(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055494
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】操作ペダルシステム
(51)【国際特許分類】
B60T 7/04 20060101AFI20240411BHJP
B62K 23/08 20060101ALI20240411BHJP
B62L 3/04 20060101ALI20240411BHJP
B60T 7/06 20060101ALI20240411BHJP
G05G 1/30 20080401ALI20240411BHJP
B62J 25/06 20200101ALI20240411BHJP
【FI】
B60T7/04 A
B62K23/08
B62L3/04 A
B60T7/06 B
G05G1/30 B
B62J25/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162465
(22)【出願日】2022-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139365
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 武雄
(74)【代理人】
【識別番号】100150304
【弁理士】
【氏名又は名称】溝口 勉
(72)【発明者】
【氏名】山本 隆世
(72)【発明者】
【氏名】小林 浩二
(72)【発明者】
【氏名】福島 英明
【テーマコード(参考)】
3D124
3J070
【Fターム(参考)】
3D124AA32
3D124BB01
3D124BB17
3D124CC31
3D124DD30
3J070AA32
3J070BA25
3J070BA85
3J070CA12
3J070CA26
3J070CA27
3J070DA04
(57)【要約】
【課題】鞍乗型車両に設けられた操作ペダルの踏面の高さ位置の調整、または踏面の形態の変更を容易に行うことができるようにし、利便性を高める。
【解決手段】鞍乗型車両に設けられるブレーキペダルシステムは、アーム部14およびペダル部15を有するブレーキペダル13と、ペダル部15に取り付けられることにより、ペダル部15の上方に踏面11を形成する踏面形成部材21とを備え、踏面形成部材21はブレーキペダル13とは別体であるため、ブレーキペダル13から分離することができ、また、踏面形成部材21は、上面に踏面形成面23が形成された本体部22と、踏面形成部材21をペダル部15に着脱可能に取り付けるための取付機構28とを有している。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鞍乗型車両に設けられる操作ペダルシステムであって、
前記鞍乗型車両における概ね前後方向に伸長したアーム部、および前記アーム部の前端部から前記鞍乗型車両における左右方向外側に突出したペダル部を有する操作ペダルと、
前記ペダル部に取り付けられることにより、前記ペダル部の上方に、前記操作ペダルの踏込操作が行われた際の踏力を受ける第1の踏面を形成する踏面形成部材とを備え、
前記踏面形成部材は前記操作ペダルとは別体であり、
前記踏面形成部材は、
上面に、前記第1の踏面を形成する踏面形成面が形成された本体部と、
前記本体部に設けられ、前記踏面形成部材を前記ペダル部に着脱可能に取り付けるための取付機構とを有していることを特徴とする操作ペダルシステム。
【請求項2】
前記ペダル部の上面には、前記踏面形成部材が前記ペダル部から取り外された状態において、前記操作ペダルの踏込操作が行われた際の踏力を受ける第2の踏面が形成され、
前記踏面形成部材が前記ペダル部に取り付けられることにより形成される前記第1の踏面の高さは、前記第2の踏面の高さよりも高いことを特徴とする請求項1に記載の操作ペダルシステム。
【請求項3】
前記取付機構は、前記踏面形成部材を前記ペダル部に掛け止めすることによって前記ペダル部に取り付けることを特徴とする請求項1に記載の操作ペダルシステム。
【請求項4】
前記取付機構は、前記本体部から下方に突出した突出部と、前記突出部の下端部に設けられた鉤状または錨状の掛け部とを有し、
前記ペダル部は、概ね前後方向および左右方向に拡がる板状の底部と、前記底部の周縁から上方に伸長した周壁部とを有する有底筒状に形成され、
前記底部には掛け穴が形成され、
前記踏面形成部材は、前記取付機構を前記周壁部内に挿入しつつ、前記本体部を前記周壁部上に載置し、前記掛け部を前記掛け穴に掛けることにより前記ペダル部に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の操作ペダルシステム。
【請求項5】
前記ペダル部から取り外された前記踏面形成部材を前記鞍乗型車両に保持させるホルダを備え、
前記ホルダは、前記鞍乗型車両において前記操作ペダル以外の部分に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の操作ペダルシステム。
【請求項6】
前記ホルダは、前記鞍乗型車両において前記操作ペダル以外の部分であって、かつ外部に露出した部分に設けられ、
前記ペダル部から取り外された前記踏面形成部材は、外部に露出した状態で前記ホルダに取り付けられることを特徴とする請求項5に記載の操作ペダルシステム。
【請求項7】
前記鞍乗型車両には、ピリオンフットレスト、および前記ピリオンフットレストを前記鞍乗型車両に支持するピリオンフットレストブラケットを有するピリオンフットレストユニットが設けられ、
前記ホルダは、前記ピリオンフットレストユニットに設けられていることを特徴とする請求項6に記載の操作ペダルシステム。
【請求項8】
前記ピリオンフットレストブラケットは、前記鞍乗型車両から左右方向外側に伸長し、互いに離間した2本の柱部を有し、
前記ホルダは前記2本の柱部の間に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の操作ペダルシステム。
【請求項9】
前記ホルダは、前記鞍乗型車両を前から見たときに、前記2本の柱部間から左右方向外側に出ないように配置されていることを特徴とする請求項8に記載の操作ペダルシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗型車両に設けられる操作ペダルシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、鞍乗型車両において、鞍乗型車両の操縦者が座るシートの右下および左下にはフットレストがそれぞれ設けられている。また、シートの右下には、操作ペダルの一種であるブレーキペダルが設けられている。
【0003】
また、鞍乗型車両の操縦者の乗車姿勢には、座り姿勢と立ち姿勢がある。舗装路等、表面が平坦な場所を鞍乗型車両で走行する場合、通常、操縦者は、シートに座り、両膝を曲げ、左足および右足の土踏まずの辺りをフットレスト上に乗せて鞍乗型車両を操縦する。この姿勢が座り姿勢である。一方、未舗装路等、表面に凹凸や起伏がある場所を鞍乗型車両で走行する場合、操縦者は、左足および右足の土踏まずの辺りをフットレスト上に乗せたまま、両膝を伸ばし気味にし、シートから尻を浮かせた状態で鞍乗型車両を操縦することがある。この姿勢が立ち姿勢である。
