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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055465
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】重量測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01G 23/00 20060101AFI20240411BHJP
【FI】
G01G23/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162415
(22)【出願日】2022-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】森本 健太
(72)【発明者】
【氏名】徳山 雄生
(72)【発明者】
【氏名】婦木 慎一郎
(57)【要約】
【課題】蓄電装置の残量が尽きることを抑制すること。
【解決手段】重量測定装置は、重量センサと、受電部と、蓄電装置と、通知部と、制御部と、を備える。重量センサは、物品の重量を測定する。受電部は、送電装置から非接触給電によって供給される電力を受電電力として受電する。蓄電装置は、受電部が受電した受電電力によって充電される。通知部は、重量に関する情報を通知する。制御部は、重量センサによって測定される重量が閾値以上変化した場合に、送電装置に給電要求信号を送信する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の重量を測定する重量センサと、
送電装置から非接触給電によって供給される電力を受電電力として受電する受電部と、
前記受電電力によって充電される蓄電装置と、
前記重量に関する情報を通知するための通知部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、前記重量センサによって測定される前記重量が閾値以上変化した場合に、前記送電装置に給電要求信号を送信する、重量測定装置。
【請求項2】
前記通知部は、外部端末と通信可能に構成された通信装置であり、
前記通信装置は、前記情報として前記重量が所定値を下回ったことを前記外部端末に通知する、請求項1に記載の重量測定装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記物品の使用回数、前記物品の使用量、及び前記物品の使用間隔に基づいて前記物品の前記重量が予め定められた下限値になるまでの予測時間を算出し、
前記情報として前記予測時間を示す情報を前記通知部によって通知する、請求項1又は請求項2に記載の重量測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、重量測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示の重量測定装置は、重量センサと、通信装置と、蓄電装置と、制御部と、を備える。重量センサは、商品の重量を測定する。通信装置は、サーバーとの間で情報を送受信する。蓄電装置は、重量測定装置の電力源になる。制御部は、設定された測定頻度で重量センサから商品の重量の測定データを取得する。制御部は、測定データをサーバーに送信する。サーバーは、商品の残量を算出する。サーバーは、商品の残量が適正在庫量よりも少ない場合、通知を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6665234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の重量測定装置では、蓄電装置の残量が尽きると、蓄電装置を交換する必要がある。このため、蓄電装置の交換に手間がかかる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、上記課題を解決するための重量測定装置の各態様を記載する。
[態様1]物品の重量を測定する重量センサと、送電装置から非接触給電によって供給される電力を受電電力として受電する受電部と、前記受電電力によって充電される蓄電装置と、前記重量に関する情報を通知するための通知部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記重量センサによって測定される前記重量が閾値以上変化した場合に、前記送電装置に給電要求信号を送信する、重量測定装置。
【0006】
