(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055406
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】船舶用操縦装置
(51)【国際特許分類】
B63H 21/22 20060101AFI20240411BHJP
【FI】
B63H21/22 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162322
(22)【出願日】2022-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(74)【代理人】
【識別番号】100211122
【弁理士】
【氏名又は名称】白石 卓也
(72)【発明者】
【氏名】田高田 誠
(57)【要約】
【課題】操作レバーとベルトとの位置関係を一定に保つことができる船舶用操縦装置を提供する。
【解決手段】実施形態の船舶用操縦装置は、船舶の推進速度を調整するために一方向に移動可能な操作レバー2と、操作レバー2の移動に連動するベルト20と、ベルト20を挟んで操作レバー2に対してねじ121A,121Bで締結される固定板80と、ベルト20の移動量を検出可能なポテンショメータと、固定板80からねじ121A,121Bの軸方向に沿うように操作レバー2に向かってベルト20の厚みよりも小さい量で突出し、かつ、ねじ121A,121Bで固定板80が締結されると操作レバー2と接触する凸部82A,82Cと、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶の推進速度を調整するために一方向に移動可能な操作レバーと、
前記操作レバーの移動に連動するベルトと、
前記ベルトを挟んで前記操作レバーに対してねじで締結される固定板と、
前記ベルトの移動量を検出可能な検出部と、
前記操作レバー及び前記固定板の少なくとも一方から前記ねじの軸方向に沿うように他方に向かって前記ベルトの厚みよりも小さい量で突出し、かつ、前記ねじで前記固定板が締結されると前記他方と接触する凸部と、を備える
船舶用操縦装置。
【請求項2】
前記凸部は、前記ベルトの幅方向の両端の少なくとも2箇所に設けられる、
請求項1に記載の船舶用操縦装置。
【請求項3】
前記操作レバーは、前記一方向に直線移動可能であり、
前記ベルトは、前記操作レバーの直線移動に対して平行に移動可能であり、
前記凸部は、前記ベルトに対して線接触となるような形状を有する、
請求項1又は2に記載の船舶用操縦装置。
【請求項4】
前記操作レバーは、前記一方向に直線移動可能であり、
前記ベルトは、前記操作レバーの直線移動に対して平行に移動可能であり、
前記凸部は、前記ベルトの長手方向に沿って複数設けられる、
請求項1又は2に記載の船舶用操縦装置。
【請求項5】
前記凸部は、前記ねじを介して互いに間隔をあけて複数設けられる、
請求項1又は2に記載の船舶用操縦装置。
【請求項6】
前記操作レバーは、一体物であり、
前記凸部は、前記固定板に設けられる、
請求項1又は2に記載の船舶用操縦装置。
【請求項7】
前記ベルトの幅方向は、鉛直方向に沿っている、
請求項1又は2に記載の船舶用操縦装置。
【請求項8】
前記凸部は、前記他方と接触する接触面から更に突出する突出部を備え、
前記他方は、前記突出部と嵌まり合う凹部を備える、
請求項1又は2に記載の船舶用操縦装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶用操縦装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、船舶のブリッジ及びエンジン制御室等に設けられるテレグラフ等の船舶用操縦装置が知られている。
例えば、特許文献1には、船橋で主機を遠隔操縦するために船橋に設けられた船橋操縦レバーが開示されている。船橋操縦レバーは、表示板に沿って一直線方向に移動するレバーと、レバーの移動に連動するベルトと、レバーの操作により動作するポテンショメータと、を備える。表示板は、レバーが貫通されレバーのガイドとなる長孔を有する。ベルトは、表示板の長孔を貫通したレバーの下部に取り付けられる。レバーとベルトとは、レバーの下部に設けられた連結部を介して連結されている。ベルトは、弾性体で構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
レバーとベルトとをねじで連結すると、ねじの締め付け度合によってベルトの変形具合が変わってしまう。そのため、レバーとベルトとの位置関係を一定に保つことが望まれている。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、操作レバーとベルトとの位置関係を一定に保つことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の解決手段として、本発明の態様は以下の構成を有する。
(1)本発明の態様に係る船舶用操縦装置は、船舶の推進速度を調整するために一方向に移動可能な操作レバーと、前記操作レバーの移動に連動するベルトと、前記ベルトを挟んで前記操作レバーに対してねじで締結される固定板と、前記ベルトの移動量を検出可能な検出部と、前記操作レバー及び前記固定板の少なくとも一方から前記ねじの軸方向に沿うように他方に向かって前記ベルトの厚みよりも小さい量で突出し、かつ、前記ねじで前記固定板が締結されると前記他方と接触する凸部と、を備える。
【0007】
この構成によれば、ねじで固定板が締結されると、操作レバー及び固定板の少なくとも一方から突出する凸部が他方と接触する。そのため、ねじの締結力を正確に決める必要がなく、一定の締結力で操作レバーとベルトとを連結することができる。したがって、操作レバーとベルトとの位置関係を一定に保つことができる。
【0008】
