(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055397
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】経路設定装置
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20240411BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162294
(22)【出願日】2022-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 勝
(72)【発明者】
【氏名】神賀 英明
(72)【発明者】
【氏名】松川 信行
(72)【発明者】
【氏名】後藤 正樹
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 剛
(72)【発明者】
【氏名】茨木 武
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129AA04
2F129AA05
2F129AA11
2F129CC13
2F129CC19
2F129DD66
2F129EE54
2F129FF02
2F129FF32
2F129FF61
2F129GG17
2F129HH02
2F129HH12
5H181AA01
5H181AA06
5H181AA14
5H181AA26
5H181BB04
5H181CC04
5H181CC12
5H181EE11
5H181FF04
5H181FF05
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF14
5H181MC15
5H181MC27
(57)【要約】
【課題】監視対象を監視するための巡回経路を適切に設定すること。
【解決手段】経路設定装置は、第1移動体に搭載された第1装置によって取得された対象の状態を示す情報を取得する取得部と、対象の状態を示す情報に基づいて、第1装置よりも多くの情報を取得可能な第2装置を搭載した第2移動体が移動する経路を設定する設定部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1移動体に搭載された第1装置によって取得された対象の状態を示す情報を取得する取得部と、
前記対象の状態を示す情報に基づいて、前記第1装置よりも多くの情報を取得可能な第2装置を搭載した第2移動体が移動する経路を設定する設定部と、
を備える、経路設定装置。
【請求項2】
前記対象の状態を示す情報に基づいて、前記対象が監視対象であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記対象が前記監視対象であると判定された場合、前記第1装置が前記対象の状態を示す情報を取得した地点を含むように、第2移動体が移動する経路を設定する設定部と、
を備える、
請求項1に記載の経路設定装置。
【請求項3】
前記設定部は、前記対象の状態を示す情報の取得状況に応じて、前記経路を設定する、
請求項1に記載の経路設定装置。
【請求項4】
前記判定部が、前記経路を外れた地点において、前記監視対象があると判定した場合、
前記設定部は、前記第2移動体に前記経路を外れた地点の前記監視対象へ走行させるように、前記経路を変更する、
請求項2に記載の経路設定装置。
【請求項5】
第1移動体に搭載された第1装置によって取得された対象の状態を示す情報を取得する取得部と、
前記対象の状態を示す情報に基づいて、前記第1装置よりも移動可能な領域が広い第2装置を搭載した第2移動体が移動する経路を設定する設定部と、
を備える、経路設定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路設定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
予め定められた経路を巡回して監視する技術が知られている。例えば、巡回エリアにおいて計画された頻度で録画情報を取得し、録画もれを生じにくくする技術が開示されている(特許文献1参照)。また、崖崩れの発生リスクの高い地点に設置された端末装置において撮像された画像から崖崩れの発生を検出する技術が開示されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-149606号公報
【特許文献2】特許第2589835号公報
【特許文献3】特許第4998955号公報
【特許文献4】特開2017-75781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、崖崩れなどの土地災害発生のリスクがある箇所、土砂災害警戒区域をパトロールカーなどの車両で巡回して監視することが行われている。しかしながら、土砂災害警戒区域は地域によっては複数個所、広範囲にわたる場合があり、また、崖崩れ等の発生リスクの低い地点などを監視することは車両の投入台数に制限があるため行われていない。災害発生リスクの高い地点を効率的に巡回し、また発生リスクの低い地点であっても、災害発生の予兆が観測された場合には、適切に監視することが求められている。
【0005】
本発明は、監視対象を監視するための巡回経路を適切に設定することのできる経路設定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の経路設定装置は、第1移動体に搭載された第1装置によって取得された対象の状態を示す情報を取得する取得部と、前記対象の状態を示す情報に基づいて、前記第1装置よりも多くの情報を取得可能な第2装置を搭載した第2移動体が移動する経路を設定する設定部と、を備える。
【0007】
