IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サントリーホールディングス株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-飲料サーバ 図1
  • 特開-飲料サーバ 図2
  • 特開-飲料サーバ 図3
  • 特開-飲料サーバ 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055504
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】飲料サーバ
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/12 20060101AFI20240411BHJP
【FI】
B67D1/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162488
(22)【出願日】2022-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(74)【代理人】
【識別番号】100227835
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 剛孝
(72)【発明者】
【氏名】原田 尚志
(72)【発明者】
【氏名】吉弘 晃
(72)【発明者】
【氏名】工藤 崇
(72)【発明者】
【氏名】北垣 歩武
(72)【発明者】
【氏名】茅野 美保子
(72)【発明者】
【氏名】真野 涼平
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA02
3E082BB01
3E082CC03
3E082DD05
(57)【要約】
【課題】ノンアルコール飲料及びアルコール飲料の濃度を正確にカスタマイズすることができる飲料サーバを提供する。
【解決手段】飲料サーバ10は、第1の吐出ノズル16b、20b、第2の吐出ノズル16c及び上水吐出ノズル16a、20aのうち、第1の吐出ノズル16b、20b又は第2の吐出ノズル16cを含む少なくとも1つを有し、飲料を注出する飲料注出部14、18と、第1のフロージェットポンプ58と第1のフローレギュレータ60とを連動させることによって第1の吐出ノズル16b、20bへ供給する第1の液体の吐出量を制御可能にし、第2のフロージェットポンプ74と第2のフローレギュレータ76とを連動させることによって第2の吐出ノズル16cへ供給する第2の液体の吐出量を制御可能にする制御装置82と、を備え、第1の飲料注出部14から注出される飲料のアルコール濃度を調節可能とされている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料を提供するための飲料サーバであって、該飲料サーバは、
第1の吐出ノズル、第2の吐出ノズル及び第3の吐出ノズルのうち、前記第1の吐出ノズル又は前記第2の吐出ノズルを含む少なくとも1つを有し、飲料を注出する飲料注出部と、
第1のタンクと接続され、前記第1のタンクに収容された第1の液体を圧送するための第1のポンプと、
前記第1のタンクと前記第1の吐出ノズルとを接続し、前記第1のタンクから圧送された前記第1の液体が流動する第1の供給管と、
前記第1の供給管の途中に配置され、前記第1の吐出ノズルへ供給する前記第1の液体の流量を調整可能な第1の調整機構と、
第2のタンクと接続され、前記第2のタンクに収容された第2の液体を圧送するための第2のポンプと、
前記第2のタンクと前記第2の吐出ノズルとを接続し、前記第2のタンクから圧送された前記第2の液体が流動する第2の供給管と、
前記第2の供給管の途中に配置され、前記第2の吐出ノズルへ供給する前記第2の液体の流量を調整可能な第2の調整機構と、
第3の液体を供給するための第3の液体供給部と前記第3の吐出ノズルとを接続し、前記第3の液体供給部からの前記第3の液体が流動する第3の供給管と、
前記第1のポンプと前記第1の調整機構とを連動させることによって前記第1の吐出ノズルへ供給する前記第1の液体の吐出量を制御可能にし、前記第2のポンプと前記第2の調整機構とを連動させることによって前記第2の吐出ノズルへ供給する前記第2の液体の吐出量を制御可能にする制御装置と、
を備え、
前記飲料注出部から注出される飲料の濃度を調節可能な、飲料サーバ。
【請求項2】
前記飲料注出部に配置され、前記第1の吐出ノズルを開閉する第1の電磁弁、及び、前記第2の吐出ノズルを開閉する第2の電磁弁を備え、