(2)上記(1)に記載の船舶用操縦装置では、前記凸部は、前記ベルトの幅方向の両端の少なくとも2箇所に設けられてもよい。
【0009】
(3)上記(1)又は(2)に記載の船舶用操縦装置では、前記操作レバーは、前記一方向に直線移動可能であり、前記ベルトは、前記操作レバーの直線移動に対して平行に移動可能であり、前記凸部は、前記ベルトに対して線接触となるような形状を有してもよい。
【0010】
(4)上記(1)から(3)のいずれかに記載の船舶用操縦装置では、前記操作レバーは、前記一方向に直線移動可能であり、前記ベルトは、前記操作レバーの直線移動に対して平行に移動可能であり、前記凸部は、前記ベルトの長手方向に沿って複数設けられてもよい。
【0011】
(5)上記(1)から(4)のいずれかに記載の船舶用操縦装置では、前記凸部は、前記ねじを介して互いに間隔をあけて複数設けられてもよい。
【0012】
(6)上記(1)から(5)のいずれかに記載の船舶用操縦装置では、前記操作レバーは、一体物であり、前記凸部は、前記固定板に設けられてもよい。
【0013】
(7)上記(1)から(6)のいずれかに記載の船舶用操縦装置では、前記ベルトの幅方向は、鉛直方向に沿っていてもよい。
【0014】
(8)上記(1)から(7)のいずれかに記載の船舶用操縦装置では、前記凸部は、前記他方と接触する接触面から更に突出する突出部を備え、前記他方は、前記突出部と嵌まり合う凹部を備えてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、操作レバーとベルトとの位置関係を一定に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1実施形態の船舶用操縦装置の斜視図である。
【
図2】第1実施形態の船舶用操縦装置のカバーを取り外した状態の上面図である。
【
図3】第1実施形態の船舶用操縦装置のカバーを取り外した状態の左側面図である。
【
図5】第1実施形態の固定板の締結構造をねじの軸方向に沿う一方から見た斜視図である。
【
図6】第1実施形態の固定板の締結構造をねじの軸方向に沿う他方から見た斜視図である。
【
図7】
図6において操作レバー側の部材を取り外した状態の斜視図である。
【
図9】第2実施形態の固定板の連結構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下の実施形態では、船舶用操縦装置として船舶のエンジン制御室に設けられるエンジンテレグラフを例に挙げて説明する。エンジンテレグラフは、エンジンの起動、停止、回転数の増減などの情報を相互に伝達するためのテレグラフである。以下の説明において、例えば「平行」や「直交」、「中心」、「同軸」等の相対的又は絶対的な配置を示す表現は、厳密にそのような配置を意味するのみならず、公差や同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も含むものとする。以下の説明に用いる図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0018】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の船舶用操縦装置の斜視図である。
図2は、第1実施形態の船舶用操縦装置のカバーを取り外した状態の上面図である。
図3は、第1実施形態の船舶用操縦装置のカバーを取り外した状態の左側面図である。
図4は、
図2のIV-IV断面図である。
これらの図に示すように、船舶用操縦装置1は、操作レバー2と、カバー3と、筐体4と、を備える。
【0019】
カバー3には、操作位置を表示するための板状の表示板5が設けられている。例えば、表示板5には、船舶のエンジンの起動、停止、回転数の増減などの情報が表示されている。表示板5は、操作位置を表示する平面状の表示面5aを有する。表示板5は、「AHEAD」、「STOP」、「SLOW」等の表示を行う複数のテレグラフゾーン6を有する。表示板5は、操作レバー2の位置指示針12が指示する位置のテレグラフゾーン6ごとに点灯する。
【0020】
操作レバー2は、ユーザが操作するためのハンドルである。操作レバー2は、船舶の主機回転数(推進速度の一例)を調整するために一直線方向(一方向の一例)に移動可能である。操作レバー2は、表示面5aに対して平行に直線的に移動可能に設けられている。言い換えると、操作レバー2は、表示面5aの面内方向における1つの軸上を移動可能に設けられている。
以下、操作レバー2の移動方向を「前後方向」、鉛直方向及び前後方向のそれぞれに対して直交する方向を「左右方向」とする。以下の説明に用いる図中適所には、本実施形態の船舶用操縦装置1の上方を示す矢印UP、前方を示す矢印FR、左方を示す矢印LHが示される。
【0021】
操作レバー2は、ユーザが把持するためのグリップ10と、グリップ10から下方に延びる操作軸11と、操作位置を指示するための位置指示針12と、を備える。グリップ10は、前後方向に長手を有する扁平形状をなしている。
【0022】
位置指示針12は、操作軸11の左側面から表示板5に向けて左方に延びている。位置指示針12は、カバー3の上方に配置されている。位置指示針12は、操作レバー2と一体に前後方向に移動する。位置指示針12は、操作レバー2の前後方向の移動により、表示板5の各テレグラフゾーン6のいずれかを指示するようになっている。
【0023】
カバー3は、ベルト20等を上方から覆っている。カバー3には、操作レバー2が直線移動可能なスリット15が形成されている。スリット15は、前後方向に延びる長孔である。
カバー3は、前後方向に長手を有する矩形状の天板16と、天板16の外周に連結された側板17と、を備える。スリット15は、天板16の右側部を鉛直方向に開口している。スリット15は、天板16の右側の一辺(長辺)に沿って延びている。
【0024】
筐体4は、モータ23等を収容している。筐体4は、前後方向に長手を有し上方を開放する直方体箱状をなしている。例えば、カバー3は、不図示のボルト等の締結部材によって筐体4の上部に連結されている。