本発明の経路設定装置は、第1移動体に搭載された第1装置によって取得された対象の状態を示す情報を取得する取得部と、前記対象の状態を示す情報に基づいて、前記第1装置よりも移動可能な領域が広い第2装置を搭載した第2移動体が移動する経路を設定する設定部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、監視対象を監視するための巡回経路を適切に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る経路設定システムの構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る経路設定システムの概要を示す図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る経路設定装置の構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る第1装置の構成例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る第2装置の構成例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る経路設定装置の処理内容を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、第1実施形態の第1変形例に係る経路設定装置の処理内容を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、第1実施形態の第2変形例に係る経路設定装置の処理内容を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、第2実施形態に係る経路設定システムの概要を説明するための図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態に係る経路設定装置の処理内容を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、第3実施形態に係る経路設定装置の処理内容を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、第4実施形態に係る経路設定装置の処理内容を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、第5実施形態に係る経路設定装置の処理内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0011】
[第1実施形態]
図1と、
図2とを用いて、第1実施形態に係る経路設定システムの構成例について説明する。
図1は、第1実施形態に係る経路設定システムの構成例を示すブロック図である。
図2は、第1実施形態に係る経路設定システムの概要を示す図である。
【0012】
図1に示すように、経路設定システム1は、経路設定装置10と、複数の第1装置12と、第2装置14と、を含む。経路設定装置10は、ネットワークNを介して、第1装置12および第2装置14と通信可能に接続されている。第1装置12は、第1移動体に搭載される装置である。第2装置14は、第2移動体に搭載される装置である。経路設定装置10は、第1移動体に搭載された第1装置によって取得された対象の状態を示す情報に基づいて、第2移動体が移動すべき移動経路を適切に設定する装置である。
【0013】
第1移動体は、所定の巡回ルートを走行する専用車両であってもよく、所定のルートを走行するバスおよび配達車両などの商業車両であってもよい。また、ルートを定めずに運転者の意思で走行する一般車両であってもよい。第2移動体は、経路設定装置10によって設定された移動経路を走行する専用車両である。
図2は、第1実施形態に係る経路設定システム1の概要を示す。
図2には、一般車両2-1から一般車両2-n(nは2以上の整数)と、専用車両3とが示されている。一般車両2-1を区別する必要のない場合には、一般車両2と総称する。本実施形態は、第1移動体を一般車両2、第2移動体を専用車両3とする実施形態である。
【0014】
一般車両2は、第1装置12を搭載する。一般車両2は、例えば、一般のユーザが所有する自家用車であり得る。一般車両2は、例えば、バスおよび配達車両などの商業車両であってもよい。一般車両2は、第1移動体の一種である。第1経路R1は、決められたルートであってもよく、運転者の意思で走行する自由なルートでもよい。一般車両2-1から一般車両2-nが所定時間内に走行した経路をそれぞれ第1経路R1-1から第1経路R1-nとする。一般車両2-1から一般車両2-nのそれぞれに搭載されている第1装置12は、移動経路付近に存在する対象の状態を検出する。本実施形態において、対象とは、災害の発生リスクがある対象箇所、または災害の前兆を示す対象物、対象箇所である。対象箇所は土砂災害の発生リスクがある山の斜面(崖)、氾濫のリスクがある河川、津波発生のリスクがある海岸等である。対象物は橋や堤防などの構造物、土砂災害の前兆で傾くことがある樹木等である。以下、対象箇所を崖とし、複数個所の崖を巡回する例で説明を行う。巡回は、同一種類の対象のみの状態を検出するものでなく、同一種類の災害の前兆を示す異なる対象、異なる種類の災害の前兆を示す対象の状態を検出してもよい。第1装置12は、対象の検出結果を経路設定装置10に送信する。一般車両2が状態を検出する対象は1箇所、1の対象物に限らない。走行経路付近に存在する複数の対象の状態を検出してもよい。例えば、一般車両2は、走行経路付近に存在する全ての対象の状態を検出する。例えば、一般車両2は、走行経路付近に存在する一部の対象の状態を検出する。ここで対象の状態の検出とは、対象物、対象箇所の画像、音声など対象の状態を示す情報を取得することである。
【0015】
専用車両3は、第2装置14を搭載する。専用車両3は、監視対象である対象を監視しながら走行するパトロールカーであり得る。専用車両3は、人が運転する車両であってもよいし、自動走行車両であってもよい。専用車両3は、第2移動体の一種である。専用車両3は、第2装置14で監視対象の状態を検出しながら、第2経路R2を巡回する。第2経路R2は、例えば、自治体、公的機関などが提供するハザードマップなどに基づいて、崖崩れが発生するリスクの高い地点を巡回するように設定された経路である。第2装置14は、第1装置12よりも多くの対象の状態を示す情報を取得することができる。すなわち、第2装置14は、第1装置12よりも対象の状態を高い精度で把握することができる。第1装置12および第2装置14の詳細は、後述する。
【0016】
経路設定装置10は、複数の第1装置12から対象の検出結果を受信する。経路設定装置10は、対象の検出結果に基づいて、対象が監視対象であると判定した場合には、監視対象と判定された対象を監視できるように第2経路R2を設定する。これにより、経路設定装置10は、監視対象を監視するための巡回経路を適切に設定することができる。
【0017】
本実施形態では、第1移動体および第2移動体は車両であるものと説明するが、本発明はこれに限定されない。第1移動体および第2移動体は、例えば、ドローンであってもよい。第1移動体および第2移動体は、例えば、情報を取得可能な装置(例えば、カメラやスマートフォン)を携帯した人であってもよい。
【0018】
(経路設定装置)
図3を用いて、第1実施形態に係る経路設定装置の構成例について説明する。
