IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 理想科学工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-画像検査装置 図1
  • 特開-画像検査装置 図2
  • 特開-画像検査装置 図3
  • 特開-画像検査装置 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055460
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】画像検査装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/393 20060101AFI20240411BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20240411BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240411BHJP
   G01N 21/892 20060101ALI20240411BHJP
   H04N 1/40 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
B41J29/393 105
B41J29/42 F
B41J29/38
G01N21/892 A
H04N1/40 006
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162407
(22)【出願日】2022-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】海老澤 崇
【テーマコード(参考)】
2C061
2G051
5C077
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AR01
2C061AS02
2C061CQ04
2C061CQ23
2C061CQ34
2C061HJ07
2C061HK11
2C061HN15
2C061KK04
2C061KK24
2C061KK28
2C061KK35
2G051AA32
2G051AB11
2G051AC21
2G051CA04
2G051DA06
2G051EB01
2G051EB09
2G051ED01
2G051ED04
2G051ED08
2G051ED11
5C077LL11
5C077MM05
5C077MP08
5C077NP01
5C077PP32
5C077PP74
5C077PQ20
5C077TT05
(57)【要約】
【課題】ユーザーが望む各検査項目の検査基準値から閾値を容易に取得する。
【解決手段】コントローラ100から吐出データを取得し用紙に対して印刷する印刷部30と、印刷部30により印刷された用紙から画像を読み取る読み取り装置2と、用紙を読取った検査画像データと、コントローラ100から吐出データを取得し基準画像データを生成する基準画像データ生成部71と、検査画像データと基準画像データを検査閾値に基づいて比較照合する画像検査部72と、検査不合格とする印字部分を含む印刷物を読み取り装置2で取得し、表示/入力パネル61に表示させ、ユーザーが検査不合格とする領域を少なくとも1つ以上を指定した場合に、検査不合格を含む印刷物の画像データと基準画像データとの検査閾値の差分に基づいて検査閾値を算出する閾値算出部73とを備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラから吐出データを取得し用紙に対して印刷する印刷部と、
前記印刷部により印刷された用紙から画像を読み取る読み取り部と、
前記用紙を読取った検査画像データと、コントローラから吐出データを取得し基準画像データを生成する基準画像データ生成部と、
前記検査画像データと前記基準画像データを検査閾値に基づいて比較照合する画像検査部と、
検査不合格とする印字部分を含む印刷物を前記読み取り部で取得し、検査装置の表示部に表示させ、ユーザーが検査不合格とする領域を少なくとも1つ以上を指定した場合に、検査不合格を含む印刷物の画像データと前記基準画像データとの前記検査閾値の差分に基づいて前記検査閾値を算出する閾値算出部と、
を備えたことを特徴とした印刷物検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を検査する印刷物検査装置に係り、特に、ユーザーが望む各検査項目の検査基準値から閾値を容易に取得する印刷物検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷物検査装置は、基準画像データ(吐出データ)と検査画像データ(スキャン画像)とを比較照合し、検査画像データの印字不良(例えば、インクのぼた落ち、再転写汚れ、不吐出による抜けなど)の良否判定を行っている。検査画像データ(スキャン画像)は、例えば、印刷装置により印刷された用紙をスキャンすることで得る。
【0003】
