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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055385
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】ストレッチャブルデバイス
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20240411BHJP
【FI】
H05K1/02 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162260
(22)【出願日】2022-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐野 匠
(72)【発明者】
【氏名】菱沼 賢智
(72)【発明者】
【氏名】冨岡 安
(72)【発明者】
【氏名】村山 昭夫
(72)【発明者】
【氏名】岡 真一郎
【テーマコード(参考)】
5E338
【Fターム(参考)】
5E338AA12
5E338AA16
5E338BB63
5E338BB75
5E338CC01
5E338CD05
5E338CD15
5E338CD17
5E338EE13
5E338EE27
5E338EE60
(57)【要約】
【課題】ヒンジ部のひずみ量を精度良く検出できるストレッチャブルデバイスを提供する。
【解決手段】ストレッチャブルデバイスは、樹脂基材と、樹脂基材に積層される信号線及びひずみゲージと、を有し、樹脂基材は、互いに離隔して配置された複数のボディ部と、蛇行しながらボディ部同士を接続する複数のヒンジ部と、を有し、ヒンジ部は、ボディ部の間に配置され、屈曲する複数の屈曲部と、直線状に延び、ボディ部と屈曲部とを接続する基部と、を有し、信号線は、屈曲部に積層される屈曲部用信号線と、基部に積層される基部用信号線と、を有し、樹脂基材に対し信号線が積層される積層方向から視て、信号線の長さ方向における単位長さあたりの専有面積は、屈曲部用信号線よりも基部用信号線の方が大きい。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂基材と、
前記樹脂基材に積層される信号線及びひずみゲージと、
を有し、
前記樹脂基材は、
互いに離隔して配置された複数のボディ部と、
蛇行しながら前記ボディ部同士を接続する複数のヒンジ部と、
を有し、
前記ヒンジ部は、
前記ボディ部の間に配置され、屈曲する複数の屈曲部と、
直線状に延び、前記ボディ部と前記屈曲部とを接続する基部と、
を有し、
前記信号線は、
前記屈曲部に積層される屈曲部用信号線と、
前記基部に積層される基部用信号線と、
を有し、
前記樹脂基材に対し前記信号線が積層される積層方向から視て、前記信号線の長さ方向における単位長さあたりの専有面積は、前記屈曲部用信号線よりも前記基部用信号線の方が大きい
ストレッチャブルデバイス。
【請求項2】
前記基部用信号線は、
前記積層方向から視て前記屈曲部用信号線と同じ幅であり、前記屈曲部用信号線と接続する信号線本体と、
前記信号線本体に離れて配置されるダミー配線と、
を有している
請求項1に記載のストレッチャブルデバイス。
【請求項3】
前記基部用信号線は、前記屈曲部用信号線と接続する信号線本体を有し、
前記積層方向から視て前記信号線本体の幅は、前記基部用信号線よりも大きい
請求項1に記載のストレッチャブルデバイス。
【請求項4】
樹脂基材と、
前記樹脂基材に積層される信号線及びひずみゲージと、
を有し、
前記樹脂基材は、
互いに離隔して配置された複数のボディ部と、
蛇行しながら前記ボディ部同士を接続する複数のヒンジ部と、
を有し、
前記ヒンジ部は、
前記ボディ部の間に配置され、屈曲する複数の屈曲部と、
直線状に延び、前記ボディ部と前記屈曲部とを接続する基部と、
を有し、
前記信号線は、
前記屈曲部に積層される屈曲部用信号線と、
前記基部に積層される基部用信号線と、
を有し、
前記基部用信号線は、前記屈曲部用信号線と接続する信号線本体を有し、
前記信号線本体の少なくとも一部に、前記樹脂基材に対し前記信号線が積層される積層方向から視て環状を成す環状部が設けられている
ストレッチャブルデバイス。
【請求項5】
前記屈曲部用信号線の少なくとも一部に、前記環状部が設けられている
請求項4に記載のストレッチャブルデバイス。
【請求項6】
前記積層方向から視て前記屈曲部用信号線の幅は、前記ひずみゲージの幅よりも短い
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のストレッチャブルデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストレッチャブルデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
