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特開2024-55405行動通知装置、行動通知システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055405
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】行動通知装置、行動通知システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240411BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162319
(22)【出願日】2022-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】303046244
【氏名又は名称】旭化成ホームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100189337
【弁理士】
【氏名又は名称】宮本 龍
(72)【発明者】
【氏名】下川 美代子
(72)【発明者】
【氏名】高橋 浩介
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】利用者の不在時の飼育動物の行動監視の利便性を向上する。
【解決手段】行動通知装置は、建物内の動物の行動を示す行動情報を取得する行動情報取得部と、前記建物の居住者が前記建物内に不在であるか否かを判定する不在判定部と、取得された前記行動情報が示す特徴量を抽出する特徴量抽出部と、抽出された特徴量が所定の判定基準を満たすか否かを判定する特徴量判定部と、前記判定基準を満たすと判定された場合に、前記不在判定部の判定結果に基づいて、前記居住者が利用する端末装置に通知する通知部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内の動物の行動を示す行動情報を取得する行動情報取得部と、
前記建物の居住者が前記建物内に不在であるか否かを判定する不在判定部と、
取得された前記行動情報が示す特徴量を抽出する特徴量抽出部と、
抽出された特徴量が所定の判定基準を満たすか否かを判定する特徴量判定部と、
前記判定基準を満たすと判定された場合に、前記不在判定部の判定結果に基づいて、前記居住者が利用する端末装置に通知する通知部と、
を備える行動通知装置。
【請求項2】
前記行動情報に前記建物で飼育されている飼育動物の行動を示す情報が含まれているか否かを判定する行動情報判定部
をさらに備え、
前記特徴量抽出部は、前記飼育動物の行動であると判定された前記行動情報に基づいて、特徴量を抽出する
請求項1に記載の行動通知装置。
【請求項3】
前記建物内の様子を示す情報を端末装置に表示させる表示制御部
をさらに備える請求項1に記載の行動通知装置。
【請求項4】
前記通知部は、
前記居住者のうち、前記不在判定部が不在であると判定した居住者が利用する端末装置に対する第1通知の情報量を、前記不在判定部が不在でないと判定した居住者が利用する端末装置に対する第2通知の情報量よりも多くして、通知する
請求項1に記載の行動通知装置。
【請求項5】
前記行動情報は、前記動物の動作を取得する手段が取得した情報に基づいて生成される
請求項1に記載の行動通知装置。
【請求項6】
前記行動情報は、前記動物が発する音を収音する手段が取得した情報に基づいて生成される
請求項1に記載の行動通知装置。
【請求項7】
前記行動情報は、建物内の動物の行動を取得する装置が撮像部を備える場合に、前記撮像部が撮像した画像を処理して得られる非画像情報である
請求項1に記載の行動通知装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の行動通知装置と、
建物内の動物の行動を取得することにより前記行動情報を生成して、生成した前記行動情報を前記行動通知装置に出力する行動取得装置と、
前記建物の居住者が前記建物内に不在であるか否かを示す居住者情報を生成して、生成した前記居住者情報を前記行動通知装置に出力する居住者検出装置と、
を備える行動通知システム。
【請求項9】
行動通知装置が備えるコンピュータに、
建物内の動物の行動を示す行動情報を取得させることと、
前記建物の居住者が前記建物内に不在であるか否かを判定させることと、
