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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055402
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】什器システム、および物品載置什器
(51)【国際特許分類】
   A47B 87/00 20060101AFI20240411BHJP
   A47B 47/02 20060101ALI20240411BHJP
   A47B 96/02 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
A47B87/00
A47B47/02 Z
A47B96/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162314
(22)【出願日】2022-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】矢口 真子
【テーマコード(参考)】
3B054
3B260
【Fターム(参考)】
3B054AA02
3B054CA07
3B260BA01
3B260BB01
3B260BD02
3B260BF02
(57)【要約】
【課題】物品載置什器の棚板に落ち止め部を設けつつ、作業面として使用できる面を好適に広げることができる構造を有する什器システムを提供する。
【解決手段】本発明の什器システムの一つの態様は、床面に設置される第1支持部材および第1支持部材に支持される天板を有する天板付什器と、床面に設置される第2支持部材および第2支持部材に支持される落ち止め付棚板を有し、天板付什器に並べて配置される物品載置什器と、を備え、落ち止め付棚板の外縁の少なくとも一部には、上方に突出する落ち止め部が設けられ、物品載置什器は、落ち止め付棚板の上面に載置される補助天板を有し、補助天板の厚さは、落ち止め部の突出高さ以上であり、補助天板が落ち止め付棚板の上面に載置された状態において、補助天板の上面は、天板の上面と同じ高さに配置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面に設置される第1支持部材および前記第1支持部材に支持される天板を有する天板付什器と、
床面に設置される第2支持部材および前記第2支持部材に支持される落ち止め付棚板を有し、前記天板付什器に並べて配置される物品載置什器と、
を備え、
前記落ち止め付棚板の外縁の少なくとも一部には、上方に突出する落ち止め部が設けられ、
前記物品載置什器は、前記落ち止め付棚板の上面に載置される補助天板を有し、
前記補助天板の厚さは、前記落ち止め部の突出高さ以上であり、
前記補助天板が前記落ち止め付棚板の上面に載置された状態において、前記補助天板の上面は、前記天板の上面と同じ高さに配置される、什器システム。
【請求項2】
前記落ち止め付棚板の外縁は、複数の辺部によって形成され、
前記複数の辺部のそれぞれには、少なくとも一部に、前記落ち止め部が設けられている、請求項1に記載の什器システム。
【請求項3】
前記落ち止め部は、前記落ち止め付棚板の外縁の全周に亘って設けられている、請求項1に記載の什器システム。
【請求項4】
少なくとも一方向において、前記補助天板の幅は、前記落ち止め付棚板の幅よりも小さく、
前記補助天板が前記落ち止め付棚板の上面に載置された状態において、前記落ち止め付棚板の上面のうち前記補助天板が載置された部分以外の部分には、物品が載置される物品載置領域が設けられる、請求項1から3のいずれか一項に記載の什器システム。
【請求項5】
前記補助天板は、
前記落ち止め付棚板の上面に載置される本体部と、
前記本体部の側面に設けられた突出部と、
を有し、
前記補助天板の上面は、前記本体部の上面と前記突出部の上面とによって形成され、
前記補助天板が前記落ち止め付棚板の上面に載置された状態において、前記突出部は、前記落ち止め部よりも上方に位置する、請求項1から3のいずれか一項に記載の什器システム。
【請求項6】
床面に設置される支持部材と、
前記支持部材に支持される落ち止め付棚板と、
前記落ち止め付棚板の上面に載置される補助天板と、
を備え、
前記落ち止め付棚板の外縁は、複数の辺部によって形成され、
前記複数の辺部のそれぞれには、少なくとも一部に、上方に突出する落ち止め部が設けられ、
前記補助天板の厚さは、前記落ち止め部の突出高さ以上である、物品載置什器。
【請求項7】
前記落ち止め部は、前記落ち止め付棚板の外縁の全周に亘って設けられている、請求項6に記載の物品載置什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、什器システム、および物品載置什器に関する。
