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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055484
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】二重容器及び二重容器の接合方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 6/32 20060101AFI20240411BHJP
【FI】
B65D6/32 B
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162440
(22)【出願日】2022-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】514033703
【氏名又は名称】椿化工株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520364864
【氏名又は名称】株式会社H2O
(74)【代理人】
【識別番号】100115613
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 寧司
(72)【発明者】
【氏名】藤村 三郎
(72)【発明者】
【氏名】白石 卓也
(72)【発明者】
【氏名】松浦 正靖
(72)【発明者】
【氏名】廣 晴菜
(72)【発明者】
【氏名】大宮 智之
【テーマコード(参考)】
3E061
【Fターム(参考)】
3E061AA26
3E061AB09
3E061DA02
3E061DB06
(57)【要約】
【課題】デザイン性に優れ、外容器と内容器の接合が容易な二重容器の接合方法及びその方法によって得られる二重容器を提供すること。
【解決手段】外容器と内容器が接合した二重容器であって、前記外容器の外側壁と前記内容器の接合側壁とが前記接合に寄与し、前記外容器と前記内容器の前記接合に寄与する係合面が、前記外側壁と前記接合側壁とが対向する二対の面である二重容器とした。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外容器と内容器が接合した二重容器であって、
前記外容器の外側壁と前記内容器の接合側壁とが前記接合に寄与し、
前記外容器と前記内容器の前記接合に寄与する係合面が、前記外側壁と前記接合側壁とが対向する二対の面である二重容器。
【請求項2】
前記外側壁の端部に基端面から突出する突片部が形成されており、
前記対向する二対の面のうちの一対が、前記外容器における前記突片部の外周面と、前記内容器における前記接合側壁の内周面であり、
前記対向する二対の面のうちのもう一対が、前記外容器における前記基端面と、前記内容器における前記接合側壁の端面である請求項1記載の二重容器。
【請求項3】
前記外容器の前記基端面上の内周側に超音波リブを有する請求項2記載の二重容器。
【請求項4】
前記対向する二対の面のうち、前記外容器における前記基端面と前記内容器における前記接合側壁の端面とからなる一対の面が少なくとも固着した固着面である請求項2記載の二重容器。
【請求項5】
前記対向する二対の面のうち、前記外容器と前記内容器の接合方向に沿う一対の面が、それぞれ対向する傾斜面に形成されている請求項2記載の二重容器。
【請求項6】
前記対向する二対の面のうち、前記外容器と前記内容器の接合方向に沿う一対の面が、それぞれ非平滑面に形成されている請求項2記載の二重容器。
【請求項7】
前記内容器における前記接合側壁の前記端面と前記内周面との交差位置が面取りされた面取り部として形成されている請求項2記載の二重容器。
【請求項8】
前記外容器における前記基端面と前記突片部の前記外周面との交差位置が断面レ字状の凹みとして形成されている請求項2記載の二重容器。
【請求項9】
外側壁を有する外容器と接合側壁を有する内容器の前記両側壁が接合した二重容器の接合方法であって、
前記外側壁と前記接合側壁とを対向する二対の面で係合し、
前記対向する二対の面のうち、少なくとも一対の面である前記外容器と前記内容器の接合方向に直行する面を超音波融着によって固着して固着面とする二重容器の接合方法。
【請求項10】
前記外側壁の端部に基端面から突出する突片部が形成された前記外容器を用い、
