(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055533
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】動力供給用筐体構造
(51)【国際特許分類】
B60P 3/14 20060101AFI20240411BHJP
【FI】
B60P3/14 Z
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162548
(22)【出願日】2022-10-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】597079821
【氏名又は名称】株式会社エイワ
(74)【代理人】
【識別番号】100080746
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 武嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100217881
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 由美
(72)【発明者】
【氏名】前中 勝彦
(57)【要約】
【課題】車両整備工場等の床面に設置可能であり、しかも、車両の荷台床面にも簡単に搭載できる動力供給用筐体を提供する。
【解決手段】直方体形状の筐体10の内部に、発電機とエアーコンプレッサ等を収納し、筐体10と共に、荷台床面Pvと、車両整備工場の床面とに、選択して設置自在とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井壁面(1)と底壁面(2)と前壁面(3)と後壁面(4)と左側壁面(5)と右側壁面(6)とを備えた直方体形状の筐体(10)の内部に、
発電機(7)とエアーコンプレッサ(8)とエアータンク(9)とエアードライヤ(11)とを収納し、
固定載置面(Pf)と、移動自在な車両の荷台床面(Pv)に対して、選択して設置自在であることを、
特徴とする動力供給用筐体構造。
【請求項2】
上記筐体(10)の左側壁面(5)には、上下に開閉されるシャッター(15)が設けられ、筐体(10)の他方の右側壁面(6)には片開き扉(16)が設けられている請求項1記載の動力供給用筐体構造。
【請求項3】
上記前壁面(3)と後壁面(4)には、両開き扉(18)(19)が設けられている請求項1又は2記載の動力供給用筐体構造。
【請求項4】
上記筐体(10)の内部を、上段(U)と下段(D)とに区画する支持枠体(12)を付設し、
上記発電機(7)と上記エアーコンプレッサ(8)は、上記支持枠体(12)の下段(D)に収納すると共に、
上記エアータンク(9)とエアードライヤ(11)は、上記支持枠体(12)の上段(U)に収納した
請求項1記載の動力供給用筐体構造。
【請求項5】
車両の荷台床面(Pv)に設置した状態下で、上記前壁面(3)が車両前方(F)を向くと共に、
上記左側壁面(5)には上下に開閉自在なシャッター(15)が設けられ、車両左側方を向いている請求項1記載の動力供給用筐体構造。
【請求項6】
上記筐体(10)の内部に収納された上記発電機(7)とエアーコンプレッサ(8)とエアータンク(9)とエアードライヤ(11)を制御する制御ボックス(26)は、上記シャッター(15)が上下誘導案内されるシャッター開閉口(14)の左右側端縁(14L)(14R)の一方の近傍に、配設されている
請求項2又は5記載の動力供給用筐体構造。
【請求項7】
上記固定載置面(Pf)とは、車両整備工場,タイヤ販売店,タイヤ修理店,車両販売店,又はイベント会場における作業用床面(20)である請求項1記載の動力供給用筐体構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力供給用筐体構造に関する。特に、車両のタイヤの修理や交換等の作業を行うためのタイヤ交換装置等へ、電気や圧縮エアー等の動力を供給するための筐体構造に、関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明者は、かつて、特許文献1に記載されたように、車両の荷台にタイヤの修理・交換に必要なタイヤ交換装置、及び、発電機、コンプレッサー等の動力供給用ユニットを積載した作業車両を提案している。
即ち、その作業車両は、パレットの上に、発電機とコンプレッサーとエアタンクが固着された動力供給用ユニットと、パレットの上に、タイヤ交換装置とホイルバランサーが固着されたタイヤ交換作業用ユニットとを、汎用車両の平坦面状荷台面に、搭載した構造であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の作業車両は、汎用車両の上に搭載して、広域を走り、車両のタイヤ交換等の作業を迅速に行うことができ、好評を得ている。
しかし、その後、本発明者は、次のような問題が残されていることに、気付いた。