取得された前記行動情報が示す特徴量を抽出させることと、
抽出された特徴量が所定の判定基準を満たすか否かを判定させることと、
前記判定基準を満たすと判定された場合に、不在であるか否かの判定結果に基づいて、前記居住者が利用する端末装置に通知させること、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、行動通知装置、行動通知システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動物の鳴き声等を分析する技術が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-143832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような従来技術においては、建物において飼育されている動物が、飼育者(例えば、建物の居住者)の不在時間の間にどのような活動をしているかを計測したり通知したりすることまではできないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、利用者の不在時の飼育動物の行動監視の利便性を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態は、建物内の動物の行動を示す行動情報を取得する行動情報取得部と、前記建物の居住者が前記建物内に不在であるか否かを判定する不在判定部と、取得された前記行動情報が示す特徴量を抽出する特徴量抽出部と、抽出された特徴量が所定の判定基準を満たすか否かを判定する特徴量判定部と、前記判定基準を満たすと判定された場合に、前記不在判定部の判定結果に基づいて、前記居住者が利用する端末装置に通知する通知部と、を備える行動通知装置である。
【0007】
また、本発明の一実施形態は、上述の行動通知装置において、前記行動情報に前記建物で飼育されている飼育動物の行動を示す情報が含まれているか否かを判定する行動情報判定部をさらに備え、前記特徴量抽出部は、前記飼育動物の行動であると判定された前記行動情報に基づいて、特徴量を抽出する。
【0008】
また、本発明の一実施形態は、上述の行動通知装置において、前記建物内の様子を示す情報を端末装置に表示させる表示制御部をさらに備える。
【0009】
また、本発明の一実施形態は、上述の行動通知装置において、前記通知部は、前記居住者のうち、前記不在判定部が不在であると判定した居住者が利用する端末装置に対する第1通知の情報量を、前記不在判定部が不在でないと判定した居住者が利用する端末装置に対する第2通知の情報量よりも多くして、通知する。
【0010】
また、本発明の一実施形態は、上述の行動通知装置において、前記行動情報は、前記動物の動作を取得する手段が取得した情報に基づいて生成される。
【0011】
また、本発明の一実施形態は、上述の行動通知装置において、前記行動情報は、前記動物が発する音を収音する手段が取得した情報に基づいて生成される。
【0012】
また、本発明の一実施形態は、上述の行動通知装置において、前記行動情報は、建物内の動物の行動を取得する装置が撮像部を備える場合に、前記撮像部が撮像した画像を処理して得られる非画像情報である。
【0013】
また、本発明の一実施形態は、上述のいずれかの行動通知装置と、建物内の動物の行動を取得することにより前記行動情報を生成して、生成した前記行動情報を前記行動通知装置に出力する行動取得装置と、前記建物の居住者が前記建物内に不在であるか否かを示す居住者情報を生成して、生成した前記居住者情報を前記行動通知装置に出力する居住者検出装置と、を備える行動通知システムである。
【0014】
また、本発明の一実施形態は、行動通知装置が備えるコンピュータに、建物内の動物の行動を示す行動情報を取得させることと、前記建物の居住者が前記建物内に不在であるか否かを判定させることと、取得された前記行動情報が示す特徴量を抽出させることと、抽出された特徴量が所定の判定基準を満たすか否かを判定させることと、前記判定基準を満たすと判定された場合に、不在であるか否かの判定結果に基づいて、前記居住者が利用する端末装置に通知させること、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、利用者の不在時の飼育動物の行動監視の利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態の行動通知システムの機能構成の一例を示す図である。
