放位置へフラップFが移動するのを禁止する状態にストッパが制御される。
【0012】
制御ユニットCは、郵便箱ユニットBに投入される投入物の種類に応じて、郵便箱ユニットBを投入禁止状態から投入許可状態へ移行可能に構成される。具体的には、制御ユニットCは、郵便箱ユニットBに投入される投入物を撮影可能に構成され、撮影された画像から当該投入物の種類を判別する。また、制御ユニットCは、判別した投入物の種類に応じて郵便箱ユニットBを投入禁止状態から投入許可状態へ移行させる。例えば、受取人の住所が記載された郵便物であると判別した場合、制御ユニットCは、郵便箱ユニットBを投入禁止状態から投入許可状態へ移行させる。一方、受取人の住所が記載されない広告用投入物であると判別した場合、制御ユニットCは、郵便箱ユニットBを投入禁止状態から投入許可状態へ移行させない。
【0013】
以上の構成によれば、不要な広告用投入物が郵便箱ユニットBに投入される不都合が抑制される。また、必要な郵便物が投入される場合、投入禁止状態から投入許可状態へ郵便箱ユニットBが自動で移行する。したがって、例えば、投入禁止状態から投入許可状態へ移行する際に、手作業を要する構成と比較して、必要な郵便物が郵便箱ユニットBに投入できない事態が抑制されるという利点がある。以上の構成については、詳細に後述する。
【0014】
サーバ装置200は、各種の情報を門柱ユニット100から受信する。例えば、郵便箱ユニットBが投入禁止状態から投入許可状態へ移行した場合、その旨を示す情報が門柱ユニット100からサーバ装置200へ送信される。また、門柱ユニット100は、上述した通り郵便物Bに投入される投入物を撮影する。門柱ユニット100は、投入物の画像を示す画像データをサーバ装置200へ送信する。なお、投入物の配達員の画像を示す画像データがサーバ装置200へ送信される構成としてもよい。
【0015】
携帯用端末300は、例えば門柱ユニット100の郵便箱ユニットBに投入される郵便物の受取人により所持される。また、携帯用端末300は、サーバ装置200から各種の情報を受信する。例えば、サーバ装置200が門柱ユニット100から受信した各種の情報に基づく情報が携帯用端末300へ送信される。サーバ装置200および携帯用端末300の機能の詳細については、変形例において後述し、以下においては門柱ユニット100について詳細に説明する。なお、サーバ装置200および携帯用端末300の一方または双方が省略される構成としてもよい。
【0016】
図2は、門柱ユニット100のハードウェア構成図である。上述した通り、門柱ユニット100は、制御ユニットCおよび郵便箱ユニットBを具備する。
【0017】
制御ユニットCは、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、カメラ104、メモリ105および通信部106を含んで構成される。ROM102は、各種の情報を不揮発的に記憶する。例えば、ROM102は、プログラムを含む各種の情報を記憶する。CPU101は、ROM102が記憶するプログラムを実行する。RAM103は、各種の情報を一時的に記憶可能である。例えば、RAM103は、CPU101がプログラムを実行した場合に生成された各種の情報を記憶する。
【0018】
制御ユニットCのカメラ104は、郵便箱ユニットBに投入される投入物(郵便物、広告用投入物)を撮影して当該投入物を示す画像データを生成する。メモリ105は、カメラ104が撮影した投入物の種類を判別するための各種の情報(例えば、図5の特定文字列テーブルT)を記憶する。以上のメモリ105としては、例えばフラッシュメモリが好適に採用される。なお、メモリ105として、フラッシュメモリを例示したが、他の記憶手段をメモリ105として採用してもよい。例えば、EEPROMをメモリ105として採用してもよい。
【0019】
制御ユニットCの通信部106は、郵便箱ユニットB(通信部107)へ各情報を送信するとともに、郵便箱ユニットBから各情報を受信する。本実施形態の制御ユニットC(通信部106)と郵便箱ユニットB(通信部107)とは、無線通信により各情報を送受信できる。例えば、投入物が広告用投入物以外(郵便物)であると判別されると、投入許可状態へ移行させるための投入許可信号が郵便箱ユニットBへ送信される。また、通信部106は、外部装置(例えば、上述のサーバ装置200)との通信を可能にする。なお、本実施形態の投入許可信号は、無線通信により制御ユニットCから送信されるが、有線通信により送信される構成としてもよい。
