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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055541
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】移載システムおよび移載設備
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20240411BHJP
   B25J 15/06 20060101ALI20240411BHJP
   B25J 13/00 20060101ALI20240411BHJP
   B65G 47/91 20060101ALI20240411BHJP
   B65G 1/137 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
B65G1/00 511B
B25J15/06 M
B25J13/00 A
B65G47/91 A
B65G1/137 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162560
(22)【出願日】2022-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】上田 雄一
(72)【発明者】
【氏名】塚本 邦博
(72)【発明者】
【氏名】松本 紘輔
【テーマコード(参考)】
3C707
3F022
3F072
3F522
【Fターム(参考)】
3C707AS01
3C707BS03
3C707CY18
3C707DS01
3C707FS01
3C707FT02
3C707FT11
3C707KS01
3C707KT02
3C707KT06
3C707NS02
3F022EE05
3F022HH01
3F022KK20
3F022MM01
3F022MM51
3F072AA06
3F072GA10
3F072GD01
3F072GD03
3F072KA01
3F072KD03
3F522BB01
3F522CC01
3F522FF02
3F522FF37
3F522GG33
3F522LL11
3F522LL51
(57)【要約】
【課題】移載システムの安全性を向上すると共に、移載システムの省スペース化を図る。
【解決手段】移載システム(1)は、X方向へ物品を搬送する搬送部(11)と、搬送部(11)の前端側に設置され、物品(2)を保持して移載する移載部(12)と、移載部(12)の上方に設置され、物品(2)の撮影を行うカメラ部(13)と、カメラ部(13)を支持する2つの支持部(14)・(14)であって、Y方向にそれぞれ設置され、かつ、移載部(12)とそのY方向の外部とを仕切る2つの支持部(14)・(14)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向へ物品を搬送する搬送部と、
前記搬送部の一端側に設置され、前記物品を保持して移載する移載部と、
前記移載部の上方に設置され、前記物品の撮影を行うカメラ部と、
前記カメラ部を支持する2つの支持部であって、平面視で前記移載部に対し前記第1方向と直交する第2方向にそれぞれ設置され、かつ、前記移載部とその前記第2方向の外部とを仕切る2つの支持部と、
を備える、移載システム。
【請求項2】
平面視で前記移載部に対して前記搬送部とは反対側の外部と前記移載部とを仕切る終端側仕切部であって、前記2つの支持部と接続される終端側仕切部をさらに備える、請求項1に記載の移載システム。
【請求項3】
前記移載部と前記終端側仕切部との間には、作業者が前記物品を保持して移載するための作業エリアが設定される、請求項2に記載の移載システム。
【請求項4】
平面視で前記一端に対し前記第1方向と直交する第2方向に隣接してそれぞれ設置され、かつ、前記一端とその前記第2方向の外部とを仕切る2つの搬送側仕切部であって、前記2つの支持部とそれぞれ接続される2つの搬送側仕切部をさらに備える、請求項1に記載の移載システム。
【請求項5】
前記搬送部は、
前記物品を収容する複数の容器を順次移動させる移動機構と、
該移動機構を収容する筐体であって、前記2つの支持部と隣接する筐体と、を備えており、
前記2つの支持部は、前記筐体と対向する領域において、前記移載部とその前記第2方向の外部との仕切が省略されている、請求項1に記載の移載システム。
【請求項6】
前記移載部は、
前記物品を保持するピッキングヘッドと、
前記カメラ部からの撮影画像に基づいて、前記ピッキングヘッドを昇降させると共に、平面視において前記ピッキングヘッドを前記第1方向および第2方向へ移動させる駆動部と、