図2】本実施形態の行動通知システムの動作の流れの一例を示す図である。
図3】本実施形態の判定基準情報の一例を示す図である。
図4】本実施形態の特徴量判定部による判定の一例を示す図である。
図5】本実施形態の表示部に表示される通知画像の一例を示す図である。
図6】本実施形態の端末装置に表示される設定操作画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[行動通知システム1の装置構成]
図1は、本実施形態の行動通知システム1の機能構成の一例を示す図である。行動通知システム1は、行動通知装置10と、行動取得装置20と、居住者検出装置30と、端末装置40とを備える。
【0018】
[行動通知装置10の機能構成(概要)]
行動通知装置10は、例えば、クラウドサーバなどのサーバシステムとして実装されたり、行動通知システム1の利用者(以下、単に利用者ともいう。)が利用するパーソナルコンピュータとして実装される。行動通知装置10は、コンピュータ装置であり、通信部11と、制御部12と、記憶部13とを備える。
通信部11は、行動通知システム1を構成する各装置(行動取得装置20、居住者検出装置30および端末装置40)との間において、無線あるいは有線によって通信する通信機能を提供する。
制御部12は、例えば、中央演算処理装置(Central Processing Unit; CPU)を備えており、予め記憶されたプログラムに基づき各種の機能を提供する。
記憶部13は、例えば、ハードディスク装置や半導体メモリ装置を備えており、制御部12を動作させるプログラムや各種のデータを記憶する。
【0019】
[行動取得装置20の機能構成]
行動取得装置20は、例えば、利用者が居住する建物に設置される。行動取得装置20は、通信部21と、撮像部22と、収音部23と、制御部24とを備える。
通信部21は、行動通知装置10との間において、無線あるいは有線によって通信する通信機能を提供する。
撮像部22は、例えば、カメラを備えており、検出エリアAR内の状況を撮像する。撮像部22は、撮像した画像を画像情報として制御部24に出力する。
収音部23は、例えば、マイクを備えており、検出エリアAR内の音を収音する。収音部23は、収音した音を音情報として制御部24に出力する。
【0020】
検出エリアARとは、利用者が居住している建物内の所定の空間をいう。利用者は、動物(例えば、犬や猫などのペット)を飼育している。
なお、本実施形態において「建物内」とは、必ずしも建物の内部(例えば、屋内)に限られず、利用者が居住している建物に付随している部分(例えば、庭や屋上等の屋外や、利用者が居住している建物の敷地内あるいは敷地外に設置された動物小屋や、別棟として建てられている建物など)を広く含む。
検出エリアARは、利用者によって飼育されている動物(以下の説明において、飼育動物ともいう。)が、利用者の不在時に居る場所に設定される。例えば、検出エリアARは、利用者が居住している建物のうち、動物が飼育されている特定の部屋全体を対象に設定されていてもよいし、部屋内の動物が飼育されている一部の区画を対象に設定されていてもよいし、複数の部屋や建物全体を対象に設定されていてもよい。検出エリアARが複数の部屋や建物全体を対象に設定される場合には、行動通知システム1は、例えば、部屋や廊下、庭など区画に対応した数の行動取得装置20を備えていてもよい。
【0021】
なお、上述した撮像部22や収音部23の説明は一例であって、検出エリアAR内の飼育動物の行動の状況が取得できればよく、その構成は問わない。
例えば、撮像部22は、可視光帯域の画像を撮像してもよいし、赤外光など可視光以外の帯域の画像を撮像してもよい。また、撮像部22は、必ずしも画像を撮像しなくてもよく、例えば、赤外線などを検出するモーションセンサとして構成されていてもよい。
また、収音部23は、ヒトの可聴帯域の音を収音してもよいし、例えば、20kHz以上などのヒトの可聴帯域外の音を収音してもよい。
また、上述の一例において、行動取得装置20は、撮像部22と収音部23とをいずれも備えるとして説明したが、これに限られない。行動取得装置20は、撮像部22と収音部23とのいずれかを備えていればよい。
撮像部22や収音部23は、検出エリアAR内の飼育動物の行動や状況を検出する行動検出部として機能する。
【0022】