このとき、基準画像データと検査画像データを同一フォーマットにしても、印字不良の無い状態の検査画像データの各RGB値と、基準画像データの各RGB値が全く同値になることは皆無であり、僅かに異なる値になることが一般的に知られている。
【0004】
特許文献1では、印刷前工程(プリプレス)で使用されるデータを利用し、これを基にして検査基準画像データとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-152700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、印刷前工程(プリプレス)で使用されるデータを利用し、これを基にして検査基準画像データとするので、ユーザーが望む各検査項目の検査基準値から閾値を容易に取得することはできないという課題があった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ユーザーが望む各検査項目の検査基準値から閾値を容易に取得することができる画像検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る印刷物検査装置の第1の特徴は、
コントローラから吐出データを取得し用紙に対して印刷する印刷部と、
前記印刷部により印刷された用紙から画像を読み取る読み取り部と、
前記用紙を読取った検査画像データと、コントローラから吐出データを取得し基準画像データを生成する基準画像データ生成部と、
前記検査画像データと前記基準画像データを検査閾値に基づいて比較照合する画像検査部と、
検査不合格とする印字部分を含む印刷物を前記読み取り部で取得し、検査装置の表示部に表示させ、ユーザーが検査不合格とする領域を少なくとも1つ以上を指定した場合に、検査不合格を含む印刷物の画像データと前記基準画像データとの前記検査閾値の差分に基づいて前記検査閾値を算出する閾値算出部と、
を備えたことにある。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る印刷物検査装置の特徴によれば、ユーザーが望む各検査項目の検査基準値から閾値を容易に取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る印刷物検査装置の機能構成を示した機能構成図である。
図2】本発明の一実施形態に係る印刷物検査装置において、ユーザーの印刷物で検出NGにしたい不良領域が存在するものが用いられた場合における閾値算出部の作用を模式的に説明した説明図である。(a)は、検出NGにしたい不良領域が存在する印刷物を読み取り装置でスキャンされた検査画像データの一例を示した図であり、(b)は、(a)に示した検査画像データに含まれる画像領域を拡大した図であり、(c)は、検査画像データと元画像が同一であり、かつ不良領域が存在しない基準画像データのうち、検査画像データの画像領域に対応する領域を拡大した図である。
図3】本発明の一実施形態に係る印刷物検査装置における検査処理の処理内容を示したフローチャートである。
図4】本発明の一実施形態に係る印刷物検査装置の閾値算出部における検査閾値の自動算出処理の処理内容を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一若しくは同等の部位や構成要素には、同一若しくは同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
【0012】
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0013】
<印刷物検査装置の機能構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る印刷物検査装置10の機能構成を示した機能構成図である。
【0014】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る印刷物検査装置10は、画像検査装置1と、画像形成装置3と、画像読み取り装置2とを備えている。画像検査装置1と、画像形成装置3とはネットワーク9を介して接続されており、さらにコントローラ100にも接続されている。
【0015】
画像検査装置1には、画像読み取り装置2が接続されている。
【0016】
コントローラ100は、ソフトウェアを実行することにより、画像データ(吐出データ)を生成し、生成した画像データと、各種印刷設定情報とをジョブとしてネットワーク9を介して画像形成装置3および画像検査装置1へ送信する。
【0017】
画像読み取り装置2は、図示しないが、例えば、ラインセンサであるCIS(Contact Image Sensor)を有し、多ページの用紙を連続して読み取ることが可能な、自動原稿読取装置(詳細な説明は省略する)である。
【0018】
画像形成装置3は、操作部62と、ネットワークインタフェース部83と、制御装置部75とを備えている。
【0019】
制御装置部75は、給紙部20と、印刷部30と、排紙部40と、反転部50とを備えている。
【0020】
給紙部20は、用紙が積層される給紙台を備え、この給紙台から用紙を1枚ずつ印刷部30へ向かって搬送経路上を搬送させる。
【0021】