前記制御装置は、前記第1の電磁弁及び前記第2の電磁弁と電気的に接続され、前記第1の吐出ノズル及び前記第2の吐出ノズルを開放する時間を制御可能に構成されている、請求項1に記載の飲料サーバ。
【請求項3】
前記制御装置と電気的に接続され、前記飲料注出部から注出される飲料の濃度を設定可能に構成された操作部を備える、請求項1又は請求項2に記載の飲料サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、飲料サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、飲料との付き合い方は多様化しており、例えば、ソバーキュリアスといったアルコール飲料を摂取しないライフスタイルが提唱されている。また、アルコール飲料を嗜む人であっても、そのときの気分や体調に応じて低アルコール飲料やノンアルコール飲料を取り入れたりする傾向も高まっている。このように、飲食店等で提供される飲料のアルコール濃度や味の濃さ等に対するニーズは多様化してきており、濃度をカスタマイズした飲料の提供が求められている。
【0003】
例えば、特許文献1には、炭酸飲料を構成する液体原料と炭酸水とを単一のカップに供給する飲料供給装置において、液体原料が供給される液体原料ノズルと、炭酸水が供給される炭酸水ノズルと、を独立して設けたことを特徴とする飲料供給装置が開示されている。しかしながら、このような飲料供給装置は、フォーミングの発生を抑制することや、ガスボリュームの低下を抑制することといった、飲料の混合状態を改良することを目的としており、飲料のアルコール濃度を正確にカスタマイズすることを目的としていない。また、仮に、これらの飲料供給装置で多様なアルコール濃度の飲料を提供しようとすると、飲料を注出するノズルの数を増やして、さらに、アルコール濃度の異なる飲料タンクを多数用意する必要があるが、飲料供給装置が大型化し、かつ、設置スペースを拡大する必要があるため、通常の飲食店等に設置することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-137396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような課題を考慮して、ノンアルコール飲料及びアルコール飲料の濃度を正確にカスタマイズすることができる飲料サーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、飲料を提供するための飲料サーバであって、飲料サーバは、第1の吐出ノズル、第2の吐出ノズル及び第3の吐出ノズルのうち、第1の吐出ノズル又は第2の吐出ノズルを含む少なくとも1つを有し、飲料を注出する飲料注出部と、第1のタンクと接続され、第1のタンクに収容された第1の液体を圧送するための第1のポンプと、第1のタンクと第1の吐出ノズルとを接続し、第1のタンクから圧送された第1の液体が流動する第1の供給管と、第1の供給管の途中に配置され、第1の吐出ノズルへ供給する第1の液体の流量を調整可能な第1の調整機構と、第2のタンクと接続され、第2のタンクに収容された第2の液体を圧送するための第2のポンプと、第2のタンクと第2の吐出ノズルとを接続し、第2のタンクから圧送された第2の液体が流動する第2の供給管と、第2の供給管の途中に配置され、第2の吐出ノズルへ供給する第2の液体の流量を調整可能な第2の調整機構と、第3の液体を供給するための第3の液体供給部と第3の吐出ノズルとを接続し、第3の液体供給部からの第3の液体が流動する第3の供給管と、第1のポンプと第1の調整機構とを連動させることによって第1の吐出ノズルへ供給する第1の液体の吐出量を制御可能にし、第2のポンプと第2の調整機構とを連動させることによって第2の吐出ノズルへ供給する第2の液体の吐出量を制御可能にする制御装置と、を備え、飲料注出部から注出される飲料の濃度を調節可能とされている。なお、ここでいう「濃度」とは、アルコール濃度に限らず、例えば、濃縮原液を希釈して飲料を調製する場合の原液の濃度、甘味、塩味、酸味及び香味等を調整する場合の飲料の糖度、塩分濃度及びPH濃度等のように飲料を調製する際の指標となる濃度を全て含むものとする。
【0007】
さらに、本開示の他の態様として、飲料注出部に配置され、第1の吐出ノズルを開閉する第1の電磁弁、及び、第2の吐出ノズルを開閉する第2の電磁弁を備え、制御装置は、第1の電磁弁及び第2の電磁弁と電気的に接続され、第1の吐出ノズル及び第2の吐出ノズルを開放する時間を制御可能に構成されてもよい。