を備える、請求項1から5の何れか1項に記載の移載システム。
【請求項7】
請求項1から5の何れか1項に記載の移載システムを複数備える移載設備であって、
前記移載システムは、各々の前記搬送部が互いに略平行になるように、平面視で前記第1方向と直交する第2方向へ複数並んで設置される移載設備。
【請求項8】
所定の間隔で突設された複数の支柱部材をさらに備え、
互いに隣り合う前記支柱部材が並ぶ方向を前記第2方向として、前記移載システムが前記第2方向へ複数並んで設置される、請求項7に記載の移載設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物流における物品の移載システムおよび移載設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物流倉庫等においては、多種多量の物品を効率よく出荷先別に出荷容器へ選別仕分けするために、ロボットアーム等のピッキング装置(移載装置)を備える移載システムが用いられている。この種の移載システムに関し、特許文献1には、上記ピッキング装置により物品を移載する自動移載と、作業者により物品を移載する手作業移載と、を実行できる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-070143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記自動移載作業を行う上記ピッキング装置の周囲には、安全性の観点から、人が上記ピッキング装置と接触することを防止するためのガードを設けることが望ましい。しかしながら、この場合、上記移載システムに必要な領域が拡大することになり、その結果、物流センター等における所定の領域に設置可能な移載システムの数が減少する可能性がある。
【0005】
本発明の一態様は、移載システムの安全性を向上すると共に、移載システムの省スペース化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る移載システムは、第1方向へ物品を搬送する搬送部と、前記搬送部の一端側に設置され、前記物品を保持して移載する移載部と、前記移載部の上方に設置され、前記物品の撮影を行うカメラ部と、前記カメラ部を支持する2つの支持部であって、平面視で前記移載部に対し前記第1方向と直交する第2方向にそれぞれ設置され、かつ、前記移載部とその前記第2方向の外部とを仕切る2つの支持部と、を備える。
【0007】
また、本発明の他の態様に係る移載設備は、上記構成の移載システムを複数備える移載設備であって、前記移載システムは、各々の前記搬送部が互いに略平行になるように、平面視で前記第1方向と直交する第2方向へ複数並んで設置される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、移載システムの安全性を向上すると共に、移載システムの省スペース化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る移載システムの概要を示す斜視図である。
図2】上記移載システムの概要を示す平面図である。
図3】上記移載システムに設けられたガードの概要を示す六面図のうち、正面図、2つの側面図、および平面図である。
図4】上記移載システムにおけるカメラ部および支持部の一変形例の概要を示す六面図のうち、正面図、側面図、および平面図である。
図5】本発明の他の実施形態に係る移載設備の概要を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、説明の便宜上、各実施形態に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付記し、適宜その説明を省略する。
【0011】
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について、図1図3を参照して説明する。
【0012】
(移載システムの概要)
図1は、本実施形態に係る移載システム1の概要を示す斜視図である。図2は、移載システム1の概要を示す平面図である。移載システム1は、物流倉庫等において物品2の移載を行うものである。図1および図2に示すように、本実施形態の移載システム1は、搬送部11、移載部12、カメラ部13、支持フレーム14、制御部15、および端末部16を含む。
【0013】
(搬送部)