【0020】
図2に示す通り、郵便箱ユニットBは、通信部107、ストッパ108およびセンサ109を含む。郵便箱ユニットBの通信部107は、制御ユニットCの通信部106から各情報を受信するとともに、通信部106へ各情報を送信する。例えば、郵便箱ユニットBの通信部107は、上述の投入許可信号を受信する。投入許可信号を受信すると、郵便箱ユニットBが投入禁止状態から投入許可状態へ移行する。
【0021】
具体的には、上述した通りフラップFは、郵便物が投入される投入口Hを塞ぐ閉鎖位置と開放する開放位置とに移動する。郵便箱ユニットBが投入許可状態では、閉鎖位置から開放位置へフラップFが移動可能な状態にストッパ108が制御される。また、郵便箱ユニットBが投入禁止状態では、閉鎖位置から開放位置へフラップFが移動するのを規制する状態にストッパ108が制御される。詳細には後述するが、本実施形態のストッパ108は、フラップFの移動を規制可能なストッパ片を具備するソレノイドである(後述の図4(a)参照)。ただし、ストッパ108としてソレノイド以外を採用してもよい。例えば、ストッパ片を具備するモータをストッパ108として採用してもよい。
【0022】
制御ユニットCのセンサ109は、投入許可状態において郵便物の投入が完了した旨を検知するために設けられる。具体的には、センサ109は、フラップFが閉鎖位置にある場合にON状態になり、フラップFが開放位置にある場合にOFF状態になる。また、郵便箱ユニットBのフラップFは、開放位置から自重で閉鎖位置へ移動可能に構成される。以上の構成では、投入口Hに郵便物が投入される前後の期間において、フラップFは「閉鎖位置→開放位置→閉鎖位置」の順に移動する。
【0023】
以上の本実施形態では、センサ109がON状態からOFF状態へ変化し、再度ON状態に変化した場合、郵便物の投入が完了したと判断できる。本実施形態では、センサ109の状態(ON/OFF)を示す信号がリアルタイムで制御ユニットCへ送信される。制御ユニットCは、センサ109の状態を示す信号に基づいて、郵便物の投入か完了した旨を検知する。また、制御ユニットCは、郵便物の投入か完了した旨を検知すると、投入完了信号を郵便箱ユニットBへ送信する。郵便箱ユニットBは、投入完了信号を受信すると、投入許可状態から投入禁止状態へ移行する。センサ109としては、光センサが好適に採用される。
【0024】
図3は、郵便物管理装置10の機能ブロック図である。例えば、上述のCPU101がプログラムを実行することで、門柱ユニット100が郵便物管理装置10として機能する。図3に示す通り、郵便物管理装置10は、撮影部11、取得部12、認識部13、判別部14、制御部15、記憶部16およびストッパ17を含む。撮影部11は、郵便箱ユニットBに投入される投入物(郵便物、広告用投入物)を撮影する。例えば、上述のカメラ104が撮影部11として機能する。
【0025】
取得部12は、郵便箱ユニットBの投入口に投入される投入物を示す対象画像Gを取得する。以上の対象画像Gは、投入物の種類を判別するために用いられる(後述の図5のGa、および、図6のGb参照)。
【0026】
本実施形態の取得部12は、撮影部11が撮影した画像から対象画像Gを生成する。具体的には、撮影部11が撮影した画像(以下「元画像」)に投入物以外(例えば、配達員)が含まれる場合がある。取得部12は、元画像の各物体をセグメンテーションの技術により認識し、当該元画像のうち投入物を表示する領域のみを切抜いて対象画像Gを生成する。なお、セグメンテーションの技術としては、例えば、特開2022-29169号公報に記載の技術が採用され得る。
【0027】
認識部13は、対象画像Gが示す投入物における特定文字列を認識可能である。以上の特定文字列は、対象画像Gが示す投入物の種類(広告用投入物であるか否か)を判別するための文字列であり、記憶部16に記憶される。例えば、記憶部16は、郵便物の受取人の住所を特定文字列として記憶する。ただし、投入物が広告用投入物であるか否かを判別可能であれば足り、特定文字列は受取人の住所に限定されない。例えば、郵便物の受取人の氏名を特定文字列として採用してもよい。