【背景技術】
【0002】
棚板上に載置された物品が落下することを抑制する目的で、棚板の縁部に上方に突出する落ち止め部が設けられた物品載置什器が知られている。例えば、特許文献1には、支柱が棚板よりも上方に突出した構造を有する整理棚が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭56-27793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような物品載置什器と天板付什器とが並べて配置される什器システムにおいては、物品載置什器における棚板の上面を天板付什器における天板の上面と繋げて、作業面として使える面を広げたいという要望がある。しかしながら、物品載置什器の棚板の縁部に落ち止め部が設けられていると、落ち止め部が邪魔で天板付什器における上面を物品載置什器における棚板の上面と繋げにくく、作業面として使用できる面を広げにくい問題があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて、物品載置什器の棚板に落ち止め部を設けつつ、作業面として使用できる面を好適に広げることができる構造を有する什器システム、およびそのような什器システムに備えられた物品載置什器を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の態様を採用した。
(1) 本発明の什器システムの一つの態様は、床面に設置される第1支持部材および前記第1支持部材に支持される天板を有する天板付什器と、床面に設置される第2支持部材および前記第2支持部材に支持される落ち止め付棚板を有し、前記天板付什器に並べて配置される物品載置什器と、を備え、前記落ち止め付棚板の外縁の少なくとも一部には、上方に突出する落ち止め部が設けられ、前記物品載置什器は、前記落ち止め付棚板の上面に載置される補助天板を有し、前記補助天板の厚さは、前記落ち止め部の突出高さ以上であり、前記補助天板が前記落ち止め付棚板の上面に載置された状態において、前記補助天板の上面は、前記天板の上面と同じ高さに配置される。
【0007】
本発明の什器システムの一つの態様によれば、物品載置什器を天板付什器に対して並べて配置し、補助天板を天板に並べて配置することで、天板の上面と補助天板の上面とによって、天板の上面よりも広い作業面を形成することができる。これにより、物品載置什器の棚板に落ち止め部を設けつつ、什器システムにおいて、作業面として使用できる面を好適に広げることができる。
【0008】
(2) 上記(1)の態様に係る什器システムにおいて、前記落ち止め付棚板の外縁は、複数の辺部によって形成され、前記複数の辺部のそれぞれには、少なくとも一部に、前記落ち止め部が設けられている構成としてもよい。
この態様によれば、落ち止め部によって、落ち止め付棚板の上面に載置された物品が落下することをより抑制できる。また、落ち止め部によって、落ち止め付棚板の上面に載置された補助天板が当該上面から落下することをより抑制できる。
【0009】
(3) 上記(1)または(2)の態様に係る什器システムにおいて、前記落ち止め部は、前記落ち止め付棚板の外縁の全周に亘って設けられている構成としてもよい。
この態様によれば、落ち止め付棚板の外縁のいずれの箇所においても、落ち止め部によって、落ち止め付棚板の上面に載置された物品が落下することを好適に抑制できる。また、落ち止め部によって、落ち止め付棚板の上面に載置された補助天板が当該上面から落下することを好適に抑制できる。
【0010】
(4) 上記(1)から(3)のいずれか一つの態様に係る什器システムにおいて、少なくとも一方向において、前記補助天板の幅は、前記落ち止め付棚板の幅よりも小さく、前記補助天板が前記落ち止め付棚板の上面に載置された状態において、前記落ち止め付棚板の上面のうち前記補助天板が載置された部分以外の部分には、物品が載置される物品載置領域が設けられる構成としてもよい。
この態様によれば、補助天板の上面によって作業面を広げつつ、外縁に落ち止め部が設けられた落ち止め付棚板の上面に物品を載置することができる。これにより、広げられた作業面で作業を行いつつ、作業に用いる道具などを物品載置領域に載置することができる。これにより、作業面において行う作業を効率的に行うことができる。
【0011】
(5) 上記(1)から(3)のいずれか一つの態様に係る什器システムにおいて、前記補助天板は、前記落ち止め付棚板の上面に載置される本体部と、前記本体部の側面に設けられた突出部と、を有し、前記補助天板の上面は、前記本体部の上面と前記突出部の上面とによって形成され、前記補助天板が前記落ち止め付棚板の上面に載置された状態において、前記突出部は、前記落ち止め部よりも上方に位置する構成としてもよい。