搬送部11は、物品2を収容する第1容器17および第2容器18をY方向(前後方向、第1方向)へ搬送するものである。具体的には、搬送部11は、Z方向下側に設けられた搬入用コンベア11a・11bと、Z方向上側に設けられた搬出用コンベア11c・11dとを含む。搬入用コンベア11a・11bによって第1容器17および第2容器18がY方向前側にそれぞれ搬送される。また、搬出用コンベア11c・11dによって第1容器17および第2容器18がY方向後側にそれぞれ搬送される。
【0014】
さらに、搬送部11は、移動機構11eおよび筐体11fを含む。移動機構11eは、搬入用コンベア11aからの第1容器17を第1移載位置P1に順次移動させると共に、搬入用コンベア11bからの第2容器18を第2移載位置P2に順次移動させる。また、移動機構11eは、第1移載位置P1に配置された第1容器17を搬出用コンベア11cに順次移動させると共に、第2移載位置P2に配置された第2容器18を搬出用コンベア11cに順次移動させる。筐体11fは、移動機構11eを収容する。
【0015】
(移載部)
移載部12は、搬送部11のY方向前端側(一端側)に設置され、第1移載位置P1に配置された第1容器17に収容された物品2を保持して、第2移載位置P2に配置された第2容器18へ移載するものである。移載部12は、搬送部11の移動機構11eおよび筐体11fのZ方向上側に、架台等(図示せず)によって設置される。
【0016】
移載部12は、物品2を保持するピッキングヘッド12aと、該ピッキングヘッド12aをZ方向へ昇降させると共に、平面視においてピッキングヘッド12aをX方向およびY方向の2方向へ移動させる駆動部12bとを含む。ピッキングヘッド12aは、例えば、物品2を吸着する1つまたは複数の吸着パッド等から構成される。ピッキングヘッド12aは、第1容器17に収容される物品2に対して上方から吸着し、物品2を吊った状態で保持する。
【0017】
駆動部12bは、固定レール12c、第1可動レール12d、第2可動レール12e、および支持アーム12fを含む。固定レール12cは、X方向に沿って設置される。第1可動レール12dは、Z方向に沿って設置され、固定レール12cに沿ってX方向に往復移動する。第2可動レール12eは、Y方向に沿って設置され、第1可動レール12dに沿ってZ方向に往復移動する。
【0018】
支持アーム12fは、Z方向に沿って設置され、第2可動レール12eに沿ってY方向に往復移動する。また、支持アーム12fは、Z方向下側にピッキングヘッド12aが取り付けられている。これにより、移載部12は、駆動部12bの動作を制御することにより、ピッキングヘッド12aをXYZの3方向へ往復移動させることができる。
【0019】
移載部12は、例えば6軸ロボット等の移載ユニットに比べて、構造がシンプルであり、多列のコンベヤレイアウトにも適応し易い。このため、移載部12を用いることにより、移載システム1のレイアウト設計の自由度が向上する。
【0020】
(カメラ部)
カメラ部13は、移載部12の上方に配置され、物品2の撮影を行うものである。カメラ部13は、第1カメラ13aおよび第2カメラ13bを含む。第1カメラ13aは、第1移載位置P1に配置された第1容器17を撮影することにより、第1容器17に収容された1または複数の物品2を撮影する。第2カメラ13bは、第2移載位置P2に配置された第2容器18を撮影することにより、第2容器18に収容された1または複数の物品2を撮影する。なお、カメラ部13は、ライト13c・13dおよび反射板13eを含んでもよい。
【0021】
(支持フレーム)
支持フレーム14は、カメラ部13を支持する枠体である。支持フレーム14は、平面視で移載部12に対しY方向と直交するX方向(左右方向、第2方向)に隣接してそれぞれ設置される支持部14a・14aと、支持部14a・14a間に架設される梁部材14b・14bとを含む。Y方向前側の梁部材14bの適所には、第1カメラ13aおよび第2カメラ13bが設置される。なお、梁部材14bは、1本でもよいし、3本以上でもよい。
【0022】
支持部14a・14aのそれぞれは、2本の柱部材14c・14d、桁部材14e、および補強部材14fを含む。柱部材14c・14dは、Y方向に配列され、固定部材14g・14hにより、移載システム1の設置場所に固定される。桁部材14eおよび補強部材14fは、柱部材14c・14d間に架設される。
【0023】
なお、梁部材14b・14bは、桁部材14e上に設置されてもよいし、柱部材14c・14dに設置されてもよい。また、補強部材14fは、2本以上であってもよいし、省略してもよい。また、支持部14a・14aのそれぞれが4本以上の柱部材によって立設されている場合、梁部材14b・14bを省略してもよい。この場合、第1カメラ13aおよび第2カメラ13bは、支持部14a・14aの適所にそれぞれ設置すればよい。
