(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055367
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】硬貨処理装置
(51)【国際特許分類】
G07D 11/10 20190101AFI20240411BHJP
G07D 1/00 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
G07D11/10
G07D1/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162219
(22)【出願日】2022-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】000116079
【氏名又は名称】ローレルバンクマシン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500267170
【氏名又は名称】ローレル機械株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500265501
【氏名又は名称】ローレル精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】堀 竜生
【テーマコード(参考)】
3E141
【Fターム(参考)】
3E141AA08
3E141FC07
3E141FC11
3E141FC12
3E141GA01
3E141GB01
3E141JA15
3E141LA46
(57)【要約】
【課題】収容部内に硬貨が残存している場合に、その見落としを抑制することができる硬貨処理装置を提供する。
【解決手段】筐体と、筐体内に設けられ、硬貨を処理する硬貨処理部と、筐体の外面に形成された収容部45に取り外し可能に設けられ、硬貨処理部から繰り出された硬貨が収納される収納箱46と、を備え、収容部45は、収容側面部81,82及び収容底面部84の少なくとも一方の収容面部に、収容部45に残留した硬貨と当接して収容部45に残留した硬貨の少なくとも一部を収容面部から離間させる凸状部91,92,101,105が設けられている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に設けられ、硬貨を処理する硬貨処理部と、
前記筐体の外面に形成された収容部に取り外し可能に設けられ、前記硬貨処理部から繰り出された硬貨が収納される収納箱と、
を備え、
前記収容部は、収容側面部及び収容底面部の少なくとも一方の収容面部に、前記収容部に残留した硬貨と当接して前記収容部に残留した硬貨の少なくとも一部を前記収容面部から離間させる凸状部が設けられている
ことを特徴とする硬貨処理装置。
【請求項2】
前記凸状部は、前記凸状部から前記収容底面部までの長さが前記硬貨処理部で処理可能な硬貨の中で最も直径の小さな硬貨の直径の長さよりも小さくなるように、前記収容側面部に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の硬貨処理装置。
【請求項3】
前記収納箱は、箱側面部に、前記凸状部が内部に配置される凹状部が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の硬貨処理装置。
【請求項4】
前記凸状部は、前記凸状部から前記収容側面部までの長さが前記硬貨処理部で処理可能な硬貨の中で最も直径の小さな硬貨の直径の長さよりも小さくなるように、前記収容底面部に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の硬貨処理装置。
【請求項5】
前記凸状部は、前記収容底面部に複数設けられており、
前記複数の凸状部の中で最も一端側に設けられた凸状部は、当該凸状部から一端側の収容側面部までの長さが前記硬貨処理部で処理可能な硬貨の中で最も直径の小さな硬貨の直径の長さよりも小さくなるように、前記収容底面部に設けられ、
前記複数の凸状部の中で最も他端側に設けられた凸状部は、当該凸状部から他端側の収容側面部までの長さが前記硬貨処理部で処理可能な硬貨の中で最も直径の小さな硬貨の直径の長さよりも小さくなるように、前記収容底面部に設けられ、
前記凸状部は、隣接する前記凸状部間の長さが前記硬貨処理部で処理可能な硬貨の中で最も直径の小さな硬貨の直径の長さよりも小さくなるように、前記収容底面部に設けられている
ことを特徴とする請求項4に記載の硬貨処理装置。
【請求項6】
前記収納箱は、硬貨が収納される円錐状の収納部を有している
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の硬貨処理装置。
【請求項7】
前記収納箱には底部を貫通する複数の検知穴が設けられ、
前記収容部は、収容天井部に設けられて前記複数の検知穴に光を通過させる一つの発光部に対して、前記複数の検知穴をそれぞれ通過した光を個別に受光する受光部が前記収容底面部に設けられている
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の硬貨処理装置。
【請求項8】
筐体と、
前記筐体内に設けられ、硬貨を処理する硬貨処理部と、
前記筐体の外面に形成された収容部に取り外し可能に設けられ、前記硬貨処理部から繰り出された硬貨が収納される収納箱と、
を備え、
前記収納箱は、箱側面部及び箱下面部の少なくとも一方の箱面部に凸状部が設けられ、
前記収容部は、前記凸状部が内部に配置される凹状部が設けられている
ことを特徴とする硬貨処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬貨を処理する硬貨処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、硬貨を入出金可能な硬貨処理装置がある(例えば、特許文献1参照)。このような従来の硬貨処理装置は、硬貨が出金される出金箱が装置の筐体の前面等に形成された箱収容部に取り外し可能に設けられており、利用者は、出金箱を装置から引き出す等して取り外すことで、出金箱内の硬貨を取り出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
筐体の外面に形成された収容部から収納箱を取り出す際に、何らかの理由で収容部内に硬貨が残存していると、これを見落としてしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、収容部内に硬貨が残存している場合に、その見落としを抑制することができる硬貨処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る第1の態様は、筐体と、前記筐体内に設けられ、硬貨を処理する硬貨処理部と、前記筐体の外面に形成された収容部に取り外し可能に設けられ、前記硬貨処理部から繰り出された硬貨が収納される収納箱と、を備え、前記収容部は、収容側面部及び収容底面部の少なくとも一方の収容面部に、前記収容部に残留した硬貨と当接して前記収容部に残留した硬貨の少なくとも一部を前記収容面部から離間させる凸状部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る第2の態様は、筐体と、前記筐体内に設けられ、硬貨を処理する硬貨処理部と、前記筐体の外面に形成された収容部に取り外し可能に設けられ、前記硬貨処理部から繰り出された硬貨が収納される収納箱と、を備え、前記収納箱は、箱側面部及び箱下面部の少なくとも一方の箱面部に凸状部が設けられ、前記収容部は、前記凸状部が内部に配置される凹状部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、収容部内に硬貨が残存している場合に、その見落としを抑制することができる硬貨処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係る一実施形態の硬貨処理装置を示す斜視図である。