【0008】
また、本開示の他の態様として、制御装置と電気的に接続され、飲料注出部から注出される飲料の濃度を設定可能に構成された操作部を備えてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様によれば、第1のタンクに収容された第1の液体は、第1のポンプによって圧送され、第1の供給管を通って飲料注出部の第1の吐出ノズルから注出される。第1の供給管の途中には、第1の調整機構が配置されており、第1の吐出ノズルへ供給する第1の液体の流量を調整することができる。また、第2のタンクに収容された第2の液体は、第2のポンプによって圧送され、第2の供給管を通って飲料注出部の第2の吐出ノズルから注出される。第2の供給管の途中には、第2の調整機構が配置されており、第2の吐出ノズルへ供給する第2の液体の流量を調整することができる。このため、第1の吐出ノズル及び第2の吐出ノズルから注出する飲料の注出量を調整することができる。
【0010】
さらに、本開示の一態様によれば、制御装置は、第1のポンプと第1の調整機構とを連動させることによって第1の吐出ノズルへ供給する第1の液体の流量を制御し、第2のポンプと第2の調整機構とを連動させることによって第2の吐出ノズルへ供給する第2の液体の流量を制御することができる。このため、例えば、第1の液体又は第2の液体をアルコール飲料として、これ以外の液体をノンアルコール飲料又は水にした場合に、これらを混合して作られる飲料の濃度を正確にカスタマイズすることができる。また、例えば、第1のタンク又は第2のタンクにノンアルコール飲料を収容し、このタンクと接続された第1の吐出ノズル又は第2の吐出ノズルだけを用いて飲料を注出した場合は、ノンアルコール飲料を調製することができる。これによって、ノンアルコールも含む飲料の濃度を正確にカスタマイズすることができる。
【0011】
また、本開示の一態様によれば、例えば、第1のタンク及び第2のタンクの一方にアルコール飲料を収容し、他方にノンアルコール飲料を収容した場合に、第1の吐出ノズルと第2の吐出ノズルからアルコール飲料及びノンアルコール飲料を個別に注出することができる。このため、ノンアルコール飲料を収容したタンクと接続された吐出ノズルだけを用いてノンアルコール飲料を調製する際に、アルコールが混入することを防止又は抑制することができる。
【0012】
さらに、本開示の一態様によれば、飲料注出部には、第1の吐出ノズルを開閉する第1の電磁弁及び第2の吐出ノズルを開閉する第2の電磁弁が配置されている。制御装置は、電気的に接続された第1の電磁弁及び第2の電磁弁を開放する時間を制御可能に構成されている。このため、第1の吐出ノズル及び第2の吐出ノズルから注出される第1の液体及び第2の液体の注出量を正確に調節し、さらに、これらを混合して作り出される飲料の濃度を調節することができる。これによって、ノンアルコールも含む飲料の濃度を正確にカスタマイズすることができる。
【0013】
また、本開示の一態様によれば、制御装置と電気的に接続された操作部によって、飲料注出部から注出される飲料の濃度を設定することができる。これによって、飲料の濃度を正確にカスタマイズすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本実施形態に係る飲料サーバの斜視図を示す。
図2図2は、飲料サーバの内部構成のブロック図を示す。
図3図3は、注出条件設定時の飲料サーバの正面図を示す。
図4図4は、飲料濃度選択時の飲料サーバの正面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、実施形態に係る飲料サーバを説明する。同様な又は対応する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。理解を容易にするために、図の縮尺を変更して説明する場合がある。
【0016】
図1には、飲料サーバ10の斜視図を示す。飲料サーバ10には、本体12の前面の上方側に、飲料注出部としての第1の飲料注出部14及び第2の飲料注出部18が形成されている。第1の飲料注出部14及び第2の飲料注出部18には、アルコール飲料又はノンアルコール飲料を注出するためのノズル群16、20がそれぞれ取り付けられている。なお、以下において、ノズル群16、20として複数のノズルが取り付けられているとして説明するが、これに限らず、例えば、一元化された1つのノズルだけが取り付けられて、異なる配管から送液された異なる種類の液体が、注出される直前に一元化されたノズルにおいて混合されてもよい。