受電部は、非接触給電によって供給される電力を受電電力として受電する。蓄電装置は、受電電力によって充電される。送電装置によって蓄電装置を充電することができるため、蓄電装置の残量が尽きることを抑制できる。
【0007】
[態様2]前記通知部は、外部端末と通信可能に構成された通信装置であり、前記通信装置は、前記情報として前記重量が所定値を下回ったことを前記外部端末に通知する、[態様1]に記載の重量測定装置。
【0008】
物品の重量が所定値を下回ったことを外部端末に通知することができる。
[態様3]前記制御部は、前記物品の使用回数、前記物品の使用量、及び前記物品の使用間隔に基づいて前記物品の前記重量が予め定められた下限値になるまでの予測時間を算出し、前記情報として前記予測時間を示す情報を前記通知部によって通知する、[態様1]又は[態様2]に記載の重量測定装置。
【0009】
物品の重量が予め定められた下限値になるまでの時間を通知することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、蓄電装置の残量が尽きることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】重量測定システムの概略構成図である。
図2図1の重量測定システムが備える重量測定装置を示す側面図である。
図3図2の重量測定装置の平面図である。
図4図1の制御部が行う制御を示すフローチャートである。
図5図4の残量判定処理を示すフローチャートである。
図6図4の省電力モード切替処理を示すフローチャートである。
図7】重量測定装置の変更例を示す側面図である。
図8】予測処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
重量測定装置の一実施形態について説明する。
図1に示すように、重量測定システム10は、送電装置11と、重量測定装置21と、を備える。送電装置11は、重量測定装置21に非接触給電を行う。重量測定装置21は、物品の重量を測定する。
【0013】
<送電装置>
送電装置11は、送電制御部12を備える。送電制御部12は、例えば、プロセッサ13と、記憶部14と、を備える。記憶部14は、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)を含む。記憶部14は、処理をプロセッサ13に実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。記憶部14、即ち、コンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。送電制御部12は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェア回路によって構成されていてもよい。処理回路である送電制御部12は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASICやFPGA等の1つ以上のハードウェア回路、或いは、それらの組み合わせを含み得る。
【0014】
送電装置11は、送電電力変換部15を備える。送電電力変換部15は、電力源から供給される電力を送電周波数の電気信号に変換する。電力源は、例えば、蓄電装置、又は系統電源である。電力源が系統電源である場合、送電装置11は、系統電源から供給される交流電力を直流電力に変換する変換器を備えていてもよい。送電電力変換部15は、例えば高周波増幅回路やチョッパ回路等のスイッチング素子を含む回路を備える。送電電力変換部15のスイッチング素子の制御を介して、送電電力変換部15は、電力源から供給される直流電力を、交流電力の電気信号として出力する。すなわち送電電力変換部15は、DC/ACインバータとしての機能を有する。
【0015】
送電装置11は、送電アンテナ16を備える。送電アンテナ16は、送電電力変換部15から出力される電気信号を電力伝送信号W1に変換して送信する。送電アンテナ16は、例えば、モノポールアンテナ、ダイポールアンテナ、ヘリカルアンテナ、パラボラアンテナ、マイクロストリップアンテナ、又は複数のアンテナを含むアンテナアレイである。電力伝送信号W1は、マイクロ波を含む。本実施形態では、マイクロ波式の非接触給電が行われるが、非接触給電は任意の方式で行われてもよい。例えば、非接触給電は、レーザー式、又は超音波式であってもよい。
【0016】