この態様によれば、補助天板を落ち止め付棚板の上面に載置した際に、突出部を落ち止め部の上方を介して落ち止め付棚板よりも外側に突出させることができる。そのため、天板と本体部との間に落ち止め部が設けられていても、突出部を天板に好適に近づけることができる。これにより、補助天板の上面の一部を構成する突出部の上面を天板の上面に好適に近づけることができる。したがって、天板の上面と補助天板の上面との間に隙間が生じにくくでき、天板の上面と補助天板の上面とによって好適に作業面を形成できる。
【0012】
(6) 本発明の物品載置什器の一つの態様は、床面に設置される支持部材と、前記支持部材に支持される落ち止め付棚板と、前記落ち止め付棚板の上面に載置される補助天板と、を備え、前記落ち止め付棚板の外縁は、複数の辺部によって形成され、前記複数の辺部のそれぞれには、少なくとも一部に、上方に突出する落ち止め部が設けられ、前記補助天板の厚さは、前記落ち止め部の突出高さ以上である。
本発明の物品載置什器の一つの態様によれば、上述したように、物品載置什器を天板付什器と並べて配置した際に、補助天板の上面の高さを天板の上面の高さに合わせて好適に作業面を広げやすくできる。
【0013】
(7) 上記(6)の態様に係る物品載置什器において、前記落ち止め部は、前記落ち止め付棚板の外縁の全周に亘って設けられている構成としてもよい。
この態様によれば、上述したように、落ち止め付棚板の外縁のいずれの箇所においても、落ち止め部によって、落ち止め付棚板の上面に載置された物品が落下することを好適に抑制できる。また、落ち止め部によって、落ち止め付棚板の上面に載置された補助天板が当該上面から落下することを好適に抑制できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一つの態様によれば、物品載置什器を備える什器システムにおいて、物品載置什器の棚板に落ち止め部を設けつつ、作業面として使用できる面を好適に広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態における什器システムを示す斜視図である。
図2】第1実施形態における物品載置什器の一部を示す斜視図であって、補助天板が載置されていない状態を示す図である。
図3】第1実施形態における什器システムの一部を示す断面図である。
図4】第1実施形態における什器システムを示す斜視図であって、天板付什器に対する物品載置什器の配置が図1とは異なる図である。
図5】第2実施形態における物品載置什器の一部を示す斜視図であって、補助天板が載置されていない状態を示す図である。
図6】第3実施形態における什器システムの一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、図面においては、各構成をわかりやすくするために、各構造における縮尺および数などを、実際の構造における縮尺および数などと異ならせる場合がある。
【0017】
また、図面には、鉛直方向を示すZ軸を示している。Z軸の矢印が向く側(+Z側)は鉛直方向の上側であり、Z軸の矢印が向く側と逆側(-Z側)は鉛直方向の下側である。また、図面には、以下の実施形態における天板付什器の前後方向を示すX軸を示している。以下の説明においては、X軸の矢印が向く側(+X側)を前側とし、X軸の矢印が向く側と逆側(-X側)を後側とする。また、図面には、以下の実施形態における天板付什器の左右方向を示すY軸を示している。以下の説明においては、Y軸の矢印が向く側(+Y側)を左側とし、Y軸の矢印が向く側と逆側(-Y側)を右側とする。以下の説明においては、X軸に沿った前後方向を“前後方向X”と呼び、Y軸に沿った左右方向を“左右方向Y”と呼び、Z軸に沿った鉛直方向を“鉛直方向Z”と呼ぶ。
【0018】
<第1実施形態>
図1に示すように、本実施形態の什器システム100は、物品載置什器10と、天板付什器20と、を備える。本実施形態において物品載置什器10は、複数の棚板32を有する多段の棚である。本実施形態において天板付什器20は、イスCに座った使用者が作業を行う机である。物品載置什器10と天板付什器20とは、互いに並べられて使用される。
【0019】
天板付什器20の前方(+X方)には、イスCが配置される。天板付什器20は、床面Fに設置される第1支持部材21と、第1支持部材21に支持される天板22と、を有する。本実施形態において天板22は、左右方向Yに長い角丸の長方形板状である。天板22の板面は、鉛直方向Zを向いている。天板22の上面22aは、作業面である。天板22の上面22aは、上側を向き、鉛直方向Zと直交する平坦面である。
【0020】
本実施形態において第1支持部材21は、鉛直方向Zに延びる柱状の脚部である。第1支持部材21は、4つ設けられている。4つの第1支持部材21の上端部は、天板22の四隅における下面にそれぞれ固定されている。4つの第1支持部材21によって、天板22は、床面Fから上方に離れた位置に支持されている。