前記基端面上の内周側に超音波リブを設けて、少なくとも前記基端面と前記内容器における前記接合側壁の端面とを超音波融着によって固着して固着面とする請求項9記載の二重容器の接合方法。
【請求項11】
前記対向する二対の面を超音波融着によって固着して固着面とする請求項9記載の二重容器の接合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック製からなる外容器と内容器とが一体化してなる二重容器に関する。
【背景技術】
【0002】
内容物の保護や、容器のデザイン性の向上、内容物の詰め込みの容易性、容器の製造容易性、及び内容物を残さずに取り出し可能とすること等のために、透明な内容器と透明な外容器とが一体となって二重構造を形成したプラスチック容器が知られている。こうした技術は、例えば特開2020-128225号公報(特許文献1)又は特許第4911401号公報(特許文献2)に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-128225号公報
【特許文献2】特許第4911401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この特開2020-128225号公報(特許文献1)に記載の技術では、二重容器の接合部分を熱や超音波を用いた融着や、接着剤を用いた接着によって結合するとしているが、二重容器のそれぞれに設けた凹所と凸所を接合しているため、表面に凹みができる触り心地や見た目の悪化により容器としてのデザイン性に劣りお洒落な感じを演出したいシャンプーやコンディショナーの包装容器としては採用し難い構造であった。
また、特許第4911401号公報(特許文献2)に記載の技術では、外容器と内容器のそれぞれに傾斜面を形成して当接状態とし、レーザー光照射によって、当接した傾斜面どうしを溶着接合させることを特徴とする。しかしながらこの技術によれば、傾斜面で接合しているため、係合状態が不十分で安定した接合がし難いという欠点を有していた。
【0005】
本開示は、デザイン性に優れ、外容器と内容器の接合が容易な二重容器の接合方法及びその方法によって得られる二重容器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示は次の構成を有する。即ち、外容器と内容器が接合した二重容器であって、前記外容器の外側壁と前記内容器の接合側壁とが前記接合に寄与し、前記外容器と前記内容器の前記接合に寄与する係合面が、前記外側壁と前記接合側壁とが対向する二対の面である二重容器である。
【0007】
外容器と内容器が接合した二重容器であって、前記外容器の外側壁と前記内容器の接合側壁とが前記接合に寄与し、前記外容器と前記内容器の前記接合に寄与する係合面が、前記外側壁と前記接合側壁とが対向する二対の面であることから、係合構造が簡単であり、成形が容易となることで所定のスケール範囲内で成形できるという寸法安定性が高い。そのため、欠陥品を出し難く歩留まりが高くなる。また、外容器と内容器の重ね合わせが容易であり効率良く無駄な作業をしないで作業を進めることができるという作業性が高い。
【0008】
本開示の一態様は、前記外側壁の端部に基端面から突出する突片部が形成されており、前記対向する二対の面のうちの一対が、前記外容器における前記突片部の外周面と、前記内容器における前記接合側壁の内周面であり、前記対向する二対の面のうちのもう一対が、前記外容器における前記基端面と、前記内容器における前記接合側壁の端面である二重容器である。
本開示は、前記外側壁の端部に基端面から突出する突片部が形成されており、前記対向する二対の面のうちの一対が、前記外容器における前記突片部の外周面と、前記内容器における前記接合側壁の内周面であり、前記対向する二対の面のうちのもう一対が、前記外容器における前記基端面と、前記内容器における前記接合側壁の端面である二重容器であるため、外容器にはその端部に突片部を形成するだけであり、内容器には接合壁部を形成するだけで係合面を形成することができ両容器の成形が容易である。
【0009】
本開示の一態様は、前記外容器の前記基端面上の内周側に超音波リブを有する二重容器である。本開示の一態様を、前記外容器の前記基端面上の内周側に超音波リブを有する二重容器としたため、超音波融着により外容器と内容器を簡単に溶着できる。また、外容器の基端面に超音波リブを形成するため、成形型の形成が容易であり、簡単に超音波リブを設けることができる。
【0010】