ストレッチャブルデバイスは、伸縮性及び可撓性に優れている。このようなストレッチャブルデバイスは、アレイ層が積層される樹脂基材を有している。樹脂基材は、マトリクス状に配置されたボディ部と、ボディ部同士を接続するヒンジ部と、を有している。特許文献1のヒンジ部は、複数の円弧部を有し、蛇行したミアンダ形状となっている。また、ヒンジ部は、円弧部とボディ部とを接続する直線状の基部を有している場合がある。ストレッチャブルデバイスに引っ張り荷重が作用すると、ヒンジ部の円弧部は、曲率が小さくなるように変形する。言い換えると、円弧部が拡大するように変形する。この結果、ボディ部同士が離隔し、ストレッチャブルデバイスが伸長する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-118273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、ストレッチャブルデバイスに作用した荷重を検出するため、ヒンジ部にひずみゲージを設け、ヒンジ部のひずみ量を検出することが検討されている。また、このようなストレッチャブルデバイスでは、ヒンジ部に信号線が積層され、信号線からひずみゲージに電流が流れる。しかしながら、ヒンジ部の伸縮の際、基部に発生するひずみ量が多い。よって、信号線のうち基部に積層されている部分に多くのひずみが発生する。この結果、ヒンジ部のひずみ量を精度良く検出できない。
【0005】
本発明は、ヒンジ部のひずみ量を精度良く検出できるストレッチャブルデバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1態様に係るストレッチャブルデバイスは、樹脂基材と、前記樹脂基材に積層される信号線及びひずみゲージと、を有する。前記樹脂基材は、互いに離隔して配置された複数のボディ部と、蛇行しながら前記ボディ部同士を接続する複数のヒンジ部と、を有する。前記ヒンジ部は、前記ボディ部の間に配置され、屈曲する複数の屈曲部と、直線状に延び、前記ボディ部と前記屈曲部とを接続する基部と、を有する。前記信号線は、前記屈曲部に積層される屈曲部用信号線と、前記基部に積層される基部用信号線と、を有する。前記樹脂基材に対し前記信号線が積層される積層方向から視て、前記信号線の長さ方向における単位長さあたりの専有面積は、前記屈曲部用信号線よりも前記基部用信号線の方が大きい。
【0007】
本開示の第2態様に係るストレッチャブルデバイスは、樹脂基材と、前記樹脂基材に積層される信号線及びひずみゲージと、を有する。前記樹脂基材は、互いに離隔して配置された複数のボディ部と、蛇行しながら前記ボディ部同士を接続する複数のヒンジ部と、を有する。前記ヒンジ部は、前記ボディ部の間に配置され、屈曲する複数の屈曲部と、直線状に延び、前記ボディ部と前記屈曲部とを接続する基部と、を有する。前記信号線は、前記屈曲部に積層される屈曲部用信号線と、前記基部に積層される基部用信号線と、を有する。前記基部用信号線は、前記屈曲部用信号線と接続する信号線本体を有している。前記信号線本体の少なくとも一部に、前記樹脂基材に対し前記信号線が積層される積層方向から視て環状を成す環状部が設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態1に係るストレッチャブルデバイスを斜視した模式図である。
図2図2は、実施形態1に係るストレッチャブルデバイスの断面を模式的に示した図であり、詳細には、図3のII-II線に沿って切った断面図である。
図3図3は、実施形態1に係るストレッチャブルデバイスであって、アレイ層の方から樹脂基材及び第1樹脂板の一部を見た拡大図である。
図4図4は、実施形態1のアレイ層のうちボディ部に積層された部分を第2樹脂板の方から視た平面図である。
図5図5は、実施形態1の樹脂基材に積層されアレイ層の回路構成を示す図である。
図6図6は、図4のVI-VI線の矢視断面図である。
図7図7は、実施形態1の縦ヒンジを拡大した拡大図である。
図8図8は、実施形態1の縦ヒンジ部であって第1方向に伸張するような荷重が作用した場合の拡大図である。
図9図9は、実施形態1のアレイ層のうち縦ヒンジ部に積層された部分を第2樹脂板の方から視た平面図である。
図10図10は、図9のX-X線矢視断面図である。
図11図11は、縦ヒンジ部の第1基部を第2樹脂板の方から視た平面図である。
図12図12は、実施形態2の縦ヒンジ部の第1基部を第2樹脂板の方から視た平面図である。
図13図13は、図12のXII-XII線矢視断面図である。
