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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055532
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】鉛筆削り器
(51)【国際特許分類】
   B43L 23/04 20060101AFI20240411BHJP
【FI】
B43L23/04 B
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162547
(22)【出願日】2022-10-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-01-10
(71)【出願人】
【識別番号】522377284
【氏名又は名称】スオ スノー
(74)【代理人】
【識別番号】110002435
【氏名又は名称】弁理士法人井上国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077919
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100172638
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 隆治
(74)【代理人】
【識別番号】100153899
【弁理士】
【氏名又は名称】相原 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100159363
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 淳子
(72)【発明者】
【氏名】スオ スノー
(57)【要約】
【課題】芯を長く出した状態に鉛筆を削ることができる鉛筆削り器を提供する。
【解決手段】鉛筆削り器1は、筐体2と、筐体2内の所定の切削位置に鉛筆100の一方側の先端部を保持する保持機構10と、切削位置において鉛筆を削るための刃先42を有するブレード40と、筐体2内において、刃先42が鉛筆の長さ方向の前記一方側を向く姿勢でブレード40を移動可能に支持するフレーム50と、刃先42が所定の軌道T1に沿って前進および後退可能なようにブレード40を案内するガイド部56と、軌道T1に沿って刃先42が往復するようにブレード40を駆動するブレード駆動機構60と、鉛筆の長さ方向に見た刃先42に対する相対的な鉛筆の角度位置を切り換えるための切換機構80と、を備え、軌道T1は、鉛筆の軸心X1に向かって膨らむように且つ刃先42の前進に従って軸心X1に接近するような湾曲部分を、少なくとも切削位置において有する。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内の所定の切削位置に鉛筆の一方側の先端部を保持する保持機構と、
前記切削位置において前記鉛筆を削るための刃先を有するブレードと、
前記筐体内において、前記刃先が前記鉛筆の長さ方向の前記一方側を向く姿勢で前記ブレードを移動可能に支持するフレームと、
前記刃先が所定の軌道に沿って前進および後退可能なように前記ブレードを案内するガイド部と、
前記軌道に沿って前記刃先が往復するように前記ブレードを駆動するブレード駆動機構と、
前記鉛筆の長さ方向に見た前記刃先に対する相対的な前記鉛筆の角度位置を切り換えるための切換機構と、を備え、
前記軌道は、前記鉛筆の軸心に向かって膨らむように且つ前記刃先の前進に従って前記軸心に接近するような湾曲部分を、少なくとも前記切削位置において有することを特徴とする鉛筆削り器。
【請求項2】
前記フレームは、前記ブレードを挟むように配置された一対の側壁部を備え、
前記ガイド部は、前記ブレードの一部がスライド可能に係合されるように前記一対の側壁部のそれぞれに設けられた長穴を有することを特徴とする請求項1に記載の鉛筆削り器。
【請求項3】
前記ブレードは、前記刃先よりも前方において前記長穴に係合する前側係合部と、前記刃先よりも後方において前記長穴に係合する後側係合部とを備えていることを特徴とする請求項2に記載の鉛筆削り器。
【請求項4】
前記ブレード駆動機構は、前記刃先の前後方向に並ぶように前記ブレードに設けられた複数の歯部と、該歯部に係合可能なギヤ機構と、該ギヤ機構を駆動するように前記筐体の外側に設けられた操作部とを備えていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の鉛筆削り器。
【請求項5】
前記ブレード駆動機構は、前記刃先の後退方向に前記ブレードを付勢する後退用付勢手段をさらに備え、
前記ギヤ機構は、前記歯部に間欠的に噛み合う欠歯ギヤを備え、該欠歯ギヤが前記歯部に噛み合っているときのみ前記歯部に動力伝達可能に構成されていることを特徴とする請求項4に記載の鉛筆削り器。
【請求項6】
前記操作部は、常に同一方向の回転操作によって前記ブレードを往復駆動可能なハンドルであることを特徴とする請求項5に記載の鉛筆削り器。