【0004】
また、操縦者はブレーキペダルを踏込操作することにより、鞍乗型車両の後輪を制動する。具体的には、操縦者は、右足のつま先側の底面(具体的には概ね右足の親指の腹辺り)をブレーキペダルに乗せ、右側のフットレストを支点として右足のつま先側を下げて、ブレーキペダルを下へ押し込むことにより後輪を制動する。
【0005】
立ち姿勢の場合、両膝が伸び気味になっていること等により、座り姿勢の場合と比較して、各足のつま先側の位置が高くなる。また、立ち姿勢の場合、両足に体重がかかっていること等により、各足のつま先側を下げることができる範囲が小さくなる。さらに、操縦者がオフロードブーツのような頑丈で堅い靴を履いている場合には、各足のつま先側を下げることができる範囲が一層小さくなる。このような理由から、立ち姿勢の場合には、ブレーキペダルの踏込操作の良好な操作性を確保するために、座り姿勢の場合と比較して、ブレーキペダルの踏面を高く設定することが望ましい。
【0006】
従来、ブレーキペダルの踏面の高さ位置の調整は、リヤブレーキマスターシリンダのプッシュロッドに取り付けられているヨークの位置を変更することにより行う。すなわち、特開平6-191462号公報(特許文献1)の
図5に示されている通り、リヤブレーキマスターシリンダのプッシュロッドの下端部は、ヨークを介してブレーキペダルの後端部に接続されている。ブレーキペダルの踏面を高くする場合、リヤブレーキマスターシリンダからヨークを離すようにヨークの位置を下げる。このようなヨークの位置の調整は、まず、プッシュロッドに設けられたヨーク固定用のナットをスパナ等の工具を用いて緩め、次に、ヨークの位置を変更し、次に、上記ナットをスパナ等の工具を用いて締め付けることにより行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来のブレーキペダルにおいては、その踏面の高さ位置を調整するに当たり、上述したように、プッシュロッドに設けられたナットをスパナ等の工具を用いて緩めたり締め付けたりする必要がある。そのため、踏面の高さ位置の調整が煩雑であり、また、調整作業に時間がかかるという問題がある。
【0009】
また、鞍乗型車両の利用者が、例えば、街中の舗装路、高速道路、未舗装の林道、オフロードレースのコースなど、平坦な場所と凹凸や起伏のある場所との双方を鞍乗型車両で走行する場合がある。このような場合に、従来のブレーキペダルは、利用者に不便を強いることとなるおそれがある。具体的には、ブレーキペダルの踏面の高さ位置の調整にはスパナ等の工具が必要であることから、利用者は、ブレーキペダルの踏面の高さ位置の調整を移動先で行うために、スパナ等の工具の携帯しなければならない。また、ブレーキペダルの踏面の高さ位置の調整は煩雑であることから、利用者は、移動先で、ブレーキペダルの踏面の高さ位置の調整作業を安全に行うために、鞍乗型車両を安定した状態で停めることができる平坦な作業スペースを確保する必要がある。しかしながら、移動先でこのような作業スペースを見つけることは困難な場合がある。
【0010】
また、鞍乗型車両の利用者が、平坦な場所と凹凸や起伏のある場所との双方を鞍乗型車両で走行する場合、ブレーキペダルの踏面の面積、またはブレーキペダルの踏面に形成された滑り止めの形状等、ブレーキペダルの踏面の形態を、移動先の走行場所の状態に応じて容易に変更することができれば便利である。しかしながら、従来のブレーキペダルにおいて、踏面の形態の変更を行うためには、ブレーキペダルの全体を交換する必要がある。ブレーキペダルの全体の交換には煩雑な作業を要する。この作業を移動先で行うことは困難である。
【0011】
また、踏面の高さ位置の調整が煩雑であり、調整作業に時間がかかるという上記問題、または、平坦な場所と凹凸や起伏のある場所との双方を鞍乗型車両で走行する利用者に不便を強いるおそれがあるという上記問題、あるいは、踏面の形態の変更を行うためには操作ペダルの全体を交換するといった煩雑な作業を要するという上記問題は、ブレーキペダルに限らず、鞍乗型車両に設けられた他の従来の操作ペダル(例えばロータリー式のシフトペダル等)にも起こり得る。
【0012】
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の第1の課題は、鞍乗型車両に設けられた操作ペダルの踏面の高さ位置を容易に調整することができる利便性の高い操作ペダルシステムを提供することにある。また、本発明の第2の課題は、鞍乗型車両に設けられた操作ペダルの踏面の形態を容易に変えることができる利便性の高い操作ペダルシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明は、鞍乗型車両に設けられる操作ペダルシステムであって、前記鞍乗型車両における概ね前後方向に伸長したアーム部、および前記アーム部の前端部から前記鞍乗型車両における左右方向外側に突出したペダル部を有する操作ペダルと、前記ペダル部に取り付けられることにより、前記ペダル部の上方に、前記操作ペダルの踏込操作が行われた際の踏力を受ける第1の踏面を形成する踏面形成部材とを備え、前記踏面形成部材は前記操作ペダルとは別体であり、前記踏面形成部材は、上面に、前記第1の踏面を形成する踏面形成面が形成された本体部と、前記本体部に設けられ、前記踏面形成部材を前記ペダル部に着脱可能に取り付けるための取付機構とを有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、鞍乗型車両に設けられた操作ペダルの踏面の高さ位置を容易に調整することができ、操作ペダルの踏面の高さ位置の調整について利便性を高めることができる。また、本発明によれば、鞍乗型車両に設けられた操作ペダルの踏面の形態を容易に変えることができ、操作ペダルの踏面の形態の変更について利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の操作ペダルシステムの実施例であるブレーキペダルシステムが設けられた鞍乗型車両を示す説明図である。
【
図2】本発明の実施例におけるリヤブレーキシステムの一部を右から見た状態を示す説明図であり、
図2(A)は、ブレーキペダルのペダル部に踏面形成部材が取り付けられた状態を示し、
図2(B)は、ブレーキペダルのペダル部に踏面形成部材が取り付けられていない状態を示している。
【
図3】本発明の実施例におけるリヤブレーキシステムの一部を上から見た状態を示す説明図であり、
図3(A)は、ブレーキペダルのペダル部に踏面形成部材が取り付けられた状態を示し、
図3(B)は、ブレーキペダルのペダル部に踏面形成部材が取り付けられていない状態を示している。
【
図4】本発明の実施例におけるピリオンフットレストユニットを右から見た状態を示す説明図であり、
図4(A)は、ホルダに踏面形成部材が取り付けられていない状態を示し、
図4(B)は、ホルダに踏面形成部材が取り付けられた状態を示している。
【
図5】
図4中の切断線V-Vに沿って切断したピリオンフットレストユニットの断面を前から見た状態を示す説明図であり、
図5(A)は、ホルダに踏面形成部材が取り付けられていない状態を示し、
図5(B)は、ホルダに踏面形成部材が取り付けられた状態を示している。
【
図6】本発明の実施例におけるピリオンフットレストユニットを前から見た状態を示す説明図であり、
図6(A)は、ホルダに踏面形成部材が取り付けられていない状態を示し、