送電装置11は、通信アンテナ17を備える。通信アンテナ17は、通信信号W2を送受信可能に構成されている。通信アンテナ17は、給電要求信号W3を受信可能に構成されている。通信アンテナ17と送電アンテナ16とは、別々に設けられていてもよいし、送電アンテナ16を通信アンテナ17として兼用してもよい。給電要求信号W3を受信するアンテナは、通信アンテナ17と別に設けられていてもよい。
【0017】
送電装置11は、送電通信部18を備える。送電通信部18は、送電アンテナ16が受信した通信信号W2を復調する。送電通信部18は、復調により得られたデータを送電制御部12に向けて出力する。送電通信部18は、送電制御部12が出力するデータに基づき変調を行った通信信号W2を通信アンテナ17から送信する。送電通信部18は、給電要求信号W3を復調する。送電通信部18は、復調により得られたデータを送電制御部12に向けて出力する。
【0018】
<重量測定装置>
重量測定装置21は、制御部22を備える。制御部22は、例えば、プロセッサ23と、記憶部24と、を備える。記憶部24は、RAM、及びROMを含む。記憶部24は、処理をプロセッサ23に実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。記憶部24、即ち、コンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。制御部22は、ASICやFPGA等のハードウェア回路によって構成されていてもよい。処理回路である制御部22は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASICやFPGA等の1つ以上のハードウェア回路、或いは、それらの組み合わせを含み得る。
【0019】
重量測定装置21は、受電アンテナ25を備える。受電アンテナ25は、電力伝送信号W1を受信可能に構成されている。受電アンテナ25は、例えば、モノポールアンテナ、ダイポールアンテナ、ヘリカルアンテナ、パラボラアンテナ、マイクロストリップアンテナ、又は複数のアンテナを含むアンテナアレイである。受電アンテナ25は、電力伝送信号W1を電気信号である交流電力に変換する。
【0020】
重量測定装置21は、受電電力変換部26を備える。受電電力変換部26は、受電アンテナ25から出力される交流電力を受電電力に変換する。受電電力は、重量測定装置21が電力伝送信号W1から得られる電力である。受電電力は、直流電力である。受電電力変換部26の具体的態様は任意であるが、例えば整流回路や平滑回路を含む。受電アンテナ25及び受電電力変換部26は、送電装置11から非接触給電によって供給される電力を受電電力として受電する受電部である。
【0021】
重量測定装置21は、蓄電装置27を備える。蓄電装置27は、重量測定装置21の電力源である。蓄電装置27としては、例えば、リチウムイオン蓄電池等の二次電池、又はキャパシタを用いることができる。蓄電装置27は、受電電力変換部26によって変換された受電電力によって充電される。このように電力伝送信号W1による重量測定装置21への給電が行われる。
【0022】
重量測定装置21は、検出部28を備える。検出部28は、蓄電装置27の充電率を検出する。検出部28は、例えば、バッテリマネジメントシステムである。検出部28は、蓄電装置27の充電率を検出するためのセンサと、センサの検出結果から蓄電装置27の充電率を導出する導出部と、を含む。導出部は、センサの検出結果から蓄電装置27の充電率を導出可能である。充電率の導出手法は、任意であるが、例えば、蓄電装置27の開回路電圧と充電率との相関を用いる手法、電流積算法、あるいは、これらの組み合わせを挙げることができる。
【0023】
重量測定装置21は、通信アンテナ29を備える。通信アンテナ29は、通信信号W2を送受信可能に構成されている。通信信号W2は、送電装置11から送信される通信信号W2、及び外部端末60から送信される通信信号W2を含む。通信アンテナ29は、給電要求信号W3を送信可能に構成されている。通信アンテナ29と受電アンテナ25とは、別々に設けられていてもよいし、受電アンテナ25を通信アンテナ29として兼用してもよい。給電要求信号W3を送信するアンテナは、通信アンテナ29と別に設けられていてもよい。
【0024】
重量測定装置21は、受電通信部30を備える。受電通信部30は、通信アンテナ29が受信した通信信号W2を復調する。受電通信部30は、復調により得られたデータを制御部22に向けて出力する。受電通信部30は、制御部22が出力するデータに基づき変調を行った通信信号W2を通信アンテナ29から送信する。送電装置11と重量測定装置21とは、通信信号W2を介して互いに通信可能に構成されている。外部端末60と受電通信部30とは、通信信号W2を介して互いに通信可能に構成されている。