即ち、車両から降ろした動力供給用ユニットを、車両整備工場やタイヤ修理交換店等の作業用(固定)床面に設置して、地上でも使用しようとすると、 (i) 騒音が大き過ぎ作業環境を悪化させる点、 (ii) 屋外では風雨が当り、機械の寿命が短い点、(iii) 発電機,エアーコンプレッサー等の機械が丸見えとして露出し、来客者に不快感を与えると共に体を怪我させる危険性もある点。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明は、天井壁面と底壁面と前壁面と後壁面と左側壁面と右側壁面とを備えた直方体形状の筐体の内部に;発電機とエアーコンプレッサとエアータンクとエアードライヤとを収納し;固定載置面と、移動自在な車両の荷台床面に対して、選択して設置自在である。
【0006】
また、上記筐体の左側壁面には、上下に開閉されるシャッターが設けられ、筐体の他方の右側壁面には片開き扉が設けられている。
また、上記前壁面と後壁面には、両開き扉が設けられている。
【0007】
また、上記筐体の内部を、上段と下段とに区画する支持枠体を付設し;上記発電機と上記エアーコンプレッサは、上記支持枠体の下段に収納すると共に;上記エアータンクとエアードライヤは、上記支持枠体の上段に収納した。
また、車両の荷台床面に設置した状態下で、上記前壁面が車両前方を向くと共に;上記左側壁面には上下に開閉自在なシャッターが設けられ、車両左側方を向いている。
【0008】
また、上記筐体の内部に収納された上記発電機とエアーコンプレッサとエアータンクとエアードライヤを制御する制御ボックスは、上記シャッターが上下誘導案内されるシャッター開閉口の左右側端縁の一方の近傍に、配設されている。
また、上記固定載置面とは、車両整備工場,タイヤ販売店,タイヤ修理店,車両販売店,又はイベント会場における作業用床面である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、固定載置面に設置すれば、車両整備工場やタイヤ修理交換店等で使用できる。そして、車両故障等が発生した場合には、簡単かつ迅速に、筐体を車両荷台床面に搭載して車両故障現場まで移動させることができる。そして、タイヤ交換装置等へ、電気や圧縮エアー等(の動力)を供給できる。
さらに、上記車両整備工場やタイヤ修理交換店等で使用する際に、(筐体にて包囲されて)騒音が低く、作業環境も良好に保ち得る。また、風雨が激しくても筐体で保護されて、内部の機械の寿命も長い。また、発電機,エアーコンプレッサ,エアードライヤ等は筐体で包囲されているので、来客者等に不快感を与えることが少なく、怪我をさせる危険がなくなり、安全性が高く、安心感をも与える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の一形態を示し、移動自在な車両荷台床面に設置した状態を示す一部断面側面図である。
【
図2】左側面図であって、(A)はシャッターを閉じた状態の左側面図、(B)はシャッターを開いた状態の左側面図である。
【
図7】本発明に係る動力供給用筐体構造が設置される固定載置面の一例として、車両整備工場の作業用床面を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図示の実施の形態に基づき本発明を詳説する。
図1~
図7に於て、Yは動力供給用筐体構造であって、この動力供給用筐体構造Yは、天井壁面1と底壁面2と前壁面3と後壁面4と左側壁面5と右側壁面6とを備えた直方体形状の筐体10を、具備する。
しかも、この筐体10の内部には、発電機7とエアーコンプレッサ8とエアータンク9とエアードライヤ11とが、収納されている。
【0012】
そして、
図7に示す平坦面状固定載置面Pfと、移動自在な車両荷台床面Pvとを、選択して、いずれにも設置可能である。
上記平坦面状の固定載置面Pfとは、
図7に例示したように、車両整備工場,タイヤ販売店,タイヤ修理店,車両販売店,又はイベント会場における作業用床面20である。
なお、固定載置面Pfとしては、平面視四角形の凸隆壁の平坦上面をもって、形成するも自由であり、又は、ブロックを並べてその上面をもって構成しても良い。
【0013】
次に、
図1,
図2(A),
図3,
図6,
図7に於て、15は上下に開閉自在なシャッターであり、筐体10の左側壁面5に、設けられる。このシャッター15によって、閉鎖(密封)状態と開放状態とに切換えることができる。
他方、右側壁面6の下半部の一部には、小面積の片開き扉16が設けられている。
図6の四半円弧R
16は、この片開き扉16の開閉軌跡を示す。また、換気扇17が右側壁面6の上部に設けられている。
さらに、
図5と
図3及び
図6に示したように、前壁面3と後壁面4には、両開き扉18,19が、各々、設けられている。
【0014】
また、筐体10の内部を、上段Uと下段Dに、上下に区画するための支持枠体12を、上記内部に付設する。そして、発電機7とエアーコンプレッサ8は、上記支持枠体12の下段Dに収納すると共に、エアータンク9とエアードライヤ11は支持枠体12の上段Uに、収納する。
また、
図1に示す如く、車両荷台床面Pvに筐体10を設置(搭載)した状態下で、前壁面3が、車両前方Fを向く。しかも、運転者が乗るキャブ21の背面(後面)21Bの近傍に、筐体10の前壁面3を、対応させる。言い換えると、前壁面3が車両前方Fを向く。
