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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055466
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】車両の外部構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 19/52 20060101AFI20240411BHJP
   B60S 1/66 20060101ALI20240411BHJP
   B60S 1/62 20060101ALN20240411BHJP
【FI】
B60R19/52 K
B60S1/66
B60S1/62 120Z
B60S1/62 110C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162416
(22)【出願日】2022-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】高橋 一久
(72)【発明者】
【氏名】田中 義治
(72)【発明者】
【氏名】奥村 晃司
(72)【発明者】
【氏名】大豊 公志
(72)【発明者】
【氏名】石井 琢己
【テーマコード(参考)】
3D225
【Fターム(参考)】
3D225AA03
3D225AA11
3D225AA15
3D225AB01
3D225AC10
3D225AD22
3D225AD26
(57)【要約】
【課題】雪氷が付着しても、開口部を通じた機能部品の機能発揮に及ぼす影響を小さくする。
【解決手段】車両10の外部構造は、車外に向けて自身の機能を発揮する機能部品が搭載された車両10に適用されるものであり、外装部材21、第1発熱部31及び第2発熱部32を備える。機能部品は、音波SWを前方へ放出する発音部によって構成される。外装部材21は、発音部よりも前側に配置されて、車両10の外殻部分の一部を構成する。外装部材21は、発音部に対し前側となる箇所に、発音部に機能を発揮させるための開口部25を有する。第1発熱部31及び第2発熱部32は、外装部材21における開口部25の周囲に配置される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車外に向けて音波又は電磁波を放出することで自身の機能を発揮する機能部品が搭載された車両に適用されるものであり、
前記機能部品よりも車外側に配置されて、前記車両の外殻部分の一部を構成するとともに、前記機能部品から放出された音波又は電磁波が通過する開口部を有する外装部材と、
前記外装部材における前記開口部の周囲に配置された発熱部とを備える、車両の外部構造。
【請求項2】
前記発熱部は、第1発熱部を自身の一部に有しており、
前記第1発熱部の一部は、前記外装部材の車外側の面上、又は前記外装部材内であって、前記車外側の面に対し、前記車両の外内方向に隣接する箇所に配置されている請求項1に記載の車両の外部構造。
【請求項3】
前記発熱部は、第2発熱部を自身の一部に有しており、
前記第2発熱部の一部は、前記開口部の内壁面上、又は前記外装部材内であって、前記内壁面に対し、前記車両の外内方向に交差する方向に隣接する箇所に配置されている請求項1に記載の車両の外部構造。
【請求項4】
前記外装部材のうち、少なくとも前記機能部品に対して車外側となる箇所には模様部が形成され、
前記模様部は、複数の単位模様部を縦横に並べることにより形成されており、
前記開口部に対応する前記単位模様部は中空状をなし、かつ前記開口部の車外側の開口縁部に合致している請求項1に記載の車両の外部構造。
【請求項5】
前記開口部は長孔により構成され、
前記長孔の内壁面は、相対向する一対の第1壁面と、前記一対の第1壁面の壁面間距離よりも大きな壁面間距離で相対向する一対の第2壁面とからなり、
前記発熱部の一部は、少なくとも前記一対の第1壁面を挟み込む箇所に配置されている請求項1に記載の車両の外部構造。
【請求項6】
前記発熱部は、前記開口部を取り囲んだ状態で配線された電熱線により構成されている請求項1に記載の車両の外部構造。
【請求項7】
前記外装部材は、自身の周縁部に接する箇所又は接近する箇所に前記開口部を有している請求項1に記載の車両の外部構造。
【請求項8】
車両に搭載され、かつ車外に向けて自身の機能を発揮する機能部品と、
前記機能部品よりも車外側に配置されて、前記車両の外殻部分の一部を構成するとともに、前記機能部品に対し車外側となる箇所には、前記機能部品に前記機能を発揮させるための開口部を有する外装部材と、
前記外装部材における前記開口部の周囲に配置された発熱部とを備え、