本開示の一態様は、前記対向する二対の面のうち、前記外容器における前記基端面と前記内容器における前記接合側壁の端面とからなる一対の面が少なくとも固着した固着面である二重容器である。本開示の一態様を、前記対向する二対の面のうち、前記外容器における前記基端面と前記内容器における前記接合側壁の端面とからなる一対の面が少なくとも固着した固着面である二重容器としたため、少なくともこの一対の面が固着することで外容器と内容器とを一体化できる。そのため、固着作業が容易であり、二重容器の製造効率が高くなる。
【0011】
本開示の一態様は、前記対向する二対の面のうち、前記外容器と前記内容器の接合方向に沿う一対の面が、それぞれ対向する傾斜面に形成されている二重容器である。本開示の一態様を、前記対向する二対の面のうち、前記外容器と前記内容器の接合方向に沿う一対の面が、それぞれ対向する傾斜面に形成されている二重容器としたため、外容器に内容器をはめ込み易く、両容器の固着前の嵌め合わせ作業が容易となる。また、傾斜面とすることで、外容器と内容器の接合方向に沿う一対の面で挟まれる空間に、超音波リブが溶融した樹脂が流れ込み易い。さらに、超音波融着の際に外容器と内容器の接合方向に沿う一対の面が溶かされ易くなり、この一対の面の溶着が容易になる。
【0012】
本開示の一態様は、前記対向する二対の面のうち、前記外容器と前記内容器の接合方向に沿う一対の面が、それぞれ非平滑面に形成されている二重容器である。本開示の一態様を、前記対向する二対の面のうち、前記外容器と前記内容器の接合方向に沿う一対の面が、それぞれ非平滑面に形成されている二重容器としたため、平滑面とするよりも表面が粗面となり溶融樹脂による密着力が高まる。よって、外容器と内容器の接着性に優れた二重容器である。
【0013】
本開示の一態様は、前記内容器における前記接合側壁の前記端面と前記内周面との交差位置が面取りされた面取り部として形成されている二重容器とすることができる。本開示の一態様を、前記内容器における前記接合側壁の前記端面と前記内周面との交差位置が面取りされた面取り部として形成されている二重容器としたため、超音波リブが溶融した樹脂が接合側壁の内周面側に流れ込み易い。そのため、外容器と内容器の固着力を高めることができる。
【0014】
本開示の一態様は、前記外容器における前記基端面と前記突片部の前記外周面との交差位置が断面レ字状の凹みとして形成されている二重容器とすることができる。本開示の一態様を、前記外容器における前記基端面と前記突片部の前記外周面との交差位置が断面レ字状の凹みとして形成されている二重容器としたため、この凹みに超音波リブが溶融した樹脂が入り込むため、外容器とこの溶融樹脂との固着力が高まり、それにより外容器と内容器との固着力も高まる。
【0015】
本開示の一態様は、外側壁を有する外容器と接合側壁を有する内容器の前記両側壁が接合した二重容器の接合方法であって、前記外側壁と前記接合側壁とを対向する二対の面で係合し、前記対向する二対の面のうち、少なくとも一対の面である前記外容器と前記内容器の接合方向に直行する面を超音波融着によって固着して固着面とする二重容器の接合方法である。
【0016】
本開示の一態様を、外側壁を有する外容器と接合側壁を有する内容器の前記両側壁が接合した二重容器の接合方法であって、前記外側壁と前記接合側壁とを対向する二対の面で係合し、前記対向する二対の面のうち、少なくとも一対の面である前記外容器と前記内容器の接合方向に直行する面を超音波融着によって固着して固着面とする二重容器の接合方法としたため、外容器と内容器の接合に関係する部位の製造がし易い。そのため、外容器と内容器の製造コストを抑えることが可能となる。また、外容器と内容器の係合を簡単に行うことができ製造の効率化を図ることができる。そして、超音波融着によるため、接着材が不要となり、接着材を用いる場合の余分な工程、コストを省くことができる。
【0017】
本開示の一態様は、前記外側壁の端部に基端面から突出する突片部が形成された前記外容器を用い、前記基端面上の内周側に超音波リブを設けて、少なくとも前記基端面と前記内容器における前記接合側壁の端面とを超音波融着によって固着して固着面とする二重容器の接合方法である。
【0018】
本開示の一態様を、前記外側壁の端部に基端面から突出する突片部が形成された前記外容器を用い、前記基端面上の内周側に超音波リブを設けて、少なくとも前記基端面と前記内容器における前記接合側壁の端面とを超音波融着によって固着して固着面とする二重容器の接合方法としたため、超音波融着機への装着が容易であり、超音波融着工程を容易に実行することができる。また、超音波ホーンを内容器の蓋部に当てることができる。さらには、固着面が内容器の自重による押圧を受ける面となるため外容器と内容器との固定の確実性が向上する。