印刷部30は、複数の印字ヘッドが組み込まれたC(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各色のヘッドユニットを備え、搬送ローラにより用紙を搬送経路上でヘッドユニット方向へ搬送しながらヘッドユニットからインクを吐出することにより、ライン単位で用紙に印刷する。
【0022】
排紙部40は、印刷部30により印刷された用紙を排紙する。
【0023】
反転部50は、印刷部30により印刷された用紙の表裏を反転し、再度、搬送経路に搬送させることにより、印刷部30に用紙の両面を印刷させる。なお、片面印刷の場合には、反転部50は、使用されない。
【0024】
操作部62は、画像形成装置3の上部に設けられ、表示/入力パネル63と、印刷等を開始させるためのスタートキー、印刷等を停止させるためのストップキー、印刷枚数等を入力するためのテンキー(いずれも図示せず)等の各種操作キーとを備え、ユーザー操作に基づく操作信号を制御装置部75に供給する。
【0025】
ネットワークインタフェース部83は、ネットワークカードなどの通信インタフェースであり、このネットワークインタフェース部83により画像形成装置3をネットワーク9に接続することによって、ネットワーク9に接続されたコントローラ100から画像データを含むジョブを受信したり、各種信号を送受信したりする。
【0026】
画像検査装置1は、操作部60と、ネットワークインタフェース部80と、外部インタフェース部82と、制御部70と、記憶部90とを備える。
【0027】
操作部60は、表示/入力パネル61と、画像の検査に関する各種操作キーとを備え、ユーザー操作に基づく操作信号を制御部70に供給する。
【0028】
ネットワークインタフェース部80は、ネットワークカードなどの通信インタフェースであり、このネットワークインタフェース部80により画像検査装置1をネットワーク9に接続することによって、ネットワーク9に接続されたコントローラ100から画像データを受信したり、各種信号を送受信したりする。
【0029】
外部インタフェース部82は、画像読み取り装置2との接続インタフェースであり、画像読み取り装置2により読み取られた画像データ(検査画像データ)を制御部70へ供給する。
【0030】
記憶部90は、制御部70が画像データを受信すると、この受信した画像データを記憶する。また、記憶部90は、検査画像データと基準画像データとを比較照合するための検査閾値を記憶している。検査閾値は、検査項目ごとに、例えば、色差閾値や大きさ閾値などを有している。また、記憶部90は、画像読み取り装置2により読み取られた画像データの色補正を行うための色変換テーブルを記憶している。
【0031】
制御部70は、画像検査装置1の中枢的制御を行う。また、制御部70は、その機能上、基準画像データ生成部71と、画像検査部72と、閾値算出部73とを備える。
【0032】
基準画像データ生成部71は、画像読み取り装置2により読み取られた検査画像データと、コントローラ100から画像データ(吐出データ)とを取得し、基準画像データを生成する。
【0033】
画像検査部72は、画像読み取り装置2により読み取られた検査画像データと、基準画像データ生成部71により生成された基準画像データとを比較照合する。
【0034】
閾値算出部73は、検査不合格とする印字部分を含む印刷物を、読み取り装置2で取得し、画像検査装置1の表示/入力パネル61に表示させる。
【0035】
例えば、予めメーカーが作成した設定値確認用チャート、またはユーザーの印刷物で検出NGにしたい不良領域が存在するものを、読み取り装置2でスキャンし検査画像データを取込む。
【0036】
そして、ユーザーは、画像検査装置1の表示/入力パネル61から、検査不合格とする領域を指定する。例えば、検査画像データと、印刷物と同じ紙色のみの基準画像データとの両方を、画像検査装置1の表示/入力パネル61に表示し、ユーザーが検査画像データ上の不良として検出したい不良領域を指定する。このとき、ユーザーは複数の不良領域を指定できる。
【0037】
検査不合格とする領域が指定されると、閾値算出部73は、検査不合格を含む印刷物の画像データと、基準画像データの検査閾値の差分に基づいて検査閾値を算出する。具体的には、閾値算出部73は、ユーザーにより指定された不良領域部と、指定された不良領域部に該当する基準画像データとを比較し、各検査項目に対応する設定済の検査閾値との差分を算出し、表示/入力パネル61に表示させる。ここで、各検査項目とは、例えば、色の差、色の差の大きさなどがあり、それらに対する既存の設定値と、ユーザーにより指定された不良領域部を検出するための設定値の差を算出し表示する。
【0038】
ユーザーは、表示/入力パネル61に表示された「設定値反映」ボタンを押下操作すると、閾値算出部73は、算出した差分に任意マージンを加えた値を、新たな検査閾値として設定する。なお、複数の不良領域を設定した場合は、各々の検査項目に対する差の、最も厳しい値を、新たな検査閾値として選択する。
【0039】
ユーザーが不良部分の印刷物を見て、その不良部分を検査不合格にするための各種閾値を一回の作業で主観的(感覚的)に導き出すのは困難である。そのため、従来技術では、何回もカット&トライしながら閾値を導き出していた。