【0015】
そして、左側壁面5には、(
図2(A)に示す)上下に開閉されるシャッター15が設けられているが、このシャッター15付の左側壁面5が、車両左側方を向くように、車両荷台床面Pvに設置される。
図1の実施形態では、箱型形状のバンボディ22を備えた車両25を例示している。このバンボディ22のフロントパネル(前壁部)22Aに対して、筐体10の前壁面3を、接近させて、筐体10を搭載する。
【0016】
図示省略したが、バンボディ22のサイドパネルには、サイドドアが開閉可能として、設けられている。このサイドドアを開放すれば、
図2に示した筐体10の左側壁面5(のシャッター15)全体が、車両左側方へ露出状態となる。
しかも、筐体10の左側壁面5のシャッター15の外面は、車両25のバンボディ22のサイドパネルの外面よりも微小寸法だけ内側に配設するのが望ましい。
【0017】
あるいは、以下のように、構成しても良い。即ち、
図2(A)(B)に示した筐体10の左側壁面5の上下高さ寸法と幅寸法と略同等の窓部を、バンボディ22のサイドパネルに(
図1に示した位置において)切欠形成し、その窓部に、左側壁面5を接近状態乃至嵌込
状態として、シャッター15を、常時、バンボディ22のサイドパネルの外面と、略同一の鉛直面状に露出させる構成とする。
そして、筐体10の内部に収納された上記発電機7とエアーコンプレッサ8とエアータンク9とエアードライヤ11を、制御するための制御ボックス26は、シャッター15が上下誘導案内されるシャッター開閉口14の左右側端縁14L,14Rの一方の近傍に、配設されている(
図2(B)参照)。
【0018】
本発明に係る動力供給用筐体構造Yは、
図1に示した移動自在な車両荷台床面Pvと、
図7に示したような固定設置面Pfとを、選択して、設置可能である。
固定載置面Pfは、平坦面状であるのが望ましいが、場合によっては、
図2~
図5に例示したように、チャンネル材等からなる設置部材27,27のみを受けるコンクリートブロック等の凸条受け部を地面や床に突設して形成しても良い。
【0019】
なお、
図2~
図5に例示したような2本の平行なチャンネル材、又は、(図示省略の)角パイプやI型部材によって、フォークリフトのフォークを差込むフォーク差込凹部28を形成している。
図7に示したように、本発明の動力供給用筐体構造Yが、移動自在な車両荷台床面Pv以外に設置される固定載置面Pfとしては、車両整備工場,タイヤ販売店,タイヤ修理店,車両販売店,又はイベント会場における作業用床面20である。
【0020】
図1に於て、タイヤ交換作業用ユニット32として、タイヤ交換装置36とホイルバランサー37が、パレット40を介して、荷台床面Pvの上に載置されている場合を示している。なお、パレット40は、フォークリフトのフォークを差込み可能なフォーク差込凹部42が形成されている。そして、動力供給用筐体構造Yから、圧縮エアーや電気等の動力が、供給される。なお、
図7に示すように、車両整備工場,タイヤ販売店,タイヤ修理交換店等においても、タイヤ交換装置36やホイルバランサー37等のタイヤ交換作業用ユニット32が、配設されている。所望により、
図7の整備工場等に配設のタイヤ交換作業用ユニット32を、
図1に示したように車両25に搭載して、タイヤ故障現場に急行移動できる。
【0021】
なお、
図1に於て、(平面図を省略するが、)タイヤ交換作業用ユニット32は、左右の重量バランスを考慮して、タイヤ交換装置36とホイルバランサー37が、パレット40の左右に分離して配設されている。即ち、タイヤ交換作業用ユニット32は、全体の重心が、パレット40の中央位置の重心近くに設けられている。タイヤ交換装置36とホイルバランサー37は、パレット40の上面にボルトによって固着されている。タイヤ交換装置36とホイルバランサー37の間には、タイヤ交換作業を行う作業者が通り抜けられるウォークスルースペースが確保され、さらに、パレット40の上面には、作業者が足を滑らせないように滑り止め処理された、作業用踏み面が設けられている。
【0022】
望ましくは、動力供給用筐体構造Yとタイヤ交換作業用ユニット32が、汎用車両25の荷台床面Pvに対し、固着部品を用いずに搭載することもできる。動力供給用筐体構造Y・タイヤ交換作業用ユニット32の左右方向への位置ずれを防止するための木製のスペーサ部材を備えている。スペーサ部材は、動力供給用筐体構造Y・タイヤ交換作業用ユニット32の側面に当接すると共に、動力供給用筐体構造Y・タイヤ交換作業用ユニット32の間に介在している(図示省略)。
なお、動力供給用筐体構造Yは、比較的高さ寸法が大きいので、動力供給用筐体構造Yを荷台床面Pvの前方寄り、タイヤ交換作業用ユニット32を荷台床面Pvの後方寄りに配設するのが好ましい。
【0023】
なお、本発明は、設計変更可能であって、例えば、タイヤ交換作業用ユニット32は、ホイルバランサー37を省略して、タイヤ交換装置36のみがパレット40の上面に固着されていても良い。この場合、タイヤ交換作業用ユニット32の左右の重量バランスを考慮して、タイヤ交換装置36が、パレット40の重心上の中央位置に配設される。