【0024】
図1および図2の例では、第1カメラ13aおよび第2カメラ13bが設置された梁部材14bには、反射板13eがY方向両側に張り出すように設置されている。また、支持部14a・14aにおける補強部材14f・14fの適所には、ライト13c・13dがそれぞれ設置されている。これにより、ライト13c・13dからの光が反射板13eにて反射して、第1容器17および第2容器18を照明することができる。
【0025】
(制御部)
制御部15は、移載システム1における各部を制御するものである。端末部16は、移載システム1に対する操作を作業者が行うためのものである。
【0026】
上記構成の移載システム1において、制御部15は、まず、搬送部11の搬入用コンベア11a・11bに指示して、第1容器17および第2容器18をY方向後方からY方向前端に搬入し、これを継続する。また、制御部15は、搬送部11の搬出用コンベア11c・11dに指示して、第1容器17および第2容器18をY方向前端部からY方向後方に搬出し、これを継続する。
【0027】
次に、制御部15は、搬送部11の移動機構11eに指示して、搬入された第1容器17および第2容器18を第1移載位置P1および第2移載位置P2にそれぞれ移動させる。次に、制御部15は、カメラ部13が撮影した第1容器17および第2容器18の撮影画像に基づき移載部12に指示して、第1移載位置P1の第1容器17に収容された物品2を保持して、第2移載位置の第2容器18に移載する。
【0028】
次に、制御部15は、搬送部11の移動機構11eに指示して、第1移載位置P1の第1容器17を搬出用コンベア11cに移動させると共に、搬入された別の第1容器17を第1移載位置P1に移動させて、移載部12に上記移載を指示し、これを繰り返す。搬出用コンベア11cに移動された第1容器17は、Y方向後方に搬出される。
【0029】
そして、第2容器18に所要の物品2が収容されると、制御部15は、搬送部11の移動機構11eに指示して、第1移載位置P1の第1容器17を搬出用コンベア11cに移動させると共に、第2移載位置P2の第2容器18を搬出用コンベア11dに移動させる。搬出用コンベア11cに移動された第1容器17と、搬出用コンベア11dに移動された第2容器18とは、Y方向後方に搬出される。
【0030】
(ガード)
図3は、本実施形態の移載システム1に設けられたガードの概要を示す六面図のうち、正面図、2つの側面図、および平面図である。本実施形態では、移載部12が物品2を保持して移載する自動移載が実行可能である。このため、図1図3に示すように、移載部12の周囲には、安全性の観点から、人またはその一部が移載部12と接触することを防止するためのガードが設けられている。
【0031】
(横ガード部)
図1図3に示すように、支持部14a・14aのそれぞれは、移載部12とそのX方向の外部とを仕切る横ガード部21を含む。横ガード部21は、透明板22と該透明板22を保持する枠部材23とを含む。これにより、人またはその一部がX方向から進入して移載部12と接触することを防止でき、その結果、移載システム1の安全性を向上することができる。
【0032】
さらに、支持部14a・14aのそれぞれに横ガード部21が設けられているので、移載部12とそのX方向の外部とを仕切るガード部を、支持部14a・14aのX方向外側に新たに設ける必要が無い。その結果、移載システム1の省スペース化を図ることができる。
【0033】
ところで、2つの支持部14a・14aは、移載部12に対し、X方向に隣接して設置されているから、移載部12のZ方向下側に位置する搬送部11の筐体11fとも隣接している。そこで、本実施形態では、支持部14aの下部の領域、すなわち、筐体11fと対向する領域では、横ガード部21が省略されている。これにより、横ガード部21を設ける領域を減らすことができる。一方、人またはその一部が支持部14aの下部から進入して移載部12と接触することは、筐体11fによって防止できる。すなわち、支持部14aの下部の領域は、筐体11fが移載部12とそのX方向の外部との仕切となる。
【0034】
(前ガード部)
図1図3に示すように、移載システム1には、平面視で移載部12に対して搬送部11とは反対側の外部、すなわち、移載部12のY方向前側の外部と、移載部12とを仕切る前ガード部24(終端側仕切部)が設けられている。前ガード部24は、2つの支持部14a・14aと接続されている。
【0035】