図6(B)は、ホルダに踏面形成部材が取り付けられた状態を示している。
【
図7】本発明の実施例における踏面形成部材を示す説明図であり、
図7(A)は踏面形成部材を上から見た状態を示し、
図7(B)は踏面形成部材を下から見た状態を示し、
図7(C)は踏面形成部材を右から見た状態を示し、
図7(D)は、
図7(A)中の切断線VII-VIIに沿って切断した踏面形成部材の断面を右から見た状態を示している。
【
図8】本発明の実施例において踏面形成部材をペダル部に取り付ける方法を示す説明図である。
【
図9】
図8に続き、踏面形成部材をペダル部に取り付ける方法を示す説明図である。
【
図10】本発明における踏面形成部材の他の実施例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態の操作ペダルシステムは、鞍乗型車両に設けられる操作ペダルシステムであって、操作ペダルおよび踏面形成部材を備えている。操作ペダルは、鞍乗型車両における概ね前後方向に伸長したアーム部、およびアーム部の前端部から鞍乗型車両における左右方向外側に突出したペダル部を有している。また、踏面形成部材は、ペダル部に取り付けられることにより、ペダル部の上方に、操作ペダルの踏込操作が行われた際の踏力、すなわち、鞍乗型車両の乗員が操作ペダルの踏込操作を行った際の当該乗員の足からの踏力を受ける第1の踏面を形成する部材である。
【0017】
また、踏面形成部材は操作ペダルとは別体である。また、踏面形成部材は、上面に、第1の踏面を形成する踏面形成面が形成された本体部と、この本体部に設けられ、踏面形成部材をペダル部に着脱可能に取り付けるための取付機構とを有している。
【0018】
本実施形態の操作ペダルシステムによれば、踏面形成部材をペダル部に着脱することにより、操作ペダルの踏面の高さ位置を調整することができる。例えば、ペダル部の上面に第2の踏面を形成した場合、踏面形成部材がペダル部に取り付けられていないときには、操作ペダルの踏面は第2の踏面となる。一方、踏面形成部材がペダル部に取り付けられたときには、踏面形成部材の本体部の踏面形成面が操作ペダルの第2の踏面の上方に重ねて配置された状態となる。これにより、踏面形成部材の本体部の踏面形成面によって、ペダル部の第2の踏面の上方に第1の踏面が形成される。その結果、操作ペダルの踏面は第1の踏面となる。このように、踏面形成部材をペダル部に着脱することにより、操作ペダルの踏面を第1の踏面および第2の踏面のいずれかにすることができ、操作ペダルの踏面の高さ位置を変更することができる。
【0019】
さらに、本実施形態の操作ペダルシステムによれば、踏面形成部材が有する取付機構を、例えば掛け止め式、係り止め式、または磁石式等とし、鞍乗型車両の利用者が踏面形成部材をペダル部に、工具を用いずに手で容易に取り付けることができるようにすることで、操作ペダルの踏面の高さ位置の調整を容易にすることができ、調整作業にかかる時間を短くすることができる。また、スパナ等の工具の携帯を不要にすることができ、移動先での操作ペダルの踏面の高さ位置の調整につき、利便性を高めることができる。また、本実施形態の操作ペダルシステムによれば、操作ペダルの踏面の高さ位置の調整を容易に行うことができるので、例えば移動先の未舗装の林道の路肩等、少々不安定な場所であっても安全に調整作業を行うことができ、操作ペダルの踏面の高さ位置の調整につき、利便性を高めることができる。
【0020】
また、本実施形態の操作ペダルシステムにおいて、踏面形成部材は操作ペダルとは別体であり、操作ペダルから完全に分離することができる。したがって、踏面形成部材がペダル部に取り付けられていないときに、踏面形成部材が操縦者による操作ペダルの踏込操作の邪魔になることを防止することができる。
【0021】
以上、本発明の実施形態として、ペダル部の上面に第2の踏面を形成し、踏面形成部材をペダル部に着脱することにより、操作ペダルの踏面の高さ位置を、第1の踏面および第2の踏面のいずれかに設定する形態を例にあげたが、本発明の実施形態として、次のような別の形態も考えられる。例えば、本発明の実施形態の操作ペダルシステムの構成を、上記操作ペダルと、本体部の上下方向の厚さが互いに異なる2つの踏面形成部材とを備える構成とする。これにより、本体部の厚さが薄い踏面形成部材をペダル部に取り付けることにより操作ペダルの踏面の高さ位置を低くし、一方、本体部の厚さが厚い踏面形成部材をペダル部に取り付けることにより操作ペダルの踏面の高さ位置を高くすることができる。また、本発明の実施形態の操作ペダルシステムの構成を、上記操作ペダルと、本体部の上下方向の厚さがそれぞれ異なる3つ以上の踏面形成部材とを備える構成とすれば、これら3つ以上の踏面形成部材の中から、ペダル部に取り付ける踏面形成部材を選択することにより、操作ペダルの踏面の高さ位置を多段階に変更することができる。
【0022】
以上、本発明の実施形態として、踏面形成部材をペダル部に着脱し、または複数の踏面形成部材の中からペダル部に取り付ける踏面形成部材を選択することによって、操作ペダルの踏面の高さ位置を調整する形態を述べたが、本発明のさらなる別の実施形態として、踏面形成部材をペダル部に着脱し、または複数の踏面形成部材の中からペダル部に取り付ける踏面形成部材を選択することによって、操作ペダルの踏面の形態(例えば踏面の面積、または踏面に形成された滑り止めの形状等)を変更する形態も考えられる。この場合には、例えば、ペダル部の上面に形成された第2の踏面の形態と、踏面形成部材の本体部の踏面形成面の形態を互いに異なるようにし、または、複数の踏面形成部材の本体部の踏面形成面の形態をそれぞれ異なるようにする。この実施形態によれば、操作ペダルの踏面の形態を容易に変えることができ、操作ペダルの踏面の形態の変更について利便性を高めることができる。
【実施例0023】
本発明の操作ペダルシステムの実施例について図面を用いて説明する。なお、実施例において、上(Ud)、下(Dd)、前(Fd)、後(Bd)、左(Ld)、右(Rd)の方向を述べる際には、各図中の左下に描いた矢印に従う。
【0024】
(鞍乗型車両)
図1は、本発明の操作ペダルシステムの実施例であるブレーキペダルシステム1が設けられた鞍乗型車両81を示している。
図1に示すように、鞍乗型車両81の上部において、前後方向中間部から後部にかけての部分には、シート85が設けられている。シート85の前部には、鞍乗型車両81の乗員であり、鞍乗型車両81を操縦する操縦者が座るドライバー座部85Aが形成されている。また、シート85の後部には、鞍乗型車両81の他の乗員である同乗者が座るピリオン座部85Bが形成されている。
【0025】
また、鞍乗型車両81において、シート85のドライバー座部85Aの左下および右下にはドライバーフットレスト86がそれぞれ設けられている。鞍乗型車両81の操縦時に、操縦者はこれらドライバーフットレスト86に左右の足をそれぞれ乗せる。また、鞍乗型車両81において、シート85のピリオン座部85Bの左前下および右前下にはピリオンフットレストユニット91がそれぞれ設けられている。同乗者は、これらピリオンフットレストユニット91のピリオンフットレスト92に左右の足をそれぞれ乗せる。
【0026】