【0017】
ここで言うアルコール飲料とは、例えば、例えば、ビール、ビール以外のアルコール炭酸飲料、すなわち、発泡酒、麦芽以外の原料から製造された別のアルコール飲料が注入されたビール風味の発泡アルコール飲料(いわゆる第三のビール)、チューハイ、カクテルサワー、梅酒ソーダ、スピリッツソーダ、発泡性清酒、スパークリングワイン、又は、ハイボール等の様々な飲料が含まれる。また、ノンアルコール飲料とは、非アルコール炭酸飲料、すなわち、ノンアルコールビール、ノンアルコールスピリッツ、ノンアルコールワイン、ノンアルコールサワー、ノンアルコールカクテル、又は、炭酸ジュース等の様々な飲料が含まれる。なお、これらの飲料には、濃縮飲料(原液)も含まれる。
【0018】
ノズル群16、20の下方側には、飲料を注入するための飲用容器(図示省略)を載置する受台部22が取り付けられている。また、飲料サーバ10の前面側には、注出する飲料のアルコール濃度を設定するための操作部24が配置されている。操作部24はタッチパネル26を有しており、ユーザはタッチパネル26を操作することで、飲料のアルコール濃度を設定することができる(図4参照)。また、操作部24は、注出する飲料の濃度やノズル群16、20から注出される飲料の注出量を入力設定する機能も有しており、ユーザはタッチパネル26を操作することで、飲料の注出量を設定することができる(図3参照)。
【0019】
図2には、飲料サーバ10のブロック図を示す。飲料サーバ10は、第3の液体としての上水を供給するための第3の液体供給部としての上水供給部30を備える。上水供給部30は、上水の水源32と、レギュレータ34と、フィルタ36とを有しており、これらは第3の供給管としての後側上水管PA1によって接続されている。後側上水管PA1は、例えば、ポリエチレン製とされている。なお、これに限らず、合成樹脂等、他の可撓性材料で製造されてもよい。水源32の上水は、レギュレータ34とフィルタ36とを介して飲料サーバ10の本体12に配置されたベーンポンプ37へと送られる、すなわち、流れる。なお、上水の水源は、上水が蓄えられたタンクでもよく、上水を供給する水道でもよい。
【0020】
ベーンポンプ37へと送られた上水は、カーボネータ38へ向けて吐出される。カーボネータ38は、レギュレータ42及びガス管PA2を介して炭酸ガスボンベ40と接続されている。このため、カーボネータ38へ送られた上水に所定の圧力で調圧された炭酸ガスを溶け込ませることによって、炭酸水が生成される。カーボネータ38で生成された炭酸水は、冷却コイル(図示省略)を有する冷却部44で冷却され、第3の供給管としての前側上水管PA3を通って第1の飲料注出部14、及び、第2の飲料注出部18へと送られる。前側上水管PA3は、例えば、ポリエチレン製とされている。なお、これに限らず、合成樹脂等、他の可撓性材料で製造されてもよい。第1の飲料注出部14へと送られた炭酸水は、上水用電磁弁46及びニードル48を通って第3の吐出ノズルとしての上水吐出ノズル16aから注出することができる。また、第2の飲料注出部18へと送られた炭酸水は、上水用電磁弁50及びニードル52を通って第3の吐出ノズルとしての上水吐出ノズル20aから注出することができる。
【0021】
飲料サーバ10は、第1の飲料としてのノンアルコール飲料を供給するための第1の飲料供給部54を備える。第1の飲料供給部54は、第1の液体としてのノンアルコール飲料が収容された第1のタンク56を有しており、第1の供給管としての第1の後側供給管PA4の一方の端部と接続されている。第1の後側供給管PA4は、例えば、ポリエチレン製とされている。なお、これに限らず、合成樹脂等、他の可撓性材料で製造されてもよい。また、第1のタンク56は、第1のポンプとしての第1のフロージェットポンプ58と接続されている。このため、第1のタンク56のノンアルコール飲料は、第1のフロージェットポンプ58によって、第1の後側供給管PA4を通じて本体12側へ向けて圧送することができる。また、第1のフロージェットポンプ58は、炭酸ガスボンベ40とガス管PA5を介して接続されている。このため、本体12側へ向けて圧送するノンアルコール飲料に炭酸ガスを溶け込ませることができる。なお、ここでは、第1のタンク56には、ノンアルコール飲料が収容されているとして説明するが、これに限らず第1のタンクに、アルコール飲料が収容されてもよい。
【0022】