ところで、本実施形態の移載システム1は、図1および図2に示すように、移載部12が物品2を保持して移載する自動移載と、作業者が物品2を保持して移載する手作業移載との両方を実行可能である。このため、移載部12と前ガード部24との間には、上記手作業移載を行うための作業エリア25が設定されている。すなわち、前ガード部24は、作業エリア25の周囲に作業エリア25に隣接して設けられている。
【0036】
具体的には、前ガード部24は、複数の固定式ガード部26と可動式ガード部27とを連結して含む。固定式ガード部26は、透明板31と該透明板31を保持する枠部材32とを含む。枠部材32のZ方向下側の隅部は、固定部材26aにより、移載システム1の設置場所に固定される。
【0037】
可動式ガード部27は、固定用枠部材33と、固定用枠部材33内に設けられる可動部材34とを含む。固定用枠部材33のZ方向下側の隅部は、固定部材33aにより、移載システム1の設置場所に固定される。可動部材34は、透明板35と、該透明板35を保持する枠部材36とを含む。また、Y方向後側の固定式ガード部26・26は、支持部14a・14aのY方向前側にそれぞれ連結している。
【0038】
これにより、人が作業エリア25に不用意に進入して移載部12と接触することを防止でき、その結果、移載システム1の安全性を向上することができる。また、前ガード部24が作業エリア25に隣接して設けられているので、前ガード部24を設けることによる移載システム1の設置空間の増大を抑制することができる。
【0039】
なお、移載システム1が自動移載のみ実行可能である場合、作業エリア25は、移載部12を監視者が監視するための監視エリアとして設定されてもよい。或いは、作業エリア25が省略されてもよい。このとき、前ガード部24は、移載部12のY方向前側に、移載部12と隣接して設ければよい。
【0040】
(後ガード部)
図1図3に示すように、移載システム1には、搬送部11のY方向前端に対し、X方向に隣接し、かつ、上記前端とそのX方向の外部とを仕切る後ガード部41・41(搬送側仕切部)が設けられている。後ガード部41は、透明板42と、該透明板42を保持する枠部材43とを含む。後ガード部41・41のY方向前側は、支持部14a・14aのY方向後側にそれぞれ連結(接続)している。また、枠部材43のZ方向下側の隅部は、固定部材43aにより、移載システム1の設置場所に固定される。さらに、後ガード部41・41の間には補強部材44・45が設けられている。
【0041】
これにより、人またはその一部が搬送部11から進入して移載部12と接触することを防止でき、その結果、移載システム1の安全性を向上することができる。また、後ガード部41が搬送部11に隣接して設けられているので、後ガード部41を設けることによる移載システム1の設置空間の増大を抑制することができる。
【0042】
また、横ガード部21の透明板22と、前ガード部24の透明板31・35と、後ガード部41の透明板42とがガードとして設けられることにより、移載システム1の監視者は、移載システム1の外部から搬送部11および移載部12を監視することができる。なお、なお、透明板22・31・35・42の代わりに、柵、網、その他の形状のガードを用いてもよい。
【0043】
(変形例)
次に、移載システム1の変形例について、図4を参照して説明する。
【0044】
図4は、移載システム1におけるカメラ部および支持部の一変形例の概要を示す六面図のうち、正面図、側面図、および平面図である。図4に示すカメラ部13および支持フレーム14は、図1~3に示すカメラ部13および支持フレーム14に比べて、梁部材14bにライト13c・13dが設けられている点と、支持フレーム14の上端部に支持部材14iが追加されている点と、支持部材14iに反射板13eが設けられている点とが異なり、その他は同様である。このように、カメラ部13におけるライト13c・13dおよび反射板13eは、種々に配置することができ、該配置に応じて、支持フレーム14に支持部材14iを追加することができる。
【0045】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図5を参照して説明する。
【0046】
図5は、本実施形態における移載設備の概要を示す平面図である。図5に示すように、移載設備3は、図1図3に示す移載システム1を複数台備えるものである。
【0047】
上述のように、移載システムにおいて自動移載作業を行うピッキング装置の周囲にガードを設ける場合、上記移載システムの設置空間が増大することになる。その結果、互いに隣り合う移載システムの間隔が増大することになる。
【0048】