【請求項7】
前記切換機構は、前記鉛筆が前記保持機構に保持されたまま軸心周りに回転することを許容する回転許容部と、前記鉛筆の回転位置を所定角度ごとに位置決めする位置決め部とを備えていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の鉛筆削り器。
【請求項8】
前記保持機構は、前記切削位置において前記鉛筆の先端部を受ける先端受け部と、前記鉛筆の長さ方向にスライド可能に前記筐体に支持されて、前記鉛筆における前記筐体の外側への突出部分を固定可能に構成された外側固定部と、前記外側固定部を介して前記鉛筆を長さ方向の前記一方側へ付勢する鉛筆付勢手段とを備え、
前記外側固定部は、前記筐体に対する回転が規制されたベース部と、前記回転許容部および前記位置決め部を介して前記ベース部に回転可能に支持された回転部とを備え、
前記回転部に、前記鉛筆の前記突出部分を解放可能に固定するロック機構が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の鉛筆削り器。
【請求項9】
前記先端受け部は、前記鉛筆付勢手段によって付勢された前記鉛筆の先端部が押し当てられる押し当て面を備え、
前記押し当て面は、前記鉛筆の長さ方向の前記一方側に向かって前記鉛筆の径方向の内側へ傾斜して設けられていることを特徴とする請求項8に記載の鉛筆削り器。
【請求項10】
前記先端受け部は、前記フレームに固定されていることを特徴とする請求項9に記載の鉛筆削り器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉛筆削り器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、鉛筆削り器では、所定の切削位置に保持された鉛筆の先端部が、鉛筆の軸心周りに回転駆動されるブレードによって削られる。このような鉛筆削り器の従来構造は、例えば特許文献1を含む多くの文献に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3187610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、デッサン等のために、芯を長く出した状態で鉛筆を使用することがある。この場合、多くのユーザは、まず、上述のような鉛筆削り器を用いて通常通り鉛筆を削った後、カッターナイフ等によって芯を所望の長さだけ突出させるように追加の切削を行う。
【0005】
しかしながら、ユーザによっては、このような追加の切削作業を煩わしく感じることがある。
【0006】
そこで、本発明は、芯を長く出した状態に鉛筆を削ることができる鉛筆削り器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る鉛筆削り器は、筐体と、前記筐体内の所定の切削位置に鉛筆の一方側の先端部を保持する保持機構と、前記切削位置において前記鉛筆を削るための刃先を有するブレードと、前記筐体内において、前記刃先が前記鉛筆の長さ方向の前記一方側を向く姿勢で前記ブレードを移動可能に支持するフレームと、前記刃先が所定の軌道に沿って前進および後退可能なように前記ブレードを案内するガイド部と、前記軌道に沿って前記刃先が往復するように前記ブレードを駆動するブレード駆動機構と、前記鉛筆の長さ方向に見た前記刃先に対する相対的な前記鉛筆の角度位置を切り換えるための切換機構と、を備え、前記軌道は、前記鉛筆の軸心に向かって膨らむように且つ前記刃先の前進に従って前記軸心に接近するような湾曲部分を、少なくとも前記切削位置において有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る鉛筆削り器によれば、デッサン等に使いやすいように芯を長く出した状態に鉛筆を削ることができる。したがって、従来のように、鉛筆削り器による切削後に、さらにカッターナイフ等を用いて追加の切削を行うような手間を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る鉛筆削り器を正面側から見た斜視図である。
図2】同鉛筆削り器を背面側から見た斜視図である。
図3】同鉛筆削り器の使用状態を示す斜視図である。
図4】ブレード及び先端受け部を示す斜視図である。
図5】ブレード及び先端受け部を別の方向に見た斜視図である。
図6】外側固定部の構成部品を分解して示す分解斜視図である。
図7】外側固定部を側方から見た断面図である。
図8】外側固定部のロック機構を背面側から見た図7のA-A線断面図である。
図9】鉛筆のロック状態および解放状態を示す図8と同様の断面図である。
図10】切換機構を説明するための図7のB-B線断面図である。
図11】鉛筆の角度位置の具体例を説明するための外側固定部の正面図である。
図12】フレームに関連する構成を説明するための平面図および断面図である。
図13】ブレードの駆動について説明するための模式的な断面図である。
図14】一連の切削動作を説明するための側面図である。