本体12へと送られたノンアルコール飲料は、冷却部44で冷却され、第1の供給管としての第1の前側供給管PA6及びその途中に配置された第1の調整機構としての第1のフローレギュレータ60を通って第1の飲料注出部14、又は、第2の飲料注出部18へと送られる。第1の前側供給管PA6は、例えば、ポリエチレン製とされている。なお、これに限らず、合成樹脂等、他の可撓性材料で製造されてもよい。第1の飲料注出部14へと送られたノンアルコール飲料は、電磁弁62及びニードル64を通って第1の吐出ノズル16bから注出することができる。第2の飲料注出部18へと送られたノンアルコール飲料は、電磁弁66及びニードル68を通って第1の吐出ノズル20bから注出させることができる。
【0023】
飲料サーバ10は、また、第2の飲料としてのアルコール飲料を供給するための第2の飲料供給部70を備える。第2の飲料供給部70は、所定のアルコール濃度に設定された第2の液体としてのアルコール飲料が収容された第2のタンク72を有しており、第2の供給管としての第2の後側供給管PA7の一方の端部と接続されている。第2の後側供給管PA7は、例えば、ポリエチレン製とされている。なお、これに限らず、合成樹脂等、他の可撓性材料で製造されてもよい。また、第2のタンク72は、第2のポンプとしての第2のフロージェットポンプ74と接続されている。このため、第2のタンク72のアルコール飲料は、第2のフロージェットポンプ74によって、第2の後側供給管PA7を通じて本体12側へ向けて圧送することができる。また、第2のフロージェットポンプ74は、炭酸ガスボンベ40とガス管PA5を介して接続されている。このため、本体12側へ向けて圧送するアルコール飲料に炭酸ガスを溶け込ませることができる。なお、ここでは、第2のタンク72には、アルコール飲料が収容されているとして説明するが、これに限らず第2のタンクに、ノンアルコール飲料が収容されてもよい。
【0024】
本体12へと送られたアルコール飲料は、冷却部44で冷却され、第2の供給管としての第2の前側供給管PA8及びその途中に配置された第2の調整機構としての第2のフローレギュレータ76を通って第1の飲料注出部14へと送られる。第2の前側供給管PA8は、例えば、ポリエチレン製とされている。なお、これに限らず、合成樹脂等、他の可撓性材料で製造されてもよい。第1の飲料注出部14へと送られたアルコール飲料は、第2の電磁弁78及びニードル80を通って第2の吐出ノズル16cから注出することができる。
【0025】
本体12の下方側には制御装置82が配置されている。制御装置82は、第1のフロージェットポンプ58及び第2のフロージェットポンプ74と電気的に接続されており、これらの吐出量を変動可能に構成されている。また、制御装置82は、第1のフローレギュレータ60及び第2のフローレギュレータ76と電気的に接続されており、これらを作動して流路を拡張又は縮小させることによって、通過する飲料の流量を変動できるように構成されている。このため、制御装置82は、作動させた第1のフロージェットポンプ58及び第2のフロージェットポンプ74の吐出量に応じて、第1のフローレギュレータ60及び第2のフローレギュレータ76を通過する飲料の流量を調整することができる。これによって、ノズル群16、20から注出する飲料及び炭酸水によって調製される飲料の濃度を正確に調整することができる。なお、第1のフローレギュレータ及び第2のフローレギュレータには、流量計又は流量センサが設けられてもよく、第1のフローレギュレータ及び第2のフローレギュレータにおける流量の実測値に応じて、制御装置は、所期の流量となるように第1のフローレギュレータ及び第2のフローレギュレータを作動するように構成されてもよい。
【0026】
なお、ここでは、第1のフロージェットポンプ58及び第2のフロージェットポンプ74の吐出量に応じて、第1のフローレギュレータ60及び第2のフローレギュレータ76を通過する飲料の流量を調整するとして説明するが、これに限らず、例えば、第1のフロージェットポンプ及び第2のフロージェットポンプの吐出量を一定として、第1のフローレギュレータ及び第2のフローレギュレータの飲料の注出量に応じた作動条件を予め制御装置内で設定してもよく、又は、第1のフローレギュレータ及び第2のフローレギュレータの流路の拡張又は縮小を飲料の注出量に応じて手動で設定してもよい。
【0027】
さらに、制御装置82は、ノズル群16、20に取り付けられた電磁弁46、50、62、66、78と電気的に接続されており、これらを開放する時間を設定して作動することができる。このため、制御装置82は、ノズル群16、20からする飲料及び炭酸水の吐出量を正確に調整することができる。