【0025】
図2に示すように、重量測定装置21は、筐体40を備える。筐体40は、例えば、制御部22、受電電力変換部26、蓄電装置27、及び検出部28を収容する。筐体40は、第1部位41と、第2部位42と、を備える。第1部位41は、例えば、円柱状である。第2部位42は、第1部位41に連続している。第2部位42は、例えば、円錐台状である。第2部位42の直径は、第1部位41から離れるにつれて短くなる。
【0026】
図3に示すように、筐体40は、凹部43を備える。凹部43は、第2部位42の軸線方向の端面から第1部位41に向けて凹んでいる。凹部43は、例えば、円形状である。第1部位41の中心軸、第2部位42の中心軸、及び凹部43の中心軸は、一致している。重量測定装置21を用いる際には、第1部位41が第2部位42よりも下方に位置するように重量測定装置21が配置される。この状態で、凹部43は上方を向く。
【0027】
第2部位42の外周面には、受電アンテナ25が設けられている。受電アンテナ25は、第2部位42の周方向に互いに間隔を空けて複数設けられている。図3に示す例では、4つの受電アンテナ25が等間隔置きに設けられている。
【0028】
図2に示すように、第2部位42には、器51が配置される。器51には、物品52が載せられる。器51は、凹部43に入り込むように配置される。重量測定装置21は、器51を鉛直方向から支える。器51は、蓋によって閉塞可能な容器であってもよい。器51は、皿、又は鉢であってもよい。即ち、器51は、物品52を載せることができる形状であればよい。物品52は、例えば、消費することによって重量が減る消費物である。物品52は、例えば、食品、調味料、又は飲料である。本実施形態において、物品52は、不定期に使用されることで消費される物である。本実施形態の重量測定装置21は、器51を取り外し可能に構成されている。重量測定装置21と器51とは一体に設けられていてもよい。
【0029】
図1に示すように、重量測定装置21は、表示部31を備える。表示部31は、ユーザの視認可能な位置に設けられる。例えば、表示部31は、第1部位41、又は第2部位42に設けられる。表示部31には、物品52の重量に関する情報が表示される。物品52の重量に関する情報は、物品52の重量、物品52の重量が予め定められた下限値になるまでの予測時間、及び物品52の重量が予め定められた下限値になるまでの予測使用回数の少なくとも1つを含む。表示部31の表示は、制御部22によって更新される。表示部31は、通知部である。
【0030】
重量測定装置21は、重量センサ32を備える。重量センサ32は、器51と物品52の合計の重量を測定する。重量センサ32は、例えば、凹部43に設けられる。重量センサ32は、凹部43に置かれた器51からの重量が加わるように設けられる。重量センサ32としては、例えば、ロードセルが用いられる。重量センサ32は、測定した重量を示す重量データを制御部22に出力する。制御部22は、重量データから重量センサ32によって測定された重量を認識する。本実施形態の重量測定装置21では、器51を介して物品52の重量が重量センサ32に加わるようにしているが、物品52の重量が重量センサ32に直接加わるようにしてもよい。
【0031】
重量測定装置21は、操作部33を備える。操作部33は、ユーザによって操作される。操作部33は、物理的なボタンであってもよいし、タッチパネルであってもよい。操作部33は、ユーザの操作可能な位置に設けられる。例えば、操作部33は、第1部位41、又は第2部位42に設けられる。制御部22は、操作部33の操作に応じた制御を実行する。例えば、物品52が載せられていない器51を凹部43に置いた状態でユーザが操作部33を操作すると、制御部22は、器51の重量を器重量情報として記憶部24に記憶する。器51に載せられた物品52の量を最大にした状態でユーザが操作部33を操作すると、制御部22は、重量センサ32によって測定された重量から器51の重量を減算した重量である最大重量を最大重量情報として記憶部24に記憶する。最大重量は、物品52の量が最大の場合の物品52の重量である。制御部22は、操作部33の操作によって、重量センサ32の校正を行うようにしてもよい。操作部33は、制御部22の実行する制御に応じて複数設けられていてもよい。操作部33の操作回数等、特定の操作方法で操作部33を操作することによって、操作方法に応じた制御を制御部22が実行するようにしてもよい。
【0032】