制御部24は、例えば、中央演算処理装置(Central Processing Unit;CPU)を備えており、行動取得装置20の記憶部(不図示)に予め記憶されたプログラムに基づき各種の機能を提供する。
一例として、制御部24は、撮像部22や収音部23が取得した情報を加工して、行動情報201を生成する。行動情報201は、建物(検出エリアAR)内の飼育動物の行動を示す情報である。
制御部24は、生成した行動情報201を、通信部21を介して行動通知装置10に送信する。
【0023】
ここで、上述した撮像部22は、飼育動物の動作を取得する手段の一例である。すなわち、行動情報201は、飼育動物の動作を取得する手段が取得した情報に基づいて生成される。
【0024】
また、上述した収音部23は、飼育動物が発する音を収音する手段の一例である。すなわち、行動情報201は、飼育動物が発する音を収音する手段が取得した情報に基づいて生成される。
【0025】
上述したように、制御部24は、撮像部22や収音部23が取得した情報を加工して、行動情報201を生成する。例えば、制御部24は、撮像部22が撮像した画像を処理することにより、画像に含まれる飼育動物を認識して、その動作の強度や頻度を数値化することにより、行動情報201を生成する。
すなわち、行動情報は201、建物内の動物の行動を取得する装置が撮像部22を備える場合に、撮像部22が撮像した画像を処理して得られる非画像情報である。このように構成された行動通知システム1によれば、検出エリアAR内の画像や音が、そのまま画像情報や音情報として送信されることを抑止できるため、プライバシーの保護や通信情報量の低減などに資する。
【0026】
[居住者検出装置30の機能構成]
居住者検出装置30は、利用者(すなわち、建物の居住者)の行動を検出し、その結果を示す居住者情報301を生成する。居住者情報301とは、建物の居住者の状況を表す情報であって、居住者が当該建物内に居るか否かの判定に用いられる情報である。
居住者検出装置30は、通信部31と、検出部32と、制御部33とを備える。
通信部31は、行動通知装置10との間において、無線あるいは有線によって通信する通信機能を提供する。
検出部32は、利用者(すなわち、建物の居住者)の行動を検出する。
制御部33は、例えば、中央演算処理装置(Central Processing Unit;CPU)を備えており、居住者検出装置30の記憶部(不図示)に予め記憶されたプログラムに基づき各種の機能を提供する。
【0027】
居住者検出装置30は、例えば、GPS(Global Positioning System)による利用者の位置情報、当該建物の施錠の状況、利用者が携帯する機器(例えば、スマートフォン)と建物に設置された無線通信機器(例えば、無線LANやビーコン)と間の通信状況、などに基づいて、居住者情報301を生成する。
【0028】
一例として、GPSによる利用者の位置情報に基づいて居住者の在・不在が判定される場合がある。この場合には、検出部32は、GPSによる利用者の位置情報を取得(すなわち、利用者の現在位置を検出)する。制御部33は、検出された利用者の位置と。建物の位置との間の距離を算出する。制御部33は、算出された距離を、居住者情報301として生成する。
また、他の一例として、当該建物の施錠の状況に基づいて居住者の在・不在が判定される場合がある。この場合には、検出部32は、建物の出入口(例えば、玄関)の鍵の施錠状態を検出する。制御部33は、検出された鍵の施錠状態に基づいて、建物出入口が施錠されているか否かを示す情報や、建物の外側(つまり、室外)から施錠されたのか、建物の内側(つまり、室内)から施錠されたのかを示す情報を、居住者情報301として生成する。
【0029】
制御部33は、生成した居住者情報301を、通信部31を介して行動通知装置10に送信する。
【0030】
[端末装置40の機能構成]
端末装置40は、利用者が外出時に利用可能な装置(例えば、スマートフォンや、外出先で利用するコンピュータ装置)である。
端末装置40は、通信部41と、表示部42と、制御部43とを備える。
通信部41は、行動通知装置10との間において、無線あるいは有線によって通信する通信機能を提供する。
表示部42は、例えば液晶ディスプレイを備えており、制御部43の制御に基づいて各種の情報を表示する。なお、端末装置40や表示部42に加えて、あるいは表示部42に代えて、光の明滅や音、振動で情報を伝達する情報提示部を備えていてもよい。