図15】同切削動作の続きを説明するための側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。なお、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいは、その用途を制限するものではない。
【0011】
[概要]
図1図3に示すように、本実施形態に係る鉛筆削り器1は筐体2を備え、筐体2内に、後述のブレード40(図4及び図5参照)等の構成部品が収容されている。鉛筆削り器1は、例えば図2に示すハンドル72の回転操作によってブレード40が駆動される手動式となっている。
【0012】
図3に示すように、鉛筆削り器1は、従来と同様、鉛筆100の一端側部分が筐体2に挿入された状態で使用され、筐体2内において鉛筆100の先端部を切削可能に構成されている。ただし、本実施形態では、鉛筆100を切削するための構造が従来とは全く異なっており、以下において具体的に説明する。
【0013】
以下の説明において、筐体2に挿入された鉛筆100の長さ方向を鉛筆削り器1の長さ方向L1とし、長さ方向L1に直角であり且つ筐体2の底面に平行な方向を鉛筆削り器1の幅方向W1とし、長さ方向L1と幅方向W1とに直角な方向を鉛筆削り器1の高さ方向H1とする。
【0014】
[筐体]
図1図3に示すように、筐体2は、長さ方向L1に延びる概ね筒状の周壁部3と、周壁部3の一方の端面に設けられた正面壁部4(図3参照)と、周壁部3の他方の端面に設けられた背面壁部6(図2参照)とを備えている。
【0015】
周壁部3は、例えば、平らな底面部と部分円状の周面部とからなる断面形状をしているが、周壁部3の断面形状はこれに限定されるものでない。
【0016】
図3に示す正面壁部4は、周壁部3の一方の端面の上側部分を塞ぐように設けられ、正面壁部4の下側に、鉛筆100の削り屑を取り出すための開口部5が設けられている。なお、開口部5は、例えばカバー部材またはトレー部材など、筐体2とは別の部材によって閉塞可能とされてもよい。正面壁部4の外側には、後述の保持機構10の外側固定部20が設けられている。
【0017】
図2に示す背面壁部6は、周壁部3の他方の端面を全体的に塞ぐように設けられている。背面壁部6の外側には、操作部としてハンドル72が設けられている。ハンドル72の構成については後に説明する。
【0018】
[保持機構]
鉛筆削り器1は、筐体2内の所定の切削位置に鉛筆100の先端部を保持する保持機構10を備えている。主として図3図8を参照しながら、保持機構10の構成について説明する。
【0019】
保持機構10は、先端受け部11(図4及び図5参照)、外側固定部20(図3図6、及び図7参照)、及び鉛筆付勢手段38(図3参照)を備えている。
【0020】
先端受け部11は、切削位置において鉛筆100の先端部を受ける部分であり(図14及び図15参照)、筐体2内に設けられている。先端受け部11は、後述のフレーム50(図12参照)を介して筐体2に固定されている。先端受け部11の固定については、フレーム50の構成と併せて後に具体的に説明する。
【0021】
図4及び図5に例示されているように、先端受け部11は、受け部本体12と、受け部本体12を支持する一対の支持部13,14とを備えている。
【0022】
受け部本体12は、長さ方向L1に延びる半筒状に形成されている。受け部本体12は、長さ方向L1から見て、高さ方向H1の上側に開放した半円状の断面を有する。受け部本体12の長さ方向L1一方側の端面は開放されており、該開放端面から受け部本体12の内部に鉛筆100の先端部を差し込み可能となっている(図14及び図15参照)。
【0023】
受け部本体12の内周面の底部は、鉛筆付勢手段38(図3参照)によって後述のように付勢された鉛筆100の先端部が押し当てられる押し当て面12aを構成している。押し当て面12aは、長さ方向L1における開放端面の反対側に向かって高さ方向H1の上側へ傾斜して設けられている。
【0024】
受け部本体12における開放端面とは反対側の端面は、閉塞壁部12bによって閉塞されている。閉塞壁部12bの上端部には凹部12cが設けられている。これにより、削られた鉛筆100の芯110の先端が閉塞壁部12bに干渉することを回避可能となっている(図15(b)参照)。
【0025】
一対の支持部13,14は、幅方向W1の両側から受け部本体12を挟むように配置されている。支持部13,14は、受け部本体12に一体に連なるように設けられている。支持部13,14は、例えば次のような表面形状を有するブロック状に構成されている。支持部13,14の上面は、受け部本体12の上縁部に連なる平坦面であり、支持部13,14の下面は、受け部本体12の押し当て面12aに沿うように傾斜した傾斜面であり、支持部13,14における長さ方向L1の両端面は、受け部本体12の端面に連なる平坦面であり、支持部13,14における幅方向W1外側の側面は、幅方向W1に対して垂直な平坦面である。
【0026】
主として、図3の斜視図、図6の分解斜視図、及び、幅方向W1に見た図7の断面図を参照しながら、外側固定部20及び鉛筆付勢手段38の構成について説明する。
