(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055372
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】自動販売機のリユース方法
(51)【国際特許分類】
G07F 9/10 20060101AFI20240411BHJP
G07F 9/00 20060101ALI20240411BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20240411BHJP
【FI】
G07F9/10 101Z
G07F9/00 Z
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162228
(22)【出願日】2022-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】523421638
【氏名又は名称】エーエルシー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137394
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】中川 宏
【テーマコード(参考)】
3E044
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
3E044AA01
3E044CA04
3E044DB16
3E044FB01
3E044FB04
3E044FB05
5L030BB46
5L049BB46
(57)【要約】
【課題】 本発明は、効率的に薬の収納庫を製造する方法を提供する。
【解決手段】 自動販売機のリユース方法は、既存の飲料の自動販売機の筐体10内に、薬の収納庫を設けるステップと、自動販売機が備えている温度を制御するユニットを、収納庫内の温度の制御が及ぶ範囲に取り付けるステップとを有し、収納庫に、収納庫の開口部を塞ぐ内扉と、施錠可能な外扉との二重扉を設けるステップとをさらに有し、既存の自動販売機が備えている現金を処理するユニットを取り外すステップと、既存の自動販売機が備えているキャッシュレス決済を処理する決済端末を、前記収納庫内に収納された薬の決済を処理する設定へと変更するステップとをさらに有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
既存の飲料の自動販売機の筐体内に、薬の収納庫を設けるステップと、
前記自動販売機が備えている温度を制御するユニットを、前記収納庫内の温度の制御が及ぶ範囲に取り付けるステップと
を有する自動販売機のリユース方法。
【請求項2】
前記収納庫に、前記収納庫の開口部を塞ぐ内扉と、施錠可能な外扉との二重扉を設けるステップ
をさらに有する
請求項1に記載の自動販売機のリユース方法。
【請求項3】
前記自動販売機が備えている現金を処理するユニットを取り外すステップと、
前記自動販売機が備えているキャッシュレス決済を処理する決済端末の設定を、前記収納庫内に収納された薬の決済を処理する設定へと変更するステップと
をさらに有する
請求項1に記載の自動販売機のリユース方法。
【請求項4】
前記内扉は、前記収納庫にヒンジにより開閉自在に取付けられている
請求項2に記載の自動販売機のリユース方法。
【請求項5】
前記外扉を制御する扉制御機構を設けるステップ
をさらに有し、
前記扉制御機構は、前記外扉が既定時間を超えて開いている場合に、前記外扉を閉める
請求項2に記載の自動販売機のリユース方法。
【請求項6】
前記収納庫の一つは、前記自動販売機の飲料の収納庫を薬の収納庫として改造して設けられる
請求項1に記載の自動販売機のリユース方法。
【請求項7】
前記収納庫の一つは、前記自動販売機の取出口を薬の収納庫として改造して設けられる
請求項1に記載の自動販売機のリユース方法。
【請求項8】
前記自動販売機の筐体内に、タブレット端末を内蔵するステップ
をさらに有し、
前記タブレット端末を内蔵するステップにおいて、前記タブレット端末の表示面が、前記自動販売機の筐体から露出するように前記タブレット端末を配置する
請求項1に記載の自動販売機のリユース方法。
【請求項9】
前記外扉にスリットを設けるステップ
をさらに有し、
前記スリットを設けるステップにより設けられたスリットは、前記収納庫に収納された薬の受取人から処方箋の原本を投入される