また、鞍乗型車両81の下部において、前後方向中間部から後部にかけての部分には、後輪84を制動するリヤブレーキシステム51が設けられている。リヤブレーキシステム51は、ブレーキペダル13、踏面形成部材21、リヤブレーキマスターシリンダ55、リヤブレーキディスク71、リヤブレーキキャリパ72、およびリヤブレーキホース73等を有している。
【0027】
(リヤブレーキシステム)
図2(A)は、リヤブレーキシステム51の構成要素のうち、シート85のドライバー座部85Aの右下に配置されている構成要素を右から見た状態を示している。
図3(A)は、
図2(A)中のリヤブレーキシステム51の構成要素を上から見た状態を示している。
【0028】
リヤブレーキシステム51のうち、ブレーキペダル13、踏面形成部材21、およびリヤブレーキマスターシリンダ55等は、鞍乗型車両81においてシート85のドライバー座部85Aの右下に配置されている。
【0029】
ブレーキペダル13は、鞍乗型車両81のメインフレーム82(
図1を参照)に固定されたロアーブラケット65に、ペダルシャフト52を介して上下方向に揺動可能に支持されている。また、ペダルシャフト52の外周側にはペダルスプリング53が設けられている。操縦者の踏込操作によりブレーキペダル13の前部が下方に移動し、その後、踏込操作が解除されたとき、ブレーキペダル13の前部はペダルスプリング53の付勢力により上方に移動し、初期位置に戻る。また、ブレーキペダル13の前部には、
図3(A)に示すように、ブレーキペダル13を補強するためのペダル補強部材54が設けられている。また、ブレーキペダル13の前端部には踏面形成部材21が取り付けられている。ブレーキペダル13および踏面形成部材21については後に詳述する。
【0030】
リヤブレーキマスターシリンダ55は、ロアーブラケット65に連結されたアッパーブラケット66を介して鞍乗型車両81のメインフレーム82に支持されている。リヤブレーキマスターシリンダ55は、
図2(A)に示すように、シリンダ本体56、プッシュロッド57、およびヨーク58を有している。プッシュロッド57はシリンダ本体56から下方に突出している。ヨーク58はプッシュロッド57の下部に螺着されている。ブレーキペダル13の後端部はヨーク58に連結ピン59を介して回転可能に連結されている。また、プッシュロッド57には、ヨーク58のプッシュロッド57に対する上下方向における位置を調整する際にプッシュロッド57をスパナ等の工具で回転させるための調整ナット部60が設けられている。また、プッシュロッド57には、ヨーク58のプッシュロッド57に対する上下方向における位置を固定するための固定ナット61が設けられている。
【0031】
また、アッパーブラケット66にはリヤブレーキスイッチ62が設けられている。リヤブレーキスイッチ62は、伝達スプリング63を介して、ブレーキペダル13に設けられた接続部64に接続されている。ブレーキペダル13が踏込操作されてブレーキペダル13の前部が下方に変位したとき、その変位が伝達スプリング63を介してリヤブレーキスイッチ62に伝達され、リヤブレーキスイッチ62が例えばオンになる。例えばリヤブレーキスイッチ62がオンになったときに、鞍乗型車両81の後尾に設けられたブレーキランプが点灯する。また、アッパーブラケット66には、リヤブレーキマスターシリンダ55およびリヤブレーキスイッチ62等を覆うカバー67が設けられている。
図2(A)においてはカバー67の外形および穴のみを破線で示し、
図3(A)においてはカバー67の図示を省略している。
【0032】
なお、右側のドライバーフットレスト86は、
図2(A)に示すように、ロアーブラケット65において、ペダルシャフト52が配置された部分の近傍に取り付けられている。また、右側のドライバーフットレスト86は、
図3(A)に示すように、ロアーブラケット65から右方に伸長している。
【0033】
(ピリオンフットレストユニット)
図4(A)は右側のピリオンフットレストユニット91を右から見た状態を示している。
図5(A)は、
図4(A)中の切断線V-Vに沿って切断したピリオンフットレストユニット91を前(
図4(A)においては右)から見た状態を示している。
図6(A)は右側のピリオンフットレストユニット91を前から見た状態を示している。
【0034】
右側のピリオンフットレストユニット91は、
図4(A)、5(A)および6(A)に示すように、ピリオンフットレスト92、およびピリオンフットレスト92を鞍乗型車両81の右側のシートレール83(
図1を参照)に支持するピリオンフットレストブラケット93を有している。ピリオンフットレストブラケット93は、右側のシートレール83から下方に傾斜しつつ右方(左右方向外側)に伸長した2本の柱部94、95を有している。また、2本の柱部94、95の基端側部分は前後方向に互いに離間している。また、2本の柱部94、95の基端部は梁部96により連結されている。また、2本の柱部94、95の先端部は互いに結合している。互いに結合した2本の柱部94、95の先端部にピリオンフットレスト92が取り付けられている。また、図示を省略しているが、左側のピリオンフットレストユニットは、右側のピリオンフットレストユニット91と左右対称に形成されている。また、右側のピリオンフットレストユニット91には、踏面形成部材21の不使用時に踏面形成部材21を鞍乗型車両81に保持させるためのホルダ35が設けられている。ホルダ35については後述する。
【0035】
(ブレーキペダルシステム)
鞍乗型車両81にはブレーキペダルシステム1が設けられている。ブレーキペダルシステム1は、
図1に示すように、少なくとも、リヤブレーキシステム51におけるブレーキペダル13および踏面形成部材21、並びに右側のピリオンフットレストユニット91に設けられたホルダ35から構成されている。なお、ブレーキペダル3は「操作ペダル」の具体例である。
【0036】
ブレーキペダルシステム1は、ブレーキペダル13のペダル部15に対する踏面形成部材21の着脱によって、ブレーキペダル13の踏面の高さ位置を2段階に調整する機能を有している。
図2(A)および3(A)は、踏面形成部材21がブレーキペダル13のペダル部15に取り付けられた状態を示し、
図2(B)および3(B)は、踏面形成部材21がブレーキペダル13のペダル部15に取り付けられていない状態を示している。
図2(A)および3(A)に示すように、踏面形成部材21がブレーキペダル13のペダル部15に取り付けられることにより、ブレーキペダル13のペダル部15の上方に、操縦者がブレーキペダル13の踏込操作を行った際の踏力を受ける第1の踏面11が形成される。すなわち、踏面形成部材21がブレーキペダル13のペダル部15に取り付けられた状態では、ブレーキペダル13の踏面は第1の踏面11となる。また、
図2(B)および3(B)に示すように、ブレーキペダル13のペダル部15の上面には、操縦者がブレーキペダル13の踏込操作を行った際の踏力を受ける第2の踏面12が形成されている。踏面形成部材21がブレーキペダル13のペダル部15に取り付けられていない状態では、ブレーキペダル13の踏面は第2の踏面12となる。
図2(A)および2(B)からわかる通り、第1の踏面11の高さ位置は第2の踏面12の高さ位置よりも高い。第1の踏面11と第2の踏面12との高さの差は、踏面形成部材21の本体部22の厚さHに相当する。踏面形成部材21をブレーキペダル13のペダル部15に取り付けることにより、ブレーキペダル13の踏面の高さ位置を高くすることができ、踏面形成部材21をブレーキペダル13のペダル部15から取り外すことにより、ブレーキペダル13の踏面の高さ位置を低くすることができる。