【0027】
外側固定部20は、長さ方向L1において筐体2の正面側に配置されたベース部21を備えている。ベース部21は、板状部材で構成されている。ベース部21は、例えば、筐体2の断面形状に合わせた輪郭形状を有する。すなわち、ベース部21は、概ね円板状であるが、下端部は平坦面で構成されている。ベース部21の中央部には、円形の貫通穴21aが設けられている。貫通穴21aの内周面には、複数の係合部22(22a,22b,22c,22d)が周方向に一定間隔を空けて設けられている。長さ方向L1から見て、隣接する係合部22間の角度間隔は例えば90度となっている。各係合部22は、例えば凹部で構成されており、より具体的には、長さ方向L1に延びる溝で構成されている。
【0028】
図3に示すように、外側固定部20は、ベース部21から長さ方向L1の背面側に延びる延長部36を備えている。延長部36は、長さ方向L1から見て周方向に間隔を空けて複数設けられている。延長部36の個数は、例えば3個とされているが、特にこれに限定されるものでない。各延長部36は、例えば細長い板状部材で構成されている。各延長部36は、筐体2の正面壁部4を貫通して設けられている。この貫通部分において、各延長部36は、長さ方向L1への移動は許容されているが、幅方向W1及び高さ方向H1への移動は規制されている。
【0029】
各延長部36の先端部は、筐体2内に配置され、鉛筆付勢手段38を介して筐体2に固定されている。鉛筆付勢手段38は、例えば、長さ方向L1に伸縮可能な弾性部材で構成されている。鉛筆付勢手段38は、長さ方向L1の背面側への付勢力を外側固定部20に作用させる。これにより、鉛筆付勢手段38は、外側固定部20を介して、外側固定部20に固定された鉛筆100を長さ方向L1の背面側へ付勢するようになっている。
【0030】
このような延長部36及び鉛筆付勢手段38の構成により、ベース部21は、延長部36と共に長さ方向L1にスライド可能に筐体2に支持されている。また、ベース部21は、周方向の複数箇所の延長部36によって幅方向W1及び高さ方向H1への移動が規制されており、これにより、筐体2に対するベース部21の回転が規制されている。
【0031】
図3図6、及び図7に示すように、外側固定部20は、ベース部21に回転可能に支持された回転部24を備えている。図6に示すように、回転部24は、ベース部21の正面側に配置される本体部25と、ベース部21の貫通穴21aに嵌合される嵌合部26と、ベース部21に背面側から係合される係止部28とを備えている。
【0032】
回転部24の本体部25は、例えば、概ね円板状の部材で構成されている。ただし、本体部25の厚さ及び/又は直径は均一でなくてもよい。本体部25の中央部には、鉛筆100が挿通される貫通穴29が設けられている。本体部25には、後述のロック機構30(図8参照)が取り付けられている。
【0033】
回転部24の嵌合部26は、本体部25から長さ方向L1の背面側に延びる筒状部で構成されている。嵌合部26における長さ方向L1の正面側端部は、本体部25の背面におけるロック機構30に干渉しない部分に接続されている。本体部25の貫通穴29に挿通された鉛筆100は、嵌合部26の内側を通過可能となっている。
【0034】
嵌合部26の外周面には、ベース部21の複数の係合部22に選択的に係合可能な係合部27が設けられている。嵌合部26の係合部27は、例えば、周方向の1箇所に設けられている。係合部27は、例えば凸部で構成されており、より具体的には、長さ方向L1に延びる突条部で構成されている。
【0035】
回転部24の係止部28は、嵌合部26の背面側端部から径方向外側に拡がるように設けられている。係止部28は、例えば、全周に亘って連続するフランジ部で構成されている。
【0036】
長さ方向L1において、回転部24の本体部25と係止部28との間隔は、ベース部21の厚みに等しくなっている。これにより、回転部24は、本体部25と係止部28とによって長さ方向L1の両側からベース部21を挟持することで、ベース部21に取り付けられている。
【0037】
回転部24に設けられたロック機構30は、鉛筆100における筐体2の外側への突出部分(図3参照)を解放可能に固定するように構成されている。すなわち、外側固定部20は、ロック機構30によって鉛筆100の当該突出部分を固定可能となっている。
【0038】
主として図8及び図9を参照しながら、ロック機構30の構成について説明する。図8は、回転部24の本体部25の内部を長さ方向L1の背面側から見た図7のA-A線断面図である。また、図9(a)は、鉛筆100を固定した状態のロック機構30を示す同様の断面図であり、図9(b)は、鉛筆100を解放した状態のロック機構30を示す同様の断面図である。
【0039】
図8に示すように、ロック機構30は、径方向にスライド可能に回転部24の本体部25に支持された一対のスライダ31,32を備えている。
【0040】