【0040】
一方、本発明の一実施形態に係る印刷物検査装置10では、閾値算出部73は、検査不合格とする印字部分を含む印刷物を読み取り装置2で取得し、画像検査装置1の表示/入力パネル61に表示させ、ユーザーが検査不合格とする領域を少なくとも1つ以上を指定した場合に、検査不合格を含む印刷物の画像データと基準画像データとの検査閾値の差分に基づいて検査閾値を算出する。
【0041】
これにより、ユーザーは印刷物上の不良部分として扱いたい箇所を目視で認識し、その不良部分を適確に検出する各検査項目の閾値を容易に算出し、設定することが可能となる。
【0042】
図2は、本発明の一実施形態に係る印刷物検査装置10において、ユーザーの印刷物で検出NGにしたい不良領域が存在するものが用いられた場合における閾値算出部73の作用を模式的に説明した説明図である。(a)は、検出NGにしたい不良領域が存在する印刷物を読み取り装置2でスキャンされた検査画像データの一例を示した図であり、(b)は、(a)に示した検査画像データに含まれる画像領域A101を拡大した図であり、(c)は、検査画像データと元画像が同一であり、かつ不良領域が存在しない基準画像データのうち、検査画像データの画像領域A101に対応する領域を拡大した図である。
【0043】
図2(a)に示すように、検査画像データG101には、検出NGにしたい不良領域が存在している。
【0044】
図2(b)に示すように、ユーザーは、画像検査装置1の表示/入力パネル61から、大きさと色味に対して検査不合格とする領域B101および領域B102の2領域が指定されている。
【0045】
領域B101では、(R,G,B)=(150,150,150)であり、大きさは、25(画素)(=5(画素)×5(画素))である。また、領域B102では、(R,G,B)=(0,250,250)であり、大きさは、64(画素)(=8(画素)×8(画素))である。
【0046】
図2(c)に示すように、領域C101は、ユーザーが画像検査装置1の表示/入力パネル61から指定した領域B101に対応する基準画像データG103上の領域である。同様に、領域C102は、ユーザーが画像検査装置1の表示/入力パネル61から指定した領域B102に対応する基準画像データG103上の領域である。
【0047】
領域C101および領域C102では、(R,G,B)=(255,255,255)であり、大きさは、0(画素)である。
【0048】
そこで、閾値算出部73は、検査画像データG101と、基準画像データG103との、各領域の検査閾値の差分を算出する。
【0049】
領域B101では、検査閾値である色差閾値は、(R,G,B)=(105,105,105)=(255-150,255-150,255-150)として差分が算出され、検査閾値である大きさ閾値は、25(画素)=|0-25|として差分が算出される。
【0050】
領域B102では、検査閾値である色差閾値は、(R,G,B)=(255,5,5)=(255-0,255-250,255-250)として差分が算出され、検査閾値である大きさ閾値は、64(画素)=|0-64|として差分が算出される。
【0051】
色差閾値として、検査画像データG101の差分が(R,G,B)=(105,105,105)であり、検査画像データG102の差分が(R,G,B)=(255,5,5)であるので、閾値算出部73は、最も厳しい値として、(R,G,B)=(255,105,105)として、新たな検査閾値(色差閾値)として設定する。また、大きさ閾値として、検査画像データG101の差分が25(画素)であり、検査画像データG102の差分が64(画素)であるので、閾値算出部73は、最も厳しい値として、64(画素)として、新たな検査閾値(大きさ閾値)として設定する。
【0052】
なお、ここでは、閾値算出部73は、各々の検査項目に対する差の、最も厳しい値を、新たな検査閾値として設定したが、予め指定した領域の差分を検査閾値として設定してもよい。また、閾値算出部73は、算出した差分に任意マージンを加えた値を、新たな検査閾値として設定してもよい。
【0053】
また、閾値算出部73は、記憶部90に記憶された各検査項目に対応する設定済の検査閾値を読み出し、読み出した設定済の検査閾値との差分を算出し、算出した差分に任意マージンを加えた値を、新たな検査閾値として設定するようにしてもよい。
【0054】
このとき、画像検査装置1の表示/入力パネル61で、算出した新たな各種検査項目の検査閾値と、現在設定済みの各種検査項目の検査閾値の双方の値を同時に表示することを可能とし、双方の値のうちどちらか一方を新たな検査閾値として設定可能としてもよい。これにより、ユーザーは、現在設定済の検査閾値と、新たに算出した検査閾値とを比較しながら、どちらを採用するかを選択できる。
【0055】
<印刷物検査装置の作用>
図3は、本発明の一実施形態に係る印刷物検査装置10における検査処理の処理内容を示したフローチャートである。
【0056】
ステップS101において、コントローラ100が、画像形成装置3と画像検査装置1に画像データ(片面または両面のRIPデータ)を送信する。
【0057】