制御部43は、例えば、中央演算処理装置(Central Processing Unit;CPU)を備えており、端末装置40の記憶部(不図示)に予め記憶されたプログラムに基づき各種の機能を提供する。
【0031】
[行動通知装置10の機能構成(詳細)と動作]
図2は、本実施形態の行動通知システム1の動作の流れの一例を示す図である。上述した図1および図2を参照しながら、行動通知装置10の機能構成の詳細と、その動作について説明する。
【0032】
[行動取得装置20の動作]
(ステップS21)行動取得装置20の撮像部22および収音部23は、検出エリアAR内の状況を撮像および収音する。
(ステップS22)行動取得装置20の制御部24は、ステップS21において撮像された画像および収音された音に基づいて、検出エリアAR内の飼育動物の行動を示す行動情報201を生成する。
【0033】
ここで、撮像部22や収音部23によって取得された画像や音の中には、建物で飼育されている飼育動物の行動を示す情報ではない、他の情報(例えば、飼育動物が画角内に含まれない背景だけの画像や、飼育動物の鳴き声ではない環境音や生活音)が含まれている場合がある。
本実施形態の一例では、制御部24は、所定の抽出アルゴリズムに基づいて、撮像部22や収音部23によって取得された画像や音の中から、建物で飼育されている飼育動物の行動を示す情報を抽出する。なお、所定の抽出アルゴリズムは、機械学習やパターンマッチングなどの既存の画像処理手段や音声処理手段によって構成されていてもよい。
この一例の場合、制御部24は、抽出した建物で飼育されている飼育動物の行動を示す情報を、行動情報201として行動通知装置10に送信する。
【0034】
(ステップS23)行動取得装置20の制御部24は、ステップS22において生成した行動情報201を、通信部21を介して行動通知装置10に送信する。
【0035】
なお、行動取得装置20は、上述のステップS21からステップS23の動作を、所定の頻度で繰り返し行う。一例として、行動取得装置20は、ステップS21の動作をほぼリアルタイムで(例えば、10msに1回の頻度で)実行する。行動取得装置20は、ステップS22~ステップS23の動作を、1時間に1回の頻度で実行する。
このように構成された行動取得装置20によれば、飼育動物の行動を取りこぼさないようにしつつ、行動通知装置10に対する行動情報201の送信頻度を所定の頻度に抑えて通信情報量や通信時間を抑制することができる。
【0036】
[居住者検出装置30の動作]
(ステップS31)居住者検出装置30の検出部32は、居住者の状況を検出する。一例として、居住者検出装置30が、建物の出入口(例えば、玄関)の施錠状態を検出する装置として構成される場合、検出部32は、建物の出入口が施錠されているか否か、および、建物の外側(つまり、室外)から施錠されたのか、建物の内側(つまり、室内)から施錠されたのかを検出する。検出部32は検出した建物の出入口の施錠状態の情報を、制御部33に出力する。
(ステップS32)居住者検出装置30の制御部33は、ステップS31において検出された建物の出入口の施錠状態に基づいて、居住者情報301を生成する。この一例の場合、制御部33は、建物の出入口が施錠されているか否かを示す情報、および、建物の外側(つまり、室外)から施錠されたのか、建物の内側(つまり、室内)から施錠されたのかを示す情報を、居住者情報301として生成する。
(ステップS33)制御部33は、生成した居住者情報301を、通信部31を介して行動通知装置10に送信する。
【0037】
なお、居住者検出装置30は、上述のステップS31からステップS33の動作を、所定の頻度で繰り返し行う。一例として、居住者検出装置30は、ステップS31の動作を例えば10分に1回の頻度で実行する。居住者検出装置30は、ステップS32~ステップS33の動作を、1時間に1回の頻度で実行する。
このように構成された居住者検出装置30によれば、建物の出入口の施錠状態の変化を取りこぼさないようにしつつ、行動通知装置10に対する居住者情報301の送信頻度を所定の頻度に抑えて通信情報量や通信時間を抑制することができる。
【0038】
[行動通知装置10の機能構成(詳細)と動作]
行動通知装置10の制御部12は、その機能部として、行動情報取得部121と、不在判定部122と、行動情報判定部123と、特徴量抽出部124と、特徴量判定部125と、通知部126と、表示制御部127とを備える。