【0028】
判別部14は、対象画像が示す投入物の種類を判別する。具体的には、判別部14は、認識部13により特定文字列が認識されると、対象画像Gが示す投入物は広告用投入物ではないと判断する。例えば、対象画像Gが示す投入物に特定文字列である受取人の住所が記載される場合、当該投入物は広告用投入物ではないと判断される。
【0029】
ただし、投入物の種類を判別するための構成として、特定文字列を用いない構成を採用してもよい。例えば、上述の特開2022-29169では、学習済みのFCN(Fully Convolutional Networks:全層畳み込みネットワーク)を用いて、画像が表示する各物体の種類が認識される。以上の構成において、投入物の種類を分類可能にFCNを学習させることにより、当該投入物が広告用投入物であるか否かが分類できる。判別部14は、FCNの分類結果に応じて、投入物の種類を判別する。以上の構成では、特定文字列(例えば、受取人の住所)を含まない場合がある投入物(新聞など)であっても、広告用投入物以外であると判別できる。
【0030】
制御部15は、判別部14による判別結果が広告用投入物でない場合、郵便箱ユニットBの投入口Hを開放可能にする。具体的には、制御部15は、ストッパ17を制御することにより、郵便箱ユニットBを投入禁止状態(図4(a)参照)から投入許可状態(図4(b)参照)へ移行させる。以上の構成については、図4(a)および図4(b)を用いて詳細に後述する。
【0031】
図4(a)は、投入禁止状態の郵便箱ユニットBを説明するための図である。図4(a)には、郵便箱ユニットBを前後方向に平行な直線で切断した断面が示される。なお、図4(a)に示す郵便箱ユニットBの各部材は、説明のため、実際とは縮尺を変更して表示する。また、図4(a)において、郵便箱ユニットBの各部材のうちの一部を抜粋して示し、他の一部(例えば、上述のセンサ109)を省略して示す。後述の図4(b)についても同様である。図4(a)に示す通り、郵便箱ユニットBは、略箱状の本体部Aを含んで構成される。本体部Aの前面には投入物(郵便物など)が投入される投入口Hが設けられる。投入口Hから投入された投入物は、本体部Aの内部に収納される。
【0032】
郵便箱ユニットBの本体部Aには、投入口Hを開閉可能に塞ぐフラップFが設けられる。具体的には、図4(a)に示す通り、フラップFの上辺部Faが本体部Aに回転可能に軸支される。フラップFは、投入口Hを塞ぐ閉鎖位置と開放する開放位置とに上辺部Faを回転軸として移動する。図4(a)の具体例では、フラップFが閉鎖位置で停止する場合を想定する。以上の場合、フラップFの下辺部Fbが本体部Aと当接し、郵便箱ユニットBの外側方向(図4(a)のya方向)へのフラップFの移動が規制される。以上の構成では、閉鎖位置で停止するフラップFを郵便箱ユニットBの内側方向(図4(a)のyb方向)への移動させる(押入れる)ことにより、フラップFが開放位置へ移動可能である。
【0033】
ただし、投入禁止状態においては、フラップFのyb方向への移動がストッパ17により規制される。具体的には、図4(a)に示す通り、ストッパ17はストッパ片Pを含んで構成される。ストッパ片Pは、突出位置と引込位置とに移動可能に構成される。投入禁止状態では、ストッパ片Pが突出位置へ移動する。図4(a)に示す通り、ストッパ片Pが突出位置にある場合、ストッパ片PがフラップFの下辺部Fbと当接し、yb方向へのフラップFの移動が規制される。以上の構成によれば、投入禁止状態において、閉鎖位置から開放位置へのフラップFの移動が規制され、投入口Hから投入物が投入できない。
【0034】
図4(b)は、投入許可状態の郵便箱ユニットBを説明するための図である。本実施形態では、郵便物管理装置10により投入物が広告用投入物以外であると判別されると、投入許可信号Dがストッパ17へ送信される。図4(b)の具体例では、郵便物M(広告用投入物以外の投入物)が投入される場合を想定する。以上の場合、投入許可信号Dが送信され、郵便箱ユニットBが投入許可状態に制御される。
【0035】