【
図2】本発明に係る一実施形態の硬貨処理装置を概略的に示す構成図である。
【
図3】本発明に係る一実施形態の硬貨処理装置の収容部を示す正面図である。
【
図4】本発明に係る一実施形態の硬貨処理装置の収容部を示す平断面図である。
【
図5】本発明に係る一実施形態の硬貨処理装置の収容部の左側部の上下方向中間位置の凸状部と硬貨との関係を概略的に示す正断面図である。
【
図6】本発明に係る一実施形態の硬貨処理装置の収容部の底部左側の凸状部と硬貨との関係を概略的に示す正断面図である。
【
図7】本発明に係る一実施形態の硬貨処理装置の収容部の底部で隣接する凸状部と硬貨との関係を概略的に示す正断面図である。
【
図8】本発明に係る一実施形態の硬貨処理装置の収納箱を示す斜視図である。
【
図9】本発明に係る一実施形態の硬貨処理装置の収納箱を示す平面図である。
【
図10】本発明に係る一実施形態の硬貨処理装置の収納箱を示す正断面図である。
【
図11】本発明に係る一実施形態の硬貨処理装置の収納箱を示す側断面図である。
【
図12】本発明に係る一実施形態の硬貨処理装置の収納箱と残留検知部との関係を示す正断面図である。
【
図13】本発明に係る一実施形態の硬貨処理装置の収納箱と残留検知部との関係を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る一実施形態の硬貨処理装置を図面を参照して以下に説明する。本実施形態の硬貨処理装置10は、バラ硬貨に関する処理を行うと共に、包装単位枚数のバラ硬貨を包装紙で包装して一体化した包装硬貨いわゆる棒金に関する処理を行うものである。以下の説明における「前」は硬貨処理装置10の操作者側、「後」は硬貨処理装置10の操作者とは反対側、「左」は硬貨処理装置10の操作者から見て左、「右」は硬貨処理装置10の操作者から見て右である。
【0011】
図1に示すように、硬貨処理装置10は、その筐体15の外面である上面に、入金処理時に装置外からバラ硬貨が投入されるバラ硬貨入金部21が設けられている。
【0012】
また、硬貨処理装置10は、その筐体15の外面である前面16に、入金リジェクト部22と、返却部23と、バラ出金部24と、計数排出部25とが設けられている。
【0013】
入金リジェクト部22は、入金処理時にバラ硬貨入金部21に投入されたバラ硬貨のうち受け入れ不可と識別されたリジェクト硬貨を装置外に取り出し可能に収納する。
返却部23は、入金処理時にバラ硬貨入金部21に投入されたバラ硬貨のうち受け入れ可能と識別されたバラ硬貨を識別及び計数後にキャンセル操作の入力で装置外に取り出し可能に収納する。
【0014】
バラ出金部24は、装置内に収納したバラ硬貨を出金処理時に装置外に取り出し可能に収納する。
計数排出部25は、計数処理時にバラ硬貨入金部21に投入されたバラ硬貨のうち受け入れ可能と識別されたバラ硬貨を識別及び計数後に計数シュートを介して装置外に取り出し可能に収納する。
【0015】
また、硬貨処理装置10は、その筐体15の前面16に、棒金出金部31と、棒金装填部32と、棒金一括出金部33と、棒金放出部34と、クリアボックス部35と、棒金出金リジェクト部36とを有している。
【0016】
棒金出金部31は、装置内に収納した棒金を出金処理時に装置外に取り出し可能に出金する。
棒金装填部32は、補充処理時に装置外から補充用の棒金が投入される。
棒金一括出金部33は、装置内に収納した棒金を出金処理時に装置外に複数一括して取り出し可能に出金する。
【0017】
棒金放出部34は、ローカル整理処理時にバラ硬貨入金部21に投入されたバラ硬貨で作製された棒金を装置外に取り出し可能に出金する。
クリアボックス部35は、装置内でバラ硬貨から棒金を作製する際に生じた包装単位枚数に満たないバラ硬貨を装置外に取り出し可能に出金する。
棒金出金リジェクト部36は、出金処理時に棒金を出金する際に出金不可と識別された棒金を装置外に取り出し可能に収納すると共に、装置内に収納しているバラ硬貨を回収する際に装置外に取り出し可能に収納する。
【0018】
入金リジェクト部22は、筐体15の外面である前面16に形成された収容部41と、収容部41に取り出し可能に設けられた収納箱42とを有している。収容部41は、筐体15の前面16に矩形状に開口し、この前面16から後方に凹む形状である。収納箱42は、直方体状であり、その上面が開口し、上面から下方に凹む形状である。収納箱42は、収容部41に対し摺動可能であり、収容部41に対し、前方に引き出されて取り出され、後方に押し込まれて装填される。
【0019】
返却部23は、筐体15の外面である前面16に形成された収容部43と、収容部43に取り出し可能に設けられた収納箱44とを有している。収容部43は、筐体15の前面16に矩形状に開口し、この前面16から後方に凹む形状である。収納箱44は、直方体状であり、その上面が開口し、上面から下方に凹む形状である。収納箱44は、収容部43に対し摺動可能であり、収容部43に対し、前方に引き出されて取り出され、後方に押し込まれて装填される。
【0020】
バラ出金部24は、筐体15の外面である前面16に形成された収容部45と、収容部45に取り出し可能に設けられた収納箱46とを有している。収容部45は、筐体15の前面16に矩形状に開口し、この前面16から後方に凹む形状である。収納箱46は、直方体状であり、その上面が開口し、上面から下方に凹む形状である。収納箱46は、収容部45に対し摺動可能であり、収容部45に対し、前方に引き出されて取り出され、後方に押し込まれて装填される。
【0021】
棒金一括出金部33は、筐体15の外面である前面16に形成された収容部49と、収容部49に取り出し可能に設けられた収納箱50とを有している。収容部49は、筐体15の前面16に矩形状に開口し、この前面16から後方に凹む形状である。収納箱50は、直方体状であり、その上面が開口し、上面から下方に凹む形状である。収納箱50は、収容部49に対し摺動可能であり、収容部49に対し、前方に引き出されて取り出され、後方に押し込まれて装填される。
【0022】
クリアボックス部35は、筐体15の外面である前面16に形成された収容部51と、収容部51に取り出し可能に設けられた収納箱52とを有している。収容部51は、筐体15の前面16に矩形状に開口し、この前面16から後方に凹む形状である。収納箱52は、直方体状であり、その上面が開口し、上面から下方に凹む形状である。収納箱52は、収容部51に対し摺動可能であり、収容部51に対し、前方に引き出されて取り出され、後方に押し込まれて装填される。
【0023】
棒金出金リジェクト部36は、筐体15の外面である前面16に形成された収容部53と、収容部53に取り出し可能に設けられた収納箱54とを有している。収容部53は、筐体15の前面16に矩形状に開口し、この前面16から後方に凹む形状である。収納箱54は、直方体状であり、その上面が開口し、上面から下方に凹む形状である。収納箱54は、収容部53に対し摺動可能であり、収容部53に対し、前方に引き出されて取り出され、後方に押し込まれて装填される。
【0024】