一方のスライダ31は、鉛筆100の外周面に押し当て可能な押し当て部31aと、押し当て部31aを支持する支持部31bとを備えている。押し当て部31aと支持部31bは、長さ方向L1から見て本体部25の中心C1を挟んで対向配置されており、例えば一対の連結部31c,31dを介して互いに連なっている。押し当て部31aは、径方向において本体部25の中心C1の近傍に配置され、押し当て部31aの内周面には、鉛筆100の外周面に当接可能な複数の歯33が周方向に並べて設けられている。支持部31bは、径方向の外側の端部に配置されており、本体部25の外周面に連なるような円弧状の外縁部を有する。
【0041】
他方のスライダ32も、上記のスライダ31と同様の押し当て部32a、支持部32b、及び連結部32c,32dを備えており、押し当て部32aの内周面には、上記と同様に複数の歯33が設けられている。一対のスライダ31,32は、長さ方向L1に見て本体部25の中心C1を基準にして点対称に配置されている。
【0042】
一方のスライダ31の押し当て部31aは、径方向に伸縮可能な弾性部材34を介して、他方のスライダ32の支持部32bに連結されている。同様に、他方のスライダ32の押し当て部32aは、径方向に伸縮可能な弾性部材35を介して、一方のスライダ31の支持部31bに連結されている。
【0043】
一対のスライダ31,32の支持部31b,32bは、径方向の外側から内側に向かって押し込み操作される被操作部となっている。支持部31b,32bが押し込み操作されると、一対のスライダ31,32は、弾性部材34,35を伸縮させながら互いに反対方向にスライド移動され、これにより、一対の押し当て部31a,32a間の間隔が拡げられる(図9(b)参照)。
【0044】
図8に示す非操作状態において、一対の押し当て部31a,32a間には、鉛筆100を挿通可能な間隔が確保されていない。そのため、外側固定部20及び筐体2への鉛筆100の挿入は、上記のような支持部31b,32bの押し込み操作によって一対の押し当て部31a,32a間の間隔を拡げた状態で行われる。
【0045】
鉛筆100の挿入後、支持部31b,32bの押し込み操作が解除されると、図9(a)に示すように、収縮状態の弾性部材34,35の復元力によって径方向内側に付勢された一対の押し当て部31a,32aによって、鉛筆100が挟持される。この挟持部分において、鉛筆100は、軸方向および径方向への変位が規制されるように固定される。
【0046】
以上のように、保持機構10は、鉛筆100の一方の先端部を鉛筆付勢手段38(図3参照)によって先端受け部11の押し当て面12a(図5参照)に押し当てつつ、鉛筆100の他方側部分を外側固定部20のロック機構30によって固定可能となっている。
【0047】
図9(b)に示すように、支持部31b,32bの押し込み操作によって一対の押し当て部31a,32a間の間隔が拡げられると、ロック機構30による鉛筆100の固定が解除される。これにより、鉛筆削り器1から鉛筆100を取り出すことができる。
【0048】
[切換機構]
鉛筆削り器1は、長さ方向L1に見た鉛筆100の角度位置を切り換えるための切換機構80を備えている。
【0049】
主として図10及び図11を参照しながら、切換機構80について説明する。図10は、外側固定部20のベース部21と回転部24との係合部を長さ方向L1に見た図7のB-B線断面図であり、図11は、外側固定部20を長さ方向L1の正面側から見た正面図である。
【0050】
図10に示すように、切換機構80は、回転許容部81と位置決め部82を備えている。回転許容部81及び位置決め部82は、外側固定部20のベース部21と回転部24との係合部に設けられている。
【0051】
より具体的に、回転許容部81は、回転部24の嵌合部26とベース部21の貫通穴21aとの係合部で構成されている。該係合部において、回転部24の嵌合部26の外周面とベース部21の貫通穴21aの内周面との間には隙間が形成されている。すなわち、回転部24の嵌合部26は、ベース部21の貫通穴21aの内側に遊嵌合されている。このように構成された回転許容部81により、回転部24は、貫通穴21aの内周面によって規制されることなく回転可能になっている。
【0052】
そのため、保持機構10によって鉛筆100が保持されているとき、ロック機構30によって回転部24に固定された鉛筆100は、保持機構10に保持されたまま、回転部24と共に軸心周りに回転することが、回転許容部81によって許容される。
【0053】
位置決め部82は、ベース部21の複数の係合部22(22a,22b,22c,22d)と、これらの係合部22に選択的に係合可能な回転部24の係合部27とで構成されている。回転部24の係合部27がベース部21のいずれかの係合部22に係合されているとき、回転方向へのある程度以上の外力が回転部24に作用しない限り、回転部24の回転が規制される。つまり、この係合状態において、回転部24と、該回転部24に固定された鉛筆100との回転位置が位置決めされる。
【0054】
そのため、位置決め部82において、所定角度(例えば90度)の間隔を空けて配置されたベース部21の係合部22に対して回転部24の係合部27が選択的に係合されることで、鉛筆100の回転位置は所定角度ごとに位置決めされる。
【0055】