前記機能部品は、車外に向けて音波を放出する発音部により構成されている、車両の外部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の外部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の外装部材の1つに、例えば、特許文献1に記載されているように、車両の前端部に配置されるフロントグリルがある。このフロントグリルは、エンジンルーム内に冷却用の空気を取り入れるための複数の開口部を有している。フロントグリルの後方にはホーンが配置されている。ホーンで発生された警笛音は、開口部を通過してフロントグリルよりも前方へ放出される。
【0003】
一方で、例えば、電動モータを動力源とする電気自動車では、フロントグリル等の外装部材において開口部が縮小あるいは省略される傾向にある。そこで、外装部材においてホーン等の発音部の前方となる箇所には、発音部から発せられる音波を通過させるための開口部が設けられることがある。この開口部は、外装部材の外観の観点から小さく形成されることが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-330852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、外装部材に雪氷が付着すると、開口部において実際に開口している部分が、雪氷が付着していないときよりも小さくなり、その部分を通過する音波の音圧が低下する。
【0006】
こうした問題は、発音部に限定されず、車両の外装部材の車内側に、開口部を通じて機能を発揮する機能部品、例えば、センサ、カメラ等が配置された車両であれば、同様に起こり得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための車両の外部構造の各態様を記載する。
[態様1]車外に向けて音波又は電磁波を放出することで自身の機能を発揮する機能部品が搭載された車両に適用されるものであり、前記機能部品よりも車外側に配置されて、前記車両の外殻部分の一部を構成するとともに、前記機能部品から放出された音波又は電磁波が通過する開口部を有する外装部材と、前記外装部材における前記開口部の周囲に配置された発熱部とを備える、車両の外部構造。
【0008】
上記の構成によれば、車両に搭載された機能部品は、車外に向けて音波又は電磁波を放出する。音波又は電磁波が、外装部材の開口部を通過して車外へ放出されることで、機能部品の有する機能が発揮される。外装部材の開口部の全体が開口されている場合には、上記機能が適切に発揮される。
【0009】
これに対し、開口部に雪氷が付着すると、開口部において実際に開口している部分が小さくなる。雪氷が、機能部品の機能発揮の障壁(妨げ)となる。
この点、上記の構成によれば、発熱部で発生した熱により、開口部に付着した雪氷が溶かされる。そのため、開口部を通じた機能部品の機能発揮に対する雪氷の障壁の度合いが小さくなる。
【0010】
また、開口部の周囲に発熱部が配置されるため、外装部材の全体を対象として発熱部が配置された場合に比べ、発熱部を発熱させるために消費するエネルギーが少なくてすむ。
[態様2]前記発熱部は、第1発熱部を自身の一部に有しており、前記第1発熱部の一部は、前記外装部材の車外側の面上、又は前記外装部材内であって、前記車外側の面に対し、前記車両の外内方向に隣接する箇所に配置されている[態様1]に記載の車両の外部構造。
【0011】
上記の構成によれば、第1発熱部が発熱されると、発生した熱により、外装部材の車外側の面上であって、開口部の周囲となる箇所に付着した雪氷や、開口部を車外側から塞ぐ雪氷が溶かされる。開口部に対する雪氷の付着量が少なくなり、開口部を通じた機能部品の機能発揮に対する雪氷の障壁の度合いが小さくなる。
【0012】
[態様3]前記発熱部は、第2発熱部を自身の一部に有しており、前記第2発熱部の一部は、前記開口部の内壁面上、又は前記外装部材内であって、前記内壁面に対し、前記車両の外内方向に交差する方向に隣接する箇所に配置されている[態様1]又は[態様2]に記載の車両の外部構造。
【0013】
上記の構成によれば、第2発熱部が発熱されると、発生した熱により、開口部の内壁面に付着した雪氷が溶かされる。開口部に対する雪氷の付着量が少なくなり、開口部を通じた機能部品の機能発揮に対する雪氷の障壁の度合いが小さくなる。
【0014】
[態様4]前記外装部材のうち、少なくとも前記機能部品に対して車外側となる箇所には模様部が形成され、前記模様部は、複数の単位模様部を縦横に並べることにより形成されており、前記開口部に対応する前記単位模様部は中空状をなし、かつ前記開口部の車外側の開口縁部に合致している[態様1]~[態様3]のいずれか1つに記載の車両の外部構造。
【0015】
上記の構成によれば、開口部の車外側の開口縁部は、縦横に並べられた単位模様部のうち、開口部に対応し、かつ中空状をなす単位模様部によって構成される。そのため、開口部は、中空状をなさない他の複数の単位模様部に紛れ込んで目立ちにくい(見えにくい)。開口部が模様部に溶け込んだ(馴染んだ)状態となり、開口部に起因する外装部材の外観の低下が抑制される。
【0016】
また、機能部品は、中空状の単位模様部によって自身の一部が構成された開口部を通じて機能を発揮する。