図3は、第1実施形態に係る経路設定装置の構成例を示すブロック図である。
【0019】
図3に示すように、経路設定装置10は、通信部20と、記憶部22と、制御部24と、を備える。経路設定装置10は、サーバ装置などで実現される装置である。例えば、経路設定装置10は、自治体の敷地内など建物内に設置されるサーバ装置として設けられる。別の例では、経路設定装置10は、第2移動体に車載装置として設けられてもよい。
【0020】
通信部20は、経路設定装置10と、外部装置との間の通信を実行する通信インターフェースである。通信部20は、例えば、経路設定装置10と、第1装置12との間の通信を実行する。通信部20は、例えば、経路設定装置10と、第2装置14との間の通信を実行する。
【0021】
記憶部22は、各種の情報を記憶している。記憶部22は、制御部24の演算内容、およびプログラム等の情報を記憶する。記憶部22は、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)のような主記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)等の外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0022】
記憶部22は、例えば、第1装置12から取得された対象の状態を示す情報を記憶していてもよい。対象の状態を示す情報には、対象の情報を取得した日時に関する日時情報が対応付けられていてもよい。記憶部22は、例えば、外部から取得したハザードマップなどを記憶してもよい。記憶部22は、例えば、第2移動体が前回巡回した第2経路R2、前回の巡回によって取得した対象の状態を示す情報を記憶してもよい。
【0023】
制御部24は、経路設定装置10の各部を制御する。制御部24は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの情報処理装置と、RAM又はROMなどの記憶装置とを有する。制御部24は、本発明に係る経路設定装置10の動作を制御するプログラムを実行する。制御部24は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。制御部24は、ハードウェアと、ソフトウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0024】
制御部24は、取得部30と、判定部32と、設定部34と、通信制御部36と、を備える。
【0025】
取得部30は、通信部20を介して、外部装置から各種の情報を取得する。取得部30は、通信部20を介して、第1装置12から対象の情報を取得する。また、取得部30は、通信部20を介して、第2装置14から対象の状態を示す情報を取得してもよい。
【0026】
判定部32は、各種の情報を判定する。判定部32は、取得部30が取得した対象の情報に基づいて、対象が監視対象であるか否かを判定する。具体的には、判定部32は、取得部30が取得した崖の状態の情報に基づいて、崖崩れが発生するリスクが所定以上であるか否かを判定する。例えば、判定部32は、崖の様子を撮像した画像に基づいて、崖の割れ目、崖のひび割れ、崖から水がでる、崖からパラパラ小石が落ちるといった状態が検出された場合に、崖崩れが発生するリスクが所定以上であると判定する。例えば特許文献3に記載される手法と同様に公知の移動物体検知技術を用いて、撮像した画像から所定の状態を検出してもよい。例えば、判定部32は、崖の周囲で検出された音声に基づいて、山鳴りが検出された場合には、崖崩れが発生するリスクが所定以上であるか否かを判定する。判定部32は、取得部30が取得した対象の状態に特定の事象が含まれている場合に監視対象であると判定する。
【0027】
判定部32は、例えば、ある地点の対象について、前回取得した情報と、今回取得した情報とに基づいて、対象が監視対象であるか否かを判定してよい。判定部32は、例えば、前回取得した情報と、今回取得した情報との変化量が所定以上ある場合に、対象を監視対象として判定してもよい。判定部32は、例えば、前回取得した情報と、今回取得した情報との時間単位当たりの変化量が所定以上である場合に、対象を監視対象として判定してもよい。なお、崖崩れが発生するリスクを判定する方法は、周知の方法を用いることが可能であり、これらに限定されない。判定部32は、複数のリスクレベルを設定し、対象のリスクレベルを判定してもよい。例えば、判定部32は、取得部30が取得した対象の状態に含まれる事象の種類によってリスクレベルを判定する。例えば、判定部32は、前回の取得情報と、今回の取得情報との変化量によって対象のリスクレベルを判定する。例えば、前回の取得情報と、今回の取得情報との時間単位当たりの変化量によって対象のリスクレベルを判定する。リスクレベルは「高」、「中」、「低」、と複数段階で設定されてもよく、数値で設定されてもよい。
【0028】
設定部34は、第2装置14を搭載した専用車両3が走行すべき経路を設定する。具体的には、設定部34は、判定部32により監視対象であると判定された対象の情報を第1装置12が取得した地点を含むように、専用車両3が走行すべき経路を設定する。例えば、設定部34は、記憶部22に記憶されたハザードマップを参照し、監視対象であると判定された対象の情報を第1装置12が取得した地点を含むように経路を設定する。例えば、設定部34は、記憶部22に記憶された第2移動体が前回巡回した第2経路R2を参照し、監視対象であると判定された対象の情報を第1装置12が取得した地点を含むように経路を設定する。また、設定部34は、判定部32が複数のリスクレベルを設定する場合、リスクの高いと判定された対象の情報を第1装置12が取得した地点を優先的に巡回するように専用車両3が走行すべき経路を設定する。例えば、設定部34は、判定部32がリスクレベル「高」と判定した地点を巡回した後にリスクレベル「中」と判定した地点を巡回し、その後にリスクレベル「低」と判定した地点を巡回するように経路を設定する。
【0029】
通信制御部36は、通信部20を制御して、経路設定装置10と、外部装置との情報の送受信を制御する。
【0030】
(第1装置)
図4を用いて、第1実施形態に係る第1装置の構成例について説明する。
図4は、第1実施形態に係る第1装置の構成例を示すブロック図である。
【0031】
図4に示すように、第1装置12は、入力部40と、表示部42と、音声出力部44と、記憶部46と、通信部48と、第1センサ50と、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信部52と、制御部54と、を備える。第1装置12は、例えば、ドライブレコーダなどで実現される。