【0021】
物品載置什器10は、天板付什器20に並べて配置される。図1の例では、物品載置什器10は、天板付什器20の右側(-Y側)に並べて配置されている。本実施形態において物品載置什器10は、上方から見て、一方向に長い形状である。以下の説明においては、上方から見たときの物品載置什器10の長手方向を“長手方向D2”と呼び、上方から見たときの物品載置什器10の短手方向を“短手方向D1”と呼ぶ。短手方向D1と長手方向D2とは、鉛直方向Zと直交する方向であり、かつ、互いに直交する方向である。図1から図3の配置の例では、短手方向D1は前後方向Xであり、長手方向D2は左右方向Yである。
【0022】
物品載置什器10は、物品載置什器本体30と、補助天板40と、を有する。物品載置什器本体30は、床面Fに設置される第2支持部材31と、第2支持部材31に支持される棚板32と、を有する。第2支持部材31は、床面Fに設置される。第2支持部材31は、鉛直方向Zに延びる複数の支持柱部31aと、複数の支持柱部31aの上端部に繋がる枠部31bと、を有する。支持柱部31aの下端部は、床面Fに設置される。支持柱部31aは、4つ設けられている。
【0023】
枠部31bは、短手方向D1に延びる一対の辺と長手方向D2に延びる一対の辺とを有し長手方向D2に長い角丸の長方形枠状である。枠部31bは、棚板32のうち後述する第1棚板32aを囲んでいる。枠部31bの四隅のそれぞれには、4つの支持柱部31aの上端部のそれぞれが繋がっている。
【0024】
本実施形態において棚板32は、長手方向D2に長い角丸の長方形板状である。棚板32の板面は、鉛直方向Zを向いている。棚板32の上面は、上側を向き、鉛直方向Zと直交する平坦面である。棚板32は、四隅のそれぞれが4つの支持柱部31aにそれぞれ支持されて、第2支持部材31に固定されている。本実施形態において棚板32は、鉛直方向Zに間隔を空けて複数設けられている。棚板32は、第1棚板(落ち止め付棚板)32aと第2棚板32bと第3棚板32cとの3つ設けられている。第1棚板32aと第2棚板32bと第3棚板32cとは、上方から下方に向かってこの順に並んで配置されている。
【0025】
第1棚板32aは、最も上方に位置する棚板32である。本実施形態において第1棚板32aの上面32dは、物品載置什器本体30の天面を形成している。上面32dは、鉛直方向Zと直交する平坦面である。本実施形態において第1棚板32aは、外縁の少なくとも一部に後述する落ち止め部34が設けられた落ち止め付棚板である。
【0026】
図2に示すように、第1棚板32aの外縁は、複数の辺部33によって形成されている。本実施形態において第1棚板32aの外縁は、短手方向D1に延びる2つの辺部33a,33bと、長手方向D2に延びる2つの辺部33c,33dと、によって形成された角丸の長方形状である。2つの辺部33c,33dの長さは、2つの辺部33a,33bの長さよりも大きい。
【0027】
図1から図3の配置の例では、辺部33aは第1棚板32aの外縁のうち左側(+Y側)に位置する辺部33であり、辺部33bは第1棚板32aの外縁のうち右側(-Y側)に位置する辺部33であり、辺部33cは第1棚板32aの外縁のうち前側(+X側)に位置する辺部33であり、辺部33dは第1棚板32aの外縁のうち後側(-X側)に位置する辺部33である。
【0028】
第1棚板32aは、第2支持部材31の枠部31bによって囲まれている。図2および図3に示すように、枠部31bは、第1棚板32aよりも鉛直方向Zの両側に突出している。枠部31bのうち第1棚板32aよりも上方に突出する部分は、落ち止め部34である。本実施形態において落ち止め部34の上端部は、天板22の上面22aよりも下方に位置する。
【0029】
図2に示すように、本実施形態において落ち止め部34は、短手方向D1に延びる辺と長手方向D2に延びる辺とを有し、長手方向D2に長い角丸の長方形枠状である。落ち止め部34は、第1棚板32aの外縁を囲んでおり、第1棚板32aの外縁から上方に突出している。つまり、本実施形態において落ち止め部34は、落ち止め付棚板である第1棚板32aの外縁の全周に亘って設けられている。これにより、第1棚板32aの外縁を形成する複数の辺部33のそれぞれには、少なくとも一部に、落ち止め部34が設けられた状態となっている。
【0030】