[態様5]前記開口部は長孔により構成され、前記長孔の内壁面は、相対向する一対の第1壁面と、前記一対の第1壁面の壁面間距離よりも大きな壁面間距離で相対向する一対の第2壁面とからなり、前記発熱部の一部は、少なくとも前記一対の第1壁面を挟み込む箇所に配置されている[態様1]~[態様4]のいずれか1つに記載の車両の外部構造。
【0017】
上記の構成によれば、発熱部は、長孔からなる開口部において、小さな壁面間距離で対向する一対の第1壁面を挟み込む箇所で発熱する。そのため、開口部に付着した雪氷に対し、発熱部で発生した熱が集中して伝達される。雪氷が効率よく溶かされる。
【0018】
[態様6]前記発熱部は、前記開口部を取り囲んだ状態で配線された電熱線により構成されている[態様1]~[態様5]のいずれか1つに記載の車両の外部構造。
上記の構成によれば、発熱部を構成する電熱線に通電されると、電熱線が発熱する。電熱線が開口部を取り囲んだ状態で配線されていることから、電熱線で発生した熱は、開口部の周囲に効率よく伝達される。
【0019】
[態様7]前記外装部材は、自身の周縁部に接する箇所又は接近する箇所に前記開口部を有している[態様1]~[態様3]、[態様5]及び[態様6]のいずれか1つに記載の車両の外部構造。
【0020】
開口部が、上記の条件を満たす箇所に配置されることで、開口部の周縁部が外装部材の周縁部に近づく。そのため、開口部が外装部材の周縁部から遠ざかった箇所、例えば中央部に位置する場合に比べ、開口部の周縁部が目立ちにくくなり、外装部材の外観が向上する。
【0021】
[態様8]車両に搭載され、かつ車外に向けて自身の機能を発揮する機能部品と、前記機能部品よりも車外側に配置されて、前記車両の外殻部分の一部を構成するとともに、前記機能部品に対し車外側となる箇所には、前記機能部品に前記機能を発揮させるための開口部を有する外装部材と、前記外装部材における前記開口部の周囲に配置された発熱部とを備え、前記機能部品は、車外に向けて音波を放出する発音部により構成されている、車両の外部構造。
【0022】
上記の構成によれば、車両に機能部品として搭載された発音部は、車外へ向けて音波を放出する。放出された音波が、外装部材の開口部を通過して車外側へ放出されることで、発音部の有する機能が発揮される。
【0023】
外装部材の開口部の全体が開口されている場合には、上記開口部を通じた音波の放出が適切に行なわれる。車両の周囲の人に対し、音波で車両の存在が知らされる。
これに対し、開口部に雪氷が付着すると、開口部において実際に開口している部分が小さくなり、雪氷が、発音部の発生した音波の開口部通過の障壁(妨げ)となる。
【0024】
この点、上記の構成によれば、発熱部で発生した熱により、開口部に付着した雪氷が溶かされる。そのため、音波の開口部通過に対する雪氷の障壁の度合いが小さくなる。
また、開口部の周囲に発熱部が配置されるため、外装部材の全体を対象として発熱部が配置された場合に比べ、発熱部を発熱させるために消費するエネルギーが少なくてすむ。
【発明の効果】
【0025】
上記車両の外部構造によれば、雪氷が付着しても、開口部を通じた機能部品の機能発揮に及ぼす影響を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】一実施形態の車両の外部構造が適用された車両の概略正面図である。
図2】同実施形態における外装部材及び発音部の位置関係を示す概略縦断面図である。
図3図1の一部を拡大した図であり、開口部と発熱部との位置関係を示す部分正面図である。
図4】同実施形態における開口部と発熱部との位置関係を示す部分縦断面図である。
図5図3に対応する図であり、開口部と発熱部との位置関係の変更例を示す部分正面図である。
図6】同じく、図3に対応する図であり、開口部と発熱部との位置関係の変更例を示す部分正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、車両の外部構造の一実施形態について、図1図4を参照して説明する。
なお、以下の記載に関し、車両10の前進方向を前方とし、後進方向を後方として説明する。また、上下方向は車両10の上下方向を意味し、左右方向は車幅方向であって車両10の前進時の左右方向と一致するものとする。
【0028】
図1に示すように、本実施形態における車両10としては、電気自動車等、通電により回転動力を発生する電動モータによって走行が可能であり、かつ走行音が静かな車両10を想定している。
【0029】
車両10の前端部の上部であって、左右両側部には一対のヘッドライト11が配置されている。
<発音部12>
車両10には、車外に向けて自身の機能を発揮する機能部品として、図1及び図2に示す発音部12が搭載されている。発音部12は車体(図示略)に取り付けられている。発音部12は、可聴音領域の周波数の音波SWを、警報のためのホーン音、車両10が接近したことを通報する接近通報音等として、車両10の外側へ放出する。発音部12は、車両10の周囲(外側)の人に対し、音波SWで車両10の存在を知らせる。ホーン音は、予め定められた単一の周波数で発音部12から出力され、接近通報音は、メロディ、音楽等として発音部12から出力される。
【0030】