図4(b)に示す通り、投入許可状態では、ストッパ片Pが退避位置へ移動する。ストッパ片Pが退避位置にある場合、ストッパ片PがフラップFと当接しないため、フラップFがyb方向(開放位置)へ移動できる。図4(b)には、開放位置まで移動したフラップFが示される。以上の構成によれば、投入許可状態において、フラップFを郵便箱ユニットBの内側方向(yb方向)へ押入れることで、投入口Hから郵便物Mを投入できる。
【0036】
上述した通り、郵便箱ユニットBは、閉鎖位置におけるフラップFを検知するセンサ109を具備する。投入許可状態においてフラップFが閉鎖位置から移動し、その後、閉鎖位置へ戻った旨が検知されると、ストッパ片Pが退避位置から突出位置へ移動し、投入禁止状態へ移行する。なお、投入許可状態から投入禁止状態へ戻る契機は適宜に変更できる。例えば、投入口Hを通過する投入物の有無を検知するセンサを設け、当該センサが投入物を検知し、その後、投入物を検知しなくなった契機で、投入許可状態から投入禁止状態へ戻る構成としてもよい。
【0037】
なお、従来からの郵便箱と同様に、投入物は本体部A内部の底面側に蓄積され、投入口Hを開放できる投入許可状態であっても、本体部A内部の投入物を投入口Hから取出すことは困難(実質的に不可能な場合を含む)である。また、詳細な説明は省略するが、本体部Aの後面には、施錠可能な取出し口が設けられる。郵便箱ユニットBに投入された投入物の受取人は、取出し口を開錠することで、当該郵便箱ユニットBに投入された投入物を回収できる。
【0038】
図5は、投入物の種類を判別する動作の具体例を説明するための図である。図5の具体例では、投入物Maが郵便箱ユニットBに投入される場合を想定する。以上の投入物Maは広告用投入物以外の郵便物である。
【0039】
図5に示す通り、郵便箱ユニットBに投入される前に投入物Maが撮影部11により撮影される(図5のSa1)。具体的には、郵便箱ユニットBは、投入物の配達員を検知する検知手段(人感センサ)を具備する。また、配達員が検知される期間において、予め定められた時間間隔で(例えば、約1秒毎に)撮影部11が画像を繰返し撮影する。撮影部11が画像を撮影する毎に、当該画像に投入物が含まれるか否かが判別される。以上の判別には、上述のセグメンテーションの技術が採用される。撮影部11が撮影した元画像に投入物が含まれる場合、当該元画像から当該投入物の画像を切抜いた対象画像Gが生成される。対象画像Gが生成されると撮影部11は撮影を中止する。
【0040】
なお、投入物Mが撮影される契機は適宜に変更できる。例えば、配達員を検知する検知手段に加え、投入物Mがカメラの前面近傍に位置する旨を検知可能な検知手段、および、メッセージを出力するためのスピーカを設ける構成を想定する。以上の構成において、配達員が検知された契機で、「郵便物をカメラにかざして住所を撮影してください」というメッセージがスピーカーから出力される。その後、投入物Mが撮影部11の前面近傍に位置する旨が検知されると、当該投入物Mが撮影される。以上の構成では、撮影部11が撮影した元画像に投入物M以外含まれ難いため、当該元画像自体を対象画像Gとして採用できるという利点がある。
【0041】
図5の具体例では、投入物Maが撮影され、当該投入物Maを示す対象画像Gaが生成される(図5のSa2)。対象画像Gが生成されると、当該対象画像Gに含まれる文字列Wが認識され抽出される。対象画像Gから文字列を抽出するための技術としては、公知のОCR(Optical Character Recognition)技術が採用され得る。図5の具体例では、対象画像Gaから文字列Wa「aaaa」および文字列Wb「bbbb」を含む文字列Wが抽出された場合を想定する(図5のSa3)。以上の文字列Wのうち文字列Waは、投入物Maの受取人の住所を示す。
【0042】
対象画像Gから文字列Wが抽出されると、当該文字列Wに特定文字列Wxが含まれるか否かが判別される。具体的には、図5に示す通り、特定文字列テーブルTが記憶部16に記憶される。特定文字列テーブルTは、特定文字列Wxを含んで構成される。本実施形態の特定文字列テーブルTの特定文字列Wxは、郵便物の受取人により予め登録される。
【0043】
例えば、携帯用端末300が適宜に操作されると、当該携帯用端末300にサーバ装置200から特定のアプリケーションプログラムがダウンロードされる。郵便物の受取人は、当該アプリケーションプログラムが動作する期間において、携帯用端末300を適宜に操作することにより、希望する特定文字列Wxを指定できる。携帯用端末300により特定文字列Wxが指定されると、当該特定文字列Wxがサーバ装置200へ送信され、サーバ装置200から郵便物管理装置10へ当該特定文字列Wxが転送される。