【0019】
本開示の一態様は、前記対向する二対の面を超音波融着によって固着して固着面とする二重容器の接合方法である。本開示の一態様を、前記対向する二対の面を超音波融着によって固着して固着面とする二重容器の接合方法としたため、外容器と内容器との固着を容易に、かつ確実にすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本開示の二重容器の接合方法及によれば、外容器と内容器を簡単に接合できる。
また本開示の二重容器によれば、デザイン性に優れた二重容器である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】ノズルの付いた二重容器の使用状態を表す模式正面図である。
図2】外容器と内容器から二重容器がえら得ることを説明する説明図である。
図3】二重容器の模式図を示し、分図3Aはその平面図、分図3Bはその正面図と、分図3AのIIIB-IIIB線断面の一部拡大図を示す。
図4】外容器と内容器の接合部分の拡大断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
実施形態に基づき本開示をさらに詳細に説明する。本開示によるプラスチック容器からなる二重容器1の使用状態を表す模式正面図を図1に、その構成を図2で示す。この図1で示される二重容器1は、図2で示すように、外容器10と内容器20とから構成され、ノズル2を別途装着してシャンプーや、コンディショナー等の包装容器として用いられるものである。
【0023】
この図2で示すように、外容器10は、有底のカップ状に形成され、下端には、床上に載置できるように少なくとも水平な部分を有する底面17を有し、その底面17から上方に立ち上がる円筒状の外側壁11を形成し、その上端は開口部18となっている。
一方、内容器20は、下部は有底のカップ状であるが、その下部は先細で外容器なしに独立して起立不可能なU字状底27が形成されている。側面には内容物を内側に収容できる内側壁21がU字状底27から立ち上がる。そして、内容器20の上部は内側壁21がすぼまってノズル2を取り付ける首部26が形成される一方で、首部26と内側壁21との境界から外方に突出する蓋部28が形成されている。蓋部28には後述する接合側壁22を有しており、蓋部28は外容器10の開口部18を塞ぐ蓋の役割を果たしている。
【0024】
図3には二重容器1の模式正面図と模式平面図、及び一部拡大断面図を示す。この一部拡大断面図には、外容器10と内容器20の接合に寄与する係合部分を拡大して示す。即ち、外容器10には外側壁11を有し、内容器20には接合側壁22を有している。そして、この外側壁11と接合側壁22とが二対の面で対向して係合面となり、外容器10と内容器20の接合に寄与している。
【0025】
外容器10と内容器20との接合部分の拡大図を示す図4を併せて参照すると、外容器10には、その外側壁11の端部12に基端面12aから突出する突片部13が形成されている。そして、この突片部13の外周面13aと内容器20における接合側壁22の内周面22aとが対向する一対の面を形成している。また、外容器10における基端面12aと内容器20における接合側壁22の端面22bとが対応する別の一対の面を形成している。
【0026】
外容器10の基端面12aの面上には、超音波リブ14を設けている。超音波リブ14は、それが超音波により溶かされることで、この基端面12aと内容器20の端面22bとが固着する。この超音波リブ14は、基端面12a上にあって、その中央よりも内周側に設けることが好ましい。こうした位置に設けることで、超音波リブ14の溶融物が外側壁11から外方にあふれ出し外観を損ねることを防止し易いことや、外容器10の突片部13と接合側壁22の内周面22aとの隙間にもこの溶融物が流れ込み易く、この一対の面も固着面とでき、外容器10と内容器20との接合力が向上する。
【0027】
このとき、外容器10と内容器20の接合方向である上下方向に沿って一対の面となる、接合側壁22の内周面22aと突片部13の外周面13aが、それぞれ対向する傾斜面に形成されていることが好ましい。図3で示す例では、接合側壁22の内周面22aは上側に向かうに従い内容器20の中心側に傾斜した傾斜面を形成している。一方、外側壁11の突片部13の外周面13aも、上側に向かうに従い内容器20の中心側に傾斜した傾斜面を形成している。こうした傾斜面を形成することで、内容器20を外容器10にはめ込み易くなる。