図14図14は、実施形態3の縦ヒンジ部を第2樹脂板の方から視た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本開示の発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の構成要素には、同一の符号を付し、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
また、本明細書及び特許請求の範囲において、ある構造体の上に他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接するように、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
【0011】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係るストレッチャブルデバイスを斜視した模式図である。図1に示すように、ストレッチャブルデバイス1は、平板状を成している。ストレッチャブルデバイス1は、互いに反対方向を向く表面1aと裏面1b(図1で不図示。図2参照)を有している。以下、表面1a及び裏面1bと平行な方向を平面方向と称する。また、平面方向と平行な一方向を第1方向Dxと称する。平面方向と平行であり、かつ第1方向Dxと交差する方向を第2方向Dyと称する。
【0012】
表面1a及び裏面1bは、長方形(四角形)を成している。表面1aは、一対の短辺1cと一対の長辺1dを有している。本実施形態において、第1方向Dxは、長辺1dと平行な方向とする。第2方向Dyは、短辺1cと平行な方向とする。つまり、本実施形態では、第1方向Dxと第2方向Dyとは、互いに直交している。また、表面1aの法線方向(積層方向)を第3方向Dzと称する。そして、ストレッチャブルデバイス1を第3方向Dzから視ることを平面視と称する場合がある。
【0013】
ストレッチャブルデバイス1は、平面視で、ストレッチャブルデバイス1のひずみ量を検出可能な検出領域2と、検出領域2の外側を囲む枠状の周辺領域3と、に区分けされる。なお、図1では、検出領域2と周辺領域3の境界を理解し易くするため、境界線L1を引いている。
【0014】
図2は、実施形態1に係るストレッチャブルデバイスの断面を模式的に示した図であり、詳細には、図3のII-II線に沿って切った断面図である。図2に示すように、ストレッチャブルデバイス1は、裏面1bを有する第1樹脂板60と、表面1aを有する第2樹脂板70と、第1樹脂板60と第2樹脂板70の間に挟まれた樹脂基材10及びアレイ層30と、を備えている。また、樹脂基材10及びアレイ層30は、第1樹脂板60の裏面1bの反対面に、樹脂基材10、アレイ層30の順で積層されている。
【0015】
第1樹脂板60及び第2樹脂板70は、樹脂材料により製造され、伸縮性及び可撓性を有している。樹脂材料としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂が挙げられるが、本開示はこれらに限定されない。以下の説明において、上側又は上方とは、第3方向Dzの一方向であり、第1樹脂板60から視て第2樹脂板70が配置されている方を指す。また、下側又は下方とは、第3方向Dzの他方向であり、第2樹脂板70から視て第1樹脂板60が配置されている方を指す。
【0016】
図3は、実施形態1に係るストレッチャブルデバイスであって、アレイ層の方から樹脂基材及び第1樹脂板の一部を見た拡大図である。なお、図3において樹脂基材10を見易くするため、樹脂基材10にハッチングを施している。樹脂基材10は、第1樹脂板60の上側の面に設けられている。樹脂基材10は、伸縮性、可撓性、及び絶縁性を有している。樹脂基材10は、例えばポリイミドなどの樹脂材料から成る。
【0017】
樹脂基材10は、第1方向Dxと第2方向Dyに配列し、マトリクス状に配置されたボディ部11と、隣り合うボディ部11同士を接続するヒンジ部12と、を有している。
【0018】
本実施形態のボディ部11は、平面視で四角形状(正方形状)となっている。ボディ部11の4つの角部が第1方向Dxと第2方向Dyを指すように配置されている。このボディ部11に積層されるアレイ層30には、トランジスタ31が含まれている(図5参照)。なお、本開示は、平面視におけるボディ部11の形状に関し、四角形状に限定されず、円形状や他の多角形状であってもよい。
【0019】
ヒンジ部12は、第1方向Dxに延在するする縦ヒンジ部12Aと、第2方向Dyに延在する横ヒンジ部12Bがある。縦ヒンジ部12Aに積層されるアレイ層30には、信号線32、ひずみゲージ34と、第1出力線35、及び第2出力線36が含まれている。一方で、横ヒンジ部12Bに積層されるアレイ層30には、ゲート線33とひずみゲージ34が含まれている。なお、ヒンジ部12の詳細については後述する。
【0020】
ボディ部11とヒンジ部12との間は、樹脂基材10を第3方向Dzに貫通する肉抜き部19となっている。よって、樹脂基材10には、複数の肉抜き部19が設けられている。