本実施形態では、発音部12が、車両10の前端部の上部であって、左右方向における中央部よりも右側のヘッドライト11に近い箇所に搭載されている。発音部12は、車両10の前方へ音波SWを放出することで、車両10の前方の人に対し、音波SWで車両10の存在を知らせる。
【0031】
本実施形態では、前後方向が車両10の外内方向に相当する。また、車両10の外部構造における各部の「前」が車両10の「外」に相当し、同各部の「後」が車両10の「内」に相当する。
【0032】
図3及び図4に示すように、車両10の前端部であって、発音部12の前方となる箇所には、外装部材21及び発熱部Hが配置されている。次に、各部について説明する。
<外装部材21>
図1に示すように、外装部材21は、フロントグリルによって構成されており、板状をなしている。フロントグリルは、車両10の外殻部分の一部を構成する部材であり、周りを外装パネル13によって囲まれている。外装部材21は、車両10の前端部の両ヘッドライト11間であって、発音部12よりも前方に配置されている。
【0033】
外装部材21の上部であって、左右方向における中央部には、孔部22が形成されている。この孔部22には、エンブレム23が配置されている。
外装部材21の左周縁部21l及び右周縁部21rは、直線状をなしている。本実施形態では、左周縁部21l及び右周縁部21rは、それらの間隔が下側ほど拡大するように鉛直線に対し傾斜していて、外装部材21が台形状をなしている。ただし、外装部材21は、台形状とは異なる形状をなしていてもよい。
【0034】
図2に示すように、外装部材21は、起立した状態で配置されている。外装部材21は、ねじ締結、爪嵌合等の固定方法によって、上記車体に固定されている。
図1及び図3に示すように、外装部材21の前面21fのうち、少なくとも発音部12の前方となる箇所には、同外装部材21の前側から幾何学模様に見える模様部Pが形成されている。本実施形態では、外装部材21のうち、上記孔部22とは異なる箇所の全体を対象とし、模様部Pが形成されている。
【0035】
模様部Pは、複数の単位模様部24を縦横に並べることにより形成されている。本実施形態では、複数の単位模様部24が縦横として、水平方向及び上下方向に並べられている。ただし、複数の単位模様部24は、水平方向及び上下方向のそれぞれに対し、傾斜する方向に並べられてもよい。複数の単位模様部24は、互いに同一の形状及び大きさを有している。単位模様部24としては、例えば、三角形、四角形等の多角形が挙げられるほか、円も挙げられる。四角形には、4つの内角がすべて等しい四辺形である矩形(長方形)、4辺の長さがすべて等しい四辺形である菱形、及び2組の対辺のうちの一方の対辺が平行な四辺形である台形が含まれる。台形には、2組の対辺がそれぞれ平行である平行四辺形が含まれる。模様部Pとしては、縦縞と横縞とを組み合わせた縞模様である格子柄(チェック柄)、二等辺三角形や正三角形を上下左右に並べた文様である鱗文(うろこもん)、菱形を連続的に並べた菱文(ひしもん)等が挙げられる。
【0036】
本実施形態では、各単位模様部24が上下方向よりも左右方向に細長い長方形をなしている。
外装部材21のうち、発音部12に対し前方となる箇所には、前方に向けて音波SWを放出する機能を発音部12に発揮させるための開口部25が1つ設けられている。開口部25は、外装部材21を前後方向に貫通している。
【0037】
上記開口部25は、発音部12の前方に位置する複数の単位模様部24の1つに対応して設けられている。開口部25に対応する上記単位模様部24は中空状をなし、かつ開口部25の前側の開口縁部に合致している。表現を変えると、開口部25は、中空状をなす1つの単位模様部24を含んだ状態で、外装部材21を前後方向に貫通している。上記開口部25は、外装部材21の右周縁部21rに接近した箇所に位置している。開口部25に対応しない単位模様部24は中空状をなしていない。
【0038】
ここで、開口部25の一部を構成する単位模様部24と、構成しない他の単位模様部24とを区別するために、図1及び図3では、前者の単位模様部24が後者の単位模様部24よりも太い線で図示されている。
【0039】
図3及び図4に示すように、開口部25は横長の長孔によって構成されている。開口部25の内壁面ISは、一対の第1壁面26と一対の第2壁面27とからなる。両第1壁面26は、上下方向に相対向した状態で左右方向へ延びている。両第2壁面27は、左右方向に相対向した状態で上下方向へ延びている。両第2壁面27の壁面間距離D2は、両第1壁面26の壁面間距離D1よりも大きく設定されている。
【0040】
<発熱部H>
発熱部Hは、外装部材21における開口部25の周囲に配置されている。発熱部Hは、電熱線からなる第1発熱部31と、同じく電熱線からなる第2発熱部32とを備えている。
【0041】
第1発熱部31は、外装部材21内であって前面21fに対し、後方に隣接する箇所に配置されている。前面21fに対する後方は、車両10の外内方向、本実施形態では、前後方向における一方向に該当する。なお、第1発熱部31は、外装部材21の前面21f上に配置されてもよい。