落ち止め部34は、4つの落ち止め片部34a,34b,34c,34dを有する。落ち止め片部34aおよび落ち止め片部34bは、短手方向D1に延び、板面が長手方向D2を向く長方形板状である。落ち止め片部34a,34bは、第1棚板32aの外縁のうち短手方向D1に延びる2つの辺部33a,33bにそれぞれ設けられている。図1から図3の配置の例では、落ち止め片部34aは落ち止め部34のうち左側(+Y側)に位置する部分であり、落ち止め片部34bは落ち止め部34のうち右側(-Y側)に位置する部分である。図1から図3の配置の例では、落ち止め片部34aは、左右方向Yにおいて天板付什器20が位置する側(+Y側)に配置された部分である。図3に示すように、落ち止め片部34aは、例えば、天板22の右側(-Y側)の面に接触している。
【0031】
図2に示すように、落ち止め片部34cおよび落ち止め片部34dは、長手方向D2に延び、板面が短手方向D1を向く長方形板状である。落ち止め片部34c,34dは、第1棚板32aの外縁のうち長手方向D2に延びる2つの辺部33c,33dにそれぞれ設けられている。図1から図3の配置の例では、落ち止め片部34cは落ち止め部34のうち前側(+X側)に位置する部分であり、落ち止め片部34dは落ち止め部34のうち後側(-X側)に位置する部分である。落ち止め片部34c,34dの長さは、落ち止め片部34a,34bの長さよりも大きい。
【0032】
図1に示すように、補助天板40は、落ち止め付棚板である第1棚板32aの上面32dに載置される部材である。本実施形態において補助天板40は、長手方向D2に長い角丸の長方形板状である。短手方向D1において、補助天板40の幅は、第1棚板32aの幅とほぼ同じである。長手方向D2において、補助天板40の幅は、第1棚板32aの幅よりも小さい。補助天板40の長手方向D2の幅は、例えば、第1棚板32aの長手方向D2の幅の半分よりも大きく、第1棚板32aの長手方向D2の幅の4分の3よりも小さい。本実施形態において補助天板40の長手方向D2の寸法は、天板22の前後方向Xの寸法と同じである。
【0033】
本実施形態において補助天板40は、第1棚板32aの上面32dに載置された状態において、枠状の落ち止め部34の内側に配置される。本実施形態において補助天板40は、第1棚板32aの上面32dに載置された状態において、短手方向D1に位置する一対の落ち止め片部34c,34d同士の間に嵌め合わされている。図1および図3の配置の例では、補助天板40は、長手方向D2において天板付什器20が配置されている側(+D2側,+Y側)に寄せられて、第1棚板32aの上面32dに載置されている。このように載置された状態において、補助天板40は、天板22の右側(-Y側)に隣り合って配置されている。また、図3に示すように、補助天板40は、長手方向D2の一方側(+Y側)の縁部が落ち止め部34の落ち止め片部34aに接触した状態で、上面32dに載置されている。
【0034】
なお、第1棚板32aの上面32dにおいて補助天板40が載置される位置は、図1および図3に示される位置に限られない。補助天板40は、枠状の落ち止め部34の内側において配置可能な範囲内で、任意の位置に配置され得る。本実施形態において使用者は、第1棚板32aの上面32dにおいて、補助天板40の長手方向D2の位置を任意に決めることができる。例えば、使用者は、図1に示す位置よりも長手方向D2の他方側(-Y側)、すなわち右側となる位置に補助天板40を載置することもできる。
【0035】
図3に示すように、補助天板40の厚さは、落ち止め部34の突出高さ以上である。本実施形態において補助天板40の厚さは、落ち止め部34の突出高さよりも大きい。補助天板40の厚さは、補助天板40の鉛直方向Zの寸法である。落ち止め部34の突出高さは、落ち止め部34の鉛直方向Zの寸法であり、第1棚板32aの上面32dから落ち止め部34の上端部までの間の鉛直方向Zの距離に等しい。
【0036】
補助天板40が第1棚板32aの上面32dに載置された状態において、補助天板40の上面40aは、落ち止め部34よりも上方に配置される。補助天板40が第1棚板32aの上面32dに載置された状態において、補助天板40の上面40aは、天板22の上面22aと同じ高さに配置される。これにより、天板22の上面22aと補助天板40の上面40aとが鉛直方向Zにおいて面一に配置される。
【0037】
図3の例では、天板22と補助天板40との間に落ち止め部34の一部、すなわち落ち止め片部34aが設けられているため、天板22の上面22aと補助天板40の上面40aとの間には、落ち止め片部34aの厚さの分だけ隙間が設けられている。図1に示すように、補助天板40が天板22に対して並べて配置されることで、天板22の上面22aと補助天板40の上面40aとによって作業面10aが形成される。
【0038】