外部端末60は、例えば、ユーザの所持する端末である。外部端末60は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータである。ユーザは、外部端末60を操作することによって商品情報を含む通信信号W2を重量測定装置21に送信することができる。商品情報は、物品52に該当する商品を示す情報である。商品情報は、例えば、商品を識別するための商品コードである。受電通信部30が商品情報を含む通信信号W2を受信すると、受電通信部30は通信信号W2の復調により得られた商品情報を制御部22に出力する。制御部22は、商品情報を記憶部24に記憶する。
【0033】
<制御部が行う制御>
制御部22は、所定の制御周期で以下の制御を実行する。
図4に示すように、ステップS1において、制御部22は、重量センサ32によって測定される重量が閾値以上変化したか否かを判定する。閾値としては、例えば、物品52の使用による消費、物品52の補充、又は重量測定装置21からの器51の取り外しを判定できるように設定されている。物品52の使用による消費を判定できるように閾値を設定する場合、閾値は、1回の使用当たりに器51から取り出されると想定される物品52の取り出し量よりも小さい値に設定される。物品52の補充を判定できるように閾値を設定する場合、閾値は、器51へ物品52を補充する際に器51へ補充されると想定される物品52の補充量よりも小さい値に設定される。重量測定装置21からの器51の取り外しを判定できるように閾値を設定する場合、閾値は、重量測定装置21から器51を取り外した際における重量センサ32によって測定される重量の変化量よりも小さい値に設定される。閾値は、重量センサ32に加わる重量が変化していないにも関わらず、重量センサ32の揺らぎによって重量が閾値を超えることを抑制できるように設定されている。ステップS1の判定結果が肯定の場合、制御部22は、ステップS2の処理を行う。ステップS1の判定結果が否定の場合、制御部22は、ステップS5の処理を行う。
【0034】
ステップS2において、制御部22は、給電要求信号W3を受電通信部30から送信する。制御部22は、重量センサ32によって測定される重量に乱れがある場合、重量が安定するまで給電要求信号W3の送信を継続してもよい。例えば、乱れを判定するための判定閾値を設定しておき、重量センサ32によって測定される重量が判定閾値以上変化している場合、制御部22は、給電要求信号W3の送信を継続してもよい。
【0035】
次に、ステップS3において、制御部22は、送電装置11から非接触給電によって供給された電力を受電したか否かを判定する。給電要求信号W3に応じて送電装置11から電力伝送信号W1が送信されると、重量測定装置21は、電力伝送信号W1から受電電力を得ることができる。制御部22は、電力伝送信号W1から受電電力を得た場合には、送電装置11から電力を受電したと判定することができる。ステップS3の判定結果が否定の場合、制御部22は、ステップS2の処理に戻る。ステップS3の判定結果が肯定の場合、制御部22は、ステップS4の処理を行う。
【0036】
ステップS4において、制御部22は、残量判定処理を行う。残量判定処理は、物品52の残量を判定する処理である。以下、残量判定処理について詳細に説明する。
<残量判定処理>
図5に示すように、ステップS10において、制御部22は、器重量情報を記憶部24から取得する。制御部22は、商品情報を記憶部24から取得する。
【0037】
次に、ステップS11において、制御部22は、物品52の重量を測定する。即ち、制御部22は、物品52の現残量を測定する。制御部22は、例えば、重量センサ32から取得した重量から器重量を減算することによって、物品52の重量を測定する。
【0038】
次に、ステップS12において、制御部22は、物品52の重量が所定値を下回ったか否かを判定する。即ち、制御部22は、物品52の現残量が所定値を下回ったか否かを判定する。所定値としては、任意に設定することができる。所定値は、最大重量の10%など、最大重量に応じた値であってもよい。所定値は、10gなど、最大重量に関わらず一定値としてもよい。ステップS12の判定結果が否定の場合、制御部22は、残量判定処理を終了する。ステップS12の判定結果が肯定の場合、制御部22は、ステップS13の処理を行う。
【0039】