【0032】
入力部40は、第1装置12に対する各種の操作を受け付ける。入力部40は、スイッチ、ボタン、タッチパネルなどで実現される。
【0033】
表示部42は、各種の画像を表示する。表示部42は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)などを含むディスプレイである。
【0034】
音声出力部44は、各種の音声を出力するスピーカである。
【0035】
記憶部46は、各種の情報を記憶している。記憶部46は、制御部54の演算内容、およびプログラム等の情報を記憶する。記憶部46は、例えば、RAMと、ROMのような主記憶装置、HDD等の外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0036】
通信部48は、第1装置12と、外部装置との間の通信を実行する通信インターフェースである。通信部48は、例えば、第1装置12と、経路設定装置10との間の通信を実行する。
【0037】
第1センサ50は、第1装置12が搭載されている一般車両2の周辺の対象の状態を検出する。第1センサ50は、例えば、カメラおよびマイクなどで実現される。第1センサ50は、例えば、対象となる崖の状態を撮像する。第1センサ50は、例えば、対象となる崖の周辺の音声を検出する。第1センサ50は、例えば、カメラおよびマイクである場合、車両の周辺の画像、音声を取得するドライブレコーダとして機能する。
【0038】
GNSS受信部52は、GNSS衛星からのGNSS信号を受信するGNSS受信機などで構成される。GNSS受信部52は、受信したGNSS信号を位置情報取得部62へ出力する。
【0039】
制御部54は、第1装置12の各部を制御する。制御部54は、例えば、CPUやMPUなどの情報処理装置と、RAM又はROMどの記憶装置とを有する。制御部54は、本発明に係る第1装置12の動作を制御するプログラムを実行する。制御部54は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。制御部54は、ハードウェアと、ソフトウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0040】
制御部54は、センサ制御部60と、位置情報取得部62と、出力制御部64と、通信制御部66と、を備える。
【0041】
センサ制御部60は、第1センサ50を制御して、第1装置12が搭載されている一般車両2の周辺の対象の状態を検出させる。センサ制御部60は、第1センサ50から対象の状態を示す情報を取得する。第1センサ50がカメラである場合、対象の状態を示す情報として、対象の画像を取得する。第1センサ50がマイクである場合、対象の状態を示す情報として、対象が発する音声、対象の周辺の音声を取得する。
【0042】
位置情報取得部62は、第1装置12が搭載されている一般車両2の現在の位置情報を取得する。位置情報取得部62は、GNSS受信部52が受信したGNSS信号に基づいて、一般車両2の現在の位置情報を取得する。位置情報取得部62は、例えば、GNSS受信部52が受信したGNSS信号に基づいて、第1センサ50が対象の情報を取得した地点の位置情報を対象の位置情報として取得する。
【0043】
出力制御部64は、表示部42を制御して、各種の映像を表示させる。出力制御部64は、音声出力部44を制御して、各種の音声を出力させる。
【0044】
通信制御部66は、通信部48を制御して、第1装置12と、外部装置との情報の送受信を制御する。通信制御部66は、例えば、通信部48を介して、第1センサ50による対象の状態を示す情報と、対象の位置情報を経路設定装置10に送信する。
【0045】
(第2装置)
図5を用いて、第1実施形態に係る第2装置の構成例について説明する。
図5は、第1実施形態に係る第2装置の構成例を示すブロック図である。
【0046】
図5に示すように、第2装置14は、入力部70と、表示部72と、音声出力部74と、記憶部76と、通信部78と、第2センサ80と、GNSS受信部82と、制御部84と、を備える。第2装置14は、第1装置12よりも対象を精度よく多くの情報を取得可能な装置である。
【0047】
入力部70は、第2装置14に対する各種の操作を受け付ける。入力部70は、スイッチ、ボタン、タッチパネルなどで実現される。
【0048】
表示部72は、各種の画像を表示する。表示部72は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELなどを含むディスプレイである。
【0049】
音声出力部74は、各種の音声を出力するスピーカである。
【0050】
記憶部76は、各種の情報を記憶している。記憶部76は、制御部84の演算内容、およびプログラム等の情報を記憶する。記憶部76は、例えば、RAMと、ROMのような主記憶装置、HDD等の外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0051】
通信部78は、第2装置14と、外部装置との間の通信を実行する通信インターフェースである。通信部78は、例えば、第2装置14と、経路設定装置10との間の通信を実行する。
【0052】
第2センサ80は、第2装置14が搭載されている専用車両3の周辺の対象の状態を検出する。第2センサ80がカメラである場合には、例えば、第1センサ50よりも解像度の高いカメラ、あるいは高フレームレートのカメラなど検出精度が高いカメラである。第2センサ80がマイクである場合には、例えば、第1センサ50よりも高感度のマイク、あるいは高サンプリングレート、広周波数特性のマイクなど検出精度が高いマイクである。すなわち、第2センサ80は、第1センサよりも対象の状態の情報の検出精度の高いセンサ、すなわち取得する情報量が多いセンサである。第2センサ80は、例えば、超音波センサ、匂いセンサなど各種のセンサを含んでもよい。例えば特許文献4に記載される手法と同様に対象に照射した光の反射光に基づいて3次元形状を計測するセンサを含んでよい。第2センサ80は、第1センサ50と異なる対象の状態の情報を取得するセンサも含む、すなわち取得する情報の種類が多いセンサである。第2センサ80は、第1センサ50よりも多くの情報を取得する。第2センサ80は、測距計、温度計、音量測定計などの測定装置である場合、対象の状態を示す情報を数値で取得してもよい。
【0053】
GNSS受信部82は、GNSS衛星からのGNSS信号を受信するGNSS受信機などで構成される。GNSS受信部82は、受信したGNSS信号を位置情報取得部92へ出力する。