【0044】
郵便物管理装置10は、特定文字列Wxを受信すると、当該特定文字列Wxを特定文字列テーブルTに追加する。本実施形態では、複数種類の特定文字列Wxを特定文字列テーブルTに追加可能である。ただし、受取人が特定文字列Wxを任意に指定できない構成としてもよい。例えば、郵便物管理装置10が販売される時点において、受取人の住所および氏名が特定文字列Wxとして事前に記憶される構成としてもよい。
【0045】
図5の具体例では、特定文字列テーブルTに特定文字列Wxとして受取人の住所を示す「aaaa」が含まれる場合を想定する。また、図5の具体例では、上述のステップSa3において投入物Maの対象画像Gaから文字列Wa「aaaa」が抽出された。すなわち、図5の具体例では、特定文字列テーブルTの特定文字列Wxが対象画像Gaから抽出された場合を想定する。以上の場合、投入物Maは広告用投入物ではないと判断される(図5のSa4)。
【0046】
投入物Maが広告用投入物ではないと判断されると、投入許可信号Dが郵便箱ユニットBへ送信される(図5のSa5)。投入許可信号Dを受信すると郵便箱ユニットBが投入許可状態へ移行し、投入物Maを郵便箱ユニットBに投入可能になる。なお、本実施形態において、郵便箱ユニットBが投入許可状態へ移行した旨が報知される構成としてもよい。例えば、郵便箱ユニットBにランプを設け、投入許可状態では当該ランプが点灯し、投入禁止状態では当該ランプが消灯する構成としてもよい。また、郵便箱ユニットBが投入許可状態へ移行した契機で、その旨を示す音声が出力される構成としてもよい。
【0047】
図6は、投入物の種類を判別する動作の他の具体例を説明するための図である。図6の具体例では、投入物Mbが郵便箱ユニットBに投入される場合を想定する。以上の投入物Mbは広告用投入物である。
【0048】
図6に示す通り、郵便箱ユニットBに投入される前に投入物Mbが撮影部11により撮影される(図6のSb1)。図6の具体例では、投入物Mbが撮影され、当該投入物Mbを示す対象画像Gbが生成される(図6のSb2)。また、対象画像Gbに含まれる文字列Wが認識され抽出される(図6のSb3)。図6の具体例では、投入物Mb(広告用投入物)の「SALE」という文字列Wcが抽出された場合を想定する。対象画像Gbから文字列Wが抽出されると、当該文字列Wに特定文字列Wxが含まれるか否かが判別される(図6のSb4)。
【0049】
図6の具体例では、対象画像Gbから抽出された文字列W(例えば、Wc「SALE」)に特定文字列Wxが含まれないと判断される。具体的には、図6における投入物Mbは、不特定多数の郵便箱に投入されるものであり、受取人の住所(特定文字列Wxの一例)は記載されない。また、受取人の住所以外の特定文字列Wxも、対象画像Gbから抽出された文字列Wに含まれない。以上の場合、投入物Wbは広告用投入物であると判断され、投入許可信号Dが郵便箱ユニットBへ送信されない。したがって、郵便箱ユニットBが投入禁止状態で維持されるため、投入物Mbは郵便箱ユニットBへ投入できない。
【0050】
以上の通り本実施形態では、投入物が広告用投入物であると判断された場合、当該投入物を郵便箱ユニットBに投入できないため、不要な投入物が郵便箱ユニットBに投入される不都合が抑制される。また、投入物が郵便物であると判断された場合、郵便箱ユニットBが自動で投入許可状態へ移行する。以上の構成では、必要な郵便物が郵便箱ユニットBに投入できない不都合が抑制される。
【0051】
なお、投入物が撮影された位置(角度)によっては、当該投入物が郵便物である場合であっても広告用投入物であると判断される不都合が生じ得る。以上の事情を考慮して、投入物を広告用投入物であると判断した場合、郵便物管理装置10は、投入物を再度撮影させるべき旨を報知する構成としてもよい。例えば、投入物が広告用投入物であると判断された場合、「住所が撮影される位置に郵便物をかざしてください」という音声が出力される構成としてもよい。
【0052】
図7は、郵便物管理処理のフローチャートである。郵便物管理装置10は、投入物を撮影する契機が成立すると、郵便物管理処置を実行する。例えば、投入物の配達員を検知した契機で、郵便物管理装置10は郵便物管理処理を実行する。