請求項2に記載の自動販売機のリユース方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機のリユース方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1では、廃棄予定の自動販売機の筐体を構成する複数の筐体ユニットの各々の再利用の可否、および、当該筐体ユニットを構成する部品ユニットの再利用の適当性の評価値を記録する廃棄自動販売機データベースと、前記部品ユニット毎に、前記廃棄予定の自動販売機から取得した当該部品ユニットを使用するために必要な金額と、新品の当該部品ユニットを使用するために必要な金額と、を記録する部品ユニットデータベースと、前記廃棄自動販売機データベースの記録内容と前記部品ユニットデータベースの記録内容とに基づいて、再利用可能な前記筐体ユニットを組み合わせて前記自動販売機を組み立てるために必要な金額が所定条件下で最小となるように、前記自動販売機を構成する再利用可能な前記筐体ユニットを取得する前記廃棄予定の自動販売機を決定する再利用機決定部と、を備えた自動販売機のリユースシステムが開示されている。
【0003】
また、特許文献2では、複数のロッカー内にそれぞれ収納された商品を販売することができる自動販売機であって、前記ロッカー毎に設けられ、各ロッカーの扉を閉状態にロックするロック機構と、前記ロック機構に対してロック状態の開閉指示を行うとともに、前記ロック機構のロック状態をもとに各ロッカーに収納された商品の販売状態を管理する制御部と、を備えたことを特徴とする自動販売機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-186570号公報
【特許文献2】特開2018-163393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、効率的に薬の収納庫を製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る自動販売機のリユース方法は、既存の飲料の自動販売機の筐体内に、薬の収納庫を設けるステップと、前記自動販売機が備えている温度を制御するユニットを、前記収納庫内の温度の制御が及ぶ範囲に取り付けるステップとを有する。
【0007】
好適には、前記収納庫に、前記収納庫の開口部を塞ぐ内扉と、施錠可能な外扉との二重扉を設けるステップをさらに有する
【0008】
好適には、前記自動販売機が備えている現金を処理するユニットを取り外すステップと、前記自動販売機が備えているキャッシュレス決済を処理する決済端末の設定を、前記収納庫内に収納された薬の決済を処理する設定へと変更するステップとをさらに有する。
【0009】
好適には、前記内扉は、前記収納庫にヒンジにより開閉自在に取付けられている。
【0010】
好適には、前記外扉を制御する扉制御機構を設けるステップをさらに有し、前記扉制御機構は、前記外扉が既定時間を超えて開いている場合に、前記外扉を閉める。
【0011】
好適には、前記収納庫の一つは、前記自動販売機の飲料の収納庫を薬の収納庫として改造して設けられる。
【0012】
好適には、前記収納庫の一つは、前記自動販売機の取出口を薬の収納庫として改造して設けられる。
【0013】
好適には、前記自動販売機の筐体内に、タブレット端末を内蔵するステップをさらに有し、前記タブレット端末を内蔵するステップにおいて、前記タブレット端末の表示面が、前記自動販売機の筐体から露出するように前記タブレット端末を配置する。
【0014】
好適には、前記外扉にスリットを設けるステップをさらに有し、前記スリットを設けるステップにより設けられたスリットは、前記収納庫に収納された薬の受取人から処方箋の原本を投入される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、効率的に薬の収納庫を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】薬収納ロッカー1の制御機構を例示する図である。
【
図3】(a)は、ロッカーボックス14aの側面図であり、(b)は、ロッカーボックス14aの斜視図である。
【
図4】(a)は、ロッカーボックス14bの側面図であり、(b)は、ロッカーボックス14bの斜視図である。
【
図5】既存の飲料の自動販売機をリユースした薬収納ロッカー1の製造方法を説明するフローチャートである。
【
図6】薬収納ロッカー1の使用方法を説明するフローチャートである。
【
図7】変形例1における薬収納ロッカー3を例示する図である。
【
図8】(a)は、変形例1における循環式薬収納ロッカー3を例示する図であり、(b)は、変形例1におけるエレベーター式薬収納ロッカー3を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、薬収納ロッカー1を例示する図である。
図2は、薬収納ロッカー1の制御機構を例示する図である。
図1及び
図2に例示するように、薬収納ロッカー1は、筐体10、カメラ12、ロッカーボックス14、タブレット端末16、電子マネー決済端末18、二次元コードリーダ20、PLC22、ロッカー選択ボタン24、コントローラ26、温度制御ユニット28を有する。
薬収納ロッカー1は、既存の飲料の自動販売機をリユースして製造される。