【0028】
また、外容器10と内容器20の接合方向である上下方向に沿って一対の面となる、接合側壁22の内周面22aと突片部13の外周面13aが非平滑面に形成されていることが好ましい。平滑面は透明樹脂を用いた場合にその樹脂を通した向こう側が見えるのに対して、非平滑面は透明樹脂を用いた場合にその樹脂を通した向こう側が見えない状態をいう。敢えて平滑面としないことで、その表面が粗面となり接着力が向上する。
【0029】
内容器20における接合側壁22の端面22bと内周面22aとの交差位置、即ち、両面が直行するところが面取りされた面取り部23として形成されることが好ましい。そうした一方で、外容器10における基端面12aと突片部13の外周面13aとの交差位置、即ち、両面が直行するところが断面レ字状の凹み15として形成されることが好ましい。
【0030】
前記端面22bと前記内周面22aとの交差位置が面取り部23とされることで角が取れて、超音波リブ14が溶融した溶融樹脂が突片部13の外周面13aと接合側壁22の内周面22aとの間に流れ込み易くなる。一方で、基端面12aと突片部13の外周面13aとの交差位置が断面レ字状の凹み15とされることで凹み15の奥まで溶融樹脂が入り込むことでその溶融樹脂が端部12から剥がれ難くなる。
【0031】
二重容器の材質としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)や、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン樹脂(PMP)、ポリプロピレン樹脂等を利用できる。これらの樹脂のなかでもPETは透明性が高く、成形が容易で、強度も高く好ましい。
【0032】
二重容器1を製造するには、射出成形又はブロー成形等により、外容器10と内容器20とをそれぞれ成形し、外容器10に内容器20をはめ込むと、両容器の係合面で係合する。その後、超音波融着機により、内容器20の蓋部28から超音波を与えることで、超音波リブ14が溶けて外容器10と内容器20が溶着する。超音波融着による方法が容易な固着方法であるが、外容器10と内容器20の係合面を熱溶着したり、この係合面に接着材を付けて固着することも可能である。
【0033】
上記実施形態は本発明の一例であり、公知の手段や方法をさらに備えるものであっても良く、本発明の趣旨を変更しない範囲で適宜、変更が可能である。
【符号の説明】
【0034】
1 二重容器、2 ノズル、10 外容器、11 外側壁、12 端部、12a 基端面、13 突片部、13a 外周面、14 超音波リブ、15 凹み、17 底面、18 開口部、20 内容器、21 内側壁、22 接合側壁、22a 内周面、22b 端面、23 面取り部、26 首部、27 U字状底、28 蓋部
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-05-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外容器と内容器が接合した二重容器において
前記内容器の上部は、内容物を収容する内側壁がすぼまって首部が形成される一方で、当該首部と前記内側壁との境界から外方に突出し、前記接合側壁を有する蓋部が形成されており、
前記外容器の底面から上方に立ち上がる円筒状の外側壁の端部にはその基端面から突出する突片部が形成されており、
前記外容器の外側壁と前記内容器の接合側壁とが前記接合に寄与し、
前記外容器と前記内容器の前記接合に寄与する係合面が、前記外側壁と前記接合側壁とが対向する二対の面であり、
前記外側壁の端部に基端面から突出する突片部が形成されており、
前記対向する二対の面のうちの一対が、前記外容器における前記突片部の外周面と、前記内容器における前記接合側壁の内周面であり、
前記対向する二対の面のうちのもう一対が、前記外容器における前記基端面と、前記内容器における前記接合側壁の端面であって、
前記突片部の前記外周面以外は前記内容器の前記蓋部に接触せずに、
前記対向する二対の面のうち、前記外容器における前記基端面と前記内容器における前記接合側壁の端面とからなる一対の面が少なくとも固着した固着面であることを特徴とする二重容器。
【請求項2】