なお、回転部24の係合部27は、回転方向へのある程度以上の外力が回転部24に作用したときに、ベース部21の係合部22から外れて嵌合部26の外周面とベース部21の貫通穴21aの内周面との隙間を周方向に移動可能な形状および突出高さを有する。
【0056】
以上のように切換機構80が構成されていることにより、図11に示すように、ユーザは、回転部24の本体部25を摘まんで回転操作することができる。また、回転操作された回転部24は、所定角度(例えば90度)ごとに位置決めされる。これにより、ユーザは、例えば図11(a)及び図11(b)に示す角度位置を含む所定の複数の角度位置のうちの所望位置に、回転部24に固定された鉛筆100を位置決めすることができる。
【0057】
[ブレード]
主として図4及び図5の斜視図を参照しながら、ブレード40の構成について説明する。
【0058】
ブレード40は、筐体2内の所定位置において後述のフレーム50(図12参照)に支持されている。ブレード40は、前記切削位置において鉛筆100を削るための刃先42を有する。
【0059】
ブレード40は、板状のブレード本体41を備えている。ブレード本体41は、幅方向W1に交差する方向に沿って帯状に延びるように設けられている。ブレード本体41は、幅方向W1から見て下方に膨らむように湾曲および/または屈曲した形状を有する。ブレード本体41の長さ方向の一方側の端部には、切り欠き41aが後方に延びるように形成されている。該切り欠き41aの後縁部に刃先42が形成されている。
【0060】
ブレード40には、ブレード本体41の幅方向W1両縁部において、それぞれ厚肉の補強部43,44が設けられている。一方の補強部43は、ブレード本体41の全長に亘って設けられている。他方の補強部44は、例えば図示のようにブレード本体41の長さ方向一端部と他端部とに分かれて設けられているが、ブレード本体41の全長に亘って設けられてもよい。
【0061】
ブレード40は、後述のフレーム50(図12参照)に係合される係合部45,46を備えている。係合部45,46は、一対の補強部43,44のそれぞれに例えば2個ずつ設けられている。各補強部43,44において、一方の係合部45は、刃先42よりも前方においてフレーム50に係合する前側係合部であり、他方の係合部46は、刃先42よりも後方においてフレーム50に係合する後側係合部である。各係合部45,46は、例えば、補強部43,44から幅方向W1の外側に延びる棒状部で構成されている。
【0062】
[フレーム]
主として図12を参照しながら、筐体2内においてブレード40を支持するフレーム50の構成について説明する。図12(a)は、高さ方向H1の上側から見たフレーム50及びその周辺部品を示す平面図であり、図12(b)は、フレーム50の内部およびその周辺部を幅方向W1に見た図12(a)のC-C線断面図である。
【0063】
フレーム50は、筐体2の内部に配置されており、任意の固定手段(図示せず)によって筐体2に固定されている。
【0064】
フレーム50は、ブレード40を挟むように配置された一対の側壁部51,52を備えている。一対の側壁部51,52は、それぞれ幅方向W1に直交する面に沿って配置され、幅方向W1において互いに対向するように配置されている。一対の側壁部51,52のそれぞれには、ブレード40の前側係合部45及び後側係合部46が係合される長穴56が設けられている。長穴56の形状とガイド機能については後に説明する。
【0065】
一対の側壁部51,52は、第1連結壁部53及び第2連結壁部54を介して互いに連結されている。第1連結壁部53と第2連結壁部54は、長さ方向L1においてブレード40を挟むように配置されている。第1連結壁部53は、長さ方向L1に直交する面に沿って配置され、長さ方向L1において筐体2の背面壁部6に対向するように配置されている。第2連結壁部54は、上端が下端よりも長さ方向L1の第1連結壁部53側に位置するように傾斜した姿勢で、高さ方向H1において第1連結壁部53よりも上側に配置されている。
【0066】
このように構成されたフレーム50の内側において、ブレード40は、刃先42が長さ方向L1の第1連結壁部53側を向く姿勢で配置されている。ブレード40は、前側係合部45及び後側係合部46において側壁部51,52の長穴56に係合されていることにより、刃先42の前後方向に移動可能なようにフレーム50に支持されている。
【0067】
また、フレーム50には、上述の先端受け部11(図4及び図5参照)が固定されている。先端受け部11は、フレーム50の一対の側壁部51,52によって幅方向W1の両側から挟み込まれ、ブレード40の直下に配置されている。先端受け部11は、一対の支持部13,14の外側の側面においてそれぞれ側壁部51,52に固定されている。先端受け部11の押し当て面12aは、鉛筆100の挿入方向に向かって上方へ傾斜するように配置されている。
【0068】
[ブレード駆動機構]
鉛筆削り器1は、所定の軌道T1(図13参照)に沿って刃先42が往復するようにブレード40を駆動するブレード駆動機構60を備えている。
【0069】