図2に示すように、硬貨処理装置10は、筐体15内に設けられて何れも硬貨であるバラ硬貨及び棒金を処理する硬貨処理部61を有している。硬貨処理部61は、処理した硬貨を、入金リジェクト部22、返却部23、バラ出金部24、計数排出部25、棒金出金部31、棒金一括出金部33、棒金放出部34、クリアボックス部35及び棒金出金リジェクト部36等に搬送する。
【0025】
硬貨処理部61は、入金計数部62と、一時貯留部63と、バラ繰出収納部64と、出金搬送部65と、精査搬送部66とを有している。
【0026】
入金計数部62は、バラ硬貨入金部21に投入されたバラ硬貨を識別し、受け入れ不可と識別したバラ硬貨を入金リジェクト部22に搬送する一方、受け入れ可能と識別したバラ硬貨を計数すると共に計数排出部25、一時貯留部63及び後述する包装硬貨計数部70の何れか一つに選択的に搬送する。
【0027】
一時貯留部63は、入金計数部62で受け入れ可能と識別され計数されたバラ硬貨を一時貯留すると共に、一時貯留しているバラ硬貨を返却部23及びバラ繰出収納部64の何れか一方に選択的に搬送する。一時貯留部63は、入金計数部62で受け入れ可能と識別され計数されたバラ硬貨を汚損硬貨と還流硬貨とに分類し還流硬貨については更に金種別に分類してそれぞれ一時貯留する。
【0028】
バラ繰出収納部64は、一時貯留部63から搬送されたバラ硬貨を金種別に収納すると共に、収納しているバラ硬貨を繰り出す。バラ繰出収納部64は、汚損庫67と、還流庫68とを有している。汚損庫67は、一時貯留部63に一時貯留された汚損硬貨を収納する。還流庫68は、一時貯留部63に金種別に一時貯留された還流硬貨を金種別に分類して収納する。
【0029】
出金搬送部65は、バラ繰出収納部64から繰り出されたバラ硬貨をバラ出金部24、精査搬送部66及び後述する包装硬貨計数部70の何れか一つに選択的に搬送する。
【0030】
精査搬送部66は、バラ繰出収納部64から繰り出され出金搬送部65で搬送されてきたバラ硬貨をバラ繰出収納部64に搬送する。
【0031】
また、硬貨処理部61は、包装硬貨計数部70と、硬貨集積包装部71と、棒金振分部72と、棒金搬送部73と、棒金収納部74とを有している。
【0032】
包装硬貨計数部70は、入金計数部62から搬送されてきたバラ硬貨及びバラ繰出収納部64から繰り出され出金搬送部65で搬送されてきたバラ硬貨を識別しつつ計数する。
【0033】
硬貨集積包装部71は、包装硬貨計数部70で識別され計数されたバラ硬貨を所定の結束単位枚数(例えば100枚)集積させ、集積された集積硬貨の周囲に合成樹脂製或いは紙製の包装紙を巻き付けると共に、包装紙の両端部を加締めて棒金を作製する。
【0034】
棒金振分部72は、硬貨集積包装部71で作製された棒金を棒金搬送部73に搬送すると共に、バラ繰出収納部64から繰り出され出金搬送部65で搬送されて包装硬貨計数部70を通過したバラ硬貨及び後述する棒金搬送部73で搬送されてきた棒金を棒金出金リジェクト部36に搬送し、更に、硬貨集積包装部71で棒金を作製する際に生じた包装単位枚数に満たないバラ硬貨をクリアボックス部35に搬送する。
【0035】
棒金搬送部73は、棒金を棒金出金部31、棒金一括出金部33、棒金放出部34、棒金振分部72及び棒金収納部74の何れか一つに選択的に搬送すると共に、棒金装填部32から投入された棒金を搬送する。
【0036】
棒金収納部74は、棒金搬送部73で搬送されてきた棒金を金種別に収納すると共に、収納している棒金を棒金搬送部73に繰り出す。棒金収納部74から繰り出された棒金は、棒金搬送部73によって、棒金出金部31、棒金一括出金部33、棒金放出部34及び棒金振分部72の何れか一つに選択的に搬送される。
【0037】
以上により、入金リジェクト部22の収納箱42、返却部23の収納箱44、バラ出金部24の収納箱46、クリアボックス部35の収納箱52及び棒金出金リジェクト部36の収納箱54には、硬貨処理部61から繰り出されたバラ硬貨が収納される。
【0038】
硬貨処理装置10は、筐体15内に、各部に電源を供給する電源部77と、各部を制御する制御部78とを有している。
【0039】
図1に示すバラ出金部24の収容部45は、
図3に示すように、その内側に、左側の収容側面部81(収容面部)と、右側の収容側面部82(収容面部)と、上側の収容天井部83と、下側の収容底面部84(収容面部)と、奥側の収容奥面部85と、左側部の上下方向中間位置の凸状部91と、右側部の上下方向中間位置の凸状部92とを有している。また、収容部45は、その内側に、
図4に示すように、底部左側の凸状部101,102,103及び穴部104と、底部右側の凸状部105,106,107及び穴部108とを有している。
【0040】
収容奥面部85は、前方に向いており、前後方向に対し直交して広がる平面状である。
左側の収容側面部81は、右方に向いており、左右方向に対して垂直に広がる平面状である。
【0041】
図3に示すように、左側部の上下方向中間位置の凸状部91は、左側の収容側面部81から右方に突出している。
図4に示すように、凸状部91は、前後方向に長い直線状である。凸状部91は、
図3に示すように、傾斜上面部111と、傾斜上面部111よりも下側の傾斜下面部112と、これらの間の頂上面部113とを有している。傾斜上面部111、傾斜下面部112及び頂上面部113は何れも前後方向に延びている。傾斜上面部111は、平面状であり、下側ほど収容側面部81から右方に離れるように傾斜している。傾斜下面部112は、平面状であり、上側ほど収容側面部81から右方に離れるように傾斜している。頂上面部113は、傾斜上面部111及び傾斜下面部112の収容側面部81とは反対側の端縁部同士を結んでおり、収容側面部81と平行に広がっている。ここでは、
図3に示すように、左側の収容側面部81に凸状部91が一つ設けられているが、凸状部91が上下に間隔をあけて2つ以上の複数設けられていても良い。
【0042】
図4に示すように前後方向に延びる凸状部91は、前端部が、前方ほど上下方向の幅が狭くなり且つ収容側面部81からの高さが低くなる先細の形状となっている。凸状部91は、後端部が、後方ほど上下方向の幅が狭くなり且つ収容側面部81からの高さが低くなる先細の形状となっている。
【0043】
右側の収容側面部82は、左方に向いており、左右方向に対して垂直に広がる平面状である。収容側面部82は、収容側面部81と左右対称である。
【0044】
図3に示すように、右側部の上下方向中間位置の凸状部92は、右側の収容側面部82から左方に突出している。凸状部92は、凸状部91と左右対称である。凸状部92は、傾斜上面部111と左右対称の傾斜上面部121と、傾斜下面部112と左右対称の傾斜下面部122と、頂上面部113と左右対称の頂上面部123とを有している。ここでは、右側の収容側面部82に凸状部92が一つ設けられているが、凸状部92が上下に間隔をあけて2つ以上の複数設けられていても良い。
【0045】
上下方向中間の左右の凸状部91,92は、何れも収容底面部84までの長さL1が、硬貨処理部61で処理可能な硬貨の中で最も直径の小さな硬貨(日本国内では1円硬貨)の直径の長さ(日本国内では約20mm)よりも小さくなっている。言い換えれば、凸状部91は、凸状部91から収容底面部84までの長さが硬貨処理部61で処理可能な硬貨の中で最も直径の小さな硬貨の直径の長さよりも小さくなるように、収容側面部81に設けられている。また、凸状部92は、凸状部92から収容底面部84までの長さが硬貨処理部61で処理可能な硬貨の中で最も直径の小さな硬貨の直径の長さよりも小さくなるように、収容側面部82に設けられている。