【0024】
なお、
図1に於ては、バンボディ22を有する車両25の場合を例示したが、このバンボディ22の無い車両を用いることも自由である。即ち、本発明では、動力供給用筐体構造Yの筐体10が内部の機械類をカバー(包囲)しているので、バンボディ22の無い車両とすることも可能である。特に、筐体10によって内部の機械類が包囲されており、少しの風雨にも耐えて、十分に作業を行い得る。
【0025】
図1に示した車両搭載状態から、動力供給用筐体構造Yのみ、又は、この筐体構造Yとタイヤ交換作業用ユニット32を、地上に降ろして、
図9に示す如く、固定載置面Pf等に設置して、車両整備工場,車両販売店等で、使用することができる。このようにして、使用(稼働)効率を向上できる利点もある。
特に、発電機7とエアーコンプレッサ8とエアータンク9とエアードライヤ11等を、筐体10の内部に、収納しているので、風雨にも耐えて、使用(稼働)効率も向上する。また、エアードライヤ11を備えており、圧縮エアーの水分を十分除去できる。
【0026】
また、周囲4面の内、左側壁面5のみに、上下に開閉自在なシャッター15を設け、かつ、車両左側方を向いているので、道路上で、車両25を左側路肩に寄せて作業を行うことができ、他の通行車両に対して、邪魔をしないで済む。シャッター15は、開閉の際もスペースが不要であり、道路上での作業に好適であるといえる。
さらに、他の3面に設けた扉16,18,18,19,19は、作業中には閉じておけば、騒音が著しく低減できる。なお、シャッター15は、状況に応じて、作業中に、閉じても、開いても、良い。
【0027】
本発明は、以上述べたように、天井壁面1と底壁面2と前壁面3と後壁面4と左側壁面5と右側壁面6とを備えた直方体形状の筐体10の内部に;発電機7とエアーコンプレッサ8とエアータンク9とエアードライヤ11とを収納し;固定載置面Pfと、移動自在な車両の荷台床面Pvに対して、選択して設置自在であるので、風雨・風雪等の悪天候下でも使用が可能である。また、車両の荷台床面Pvと、車両販売店等の固定載置面Pfに対して、設置自在であるので、タイヤの修理・交換等の必要な場所等状況に迅速に対応できる。例えば、通常は、車両販売店や車両整備工場にて稼働させておいて、車両故障等が道路上で発生した緊急時には、故障現場に車両25を走らせて、迅速に対処できる。なお、筐体10の内部に、上記発電機7とエアーコンプレッサ8とエアータンク9とエアードライヤ11以外に、
図2(B)に示すように、さらに、(コンピュータ制御方式の)エアー充填機23及びエアーホースリール24等も収納することも望ましい。
【0028】
また、上記筐体10の左側壁面5には、上下に開閉されるシャッター15が設けられ、筐体10の他方の右側壁面6には片開き扉16が設けられているので、筐体10の左側壁面5は、シャッター15が上下に開放閉鎖自在に設けられていて、扉16,18,19のように(水平外方向へ)余分なスペースを取らずに済む。従って、道路上での車両のタイヤパンクや故障等の発生時には、路肩左方に寄せて、タイヤ交換等の作業を迅速に行い得る。かつ、他の車両の通行を邪魔しないで済む。また、右側壁面6の片開き扉16は、内部機器のメンテナンスを容易とすると共に、扉16は防音性に優れる。
【0029】
また、上記前壁面3と後壁面4には、両開き扉18,19が設けられているので、前方及び後方から、筐体10内の機器のメンテナンスが容易である。しかも、この扉18,19を閉じれば、内部機器からの騒音が大幅に低減できる。
【0030】
また、上記筐体10の内部を、上段Uと下段Dとに区画する支持枠体12を付設し;上記発電機7と上記エアーコンプレッサ8は、上記支持枠体12の下段Dに収納すると共に;上記エアータンク9とエアードライヤ11は、上記支持枠体12の上段Uに収納したので、下段に収納したものは重量が大で、上段に収納したものは軽量としたので、筐体10の安定性が高く、車両25の走行中に倒れることを予防できる。
【0031】
また、車両の荷台床面Pvに設置した状態下で、上記前壁面3が車両前方Fを向くと共に;上記左側壁面5には上下に開閉自在なシャッター15が設けられ、車両左側方を向いているので、道路上での車両のタイヤのパンクや故障等の発生時には、路肩左右に寄せて、タイヤ交換等の作業を、容易かつ迅速に行い得る。かつ、他の車両の通行を邪魔しないで済む。
【0032】
また、上記筐体10の内部に収納された上記発電機7とエアーコンプレッサ8とエアータンク9とエアードライヤ11を制御する制御ボックス26は、上記シャッター15が上下誘導案内されるシャッター開閉口14の左右側端縁14L,14Rの一方の近傍に、配設されているので、作業者の手にて、最も容易に、かつ、的確に、各機器の制御を行い得る。特に、筐体10の内部に収納された発電機7,エアーコンプレッサ8,エアータンク9,エアードライヤ11を、集中的に、シャッター開閉口14から、作業者は手を差入れて、的確な制御を容易に行うことができる。さらに、シャッター開閉口14から作業者の手の届き易い開閉口14の近傍位置に、エアー充填機23やエアーホースリール24等を、配設するのも望ましい。