【0025】
次に、筐体4内の船舶用操縦装置1の構成を説明する。
船舶用操縦装置1は、無端状のベルト20と、ポテンショメータ21(検出部の一例)と、板状部材22と、モータ23と、プーリ24A,24Bと、テンショナ25と、レール26と、キャリッジ27と、連結部材28と、ラック29と、ピニオン30と、支持部材31と、固定板80と、制御基板34と、支柱35と、を備える。
【0026】
ベルト20は、ゴム等の弾性体で構成されている。ベルト20は、鉛直方向に対して開口する環状を有する。ベルトの幅方向は、鉛直方向に沿っている。ベルト20は、操作レバー2に連結されている。ベルト20は、表示面5aに対して平行に掛け回されている。ベルト20は、表示面5aに対して垂直に開口する空間19に面する内面20aと、内面20aとは反対側の外面20bと、を有する。
【0027】
ベルト20は、操作レバー2の移動に連動する。例えば、操作レバー2を前方に移動した場合、ベルト20は操作レバー2の前方移動に連動して
図2の矢印V1方向に移動(回転)する。一方、操作レバー2を後方に移動した場合、ベルト20は操作レバー2の後方移動に連動して
図2の矢印V2方向に移動(回転)する。
【0028】
ポテンショメータ21は、操作レバー2の操作位置を検出するために操作レバー2の移動と連動したベルト20の移動量を検出可能な検出部である。ポテンショメータ21は、板状部材22の下方に配置されている。ポテンショメータ21は、2つ設けられている。ポテンショメータ21は、2つのプーリ24A,24Bの回転軸のそれぞれに取り付けられている。例えば、ポテンショメータ21は、プーリ24A,24Bの回転角度を検出するロータリーポテンショメータである。ポテンショメータ21の検出信号(プーリ24A,24Bの回転角度)は、制御基板34に入力される。
【0029】
板状部材22は、表示面5aに対して平行な板状を有する。板状部材22は、前後方向に長手を有する矩形状をなしている。板状部材22は、ベルト20及び操作レバー2の下方に設けられている。板状部材22は、鉛直方向に開口する貫通孔40を有する。貫通孔40は、鉛直方向から見てカバー3のスリット15と重なる位置に配置されている。板状部材22の下面には、貫通孔40を塞ぐ閉塞部材41が取り付けられている。板状部材22は、鉛直方向に延びる支柱35の上端部に連結されている。
【0030】
モータ23は、ベルト20を介して操作レバー2を動かすための駆動装置である。モータ23は、ベルト20に動力を伝える出力軸45と、出力軸45を回転させるための駆動部46と、を備える。例えば、モータ23は、インナーロータ型モータである。
【0031】
プーリ24A,24Bは、2つ設けられている。2つのプーリ24A,24Bは、板状部材22の上方に配置されている。プーリ24A,24Bは、ベルト20が架け渡されベルト20の移動に連動して回転する。プーリ24A,24Bは、円板状のプーリ本体50と、プーリ本体50から径方向外側に張り出す上下一対の鍔51,52と、を備える。
【0032】
プーリ本体50は、プーリ24A,24Bの回転軸と同軸の円板状を有する。ベルト20は、プーリ本体50の外周面に掛け渡されている。
上下一対の鍔51,52は、ベルト20の鉛直方向上側に設けられプーリ本体50の上端から径方向外側に張り出す上鍔51と、ベルト20の鉛直方向下側に設けられプーリ本体50の下端から径方向外側に張り出す下鍔52と、を含む。
【0033】
ベルト20は、2つのプーリ24A,24Bと、プーリ24A,24Bよりも外径が小さい複数(例えば本実施形態では4つ)の小プーリ55,56,57,58と、によって架け渡されている。4つの小プーリ55,56,57,58は、スリット15に沿って前後方向に延びるベルト20の直線部分の前側部位に架け渡された前プーリ55と、ベルト20の直線部分の後側部位に架け渡された後プーリ56と、モータ23の出力軸45に連結されたモータプーリ57と、テンショナ25のシャフト60に連結されたテンショナプーリ58と、を含む。2つのプーリ24A,24B、前プーリ55、後プーリ56、モータプーリ57及びテンショナプーリ58は、ベルト20の内面20a側に設けられている。
【0034】
テンショナ25は、ベルト20の張力を調整可能な張力調整機構である。テンショナ25は、ベルト20の外面20b側に設けられている。テンショナ25は、テンショナプーリ58と同軸に設けられ鉛直方向に延びるシャフト60と、シャフト60の下端部に連結された調整部61と、を備える。
ベルト20は、テンショナプーリ58の外周面に架け渡されている。
シャフト60は、板状部材22を鉛直方向に貫通している。
【0035】
レール26及びキャリッジ27は、操作レバー2を直線移動させるためのリニアガイドを構成する。レール26及びキャリッジ27は、操作レバー2の構成に含まれる。
レール26は、前後方向に沿って直線状に延びている。レール26は、板状部材22の貫通孔40内に露出する閉塞部材41の上面に固定されている。
キャリッジ27は、レール26に沿って移動可能である。キャリッジ27は、レール26を上方から左右方向に跨ぐ形状を有する。
【0036】
連結部材28は、操作レバー2とキャリッジ27とを連結する。連結部材28は、鉛直方向に沿って延びる左側壁71と、左側壁71の右側方に設けられ左側壁71よりも鉛直方向の長さが小さい右側壁72と、右側壁72の下端から左方に延びキャリッジ27の上面に連結される第1連結壁73と、第1連結壁73の左端から下方に延びキャリッジ27の左側面に連結される第2連結壁74と、左右方向に沿って延び第2連結壁74の下端と左側壁71の下端とを連結する底壁75と、を備える。
【0037】
ラック29及びピニオン30は、操作レバー2を直線移動させるためのラック・アンド・ピニオンを構成する。