【0046】
また、凸状部91の収容奥面部85までの
図4に示す長さL2、即ち凸状部92の収容奥面部85までの長さL2は、硬貨処理部61で処理可能な硬貨の中で最も直径の小さな硬貨が収容底面部84に接触した状態で収容側面部81,82に面接触できない長さに設定されている。
【0047】
以上により、収容部45では、凸状部91がなければ
図5に二点鎖線で示すように収容底面部84上に立った状態で収容側面部81に面接触できる硬貨Cであっても、
図5に実線で示すようにその上端部が凸状部91に当接して収容側面部81への面接触が規制されることになり、しかも、上端部が収容側面部81から離れ、収容底面部84上に倒れるように姿勢が誘導される。また、収容部45では、収容底面部84上に立った状態で
図3に示す収容側面部82に面接触しようとする硬貨は、その上端部が凸状部92に当接して収容側面部82への面接触が規制されることになり、しかも、上端部が収容側面部82から離れ、収容底面部84上に倒れるように姿勢が誘導される。言い換えれば、収容部45は、収容側面部81,82に、収容部45に残留した硬貨と当接して収容部45に残留した硬貨の少なくとも一部を収容側面部81,82から離間させる凸状部91,92が設けられている。
【0048】
図3に示すように、収容天井部83は、下に向いており、上下方向に対して垂直に広がっている。
収容底面部84は、上に向いており、上下方向に対して垂直に広がる平面状である。言い換えれば、収容底面部84は、水平に広がる平面状である。
【0049】
図4に示す底部左側の凸状部101~103は、
図3に凸状部101を示すように、何れも収容底面部84から上方に突出している。
図4に示すように、凸状部101~103は、何れも前後方向に長い直線状である。凸状部101は、凸状部102よりも前にある。凸状部102は、凸状部103よりも前にある。凸状部101~103は、上下左右方向の位置を合わせて前後一列に並んでいる。前後一列の凸状部101~103は、何れも収容底面部84から上方に膨出する形状である。前後一列の凸状部101~103は、左右方向の幅が同等であり、収容底面部84からの高さも同等である。
【0050】
凸状部101,102は、何れも、前端部が、前方ほど左右方向の幅が狭くなり且つ収容底面部84からの高さが低くなる先細の形状となっている。凸状部101~103は、何れも、後端部が、後方ほど左右方向の幅が狭くなり且つ収容底面部84からの高さが低くなる先細の形状となっている。
【0051】
凸状部102と凸状部103との間に穴部104が設けられている。穴部104は、凸状部103の前端から前方に凸状部102の手前まで延びている。穴部104は、収容底面部84から下方に向けて設けられている。穴部104は、矩形状であり、最大の長さが硬貨処理部61で処理可能な硬貨の中で最も直径の小さな硬貨の直径の長さよりも小さくなっている。
【0052】
底部右側の凸状部105~107は、
図3に凸状部105を示すように、何れも収容底面部84から上方に突出している。
図4に示すように、凸状部105は凸状部101と左右対称である。凸状部106は凸状部102と左右対称である。凸状部107は凸状部103と左右対称である。よって、凸状部105~107は、上下左右方向の位置を合わせて前後一列に並んでいる。穴部108は、穴部104と左右対称である。凸状部105~107と右側の収容側面部82との距離L3は、凸状部101~103と左側の収容側面部81との距離L3と同等である。
【0053】
収容底面部84には、左側の前後一列の凸状部101~103と左右方向の位置を合わせて複数、具体的には2つの受光部131,132が設けられている。2つの受光部131,132は、凸状部101と凸状部102との間に前後に並んで設けられている。受光部131は受光部132よりも前側にある。受光部131,132は、何れも受光面である上端面が収容底面部84を構成している。
【0054】
収容底面部84には、右側の前後一列の凸状部105,106と左右方向の位置を合わせて複数、具体的には2つの受光部141,142が設けられている。2つの受光部141,142は、凸状部105と凸状部106との間に前後に並んで設けられている。受光部141は受光部142よりも前側にある。受光部141は受光部131と左右対称であり、受光部142は受光部132と左右対称である。
【0055】
図3に示すように、収容天井部83には、複数具体的には2つの発光部151,152が設けられている。発光部151,152は前後方向の位置を合わせて収容天井部83に左右対称に並んで設けられている。発光部151は発光部152よりも左側にある。左側の発光部151は、下方に向けて発光する。
【0056】
図4に示す左側の複数の受光部131,132は、
図3に示す発光部151,152のうち左側の発光部151から発光された光のみを受光する位置に配置されている。
図4に示す右側の複数の受光部141,142は、
図3に示す発光部151,152のうち右側の発光部152から発光された光のみを受光する位置に配置されている。受光部131,132,141,142と発光部151,152とが残留検知部155を構成している。
【0057】
底部左側の凸状部101~103は、何れも左側の収容側面部81までの
図4に示す長さL3が硬貨処理部61で処理可能な硬貨の中で最も直径の小さな硬貨の直径の長さよりも小さくなっている。言い換えれば、底側の前後一列の凸状部101~103及び前後一列の凸状部105~107の中で最も一端側である左端の前後一列の凸状部101~103は、左側の収容側面部81までの長さL3が硬貨処理部61で処理可能な硬貨の中で最も直径の小さな硬貨の直径の長さよりも小さくなっている。更に言い換えれば、凸状部101~103は、凸状部101~103から収容側面部81までの長さが硬貨処理部61で処理可能な硬貨の中で最も直径の小さな硬貨の直径の長さよりも小さくなるように、収容底面部84に設けられている。
【0058】
また、底部右側の凸状部105~107は、何れも右側の収容側面部82までの
図3に示す長さL3が硬貨処理部61で処理可能な硬貨の中で最も直径の小さな硬貨の直径の長さよりも小さくなっている。言い換えれば、底側の前後一列の凸状部101~103及び前後一列の凸状部105~107の中で最も他端側である右端の前後一列の凸状部105~107は、右側の収容側面部82までの長さL3が硬貨処理部61で処理可能な硬貨の中で最も直径の小さな硬貨の直径の長さよりも小さくなっている。更に言い換えれば、凸状部105~107は、凸状部105~107から収容側面部82までの長さが硬貨処理部61で処理可能な硬貨の中で最も直径の小さな硬貨の直径の長さよりも小さくなるように、収容底面部84に設けられている。
【0059】
また、左右方向に隣接する、前後一列の凸状部101~103と前後一列の凸状部105~107とは、左側の前後一列の凸状部101~103と右側の前後一列の凸状部105~107との間の長さL4が硬貨処理部61で処理可能な硬貨の中で最も直径の小さな硬貨の直径の長さよりも小さくなっている。
【0060】
以上により、収容部45では、凸状部101~103がなければ
図6及び
図7に二点鎖線で示すように収容底面部84に面接触することができた硬貨Cが、収容底面部84に面接触することを、
図6及び
図7に実線で示すように凸状部101~103,105~107の何れかが規制する。
【0061】
以上により、収容部45では、凸状部101~103,105~107がなければ
図6及び