【0037】
また、ブレーキペダルシステム1は、ブレーキペダル13のペダル部15から踏面形成部材21が取り外されているときに、踏面形成部材21をホルダ35に取り付けることによって、操縦者によるブレーキペダル13の踏込操作の邪魔にならないように、踏面形成部材21を鞍乗型車両81に保持させる機能を有している。
図4(A)および5(A)は、踏面形成部材21がホルダ35に取り付けられていない状態を示し、
図4(B)および5(B)は、踏面形成部材21がホルダ35に取り付けられた状態を示している。
図4(B)および5(B)に示すように、ブレーキペダル13のペダル部15から踏面形成部材21が取り外されているときに、踏面形成部材21をホルダ35に取り付けることによって、踏面形成部材21を鞍乗型車両81に保持させることができる。また、ホルダ35は、ピリオンフットレストユニット91に設けられており、ピリオンフットレストユニット91は、ブレーキペダル13から大きく離れた位置に配置されている。それゆえ、ブレーキペダル13のペダル部15から取り外された踏面形成部材21をホルダ35に取り付けることによって、ブレーキペダル13のペダル部15から取り外された踏面形成部材21が、操縦者によるブレーキペダル13の踏込操作の邪魔になることはない。
【0038】
(ブレーキペダル)
ブレーキペダル13は、
図2(A)および3(A)に示すように、アーム部14およびペダル部15を有している。アーム部14は、例えば金属により細長い板状に形成され、概ね前後方向に伸長している。詳しくは、アーム部14を右から見たとき、
図2(A)に示すように、アーム部14の後端側部分と前端側部分はそれぞれ前後方向に伸長している。しかしながら、アーム部14の前後方向中間部分は、アーム部14とロアーブラケット65との干渉の回避等のために、上に凸の円弧を描くように湾曲している。また、アーム部14を上から見たとき、
図3(A)に示すように、アーム部14の後端側部分と前端側部分はそれぞれ前後方向に伸長している。しかしながら、アーム部14の前後方向中間部分は、その前部が後部よりも右方に変位するように傾斜している。その結果、アーム部14の前端側部分は、アーム部14の後端側部分よりも右側に位置している。また、
図2(A)に示すように、アーム部14の後端側部分は、ペダルシャフト52を介してロアーブラケット65に揺動可能に支持され、アーム部14の後端部は連結ピン59を介してヨーク58に回転可能に連結されている。また、アーム部14の前後方向略中間部には接続部64が設けられ、接続部64には伝達スプリング63の下端部が接続されている。
【0039】
ペダル部15は、
図3(B)に示すように、アーム部14の前端部に設けられ、アーム部14の前端部から右方(左右方向外側)に突出している。ペダル部15は右側のドライバーフットレスト86の概ね前方に位置している。ペダル部15は、例えば金属により、上部が開口した有底筒状に形成されている。ペダル部15は、概ね前後方向および左右方向に拡がる板状の底部16と、底部16の周縁から上方に伸長した周壁部17とを有している。ペダル部15を上から見たとき、ペダル部15は、左右方向に伸長した長辺と前後方向に伸長した短辺を有する長方形の右前の角を切り落とした略台形の形状を有している。また、ペダル部15を右から見たとき、
図2(B)に示すように、ペダル部15の最下面の位置は、アーム部14の前端の下面以下であり、ペダル部15の最上面の位置は、アーム部14の前端の上面以上である。また、
図3(B)に示すように、周壁部17の左側の外面はアーム部14の前端部の右面に例えば溶接等の手段により接合されており、これにより、ペダル部15はアーム部14に固定されている。
【0040】
また、ペダル部15の上面、具体的には、周壁部17の上端面には、第2の踏面12が形成されている。また、
図3(B)に示すように、周壁部17の上端面における複数の部分には、滑り止め溝18が形成されている。これにより、周壁部17の上端面、すなわち第2の踏面12には、滑り止めとして機能する凹凸が形成されている。
【0041】
また、ペダル部15の底部16には、第1の掛け穴19および2つの第2の掛け穴20が形成されている。第1の掛け穴19および各第2の掛け穴20の配置および形状は、踏面形成部材21の筒状部材29の下部およびフック32の形状に対応するように設定されている。第1の掛け穴19は底部16の略中央に配置され、2つの第2の掛け穴20は第1の掛け穴19の前方および後方にそれぞれ配置されている。底部16を上から見たとき、第1の掛け穴19は、左右方向に細長い長穴と、当該長穴の長辺よりも短く短辺よりも長い直径を有する円形の穴とを、両穴の中心が一致するように重ね合わせた形状を有している。第1の掛け穴19において、細長い長穴は踏面形成部材21のフック32の全体を通す穴であり、円形の穴は踏面形成部材21の筒状部材29の下部を挿入する穴である。また、各第2の掛け穴20の形状は例えば四角形である。各第2の掛け穴20は踏面形成部材21のフック32の掛止突部32Aを挿入する穴である。
【0042】
(踏面形成部材)
踏面形成部材21は、ブレーキペダル13のペダル部15に取り付けられることにより、ペダル部15の上方に第1の踏面11を形成する部材である。踏面形成部材21はブレーキペダル13とは別体である。すなわち、踏面形成部材21がブレーキペダル13のペダル部15から取り外されることにより、踏面形成部材21はブレーキペダル13から分離する。
【0043】
図7(A)~7(D)は踏面形成部材21の構成の詳細を示している。
図7(A)は踏面形成部材21を上から見た状態を示し、
図7(B)は踏面形成部材21を下から見た状態を示し、
図7(C)は踏面形成部材21を右から見た状態を示している。
図7(D)は、
図7(A)中の切断線VII-VIIに沿って切断した踏面形成部材21の断面を右(
図7(A)においては下)から見た状態を示している。
【0044】
踏面形成部材21は、
図7(D)に示すように、本体部22および取付機構28を有している。本体部22は、例えば金属により板状に形成されている。本体部22を上から見たとき、
図7(A)に示すように、本体部22は、左右方向に伸長した長辺と前後方向に伸長した短辺を有する長方形の右前の角を切り落とした略台形の形状を有している。本体部22を上から見たときの形状は、ペダル部15を上から見たときの形状と概ね相似の形状であり、本体部22を上から見たときの大きさは、ペダル部15を上から見たときの大きさよりも大きい。
【0045】
また、本体部22の上面には、第1の踏面11を形成する踏面形成面23が形成されている。また、踏面形成面23には、それぞれ上方に突出した複数の滑り止め突起24が形成されている。これにより、踏面形成面23には、滑り止めとして機能する凹凸が形成されている。
【0046】
また、
図7(C)において、本体部22の上下方向の厚さHは所定の値に設定されている。厚さHによって、ペダル部15に対する踏面形成部材21の着脱に伴うブレーキペダル13の踏面の高さ位置の変化量が定まる。すなわち、踏面形成部材21をペダル部15に取り付けることにより、踏面形成部材21をペダル部15に取り付ける前と比較して、ブレーキペダル13の踏面の高さが、本体部22の厚さH分、高くなる。
【0047】