前記突片部の天面は前記蓋部と前記内側壁とで形成される内側空間に露出しており前記蓋部に接触しない請求項1記載の二重容器。
【請求項3】
前記外容器の前記基端面上の内周側に超音波リブを有する請求項1記載の二重容器。
【請求項4】
前記突片部の外周面とは反対側にある前記突片部の内周面は、前記蓋部と前記内側壁とで形成される内部空間に露出しており前記内側壁に接触しない請求項1記載の二重容器。
【請求項5】
前記対向する二対の面のうち、前記外容器と前記内容器の接合方向に沿う一対の面が、それぞれ対向する傾斜面に形成されている請求項1記載の二重容器。
【請求項6】
前記対向する二対の面のうち、前記外容器と前記内容器の接合方向に沿う一対の面が、それぞれ非平滑面に形成されている請求項1記載の二重容器。
【請求項7】
前記内容器における前記接合側壁の前記端面と前記内周面との交差位置が面取りされた面取り部として形成されている請求項1記載の二重容器。
【請求項8】
前記外容器における前記基端面と前記突片部の前記外周面との交差位置が断面レ字状の凹みとして形成されている請求項1記載の二重容器。
【請求項9】
外側壁を有する外容器と接合側壁を有する内容器の前記両側壁が接合した二重容器の接合方法であって、
前記外側壁の端部に基端面から突出する突片部が形成された前記外容器を用い、
前記基端面と前記接合側壁の端面とが対向する面、及び前記突片部の外周面と前記接合側壁の内周面とが対向する面の二対の面で係合し、
前記対向する二対の面のうち、少なくとも前記基端面と前記接合側壁の端面とが対向する面を超音波融着によって固着して固着面とする二重容器の接合方法。
【請求項10】
記基端面上の内周側に超音波リブを設けて、超音波融着によって固着する請求項9記載の二重容器の接合方法。
【請求項11】
前記対向する二対の面を超音波融着によって固着して固着面とする請求項9記載の二重容器の接合方法。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外容器と内容器が接合した二重容器において、
前記内容器の上部は、内容物を収容する内側壁がすぼまって首部が形成される一方で、当該首部と前記内側壁との境界から外方に突出し、前記接合側壁を有する蓋部が形成されており、
前記外容器の底面から上方に立ち上がる円筒状の外側壁の端部にはその基端面から突出する突片部が形成されており、
前記外容器の外側壁と前記内容器の接合側壁とが前記接合に寄与し、
前記外容器と前記内容器の前記接合に寄与する係合面が、前記外側壁と前記接合側壁とが対向する二対の面であり、
前記外側壁の端部に基端面から突出する突片部が形成されており、
前記対向する二対の面のうちの一対が、前記外容器における前記突片部の外周面と、前記内容器における前記接合側壁の内周面であり、
前記対向する二対の面のうちのもう一対が、前記外容器における前記基端面と、前記内容器における前記接合側壁の端面であって、
前記突片部の前記外周面以外は前記内容器の前記蓋部に接触せずに、
前記対向する二対の面のうち、前記外容器における前記基端面と前記内容器における前記接合側壁の端面とからなる一対の面が固着した固着面であることを特徴とする二重容器。
【請求項2】
前記突片部の天面は前記蓋部と前記内側壁とで形成される内側空間に露出しており前記蓋部に接触せず、
前記突片部の外周面とは反対側にある前記突片部の内周面は、前記蓋部と前記内側壁とで形成される内部空間に露出しており前記内側壁に接触しない請求項1記載の二重容器。
【請求項3】
前記対向する二対の面のうち、前記外容器と前記内容器の接合方向に沿う一対の面が、それぞれ対向する傾斜面に形成されている請求項1記載の二重容器。
【請求項4】
前記内容器における前記接合側壁の前記端面と前記内周面との交差位置が面取りされた面取り部として形成され、
前記外容器における前記基端面と前記突片部の前記外周面との交差位置が断面レ字状の凹みとして形成されている請求項1記載の二重容器。
【請求項5】
外側壁を有する外容器と接合側壁を有する内容器の前記両側壁が接合した二重容器の接合方法であって、
前記外側壁の端部に基端面から突出する突片部が形成された前記外容器を用い、
前記基端面と前記接合側壁の端面とが対向する面、及び前記突片部の外周面と前記接合側壁の内周面とが対向する面の二対の面で係合し、
前記対向する二対の面のうち、前記基端面上の内周側に超音波リブを設けて、前記基端面と前記接合側壁の端面とが対向する面を超音波融着によって固着して固着面とする二重容器の接合方法。