【0054】
制御部84は、第2装置14の各部を制御する。制御部84は、例えば、CPUやMPUなどの情報処理装置と、RAM又はROMどの記憶装置とを有する。制御部84は、本発明に係る第2装置14の動作を制御するプログラムを実行する。制御部84は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。制御部84は、ハードウェアと、ソフトウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0055】
制御部84は、センサ制御部90と、位置情報取得部92と、経路情報取得部94と、出力制御部96と、通信制御部98と、を備える。
【0056】
センサ制御部90は、第2センサ80を制御して、第2装置14が搭載されている専用車両3の周辺の対象の状態を検出させる。センサ制御部90は、第2センサ80から対象の状態を示す情報を取得する。
【0057】
位置情報取得部92は、第2装置14が搭載されている専用車両3の現在の位置情報を取得する。位置情報取得部92は、GNSS受信部82が受信したGNSS信号に基づいて、専用車両3の現在の位置情報を取得する。位置情報取得部92は、例えば、GNSS受信部82が受信したGNSS信号に基づいて、第2センサ80が対象の情報を取得した地点の位置情報を対象の位置情報として取得する。
【0058】
出力制御部96は、表示部72を制御して、各種の映像を表示させる。出力制御部96は、音声出力部74を制御して、各種の音声を出力させる。
【0059】
通信制御部98は、通信部78を制御して、第2装置14と、外部装置との情報の送受信を制御する。通信制御部98は、例えば、通信部78を介して、第2センサ80による対象の状態を示す情報と、対象の位置情報を経路設定装置10に送信する。
【0060】
(処理内容)
図6を用いて、第1実施形態に係る経路設定装置の処理内容について説明する。
図6は、第1実施形態に係る経路設定装置の処理内容を示すフローチャートである。
【0061】
取得部30は、第1装置12から対象の状態を示す情報を取得する(ステップS10)。具体的には、取得部30は、一般車両2に搭載された第1装置12から崖の状態を示す情報を取得する。対象の情報を示す情報には、対象の位置情報が含まれ得る。そして、ステップS12に進む。
【0062】
判定部32は、対象は監視対象であるか否かを判定する(ステップS12)。具体的には、判定部32は、情報を取得した崖に崖崩れが発生するリスクが所定以上である場合に、監視対象であると判定する。対象は監視対象であると判定された場合(ステップS12;Yes)、ステップS14に進む。対象は監視対象であると判定されない場合(ステップS12;No)、ステップS18に進む。
【0063】
ステップS12でYesと判定された場合、設定部34は、監視対象の地点を含む経路を設定する(ステップS14)。具体的には、設定部34は、崖崩れの発生するリスクが所定以上の地点を含むように、専用車両3が監視のために巡回する経路を設定する。そして、ステップS16に進む。
【0064】
通信制御部36は、設定部34が設定した経路に関する情報を第2装置14に送信する(ステップS16)。そして、ステップS18に進む。
【0065】
制御部24は、処理を終了するか否かを判定する(ステップS18)。例えば、制御部24は、第1装置12の動作が終了した場合などに、処理を終了すると判定する。処理を終了すると判定された場合(ステップS18;Yes)、
図6の処理を終了する。処理を終了すると判定されない場合(ステップS18;No)、ステップS10に進む。
【0066】
上述の処理は、1箇所、1の対象物に限らない。一般車両2が走行中に対象に接近した場合、第1装置12は取得した情報を経路設定装置10に送信し、経路設定装置10はステップS10、ステップS12を行う。ステップS12の後、都度ステップS14に処理を進め経路を設定してもよく、所定期間ステップS10、S12を繰り返した後、ステップS14に処理を進め、所定期間内に第1装置が取得した情報に基づいて経路を設定してもよい。例えば、ステップS10、S12を繰り返す期間は、所定の時間、一般車両2が所定距離を走行した時間、一般車両2が所定の領域を走行した時間、などで定められる。例えば、ステップS10、S12を繰り返す期間は、専用車両3が直前の巡回終了時刻から次の巡回の開始時刻までの期間としてもよい。また、判定部32において複数のリスクレベルを判定する場合、所定期間内であっても、ステップS12において所定以上のリスクレベルが判定された場合にステップS14に処理を進めるようにしてもよい。上述の処理におけるステップS10は、複数の一般車両2における第1装置12から情報を取得してもよい。
【0067】
上述のとおり、第1実施形態は、一般車両2に搭載された第1装置12によって取得された情報に基づいて、第1装置12よりも多くの情報を取得可能な第2装置14を搭載する専用車両3が対象を監視するために巡回する経路を設定することができる。これにより、第1実施形態は、監視対象を監視するための巡回経路を適切に設定することができる。
【0068】
また、第1実施形態は、高い精度で対象の状態の情報を取得可能な第2のセンサ80は高コストのセンサであり、第2のセンサ80を搭載する第2移動体の台数は制限される。第1のセンサ50は低コストのセンサであってよく、第1のセンサ50を搭載した第1移動体は多数導入が可能、または一般車両を第1移動体とすることが可能である。災害発生のリスクが高い対象を監視対象とし、限られた第2移動体で、監視対象を監視するための巡回経路を、第1移動体が取得した情報に基づいて適切に設定することができる。さらに、一般車両を第1移動体とした場合は車両に設けられたドライブレコーダを第1のセンサ50とすることが可能となり、巡回経路を設定するために新たな装置などを導入する必要はない。これにより、第1実施形態は、経済的コストを削減することができる。また、異なる経路を走行する複数の第1移動体が取得した情報に基づいて第2移動体の経路を設定することによって、より広い範囲において、経路を適切に設定することができる。
【0069】
[第1実施形態の変形例]
(第1変形例)
第1実施形態の第1変形例について説明する。第1実施形態の第1変形例では、ある地点の対象について、前回取得した情報と、今回取得した情報との変化量に基づいて、対象が監視対象であるか否かを判定する。
【0070】
(処理内容)
図7を用いて、第1実施形態の第1変形例に係る経路設定装置の処理内容について説明する。