図7に二点鎖線で示すように収容底面部84上に倒れた状態で収容底面部84に面接触することができた硬貨Cが、
図6及び
図7に実線で示すように、凸状部101~103,105~107の何れか一つに乗り上げて面接触が規制される。さらに、言い換えれば、収容部45は、収容底面部84に、収容部45に残留した硬貨Cと当接して収容部45に残留した硬貨の少なくとも一部を収容底面部84から離間させる凸状部101~103,105~107が設けられている。
【0062】
ここで、収容底面部84上に倒れた状態の硬貨が凸状部に乗り上げるようにするため、収容底面部84の大きさによっては、左右に並んで三列以上の凸状部を形成しても良い。その場合、複数列の凸状部の中で最も左端側に設けられた凸状部は、当該凸状部から左側の収容側面部81までの長さが硬貨処理部61で処理可能な硬貨の中で最も直径の小さな硬貨の直径の長さよりも小さくなるように、収容底面部84に設けられる。また、複数列の凸状部の中で最も右端側に設けられた凸状部は、当該凸状部から右側の収容側面部82までの長さが硬貨処理部61で処理可能な硬貨の中で最も直径の小さな硬貨の直径の長さよりも小さくなるように、収容底面部84に設けられる。また、凸状部は、いずれも左右方向に隣接する凸状部間の長さが硬貨処理部61で処理可能な硬貨の中で最も直径の小さな硬貨の直径の長さよりも小さくなるように、収容底面部84に設けられる。勿論、収容底面部84の大きさによっては、収容側面部81までの長さが硬貨処理部61で処理可能な硬貨の中で最も直径の小さな硬貨の直径の長さよりも小さくなり且つ収容側面部82までの長さが硬貨処理部61で処理可能な硬貨の中で最も直径の小さな硬貨の直径の長さよりも小さくなるようにして収容底面部84の左右方向の中央に前後一列のみ凸状部を設けることも可能である。
【0063】
図3に示すように、収容奥面部85には、収容底面部84側に電磁ロック機構161が設けられている。電磁ロック機構161は、収容部45に収納箱46が挿入された状態で、電気的に駆動されて収納箱46を収容部45にロックしたり、電気的に駆動されて収納箱46の収容部45へのロックを解除したりする。
【0064】
図1に示すバラ出金部24の収納箱46は、
図8~
図11に示す形状となっている。収納箱46は、その外側に、
図8,
図9及び
図11に示す前端の箱前面部200と、
図9及び
図10に示す左端の箱側面部201(箱面部)及び右端の箱側面部202(箱面部)と、
図8~
図11に示す上端の箱上面部203と、
図10及び
図11に示す下端の箱下面部204(箱面部)と、
図9及び
図11に示す後部の箱後面部205とを有している。収納箱46は、
図10に示す左側部の上下方向中間位置の凹状部211と、
図8及び
図10に示す右側部の上下方向中間位置の凹状部212と、
図10に示す下側且つ左側の凹状部213及び下側且つ右側の凹状部214とを有している。
【0065】
図8に示すように、箱前面部200は、前方に向いており、前後方向に対し直交して広がる平面状である。箱前面部200は、その上部が取っ手部221を構成している。収納箱46には、取っ手部221の下側に箱前面部200から後方に凹む逃げ部222が設けられている。逃げ部222は、
図11に示すように、取っ手部221の裏側まで延びている。
【0066】
図10に示すように、左側の箱側面部201は、左方に向いており、左右方向に対して垂直に広がる平面状である。
左側部の上下方向中間位置の凹状部211は、左側の箱側面部201から右方に凹んでいる。凹状部211は、
図8に示す箱前面部200よりも後側から後方に延びており、前後方向に長い直線状である。
【0067】
右側の箱側面部202は、右方に向いており、左右方向に対して垂直に広がる平面状である。箱側面部202は、箱側面部201と左右対称である。
右側部の上下方向中間位置の凹状部212は、右側の箱側面部202から左方に凹んでいる。凹状部212は、凹状部211と左右対称であり、
図8に示す箱前面部200よりも後側から後方に延びており、前後方向に長い直線状である。
【0068】
図8~
図11に示すように、箱上面部203は、上に向いており、上下方向に対して垂直に広がっている。
収納箱46は、箱上面部203から下方に凹む収納凹部225を有している。収納凹部225は上方に開口している。
図10及び
図11に示す箱下面部204は、下に向いており、上下方向に対して垂直に広がる平面状である。
【0069】
図10に示す下側且つ左側の凹状部213は、箱下面部204から上方に凹んでいる。凹状部213は、前後方向に長い直線状である。
【0070】
下側且つ右側の凹状部214は、箱下面部204から上方に凹んでいる。凹状部214は、凹状部213と左右対称である。凹状部213,214の左右方向の幅は、何れも硬貨処理部61で処理可能な硬貨の中で最も直径の小さな硬貨の直径よりも小さくなっている。凹状部214と右側の箱側面部202との距離は、凹状部213と左側の箱側面部201との距離と同等である。
【0071】
図9及び
図11に示す箱後面部205は、収納箱46の下部に設けられており、前後方向に対して垂直に広がる平面状である。箱後面部205は、少なくとも一部が
図3及び
図4に示す収容部45の電磁ロック機構161に当接して吸着される鉄板で形成されている。
図10に示す凹状部211~214は、何れも
図9及び
図11に示す箱後面部205に抜けている。
【0072】
図11に示すように、収納凹部225は、前側且つ上側の上内面部230と、前側且つ下側の下内面部231とを有している。また、
図10に示すように、収納凹部225は、左側の内側面部232と、右側の内側面部233とを有している。また、
図11に示すように、収納凹部225は、後側且つ上側の上内面部234と、後側且つ下側の下内面部235と、下部の円錐面部236と、下端の底面部237とを有している。
【0073】
前側且つ上側の上内面部230は、後方に向いており、前後方向に対して略垂直に広がる平面状である。
後側且つ上側の上内面部234は、前方に向いており、前後方向に対して略垂直に広がる平面状である。
【0074】
図10に示すように、左側の内側面部232は、右方に向いており、左右方向に対して略垂直に広がる平面状である。
右側の内側面部233は、左方に向いており、左右方向に対して略垂直に広がる平面状である。
【0075】
図10及び
図11に示すように、収納凹部225の下部の円錐面部236は、下方に窄まる円錐状をなしている。円錐面部236は、その中心軸線を含む平面での断面での角度が鋭角となっている。前側の下内面部231及び後側の下内面部235は、円錐面部236に連続する略円錐の湾曲形状をなしている。これにより、収納凹部225は下方に窄まる形状となっている。収納箱46は、
図2に示す硬貨処理部61のバラ繰出収納部64から繰り出され出金搬送部65で搬送されてきたバラ硬貨を
図8~
図11に示す収納凹部225に収納する。
【0076】
図10及び
図11に示す収納凹部225の下端の底面部237は、円錐面部236の下端部を全周にわたって閉塞しており、上下方向に対して垂直に広がる平面状である。円錐面部236の下部及び底面部237は、収納凹部225の下部にあって円錐状をなす収納部241を構成している。よって、収納箱46は、バラ硬貨が収納される円錐状の収納部241を底部に有している。
【0077】
収納部241は、硬貨処理部61で処理可能な硬貨の中で最も直径の小さな硬貨C1が、
図10及び