【0033】
また、上記固定載置面Pfとは、車両整備工場,タイヤ販売店,タイヤ修理店,車両販売店,又はイベント会場における作業用床面20であり、本発明の動力供給用筐体構造Yは、多種多様な作業現場に(通常時に)設置しておき、道路上での車両故障の発生の際には、車両の荷台床面Pvに載せて、移動できる。このように、併用活用可能である。
【符号の説明】
【0034】
1 天井壁面
2 底壁面
3 前壁面
4 後壁面
5 左側壁面
6 右側壁面
7 発電機
8 エアーコンプレッサ
9 エアータンク
10 筐体
11 エアードライヤ
12 支持枠体
14 シャッター開閉口
14L 左側端縁
14R 右側端縁
15 シャッター
16 片開き扉
18 両開き扉
19 両開き扉
20 作業用床面
26 制御ボックス
D 下段
F 車両前方
Pf 固定載置面
Pv 荷台床面
U 上段
【手続補正書】
【提出日】2023-12-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井壁面(1)と底壁面(2)と前壁面(3)と後壁面(4)と左側壁面(5)と右側壁面(6)とを備えた直方体形状の筐体(10)の内部に、
発電機(7)とエアーコンプレッサ(8)とエアータンク(9)とエアードライヤ(11)とを収納し、
固定載置面(Pf)と、移動自在な車両の荷台床面(Pv)に対して、選択して設置自在であって、
上記筐体(10)の左側壁面(5)には、上下に開閉されるシャッター(15)が設けられ、筐体(10)の他方の右側壁面(6)には片開き扉(16)が設けられており、
上記筐体(10)の内部に収納された上記発電機(7)とエアーコンプレッサ(8)とエアータンク(9)とエアードライヤ(11)を制御する制御ボックス(26)は、上記シャッター(15)が上下誘導案内されるシャッター開閉口(14)の左右側端縁(14L)(14R)の一方の近傍に、配設されていることを特徴とする動力供給用筐体構造。
【請求項2】
天井壁面(1)と底壁面(2)と前壁面(3)と後壁面(4)と左側壁面(5)と右側壁面(6)とを備えた直方体形状の筐体(10)の内部に、
発電機(7)とエアーコンプレッサ(8)とエアータンク(9)とエアードライヤ(11)とを収納し、
固定載置面(Pf)と、移動自在な車両の荷台床面(Pv)に対して、選択して設置自在であって、
車両の荷台床面(Pv)に設置した状態下で、上記前壁面(3)が車両前方(F)を向くと共に、
上記左側壁面(5)には上下に開閉自在なシャッター(15)が設けられ、車両左側方を向いており、
上記筐体(10)の内部に収納された上記発電機(7)とエアーコンプレッサ(8)とエアータンク(9)とエアードライヤ(11)を制御する制御ボックス(26)は、上記シャッター(15)が上下誘導案内されるシャッター開閉口(14)の左右側端縁(14L)(14R)の一方の近傍に、配設されていることを特徴とする動力供給用筐体構造。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力供給用筐体構造に関する。特に、車両のタイヤの修理や交換等の作業を行うためのタイヤ交換装置等へ、電気や圧縮エアー等の動力を供給するための筐体構造に、関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明者は、かつて、特許文献1に記載されたように、車両の荷台にタイヤの修理・交換に必要なタイヤ交換装置、及び、発電機、コンプレッサー等の動力供給用ユニットを積載した作業車両を提案している。
即ち、その作業車両は、パレットの上に、発電機とコンプレッサーとエアタンクが固着された動力供給用ユニットと、パレットの上に、タイヤ交換装置とホイルバランサーが固着されたタイヤ交換作業用ユニットとを、汎用車両の平坦面状荷台面に、搭載した構造であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の作業車両は、汎用車両の上に搭載して、広域を走り、車両のタイヤ交換等の作業を迅速に行うことができ、好評を得ている。
しかし、その後、本発明者は、次のような問題が残されていることに、気付いた。
即ち、車両から降ろした動力供給用ユニットを、車両整備工場やタイヤ修理交換店等の作業用(固定)床面に設置して、地上でも使用しようとすると、 (i) 騒音が大き過ぎ作業環境を悪化させる点、 (ii) 屋外では風雨が当り、機械の寿命が短い点、(iii) 発電機,エアーコンプレッサー等の機械が丸見えとして露出し、来客者に不快感を与えると共に体を怪我させる危険性もある点。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明は、天井壁面と底壁面と前壁面と後壁面と左側壁面と右側壁面とを備えた直方体形状の筐体の内部に;発電機とエアーコンプレッサとエアータンクとエアードライヤとを収納し;固定載置面と、移動自在な車両の荷台床面に対して、選択して設置自在であって;上記筐体の左側壁面には、上下に開閉されるシャッターが設けられ、筐体の他方の右側壁面には片開き扉が設けられており;上記筐体の内部に収納された上記発電機とエアーコンプレッサとエアータンクとエアードライヤを制御する制御ボックスは、上記シャッターが上下誘導案内されるシャッター開閉口の左右側端縁の一方の近傍に、配設されている。