図7は、第1実施形態の第1変形例に係る経路設定装置の処理内容を示すフローチャートである。
【0071】
ステップS30の処理は、
図6に示すステップS10の処理と同じなので、説明を省略する。
【0072】
判定部32は、取得部30が取得した対象の前回取得した情報と、今回取得した情報とを比較する(ステップS32)。例えば、判定部32は、前回の対象の情報と、今回の対象の情報の変化量を算出する。例えば、対象の状態を示す情報が画像である場合、前回撮影した画像と今回撮影した画像を比較する。また、前回撮影した画像と今回撮影した画像の差分画像を生成することによっても、前回の取得情報と今回の取得情報を比較することができる。ここで前回の対象の情報と今回の対象の情報は、同一の第1移動体によって取得された情報に限らない。同一の対象について、対象の状態を示す情報が、前述の一般車両2-1で取得された後、他の一般車両2-nで取得された場合、一般車両2-1で取得された情報と一般車両2-nで取得された情報を比較してもよい。前回の対象の情報と今回の対象の情報が異なる第1移動体によって取得される場合、各第1移動体に設けられる第1のセンサ50は性能、設置条件等が異なる。例えば、第1のセンサ50がカメラであり、対象の状態を示す情報が画像である場合、解像度、画角等が異なる。解像度の変換、画角の調整等の処理を行った後、変化量の算出、差分画像の生成を行う。そして、ステップS34に進む。
【0073】
判定部32は、対象の前回取得した情報と、今回取得した情報との変化量が所定以上であるか否かを判定する(ステップS34)。例えば、判定部32は、対象の前回取得した情報と、今回取得した情報との差分が所定以上であるか否かを判定する。例えば、判定部32は、前回取得した情報と、今回取得した情報との時間単位当たりの変化量が所定以上であるか判定してもよい。ここで変化量は取得した状況による変化を考慮する。例えば、対象の状態を示す情報が画像である場合、取得した時刻によって周囲の明るさが変化し、画像全体の輝度が変化する。画像の平均輝度等によって輝度変化量を算出し、変化量から差し引く処理を行う。変化量が所定以上であると判定された場合(ステップS34;Yes)、ステップS36に進む。変化量が所定以上であると判定されない場合(ステップS34;No)、ステップS42に進む。
【0074】
判定部32は、変化量が所定以上の対象を監視対象として判定する(ステップS36)。そして、ステップS38に進む。
【0075】
設定部34は、監視対象の地点を含む経路を取得した情報の変化量に応じて設定する(ステップS38)。例えば、設定部34は、前回取得した情報と、今回取得した情報との差分が所定以上であり、かつ差が大きい監視対象を優先的に監視できるように、専用車両3が監視のために巡回する経路を設定する。例えば、設定部34は、前回取得した情報と、今回取得した情報との時間単位当たりの変化量が所定以上であり、かつ変化量が大きい監視対象を優先的に監視できるように、専用車両3が監視のために巡回する経路を設定する。そして、ステップS40に進む。
【0076】
ステップS40およびステップS42の処理は、それぞれ、
図6に示すステップS16およびステップS18の処理と同じなので、説明を省略する。
【0077】
上述のとおり、第1実施形態の第1変形例は、前回取得した情報と、今回取得した情報との差が大きい監視対象を災害発生のリスクが高い監視対象とし、専用車両3が優先的に巡回するような経路を設定することができる。これにより、第1実施形態の第1変形例は、監視対象を監視するための巡回経路を適切に設定することができる。
【0078】
(第2変形例)
第1実施形態の第2変形例について説明する。第1実施形態の第2変形例では、対象のリスクレベルを判定し、対象のリスクレベルに基づいて、専用車両3が巡回する経路を設定する処理を実行する。
【0079】
(処理内容)
図8を用いて、第1実施形態の第2変形例に係る経路設定装置の処理内容について説明する。
図8は、第1実施形態の第2変形例に係る経路設定装置の処理内容を示すフローチャートである。
【0080】
ステップS50およびステップS52の処理は、ぞれぞれ、
図7に示すステップS30およびステップS32の処理と同じなので、説明を省略する。
【0081】
判定部32は、対象の前回取得した情報と、今回取得した情報との変化量が第1所定値以上であるか否かを判定する(ステップS54)。第1所定値は、予め定められていてよい。変化量が第1所定値以上であると判定された場合(ステップS54;Yes)、ステップS56に進む。変化量が第1所定値以上であると判定されない場合(ステップS54;No)、ステップS58に進む。
【0082】
ステップS54でYesと判定された場合、判定部32は、対象に対して第1リスクレベルを設定する(ステップS56)。第1リスクレベルは、例えば、災害が発生するリスクを「高」、「中」、「低」の3段階で分けた場合に、災害が発生するリスクが「高」のレベルである。そして、ステップS68に進む。
【0083】
ステップS54でNoと判定された場合、判定部32は、対象の前回取得した情報と、今回取得した情報との変化量が第2所定値以上第1所定値未満であるか否かを判定する(ステップS58)。第2所定値は、予め定められていてよい。変化量が第2所定値以上第1所定値未満であると判定された場合(ステップS58;Yes)、ステップS60に進む。変化量が第2所定値以上第1所定値未満であると判定されない場合(ステップS58;No)、ステップS62に進む。
【0084】
ステップS58でYesと判定された場合、判定部32は、対象に対して第2リスクレベルを設定する(ステップS60)。第2リスクレベルは、例えば、災害が発生するリスクを「高」、「中」、「低」の3段階で分けた場合に、災害が発生するリスクが「中」のレベルである。そして、ステップS68に進む。
【0085】
ステップS58でNoと判定された場合、判定部32は、対象の前回取得した情報と、今回取得した情報との変化量が第3所定値以上第2所定値未満であるか否かを判定する(ステップS62)。第3所定値は、予め定められていてよい。変化量が第3所定値以上第2所定値未満であると判定された場合(ステップS62;Yes)、ステップS64に進む。変化量が第3所定値以上第2所定値未満であると判定されない場合(ステップS62;No)、ステップS66に進む。
【0086】
ステップS62でYesと判定された場合、判定部32は、対象に対して第3リスクレベルを設定する(ステップS64)。第3リスクレベルは、災害が発生するリスクを「高」、「中」、「低」の3段階で分けた場合に、災害が発生するリスクが「低」のレベルである。そして、ステップS68に進む。