【0021】
肉抜き部19と重なる領域には、アレイ層30が積層されない。図2に示すように、肉抜き部19は、第2樹脂板70により埋められている。このため、ストレッチャブルデバイス1は、肉抜き部19と重なる範囲の剛性が低く、伸縮性や屈曲性(ストレッチャブル性)を備える。そして、ストレッチャブルデバイス1に荷重が作用すると、肉抜き部19に対し第1方向Dx又は第2方向Dyに重なるヒンジ部12が変形する。よって、ボディ部11の変形が小さく、ボディ部11に積層される機能素子(本実施形態ではトランジスタ31)の破損が抑制される。なお、本実施形態では、肉抜き部19は、第2樹脂板70により埋められているが、第1樹脂板60により埋められてもよく、若しくは、第1樹脂板60と第2樹脂板70により埋められていてもよい。
【0022】
次にアレイ層30について説明する。アレイ層30は、ヒンジ部12のひずみ量を検出するための各種構成を含んでいる。
【0023】
具体的に、アレイ層30は、接続部6(図1参照)、ゲート線駆動回路7(図1参照)、出力線選択回路8(図1参照)、電流配線9(図1参照)と、複数のトランジスタ31(図4参照)と、第1方向Dxに延在する複数の信号線32(図4参照)と、第2方向Dyに延在する複数のゲート線33(図4参照)と、複数のひずみゲージ34(図4参照)と、第1方向Dxに延在する複数の第1出力線35(図4参照)と、第1方向Dxに延在する複数の第2出力線36(図4参照)と、を備えている。
【0024】
図1に示すように、接続部6、ゲート線駆動回路7、出力線選択回路8、電流配線9は、周辺領域3に重なるように配置されている。接続部6は、ストレッチャブルデバイス1の外部に配置された駆動IC(Integrated Circuit)と接続するためのものである。なお、駆動ICは、接続部6に接続される図示しないフレキシブルプリント基板やリジット基板の上に、COF(Chip On Film)として実装されてもよい。または、駆動ICは、第1樹脂板60の周辺領域3にCOG(Chip On Glass)として実装されてもよい。
【0025】
ゲート線駆動回路7は、駆動ICからの各種制御信号に基づいて複数のゲート線33を駆動する回路である。ゲート線駆動回路7は、複数のゲート線33を順次又は同時に選択し、選択したゲート線33にゲート駆動信号を供給する。出力線選択回路8は、複数の第1出力線35と複数の第2出力線36を順次又は同時に選択するスイッチ回路である。出力線選択回路8は、例えばマルチプレクサである。出力線選択回路8は、駆動ICから供給される選択信号に基づき、選択された第1出力線35又は第2出力線36と、駆動ICとを接続する。電流配線9は、信号線32に所定量の電流を供給するための配線であり、周辺領域3に沿って延在している。電流配線9は、接続部6を介して駆動ICに接続し、所定量の電流が流れている。
【0026】
トランジスタ31と、信号線32と、ゲート線33と、ひずみゲージ34と、第1出力線35と、第2出力線36は、樹脂基材10(図3参照)に積層され、検出領域2(図1参照)内に配置されている。
【0027】
図3に示すように、信号線32は、複数の縦ヒンジ部12Aと複数のボディ部11とに跨って配置されている。これにより、信号線32は、検出領域2内の第1方向Dxの一端から他端まで連続した状態で延在している。また、複数の信号線32が第2方向Dyに配列している。各信号線32の一端は、電流配線9(図1参照)に接続している。以下、信号線32のうちボディ部11に積層されている部分を、ボディ部用信号線50と称する。
【0028】
ゲート線33は、複数の横ヒンジ部12Bと複数のボディ部11とに跨って配置されている。これにより、ゲート線33は、検出領域2内の第2方向Dyの一端から他端まで連続した状態で延在している。複数のゲート線33が第1方向Dxに配列している。各ゲート線33の一端は、ゲート線駆動回路7(図1参照)に接続している。
【0029】
第1出力線35及び第2出力線36は、ひずみゲージ34からの出力信号(電流)が流れる配線である。第1出力線35及び第2出力線36は、複数の縦ヒンジ部12Aと複数のボディ部11とに跨って配置されている。これにより、第1出力線35及び第2出力線36は、検出領域2内の第1方向Dxの一端から他端まで連続した状態で延在している。また、複数の第1出力線35及び第2出力線36は、一端が出力線選択回路8に接続している。
【0030】
図4は、実施形態1のアレイ層のうちボディ部に積層された部分を第2樹脂板の方から視た平面図である。図4に示すように、トランジスタ31は、樹脂基材10の各ボディ部11に積層されている。よって、複数のトランジスタ31は、検出領域2内で、マトリクス状に配列している。平面視で、トランジスタ31は、ボディ部11の中央部に配置されている。トランジスタ31のゲート電極31c(図6参照)は、ボディ部11を第2方向Dyに延在するゲート線33と接続している。また、トランジスタ31のドレイン電極31dは、ボディ部11を第1方向Dxに延在する信号線32と接続している。