【0006】
また、天井壁面と底壁面と前壁面と後壁面と左側壁面と右側壁面とを備えた直方体形状の筐体の内部に;発電機とエアーコンプレッサとエアータンクとエアードライヤとを収納し;固定載置面と、移動自在な車両の荷台床面に対して、選択して設置自在であって;車両の荷台床面に設置した状態下で、上記前壁面が車両前方を向くと共に;上記左側壁面には上下に開閉自在なシャッターが設けられ、車両左側方を向いており;上記筐体の内部に収納された上記発電機とエアーコンプレッサとエアータンクとエアードライヤを制御する制御ボックスは、上記シャッターが上下誘導案内されるシャッター開閉口の左右側端縁の一方の近傍に、配設されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、固定載置面に設置すれば、車両整備工場やタイヤ修理交換店等で使用できる。そして、車両故障等が発生した場合には、簡単かつ迅速に、筐体を車両荷台床面に搭載して車両故障現場まで移動させることができる。そして、タイヤ交換装置等へ、電気や圧縮エアー等(の動力)を供給できる。
さらに、上記車両整備工場やタイヤ修理交換店等で使用する際に、(筐体にて包囲されて)騒音が低く、作業環境も良好に保ち得る。また、風雨が激しくても筐体で保護されて、内部の機械の寿命も長い。また、発電機,エアーコンプレッサ,エアードライヤ等は筐体で包囲されているので、来客者等に不快感を与えることが少なく、怪我をさせる危険がなくなり、安全性が高く、安心感をも与える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の一形態を示し、移動自在な車両荷台床面に設置した状態を示す一部断面側面図である。
【
図2】左側面図であって、(A)はシャッターを閉じた状態の左側面図、(B)はシャッターを開いた状態の左側面図である。
【
図7】本発明に係る動力供給用筐体構造が設置される固定載置面の一例として、車両整備工場の作業用床面を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図示の実施の形態に基づき本発明を詳説する。
図1~
図7に於て、Yは動力供給用筐体構造であって、この動力供給用筐体構造Yは、天井壁面1と底壁面2と前壁面3と後壁面4と左側壁面5と右側壁面6とを備えた直方体形状の筐体10を、具備する。
しかも、この筐体10の内部には、発電機7とエアーコンプレッサ8とエアータンク9とエアードライヤ11とが、収納されている。
【0010】
そして、
図7に示す平坦面状固定載置面Pfと、移動自在な車両荷台床面Pvとを、選択して、いずれにも設置可能である。
上記平坦面状の固定載置面Pfとは、
図7に例示したように、車両整備工場,タイヤ販売店,タイヤ修理店,車両販売店,又はイベント会場における作業用床面20である。
なお、固定載置面Pfとしては、平面視四角形の凸隆壁の平坦上面をもって、形成するも自由であり、又は、ブロックを並べてその上面をもって構成しても良い。
【0011】
次に、
図1,
図2(A),
図3,
図6,
図7に於て、15は上下に開閉自在なシャッターであり、筐体10の左側壁面5に、設けられる。このシャッター15によって、閉鎖(密封)状態と開放状態とに切換えることができる。
他方、右側壁面6の下半部の一部には、小面積の片開き扉16が設けられている。
図6の四半円弧R
16は、この片開き扉16の開閉軌跡を示す。また、換気扇17が右側壁面6の上部に設けられている。
さらに、
図5と
図3及び
図6に示したように、前壁面3と後壁面4には、両開き扉18,19が、各々、設けられている。
【0012】
また、筐体10の内部を、上段Uと下段Dに、上下に区画するための支持枠体12を、上記内部に付設する。そして、発電機7とエアーコンプレッサ8は、上記支持枠体12の下段Dに収納すると共に、エアータンク9とエアードライヤ11は支持枠体12の上段Uに、収納する。
また、
図1に示す如く、車両荷台床面Pvに筐体10を設置(搭載)した状態下で、前壁面3が、車両前方Fを向く。しかも、運転者が乗るキャブ21の背面(後面)21Bの近傍に、筐体10の前壁面3を、対応させる。言い換えると、前壁面3が車両前方Fを向く。
【0013】
そして、左側壁面5には、(
図2(A)に示す)上下に開閉されるシャッター15が設けられているが、このシャッター15付の左側壁面5が、車両左側方を向くように、車両荷台床面Pvに設置される。
図1の実施形態では、箱型形状のバンボディ22を備えた車両25を例示している。このバンボディ22のフロントパネル(前壁部)22Aに対して、筐体10の前壁面3を、接近させて、筐体10を搭載する。
【0014】
図示省略したが、バンボディ22のサイドパネルには、サイドドアが開閉可能として、設けられている。このサイドドアを開放すれば、
図2に示した筐体10の左側壁面5(のシャッター15)全体が、車両左側方へ露出状態となる。