図11に示すように、その半径方向を鉛直方向に沿わせた状態で円錐面部236に接触しても、この硬貨C1の底面部237への接触を規制する角度に円錐面部236の角度が設定されている。よって、収納部241は、硬貨処理部61で処理可能な何れの硬貨がその半径方向を鉛直方向に沿わせた状態で円錐面部236に接触しても、この硬貨の底面部237への接触を規制する。これにより、硬貨処理部61で処理可能な何れの硬貨がその半径方向を鉛直方向に沿わせた状態で収納部241に残存しても、収納部241において2点での接触となり、倒れ易くなる。言い換えれば、収納部241は、硬貨が立った状態になることを抑制する形状となっている。
【0078】
図9に示すように、収納部241には、底面部237の左側に、底面部237を挟んで前後方向に並んで複数、具体的には2箇所の同内径の検知穴243及び検知穴244が形成されている。検知穴243,244は、何れも円錐面部236に開口しており、何れも収納部241を上下に貫通している。検知穴243,244は、左右方向の位置を合わせており、底面部237の前後に底面部237から等距離の位置に配置されている。
【0079】
収納部241には、底面部237の右側に、底面部237を挟んで前後方向に並んで複数、具体的には2箇所の同内径の検知穴245及び検知穴246が形成されている。検知穴245は検知穴243と左右対称であり、検知穴246は検知穴244と左右対称である。収納部241は、硬貨処理部61で処理可能な何れの硬貨が残存した状態にあっても、硬貨が倒れた状態にあれば、この硬貨で、検知穴243~246のうちの少なくとも何れか一つが覆われるようになっている。
【0080】
図8~
図11に示す収納箱46は、
図9及び
図11に示す箱後面部205を先頭にして、収容部45に挿入されることになる。その際に、
図3に二点鎖線で外形を示すように、収納箱46は、箱下面部204を収容部45の収容底面部84に面接触させると共に、箱上面部203が収容部45の収容天井部83で上方移動が規制され、箱側面部201が収容部45の収容側面部81で左方移動が規制され、箱側面部202が収容部45の収容側面部82で右方移動が規制されながら、収容部45に挿入されることになる。しかも、その際に、左側部の上下方向中間位置の凹状部211内に、収容部45の左側部の凸状部91を入り込ませると共に、右側部の上下方向中間位置の凹状部212内に、収容部45の右側部の凸状部92を入り込ませ、更に、下側且つ左側の凹状部213内に、収容部45の底部左側の凸状部101及び
図4に示す凸状部102,103を入り込ませると共に、
図3に示す下側且つ右側の凹状部214内に、収容部45の底部右側の凸状部105及び
図4に示す凸状部106,107を入り込ませる。そして、収納箱46は、
図9及び
図11に示す箱後面部205において
図3及び
図4に示す収容部45の収容奥面部85の電磁ロック機構161に当接する。この状態で、収納箱46は、箱後面部205が電磁ロック機構161に吸着される。すると、収納箱46は、
図1に示すように、収容部45に収容された収容状態となり、その箱前面部200が筐体15の前面16と面一状になる。
【0081】
収容状態の収納箱46は、
図3に示す下側且つ左側の凹状部213内に、底側かつ左側の凸状部101及び
図4に示す凸状部102,103を入り込ませる。それと共に、収容状態の収納箱46は、
図3に示す下側且つ右側の凹状部214内に、底側かつ右側の凸状部105及び
図4に示す凸状部106,107を入り込ませる。収容状態の収納箱46は、この状態で、
図3に示すように箱下面部204を収容底面部84に面接触させて収容底面部84に載置される。言い換えれば、収容状態の収納箱46は、箱下面部204に、左側の凸状部101~103が内部に配置される凹状部213と、右側の凸状部105~107が内部に配置される凹状部214とが設けられている。ここで、収容部45の収容底面部84及び凸状部101~103,105~107は、収納箱46の箱下面部204及び凹状部213,214との隙間が最大になっても、これらとの間に、硬貨処理部61で処理可能な何れの硬貨も入り込むことができないように各部の寸法関係が設定されている。
【0082】
また、収容状態の収納箱46は、左側部の上下方向中間位置の凹状部211に、左側部の凸状部91を入り込ませて、左側の箱側面部201を収容側面部81を対向させると共に、右側部の上下方向中間位置の凹状部212に、右側部の凸状部92を入り込ませて、右側の箱側面部202を右側の収容側面部82に対向させる。言い換えれば、収容状態の収納箱46は、左側の箱側面部201に、凸状部91が内部に配置される凹状部211が設けられ、右側の箱側面部202に、凸状部92が内部に配置される凹状部212が設けられている。ここで、収容部45の左側の収容側面部81及び凸状部91は、収納箱46の左側の箱側面部201及び凹状部211との隙間が最大になっても、これらとの間に、硬貨処理部61で処理可能な何れの硬貨も入り込むことができないように各部の寸法関係が設定されている。同様に、収容部45の右側の収容側面部82及び凸状部92は、収納箱46の右側の箱側面部202及び凹状部212との隙間が最大となっても、これらとの間に、硬貨処理部61で処理可能な何れの硬貨も入り込むことができないように各部の寸法関係が設定されている。
【0083】
収容状態の収納箱46は、
図13に示すように、左側の検知穴243,244が、収容天井部83に設けられた左側の発光部151による光の照射範囲内に配置されると共に、
図9に示す右側の検知穴245,246が、
図12に検知穴246を示すように、収容天井部83に設けられた右側の発光部152による光の照射範囲内に配置される。ここで、収容状態の収納箱46は、
図13に示す左側の検知穴243,244が、
図12に検知穴244を示すように右側の発光部152による光の照射範囲外に配置され、
図9に示す右側の検知穴245,246が、
図12に検知穴246を示すように左側の発光部151による光の照射範囲外に配置される。
【0084】
収容状態の収納箱46は、収納部241に硬貨がなれば、
図13に示すように、左側且つ前側の検知穴243が、通過する左側の発光部151からの光を左側且つ前側の受光部131に受光させ、左側且つ後側の検知穴244が、通過する左側の発光部151からの光を左側且つ後側の受光部132に受光させる。それと共に、
図9に示す右側且つ前側の検知穴245が、通過する右側の
図12に示す発光部152からの光を
図4に示す右側且つ前側の受光部141に受光させ、
図12に示す右側且つ後側の検知穴246が、通過する右側の発光部152からの光を右側且つ後側の受光部142に受光させる状態となる。
【0085】
よって、収納箱46には、
図13に示すように、その底部である収納部241を貫通する複数の検知穴243,244が設けられ、収容部51は、収容天井部83に設けられて複数の検知穴243,244に光を通過させる一つの発光部151に対して、複数の検知穴243,244をそれぞれ通過した光を個別に受光する受光部131,132が設けられている。また、収納箱46には、その底部である収納部241を貫通する
図9に示す複数の検知穴245,246が設けられ、収容部45は、
図12に示すように収容天井部83に設けられて
図9に示す複数の検知穴245,246に光を通過させる一つの発光部152に対して、
図9に示す複数の複数の検知穴245,246をそれぞれ通過した光を個別に受光する
図4に示す複数の受光部141,142が設けられている。
【0086】