【0031】
図3に示すように、ひずみゲージ34は、ヒンジ部12のひずみ量を測定するための配線である。ひずみゲージ34は、各ヒンジ部12に積層されている。よって、ひずみゲージ34は、縦ヒンジ部12Aに積層され、第1方向Dxに延在する縦ひずみゲージ34Aと、横ヒンジ部12Bに積層され、第2方向Dyに延在する横ひずみゲージ34Bと、を有している。
【0032】
図4に示すように、縦ひずみゲージ34Aの一端は、縦ヒンジ部12Aを挟む2つのボディ部11の一方に配置され、トランジスタ31のソース電極31eに接続している。縦ひずみゲージ34Aの他端は、縦ヒンジ部12Aを挟む2つのボディ部11の他方に配置され、第1出力線35に接続している。
【0033】
図4に示すように、横ひずみゲージ34Bの一端は、横ヒンジ部12Bを挟む2つのボディ部11の一方に配置され、トランジスタ31のソース電極31eに接続している。横ひずみゲージ34Bの他端は、横ヒンジ部12Bを挟む2つのボディ部11の他方に配置され、第2出力線36に接続している。
【0034】
図5は、実施形態1の樹脂基材に積層されアレイ層の回路構成を示す図である。上記したアレイ層の回路によれば、図5に示すように、ゲート線駆動回路7に選択されたゲート線33が走査されると、トランジスタ31がONとなる。この結果、信号線32とひずみゲージ34の一端とが電気的に接続する。よって、電流配線9の電流がひずみゲージ34(縦ひずみゲージ34A、横ひずみゲージ34B)に流れる。そして、縦ひずみゲージ34Aからの電気信号(電流)は、第1出力線35に流れる。横ひずみゲージ34Bからの電気信号(電流)は、第2出力線36に流れる。次に、出力線選択回路8によって選択された第1出力線35又は第2出力線36が駆動ICと接続する。これにより、第1出力線35又は第2出力線36から駆動ICに電気信号(電流)が送られる。
【0035】
次に、アレイ層30のうちボディ部11に積層された部分の断面構造について説明する。
【0036】
図6は、図4のVI-VI線の矢視断面図である。図6に示すように、アレイ層30のうちボディ部11に積層される部分には、複数の絶縁層が積層されている。具体的に、ボディ部11の上方には、第1絶縁層41、第2絶縁層42、第3絶縁層43、第4絶縁層44、及び第5絶縁層45が積層されている。第1絶縁層41、第2絶縁層42、第3絶縁層43、第4絶縁層44、及び第5絶縁層45は、例えばシリコン酸化膜であり、トランジスタ31や各種配線(信号線32、ゲート線33、ひずみゲージ34、第1出力線35、及び第2出力線36)を覆っている。なお、本実施形態では、第1絶縁層41と第2絶縁層42の間に、トランジスタ31のゲート絶縁膜31bが介在している。
【0037】
第2絶縁層42上にひずみゲージ34が積層されている。第3絶縁層43上に信号線32が積層されている。第4絶縁層44上にゲート線33が積層されている。トランジスタ31は、半導体層31aと、ゲート絶縁膜31bと、ゲート電極31cと、ドレイン電極31dと、ソース電極31eと、を備えている。半導体層31aは、コンタクト層80、81を介して、ドレイン電極31dとソース電極31eとを接続している。ゲート電極31cは、コンタクト層82を介して、ゲート線33と接続している。ドレイン電極31dは、信号線32と同層に配置され、信号線32と接続している。ソース電極31eは、ひずみゲージ34と同層に配置され、ひずみゲージ34と接続している。
【0038】
次に、アレイ層30のうちヒンジ部12に積層された部分を説明するが、その前にヒンジ部12の詳細について説明する。なお、縦ヒンジ部12Aを90°回転させると、横ヒンジ部12Bと同一形状となる。よって、以下では、縦ヒンジ部12Aを代表例として説明する。
【0039】
図7は、実施形態1の縦ヒンジを拡大した拡大図である。図8は、実施形態1の縦ヒンジ部であって第1方向に伸張するような荷重が作用した場合の拡大図である。なお、図7図8で示す仮想線Kは、縦ヒンジ部12Aの幅方向の中央を通過する仮想線である。
【0040】
図7に示すように、縦ヒンジ部12Aの幅方向の長さWは、縦ヒンジ部12Aが延在する長さ方向に一定となっている。また、縦ヒンジ部12Aは、2つのボディ部11の間を蛇行しながら第1方向Dxに延在している。縦ヒンジ部12Aは、縦ヒンジ部12Aの長さ方向の両端部に位置する2つの基部13と、2つの基部13の間に配置された4つの屈曲部14と、を有している。説明の都合上、縦ヒンジ部12Aを挟む2つのボディ部11のうち、一方を第1ボディ部11aと称し、他方を第2ボディ部11bと称する。