しかも、筐体10の左側壁面5のシャッター15の外面は、車両25のバンボディ22のサイドパネルの外面よりも微小寸法だけ内側に配設するのが望ましい。
【0015】
あるいは、以下のように、構成しても良い。即ち、
図2(A)(B)に示した筐体10の左側壁面5の上下高さ寸法と幅寸法と略同等の窓部を、バンボディ22のサイドパネルに(
図1に示した位置において)切欠形成し、その窓部に、左側壁面5を接近状態乃至嵌込状態として、シャッター15を、常時、バンボディ22のサイドパネルの外面と、略同一の鉛直面状に露出させる構成とする。
そして、筐体10の内部に収納された上記発電機7とエアーコンプレッサ8とエアータンク9とエアードライヤ11を、制御するための制御ボックス26は、シャッター15が上下誘導案内されるシャッター開閉口14の左右側端縁14L,14Rの一方の近傍に、配設されている(
図2(B)参照)。
【0016】
本発明に係る動力供給用筐体構造Yは、
図1に示した移動自在な車両荷台床面Pvと、
図7に示したような固定設置面Pfとを、選択して、設置可能である。
固定載置面Pfは、平坦面状であるのが望ましいが、場合によっては、
図2~
図5に例示したように、チャンネル材等からなる設置部材27,27のみを受けるコンクリートブロック等の凸条受け部を地面や床に突設して形成しても良い。
【0017】
なお、
図2~
図5に例示したような2本の平行なチャンネル材、又は、(図示省略の)角パイプやI型部材によって、フォークリフトのフォークを差込むフォーク差込凹部28を形成している。
図7に示したように、本発明の動力供給用筐体構造Yが、移動自在な車両荷台床面Pv以外に設置される固定載置面Pfとしては、車両整備工場,タイヤ販売店,タイヤ修理店,車両販売店,又はイベント会場における作業用床面20である。
【0018】
図1に於て、タイヤ交換作業用ユニット32として、タイヤ交換装置36とホイルバランサー37が、パレット40を介して、荷台床面Pvの上に載置されている場合を示している。なお、パレット40は、フォークリフトのフォークを差込み可能なフォーク差込凹部42が形成されている。そして、動力供給用筐体構造Yから、圧縮エアーや電気等の動力が、供給される。なお、
図7に示すように、車両整備工場,タイヤ販売店,タイヤ修理交換店等においても、タイヤ交換装置36やホイルバランサー37等のタイヤ交換作業用ユニット32が、配設されている。所望により、
図7の整備工場等に配設のタイヤ交換作業用ユニット32を、
図1に示したように車両25に搭載して、タイヤ故障現場に急行移動できる。
【0019】
なお、
図1に於て、(平面図を省略するが、)タイヤ交換作業用ユニット32は、左右の重量バランスを考慮して、タイヤ交換装置36とホイルバランサー37が、パレット40の左右に分離して配設されている。即ち、タイヤ交換作業用ユニット32は、全体の重心が、パレット40の中央位置の重心近くに設けられている。タイヤ交換装置36とホイルバランサー37は、パレット40の上面にボルトによって固着されている。タイヤ交換装置36とホイルバランサー37の間には、タイヤ交換作業を行う作業者が通り抜けられるウォークスルースペースが確保され、さらに、パレット40の上面には、作業者が足を滑らせないように滑り止め処理された、作業用踏み面が設けられている。
【0020】
望ましくは、動力供給用筐体構造Yとタイヤ交換作業用ユニット32が、汎用車両25の荷台床面Pvに対し、固着部品を用いずに搭載することもできる。動力供給用筐体構造Y・タイヤ交換作業用ユニット32の左右方向への位置ずれを防止するための木製のスペーサ部材を備えている。スペーサ部材は、動力供給用筐体構造Y・タイヤ交換作業用ユニット32の側面に当接すると共に、動力供給用筐体構造Y・タイヤ交換作業用ユニット32の間に介在している(図示省略)。
なお、動力供給用筐体構造Yは、比較的高さ寸法が大きいので、動力供給用筐体構造Yを荷台床面Pvの前方寄り、タイヤ交換作業用ユニット32を荷台床面Pvの後方寄りに配設するのが好ましい。
【0021】
なお、本発明は、設計変更可能であって、例えば、タイヤ交換作業用ユニット32は、ホイルバランサー37を省略して、タイヤ交換装置36のみがパレット40の上面に固着されていても良い。この場合、タイヤ交換作業用ユニット32の左右の重量バランスを考慮して、タイヤ交換装置36が、パレット40の重心上の中央位置に配設される。
【0022】
なお、
図1に於ては、バンボディ22を有する車両25の場合を例示したが、このバンボディ22の無い車両を用いることも自由である。即ち、本発明では、動力供給用筐体構造Yの筐体10が内部の機械類をカバー(包囲)しているので、バンボディ22の無い車両とすることも可能である。特に、筐体10によって内部の機械類が包囲されており、少しの風雨にも耐えて、十分に作業を行い得る。
【0023】
図1に示した車両搭載状態から、動力供給用筐体構造Yのみ、又は、この筐体構造Yとタイヤ交換作業用ユニット32を、地上に降ろして、
図9に示す如く、固定載置面Pf等に設置して、車両整備工場,車両販売店等で、使用することができる。このようにして、使用(稼働)効率を向上できる利点もある。