ラック29は、前後方向に沿って延びている。ラック29は、連結部材28の左側壁71と操作軸11との間に配置されている。例えば、ラック29の上面には、各テレグラフゾーン6に対応する位置に開口する複数の位置決め穴(不図示)が設けられていてもよい。
ピニオン30は、ラック29に噛み合う歯車である。ピニオン30は、操作軸11の下端部に取り付けられている。
支持部材31は、ラック29を下方から支持する。支持部材31は、不図示の締結部材によって板状部材22に固定されている。
【0038】
制御基板34は、表示面5aに対して平行な板状を有する。制御基板34は、鉛直方向に延びる支柱35の下端部に連結されている。制御基板34は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサによって所定のプログラムが実行されることにより機能する。制御基板34は、CPUなどのプロセッサ、プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、及びタイマーなどの電子回路を備えるECU(Electronic Control Unit)である。なお、制御基板34の少なくとも一部は、LSI(Large Scale Integration)などの集積回路であってもよい。
【0039】
制御基板34は、各ポテンショメータ21からの検出信号に基づいて、モータ23を駆動する。例えば、船舶の左舷及び右舷の両方にエンジンテレグラフを設けた場合、制御基板34は、一方のエンジンテレグラフのポテンショメータ21の検出信号に基づいて、他方のエンジンテレグラフのモータ23を駆動する。これにより、他方のエンジンテレグラフのモータ23の駆動に連動したベルト20の移動により、操作レバー2を前後方向の所定位置に移動させることができる。例えば、船舶の左舷及び右舷の各エンジンテレグラフの操作レバー2の移動を同期させることができる。
【0040】
<固定板の締結構造>
図5は、第1実施形態の固定板の締結構造をねじの軸方向に沿う一方から見た斜視図である。
図6は、第1実施形態の固定板の締結構造をねじの軸方向に沿う他方から見た斜視図である。
図7は、
図6において操作レバー側の部材を取り外した状態の斜視図である。
図8は、
図5のVIII-VIII断面図である。
これらの図を併せて参照し、固定板80は、ベルト20を挟んで操作レバー2に対してねじ121A,121Bで締結されている。
【0041】
固定板80は、操作レバー2の根元90の平面部に固定されている。操作レバー2の根元90は、操作レバー2の長手方向(操作軸11の軸方向)においてグリップ10とは反対側の部分である。操作レバー2の根元90は、操作レバー2において天板16の下方に配置される部分に相当する。操作レバー2の根元90は、一体物である。
【0042】
操作レバー2の根元90は、鉛直方向に沿って延びる第1接続壁91と、第1接続壁91の右側方に設けられ第1接続壁91よりも鉛直方向の長さが小さい第2接続壁92と、左右方向に沿って延び第1接続壁91の上端と第2接続壁92の上端とを連結する第3接続壁93と、鉛直方向に沿って延びグリップ10と第3接続壁93とを連結する第4接続壁94と、を備える。例えば、操作レバー2の根元90のうち第1接続壁91、第2接続壁92及び第3接続壁93は、同一の部材で一体に形成されていてもよい。
【0043】
固定板80は、鉛直方向に沿って延びる矩形板状を有する。固定板80は、鉛直方向に長手を有する。固定板80の長手(鉛直方向の長さ)は、ベルト20の幅よりも長い。固定板80は、操作レバー2の根元90の第1接続壁91の左側方に配置されている。固定板80は、ベルト20を挟んで第1接続壁91と対向する。
【0044】
第1接続壁91は、操作レバー2の根元90において固定板80が固定される部分(操作レバー2の平面部)に相当する。第1接続壁91は、連結部材28の左側壁71とベルト20との間に配置されている。第1接続壁91の左側面は、ベルト20と直に接触している。第1接続壁91の左側面は、平面である。
【0045】
第1接続壁91の右側面は、連結部材28の左側壁71と直に接触している。例えば、連結部材28の左側壁71は、底壁75の左端から分岐するように前後一対設けられていてもよい。例えば、ねじ121A,121Bは、第1接続壁91において前後一対の左側壁71の間の部分に連結されていてもよい。例えば、ねじ121A,121Bは、左側壁71には連結されていなくてもよい。
【0046】
第2接続壁92は、連結部材28の右側壁72の右側方に配置されている。
第3接続壁93には、操作レバー2を位置決めするための位置決め機構110が設けられていてもよい。位置決め機構110は、球状のボール111と、ボール111を下方へ押し付けるスプリング112と、スプリング112を収容する筒状の筒体113と、を備える。
【0047】
例えば、ボール111は、操作レバー2の前後方向の移動により、ラック29の上面に沿って転がるようになっている。また、ボール111は、スプリング112による下方への押し付け力により、ラック29の上面のいずれかの位置決め穴(不図示)に入り込むようになっている。ボール111が各位置決め穴のいずれかに入り込むことにより、ユーザは手に伝わる感覚によって操作レバー2の位置指示針12が表示板5の各テレグラフゾーン6のいずれかの中心にきたことを報知されるようになっている。
【0048】
<凸部>
固定板80には、ねじ121A,121Bの軸方向に沿うように操作レバー2に向かって突出する凸部82A~82Dが設けられている。例えば、凸部82A~82Dは、金属板をプレス加工することにより、固定板80と同一の部材で一体に形成されていてもよい。凸部82A~82Dは、固定板80の右側面からベルト20の厚みよりも小さい量で突出している。ベルト20の厚みは、ベルト20の内面20aと外面20bとの間の最大長さに相当する。
【0049】