ステップS13において、制御部22は、発注要求信号を受電通信部30から外部端末60に送信する。発注要求信号は、外部端末60に物品52と同一の商品の発注を要求する信号であって商品情報が含まれる信号である。発注要求信号は、通信信号W2として送信される。発注要求信号を受信した外部端末60では、発注要求信号の受信に応じた処理が行われる。例えば、発注要求信号を受信した外部端末60では、ユーザに対して商品の発注を促す表示が行われる。この際、商品を購入できるウェブサイトが外部端末60に表示されるようにしてもよいし、商品を購入できるアプリケーションソフトウェアが起動するようにしてもよい。ステップS13の処理を終えると、制御部22は、残量判定処理を終了する。発注要求信号は、物品52の重量が所定値を下回ることを契機として送信されるため、重量に関する情報を通知するための信号である。発注要求信号により、物品52の重量に関する情報として物品52の重量が所定値を下回ったことが外部端末60に通知される。受電通信部30は、通知部である。受電通信部30は、通信装置である。
【0040】
ステップS5において、制御部22は、省電力モード切替処理を行う。以下、省電力モード切替処理について説明する。
<省電力モード切替処理>
図6に示すように、ステップS21において、制御部22は、蓄電装置27の充電率が充電閾値より大きいか否かを判定する。充電閾値は、予め定められている。充電閾値としては、蓄電装置27の充電率が過剰に低くならないように設定される。充電閾値は、蓄電装置27の最大容量、重量測定装置21の動作に必要となる電力等に基づいて設定される。ステップS21の判定結果が肯定の場合、制御部22は、ステップS22の処理を行う。ステップS21の判定結果が否定の場合、制御部22は、ステップS23の処理を行う。
【0041】
ステップS22において、制御部22は、重量測定装置21を省電力モードに切り替える。省電力モードは、制御部22の機能を制限することによって蓄電装置27の電力消費を抑制するモードである。省電力モードでは、ステップS1での重量センサ32によって測定される重量が閾値以上変化したか否かの判定、及びステップS21での蓄電装置27の充電率が充電閾値より大きいか否かの判定のみが行われる。ステップS1の判定結果が肯定になると、省電力モードは解除される。ステップS21の判定結果が否定になると、省電力モードは解除される。
【0042】
ステップS23において、制御部22は、給電要求信号W3を受電通信部30から送信する。
次に、ステップS24において、制御部22は、送電装置11から非接触給電によって供給された電力を受電したか否かを判定する。ステップS24の判定結果が否定の場合、制御部22は、ステップS23の処理に戻る。ステップS24の判定結果が肯定の場合、制御部22は、省電力モード切替処理を終了する。
【0043】
[本実施形態の作用]
物品52を使用すると、物品52の消費によって物品52の重量が変化する。物品52の重量が閾値以上変化した場合、制御部22は、給電要求信号W3を受電通信部30から送信する。送電装置11からは電力伝送信号W1によって電力が供給される。これにより、物品52が使用される度に、蓄電装置27が充電される。また、物品52の補充、重量測定装置21からの器51の取り外し、又は重量測定装置21の移動によっても重量センサ32によって測定される重量は閾値以上変化し得る。この場合であっても、給電要求信号W3の送信によって、送電装置11からは電力伝送信号W1が送信される。
【0044】
仮に、制御部22が、定期的に給電要求信号W3を送信した場合、複数の重量測定装置21から送電装置11に同時に給電要求信号W3が送信される場合がある。この場合、送電装置11は、重量測定装置21一つ当たりの給電時間を短くする必要があり、給電の効率が悪い。これに対して、物品52の重量が変化した場合に給電要求信号W3を送信することによって給電要求信号W3の送信頻度を減らすことができる。また、複数の重量測定装置21から送電装置11に同時に給電要求信号W3が送信されることを抑制できる。送電装置11は、給電の必要がある重量測定装置21にのみ給電を行うことができる。このため、給電の効率を良くすることができる。
【0045】
制御部22は、物品52の重量が所定値を下回ると、発注要求信号を送信する。これにより、外部端末60及びユーザに対して物品52の重量が所定値を下回ったことを通知して、商品の発注を促すことができる。
【0046】
[本実施形態の効果]
(1)蓄電装置27は、受電電力によって充電される。送電装置11によって蓄電装置27を充電することができるため、蓄電装置27の残量が尽きることを抑制できる。蓄電装置27を交換する頻度を少なくすることができる。このため、蓄電装置27の交換の手間を抑制することができる。
【0047】