【0039】
(ステップS11)行動情報取得部121は、ステップS23において行動取得装置20から送信された行動情報201を取得する。行動情報201には、建物(検出エリアAR)内の飼育動物の行動が含まれている。
【0040】
すなわち、行動情報取得部121は、建物(検出エリアAR)内の飼育動物の行動を示す行動情報201を取得する。
【0041】
(ステップS12)不在判定部122は、ステップS33において居住者検出装置30から送信された居住者情報301を取得する。不在判定部122は、取得した居住者情報301に基づいて、建物の居住者が建物内に不在であるか否かを判定する。
【0042】
(ステップS13)上述したように、行動取得装置20の制御部24は、建物で飼育されている飼育動物の行動を示す情報を抽出して行動情報201を生成する、として説明したが、これに限られない。例えば、制御部24は、撮像部22や収音部23によって取得された情報の中から建物で飼育されている飼育動物の行動を示す情報を抽出せずに、行動情報201を生成する構成であってもよい。
制御部24が、飼育動物の行動を示す情報を抽出する機能を有しており、抽出した情報に基づいて行動情報201を生成する場合には、行動情報201は、飼育動物の行動を示す情報として、そのまま利用できる。
一方、制御部24が、飼育動物の行動を示す情報を抽出する機能を有していない場合には、行動情報201は、飼育動物の行動を示す情報を含む場合と、飼育動物の行動を示す情報を含まない場合とがあり得る。例えば、制御部24は、飼育動物が画角に含まれない背景のみの画像や、飼育動物の鳴き声以外の環境音のみの音に基づいて、行動情報201を生成する場合があり得る。
したがって、制御部24が、飼育動物の行動を示す情報を抽出する機能を有していない場合には、行動情報201の中からは、飼育動物の行動を示す情報を抽出することが求められる。
【0043】
すなわち、行動情報201をそのまま飼育動物の行動を示す情報として利用できる場合と、行動情報201の中から飼育動物の行動を示す情報を抽出することが求められる場合とがある。
前者の場合には、制御部24は、行動情報判定部123を備えていなくてもよい。後者の場合には、行動情報判定部123は、ステップS11において取得された行動情報201に基づいて、行動情報201に建物で飼育されている飼育動物の行動を示す情報が含まれているか否かを判定する。
【0044】
(ステップS14)特徴量抽出部124は、取得された行動情報201が示す特徴量を抽出する。
ここで、行動情報201が示す特徴量とは、飼育動物の活動の程度を表す情報である。特徴量には、例えば、鳴き声の大きさや頻度、声調(トーン)、跳ねる・走る・食べる・排泄をする・寝るなどの特異動作の有無や頻度、などが含まれる。また、特徴量抽出部124は、これら特徴量を組み合わせたものを新たな特徴量として生成してもよい。
【0045】
なお、制御部12が行動情報判定部123を備えている場合には、特徴量抽出部124は、飼育動物の行動であると判定された行動情報201に基づいて、特徴量を抽出する。
【0046】
(ステップS15)特徴量判定部125は、抽出された特徴量が所定の判定基準を満たすか否かを判定する。
ここで、所定の判定基準は、記憶部13に予め記憶されている判定基準情報131によって規定される。
【0047】
図3は、本実施形態の判定基準情報131の一例を示す図である。判定基準情報131は、利用者が建物で飼育している飼育動物ごとに、固有のID(飼育動物ID)と、動物の種類と、判定基準とが対応付けて記憶されている。
同図に示すように、動物の種類には、イヌ・ネコなどの大区分や、イヌの犬種などの小区分など、階層化された区分が含まれていてもよい。
また、同図に示すように、判定基準には、行動、強度、頻度などが含まれていてもよい。
【0048】
判定基準情報131は、利用者が端末装置40を操作することによって、その初期設定や設定の更新が可能である。
また、判定基準情報131は、飼育動物の種類や、建物の環境などに基づく一般的な値が、予め設定されていてもよい。例えば、飼育動物が、一般的に、鳴き声が近所に大きく響き渡るとされる種類の動物である場合には、判定基準の強度や頻度が比較的低めに設定されていてもよい。また例えば、建物が閑静な住宅街に立地する場合には、判定基準の強度や頻度が比較的低めに設定されていてもよい。端末装置40には、これらの一般的な値の候補が示され、利用者が候補の中から設定値を選択する操作を行うように構成されていてもよい。このように構成された行動通知システム1によれば、判定基準情報131の設定についての利用者の利便性を向上させることができる。