例えば、ベルト20の内面20aには、複数の歯20cが設けられていてもよい。この場合、ベルト20の厚みは、ベルト20の内面20aに設けられた歯20cの先端と外面20bとの間の最大長さに相当する。凸部82A~82Dは、ねじ121A,121Bで固定板80が締結されると操作レバー2と接触する。凸部82A~82Dの接触面83(突出端面)は、操作レバー2の根元90の第1接続壁91の左側面と直に接触している。凸部82A~82Dの接触面83は、第1接続壁91の左側面に沿う平面である。
【0050】
凸部82A~82Dの突出量は、ベルト20の厚みよりも小さい値に設定されている。凸部82A~82Dの突出量は、固定板80の右側面と凸部82A~82Dの接触面83との間の最大長さに相当する。例えば、凸部82A~82Dの突出量は、ねじ121A,121Bの締付けトルク規定、ベルト20の仕様等(例えば、ベルト20の厚み、材質、及び、硬さ、強度、剛性等の機械的特性)によって設定する。
【0051】
ねじ121A,121Bで固定板80が締結されることで凸部82A~82Dが操作レバー2と接触すると、ベルト20は弾性的に収縮する。この場合、ベルト20は、ベルト20の厚みから凸部82A~82Dの突出量を引いた分だけ弾性的に収縮する。ベルト20が弾性的に収縮しても、ねじ121A,121Bの締付けトルク規定に基づく適正な位置で凸部82A~82Dが操作レバー2と接触することにより、ねじ121A,121Bを締め付け過ぎることを抑制することができる。
【0052】
凸部82A~82Dは、ベルト20の幅方向の両端の少なくとも2箇所に設けられている。図の例では、凸部82A~82Dは、ベルト20の幅方向の両端に2箇所ずつ(合計4箇所)設けられている。
【0053】
上述の通り、操作レバー2は、前記一方向に直線移動可能である。ベルト20は、操作レバー2の直線移動に対して平行に移動可能である。凸部82A~82Dは、ベルト20に対して線接触となるような形状を有する。
【0054】
ベルト20の幅方向の一端(上端)に設けられた凸部82A,82B(以下「上側凸部82A,82B」ともいう。)は、ベルト20の上端に対して線接触となる下縁を有する。ベルト20の厚み方向(左右方向)から見て、上側凸部82A,82Bの下縁は、ベルト20の上縁に沿う直線形状を有する。
【0055】
ベルト20の幅方向の他端(下端)に設けられた凸部82C,82D(以下「下側凸部82C,82D」ともいう。)は、ベルト20の下端に対して線接触となる上縁を有する。ベルト20の厚み方向(左右方向)から見て、下側凸部82C,82Dの上縁は、ベルト20の下縁に沿う直線形状を有する。
【0056】
凸部82A~82Dは、ベルト20の長手方向に沿って複数設けられている。図の例では、上側凸部82A,82Bは、ベルト20の上縁に沿って2つ設けられている。下側凸部82C,82Dは、ベルト20の下縁に沿って2つ設けられている。例えば、ベルト20の長手方向において、2つの上側凸部82A,82Bの間隔と、2つの下側凸部82C,82Dの間隔とは、互いに同じ間隔であってもよい。
【0057】
凸部82A~82Dは、ねじ121A,121Bを介して互いに間隔をあけて複数設けられている。上側凸部82A,82Bは、ベルト20の幅方向の一端(上端)側に設けられたねじ121A(以下「上側ねじ121A」ともいう。)を介して間隔をあけて2つ設けられている。2つの上側凸部82A,82Bの間には、1つの上側ねじ121Aが設けられている。例えば、ベルト20の厚み方向(左右方向)から見て、2つの上側凸部82A,82Bは、上側ねじ121Aの中心を通る鉛直線を対称軸として線対称となるような形状を有していてもよい。
【0058】
下側凸部82C,82Dは、ベルト20の幅方向の他端(下端)側に設けられたねじ121B(以下「下側ねじ121B」ともいう。)を介して間隔をあけて2つ設けられている。2つの下側凸部82C,82Dの間には、1つの下側ねじ121Bが設けられている。例えば、ベルト20の厚み方向(左右方向)から見て、2つの下側凸部82C,82Dは、下側ねじ121Bの中心を通る鉛直線を対称軸として線対称となるような形状を有していてもよい。例えば、ベルト20の幅方向において、2つのうち一方(前方)の上側凸部82Aと下側凸部82Cとの間隔と、他方(後方)の上側凸部82Bと下側凸部82Dとの間隔とは、互いに同じ間隔であってもよい。
【0059】
操作レバー2の根元90は、ボルト等の締結部材によって連結部材28に締結されている。
例えば、連結部材28の右側壁72への締結は、以下の手順で行う。先ず、ワッシャ100を介してボルト101の軸部を操作レバー2の根元90の第2接続壁92の挿通孔103(通し孔)に右方から挿通する。次に、挿通したボルト101を、連結部材28の右側壁72の雌ねじ104に螺合する。これにより、操作レバー2の根元90を連結部材28の右側壁72に固定することができる。
【0060】
例えば、連結部材28の左側壁71への締結は、以下の手順で行う。先ず、ワッシャ105を介してボルト106の軸部を操作レバー2の根元90の第1接続壁91の挿通孔107(通し孔)に左方から挿通する。次に、挿通したボルト106を、連結部材28の左側壁71の雌ねじ108に螺合する。これにより、操作レバー2の根元90を連結部材28の左側壁71に固定することができる。
【0061】
例えば、固定板80への締結は、以下の手順で行う。先ず、操作レバー2の根元90と固定板80とにより、ベルト20を挟む。次に、この状態で、ワッシャ120を介してねじ121A,121Bの軸部を左方から固定板80の挿通孔122に挿通する。次に、挿通したねじ121A,121Bを、操作レバー2の根元90の第1接続壁91の雌ねじ123に螺合する。これにより、操作レバー2の根元90を固定板80に固定するとともに、固定板80等を介してベルト20を操作レバー2の根元90に連結することができる。
【0062】
<作用効果>