【0041】
基部13は、ボディ部11に連続し、ボディ部11から第1方向Dxに直線状に延びている。なお、2つの基部13のうち第1ボディ部11aに連続する基部13を第1基部13aと称し、第2ボディ部11bに連続する基部13を第2基部13bと称する。
【0042】
屈曲部14は、第2方向Dyに折れ曲がっている。本実施形態の屈曲部14は、円弧状を成している。なお、本開示の屈曲部は、円弧状でなく、角状を成していてもよい。4つの屈曲部14は、第1基部13aから第2基部13bに向かって順に配置される第1円弧部21、第2円弧部22、第3円弧部23、第4円弧部24となっている。第1円弧部21及び第4円弧部24は、四分円状を成し、90度折れ曲がっている。第2円弧部22及び第3円弧部23は、半円弧状を成し、180度折れ曲がっている。
【0043】
第1円弧部21の一端は、第1基部13aと接続している。第1円弧部21は、第1基部13aに対し、第2方向Dyの一方に折れ曲がっている。また、第4円弧部24の一端は、第2基部13bと接続している。第4円弧部24は、第2基部13bから第2方向Dyの他方に折れ曲がっている。よって、第1円弧部21と第4円弧部24とは、折れ曲がる方向が反対となっている。
【0044】
第2円弧部22の一端は、第1円弧部21と接続している。第2円弧部22の他端は、第2方向Dyの他方を向いている。また、第3円弧部23は、一端が第4円弧部24と接続し、他端が第2方向Dyの一方を向き、第2円弧部22の他端と接続している。以上から、4つの屈曲部14により縦ヒンジ部12Aが蛇行している。
【0045】
図7で示すように、各屈曲部14は、仮想線Kを境界として、内側(内周側)に配置される内周部と、外側(外周側)に配置される外周部と、に区分けされる。なお、図7では、各屈曲部14の内周部と外周部の範囲を明確にするため、内周部と外周部を楕円形で囲んでいる。ただし、仮想線Kよりも内周側の全てが内周部であり、仮想線Kよりも外周側の全てが外周部である。よって、楕円で囲まれた範囲は、内周部又は外周部の一部である。
【0046】
例えば、ストレッチャブルデバイス1に第1方向Dxに引っ張られると(図8の矢印F参照)、図8に示すように、縦ヒンジ部12Aが第1方向Dxに伸張する。つまり、各屈曲部14が折れ曲がり角度が大きくなり、縦ヒンジ部12Aの第1方向Dxの長さが大きくなる。また、各屈曲部14が折れ曲がり角度が大きくなった場合、各屈曲部20の内周部と外周部とでは、つぎのような荷重(応力)が作用する。
【0047】
第1円弧部21の第1内周部21Nには、引っ張り荷重が作用する。第1円弧部21の第1外周部21Gに圧縮荷重が作用する。第2円弧部22の第2内周部22Nには、引っ張り荷重が作用する。第2円弧部22の第2外周部22Gには、圧縮荷重が作用する。第3円弧部23の第3内周部23Nには、引っ張り荷重が作用する。第3円弧部23の第3外周部23Gは、圧縮荷重が作用する。第4円弧部24の第4内周部24Nは、引っ張り荷重が作用する。第4円弧部24の第4外周部24Gは、圧縮荷重が作用する。
【0048】
つまり、各屈曲部14の内周部に引っ張り荷重が作用し、一方で、各屈曲部14の外周部に圧縮荷重が作用する。よって、縦ひずみゲージ34Aを、縦ヒンジ部12Aの端に沿って延在させても、引っ張り荷重と圧縮荷重の両方が作用し、縦ヒンジ部12Aに作用した荷重を正確に検出できない。なお、縦ヒンジ部12Aの幅方向の中央部(仮想線Kと重なる範囲)は、内周部及び外周部よりも発生する歪み量が少ない。
【0049】
図9は、実施形態1のアレイ層のうち縦ヒンジ部に積層された部分を第2樹脂板の方から視た平面図である。図10は、図9のX-X線矢視断面図である。図11は、縦ヒンジ部の第1基部を第2樹脂板の方から視た平面図である。次に、アレイ層30のうち縦ヒンジ部12Aに積層されている部分について説明する。また、説明の順番は、断面構造、平面視でのレイアウトの順で説明する。
【0050】
図10に示すように、アレイ層30のうち縦ヒンジ部12Aに積層されている部分に、信号線32、縦ひずみゲージ34A、第1出力線35、第2出力線36、及び絶縁層46、47が含まれている。
【0051】
縦ヒンジ部12Aの上には、信号線32が積層されている。絶縁層46は、信号線32と縦ヒンジ部12Aを上方から覆っている。絶縁層46の上には、第1出力線35及び第2出力線36が積層されている。絶縁層47は、第1出力線35、第2出力線36及び絶縁層46を上方から覆っている。絶縁層47の上には、縦ひずみゲージ34Aが設けられている。縦ひずみゲージ34Aは、第2樹脂板70に覆われている。絶縁層46、47は、柔軟性が高いポリイミドで形成されている。
【0052】