【0042】
第1発熱部31は、両第1壁面26を上下両側から挟み込む一対の第1横発熱部31aと、単一の第1縦発熱部31bとを有している。
上側の第1横発熱部31aは、上側の第1壁面26に対し上方へ僅かな距離離れた箇所で左右方向へ延びている。下側の第1横発熱部31aは、下側の第1壁面26に対し下方へ僅かな距離離れた箇所で左右方向へ延びている。上下の各第1横発熱部31aの左端部は、左側の第2壁面27に対し左方へ僅かに離間した箇所に位置している。
【0043】
上側の第1壁面26に対する上方、及び下側の第1壁面26に対する下方は、車両10の外内方向に交差(直交)する方向、本実施形態では前後方向対し交差(直交)する方向の両方向に該当する。
【0044】
上下の各第1横発熱部31aは、外装部材21の右周縁部21rまで延び、同右周縁部21rで後方へ曲げられている。上下の各第1横発熱部31aは、外装部材21よりも後方となる箇所まで延びて、電力供給のための機器(図示略)に接続されている。
【0045】
第1縦発熱部31bは、左側の第2壁面27に対し、左方へ僅かな距離隔てた状態で上下方向へ延びている。第1縦発熱部31bの上端部は、上側の第1横発熱部31aの左端部に接続されている。第1縦発熱部31bの下端部は、下側の第1横発熱部31aの左端部に接続されている。
【0046】
このように、第1発熱部31の一部は、開口部25における上下の両第1壁面26と、左側の第2壁面27とを取り囲んでいる。
これに対し、第2発熱部32は、外装部材21内であって内壁面ISに隣接する箇所(内壁面ISの外周囲)に配置されている。なお、第2発熱部32は、開口部25の内壁面IS上に配置されてもよい。
【0047】
第2発熱部32は、両第1壁面26を上下両側から挟み込む一対の第2横発熱部32aと、単一の第2縦発熱部32bとを有している。
上側の第2横発熱部32aは、上側の第1壁面26に沿って左右方向へ延びている。下側の第2横発熱部32aは、下側の第1壁面26に沿って左右方向へ延びている。上下の各第2横発熱部32aの左端部は、左側の第2壁面27に接近した箇所に位置している。
【0048】
上下の各第2横発熱部32aは、外装部材21の右周縁部21rまで延び、同右周縁部21rで後方へ曲げられている。上下の各第2横発熱部32aは、外装部材21よりも後方となる箇所まで延び、電力供給のための機器(図示略)に接続されている。
【0049】
第2縦発熱部32bは、左側の第2壁面27に沿って上下方向へ延びている。第2縦発熱部32bの上端部は、上側の第2横発熱部32aの左端部に接続されている。第2縦発熱部32bの下端部は、下側の第2横発熱部32aの左端部に接続されている。
【0050】
このように、第2発熱部32の一部は、開口部25における上下の両第1壁面26と、左側の第2壁面27とを取り囲んでいる。
第1発熱部31及び第2発熱部32に対する通電の制御は、車両10に搭載されたセンサ及び制御装置(ともに図示略)によって行なわれる。センサは例えば外気温を検出する。制御装置は、センサが検出した外気温に基づいて上記通電を制御する。制御装置は、例えば、検出された外気温が0℃以下である場合に、第1発熱部31及び第2発熱部32に対し通電する。
【0051】
次に、上記のように構成された本実施形態の作用について説明する。
<雪氷SIの融解について>
発音部12が音波SWを発生すると、その音波SWは、外装部材21の開口部25を通過して前方へ放出される。開口部25が雪氷SIによって全く塞がれておらず、開口部25の全体が開口されている場合には、開口部25を通じた音波SWの放出が適切に行なわれる。車両10の前方の人に対し、音波SWで車両10の存在が知らされる。
【0052】
これに対し、開口部25に雪氷SIが付着すると、開口部25において実際に開口している部分が小さくなり、雪氷SIが、音波SWの開口部通過の障壁(妨げ)となる。開口部25において実際に開口している部分が小さくなるに従い、音波SWの開口部通過に対し雪氷SIが及ぼす障壁の度合いが大きくなり、音波SWが開口部25を通過しにくくなる。開口部25を通過する音波SWの音圧が必要な音圧に満たず、車両10の前方の人に届きにくくなる。
【0053】
ここで、開口部の開口率(孔の大きさ)と、遮音機能(音通過量)との関係を示す試験結果が、例えば、https://blog.mazda.com/archive/20190620_01.htmlに開示されている。この試験結果は、次の事項を示している。
【0054】
・開口率が小さいと遮音機能が大きく、音波の通過量が少ない。
・開口率が大きくなるに従い、遮音機能が小さくなって、音波の通過量が多くなる。
ここで、実際に開口している部分が小さくなって、音波SWが開口部25を通過しにくくなる上記現象は、雪氷SIを溶かすことで、解消される。すなわち、例えば、外気温が0℃以下であることがセンサによって検出されると、制御装置によって、第1発熱部31及び第2発熱部32に対し通電される。上記通電により、第1発熱部31及び第2発熱部32がそれぞれ発熱する。従って、開口部25に雪氷SIが付着しても、第1発熱部31及び第2発熱部32で発生した熱によって溶かされる。