以上説明したように、本実施形態に係る船舶用操縦装置1は、船舶の推進速度を調整するために一方向に移動可能な操作レバー2と、操作レバー2の移動に連動するベルト20と、ベルト20を挟んで操作レバー2に対してねじ121A,121Bで締結される固定板80と、ベルト20の移動量を検出可能なポテンショメータ21と、固定板80からねじ121A,121Bの軸方向に沿うように操作レバー2に向かってベルト20の厚みよりも小さい量で突出し、かつ、ねじ121A,121Bで固定板80が締結されると操作レバー2と接触する凸部82A~82Dと、を備える。
【0063】
この構成によれば、ねじ121A,121Bで固定板80が締結されると、固定板80から突出する凸部82A~82Dが操作レバー2と接触する。そのため、ねじ121A,121Bの締結力を正確に決める必要がなく、一定の締結力で操作レバー2とベルト20とを連結することができる。したがって、操作レバー2とベルト20との位置関係を一定に保つことができる。
【0064】
本実施形態に係る凸部82A~82Dは、ベルト20の幅方向の両端の少なくとも2箇所に設けられている。
この構成によれば、ベルト20に開口を形成する必要がなく、ねじ121A,121Bの締結力の管理を行うことができる。
【0065】
本実施形態に係る操作レバー2は、前記一方向に直線移動可能である。ベルト20は、操作レバー2の直線移動に対して平行に移動可能である。凸部82A~82Dは、ベルト20に対して線接触となるような形状を有する。
この構成によれば、凸部82A~82Dがベルト20に対して点接触となるような形状を有する場合と比較して、操作レバー2の移動方向とベルト20の移動方向との平行度を高めることができる。
【0066】
本実施形態に係る凸部82A~82Dは、ベルト20の長手方向に沿って複数設けられている。
この構成によれば、凸部82A~82Dがベルト20の長手方向において1つのみ設けられている場合と比較して、操作レバー2の移動方向とベルト20の移動方向との平行度を高めることができる。
【0067】
本実施形態に係る凸部82A~82Dは、ねじ121A,121Bを介して互いに間隔をあけて複数設けられている。
この構成によれば、凸部82A~82Dがねじ121A,121Bの一側方にのみ設けられている場合と比較して、ねじ121A,121Bの締結力をより安定させることができる。
【0068】
本実施形態に係る操作レバー2は、一体物である。凸部82A~82Dは、固定板80に設けられている。
この構成によれば、一体物である操作レバー2に凸部82A~82Dが設けられている場合と比較して、製造負担を軽減することができる。
【0069】
本実施形態に係るベルト20の幅方向は、鉛直方向に沿っている。
この構成によれば、ベルト20の幅方向が水平方向に沿っている場合と比較して、ベルト20の幅方向におけるベルト20のずれがより大きくなる。したがって、操作レバー2の移動方向とベルト20の移動方向との平行度を確保する上で有利となる。
【0070】
<第2実施形態>
図9は、第2実施形態の固定板の連結構造を示す斜視図である。
図10は、
図9のX-X断面図である。
上述した第1実施形態では、凸部82A~82Dの接触面は、第1接続壁91の左側面に沿う平面である例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、
図9及び
図10に示すように、凸部282A~282Dは、第1接続壁91の左側面と接触する接触面83から更に突出する突出部284を備えていてもよい。
図9及び
図10において、上記第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0071】
例えば、突出部284の形状は、円柱形状である。例えば、突出部284の形状は、上記に限らず、角柱形状であってもよい。例えば、突出部284の形状は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0072】
突出部284は、複数の凸部282A~282Dのそれぞれに設けられている。図の例では、4つの凸部282A~282Dの接触面83のそれぞれから突出する突出部284(4つの突出部284)を示している。例えば、突出部284は、上記に限らず、4つの凸部282A~282Dのうちのいずれか(1つの凸部)に設けられていてもよい。例えば、突出部284は、複数の凸部282A~282Dのうち少なくとも1つに設けられていてもよい。例えば、突出部284の設置数は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0073】
第1接続壁91(操作レバー2の根元90)は、突出部284と嵌まり合う凹部295を備える。例えば、突出部284は、凹部295に圧入されている。凹部295の形状は、凸部282A~282Dの外形に沿う形状である。例えば、突出部284の形状が円柱形状である場合は、凹部295の形状は同様の円柱形状となる。例えば、凹部295の形状は、上記に限らず、突出部284の形状に応じて変更することができる。
【0074】
本実施形態に係る凸部282A~282Dは、第1接続壁91の左側面と接触する接触面83から更に突出する突出部284を備える。第1接続壁91は、突出部284と嵌まり合う凹部295を備える。
この構成によれば、操作レバー2とベルト20との位置関係を一定に保つとともに、操作レバー2と固定板80との位置決めを行うことができる。
【0075】
本実施形態では、各凸部282A~282Dの接触面83から突出部284が突出しており、各突出部284と嵌まり合う凹部295がある。そのため、操作レバー2と固定板80との平行度を高めることができる。
【0076】
<変形例>
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0077】