収容状態の収納箱46は、出金処理時に、硬貨処理部61のバラ繰出収納部64から繰り出され出金搬送部65で搬送されてきたバラ硬貨を収納凹部225に収納する。その後、制御部78によって電磁ロック機構161が駆動されて、収容部45の収納箱46へのロック状態が解除されると、使用者は、取っ手部221を持って収納箱46を収容部45から前方に引き出して取り出し、収納箱46からバラ硬貨を取り出した後、収納箱46を収容部45に挿入して取り付ける。収納箱46が、箱後面部205を収容奥面部85に当接させるまで収容部45に挿入されたことを図示略のセットセンサが検知すると、制御部78は、発光部151,152を発光させ、受光部131,132,141,142の全てが受光状態になると、電磁ロック機構161を駆動して収納箱46を収容部45にロックして、正常に出金処理が終了したと判定する。他方、制御部78は、受光部131,132,141,142の少なくとも何れか一つが受光状態にならなければ、電磁ロック機構161を駆動せず、バラ硬貨の取り忘れがあることを図示略の報知部に報知させる。
【0087】
ここで、使用者が収納箱46を収容部45から前方に引き出して取り出す際に、収納凹部225のバラ硬貨の収納量や、収納状態、勢いよく引き出す等の引き出し方によっては、収納凹部225のバラ硬貨が収納凹部225の上部開口から収容部45に零れ落ちて残存してしまう可能性がある。
【0088】
本実施形態の硬貨処理装置10は、収容部45が、収容側面部81に、収容部45に残留した硬貨と当接して収容部45に残留した硬貨の少なくとも一部を収容側面部81から離間させる凸状部91が設けられている。このため、凸状部91がなければ
図5に二点鎖線で示すように収容側面部81に面接触することができた硬貨Cが、
図5に実線で示すように、凸状部91によって、収容底面部84上に立った状態で収容側面部81に面接触することが規制されて、収容底面部84上に倒れるように姿勢が促される。また、例え、収容部45に残存する硬貨Cが収容底面部84上に立った状態にあっても、凸状部91が、収容底面部84上に残存する硬貨が収容側面部81に面接触することを規制できるため、この硬貨が収容側面部81と収納箱46との隙間に入り込んでしまうことを規制できる。このため、この硬貨は、収納箱46の収容部45への挿入時に収納箱46の箱後面部205に当接して収納箱46と共に収容部45の奥側に押し込まれ、収納箱46の箱後面部205と収容奥面部85との間に入り込んで箱後面部205の収容奥面部85への当接を阻害することになる。よって、収納箱46が収容部45に適正に押し込まれないことになって、使用者に収容部45に残留硬貨があることを知らせることができる。言い換えれば、凸状部91が、収容部45での硬貨の残留の見落としを抑制する。このとき、硬貨処理装置10側においても、制御部78は、箱後面部205の収容奥面部85への当接を検知できないことから電磁ロック機構161を駆動することはない。
【0089】
また、硬貨処理装置10は、収容部45が、収容側面部82に、収容部45に残留した硬貨と当接して収容部45に残留した硬貨の少なくとも一部を収容側面部82から離間させる凸状部92が設けられている。よって、上記と同様に、この硬貨が、収納箱46の箱後面部205の収容奥面部85への当接を阻害することになって、使用者に収容部45に残留硬貨があることを知らせることができる。言い換えれば、凸状部92が、収容部45での硬貨の残留の見落としを抑制する。
【0090】
また、硬貨処理装置10は、収容部45が、収容底面部84に、収容部45に残留した硬貨と当接して収容部45に残留した硬貨の少なくとも一部を収容底面部84から離間させる凸状部101~103,105~107が設けられている。これにより、凸状部101~103,105~107がなければ
図6及び
図7に二点鎖線で示すように収容底面部84に面接触することができた硬貨Cが、凸状部101~103,105~107の何れかが、収容底面部84上に残存する硬貨Cが収容底面部84に面接触することを規制できるため、この硬貨Cが収容底面部84と収納箱46との隙間に入り込んでしまうことを規制できる。このため、この硬貨は、収納箱46と共に収容部45の奥側に押し込まれ、収納箱46の箱後面部205の収容奥面部85への当接を阻害することになる。よって、収納箱46が収容部45に適正に押し込まれないことになって、使用者に収容部45に残留硬貨があることを知らせることができる。言い換えれば、凸状部101~103,105~107が、収容部45での硬貨の残留の見落としを抑制する。
【0091】
以上により、バラ出金部24は、収容部45内に硬貨が残存している場合に、その見落としを抑制する残存見落規制構造となっている。よって、硬貨処理装置10は、収容部45内に硬貨が残存している場合に、その見落としを抑制することができるという効果を奏することができる。
【0092】
ここで、硬貨処理装置10は、収容側面部81,82の凸状部91,92と、収容底面部84の凸状部101~103,105~107とのうちの何れか一方のみを設けることも可能であり、何れの場合も、収容部45内に残存する硬貨の見落としを抑制する効果を奏することができる。
【0093】
言い換えれば、硬貨処理装置10は、収容側面部81,82の凸状部91,92と、収容底面部84の凸状部101~103,105~107とのうちの少なくとも何れ一方を設けていれば、収容部45内に残存する硬貨の見落としを抑制する効果を奏することができる。勿論、収容側面部81,82の凸状部91,92と、収容底面部84の凸状部101~103,105~107とを両方設けた方が、収容部45内に残存する効果の見落としを抑制する効果が高い。
【0094】
硬貨処理装置10は、凸状部91,92が、凸状部91,92から収容底面部84までの長さが硬貨処理部61で処理可能な硬貨の中で最も直径の小さな硬貨(日本国内では1円硬貨)の直径の長さよりも小さくなるように、収容側面部81,82に設けられている。このため、硬貨処理装置10は、硬貨処理部61で処理可能な全ての硬貨について、
図5に示すように、凸状部91が、収容底面部84上に立った状態で収容側面部81に面接触することを抑制することができることになり、凸状部92が、収容底面部84上に立った状態で収容側面部82に面接触することを抑制することができることになる。従って、硬貨処理装置10は、硬貨が収容側面部81,82と収納箱46との隙間に入り込んで残存が見落としされてしまうことを抑制することができる。
【0095】
硬貨処理装置10は、収納箱46が、箱側面部201に、凸状部91が内部に配置される凹状部211が設けられており、箱側面部202に、凸状部92が内部に配置される凹状部212が設けられている。これにより、硬貨処理装置10は、収容側面部81と箱側面部201との隙間を狭くすることができ、収容側面部82と箱側面部202との隙間を狭くすることができる。よって、収容側面部81と箱側面部201との隙間への硬貨の入り込みと、収容側面部82と箱側面部202との隙間への硬貨の入り込みとを抑制することができる。従って、硬貨処理装置10は、硬貨が収容部45の収容底面部84に立った状態で収容側面部81,82と収納箱46との隙間に入り込んで残存が見落としされてしまうことを一層抑制することができる。
【0096】
また、硬貨処理装置10は、収納箱46の収容部45に対する着脱時に、凸状部91で凹状部211を案内でき、凸状部92で凹状部212を案内できる。よって、収納箱46の収容部45に対する着脱作業を円滑にできる。
【0097】
硬貨処理装置10は、凸状部101~103から、これらに近い収容側面部81までの長さが、硬貨処理部61で処理可能な硬貨の中で最も直径の小さな硬貨の直径の長さよりも小さくなるように、凸状部101~103が収容底面部84に設けられている。このため、硬貨処理装置10は、硬貨処理部61で処理可能な全ての硬貨について、