なお、本明細書において「補助天板40の上面40aが天板22の上面22aと同じ高さに配置される」とは、補助天板40の上面40aにおける鉛直方向Zの位置が天板22の上面22aにおける鉛直方向Zの位置と厳密に同じである場合と、補助天板40の上面40aにおける鉛直方向Zの位置が天板22の上面22aにおける鉛直方向Zの位置と略同じである場合と、を含む。補助天板40の上面40aにおける鉛直方向Zの位置が天板22の上面22aにおける鉛直方向Zの位置と略同じである場合とは、補助天板40の上面40aにおける鉛直方向Zの位置が、寸法公差および組立公差などの範囲内で天板22の上面22aにおける鉛直方向Zの位置に対してずれることを含む。また、補助天板40が第1棚板32aの上面32dに載置された状態において補助天板40の上面40aと天板22の上面22aとが同じ高さに配置される状態は、物品載置什器10と天板付什器20とが同じ高さの床面Fに設置された状態において満たされればよい。
【0039】
図1に示すように、本実施形態では、補助天板40が第1棚板32aの上面32dに載置された状態において、第1棚板32aの上面32dのうち補助天板40が載置された部分以外の部分に、物品が載置される物品載置領域35が設けられる。図1の例において、物品載置領域35は、補助天板40の右側(-Y側)に設けられている。物品載置領域35は、第1棚板32aの上面32dのうち、補助天板40が上面32dに載置された状態において、上方に露出する部分である。本実施形態において物品載置領域35の長手方向D2の寸法は、補助天板40の長手方向D2の寸法よりも小さい。物品載置領域35の外縁は、落ち止め部34の一部と補助天板40の縁部とによって囲まれている。
【0040】
本実施形態によれば、物品載置什器10は、床面Fに設置される第2支持部材31と、第2支持部材31に支持される落ち止め付棚板としての第1棚板32aと、第1棚板32aの上面32dに載置される補助天板40と、を有する。第1棚板32aの外縁の少なくとも一部には、上方に突出する落ち止め部34が設けられている。補助天板40の厚さは、落ち止め部34の突出高さ以上である。補助天板40が第1棚板32aの上面32dに載置された状態において、補助天板40の上面40aは、天板22の上面22aと同じ高さに配置される。そのため、物品載置什器10を天板付什器20に対して並べて配置し、補助天板40を天板22に並べて配置することで、天板22の上面22aと補助天板40の上面40aとによって、天板22の上面22aよりも広い作業面10aを形成することができる。これにより、物品載置什器10の第1棚板32aに落ち止め部34を設けつつ、什器システム100において、作業面10aとして使用できる面を好適に広げることができる。
【0041】
また、本実施形態によれば、第1棚板32aの外縁は、複数の辺部33によって形成されている。複数の辺部33のそれぞれには、少なくとも一部に、落ち止め部34が設けられている。そのため、落ち止め部34によって、第1棚板32aの上面32dに載置された物品が落下することをより抑制できる。また、落ち止め部34によって、第1棚板32aの上面32dに載置された補助天板40が上面32dから落下することをより抑制できる。
【0042】
また、本実施形態によれば、落ち止め部34は、第1棚板32aの外縁の全周に亘って設けられている。そのため、第1棚板32aの外縁のいずれの箇所においても、落ち止め部34によって、第1棚板32aの上面32dに載置された物品が落下することを好適に抑制できる。また、落ち止め部34によって、第1棚板32aの上面32dに載置された補助天板40が上面32dから落下することを好適に抑制できる。
【0043】
また、本実施形態によれば、少なくとも一方向(長手方向D2)において、補助天板40の幅は、第1棚板32aの幅よりも小さい。補助天板40が第1棚板32aの上面32dに載置された状態において、第1棚板32aの上面32dのうち補助天板40が載置された部分以外の部分には、物品が載置される物品載置領域35が設けられる。そのため、補助天板40の上面40aによって作業面10aを広げつつ、外縁に落ち止め部34が設けられた第1棚板32aの上面32dに物品を載置することができる。これにより、広げられた作業面10aで作業を行いつつ、作業に用いる道具などを物品載置領域35に載置することができる。これにより、作業面10aにおいて行う作業を効率的に行うことができる。本実施形態では、物品載置領域35の外縁は、落ち止め部34の一部と補助天板40の縁部とによって囲まれている。これにより、物品載置領域35に載置された物品が、物品載置領域35から落下することを好適に抑制できる。
【0044】
なお、本実施形態において、天板付什器20に対する物品載置什器10の配置は、特に限定されず、図1および図3に示す配置以外の配置であってもよい。図4に示すように、例えば、物品載置什器10の長手方向D2を前後方向Xに合わせて、物品載置什器10と天板付什器20とを上方から見てL字状に沿って配置してもよい。図4の例では、物品載置什器10の短手方向D1は、左右方向Yである。
【0045】