【0053】
郵便物管理処理を開始すると、郵便物管理装置10は、郵便箱の投入口に投入される投入物の画像を撮影するための画像撮影処理(S1)を実行する。画像撮影処理を実行した後に、郵便物管理装置10は、投入物を示す対象画像を取得するための画像取得処理(S2)を実行する。画像取得処理を実行した後に、郵便物管理装置10は、直前の画像取得処理で取得した対象画像が示す投入物における特定文字列を認識するための文字認識処理(S3)を実行する。
【0054】
文字認識処理を実行した後に、郵便物管理装置10は、直前の文字認識処理の結果に応じて、投入物が広告用投入物であるか否かを判別するための判別処理(S4)を実行する。具体的には、文字認識処理において特定文字列が認識されない場合、投入物が広告用投入物であると判別される。一方、文字認識処理において特定文字列が認識された場合、投入物が広告用投入物以外(例えば郵便物)であると判別される。
【0055】
判別処理を実行した後に、郵便物管理装置10は、当該判別処理において投入物が広告用投入物以外であると判別されたか否かを判定する(S5)。投入物が広告用投入物以外である場合(S5:Yes)、郵便物管理装置10は、投入許可信号Dを郵便箱ユニットBへ送信して郵便物管理処理を終了する。以上の場合、郵便箱ユニットBが投入許可状態へ移行し投入物が投入可能になる。一方、投入物が広告用投入物である場合(S5:No)、郵便物管理装置10は、投入許可信号Dを送信しないで郵便物管理処理を終了する。以上の場合、郵便箱ユニットBが投入禁止状態で維持されるため、投入物が投入できない。
【0056】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態を以下に説明する。なお、以下に例示する各形態において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、第1実施形態の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0057】
図8(a)は、第2実施形態の各構成を説明するための図である。上述の第1実施形態の郵便物管理装置10は、撮影部11と郵便箱ユニットBとを具備した。第2実施形態では、撮影部11および郵便箱ユニットBは、郵便物管理装置10とは別に設けられる。
【0058】
撮影部11および郵便物管理装置10は通信可能に構成される。例えば、撮影部11により撮影された投入物を示す画像データが郵便物管理装置10に入力される。郵便物管理装置10は、第1実施形態と同様に、撮影部11が撮影した画像を用いて、投入物が広告用投入物であるか否かを判別し、判別結果に応じて郵便箱ユニットBを投入許可状態へ移行させる。具体的には、投入物が広告用投入物ではないと判定されると、その旨が郵便物管理装置10から撮影部11へ通知される。以上の通知を受けると、撮影部11は、投入許可信号Dを郵便箱ユニットBへ送信する。ただし、第2実施形態において、郵便物管理装置10自身が投入許可信号Dを送信する構成としてもよい。
【0059】
図8(a)に示す通り、第2実施形態では、複数個の郵便箱ユニットB(a~c)が設けられる。以上の各郵便箱ユニットBは、例えば共同住宅に設置され、投入される郵便物に記載の部屋番号は相違する。なお、第2実施形態では、3個の郵便箱ユニットBを設けたが、2個以下の郵便箱ユニットBを設けてもよいし、4個以上の郵便箱ユニットBを設けてもよい。
【0060】
図8(a)に示す通り、各郵便箱ユニットB(a~c)は、許可報知ランプL(a~c)を具備する。郵便箱ユニットBの許可報知ランプLは、当該郵便箱ユニットBが投入許可状態である場合に点灯し、投入禁止状態である場合に消灯する。詳細には以下で説明するが、第2実施形態では、郵便物に記載された部屋番号に応じた1個の郵便箱ユニットBを投入許可状態へ移行し、他の郵便箱ユニットBを投入禁止状態で維持可能に構成される。
【0061】