図12(a)及び図12(b)に示すように、ブレード駆動機構60は、ブレード40に設けられた複数の歯部61(図13参照)と、該歯部61に係合可能なギヤ機構62と、該ギヤ機構62を駆動するように筐体2の外側に設けられた操作部としてのハンドル72とを備えている。
【0070】
図13は、ブレード40の歯部61及び刃先42を幅方向W1に見た図12(a)のD-D線断面図である。図12及び図13に示すように、複数の歯部61は、ブレード40において、例えば一方の補強部43の下面に設けられている。複数の歯部61は、刃先42の前後方向に並ぶように設けられている。いずれの歯部61も、刃先42よりも前方に設けられている。
【0071】
ギヤ機構62は、動力伝達可能なように互いに連結された複数のギヤ63~70を備えている。具体的に、ギヤ機構62は、図12に示すように、動力伝達経路の上流側から順に、第1ギヤ63、第2ギヤ64、第3ギヤ65、第4ギヤ66、第5ギヤ67、第6ギヤ68、第7ギヤ69、及び第8ギヤ70を備えている。
【0072】
第1ギヤ63~第3ギヤ65は、長さ方向L1に延びる軸心周りに回転可能なように、例えばフレーム50の第1連結壁部53に支持されている。第1ギヤ63と第2ギヤ64は互いに噛み合っており、第2ギヤ64と第3ギヤ65は、共通の軸心周りに一体回転するように設けられている。第3ギヤ65は、傘歯車で構成されている。
【0073】
第4ギヤ66~第8ギヤ70は、幅方向W1に延びる軸心周りに回転可能なように、例えばフレーム50の一方の側壁部51に支持されている。第4ギヤ66は、第3ギヤ65に噛み合う傘歯車であり、第3ギヤ65と第4ギヤ66との間で回転方向が変換されている。第4ギヤ66と第5ギヤ67は、共通の軸心周りに一体回転するように設けられている。第5ギヤ67と第6ギヤ68、第6ギヤ68と第7ギヤ69は、それぞれ互いに噛み合っている。第7ギヤ69と第8ギヤ70は、共通の軸心周りに一体回転するように設けられている。
【0074】
図12(b)に示すように、第8ギヤ70は、ブレード40の歯部61に間欠的に噛み合う欠歯ギヤである。該欠歯ギヤ70は、所定の周方向領域において連続して並ぶ複数の歯部71を備え、残りの周方向領域には歯部が設けられていない。欠歯ギヤ70において、複数の歯部71は、例えば半周に亘って設けられている。欠歯ギヤ70は、複数の歯部71がブレード40の歯部61に噛み合っているときのみ該歯部61に動力伝達可能に構成されている。
【0075】
なお、ギヤ機構62の構成は、ブレード40を適切に駆動し得る限り適宜変更である。例えば、本実施形態では、ギヤ機構62が8個のギヤ63~70で構成されているが、ギヤ機構62を構成するギヤの個数は特に限定されるものでない。また、本実施形態では、ギヤ機構62の最終ギヤが欠歯ギヤとされているが、ギヤ機構62のその他のギヤを欠歯ギヤとしてもよい。
【0076】
図2及び図12(b)に示すように、ハンドル72は、筐体2の背面壁部6の外側に設けられている。ハンドル72は、長さ方向L1に延びる回転軸73と、回転軸73と一体回転可能なベース部74と、ベース部74から径方向外側に延びるレバー部75と、レバー部75の先端部に設けられた摘み部76とを備えている。
【0077】
回転軸73は、筐体2の背面壁部6を貫通して設けられ、フレーム50の例えば第1連結壁部53に回転可能に支持されている。回転軸73には、ギヤ機構62の第1ギヤ63が固定されている。これにより、ハンドル72と第1ギヤ63は、回転軸73の軸心周りに一体回転可能となっている。そのため、ユーザが摘み部76を把持してハンドル72を回転操作することで、ギヤ機構62を駆動可能となっている。
【0078】
図12(a)及び図12(b)に示すように、ブレード駆動機構60は、刃先42の後退方向にブレード40を付勢する後退用付勢手段78をさらに備えている。後退用付勢手段78は、刃先42の前後方向に伸縮可能なようにブレード40とフレーム50との間に介在する弾性部材で構成されている。後退用付勢手段78は、例えば、ブレード40の後端部とフレーム50の第2連結壁部54とを連結するように設けられている。これにより、後退用付勢手段78が伸張しているとき、ブレード40には、後退用付勢手段78の復元力による付勢力が刃先42の後方側へ作用し得る。
【0079】
図13(a)に示すように、ギヤ機構62の欠歯ギヤ70がブレード40の歯部61に噛み合っていないとき、ハンドル72の操作の有無に関わらず、ブレード40は、後退用付勢手段78(図12参照)の付勢力によって後退するように駆動された後、最後方位置に保持される。
【0080】
一方、図13(b)に示すように、ギヤ機構62の欠歯ギヤ70がブレード40の歯部61に噛み合っているとき、ハンドル72が所定方向に回転操作されると、ブレード40は、後退用付勢手段78(図12参照)の付勢力に抗して前進するように駆動される。このように前進するブレード40の刃先42によって、先端受け部11に受けられた鉛筆100の先端部が切削される。
【0081】