ここで、上述したように、本実施形態では、補助天板40の長手方向D2の寸法が天板22の前後方向Xの寸法と同じである。そのため、図4のように補助天板40の長手方向D2を前後方向Xに合わせ、かつ、前後方向Xの位置を揃えて補助天板40を天板22の右側(-Y側)に配置すると、天板22の上面22aと補助天板40の上面40aとによって左右方向Yに長い略長方形状の作業面10bが形成される。
【0046】
<第2実施形態>
本実施形態は、第1実施形態に対して、落ち止め部234の構成が異なる。なお、以下の説明において、上述した実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付すなどにより、説明を省略する場合がある。
【0047】
図5に示すように、本実施形態の物品載置什器210において、落ち止め部234は、第1棚板32aの外縁に沿って互いに間隔を空けて配置される複数の落ち止め片部234aを有する。落ち止め片部234aは、第1棚板32aの外縁を構成する各辺部33a,33b,33c,33dにそれぞれ少なくとも1つずつ設けられている。
【0048】
複数の落ち止め片部234aは、第1棚板32aの外縁のうちの四隅にそれぞれ設けられた落ち止め片部234bを含む。落ち止め片部234bは、第1棚板32aの長辺と短辺とに跨って設けられており、上方から見て、略L字状である。複数の落ち止め片部234aのうち落ち止め片部234bを除く落ち止め片部234aは、設けられた各辺部33に沿って延びる長方形板状である。このように、複数の落ち止め片部234aが第1棚板32aを囲むように配置されていることで、複数の落ち止め片部234aによって、第1棚板32aの上面32dに載置された物品が落下することを好適に抑制できる。
【0049】
第1棚板32aの外縁に沿う方向において隣り合う落ち止め片部234a同士の間隔は、補助天板40の短手方向D1の幅よりも小さい。そのため、複数の落ち止め片部234aによって、第1棚板32aの上面32dに載置された補助天板40が落下することを好適に抑制できる。物品載置什器210のその他の構成は、第1実施形態における物品載置什器10のその他の構成と同様である。
【0050】
<第3実施形態>
本実施形態は、第1実施形態に対して、補助天板340の構成が異なる。なお、以下の説明において、上述した実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付すなどにより、説明を省略する場合がある。また、本実施形態における以下の説明において、天板付什器20に対する物品載置什器310の配置は、図1から図3に示す物品載置什器10の配置と同様である。
【0051】
図6に示すように、本実施形態の什器システム300における物品載置什器310において補助天板340は、第1棚板32aの上面32dに載置される本体部341と、本体部341の側面に設けられた突出部342と、を有する。本体部341の構成は、第1実施形態の補助天板40の構成と同様である。突出部342は、本体部341の側面のうち上側部分に設けられている。図6では、本体部341の側面のうち長手方向D2の一方側(+D2側,+Y側)の側面に突出部342が設けられた状態を示している。図示は省略するが、突出部342は、例えば、本体部341の側面の一周に亘って設けられた長方形枠状である。
【0052】
突出部342の上面は、本体部341の上面と同じ高さに配置され、本体部341の上面と滑らかに繋がっている。本実施形態において補助天板340の上面340aは、本体部341の上面と突出部342の上面とによって形成されている。本体部341の側面からの突出部342の突出高さは、落ち止め部34の厚さ以上である。本実施形態において本体部341の側面からの突出部342の突出高さは、落ち止め部34の厚さと同じである。図6において、本体部341の側面からの突出部342の突出高さとは、突出部342の長手方向D2の寸法に等しい。図6において、落ち止め部34の厚さとは、落ち止め片部34aの長手方向D2の寸法に等しい。
【0053】
補助天板340が第1棚板32aの上面32dに載置された状態において、突出部342は、落ち止め部34よりも上方に位置する。図6では、突出部342の長手方向D2の一方側(+D2側)、すなわち左側(+Y側)の面が天板22の側面に接触している。これにより、天板22の上面22aと補助天板340の上面340aとによって、面一に連続した作業面310aが形成される。本実施形態の物品載置什器310のその他の構成は、第1実施形態における物品載置什器10のその他の構成と同様である。本実施形態の什器システム300のその他の構成は、第1実施形態における什器システム100のその他の構成と同様である。
【0054】