図8(b)は、第2実施形態における特定文字列テーブルTの概念図である。図8(b)に示す通り、第2実施形態の特定文字列テーブルTは、第1実施形態の特定文字列テーブルTと同様に、特定文字列Wxを含んで構成される。また、第2実施形態の特定文字列テーブルTには、特定文字列Wx毎に、投入許可信号D(a~c)が対応して記憶される。第2実施形態では、投入物の対象画像から認識された特定文字列Wxの種類に応じて、相違する投入許可信号D(a~b)が送信される。また、投入許可信号Dの種類に応じて、投入許可状態へ移行する郵便箱ユニットBが変化する。
【0062】
以上の第2実施形態は、投入物の対象画像から認識された特定文字列Wxの種類に応じて、投入許可状態へ移行する郵便箱ユニットBが変化するとも換言される。具体的には、特定文字列テーブルTは、特定文字列「101号室」、特定文字列「102号室」および特定文字列「103号室」を含む。以上の各特定文字列は、各郵便箱ユニットBが設置される共同住宅における各部屋番号を示す。例えば、郵便物の画像から特定文字列「101号室」が認識されると、投入許可信号Daが送信され、101号室の郵便箱ユニットBaが投入許可状態に制御される。同様に、郵便物の画像から特定文字列「102号室」が認識されると、投入許可信号Dbが送信され、102号室の郵便箱ユニットBbが投入許可状態に制御され、特定文字列「103号室」が認識されると、投入許可信号Dcが送信され、103号室の郵便箱ユニットBcが投入許可状態に制御される。
【0063】
以上の通り、第2実施形態では、複数個の投入口(郵便箱ユニットB)のうち、特定文字列に応じた投入口を開放可能にできる。以上の構成では、不要な広告用投入物が投入口に投入され難くなるという効果は格別に顕著である。なお、第2実施形態において、投入物が広告用投入物ではないと判定された場合に、全ての郵便箱ユニットBが投入許可状態に制御される構成としてもよい。
【0064】
<変形例>
以上の各形態は多様に変形される。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は適宜に併合され得る。
【0065】
(1)サーバ装置200および携帯用端末300の機能は、上述の例に限定されない。例えば、郵便管理装置10(門柱ユニット100)において、投入物が広告用投入物であると判断された場合(上述の図6参照)、当該投入物の画像、および、当該投入物を投入しようとした人物の画像がサーバ装置200へ送信される構成としてもよい。また、サーバ装置200から携帯用端末300へ、上述の各画像が転送される構成としてもよい。
【0066】
郵便管理装置10の利用者は、自身の携帯用端末300で、広告用投入物であると判断された投入物、および、当該投入物を投入しようとした人物の画像を確認できる。確認した結果、仮に、本来は郵便箱ユニットBに投入されるべき投入物であると判断した場合、利用者は、投入物を投入しようとした人物が所属する会社に問合せることができる。
【0067】
(2)各形態において、既存の郵便箱に後付け可能なストッパユニットを用いてもよい。ストッパユニットは、第1実施形態の郵便箱ユニットBの郵便箱(本体部AおよびフラップF)以外の各構成(通信部107、ストッパ108、センサ109)を具備する。また、ストッパユニットは、投入許可状態および投入禁止状態へ移行可能である。ストッパユニットを郵便箱の適切な位置に取付けることにより、ストッパユニットが投入禁止状態の期間において当該郵便箱へ投入物が投入不可能になる。また、ストッパユニットが投入許可状態の期間において当該郵便箱へ投入物を投入可能になる。ストッパユニットは、投入許可信号Dが受信されるまで投入禁止状態に制御される。
【0068】
以上の変形例では、カメラ104が投入物を撮影可能な位置に制御ユニットCを設置することにより、郵便物がカメラ104により撮影された場合に、投入許可信号Dが制御ユニットCからストッパユニット(郵便箱)へ送信される。ストッパユニットは、投入許可信号Dを受信すると、投入禁止状態から投入許可状態へ移行する。なお、ストッパユニットと制御ユニットCとが無線通信可能とすることで、各ユニットの配線作業が省略され、且つ、制御ユニットCを設置する場所の自由度が向上するという利点がある。
【0069】
(3)第1実施形態では、複数個の特定文字列のうちの1個が対象画像に含まれる場合、郵便箱ユニットBを投入許可状態へ移行させた。以上の構成に替えて、複数個の特定文字列のうちの2個以上が対象画像に含まれる場合、郵便箱ユニットBを投入許可状態へ移行し、対象画像に含まれる特定文字列が1個のみの場合、郵便箱ユニットBを投入禁止状態で維持する構成としてもよい。