【0055】
より詳しくは、第1発熱部31で発生した熱により、外装部材21の前面21f上であって、開口部25の周囲となる箇所に付着した雪氷SIや、開口部25を前側から塞ぐ雪氷SIが溶かされる。開口部25を前側から塞ぐ雪氷SIが少なくなって、開口部25に対する雪氷SIの付着量が少なくなる。雪氷SIが溶けずにいる場合に比べ、開口部25において実際に開口している部分が大きくなる。音波SWの開口部通過に対する雪氷SIの障壁の度合いが小さくなる。開口部25を通過する音波SWの音圧が確保される。
【0056】
また、第2発熱部32で発生した熱により、開口部25の内壁面ISに付着した雪氷SIが溶かされる。開口部25の内部を塞ぐ雪氷SIが少なくなって、開口部25に対する雪氷SIの付着量が少なくなる。雪氷SIが溶けずにいる場合に比べ、開口部25において実際に開口している部分が大きくなる。音波SWの開口部通過に対する雪氷SIの障壁の度合いがさらに小さくなる。開口部25を通過する音波SWの音圧がより一層確保される。
【0057】
さらに、電熱線からなり、開口部25を取り囲んだ状態で配線された第1発熱部31と、同じく電熱線からなり、かつ開口部25を取り囲んだ状態で配線された第2発熱部32とが発熱される。このことから、第1発熱部31及び第2発熱部32で発生した熱が、開口部25の周囲に効率よく伝達される。
【0058】
特に、本実施形態では、第1発熱部31及び第2発熱部32のいずれも、長孔からなる開口部25において、小さな壁面間距離D1で対向する一対の第1壁面26を挟み込む箇所で発熱する。そのため、開口部25を前側から塞ぐ雪氷SI、及び開口部25の内部を塞ぐ雪氷SIに対し、第1発熱部31及び第2発熱部32で発生した熱が集中して伝達される。
【0059】
<外装部材21の外観と、発音部12の機能発揮との両立について>
開口部25の前側の開口縁部は、縦横に並べられた単位模様部24のうち、開口部25に対応し、かつ中空状をなす単位模様部24によって構成される。そのため、開口部25は、中空状をなさない他の複数の単位模様部24に紛れ込んで目立ちにくい(見えにくい)。開口部25が模様部Pに溶け込んだ(馴染んだ)状態となる。
【0060】
また、発音部12が放出した音波SWは、中空状の単位模様部24によって一部が構成された開口部25を通過して車外へ放出される。このようにして、発音部12の機能発揮が確保される。
【0061】
また、模様部Pにおける単位模様部24が、開口部25の一部として利用される。車両10の前方から外装部材21を見た場合、中空状をなしていて開口部25の一部を構成する単位模様部24の外形形状と、中空状をなしていない他の単位模様部24の外形形状とは同じ、又は類似している。開口部25の一部を構成する単位模様部24と、構成しない単位模様部24との相違は、中空状をなしているか、いないかのみである。そのため、模様部Pのもともとのデザインに対し大きな改変を加えずに、発音部12に機能を発揮させる開口部25を形成することが可能である。
【0062】
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)本実施形態では、図4に示すように、外装部材21において、発音部12の前方に位置する開口部25の周囲に第1発熱部31及び第2発熱部32を配置している。そのため、開口部25が一部でも雪氷SIによって塞がった場合には、第1発熱部31及び第2発熱部32を発熱させることで雪氷SIを溶かすことができる。開口部25を通過する音波SWの音圧を確保できる。
【0063】
(2)本実施形態では、図4に示すように、第1発熱部31の一部を、外装部材21の前面21f上、又は外装部材21内であって前面21fに対し、前後方向のうち、後方に隣接する箇所に配置している。そのため、開口部25を前側から塞ぐ雪氷SIを少なくして、開口部25を通過する音波SWの音圧を確保する上記(1)の効果を得ることができる。
【0064】
(3)本実施形態では、図4に示すように、第2発熱部32の一部を、開口部25の内壁面IS上、又は外装部材21内であって内壁面ISに対し、前後方向に対し交差(直交)する方向に隣接する箇所に配置している。そのため、開口部25の内部を塞ぐ雪氷SIを少なくして、開口部25を通過する音波SWの音圧を確保する上記(1)の効果を得ることができる。
【0065】
(4)本実施形態では、図1及び図3に示すように、外装部材21における複数の単位模様部24のうち開口部25に対応し、かつ中空状をなすものを、開口部25の前側の開口縁部に合致させている。そのため、開口部25を目立ちにくくし、開口部25に起因する外装部材21の外観の低下を抑制できる。また、模様部Pのもともとあるデザインに対し大きな改変を加えずに開口部25を形成できる。
【0066】
(5)本実施形態では、図3及び図4に示すように、発熱部Hにおける第1発熱部31及び第2発熱部32を、長孔からなる開口部25における少なくとも一対の第1壁面26を上下両側から挟み込む箇所に配置している。そのため、開口部25を前側から塞ぐ雪氷SI、及び開口部25の内部を塞ぐ雪氷SIを集中して効率よく溶かすことができる。