筐体10は、既存の飲料の自動販売機の筐体を再利用する。筐体10は、断熱構造を有し、筐体10内に、ロッカーボックス14、タブレット端末16、電子マネー決済端末18、二次元コードリーダ20、PLC22、ロッカー選択ボタン24、コントローラ26、及び温度制御ユニット28が設置される。筐体10は、ロッカーボックス14aが12個、ロッカーボックス14bが1つ設けられている。具体的には、ロッカーボックス14aは、既存の自動販売機の飲料を収納していたラック部を薬の収納空間へと改造したものである。ロッカーボックス14aのサイズは、奥行きが約530mm、幅が約420mm、高さが約180mmである。ロッカーボックス14は、本発明に係る収納庫の一例である。ロッカーボックス14に収納される薬は処方薬である。
ロッカーボックス14bは、既存の飲料の自動販売機の取出口を改造して形成され、ロッカーボックス14aより広い収納空間を有する。ロッカーボックス14bのサイズは、奥行きが約530mm、幅が約500mm、高さが約400mmである。
カメラ12は、タブレット端末16と接続し、薬収納ロッカー1の利用者を撮影する。カメラ12は、筐体10外に設置され、タブレット端末16と接続されてもよいし、筐体10内に設置されてもよい。
【0018】
タブレット端末16は、カメラ12、電子マネー決済端末18、及び二次元コードリーダ20と接続し、カメラ12により撮影された薬の投入者又は受取人の画像データと、二次元コードリーダ20にかざされた二次元コードとに基づいて、本人認証を行う。また、タブレット端末16は、決済方法の選択を受け付け、電子マネー決済端末18を制御する。また、タブレット端末16は、デジタルサイネージとしても機能する。
電子マネー決済端末18は、薬を電子マネーにより支払う場合に使用される端末であり、電子マネー決済端末18は、既存の飲料の自動販売機に備わっている電子マネー決済端末を転用し、ロッカーボックス14に収納された薬の決済を処理する設定へと変更されている。
二次元コードリーダ20は、薬の投入者又は受取人によりかざされた二次元コードを読み取る。具体的には、処方箋原本に記載された二次元コード、又は、本人認証に必要な二次元コードを読み取る。二次元コードリーダ20は、既存の飲料の自動販売機に備わっている二次元コードリーダを転用したものである。
【0019】
PLC(Programmable Logic Controller)22は、薬収納ロッカー1の各装置の動作を制御する。
ロッカー選択ボタン24は、既存の商品選択ボタンを転用したものである。具体的には、ロッカー選択ボタン24は、ロッカーボックス14に対応し、薬の投入者又は受取人が利用するロッカーボックス14のロッカー選択ボタン24を押下した場合に、コントローラ26は、押下されたロッカー選択ボタン24に対応するロッカーボックス14の扉を制御する。
また、コントローラ26は、ロッカー選択ボタン24を押下せずとも、ロッカーボックス14の利用に必要な二次元コードを読み取り、読み取った二次元コードに含まれるロッカー利用情報に基づいて、ロッカー選択ボタン24を押下したと認識するようにしてもよい。
【0020】
コントローラ26は、既存の飲料の自動販売機に備わっているコントローラを転用したものである。コントローラ26は、温度制御ユニット28と各ロッカーボックス14のロック機構140とを制御する。具体的には、コントローラ26は、タブレット端末16により本人認証がなされた場合に、押下されたロッカー選択ボタン24に対応するロッカーボックス14を解錠し、外扉142、又は引出し145を開く。コントローラ26は、本発明に係る扉制御機構の一例である。
また、コントローラ26は、外扉142、又は引出し145が既定時間以上開いていることを検知した場合に、外扉142、又は引出し145を閉じて施錠する。コントローラ26の制御により、扉が開いたままとなり、外気にさらされ、ロッカーボックス14内の温度又は湿度が変化することを防ぐ。
温度制御ユニット28は、既存の飲料の自動販売機に備わっている温度制御ユニットを転用したものであり、ロッカーボックス14内の温度又は湿度を管理する。具体的には、温度制御ユニット28は、ロッカーボックス14内の温度又は湿度を一定に保つ。温度又は湿度は、ロッカーボックス14内に収納された薬が変質しない温度であればよい。より具体的には、温度制御ユニット28は、ロッカーボックス14内を5℃~常温に保つ。また、温度制御ユニット28は、ロッカーボックス14内の湿度を60%以下に保つ。
【0021】
図3(a)は、ロッカーボックス14aの側面図であり、(b)は、ロッカーボックス14aの斜視図である。
図3(a)及び(b)に例示するように、ロッカーボックス14aは、内扉141と外扉142との二重扉を有する。内扉141は、ロッカーボックス14aの開口部を塞ぐアクリル板であり、スイング扉である。具体的には、内扉141は、ロッカーボックス14aにヒンジ143により開閉自在に取付けられている。より具体的には、内扉141は、アクリル板の一辺に取り付けられたヒンジ143によりロッカーボックス14aに固定され、内扉141は、ヒンジ143を軸に前後に回動する。