上述した実施形態では、操作レバーは、船舶の主機回転数を調整するために一方向に移動可能である例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、操作レバーは、船舶の速度(船速)を調整するために一方向に移動可能であってもよい。例えば、船舶が可変ピッチプロペラ(CPP:Controllable Pitch Propeller)を備える場合、操作レバーは翼角を調整するために一方向に移動可能であってもよい(例えば、CPP船)。船舶の推進速度には、主機回転数、船速及び翼角等が含まれる。例えば、操作レバーは、船舶の推進速度を調整するために一方向に移動可能であればよい。例えば、操作レバーの調整態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0078】
上述した実施形態では、凸部が固定板から操作レバーに向かって突出する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、凸部は、操作レバーから固定板に向かって突出していてもよい。例えば、凸部は、操作レバー及び固定板の少なくとも一方からねじの軸方向に沿うように他方に向かってベルトの厚みよりも小さい量で突出していればよい。例えば、凸部の突出態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0079】
上述した実施形態では、凸部は、ベルトの幅方向の両端の少なくとも2箇所に設けられている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、ベルトに開口が形成されており、凸部がベルトの開口の1箇所のみに設けられていてもよい。例えば、凸部の設置数は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0080】
上述した実施形態では、操作レバーは、前記一方向に直線移動可能である例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、操作レバーは、前記一方向に曲線移動可能であってもよい。例えば、操作レバーの移動方向は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0081】
上述した実施形態では、ベルトは、操作レバーの直線移動に対して平行に移動可能である例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、操作レバーが曲線移動可能である場合、ベルトは、操作レバーの曲線移動に沿うように移動可能であってもよい。例えば、ベルトの移動方向は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0082】
上述した実施形態では、凸部は、ベルトに対して線接触となるような形状を有する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、凸部は、ベルトに対して点接触となるような形状を有してもよい。例えば、ベルトに対する凸部の接触態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0083】
上述した実施形態では、凸部は、ベルトの長手方向に沿って複数設けられている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、凸部は、ベルトの長手方向において1つのみ設けられていてもよい。例えば、ベルトの長手方向における凸部の設置態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0084】
上述した実施形態では、凸部は、ねじを介して互いに間隔をあけて複数設けられている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、凸部は、ねじの一側方にのみ設けられていてもよい。例えば、ねじに対する凸部の設置態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0085】
上述した実施形態では、操作レバーは、一体物である例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、操作レバーは、複数の部品を組み合わせて製造した物であってもよい。例えば、操作レバーの構成態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0086】
上述した実施形態では、凸部は、固定板に設けられている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、凸部は、操作レバーに設けられていてもよい。例えば、凸部の設置態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0087】
上述した実施形態では、ベルトの幅方向は、鉛直方向に沿っている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、ベルトの幅方向は、水平方向に沿っていてもよい。例えば、ベルトの幅方向の配置態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0088】
上述した実施形態では、連結部材の左側壁は、底壁の左端から分岐するように前後一対設けられている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、連結部材の左側壁は、一つの平面部で構成されていてもよい。例えば、ねじは、第1接続壁及び左側壁に連結されていてもよい。例えば、連結部材の構成態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0089】