図6に示すように、凸状部101~103が、収容底面部84の凸状部101~103と収容側面部81との間に面接触することを抑制することになる。従って、硬貨処理装置10は、硬貨が収容部45の収容底面部84に倒れた状態となっても、収容底面部84と収納箱46との隙間に入り込んで残存が見落とされてしまうことを抑制することができる。
【0098】
また、硬貨処理装置10は、凸状部105~107から、これらに近い収容側面部82までの長さが、硬貨処理部61で処理可能な硬貨の中で最も直径の小さな硬貨の直径の長さよりも小さくなるように、凸状部105~107が収容底面部84に設けられている。このため、硬貨処理装置10は、硬貨処理部61で処理可能な全ての硬貨について、凸状部105~107が、収容底面部84の凸状部105~107と収容側面部82との間に面接触することを抑制することになる。従って、硬貨処理装置10は、硬貨が収容部45の収容底面部84に倒れた状態となっても、収容底面部84と収納箱46との隙間に入り込んで残存が見落とされてしまうことを抑制することができる。
【0099】
また、硬貨処理装置10は、隣接する凸状部101~103と凸状部105~107との長さが、硬貨処理部61で処理可能な硬貨の中で最も直径の小さな硬貨の直径の長さよりも小さくなるように、凸状部101~103と凸状部105~107とが収容底面部84に設けられている。このため、硬貨処理装置10は、硬貨処理部61で処理可能な全ての硬貨について、
図7に示すように、凸状部101~103,105~107が、収容底面部84の凸状部101~103と凸状部105~107との間に面接触することを抑制することになる。従って、硬貨処理装置10は、硬貨が収容部45の収容底面部84に倒れた状態となっても、収容底面部84と収納箱46との隙間に入り込んで残存が見落とされてしまうことを抑制することができる。
【0100】
硬貨処理装置10は、収納箱46が、硬貨が収納される円錐状の収納部241を有しているため、硬貨が収納部241に立った状態で残存することを抑制することができる。言い換えれば、取り忘れ硬貨が収納部241で倒れた状態になり易い。このため、硬貨処理装置10は、このような取り忘れ硬貨を良好に検出することが可能となる。
【0101】
硬貨処理装置10は、収納箱46に底部を貫通する複数の検知穴243,244が設けられ、収容部45は、収容天井部83に設けられて複数の検知穴243,244に光を通過させる一つの発光部151に対して、複数の検知穴243,244をそれぞれ通過した光を個別に受光する受光部131,132が収容底面部84に設けられている。また、硬貨処理装置10は、収納箱46に底部を貫通する複数の検知穴245,246が設けられ、収容部45は、収容天井部83に設けられて複数の検知穴245,246に光を通過させる一つの発光部152に対して、複数の検知穴245,246をそれぞれ通過した光を個別に受光する受光部141,142が収容底面部84に設けられている。即ち、硬貨処理装置10は、複数の受光部131,132に対して一つの発光部151を設け、複数の受光部141,142に対して一つの発光部152を設けている。従って、硬貨処理装置10は、コスト増を抑制することができる。
【0102】
ここで、硬貨処理装置10においては、上記とは凹凸が逆になるように、収容部45の収容側面部81に、凸状部91にかえて、収容側面部81から左方に凹むと共に前後方向に延びる凹状部を設けると共に、この凹状部内に配置されるように、収容箱46の箱側面部201に、凹状部211にかえて、箱側面部201から左方に突出すると共に前後方向に延びる凸状部を設けても良い。また、これと同様に、収容部45の収容側面部82に、凸状部92にかえて、収容側面部82から右方に凹むと共に前後方向に延びる凹状部を設けると共に、この凹状部内に配置されるように、収容箱46の箱側面部202に、凹状部212にかえて、箱側面部202から右方に突出すると共に前後方向に延びる凸状部を設けても良い。これら何れの場合も、凸状部は、凸状部から収容底面部84までの長さが硬貨処理部61で処理可能な硬貨の中で最も直径の小さな硬貨の直径の長さよりも小さくなるように、箱側面部201,202に設けるのが好ましい。
【0103】
また、硬貨処理装置10においては、上記とは凹凸が逆になるように、収容部45の収容底面部84に、凸状部101~103にかえて、収容底面部84から下方に凹むと共に前後方向に延びる凹状部を設けると共に、この凹状部内に配置されるように、収容箱46の箱下面部204に、凹状部211にかえて、箱下面部204から下方に突出すると共に前後方向に延びる凸状部を設けても良い。また、これと同様に、収容部45の収容底面部84に、凸状部105~107にかえて、収容底面部84から下方に凹むと共に前後方向に延びる凹状部を設けると共に、この凹状部内に配置されるように、収容箱46の箱下面部204に、凹状部212にかえて、箱下面部204から下方に突出すると共に前後方向に延びる凸状部を設けても良い。これら何れの場合も、凸状部は、凸状部から収容側面部81,82のうちの近い側のものまでの長さが硬貨処理部61で処理可能な硬貨の中で最も直径の小さな硬貨の直径の長さよりも小さくなり、また、左右の凸状部間の長さが硬貨処理部61で処理可能な硬貨の中で最も直径の小さな硬貨の直径の長さよりも小さくなるように、箱下面部204に設けるが好ましい。
【0104】
即ち、硬貨処理装置10において、収納箱46は、箱側面部201,202と、箱下面部204とのうちの少なくとも一方の箱面部に凸状部が設けられ、収容部45は、凸状部が内部に配置される凹状部が設けられているようにしても良い。このように構成しても、硬貨処理装置10は、収容部45内に残留する硬貨が、収容部45と収納箱46との隙間に入り込むことを抑制することができる。これにより、収容部45に残留する硬貨が収納箱46の収容部45への挿入時に収納箱46で後方に押されて収納箱46の箱後面部205と収容部45の収容奥面部85との間に入り込んで、収納箱46の箱後面部205の収容奥面部85への当接を阻害することになって、使用者に収容部45に残留硬貨があることを知らせることができる。
【0105】
なお、入金リジェクト部22も、大きさ以外はバラ出金部24と略同様の構造となっており、よって、バラ出金部24と同様の残存見落抑制構造を採用している。何れもバラ硬貨を収納する可能性がある入金リジェクト部22、返却部23、バラ出金部24、クリアボックス部35及び棒金出金リジェクト部36のうちの、少なくとも一つに残存見落抑制構造を採用することができる。
【0106】
また、硬貨処理部61が、日本国硬貨を処理するため、上記した長さL1~L4を、1円硬貨の直径の長さよりも小さくなるように設定することになるが、日本国硬貨以外の硬貨を処理する場合には、上記した長さL1~L4を、硬貨処理部61で処理可能な硬貨の中で最も直径の小さな硬貨の直径の長さよりも小さくなるように設定することになる。
【符号の説明】
【0107】
10…硬貨処理装置、15…筐体、16…前面(外面)、45…収容部、46…収納箱、61…硬貨処理部、81,82…収容側面部(収容面部)、83…収容天井部、84…収容底面部(収容面部)、91,92,101~103,105~107…凸状部、151,152…発光部、131,132,141,142…受光部、201,202…箱側面部(箱面部)、204…箱下面部(箱面部)、211,212…凹状部、241…収納部(底部)、243~246…検知穴。