【0028】
制御装置82は、操作部24とも電気的に接続されている。このため、操作部24から入力された注出量及び飲料の濃度に応じて、第1のフロージェットポンプ58及び第2のフロージェットポンプ74の吐出量、第1のフローレギュレータ60及び第2のフローレギュレータ76の流路の拡張又は縮小、並びに、電磁弁46、50、62、66、78の開閉を制御することができる。
【0029】
ノンアルコール飲料を供給する第1の飲料供給部54には、第1の飲料供給部54を洗浄するための洗浄機構84が設けられている。洗浄機構84は、第1の後側供給管PA4と電磁弁90を介して接続されており、洗浄時には、電磁弁90を開放し、洗浄用フロージェットポンプ88を用いて上水タンク86内の上水を上水吐出ノズル16a、20aまで流すことができる。これによって、ノンアルコール飲料を供給する第1の飲料供給部54を簡便に洗浄することができる。なお、ここでは、洗浄機構84は第1の飲料供給部54に設けられているとして説明したが、これに限らず、第2の飲料供給部にも洗浄機構が設けられてもよい。また、上水タンク86に代えて、水道水が用いられてもよい。
【0030】
図3には、注出条件設定時の操作部24を示す。ユーザは第2のタンク72に収容されているアルコール飲料の濃度を入力し(タッチパネル26の「原液アルコール濃度」)、ノズル群16、20から注出する飲料の注出量を入力する(タッチパネル26の「注出量」)ことができる。また、後述する飲料濃度選択時における飲料の濃さや炭酸感(タッチパネル26の「うすめ」、「普通」、「やや濃」、「濃」)に相当する飲料の濃度を入力して、これらを設定することができる。また、ユーザは、注出条件を設定すると、タッチパネル26の「設定完」を押圧することによって、飲料濃度選択画面(図4参照)に切り替えることができる。
【0031】
図4には、飲料濃度選択時の操作部24を示す。ユーザは、ノズル群16、20から注出される飲料のアルコール濃度(タッチパネル26の「アルコール度数選択」)、又は、飲料の濃さや炭酸感(タッチパネル26の「濃度選択」)を選択することができる。濃度選択をしたユーザは、タッチパネル26の「注出」を押圧することによって、ノズル群16、20から飲料を注出させることができる。
【0032】
続いて、本実施形態に係る飲料サーバ10の作用及び効果を以下に説明する。
【0033】
本実施形態に係る飲料サーバ10によれば、第1のタンク56に収容されたノンアルコール飲料は、第1のフロージェットポンプ58によって圧送され、第1の供給管PA4、PA6を通って飲料注出部14、18の第1の吐出ノズル16b、20bから注出される。また、第2のタンク72に収容されたアルコール飲料は、第2のフロージェットポンプ74によって圧送され、第2の供給管PA7、PA8を通って飲料注出部14、18の第2の吐出ノズル16cから注出される。さらに、上水供給部30から供給される上水は、上水管PA1、PA3を通って飲料注出部14、18の上水吐出ノズル16a、20aから注出される。第1の供給管PA4、PA6の途中には、第1のフローレギュレータ60が配置されており、第1の吐出ノズル16b、20bへ供給するノンアルコール飲料の流量を調整することができる。このため、第1の吐出ノズル16b、20bから注出されるノンアルコール飲料と上水吐出ノズル16a、20aから注出される上水とを混合して作られるノンアルコール飲料の濃度を調節することができる。また、第2の供給管PA7、PA8の途中には、第2のフローレギュレータ76が配置されており、第2の吐出ノズル16cへ供給するアルコール飲料の流量を調整することができる。このため、第2の吐出ノズル16cから注出されるアルコール飲料と第1の吐出ノズル16b及び上水吐出ノズル16aから注出されるノンアルコール飲料及び上水とを混合して作られるアルコール飲料の濃度を調節することができる。これによって、ノンアルコールも含む飲料のアルコール濃度を正確にカスタマイズすることができる。
【0034】
さらに、本実施形態に係る飲料サーバ10によれば、第1の吐出ノズル16b、20bと第2の吐出ノズル16cからノンアルコール飲料及びアルコール飲料を個別に注出することができるため、ノンアルコール飲料を調製する際に、アルコールが混入することを防止又は抑制することができる。
【0035】