【0049】
特徴量判定部125は、ステップS14において抽出された特徴量と、判定基準情報131によって規定される判定基準とを比較することにより、特徴量が所定の判定基準を満たすか否かを判定する。
【0050】
なお、以下の説明において、特徴量が所定の判定基準を満たすことを、飼育動物に特徴行動が発生した、ともいう。すなわち、特徴量判定部125は、特徴量と、所定の判定基準とを比較することにより、飼育動物に特徴行動が発生したか否かを判定する。
【0051】
図4は、本実施形態の特徴量判定部125による判定の一例を示す図である。同図の一例の場合、鳴き声の判定しきい値Thが70dbに設定されている。特徴量判定部125は、収音部23が収音した飼育動物の鳴き声の強度が、判定しきい値Th(70db)を超えた場合に、特徴量が所定の判定基準を満たすと判定する。なお、同図には図示していないが、特徴量判定部125は、鳴き声の強度に加えて鳴き声の頻度が、所定の判定基準を超えた場合に、特徴量が所定の判定基準を満たすと判定してもよい。
【0052】
同図に示す一例の場合、時刻t1、時刻t2および時刻t3において、鳴き声の強度が判定しきい値Th(70db)を超えている。この場合、特徴量判定部125は、時刻t1、時刻t2および時刻t3について、特徴量が所定の判定基準を満たすと判定する。
【0053】
(ステップS16)図2に戻り、通知部126は、ステップS15において、所定の判定基準を満たすと判定された場合(つまり、飼育動物に特徴行動が発生した場合)に、不在判定部122の判定結果に基づいて、居住者が利用する端末装置40に通知する。
【0054】
再び図4を参照して説明する。同図の一例の場合、利用者(つまり、建物の居住者)は、時刻t11から時刻t12までの間は不在であり、他の時間帯は在室である。この場合、不在判定部122は、時刻t11から時刻t12までの間が利用者が不在であると判定する。
通知部126は、ステップS15において特徴量判定部125が所定の判定基準を満たすと判定した時刻t(例えば、時刻t1、時刻t2および時刻t3)のうち、利用者が不在であると判定された時間帯に含まれる時刻(例えば、時刻t2)について、端末装置40に特徴行動の発生通知を行う。
【0055】
(ステップS41)端末装置40の制御部43は、行動通知装置10から特徴行動の発生通知を受信すると、表示部42に通知画像を表示する。
【0056】
図5は、本実施形態の表示部42に表示される通知画像の一例を示す図である。制御部43は、行動通知装置10から特徴行動の発生通知を受信すると、通知表示PNを表示部42の画面に表示させる。
【0057】
通知表示PNには、第1通知表示PN1と、第2通知表示PN2とがある。ここで、第1通知表示PN1とは、比較的情報量が多い通知表示PNである。第1通知表示PN1の場合、例えば「大きな鳴き声を検知しました」などのメッセージ画像である。
第2通知表示PN2とは、比較的情報量が少ない通知表示PNである。第2通知表示PN2とは、例えば、特徴行動の発生通知がされたことを示す「!」などのアイコン画像である。
【0058】
上述した一例において、通知部126は、利用者(居住者)が不在の場合には特徴行動の発生通知を行い、在室の場合には特徴行動の発生通知を行わない、と説明したがこれに限られない。
例えば、通知部126は、利用者(居住者)が不在の場合には、第1通知表示PN1による特徴行動の発生通知を行い、利用者(居住者)が在室の場合には、第2通知表示PN2による特徴行動の発生通知を行うように構成されていてもよい。
【0059】
すなわち、通知部126は、居住者のうち、不在判定部122が不在であると判定した居住者が利用する端末装置40に対する第1通知N1の情報量を、不在判定部122が不在でないと判定した居住者が利用する端末装置40に対する第2通知N2の情報量よりも多くして、通知するように構成されていてもよい。
【0060】
このように構成された行動通知システム1によれば、利用者(居住者)が、例えば外出中で不在の場合には、特徴行動の発生通知の情報量を多くして、利用者が通知に気づきやすくなるようにしつつ、在室の場合には、特徴行動の発生通知の情報量を少なくして、端末装置40の表示を簡素化することができる。