また、本体部22の下面には、下方に突出した嵌合部25が形成されている。
図7(A)において破線で示したように、嵌合部25を上から見たときの形状は、ペダル部15を上から見たときの形状と概ね相似の形状であり、嵌合部25を上から見たときの大きさは、ペダル部15を上から見たときの大きさよりも若干小さい。踏面形成部材21がペダル部15に取り付けられるとき、嵌合部25はペダル部15の周壁部17の上部の内側に、若干の遊びを持った状態で嵌合される。
【0048】
また、本体部22の内部には、
図7(D)に示すように、掛止スプリング30等を収容するためのスプリング収容部26が形成されている。スプリング収容部26は上向きに開口している。また、本体部22において、スプリング収容部26の底壁部の中央には、当該底壁部を上下方向に貫通した挿通穴27が形成されている。
【0049】
取付機構28は、本体部22に設けられ、踏面形成部材21をペダル部15に着脱可能に取り付けるための機構である。本実施例において、取付機構28は、踏面形成部材21をペダル部15に掛け止めすることによってペダル部15に取り付ける。取付機構28は、筒状部材29、掛止スプリング30、スプリング支持ボルト31、およびフック32を有している。なお、筒状部材29は「突出部」の具体例であり、フック32は「掛け部」の具体例である。
【0050】
筒状部材29は、例えば金属により筒状に形成され、上下方向に伸長している。筒状部材29の上部はスプリング収容部26内に配置され、筒状部材29の下部は、挿通穴27を通り、本体部22から下方に突出している。挿通穴27の直径は筒状部材29の外径よりも若干大きく、筒状部材29は、本体部22に対して、自身の軸心に沿って上下方向に移動することができる。また、筒状部材29は、本体部22に対して、自身の軸心を中心に回転することができる。
【0051】
掛止スプリング30は、コイルスプリングであり、スプリング収容部26内において筒状部材29の上部の外周側に配置されている。スプリング支持ボルト31は、スプリング支持ボルト31のねじが筒状部材29の上部の内周側に形成されたねじに締着されることにより、筒状部材29の上部に固定されている。スプリング支持ボルト31は、その全体がスプリング収容部26内に入ることができる。掛止スプリング30は、スプリング支持ボルト31の頭部とスプリング収容部26の底壁部との間に挟まれている。
【0052】
フック32は筒状部材29の下端部に設けられている。フック32は、例えば金属により形成されている。フックは、外形が錨状の板であり、フック32の両端部には、上方に突出した掛止突部32Aがそれぞれ形成されている。また、フックは、つまみの如き形状および大きさを有しており、指で持つことができる。また、フック32の上部の中央部は、筒状部材29の下端部に、結合ピン33により結合されている。
【0053】
筒状部材29、スプリング支持ボルト31およびフック32は一体的に本体部22に対して上下方向に移動することができる。筒状部材29、スプリング支持ボルト31およびフック32が本体部22に対して下方に移動したとき、掛止スプリング30が収縮する。掛止スプリング30が収縮すると、掛止スプリング30のばね力がスプリング支持ボルト31の頭部に加わり、筒状部材29、スプリング支持ボルト31およびフック32が本体部22に対して上向きに押される。また、筒状部材29、スプリング支持ボルト31およびフック32は一体的に本体部22に対して筒状部材29の軸心を中心に回転することができる。
【0054】
(ペダル部に対する踏面形成部材の着脱方法)
図8(A)~8(B)、および
図9(A)~9(F)は、ペダル部15に対する踏面形成部材21の取付方法を示している。踏面形成部材21をペダル部15に取り付けるとき、鞍乗型車両81の利用者は、まず、
図8(A)に示すように、踏面形成部材21を上から見たときの略台形の形状の向きと、ペダル部15を上から見たときの略台形の形状の向きとが合うように、踏面形成部材21の向きをペダル部15の向きに合わせる。次に、利用者は、フック32を指で持って筒状部材29、スプリング支持ボルト31およびフック32を本体部22に対して回転させ、
図8(A)および8(B)に示すように、フック32の向きを、ペダル部15の第1の掛け穴19における細長い長穴の向きに合わせる。
【0055】
次に、利用者は、本体部22の取付機構28をペダル部15の周壁部17内に上方から挿入し、続いて、フック32および筒状部材29の下部をペダル部15の第1の掛け穴19内に挿入し、本体部22をペダル部15の周壁部17の上端面上に載置する。
【0056】
次に、利用者は、第1の掛け穴19内に挿入されたフック32を下から指で持ち、掛止スプリング30のばね力を超える力で、フック32を下方に引っ張る。そして、利用者は、
図9(A)および9(B)に示すように、フック32がペダル部15の第1の掛け穴19を通り抜けて底部16よりも下方に移動するまでフック32を引き下げる。これにより、フック32と共に筒状部材29およびスプリング支持ボルト31が本体部22およびペダル部15に対して下方に移動し、掛止スプリング30が収縮する。
【0057】
続いて、利用者は、フック32をこのように引き下げた状態のまま、フック32を例えば
図9(A)中の矢印aの方向に90度回転させる。これにより、フック32と共に筒状部材29およびスプリング支持ボルト31が本体部22およびペダル部15に対して90度回転する。フック、筒状部材29およびスプリング支持ボルト31が90度回転すると、
図9(C)および9(D)に示すように、フック32に形成された2つの掛止突部32Aが、ペダル部15の底部16に形成された2つの第2の掛け穴20の真下にそれぞれ位置するようになる。
【0058】
次に、利用者はフック32から指を離す。フック32から指が離れると、掛止スプリング30のばね力により、フック32、筒状部材29およびスプリング支持ボルト31が本体部22およびペダル部15に対して上方に移動し、
図9(E)および9(F)に示すように、フック32の2つの掛止突部32Aがペダル部15の2つの第2の掛け穴20内にそれぞれ挿入される。これにより、踏面形成部材21がペダル部15に掛け止めされる。
【0059】
また、踏面形成部材21をペダル部15から取り外すときには、利用者は、まず、フック32の2つの掛止突部32Aがペダル部15の2つの第2の掛け穴20から出るまでフック32を下方に引っ張り、その状態のまま、フック32を90度回転させ、フック32の向きを、ペダル部15の第1の掛け穴19における細長い長穴の向きに合わせる。次に、利用者は、踏面形成部材21を持ち上げて、踏面形成部材21をペダル部15から分離させる。
【0060】
(ホルダ)
ホルダ35は、ブレーキペダル13のペダル部15から取り外された踏面形成部材21を鞍乗型車両81に保持させる部材である。ホルダ35は、鞍乗型車両81において、ブレーキペダル13以外の部分であって、外部に露出した部分に設けられている。本実施例においては、ホルダ35は、
図4(A)および5(A)に示すように、右側のピリオンフットレストユニット91に設けられている。具体的には、ホルダ35は、ピリオンフットレストブラケット93の2本の柱部94、95の間に設けられている。ピリオンフットレストブラケット93の2本の柱部94、95の間は、鞍乗型車両81において外部に露出した部分であり、かつブレーキペダル13以外の部分である。また、