平面視した場合のレイアウトに関し、図9に示すように、縦ひずみゲージ34Aは、平面視で屈曲部14と重なる複数のひずみ検出部37を有している。複数のひずみ検出部37は、第1円弧部21と重なる第1ひずみ検出部37Aと、第2円弧部22と重なる第2ひずみ検出部37Bと、第3円弧部23と重なる第3ひずみ検出部37Cと、第4円弧部24と重なる第4ひずみ検出部37Dと、を有している。
【0053】
第1ひずみ検出部37Aは、平面視で第1内周部21Nと重なっている。第2ひずみ検出部37Bは、平面視で第2内周部22Nと重なっている。第3ひずみ検出部37Cは、平面視で第3内周部23Nと重なっている。第4ひずみ検出部37Dは、平面視で第4内周部24Nと重なっている。
【0054】
以上から、縦ひずみゲージ34Aは、各屈曲部14の内周部のみと重なるように配置され、外周部と重なっていない。よって、縦ヒンジ部12Aの伸縮時、縦ひずみゲージ34Aに対し引っ張り荷重と圧縮荷重の両方が入力される、ということが回避される。この結果、縦ヒンジ部12Aに作用する荷重(ひずみ量)を正確に検出することができる。なお、本開示は、ひずみゲージが各屈曲部14の外周部のみと重なるように配置されていてもよい。また、縦ヒンジ部12Aの幅方向の中央部(仮想線Kと重なる範囲)は、内周部及び外周部よりも発生する歪み量が少ない。
【0055】
信号線32は、縦ヒンジ部12Aに積層される屈曲部用信号線51及び基部用信号線52を有している。なお、基部用信号線52は、第1基部13a及び第2基部13bのそれぞれに設けられている。よって、基部用信号線52の説明では、第1基部13aに積層された方を説明する。
【0056】
屈曲部用信号線51は、複数の屈曲部14に積層されている。屈曲部用信号線51は、縦ヒンジ部12Aの幅方向の中央部を通っている。よって、屈曲部用信号線51は、複数の屈曲部14に沿って蛇行している。以上から、屈曲部用信号線51は、屈曲部14の内周部及び外周部よりもひずみ量が少ない仮想線Kと平面視で重なっている。これにより、屈曲部用信号線51に発生するひずみ量が小さく抑えられている。
【0057】
図11に示すように、屈曲部用信号線51の幅方向の長さW1は、縦ひずみゲージ34Aの幅方向の長さW2よりも小さい。屈曲部用信号線51が太くなると(屈曲部用信号線51の幅方向の長さW1が大きくなると)、屈曲部用信号線51に発生するひずみ量も多くなり、ノイズ成分が増える。よって、本実施形態では、屈曲部用信号線51の幅方向の長さW1が小さくし(屈曲部用信号線51が細くし)、含まれるノイズ成分を少なくしている。なお、本開示は、屈曲部用信号線51の幅方向の長さW1は、縦ひずみゲージ34Aの幅方向の長さW2よりも小さければよく、また縦ひずみゲージ34Aの幅方向の長さW2の1/3以上の長さ以上であればよい(W2>W1≧W2×1/3)。
【0058】
図11に示すように、基部用信号線52は、基部13に積層されている。また、基部用信号線52は、1つの信号線本体53と、信号線本体53を挟んで配置される2つのダミー配線54と、を有している。
【0059】
信号線本体53及びダミー配線54は、それぞれ、第1基部13aに沿って直線状に延びている。信号線本体53は、一端がボディ部用信号線50と接続し、他端が屈曲部用信号線51と接続している。よって、電流配線9(図1参照)から流れる電流は、ボディ部用信号線50、屈曲部用信号線51、信号線本体53を介して第1方向Dxに流れる。一方で、ダミー配線54の両端は、他の配線に接続していない。よって、ダミー配線54は断線している。なお、図9において、2つのダミー配線54のうち縦ひずみゲージ34Aと重なる方は図示を省略している。
【0060】
信号線本体53の幅方向の長さW3は、屈曲部用信号線51の幅方向の長さW1と同じである。よって、縦ヒンジ部12Aの長さ方向における単位長さあたりの専有面積は、屈曲部用信号線51よりも基部用信号線52(信号線本体53及びダミー配線54)の方が大きい。つまり、2つのダミー配線54を有している分だけ、基部用信号線52の方が屈曲部用信号線51よりも単位長さ当たりの専有面積が大きい。よって、2つのダミー配線54を有していない場合と比べ、第1基部13aの剛性が向上している。この結果、縦ヒンジ部12Aの伸縮時、第1基部13aに発生ずるひずみ量が低減する。そして、これに伴い、信号線本体53に発生するひずみ量も低減する。
【0061】
また、ダミー配線54の幅方向の長さW4は、信号線本体53の幅方向の長さW3よりも長い。よって、ダミー配線54の幅方向の長さW4が信号線本体53の長さW3と同じ場合よりも第1基部13aの剛性が向上し、信号線本体53に発生するひずみ量が低減する。なお、本開示は、ダミー配線54の幅方向の長さW4に関し、実施形態1で示した例に限定されず、信号線本体53の長さW3と同じ、若しく長さW3よりも小さくてもよい。
【0062】