(2)制御部22は、物品52の重量が所定値を下回ると、外部端末60に発注要求信号を送信する。これにより、物品52の重量が所定値を下回ったことを外部端末60に通知することができる。外部端末60に、物品52の重量が所定値を下回ったことに応じた処理を行わせることができる。実施形態であれば、ユーザに対して商品の発注を促す表示を行うことができる。
【0048】
[変更例]
実施形態は、以下のように変更して実施することができる。実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0049】
・記憶部24への器重量情報、最大重量情報、及び商品情報の記憶は、外部端末60によって行われてもよい。この場合、重量測定装置21は、操作部33を備えていなくてもよい。
【0050】
図7に示すように、重量センサ32は、第1部位41の軸線方向の端面に設けられていてもよい。この場合、凹部43に器51が置かれると、器51の重量が筐体40を介して重量センサ32に加わる。このため、器51の形状に依存することなく、器51及び物品52の重量を測定することができる。この場合、重量測定装置21自身の重量も重量センサ32に加わる。このため、物品52の重量を測定するに際しては、重量センサ32によって測定された重量から重量測定装置21自身の重量を減算してもよい。
【0051】
図7に示すように、受電アンテナ25は、第2部位42の軸線方向の端面に設けられていてもよい。
・制御部22は、予測処理を行ってもよい。予測処理は、物品52の重量が予め定められた下限値になるまでの予測時間を算出する処理である。以下では、一例として、制御部22が、予め定められた下限値になるまでの予測時間として物品52の重量が0になるまでの予測時間を算出する場合について説明する。即ち、制御部22は、物品52が尽きるまでの時間を算出する。予め定められた下限値は、0にマージンを加えた値であってもよい。例えば、予め定められた下限値は、ステップS12の所定値としてもよい。
【0052】
図8に示すように、ステップS30において、制御部22は、最大重量情報が更新されたか否かを判定する。最大重量情報は、物品52の量が最大の場合の重量であるため、物品52の使用によって減少した物品52を補充した後に、最大重量情報の更新は行われる。このため、ステップS30の判定は、物品52が補充されたときに肯定になる。ステップS30の判定結果が否定の場合、制御部22は、ステップS31の処理を行う。ステップS30の判定結果が肯定の場合、制御部22は、ステップS36の処理を行う。
【0053】
ステップS31において、制御部22は、重量センサ32によって測定される重量が閾値以上変化したか否かを判定する。ステップS31の判定に用いられる閾値は、ステップS1の判定に用いられる閾値と同一の値であってもよいし、異なる値であってもよい。ステップS31の判定結果が否定の場合、制御部22は、予測処理を終了する。この場合、制御部22は、前回以前の制御周期で算出された予測時間を、物品52の重量が0になるまでの予測時間としてもよい。ステップS31の判定結果が肯定の場合、制御部22は、ステップS32の処理を行う。
【0054】
ステップS32において、制御部22は、物品52を使用した使用回数を加算する。即ち、制御部22は、重量が閾値以上変化したことを物品52の1回の使用とみなして、使用回数のカウントを行う。使用回数は、記憶部24に記憶される。
【0055】
次に、ステップS33において、制御部22は、物品52の使用量を算出する。使用量は、物品52を使用する前に重量センサ32によって測定された重量と、物品52を使用した後に重量センサ32によって測定された重量との差である。制御部22は、物品52が使用される度に、物品52の使用量を記憶部24に記憶する。
【0056】
次に、ステップS34において、制御部22は、物品52の使用間隔を算出する。制御部22は、物品52が前回使用された時刻から、物品52が今回使用される時刻までの時間を物品52の使用間隔として算出する。制御部22は、物品52が使用される度に、物品52の使用間隔を記憶部24に記憶する。
【0057】
次に、ステップS35において、制御部22は、物品52の重量が0になるまでの予測時間を算出する。物品52の重量が0になるまでの予測時間は、物品52の使用回数、物品52の使用量、及び物品52の使用間隔に基づいて算出することができる。物品52の使用回数及び物品52の使用量の総量から1回の使用当たりの物品52の使用量を算出することができる。物品52の使用間隔の平均値を物品52の予測使用頻度、1回の使用当たりの物品52の使用量を予測使用量とする。制御部22は、物品52の現時点での重量及び予測使用量から、物品52の重量が0になるまでの予測使用回数を算出できる。そして、制御部22は、予測使用回数及び予測使用頻度から、物品52の重量が0になるまでの予測時間を算出することができる。