薬の投入者又は受取人が、内扉141をロッカーボックス14a内へ押し出すと、内扉141は、ヒンジ143を軸に開き、押し出すことを止めると内扉141自体の重さで閉まる。内扉141が自動で閉まるため、内扉141が開いたままになり、ロッカーボックス14内が雨や風に晒されることが防がれる。
外扉142は、遮光性を有し、ロッカーボックス14a内に収納された薬が紫外線により分解されることを防ぐ。また、外扉142は、ロック機構140を有し、タブレット端末16により本人認証がされ、許可された場合にコントローラ26によりロックが解除され、外扉142が開く。外扉142は、断熱構造を有し、外扉142の表面には、薬の受取人が外扉142を開閉するための取っ手が付けられている。
また、コントローラ26により、既定時間以上外扉142が開いていることが検知された場合に、コントローラ26は、外扉142を閉め、施錠する。
【0022】
図4(a)は、ロッカーボックス14bの側面図であり、(b)は、ロッカーボックス14bの斜視図である。
図4(a)及び(b)に例示するように、ロッカーボックス14bは引き出し式であり、収納空間となる引出し145を引き出して薬の投入及び受取りを行う。ロッカーボックス14bは外扉144と、断熱構造の引出し145とを有する。外扉144は、既存の飲料の自動販売機の取出口の蓋のように、外扉144の上端がヒンジ146により筐体10に支持され、ヒンジ146を軸に引き上げ可能である。引出し145が閉じられると、外扉144は自重により閉められる。
また、引出し145は、ロック機構140を有し、タブレット端末16により本人認証がされ、許可された場合にコントローラ26によりロックが解除され、引出し145が開く。また、コントローラ26により、既定時間以上引出し145が開いていることが検知された場合に、コントローラ26は、引出し145を閉め、施錠する。
【0023】
図5は、既存の飲料の自動販売機を薬収納ロッカー1としてリユースする方法を説明するフローチャートである。
図5に例示するように、ステップ100(S100)において、ロッカーボックス14は、既存の飲料の自動販売機の筐体内に、設けられる。具体的には、ロッカーボックス14aは、既存の飲料用自動販売機の飲料の収納庫を取り外し、取り外した空間に形成される。ロッカーボックス14aは、ロッカーボックス14aの開口部を塞ぐ内扉141と、施錠可能な外扉142との二重扉を設けられる。
ステップ105(S105)において、ロッカーボックス14bは、既存の飲料用自動販売機の飲料の取出口を改造し、形成される。
ステップ110(S110)において、既存の自動販売機が備えている温度を制御するユニットは、ロッカーボックス14内の温度の制御が及ぶ範囲に取り付けられる。具体的には、既存の自動販売機の温度制御ユニットを転用した温度制御ユニット28は、冷却装置、及び温度センサを含み、これらは、筐体10内において、ロッカーボックス14内の温度及び湿度を一定に保てる位置に取り付けられる。
【0024】
ステップ115(S115)において、ロッカー選択ボタン24は、既存の飲料の自動販売機の商品選択ボタンを転用し、利用するロッカーボックス14を選択するボタンとして、筐体10へ配置される。
ステップ120(S120)において、コントローラ26は、既存の飲料の自動販売機のコントローラを転用し、温度制御ユニット28及びロッカーボックス14を制御するよう制御内容を変更される。
ステップ125(S125)において、既存の飲料の自動販売機が備えている現金を処理するユニットは取り外される。具体的には、既存の飲料の自動販売機の硬貨投入口、紙幣挿入口、コインメカニズム(硬貨・紙幣処理機)を取り外される。
ステップ130(S130)において、カメラ12は、薬収納ロッカー1の利用者である薬の投入者及び受取人を撮影可能な位置に設置される。
ステップ135(S135)において、タブレット端末16は、既存の飲料の自動販売機の筐体内に内蔵される。具体的には、タブレット端末16は、既存の飲料の自動販売機に、表示画面が露出するように、内蔵される。タブレット端末16は、薬の受取人の本人認証を実施する。
ステップ140(S140)において、電子マネー決済端末18及び二次元コードリーダ20は、既存の自動販売機の電子マネー決済端末及び二次元コードリーダの設定を、ロッカーボックス14内に収納された薬の決済を処理する設定へ変更される。
PLC22は、薬収納ロッカー1の各装置のシーケンス制御を設定される。
【0025】
図6は、薬収納ロッカー1の使用方法を説明するフローチャートである。
図6に例示するように、ステップ200(S200)において、二次元コードリーダ20は、薬の投入者によりかざされた、薬収納ロッカー1の利用に必要な二次元コードを読み取る。カメラ12は、薬の投入者を撮影する。