図4(B)および5(B)に示すように、ペダル部15から取り外された踏面形成部材21は、外部に露出した状態でホルダ35に取り付けられる。
【0061】
ホルダ35は例えば金属または樹脂等により形成されている。ホルダ35は、踏面形成部材21の取付機構28を用いて踏面形成部材21を自身に着脱可能に取り付けることができる構造を有している。具体的には、ホルダ35は、踏面形成部材21のフック32を自身に掛け止めすることによって、踏面形成部材21を自身に取り付けることができる構造を有している。ホルダ35は、ペダル部15と同じ構造、形状および大きさを有していてもよい。本実施例においては、ホルダ35として、ペダル部15と同じ部品が用いられている。利用者は、ペダル部15に対して踏面形成部材21を着脱する方法と同じ方法により、ホルダ35に対して踏面形成部材21を着脱することができる。本実施例のように、ホルダ35としてペダル部15と同じ部品を用いることにより、部品の共通化を図ることができ、製造コストを下げることができる。
【0062】
また、ホルダ35は、ホルダブラケット36を介して、ピリオンフットレストブラケット93の一方の柱部に固定されている。例えば、ホルダブラケット36は金属により形成され、ホルダ35はホルダブラケット36に溶接等の手段により固定されている。また、ホルダブラケット36は、例えば、ボルト等の固定部材37を用いて、ピリオンフットレストブラケット93の前側の柱部94に形成されたブラケット固定部38に固定されている。
【0063】
また、ホルダ35は、
図6(A)に示すように、鞍乗型車両81を前から見たときに、ピリオンフットレストブラケット93の2本の柱部94、95間から左右方向外側(右方)に出ないように配置されている。具体的には、鞍乗型車両81を前から見たときに、ピリオンフットレストブラケット93の2本の柱部94、95の外側の外面は、シートレール83から右下方向にそれぞれ伸長している。ホルダ35は、その全部が、これら2本の柱部94、95の外側の外面よりも内側(左下側)に入り込んでいる。
【0064】
また、本実施例において、踏面形成部材21の形状、および踏面形成部材21がホルダ35に取り付けられたときの踏面形成部材21の配置は、踏面形成部材21がホルダ35に取り付けられたとき、そのホルダ35に取り付けられた踏面形成部材21が、鞍乗型車両81を前から見たときにピリオンフットレストブラケット93の2本の柱部94、95間から左右方向外側(右方)に出ないように設定されている。すなわち、ピリオンフットレストブラケット93の各柱部94、95の左下側(左右方向内側かつ下側)には、
図6(B)中において二点鎖線により示されているように、空間Sが形成されている。鞍乗型車両81を前から見たとき、この空間Sは、概ね、上底および下底が左右方向に伸長し、上底が下底よりも短く、左側(内側)の脚が上下方向に伸長し、右側(外側)の脚が上から下に向かって右方(外側)に傾斜した台形の形状を有している。一方、
図7(A)に示すように、踏面形成部材21を上から見たとき、踏面形成部材21の本体部22は、左右方向に伸長した長辺と前後方向に伸長した短辺を有する長方形の右前の角を切り落とした略台形の形状を有している。このように、踏面形成部材21を上から見たときの形状は、鞍乗型車両81を前から見たときの空間Sの形状に対して概ね相似の形状となるように設定されている。また、踏面形成部材21がホルダ35に取り付けられたとき、踏面形成部材21は、鞍乗型車両81を前から見たときの踏面形成部材21の形状が、概ね、上底および下底が左右方向に伸長し、上底が下底よりも短く、左側の脚が上下方向に伸長し、右側の脚が上から下に向かって右方に傾斜した台形となるように配置される。このように、踏面形成部材21がホルダ35に取り付けられたときの踏面形成部材21の配置は、鞍乗型車両81を前から見たときの踏面形成部材21の台形の形状の向きが、鞍乗型車両81を前から見たときの空間Sの台形の形状の向きと揃うように設定されている。以上の結果、ピリオンフットレストブラケット93の各柱部94、95の左下側に形成された空間S内に、ホルダ35に取り付けられた踏面形成部材21の全部が完全に収まるようになる。
【0065】
以上説明した通り、本発明の実施例のブレーキペダルシステム1は、ブレーキペダル13のペダル部15に取り付けられることにより、ペダル部15の上方に踏面を形成する踏面形成部材21を備え、踏面形成部材21は、上面に踏面形成面23が形成された本体部22と、踏面形成部材21をペダル部15に着脱可能に取り付けるための取付機構28とを有している。この構成により、本実施例のブレーキペダルシステム1によれば、踏面形成部材21をブレーキペダル13のペダル部15に着脱することによって、ブレーキペダル13の踏面の高さ位置を調整することができる。
【0066】
また、本実施例のブレーキペダルシステム1においては、踏面形成部材21の上面に、第1の踏面11を形成する踏面形成面23が形成され、ペダル部15の上面に、第2の踏面12が形成され、踏面形成部材21がペダル部15に取り付けられた状態では、ブレーキペダル13の踏面が第1の踏面11となり、踏面形成部材21がペダル部15に取り付けられていない状態では、ブレーキペダル13の踏面が第2の踏面12となる。この構成により、単一の踏面形成部材21をペダル部15に対して着脱することにより、ブレーキペダル13の踏面の高さ位置を2段階に調整することができる。
【0067】
また、本実施例のブレーキペダルシステム1において、踏面形成部材21は、踏面形成部材21をペダル部15に掛け止めすることによってペダル部15に取り付ける取付機構28を有している。この構成により、スパナ等の工具を用いることなく、ペダル部15に対して踏面形成部材21を着脱することが可能になる。これにより、利用者はペダル部15に対する踏面形成部材21の着脱を容易に、短時間で行うことができる。ペダル部15に対する踏面形成部材21の着脱に工具が不要であるので、利用者は、工具を携帯していない場合でも、移動先で、ブレーキペダル13の踏面の高さ位置の調整を簡単に行うことができる。また、ペダル部15に対する踏面形成部材21の着脱をこのように簡単に行うことができるので、利用者は、例えば移動先の未舗装の林道の路肩等、少々不安定な場所であっても、ブレーキペダル13の踏面の高さ位置の調整作業を安全に行うことができる。このように、本実施例のブレーキペダルシステム1によれば、ブレーキペダルの踏面の高さ位置の調整について、利便性を高めることができる。
【0068】
また、本実施例のブレーキペダルシステム1において、踏面形成部材21の取付機構28は、本体部22から下方に突出した筒状部材29と、筒状部材29の下端部に設けられた錨状のフック32とを有し、ペダル部15は底部16と周壁部17とを有する有底筒状に形成され、底部16には第1の掛け穴19および第2の掛け穴20が形成されている。そして、利用者は、取付機構28を周壁部17内に挿入しつつ、本体部22を周壁部17上に載置し、フック32を第1の掛け穴19に通して、フック32の掛止突部32Aを第2の掛け穴20内に挿入することにより、踏面形成部材21をペダル部15に簡単に取り付けることができる。また、フック32の各掛止突部32Aが第2の掛け穴20内に挿入された状態は、掛止スプリング30のばね力によって維持される。これにより、踏面形成部材21がペダル部15に取り付けられた状態を維持することができ、鞍乗型車両81の走行時の振動等により、踏面形成部材21がペダル部15から外れてしまうことを防止することができる。