【0087】
ステップS62でNoと判定された場合、判定部32は、対象に対してリスクレベルはなしと判定する(ステップS66)。そして、ステップS68に進む。
【0088】
設定部34は、リスクレベルが高い地点を優先して巡回する経路を設定する(ステップS68)。そして、ステップS70に進む。
【0089】
ステップS70およびステップS72の処理は、それぞれ、
図6に示すステップS16およびステップS18の処理と同じなので、説明を省略する。
【0090】
上述のとおり、第1実施形態の第2変形例は、前回取得した情報と、今回取得した情報との差の大きさに基づいて、災害発生のリスクが高い監視対象を専用車両3が優先的に巡回するような経路を設定することができる。これにより、第1実施形態の第2変形例は、監視対象を監視するための巡回経路をより適切に設定することができる。
【0091】
[第2実施形態]
図9を用いて、第2実施形態に係る経路設定システムの概要について説明する。
図9は、第2実施形態に係る経路設定システムの概要を説明するための図である。
【0092】
図9に示すように、経路設定システム1Aは、一般車両2-1から一般車両2-nと、専用車両3-1と、専用車両3-2とを含む。専用車両3-1と、専用車両3-2とを区別する必要のない場合には、専用車両3と総称する。経路設定システム1Aは、複数の専用車両3を含む点で、
図2に示す経路設定システム1と異なる。
【0093】
専用車両3-1は、第2装置14-1を搭載する。専用車両3-1は、第2経路R-1を巡回する。専用車両3-2は、第2装置14-2を搭載する。専用車両3-2は、第2経路R2-2を巡回する。第2装置14-1と、第2装置14-2とは、
図5に示す第2装置14と同様の構成を有する。ただし、例えば、第2装置14-1は、第2装置14-2よりも対象の状態の情報の検出精度が高い。第2装置14-1における第2センサ80は、第2装置14-2における第2センサ80よりも取得する情報量が多いセンサである。経路設定システム1Aにおいては、第2装置14-1、第2装置14-2、第1装置12の順に検出精度が高い。すなわち、経路設定システム1Aは、検出精度の異なる第2装置14を搭載した専用車両3を複数含む。
図9に示す例では、専用車両3は2台含むのとしているが、本発明はこれに限定されない。
【0094】
第2実施形態では、第2装置14の対象物の検出精度に応じて、設定した経路を送信する第2装置14を選択する処理を実行する。
【0095】
(処理内容)
図10を用いて、第2実施形態に係る経路設定装置の処理内容について説明する。
図10は、第2実施形態に係る経路設定装置の処理内容を示すフローチャートである。
【0096】
ステップS80からステップS90の処理は、それぞれ、
図8に示すステップS50からステップS60の処理と同じなので、説明を省略する。ステップS92の処理は、
図8に示すステップS66の処理と同じなので、説明を省略する。
【0097】
制御部24は、経路設定システム1Aが検出精度の異なる複数種類の第2装置14を含むか否かを判定する(ステップS94)。例えば、経路設定システム1Aに含まれる第2装置14に関する情報は、予め記憶部22に記憶されている。この場合、制御部24は、記憶部22に記憶された第2装置14に関する情報に基づいて、経路設定システム1Aが検出精度の異なる複数種類の第2装置14を含むか否かを判定する。検出精度の異なる複数種類の第2装置14を含むと判定された場合(ステップS94;Yes)、ステップS96に進む。検出精度の異なる複数種類の第2装置14を含むと判定されない場合(ステップS94;No)、ステップS102に進む。
【0098】
ステップS94でYesと判定された場合、設定部34は、第1リスクレベルが設定された地点を巡回する経路を、第2装置14-1を搭載した専用車両3-1が巡回する経路として設定する(ステップS96)。そして、ステップS98に進む。
【0099】
設定部34は、第2リスクレベルが設定された地点を巡回する経路を、第2装置14-2を搭載した専用車両3-2が巡回する経路として設定する(ステップS98)。そして、ステップS100に進む。
【0100】
通信制御部36は、設定部34が設定した第1リスクレベルが設定された地点を巡回する経路および第2リスクレベルが設定された地点を巡回する経路に関する情報を、それぞれ、第2装置14-1および第2装置14-2に送信する(ステップS100)。そして、ステップS106に進む。
【0101】
ステップS94でNoと判定された場合、設定部34は、第1リスクレベルが設定された地点および第2リスクレベルが設定された地点を巡回する経路を、専用車両3が設定する経路として設定する(ステップS102)。そして、ステップS104に進む。
【0102】
ステップS104およびステップS106の処理は、それぞれ、
図6に示すステップS16およびステップS18の処理と同じなので、説明を省略する。
【0103】
上述のとおり、第2実施形態は、検出精度の異なる第2装置14を搭載した専用車両3が複数台存在する場合に、検出精度の高い第2装置14に対して、リスクレベルが高い地点を巡回する経路を送信することができる。これにより、第2実施形態は、より適切に専用車両3が監視対象を含む経路を巡回することができるようになる。
【0104】
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。第3実施形態では、第1装置12による対象の状態を示す情報の取得回数が所定回数未満の対象の情報を第2装置14が取得できるように、専用車両3が巡回する経路を設定する。
【0105】
(処理内容)
図11を用いて、第3実施形態に係る経路設定装置の処理内容について説明する。
図11は、第3実施形態に係る経路設定装置の処理内容を示すフローチャートである。
【0106】
ステップS110の処理は、
図6に示すステップS10の処理と同じなので、説明を省略する。
【0107】
判定部32は、所定期間内の情報の取得回数が所定回数未満の対象があるか否かを判定する(ステップS112)。例えば、所定回数は、任意に設定してよい。所定回数は、絶対的な取得回数であってもよいし、相対的な取得回数、すなわち取得頻度であってもよい。取得回数が所定回数未満の対象があると判定された場合(ステップS112;Yes)、ステップS114に進む。取得回数が所定回数未満の対象があると判定されない場合(ステップS112;No)、ステップS120に進む。
【0108】