上述した実施形態では、操作レバーの移動方向が前後方向である例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、操作レバーの移動方向が鉛直方向であってもよい。例えば、操作レバーの移動方向は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0090】
上述した実施形態では、ベルトが無端状である例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、ベルトは、無端状でなくてもよい。例えば、ベルトは、2つの回転体に架け渡される帯状をなしていてもよい。例えば、ベルトの態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0091】
上述した実施形態では、検出部がポテンショメータである例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、検出部は、エンコーダ、リミットスイッチカム等であってもよい。例えば、検出部の態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0092】
上述した実施形態では、ポテンショメータが2つ設けられている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、ポテンショメータは、1つのみ設けられていてもよい。例えば、ポテンショメータの設置数は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0093】
上述した実施形態では、板状部材がベルトの下方に設けられている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、板状部材は、ベルトの上方に設けられていてもよい。例えば、板状部材の配置位置は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0094】
上述した実施形態では、船舶用操縦装置がモータを備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、船舶用操縦装置は、モータを備えていなくてもよい。すなわち、操作レバーは、モータにより自動的に操作されず手動のみで操作可能であってもよい。例えば、操作レバーの操作態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0095】
上述した実施形態では、プーリが鍔を有する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、プーリは、鍔を有しなくてもよい。例えば、プーリの態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0096】
上述した実施形態では、レール及びキャリッジが操作レバー2を直線移動させるためのリニアガイドを構成する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、船舶用操縦装置は、リニアガイドの代わりに、ボールスプライン等の他の直線運動機構を備えていてもよい。例えば、直線運動機構の態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0097】
上述した実施形態では、ラック及びピニオンが操作レバー2を直線移動させるためのラック・アンド・ピニオンを構成する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、船舶用操縦装置は、ラック・アンド・ピニオンを備えていなくてもよい。例えば、船舶用操縦装置は、ラック・アンド・ピニオン以外の他の直線運動機構を備えていてもよい。
【0098】
上述した実施形態では、操作レバーが連結部材を介してキャリッジに連結されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、操作レバーは、キャリッジに直に連結されていてもよい。例えば、操作レバーと直線運動機構との連結態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0099】
上述した実施形態では、船舶用操縦装置が船舶のエンジン制御室に設けられるエンジンテレグラフである例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、船舶用操縦装置は、船舶のブリッジに設けられるテレグラフであってもよい。例えば、船舶用操縦装置の態様は、設計仕様に応じて変更することができる。例えば、船舶用操縦装置は、船舶の推進速度を調整するために一方向に移動可能な操作レバーと、前記操作レバーの移動に連動するベルトと、前記ベルトを挟んで前記操作レバーに対してねじで締結される固定板と、前記ベルトの移動量を検出可能な検出部と、前記操作レバー及び前記固定板の少なくとも一方から前記ねじの軸方向に沿うように他方に向かって前記ベルトの厚みよりも小さい量で突出し、かつ、前記ねじで前記固定板が締結されると前記他方と接触する凸部と、を備えていればよい。
【0100】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは可能である。また、上述した各変形例を組み合わせても構わない。
本明細書で開示した実施形態のうち、複数の物体で構成されているものは、当該複数の物体を一体化してもよく、逆に一つの物体で構成されているものを複数の物体に分けることができる。一体化されているか否かにかかわらず、発明の目的を達成できるように構成されていればよい。
【符号の説明】
【0101】
1…船舶用操縦装置、2…操作レバー、20…ベルト、21…ポテンショメータ(検出部)、80…固定板、82A,82B,82C,82D…凸部、83…接触面、90…操作レバーの根元(操作レバー)、121A,121B…ねじ、282A,282B,282C,282D…凸部、284…突出部、295…凹部