以上、実施形態1のストレッチャブルデバイス1では、屈曲部用信号線51及び信号線本体53に発生するひずみ量が少なく、ヒンジ部12のひずみ量が精度良く検出することができる。なお、実施形態1では、2つのダミー配線54が設けられているが、本開示は、ダミー配線54の個数に関し、特に制限はない。また、実施形態1のダミー配線54は直線状となっているが、本開示は、直線状以外の形状のダミー配線であってもよく、特に形状は問わない。次に実施形態1の一部を変形した他の実施形態について説明する。下記の説明は、実施形態1との相違点に絞って説明する。
【0063】
(実施形態2)
図12は、実施形態2の縦ヒンジ部の第1基部を第2樹脂板の方から視た平面図である。図13は、図12のXII-XII線矢視断面図である。図12図13に示すように、実施形態2のストレッチャブルデバイス1Aの基部用信号線52Aは、屈曲部用信号線51と接続する信号線本体53Aのみを有している点で、実施形態1のストレッチャブルデバイス1と相違する。つまり、実施形態2のストレッチャブルデバイス1Aの基部用信号線52Aは、ダミー配線54を有していない。
【0064】
信号線本体53Aの幅方向の長さW5は、第1基部13aの幅方向の長さと同じとなっている。つまり、信号線本体53Aの幅方向の長さW5は、屈曲部用信号線51の幅方向の長さW1よりも大きい。よって、実施形態2であっても、信号線32の長さ方向における単位長さあたりの専有面積は、屈曲部用信号線51よりも基部用信号線52Aの方が大きい。以上から、第1基部13aの剛性が向上し、信号線本体53に発生するひずみ量が低減する。これに伴い、ヒンジ部12のひずみ量が精度良く検出することができる。
【0065】
(実施形態3)
図14は、実施形態3の縦ヒンジ部を第2樹脂板の方から視た平面図である。なお、図14においては、縦ひずみゲージ34Aの図示を省略している。図14に示すように、実施形態3のストレッチャブルデバイス1Bは、信号線32の基部用信号線52Bが屈曲部用信号線51Bと接続する信号線本体53Bのみを有している点で、実施形態1のストレッチャブルデバイス1と相違する。また、信号線本体53Bの一部に、環状部56が設けられている点で、実施形態1の信号線本体53と相違する。
【0066】
環状部56は、第3方向Dzから視て環状を成している。本実施形態の環状部56は、楕円形状となっている。なお、本開示の環状部は、楕円形状に限定されず、円形状や四角形状であってもよい。環状部56は、仮想線Kに対し第2方向Dyの一方に配置される第1配線56aと、仮想線Kに対し第2方向Dyの他方に配置される第2配線56bと、を有している。この環状部56によれば、縦ヒンジ部12Aの伸縮時、第1配線56aと第2配線56bに応力が分散され、ひずみ量が低減する。
【0067】
また、第3実施形態の屈曲部用信号線51Bにも、2つの環状部57、58が設けられている。環状部57は、第2円弧部22の長さ方向の中央部に位置している。環状部58は、第3円弧部23の長さ方向の中央部に位置している。この第2円弧部22と第3円弧部23における長さ方向の中央部は、4つの屈曲部14のうち、ひずみ量が比較的多く発生し易い箇所である。これによれば、屈曲部用信号線51Bに発生するひずみ量も低減させることができる。
【0068】
以上、実施形態3について説明したが、本開示は、信号線本体53Bにのみ環状部56が設けられていてもよい。また、信号線本体53Bに対し、環状部56を2つ設けてもよく、数に制限はない。本開示は、信号線本体53Bの少なくとも一部に、環状部56が設けられていればよい。よって、実施形態3で示すように、信号線本体53Bの一部が環状部56となっていてもよいし、若しくは、信号線本体53Bの全体が環状部56となっていてもよい。また、屈曲部用信号線51Bに設けられた環状部56、57を実施形態1のストレッチャブルデバイス1や、実施形態2のストレッチャブルデバイス1Aに適用してもよい。
【符号の説明】
【0069】
1、1A、1B ストレッチャブルデバイス
10 樹脂基材
11 ボディ部
12 ヒンジ部
12A 縦ヒンジ部
12B 横ヒンジ部
13 基部
14 屈曲部
19 肉抜き部
21 第1円弧部
21G 第1外周部
21N 第1内周部
22 第2円弧部
22G 第2外周部
22N 第2内周部
23 第3円弧部
23G 第3外周部
23N 第3内周部
24 第4円弧部
24G 第4外周部
24N 第4内周部
30 アレイ層
31 トランジスタ
32 信号線
33 ゲート線
34 ひずみゲージ
35 第1出力線
36 第2出力線
37 ひずみ検出部
37A 第1ひずみ検出部
37B 第2ひずみ検出部
37C 第3ひずみ検出部
37D 第4ひずみ検出部
50 ボディ部用信号線
51 屈曲部用信号線
52 基部用信号線
53 信号線本体
54 ダミー配線
56、57、58 環状部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14