ステップS112でYesと判定された場合、判定部32は、取得回数が所定回数未満の対象を監視対象として判定する(ステップS114)。判定部32は、所定期間内に情報が取得されていない対象を監視対象としてもよい。そして、ステップS116に進む。
【0109】
ステップS116からステップS120の処理は、それぞれ、
図6に示すステップS14からステップS18の処理と同じなので、説明を省略する。
【0110】
上述のとおり、第3実施形態は、第1装置12による情報取得回数が所定回数未満の対象を監視対象とし、情報が取得されていない対象を、専用車両3が優先的に巡回するような経路を設定することができる。これにより、第3実施形態は、監視対象を監視するための巡回経路を適切に設定することができる。
【0111】
[第4実施形態]
第4実施形態について説明する。第4実施形態は、専用車両3が巡回する経路を設定した後、設定した経路の外で監視対象あると判定された場合に、専用車両3が巡回する経路を変更する。
【0112】
(処理内容)
図12を用いて、第4実施形態に係る経路設定装置の処理内容について説明する。
図12は、第4実施形態に係る経路設定装置の処理内容を示すフローチャートである。
【0113】
ステップS130からステップS136の処理は、それぞれ、
図6に示すステップS10からステップS16の処理と同じなので、説明を省略する。
【0114】
取得部30は、通信制御部66が第2装置14に経路に関する情報を送信した後、第1装置12から対象の状態を示す情報を取得する(ステップS138)。そして、ステップS140に進む。
【0115】
判定部32は、専用車両3が巡回する経路外で監視対象があるか否かを判定する(ステップS140)。取得部30は、専用車両3が巡回中であっても、第1装置12から対象の状態を示す情報を継続して取得している。専用車両3が巡回中に、巡回する経路外の対象が監視対象と判定される場合がある。専用車両3が巡回する経路外で監視対象があると判定された場合(ステップS140;Yes)、ステップS142に進む。専用車両3が巡回する経路外で監視対象があると判定されない場合(ステップS140;No)、ステップS146に進む。
【0116】
ステップS140でYesと判定された場合、設定部34は、専用車両3が巡回する経路を変更する(ステップS142)。具体的には、設定部34は、専用車両3が巡回する経路外の監視対象の情報を取得できる地点を走行できるように専用車両3が巡回する経路を変更する。そして、ステップS144に進む。
【0117】
通信制御部36は、設定部34が変更した経路に関する情報を第2装置14に送信する(ステップS144)。そして、ステップS146に進む。
【0118】
ステップS146の処理は、
図6に示すステップS18の処理と同じなので、説明を省略する。専用車両3は、巡回中に巡回経路外でより災害発生リスクの高い対象が検出された場合、巡回する経路を変更することが望ましい。判定部はステップS100における経路外で監視対象があるか否かの判定を、ステップS92における経路を設定するための判定よりも、高いリスクレベルで判定してもよい。
【0119】
上述のとおり、第4実施形態は、専用車両3が巡回する経路外で災害発生リスクがより高い監視対象がある場合には、専用車両3が経路外の監視対象の情報をできるように経路を変更する。第4実施形態は、監視対象を監視するための巡回経路を適切に設定することができる。
【0120】
[第5実施形態]
第5実施形態について説明する。第5実施形態に係る経路設定システムは、第1移動体が一般車両2であり、第2移動体が専用車両3に代えて一般車両2とは移動性能が異なる移動体と、を含む。一般車両2とは異なる移動体とは、舗装されていない路面を走行可能な特殊車両およびドローンを含むが、これらに限定されない。すなわち、第5実施形態において、2移動体は、第1移動体よりも移動可能な領域が広い。第5実施形態では、第1移動体では接近が困難な対象を第2移動体に監視させるように経路を設定する。すなわち、第5実施形態では、一般車両では接近が困難な対象を監視対象として判定する。
【0121】
(処理内容)
図13を用いて、第5実施形態に係る経路設定装置の処理内容について説明する。
図13は、第5実施形態に係る経路設定装置の処理内容を示すフローチャートである。
【0122】
ステップS150の処理は、
図6に示すステップS10の処理と同じなので、説明を省略する。
【0123】
判定部32は、第1移動体が対象に接近困難であるか否かを判定する(ステップS152)。接近困難とは、例えば、対象が舗装されていない路面に近接し一般車両では近づけない場所、車両では近づくこともできない場所に位置している場合をいう。第1移動体が対象に接近困難と判定された場合(ステップS152;Yes)、ステップS154に進む。第1移動体が対象に接近困難であると判定されない場合(ステップS152;No)、ステップS160に進む。
【0124】
ステップS152でYesと判定された場合、判定部32は、第1移動体が接近困難な対象を監視対象として判定する(ステップS154)。判定部32は、例えば、第1移動体の接近が困難であり、かつ災害発生リスクが高い対象を監視対象として判定してもよい。そして、ステップS156に進む。
【0125】
ステップS156からステップS160の処理は、それぞれ、
図6に示すステップS14からステップS18の処理と同じなので、説明を省略する。ステップS152において接近困難な状況の種類、舗装されていない路面上の対象なのか、高所の位置する対象なのか、によって第2移動体の種類を設定してもよい。
【0126】
上述のとおり、第5実施形態は、第1移動体では接近困難な監視対象を第2移動体が監視するために巡回する経路を設定することができる。これにより、第5実施形態は、監視対象を監視するための巡回経路を適切に設定することができる。
【0127】
図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。なお、この分散・統合による構成は動的に行われてもよい。
【0128】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0129】
1,1A 経路設定システム
2 一般車両
3 専用車両
10 経路設定装置
12 第1装置
14 第2装置
20,48,78 通信部
22,46,76 記憶部
24,54,84 制御部
30 取得部
32 判定部
34 設定部
36,66,98 通信制御部
40,70 入力部
42,72 表示部
44,74 音声出力部
50 第1センサ
52,82 GNSS受信部
60,90 センサ制御部
62,92 位置情報取得部
64,96 出力制御部
80 第2センサ
94 経路情報取得部