【0069】
また、本実施例のブレーキペダルシステム1において、踏面形成部材21はブレーキペダル13とは別体であるため、ブレーキペダル13から完全に分離することができる。したがって、踏面形成部材21がペダル部15から取り外されているとき、すなわち、踏面形成部材21の不使用時に、踏面形成部材21が操縦者によるブレーキペダル13の踏込操作の邪魔になることを防止することができる。
【0070】
また、本実施例のブレーキペダルシステム1は、ペダル部15から取り外された踏面形成部材21を鞍乗型車両81に保持させるホルダ35を備え、ホルダ35は、右側のピリオンフットレストユニット91に設けられている。ピリオンフットレストユニット91は、鞍乗型車両81において、ブレーキペダル13以外の部分であり、また、ブレーキペダル13から大きく離れた部分である。このような部分にホルダ35を設けて踏面形成部材21を保持させることにより、不使用時の踏面形成部材21が操縦者によるブレーキペダル13の踏込操作の邪魔になることを防止することができる。また、不使用時の踏面形成部材21を保持させるホルダ35を鞍乗型車両81に設けたことにより、利用者は、鞍乗型車両81で移動するときに、踏面形成部材21を容易に持ち運ぶことができ、また、踏面形成部材21を持ち運ぶことを失念することを抑制することができる。また、利用者は、踏面形成部材21を常に持ち運ぶようにすることで、移動先で、ブレーキペダル13の踏面の高さ位置の調整の必要が生じたときに、即座にかつ確実にそれを行うことができる。
【0071】
また、ペダル部15から取り外された踏面形成部材21は、鞍乗型車両81において外部に露出しているピリオンフットレストユニット91に、外部に露出した状態で取り付けられる。この構成により、踏面形成部材21に付いた泥の落下等により鞍乗型車両81が汚れることを抑制することができる。すなわち、踏面形成部材21をブレーキペダル13のペダル部15に取り付けて鞍乗型車両81で未舗装路等を走行している間、踏面形成部材21に泥等が付くことがある。この泥等が付いた踏面形成部材21を、仮に、鞍乗型車両81の内部の室(例えばシートカウルおよびシートで囲まれたシート下の空間等)に収容した場合、踏面形成部材21に付いた泥等が室内に落下し、室内が汚れることが考えられる。これに対し、本実施例のブレーキペダルシステム1においては、ピリオンフットレストユニット91のように、鞍乗型車両81において外部に露出した部分にホルダ35を設け、かつ、ペダル部15から取り外された踏面形成部材21を外部に露出した状態でホルダ35に取り付ける構成であるので、踏面形成部材21に付いた泥等は地面に落下する。したがって、踏面形成部材21に付いた泥等により鞍乗型車両81が汚れることを抑制することができる。
【0072】
また、ホルダ35は、ピリオンフットレストブラケット93の2本の柱部94、95の間に設けられている。これにより、ホルダ35に対する踏面形成部材21の着脱の容易性を確保しつつ、ホルダ35、およびホルダ35に取り付けられた踏面形成部材21が同乗者の邪魔になることを抑制することができる。
【0073】
また、ホルダ35は、鞍乗型車両81を前から見たときに、ピリオンフットレストブラケット93の2本の柱部94、95間から左右方向外側に出ないように配置されている。これにより、ホルダ35、およびホルダ35に取り付けられた踏面形成部材21が同乗者の邪魔になることを抑制する効果を高めることができる。
【0074】
また、踏面形成部材21を上から見たときの形状は、ピリオンフットレストブラケット93の各柱部94、95の左右方向内側かつ下側に形成された空間Sを鞍乗型車両81の前から見たときの形状と概ね相似の形状に設定されている。さらに、踏面形成部材21がホルダ35に取り付けられたときの踏面形成部材21の配置は、鞍乗型車両81を前から見たときの踏面形成部材21の形状の向きが、鞍乗型車両81を前から見たときの空間Sの形状の向きと揃うように設定されている。踏面形成部材21のこのような形状および配置により、ホルダ35に取り付けられた踏面形成部材21が、鞍乗型車両81を前から見たときにピリオンフットレストブラケット93の2本の柱部94、95間から左右方向外側に出ることを防止することができる。したがって、ホルダ35に取り付けられた踏面形成部材21が同乗者の邪魔になることを抑制する効果を高めることができる。
【0075】
なお、上記実施例では、単一の踏面形成部材21をペダル部15に対して着脱することにより、ブレーキペダル13の踏面の高さ位置を2段階に調整する構成を例にあげたが、本発明はこれに限らない。例えば、
図10(A)および10(B)に示すように、本体部22の厚さHが異なる複数の踏面形成部材101、102を設け、これら踏面形成部材101、102をペダル部15に付け替えることにより、ブレーキペダル13の踏面の高さ位置を調整する構成としてもよい。例えば、舗装路を走行するときには、踏面形成部材101をペダル部15に取り付け、未舗装路を走行するときには、踏面形成部材102をペダル部15に取り付ける。本体部22の厚さHがそれぞれ異なる踏面形成部材を3つ以上設けるようにすれば、ブレーキペダル13の踏面の高さ位置を多段階に調整することが可能になる。
【0076】
また、上記実施例では、ブレーキペダル13の踏面の高さ位置を調整する場合を例にあげたが、本発明はこれに限らない。本発明により、ブレーキペダル13の踏面の形態を変更するようにしてもよい。例えば、
図10(C)および10(D)に示すように、踏面形成面23の面積が異なる複数の踏面形成部材103、104を設け、これら踏面形成部材103、104をペダル部15に付け替えることにより、ブレーキペダル13の踏面の面積を変更する構成としてもよい。また、
図10(E)および10(F)に示すように、踏面形成面23に形成された滑り止め121の形状が異なる複数の踏面形成部材105、106を設け、これら踏面形成部材105、106をペダル部15に付け替えることにより、ブレーキペダル13の踏面の滑り止めの形状を変更する構成としてもよい。
【0077】
また、上記実施例における踏面形成部材21の取付機構28のフック32の形状を錨状としたが、フック32の形状は鉤状でもよい。また、踏面形成部材21のペダル部15への取付方法は、掛け止めに限らず、係り止めでもよいし、磁力を用いたものでもよい。いずれの方法によっても、工具を用いずに踏面形成部材21をペダル部15に着脱することができる。
【0078】
また、鞍乗型車両81においてホルダ35を設ける部分は、ブレーキペダル以外の部分であり、かつ外部に露出した部分であれば、右側のピリオンフットレストユニット91に限らない。例えば、左側のピリオンフットレストユニットでもよいし、他の部分でもよい。
【0079】
また、本発明の操作ペダルシステムは、ブレーキペダルに限らず、鞍乗型車両に設けられた他の操作ペダル(例えばロータリー式のシフトペダル等)にも適用することができる。また、
図1にはオフロードタイプの自動二輪車を示したが、本発明は種々の鞍乗型車両に適用することができる。
【0080】
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う操作ペダルシステムもまた本発明の技術思想に含まれる。