ステップS103において、画像形成装置3の印刷部30が、受信した画像データに基づいて印刷し、印刷された用紙を読み取り装置2まで搬送する。
【0058】
ステップS105において、読み取り装置2が印刷された用紙の検査面のスキャンデータを取得する。この取得されたデータが検査画像データとして生成される。
【0059】
一方、ステップS107において、画像検査装置1は、受信した画像データ(片面または両面のRIPデータ)を256諧調に伸長する。これにより、色補正前の画像データが生成される。
【0060】
ステップS109において、画像検査装置1は、受信した画像データ(片面または両面のRIPデータ)を256諧調に伸長した画像データに対して、記憶部90に記憶した固定の色変換テーブルを用いて色補正を行う。これにより、色補正後の画像データが生成される。
【0061】
ステップS111において、画像検査装置1は、色補正後の画像データに膨張処理を施すことにより、基準画像データを生成する。
【0062】
ステップS113において、画像検査装置1は、生成した基準画像データと、検査画像データとを比較照合する。
【0063】
ステップS115において、画像検査装置1は、比較照合の結果、検査閾値を超えたか否かを判定する。
【0064】
検査閾値を超えたと判定された場合(ステップS225;YES)、ステップS117において、画像検査装置1は、検査エラーと判定する。
【0065】
ステップS119において、印刷物検査装置10は、印刷が終了したと判定した場合には(YES)、処理を終了し、印刷が終了していないと判定した場合には(NO)、処理をステップS101に移行させる。
【0066】
図4は、本発明の一実施形態に係る印刷物検査装置10の閾値算出部73における検査閾値の自動算出処理の処理内容を示したフローチャートである。ここでは、「メーカー作成の設定閾値確認用データ」を用いた場合を例に挙げて説明する。
【0067】
ステップS201において、コントローラ100は、画像形成装置3に「メーカー作成の設定閾値確認用データ」を送信する。
【0068】
ステップS203において、画像形成装置3の印刷部30は、受信した「メーカー作成の設定閾値確認用データに基づいて用紙に印刷し、印刷された用紙を読み取り装置2まで搬送する。
【0069】
ステップS205において、読み取り装置2は、印刷された用紙の検査面のスキャンデータを取得する。これにより、検査画像データが生成される。
【0070】
ステップS207において、画像検査装置1は、真っ白の基準画像データを生成する。
【0071】
ステップS209において、画像検査装置1は、基準画像データ(真っ白データ)と検査画像データを表示/入力パネル61に表示させる。
【0072】
ステップS211において、ユーザーが検査画像データの不良領域を指定する。このとき、複数の不良領域を指定することが可能となる。
【0073】
ステップS213において、不良領域指定が完了したか否かを判定する。
【0074】
不良領域指定が完了した場合(ステップS213;YES)、ステップS215において、画像検査装置1は、指定した不良領域に対する検査閾値として、「色差閾値」と「大きさ閾値」とを算出する。
【0075】
ステップS217において、画像検査装置1は、「色差閾値」と「大きさ閾値」とを設定すると共に、記憶部90に記憶させる。
【0076】
(付記)
本出願は、以下の発明を開示する。
【0077】
(付記1)
コントローラから吐出データを取得し用紙に対して印刷する印刷部と、
前記印刷部により印刷された用紙から画像を読み取る読み取り部と、
前記用紙を読取った検査画像データと、コントローラから吐出データを取得し基準画像データを生成する基準画像データ生成部と、
前記検査画像データと前記基準画像データを検査閾値に基づいて比較照合する画像検査部と、
検査不合格とする印字部分を含む印刷物を前記読み取り部で取得し、検査装置の表示部に表示させ、ユーザーが検査不合格とする領域を少なくとも1つ以上を指定した場合に、検査不合格を含む印刷物の画像データと前記基準画像データとの前記検査閾値の差分に基づいて前記検査閾値を算出する閾値算出部と、
を備えたことを特徴とした印刷物検査装置。
【0078】
これにより、印刷物の印面を検査する印刷物検査装置において、基準画像データと検査画像データの複数範囲を比較照合し、最も差分が大きい、または最も差分が小さい値を算出し、新たな検査閾値として設定することで、ユーザーは印刷物上の不良領域として扱いたい箇所を目視確認でき、その不良部分を適確に検出する検査閾値として算出し、設定することができる。
【符号の説明】
【0079】
1 画像検査装置
2 画像読み取り装置
3 画像形成装置
9 ネットワーク
10 印刷物検査装置
20 給紙部
30 印刷部
40 排紙部
50 反転部
60 操作部
61 表示/入力パネル
62 操作部
63 表示/入力パネル
70 制御部
71 基準画像データ生成部
72 画像検査部
73 閾値算出部
75 制御装置部
80 ネットワークインタフェース部
82 外部インタフェース部
83 ネットワークインタフェース部
90 記憶部
100 コントローラ
図1
図2
図3
図4