【0067】
(6)本実施形態では、図3及び図4に示すように、第1発熱部31及び第2発熱部32を、開口部25を取り囲んだ状態で配線された電熱線によって構成している。そのため、第1発熱部31及び第2発熱部32で発生した熱を開口部25の周囲に効率よく伝達して、開口部25を前側から塞ぐ雪氷SI、及び開口部25の内部を塞ぐ雪氷SIを効率よく溶かすことができる。
【0068】
また、第1発熱部31及び第2発熱部32が電熱線によって形成されているため、同第1発熱部31及び第2発熱部32を開口部25の内壁面ISに沿って配線する作業を容易に行なうことができる。
【0069】
なお、上記実施形態は、これを以下のように変更した変更例として実施することもできる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0070】
<開口部25について>
・外装部材21は、自身の周縁部に接する箇所に開口部25を有していてもよい。図5はその一例を示している。この変更例では、上記実施形態とは異なり、外装部材21の車外側の面(前面21f)に模様部Pが設けられていない。
【0071】
この変更例では、縦長の開口部25が、外装部材21の右周縁部21rから凹む切欠きによって構成されている。開口部25の内壁面ISは、互いに平行の関係にある一対の第1壁面26と、両第1壁面26に対し直交する1つの第2壁面27とからなる。第2壁面27は、右周縁部21rに対し平行の関係にある。両第1壁面26は、右周縁部21rに対し直交している。
【0072】
開口部25が、上記の条件を満たす箇所に位置することで、同開口部25の周縁部(第1壁面26)が外装部材21の右周縁部21rに接する。そのため、開口部25が外装部材21の周縁部から遠ざかった箇所、例えば、図1に示す左周縁部21l及び右周縁部21r間の中央部に位置する場合に比べ、開口部25の周縁部が目立ちにくくなり、外装部材21の外観が向上する。
【0073】
また、図5に示すように開口部25の右隣には、外装パネル13の一部が位置する。外装パネル13において開口部25の右隣の部分が、開口部25の右側の周縁部(第2壁面27)を構成するような状態となる。しかも、その周縁部(第2壁面27)は、右周縁部21rの延長線上に位置する。そのため、開口部25がさらに目立ちにくい。
【0074】
また、縦長の開口部25が外装部材21の右周縁部21rに沿って傾斜状態で配置されることで、開口部25の周縁部が一層目立ちにくくなり、外装部材21の外観がより向上する。
【0075】
なお、図示はしないが、縦長の開口部25に代えて、横長の開口部25が外装部材21の周縁部(右周縁部21r)から凹む切欠きによって構成されてもよい。
また、図示はしないが、外装部材21は、自身の周縁部に接近する箇所に開口部25を有していてもよい。この変更例でも、上記実施形態とは異なり、外装部材21の車外側の面(前面21f)に模様部Pが設けられていない。
【0076】
ここで、開口部25が外装部材21の周縁部に接近する箇所に位置するとは、上記縦長の開口部25又は上記横長の開口部25が、外装部材21の周縁部、例えば右周縁部21rから、左方へ僅かに離れた箇所に位置することである。この場合にも、開口部25の周縁部が外装部材21の右周縁部21rに近づくため、上記図5の変更例と同様、開口部25の周縁部が目立ちにくく、外装部材21の外観が向上する上記効果が得られる。
【0077】
<機能部品について>
・機能部品としては、車外に向けて音波SWを放出する発音部12が代表的であるが、それ以外にも、車外に向けて電磁波を放出することで自身の機能を発揮するものであってもよい。電磁波には、電波及び光線が含まれる。例えば、センサ、カメラ等が機能部品に該当する。これらの機能部品が搭載された車両10に、本実施形態の車両の外部構造が適用されると、次の作用及び効果が得られる。
【0078】
機能部品は、車外に向けて電磁波を放出する。放出した電磁波が外装部材21の開口部25を通過して車外側へ放出されることで、機能部品の有する機能が発揮される。外装部材21の開口部25に雪氷SIが付着しておらず、同開口部25の全体が開口されている場合には、上記機能が適切に発揮される。
【0079】
一方、開口部25に雪氷SIが付着した場合には、発熱部Hが発熱される。すると、発熱部Hで発生した熱により、開口部25の雪氷SIが溶かされる。そのため、雪氷SIが溶けずにいる場合に比べ、開口部25において実際に開口している部分が大きくなり、開口部25を通じた機能発揮に対する雪氷SIの障壁の度合いが小さくなる。
【0080】
また、開口部25の周囲にのみ発熱部Hを配置することで、外装部材21の全体を対象として発熱部Hを配置した場合に比べ、発熱部Hを発熱させるのに消費するエネルギーが少なくてすむ。
【0081】
<発熱部Hについて>
・発熱部Hとして、上記電熱線以外にも、カーボンヒーター等の抵抗膜が用いられてもよい。
【0082】