引き続きハンドル72が同一方向に回転操作されると、図13(c)に示すように、ギヤ機構62の欠歯ギヤ70とブレード40の歯部61との噛み合いが解除される。これにより、ブレード40は、図13(a)に示す最後方位置まで後退するように駆動される。このように、ブレード40は、常に同一方向へのハンドル72の回転操作によって往復駆動され得る。
【0082】
[刃先の軌道]
図13に示すように、ブレード40は、ガイド部として機能するフレーム50の長穴56によって、所定の軌道T1(図13の二点鎖線参照)に沿って刃先42が前進および後退可能なように案内される。
【0083】
フレーム50の長穴56は、幅方向W1から見て下方に膨らむように湾曲して形成されている。これにより、軌道T1は、上述の保持機構10に保持された鉛筆100の軸心X1に向かって膨らむように且つ刃先42が前進するに従って軸心X1に接近するような湾曲部分を、少なくとも前記切削位置において有する。このような軌道T1に沿って前進する刃先42によって削られた鉛筆100の先端部では、従来の鉛筆削り器によって削られる場合に比べて、芯を長く出すことができる(図15(c)参照)。
【0084】
[切削動作]
以下、主として図14及び図15を参照しながら、鉛筆削り器1を用いた鉛筆100の切削動作の流れについて説明する。
【0085】
まず、鉛筆削り器1の筐体2に鉛筆100の一方の端部を挿入して、上述のように保持機構10によって筐体2内の切削位置に鉛筆100の先端部を保持させる(図3及び図9(a)等参照)。これにより、図14(a)に示すように、鉛筆100の先端部は、鉛筆付勢手段38(図3参照)による付勢力F1によって先端受け部11の押し当て面12aに押し当てられた状態で切削位置に保持される。
【0086】
続いて、ハンドル72(図2参照)を所定方向に回転操作してブレード40を往復駆動させる。これにより、図14(a)及び図14(b)に示すように、上記の軌道T1(図13参照)に沿って前進する刃先42によって、鉛筆100の先端部における一部の周方向部分が切削される。
【0087】
このハンドル72の回転操作の途中で、ギヤ機構62の欠歯ギヤ70とブレード40の歯部61との噛み合いが外れ(図13(c)参照)、ブレード40は元の位置まで後退する(図13(a)参照)。
【0088】
続いて、外側固定部20の回転部24を所定角度(例えば90度)だけ回転操作することで(図11参照)、鉛筆100の角度位置を切り換えた後、上記と同様にハンドル72を回転操作する。これにより、鉛筆100の先端部は、先程とは異なる周方向部分が刃先42によって切削される。
【0089】
このように、ハンドル72の回転操作による切削と、外側固定部20の回転部24の回転操作による角度位置の切り換えとを交互に繰り返すことで、鉛筆100の先端部を全周に亘って削ることができる。
【0090】
図14(c)は、最初の1周分の切削後、2周目の切削が行われている状態を示している。このとき、鉛筆100の先端部は、1周目の切削時よりも先端受け部11の先端に近い位置へ前進した状態で保持されながら切削されている。図14(d)は、さらに切削が進んだ状態を示しており、このとき、鉛筆100の先端部は、さらに前進した状態で保持されながら切削されている。
【0091】
このように、鉛筆100の先端部は、先端受け部11の中を徐々に前進しながら、徐々に深く削られていく。やがて、図15(a)に示すように鉛筆100の芯が露出した後、図15(b)に示すように、鉛筆100の芯が次第に長く突出するように切削が進められる。
【0092】
最終的には、図15(c)に示すように、デッサン等に使いやすいように芯を長く出した状態に鉛筆100を削ることができる。したがって、従来のように、鉛筆削り器による切削後に、さらにカッターナイフ等を用いて追加の切削を行うような手間を省くことができる。
【0093】
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0094】
例えば、上述の実施形態では、鉛筆の長さ方向に見た刃先に対する相対的な鉛筆の角度位置を切り換えるための切換機構として、鉛筆を回転させる例を説明したが、鉛筆を回転させる代わりに、例えばフレームと共にブレードを回転させる構成を採用してもよい。
【0095】
また、上述の実施形態では、手動式の鉛筆削り器について説明したが、本発明は、自動式の鉛筆削り器にも適用可能である。
【符号の説明】
【0096】
1 鉛筆削り器
2 筐体
10 保持機構
11 先端受け部
12a 押し当て面
20 外側固定部
21 ベース部
24 回転部
30 ロック機構
38 鉛筆付勢手段
40 ブレード
42 刃先
45 前側係合部
46 後側係合部
50 フレーム
51,52 側壁部
56 長穴(ガイド部)
60 ブレード駆動機構
61 歯部
62 ギヤ機構
70 欠歯ギヤ
72 ハンドル(操作部)
78 後退用付勢手段
80 切換機構
81 回転許容部
82 位置決め部
100 鉛筆
F1 付勢力
H1 高さ方向
L1 長さ方向
T1 軌道
W1 幅方向
X1 軸心
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15