また、本実施形態に係る飲料サーバ10によれば、制御装置82によって、第1のフロージェットポンプ58と第1のフローレギュレータ60とを連動させることができる。このため、第1のフロージェットポンプ58によって圧送されるノンアルコール飲料の量に応じて第1のフローレギュレータ60を作動させ、第1の吐出ノズル16b、20bへ供給するノンアルコール飲料の流量を調節することができる。また、制御装置82によって、第2のフロージェットポンプ74と第2のフローレギュレータ76とを連動させることができる。このため、第2のフロージェットポンプ74によって圧送されるアルコール飲料の量に応じて第2のフローレギュレータ76を作動させ、第2の吐出ノズル16cへ供給するアルコール飲料の流量を調節することができる。これによって、ノンアルコールも含む飲料のアルコール濃度を正確にカスタマイズすることができる。
【0036】
さらに、本実施形態に係る飲料サーバ10によれば、飲料注出部14、18には、上水吐出ノズル16a、20aを開閉するための上水用電磁弁46、50と、第1の吐出ノズル16b、20bを開閉するための第1の電磁弁62、66と、第2の吐出ノズル16cを開閉するための第2の電磁弁78とが配置されている。制御装置82は、電気的に接続された上水用電磁弁46、50、第1の電磁弁62、66及び第2の電磁弁78を開放する時間を制御可能に構成されている。このため、上水を上水吐出ノズル16a、20aから正確な量だけ注出することができると共に、ノンアルコール飲料及びアルコール飲料を第1の吐出ノズル16b、20b及び第2の吐出ノズル16cから正確な量だけ注出することができる。これによって、ノンアルコールも含む飲料のアルコール濃度を正確にカスタマイズすることができる。
【0037】
また、本実施形態に係る飲料サーバ10によれば、制御装置82と電気的に接続された操作部24に飲料注出部14、18から注出される飲料のアルコール濃度を設定することができる。これによって、ノンアルコールも含む飲料のアルコール濃度を正確にカスタマイズすることができる。
【0038】
以上の説明のとおり、本実施形態に係る飲料サーバ10によって、ノンアルコール飲料及びアルコール飲料の濃度を正確にカスタマイズすることができる。
【0039】
なお、ここでは、飲料サーバ10は、第3の液体としての上水を供給するための第3の液体供給部としての上水供給部30を備えるとして説明したが、これに限らず、例えば、第3の吐出ノズルから注出する第3の液体はアルコール飲料又はノンアルコール飲料とされてもよく、このための第3の液体供給部としてアルコール飲料又はノンアルコール飲料を収容したタンクを備えてもよい。
【0040】
また、ここでは、飲料サーバ10は、炭酸ガスボンベ40を備えているとして説明したが、これに限らず、飲料サーバは、炭酸ガスボンベを備えずに、炭酸を含まない飲料だけを注出するように構成されてもよい。
【0041】
さらに、ここでは、飲料サーバ10によってノンアルコールを含むアルコール濃度が調整されるものとして説明したが、これに限らず、なお、飲料サーバは、濃縮原液を希釈して飲料を調製する場合の原液の濃度、甘味、塩味、酸味及び香味を調整する場合の飲料の糖度、塩分濃度及びPH濃度等のように飲料を調製する際の指標となる濃度を調整するように構成されてもよい。
【0042】
以上、飲料サーバ10の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。当業者であれば、上記の実施形態の様々な変形が可能であることを理解できると考えられる。
【符号の説明】
【0043】
10 飲料サーバ
14 第1の飲料注出部(飲料注出部)
16a 上水吐出ノズル(第3の吐出ノズル)
16b 第1の吐出ノズル
16c 第2の吐出ノズル
18 第2の飲料注出部(飲料注出部)
20a 上水吐出ノズル(第3の吐出ノズル)
20b 第1の吐出ノズル
24 操作部
30 上水供給部(第3の液体供給部)
56 第1のタンク
58 第1のフロージェットポンプ(第1のポンプ)
60 第1のフローレギュレータ(第1の調整機構)
62 第1の電磁弁
66 第1の電磁弁
72 第2のタンク
74 第2のフロージェットポンプ(第2のポンプ)
76 第2のフローレギュレータ(第2の調整機構)
78 第2の電磁弁
82 制御装置
PA1 後側上水管(第3の供給管)
PA3 前側上水管(第3の供給管)
PA4 第1の後側供給管(第1の供給管)
PA6 第1の前側供給管(第1の供給管)
PA7 第2の後側供給管(第2の供給管)
PA8 第2の前側供給管(第2の供給管)
図1
図2
図3
図4