・開口部25がヘッドライト11に接近した箇所に配置されてもよい。この場合には、発熱部Hで発生した熱に加え、ヘッドライト11で発生した熱を利用して、開口部25を車外側から塞ぐ雪氷SIや、開口部25の内部を塞ぐ雪氷SIを溶かすことが可能である。
【0083】
・上記実施形態において、第1発熱部31から第1縦発熱部31bが省略されてもよい。この場合、第1発熱部31は、互いに独立した一対の第1横発熱部31aによって構成される。そして、両第1横発熱部31aは、一対の第1壁面26を上下両側から挟み込む。
【0084】
<模様部Pについて>
・模様部Pは、互いに形状が同一であり、かつ大きさの異なる図、絵、形等が縦横に並べられることにより形成されたものであってもよい。
【0085】
また、模様部Pは、形状及び大きさの両者が互いに異なる図、絵、形等が縦横に並べられることにより形成されたものであってもよい。
・模様部Pにおける単位模様部24が、長方形とは異なる形状に形成されてもよい。図6は、単位模様部24が、上記実施形態の長方形よりも小さな円形に形成された変更例を示している。この単位模様部24が互いに接近した状態で縦横に並べられることにより、模様部Pが構成されている。図6では、互いに左右方向に離間した状態で配置された複数の円形の単位模様部24の組み合わせが、上下方向に複数組配列されている。
【0086】
各単位模様部24の左右方向における位置は、同図6に示すように、上下の隣の列において互いに左右方向に隣り合う単位模様部24の中間となる箇所であってもよい。これに代えて、図示はしないが、各単位模様部24の左右方向における位置は、上下の隣の列における単位模様部24の左右方向における位置と同じであってもよい。
【0087】
上記開口部25は、発音部12の前方に位置する複数の単位模様部24のそれぞれに対応して設けられている。開口部25に対応する単位模様部24は中空状をなし、開口部25の前側の開口縁部に合致している。表現を変えると、各開口部25は対応する単位模様部24を含んだ状態で、外装部材21を前後方向に貫通している。
【0088】
なお、開口部25の一部を構成する単位模様部24と、構成しない他の単位模様部24とを区別するために、図6では、前者の単位模様部24が後者の単位模様部24よりも太い線で図示されている。
【0089】
発熱部Hは、上記実施形態と同様の形態を有する第1発熱部31によって構成されてもよい。第1発熱部31は、複数の第1横発熱部31aと、複数の第1縦発熱部31bとによって構成されてもよい。各第1横発熱部31aは、互いに左右方向に離間した状態で配置された複数の円形の単位模様部24の組み合わせの上方又は下方において、一直線状をなすように左右方向に延びている。
【0090】
複数の単位模様部24の組み合わせの下方に配置された第1横発熱部31aと、その直下に位置する複数の単位模様部24の組み合わせの上方に配置された第1横発熱部31aとは、図6に示すように、共通してもよい。
【0091】
各第1縦発熱部31bは、上下方向に隣り合う一対の第1横発熱部31aの左端部同士を連結する、又は右端部同士を連結する。
上記変更例でも、第1発熱部31で発生した熱によって、各開口部25に付着した雪氷SIを溶かすことができ、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0092】
なお、この変更例においても、図示はしないが、上記実施形態と同様に、第1発熱部31に加え、第2発熱部が設けられてもよい。この場合、第2発熱部は、外装部材21内であって、円形の開口部25における内壁面に隣接する箇所、又は同内壁面上に配置されてもよい。
【0093】
・上記実施形態及び上記図6の変更例において、開口部25に対応して中空状をなす単位模様部24は、同開口部25の車外側の開口縁部に必ずしも合致しなくてもよい。例えば、上記単位模様部24は、上記開口縁部と同じ形状をなし、かつ同開口縁部よりも大きく形成されてもよい。
【0094】
・模様部Pは、必ずしも外装部材21の前面21fの全面を対象として形成されなくてもよい。模様部Pは、前面21fのうち、例えば、機能部品の車外側となる箇所とその周囲の箇所とを対象として形成されてもよいし、機能部品の車外側となる箇所のみを対象として形成されてもよい。
【0095】
<その他>
・外装部材21としては、上記フロントグリル以外にも次に記載するものであってもよい。
【0096】
バンパー、フォグカバー、ボンネットフード、カウルルーバー、フェンダー、フェンダーアーチ、ロッカーモール、ルーフサイドモール、ピラー、リアガーニッシュ、スポイラー等である。
【0097】
・上述した車両の外部構造は、エンジン等の内燃機関を動力源とする車両10に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0098】
10…車両
12…発音部(機能部品)
21…外装部材
21r…右周縁部(周縁部)
24…単位模様部
25…開口部
26…第1壁面
27…第2壁面
31…第1発熱部
32…第2発熱部
IS…内壁面
H…発熱部
D1,D2…壁面間距離
P…模様部
SW…音波
図1
図2
図3
図4
図5
図6