特に、発電機7とエアーコンプレッサ8とエアータンク9とエアードライヤ11等を、筐体10の内部に、収納しているので、風雨にも耐えて、使用(稼働)効率も向上する。また、エアードライヤ11を備えており、圧縮エアーの水分を十分除去できる。
【0024】
また、周囲4面の内、左側壁面5のみに、上下に開閉自在なシャッター15を設け、かつ、車両左側方を向いているので、道路上で、車両25を左側路肩に寄せて作業を行うことができ、他の通行車両に対して、邪魔をしないで済む。シャッター15は、開閉の際もスペースが不要であり、道路上での作業に好適であるといえる。
さらに、他の3面に設けた扉16,18,18,19,19は、作業中には閉じておけば、騒音が著しく低減できる。なお、シャッター15は、状況に応じて、作業中に、閉じても、開いても、良い。
【0025】
本発明は、以上述べたように、天井壁面1と底壁面2と前壁面3と後壁面4と左側壁面5と右側壁面6とを備えた直方体形状の筐体10の内部に;発電機7とエアーコンプレッサ8とエアータンク9とエアードライヤ11とを収納し;固定載置面Pfと、移動自在な車両の荷台床面Pvに対して、選択して設置自在であるので、風雨・風雪等の悪天候下でも使用が可能である。また、車両の荷台床面Pvと、車両販売店等の固定載置面Pfに対して、設置自在であるので、タイヤの修理・交換等の必要な場所等状況に迅速に対応できる。例えば、通常は、車両販売店や車両整備工場にて稼働させておいて、車両故障等が道路上で発生した緊急時には、故障現場に車両25を走らせて、迅速に対処できる。なお、筐体10の内部に、上記発電機7とエアーコンプレッサ8とエアータンク9とエアードライヤ11以外に、
図2(B)に示すように、さらに、(コンピュータ制御方式の)エアー充填機23及びエアーホースリール24等も収納することも望ましい。
【0026】
また、上記筐体10の左側壁面5には、上下に開閉されるシャッター15が設けられ、筐体10の他方の右側壁面6には片開き扉16が設けられているので、筐体10の左側壁面5は、シャッター15が上下に開放閉鎖自在に設けられていて、扉16,18,19のように(水平外方向へ)余分なスペースを取らずに済む。従って、道路上での車両のタイヤパンクや故障等の発生時には、路肩左方に寄せて、タイヤ交換等の作業を迅速に行い得る。かつ、他の車両の通行を邪魔しないで済む。また、右側壁面6の片開き扉16は、内部機器のメンテナンスを容易とすると共に、扉16は防音性に優れる。
【0027】
また、上記前壁面3と後壁面4には、両開き扉18,19が設けられているので、前方及び後方から、筐体10内の機器のメンテナンスが容易である。しかも、この扉18,19を閉じれば、内部機器からの騒音が大幅に低減できる。
【0028】
また、上記筐体10の内部を、上段Uと下段Dとに区画する支持枠体12を付設し;上記発電機7と上記エアーコンプレッサ8は、上記支持枠体12の下段Dに収納すると共に;上記エアータンク9とエアードライヤ11は、上記支持枠体12の上段Uに収納したので、下段に収納したものは重量が大で、上段に収納したものは軽量としたので、筐体10の安定性が高く、車両25の走行中に倒れることを予防できる。
【0029】
また、車両の荷台床面Pvに設置した状態下で、上記前壁面3が車両前方Fを向くと共に;上記左側壁面5には上下に開閉自在なシャッター15が設けられ、車両左側方を向いているので、道路上での車両のタイヤのパンクや故障等の発生時には、路肩左右に寄せて、タイヤ交換等の作業を、容易かつ迅速に行い得る。かつ、他の車両の通行を邪魔しないで済む。
【0030】
また、上記筐体10の内部に収納された上記発電機7とエアーコンプレッサ8とエアータンク9とエアードライヤ11を制御する制御ボックス26は、上記シャッター15が上下誘導案内されるシャッター開閉口14の左右側端縁14L,14Rの一方の近傍に、配設されているので、作業者の手にて、最も容易に、かつ、的確に、各機器の制御を行い得る。特に、筐体10の内部に収納された発電機7,エアーコンプレッサ8,エアータンク9,エアードライヤ11を、集中的に、シャッター開閉口14から、作業者は手を差入れて、的確な制御を容易に行うことができる。さらに、シャッター開閉口14から作業者の手の届き易い開閉口14の近傍位置に、エアー充填機23やエアーホースリール24等を、配設するのも望ましい。
【0031】
また、上記固定載置面Pfとは、車両整備工場,タイヤ販売店,タイヤ修理店,車両販売店,又はイベント会場における作業用床面20であり、本発明の動力供給用筐体構造Yは、多種多様な作業現場に(通常時に)設置しておき、道路上での車両故障の発生の際には、車両の荷台床面Pvに載せて、移動できる。このように、併用活用可能である。
【符号の説明】
【0032】
1 天井壁面
2 底壁面
3 前壁面
4 後壁面
5 左側壁面
6 右側壁面
7 発電機
8 エアーコンプレッサ
9 エアータンク
10 筐体
11 エアードライヤ
14 シャッター開閉口
14L 左側端縁
14R 右側端縁
15 シャッター
16 片開き扉
26 制御ボックス
F 車両前方
Pf 固定載置面
Pv 荷台床面