【0058】
制御部22は、予測時間を算出すると、表示部31に予測時間を示す情報を表示してもよい。予測時間を示す情報は、予測時間を示す数値であってもよいし、予測時間をインジケータで表したものであってもよい。制御部22は、予測時間を示す情報を含む通信信号W2を外部端末60に送信してもよい。外部端末60は、予測時間をユーザに通知してもよい。通知は、表示によって行われてもよいし、音声によって行われてもよい。予測時間の通知は、予測時間自体を通知するものであってもよいし、現在時刻と予測時間から算出された予測時刻を通知するものであってもよい。予測時刻は、物品52の重量が0になると予測される時刻である。同様に、制御部22は、予測使用回数を示す情報を表示部31に表示してもよいし、予測使用回数を示す情報を含む通信信号W2を外部端末60に送信してもよい。
【0059】
ステップS36において、制御部22は、使用回数、使用量、及び使用間隔を記憶部24から消去することで、初期化を行う。
上記した説明では、重量が閾値以上変化したことを物品52の1回の使用とみなしたが、1回の給電が行われることを1回の使用とみなしてもよい。重量が閾値以上変化した場合に、給電要求信号W3が送信されるため、1回の給電が行われることを1回の使用とみなすことができる。即ち、予測処理は、給電回数、使用量、及び給電間隔に基づいて行われてもよい。
【0060】
・ステップS1の閾値は、予測使用量に基づいて設定されていてもよい。この場合、閾値は、予測使用量よりも小さい値に設定される。また、ステップS1の閾値は、予測使用量に基づいて補正されてもよい。例えば、物品52の使用による消費を判定できるように閾値を設定している場合、予測使用量が多いほど閾値が大きい値になるように閾値が補正されるようにしてもよい。
【0061】
・制御部22は、物品52の使用間隔が長いほど、給電時間が長くなるように、送電装置11に給電要求信号W3を送信してもよい。物品52の使用間隔が長いほど、物品52を使用していない間に消費される待機電力が大きくなる。物品52の使用間隔が長いほど、給電時間が長くなるようにすることで、待機電力によって蓄電装置27の充電率が過剰に低下することを抑制できる。
【0062】
・重量測定装置21は、通知部として表示部31、及び受電通信部30の一方のみを備えていてもよい。
・制御部22は、物品52の重量が所定値を下回った場合に、発注要求信号とは異なる信号を送信してもよい。例えば、重量測定装置21を飲食店で用いるとする。この際、器51には、物品52として飲食物が載せられる。器51に載せられた飲食物の重量は、飲食に伴い小さくなっていく。飲食物の重量が所定値を下回ると、制御部22は、外部端末60に重量低下信号を送信する。重量低下信号によって飲食物の重量が所定値を下回ったことが外部端末60に通知される。外部端末60は、飲食店の利用者が視認できるものであってもよいし、飲食店の従業員が所持しているものであってもよい。飲食店の利用者が視認できる外部端末60には、例えば、利用者に対して飲食物の注文を促す表示が行われる。飲食店の従業員が所持している外部端末60には、例えば、飲食物が少なくなっている利用者が存在する旨の表示が行われる。このように、物品52の重量が所定値を下回った場合に行われる制御は、重量測定装置21の用途によって異なり得る。
【0063】
・残量判定処理は、外部端末60で行われてもよい。この場合、制御部22は、器重量情報、商品情報、及び重量センサ32によって測定された物品52の重量を含む通信信号W2を外部端末60に送信すればよい。同様に、予測処理は、外部端末60で行われてもよい。
【0064】
・制御部22は、物品52の重量を示す情報を含む通信信号W2を受電通信部30から外部端末60に送信してもよい。そして、外部端末60に、物品52の重量が表示されてもよい。
【0065】
・最大重量は、器51の重量を含んだ重量であってもよい。この場合、最大重量から器51の重量を減算した値を用いることで、実施形態と同様の処理を行うことができる。
【符号の説明】
【0066】
W3…給電要求信号
11…送電装置
21…重量測定装置
22…制御部
25…受電部である受電アンテナ
26…受電部である受電電力変換部
27…蓄電装置
30…通知部及び通信装置としての受電通信部
31…通知部としての表示部
32…重量センサ
52…物品
60…外部端末
図1
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図7
図8