【0070】
(4)各形態において、記憶部16が記憶する特定文字列テーブルTから特定文字列Wxを削除可能な構成としてもよい。例えば、郵便物管理装置10の販売時において、特定文字列テーブルTに固定文字列Wx1が特定文字列として予め記憶される。以上の固定文字列Wx1としては、郵便箱ユニットBが設置される住所が想定される。また、携帯用端末300等を用いて、郵便物の受取人は、希望する任意文字列Wx2を特定文字列として特定文字列テーブルTに登録できる。
【0071】
以上の変形例において、例えば、郵便箱ユニットBに投入される郵便物の受取人が変更される(引越す)場合を想定する。以上の場合において、変更前の受取人の氏名が任意文字列Wx2として特定文字列テーブルTに記憶される場合、当該任意文字列Wx2が特定文字列テーブルTから削除される。例えば、サーバ装置200に接続した操作部を適宜に操作することにより、任意文字列Wx2を特定文字列テーブルTから削除可能な構成が好適である。
【0072】
(5)各形態において、例えば投入物が撮影される環境(時間帯)によっては、当該投入物に特定文字列Wxが記載されるにも関わらず、当該特定文字列Wxを構成する一部の文字のみが対象画像Gから認識される事態が生じ得る。例えば投入物が夜間に撮影された場合、当該投入物に特定文字列「abcd」が記載されるにも関わらず、対象画像Gからは文字列「abc」のみが認識される事態が生じ得る。以上の事情を考慮して、対象画像Gから特定文字列Wxの全ての文字が認識されない場合であっても、郵便箱ユニットBが投入許可状態へ移行し得る構成としてもよい。具体的には、特定文字列を構成する各文字の半分以上を含む文字列が対象画像Gから認識された場合、郵便箱ユニットBが投入許可状態へ移行する構成が考えられる。
【0073】
(6)各形態において、サーバ装置200が郵便物管理装置10として機能する構成としてもよい。具体的には、第1実施形態の図3に示す各構成のうち、撮影部11およびストッパ17を門柱ユニット100側に設け、その他の構成(取得部12など)をサーバ装置200が具備する構成としてもよい。以上の変形例では、投入物を示す画像データが撮影部11からサーバ装置200へ送信されると、サーバ装置200は、当該画像データから対象画像Gを生成する。また、サーバ装置200は、対象画像Gから特定文字列を認識し、特定文字列が認識された場合、投入物を広告用投入物以外であると判別する。投入物が広告用投入物以外であると判別されると、その旨がサーバ装置200から撮影部11に通知され、投入許可信号Dが撮影部11から郵便箱ユニットB(ストッパ17)へ送信される。
【0074】
本発明は、例えば以下の郵便物管理装置、郵便物管理方法及びプログラムである。
【0075】
本発明の郵便物管理装置(10)は、郵便箱の投入口に投入される投入物を示す対象画像を取得する取得部(12)と、対象画像が示す投入物の種類を判別する判別部(14)と、判別結果が広告用の投入物でない場合、投入口を開放可能にする制御部(15)とを具備する。また、郵便物管理装置は、予め定められた特定文字列を記憶する記憶部(16)と、対象画像が示す投入物における特定文字列を認識可能な認識部(13)とを具備し、判別部は、認識部により特定文字列が認識されると、対象画像が示す投入物は広告用の投入物ではないと判別する。以上の特定文字列は、例えば、予め定められた住所を表す文字列である。なお、制御部は、複数個の投入口のうち、特定文字列に応じた投入口を開放可能にする構成としてもよい(図8参照)。
【0076】
本発明の郵便物管理方法は、郵便箱の投入口に投入される投入物を示す対象画像を取得するステップ(図7のS2)と、対象画像が示す投入物の種類を判別するステップ(同図のS4)と、判別結果が広告用の投入物でない場合、投入口を開放可能にするステップ(同図のS6)とを具備する。また、本発明のプログラムは、以上の各ステップをコンピュータに実行させる。
【符号の説明】
【0077】
10…郵便物管理装置、11…撮影部、12…取得部、13…認識部、14…判別部、15…制御部、16…記憶部、17…ストッパ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8