本実施形態によれば、補助天板340は、落ち止め付棚板としての第1棚板32aの上面32dに載置される本体部341と、本体部341の側面に設けられた突出部342と、を有する。補助天板340の上面340aは、本体部341の上面と突出部342の上面とによって形成されている。補助天板340が第1棚板32aの上面32dに載置された状態において、突出部342は、落ち止め部34よりも上方に位置する。そのため、補助天板340を第1棚板32aの上面32dに載置した際に、突出部342を落ち止め部34の上方を介して第1棚板32aよりも外側に突出させることができる。そのため、天板22と本体部341との間に落ち止め部34が設けられていても、突出部342を天板22に好適に近づけることができる。これにより、補助天板340の上面340aの一部を構成する突出部342の上面を天板22の上面22aに好適に近づけることができる。したがって、天板22の上面22aと補助天板340の上面340aとの間に隙間が生じにくくでき、天板22の上面22aと補助天板340の上面340aとによって好適に作業面310aを形成できる。
【0055】
また、本実施形態によれば、本体部341の側面からの突出部342の突出高さは、落ち止め部34の厚さ以上である。そのため、補助天板340が第1棚板32aの上面32dに載置された場合に、突出部342の突出方向において、突出部342の先端を落ち止め部34の外側面と同じ位置、または、落ち止め部34よりも外側に配置することができる。これにより、突出部342を天板22の側面に接触させることができる。これにより、天板22の上面22aと補助天板340の上面340aとを隙間なく繋げることができ、天板22の上面22aと補助天板340の上面340aとによって面一で連続した作業面310aを好適に形成することができる。
【0056】
以上に本発明における実施形態について説明したが、本発明は上述した各実施形態の構成のみに限定されず、以下の構成および方法を採用することもできる。
【0057】
上述した実施形態においては、最も上方に配置された第1棚板32aが落ち止め付棚板である場合について説明したが、これに限られない。物品載置什器が複数の棚板を有する場合、複数の棚板のうちのいずれの棚板が落ち止め付棚板であってもよい。また、2つ以上の棚板が落ち止め付棚板であってもよいし、複数の棚板のすべてが落ち止め付棚板であってもよい。落ち止め付棚板の形状は、特に限定されず、四角形以外の多角形状であってもよいし、円形状であってもよいし、楕円形状であってもよいし、半円形状であってもよい。落ち止め付棚板の外縁を構成する辺部は、直線状に延びる辺部に限られず、曲線状に延びる辺部であってもよい。落ち止め部は、落ち止め付棚板の外縁の少なくとも一部に設けられていれば、どのように設けられていてもよい。落ち止め付棚板の外縁を構成する複数の辺部のうち一部の辺部に、落ち止め部が設けられなくてもよい。落ち止め部の形状は、特に限定されない。
【0058】
補助天板の厚さは、落ち止め部の突出高さ以上であればよく、落ち止め部の突出高さと同じであってもよい。補助天板の形状は、特に限定されない。補助天板は、2つ以上設けられてもよい。この場合、2つ以上の補助天板は、互いに厚さが異なる補助天板を含んでもよい。また、この場合、2つ以上の補助天板は、互いに上面の粗さが異なる補助天板を含んでもよい。補助天板は、載置される落ち止め付棚板と同じ大きさおよび同じ形状を有してもよい。つまり、補助天板が落ち止め付棚板の上面に載置された際に、補助天板が落ち止め付棚板の上面の全体を覆ってもよい。
【0059】
天板付什器は、天板を有する什器であればどのような什器であってもよく、棚板として天板を有する棚であってもよい。物品載置什器は、物品を載置できる什器であればどのような什器であってもよく、机であってもよいし、テーブルであってもよい。天板付什器の第1支持部材の下端部および物品載置什器の第2支持部材の下端部には、車輪(キャスター)が取り付けられていてもよい。天板付什器の第1支持部材は、天板を支持できるならばどのような構成であってもよい。物品載置什器の第2支持部材は、落ち止め付棚板を支持できるならば、どのような構成であってもよい。天板付什器と物品載置什器との相対配置は、特に限定されず、天板付什器と物品載置什器とは使用者によって任意に配置される。
【0060】
以上、本明細書において説明した構成および方法は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0061】
10,210,310…物品載置什器、20…天板付什器、21…第1支持部材、22…天板、31…第2支持部材、32a…第1棚板(落ち止め付棚板)、33,33a,33b,33c,33d…辺部、34,234…落ち止め部、35…物品載置領域、40,340…補助天板、100,300…什器システム、341…本体部、342…突出部、F…床面
図1
図2
図3
図4
図5
図6