ステップ205(S205)において、コントローラ26は、薬の投入者により押下されたロッカー選択ボタン24を認識し、解錠するロッカーボックス14を特定する。
ステップ210(S210)において、コントローラ26は、特定されたロッカーボックス14を解錠し、薬の投入者は、解錠されたロッカーボックス14へ薬を投入する。ロッカーボックス14の外扉142が閉められたことを検知すると、コントローラ26は、ロッカーボックス14の外扉142を施錠する。
ステップ215(S215)において、二次元コードリーダ20は、薬の受取人によりかざされた薬を受け取るために発行された二次元コードを読み取る。カメラ12は、二次元コードをかざす薬の受取人を撮影する。
【0026】
ステップ220(S220)において、タブレット端末16は、薬の受取人により二次元コードリーダ20にかざされた、薬の受け取りに必要な二次元コードとカメラ12により撮影された薬の受取人の画像データとに基づいて本人認証を行う。
ステップ225(S225)において、タブレット端末16は、選択された決済方法に基づいて、電子マネー決済端末18を有効化し、薬の決済を実行する。
ステップ230(S230)において、コントローラ26は、読み取られた2次元コードに基づいて、ロッカーボックス14の外扉142を解錠する。
薬の受取人は、外扉142を開き、内扉141を押し出して薬を受け取る。薬の受取人は薬を取り出し、処方箋の原本をロッカーボックス14aへ入れる。薬と処方箋原本とを置き換えることで薬収納ロッカー1は処方箋の原本を回収する。
ステップ235(S235)において、コントローラ26は、既定時間以上外扉142が開いていることを検知した場合に(S235:Yes)、S240へ移行する。既定時間以上外扉142が開いていない場合に(S235:No)、S245へ移行する。
ステップ240(S240)は、コントローラ26は、外扉142を閉める。
ステップ245(S245)は、コントローラ26は、外扉142を施錠する。
【0027】
以上説明したように、薬収納ロッカー1は、既存の飲料の自動販売機をリユースし、自動販売機の設備を、薬収納ロッカー1用に改造、設定変更、再配置をおこなっているため、低コストで製造可能である。また、屋外に設置することを前提としているため、飲料の自動販売機は、防水、及び防塵対応、紫外線保護対応、盗難防止対策がなされており、これらの機能は、薬の変質を防ぐことが必要である薬収納ロッカー1には好適である。
また、これらの機能により、薬収納ロッカー1は、屋内だけでなく、屋外にも設置可能である。そして、回収した中古の自動販売機をリユースすることは、SDGsゴール12の「つくる責任つかう責任」に該当し、社会課題の解決にも繋がる。
【0028】
[変形例1]
図7は、変形例1における薬収納ロッカー3を例示する図である。
図8(a)は、変形例1における循環式薬収納ロッカー3を例示する図であり、(b)は、変形例1におけるエレベーター式薬収納ロッカー3を例示する図である。
上記実施形態では、各ロッカーボックス14に扉が付けられ、利用するロッカーボックス14の扉を開けて薬の投入及び受取りをしているが、これに限定されず、例えば、
図7に例示するように、1つの取出口17から薬の投入及び受取りを行う機械式の薬収納ロッカー3としてもよい。変形例1における薬収納ロッカー3は、ロッカーボックス14aが表面に露出する代わりに、大型の表示画面19が設置され、デジタルサイネージとして機能する。
【0029】
具体的には、
図8(a)及び(b)に例示するように、薬収納ロッカー3は、ロッカーボックス15が筐体10内で移動し、取出口17から薬の投入及び受取を行う。より具体的には、機械式の薬収納ロッカー3は、
図8(a)のように、複数の薬を収納するロッカーボックス15が筐体10内で循環移動する。また、薬収納ロッカー3は、
図8(b)のようにロッカーボックス15がエレベーター方式により筐体10内で上下左右に移動してもよい。ロッカー選択ボタン24により、選択されたロッカーボックス15は、コントローラ26により取出口17へと移動し、取出口17から薬の投入又は受け取りを可能にする。
【0030】
[変形例2]
上記実施形態では、受取人は薬を受け取り、処方箋の原本をロッカーボックス14へ入れているが、これに限定されず、例えば、外扉142は、スリットを有し、受取人は、処方箋の原本をスリットへ投入することで、薬収納ロッカー1は、処方箋の原本を回収してもよい。スリットは、外気が入り込みロッカーボックス14内の温度又は湿度に影響を与えない程度の大きさである。
【符号の説明】
【0031】
1、3…薬収納ロッカー
10…筐体
12…カメラ
14、15…ロッカーボックス
16…タブレット端末
17…取出口
18…電子マネー決済端末
19…表示画面
20…二次元コードリーダ
22…PLC
24…ロッカー選択ボタン
26…コントローラ
28…温度制御ユニット
140…ロック機構
141…内扉
142、144…外扉
145…引出し
143、146…ヒンジ