すなわち、このように構成された行動通知システム1によれば、利用者の利便性を向上させることができる。
【0061】
図6は、本実施形態の端末装置40に表示される設定操作画面の一例を示す図である。この一例の場合、設定操作画面には、操作ボタン画像B1~B4が表示される。
【0062】
操作ボタン画像B1は、通知部126による特徴行動の発生通知を行うか行わないかを設定するための操作画像である。利用者は、操作ボタン画像B1を操作することにより、不在時の通知の要否や、上述したような在宅時の第2通知N2の要否を設定することができる。
【0063】
操作ボタン画像B2は、特徴行動の発生通知の通知時刻を設定するための操作画像である。例えば、通知時刻を利用者の昼食や昼休みの時間帯に設定することで、常時通知されることの煩雑さを低減することができる。また、通知時刻を常時通知に設定することで、飼育動物に特徴行動が発生した場合に、利用者が即時に把握することができる。
【0064】
操作ボタン画像B3は、特徴量抽出部124が抽出した特徴量のグラフを表示するための操作画像である。特徴量のグラフとは、例えば、図4に示した鳴き声の強度の時間推移や、特徴行動の発生頻度の累積値などの統計を示す情報である。この一例における特徴量のグラフとは、特徴行動の発生の時間推移を図示したものであるが、これに限られず、例えば、強度や頻度の数値が表形式に表現されたものや、強度や頻度の最大値が表現されたものであってもよい。
【0065】
上述したように、行動取得装置20は、撮像部22や収音部23が取得した情報を加工して、行動通知装置10に送信する。このように構成された行動通知システム1によれば、検出エリアAR内の画像や音がそのまま行動通知装置10に収集されることを抑止できるため、プライバシーの保護や通信情報量の低減などに資する。一方で、利用者が、検出エリアAR内の画像や音を加工せずに、そのまま把握したいという要求もあり得る。
操作ボタン画像B4は、行動取得装置20が撮像部22や収音部23が取得した情報(つまり、検出エリアAR内の画像や音)を、そのまま端末装置40に出力させるための操作画像である。
【0066】
すなわち、表示制御部127は、端末装置40に操作ボタン画像B4を表示させることにより、建物内の様子を示す情報(例えば、撮像部22や収音部23が取得した情報)を端末装置40に表示させる機能を提供する。
このように構成された行動通知システム1によれば、利用者が操作ボタン画像B4を操作することにより、撮像部22や収音部23が取得した情報(つまり、検出エリアAR内の画像や音)を、そのまま端末装置40に出力させることができるため、利用者の利便性を向上させることができる。
【0067】
以上、本発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。上述した各実施形態に記載の構成を組み合わせてもよい。
【0068】
なお、上記の実施形態における各装置が備える各部は、専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、メモリおよびマイクロプロセッサにより実現させるものであってもよい。
【0069】
なお、各装置が備える各部は、メモリおよびCPU(中央演算装置)により構成され、各装置が備える各部の機能を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
【0070】
また、各装置が備える各部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、制御部が備える各部による処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0071】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【符号の説明】
【0072】
1…行動通知システム、10…行動通知装置、11…通信部、12…制御部、121…行動情報取得部、122…不在判定部、123…行動情報判定部、124…特徴量抽出部、125…特徴量判定部、126…通知部、127…表示制御部、20…行動取得装置、30…居住者検出装置、40…端末装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6