これに対し、本実施形態では、複数の移載システム1は、各々の搬送部11が互いに略平行になるように、X方向へ並んで設置されている。これにより、移載部12とそのY方向の外部とが、移載部12に隣接して設けられた支持部14a・14aにおける横ガード部21によって仕切られるので、互いに隣り合う移載システム1の間隔の増大を抑制することができる。
【0049】
ところで、物流倉庫等の建物51には、一般に、上階または天井を支える支柱部材52が所定の間隔Pごとに突設されている。このため、物品2の移載の効率化の観点から、上記所定の間隔Pに設置可能な移載システムの台数が多いことが望ましい。
【0050】
しかしながら、上記ピッキング装置の周囲にガードを設ける場合、上記移載システムの設置空間が増大することになる。その結果、上記所定の間隔Pに設置可能な移載システムの台数が減少する可能性がある。
【0051】
これに対し、本実施形態では、互いに隣り合う支柱部材52・52が並ぶ方向をX方向として、複数の移載システム1が並んで設置されている。これにより、X方向に隣り合う移載システム1の間隔の増大を抑制できるので、上記所定の間隔Pに設置可能な移載システム1の台数の減少を抑制することができる。
【0052】
〔特記事項〕
上記実施形態では、物品2を収容する第1容器17および第2容器18が搬送部11によって搬送されているが、これに限定されるものではない。例えば、第1容器17および第2容器18を省略して、物品2自体が搬送部11によって搬送される構成であってもよい。
【0053】
〔まとめ〕
以上のように、本発明の態様1に係る移載システムは、第1方向へ物品を搬送する搬送部と、前記搬送部の一端側に設置され、前記物品を保持して移載する移載部と、前記移載部の上方に設置され、前記物品の撮影を行うカメラ部と、前記カメラ部を支持する2つの支持部であって、平面視で前記移載部に対し前記第1方向と直交する第2方向にそれぞれ設置され、かつ、前記移載部とその前記第2方向の外部とを仕切る2つの支持部と、を備える。
【0054】
上記の構成によると、人またはその一部が前記外部から進入して、前記移載部と接触することを防止でき、その結果、前記移載システムの安全性を向上することができる。また、前記移載部とその前記第2方向の外部とを仕切る仕切部を、新たに設ける必要が無い。その結果、前記移載システムの省スペース化を図ることができる。
【0055】
本発明の態様2に係る移載システムは、上記態様1において、平面視で前記移載部に対して前記搬送部とは反対側の外部と前記移載部とを仕切る終端側仕切部であって、前記2つの支持部と接続される終端側仕切部をさらに備えてもよい。この場合、人またはその一部が前記外部から進入して、前記移載部と接触することを防止でき、その結果、前記移載システムの安全性を向上することができる。
【0056】
本発明の態様3に係る移載システムは、上記態様2において、前記移載部と前記終端側仕切部との間には、作業者が前記物品を保持して移載するための作業エリアが設定されてもよい。この場合、人が前記作業エリアに不用意に進入して前記移載部と接触することを防止でき、その結果、前記移載システムの安全性を向上することができる。
【0057】
本発明の態様4に係る移載システムは、上記態様1~3において、平面視で前記一端に対し前記第1方向と直交する第2方向に隣接してそれぞれ設置され、かつ、前記一端とその前記第2方向の外部とを仕切る2つの搬送側仕切部であって、前記2つの支持部とそれぞれ接続される2つの搬送側仕切部をさらに備えてもよい。この場合、人またはその一部が前記搬送部から進入して前記移載部と接触することを防止でき、その結果、前記移載システムの安全性を向上することができる。
【0058】
本発明の態様5に係る移載システムは、上記態様1~4において、前記搬送部は、前記物品を収容する複数の容器を順次移動させる移動機構と、該移動機構を収容する筐体であって、前記2つの支持部と隣接する筐体と、を備えており、前記2つの支持部は、前記筐体と対向する領域において、前記移載部とその前記第2方向の外部との仕切が省略されていてもよい。この場合、前記仕切を設ける領域を減らすことができる。なお、前記仕切が省略された領域は、前記筐体が、前記移載部とその前記第2方向の外部との仕切となる。
【0059】
本発明の態様6に係る移載システムは、上記態様1~5において、前記移載部は、前記物品を保持するピッキングヘッドと、前記カメラ部からの撮影画像に基づいて、前記ピッキングヘッドを昇降させると共に、平面視において前記ピッキングヘッドを前記第1方向および第2方向へ移動させる駆動部と、を備えてもよい。
【0060】
本発明の態様7に係る移載設備は、上記態様1~6の移載システムを複数備える移載設備であって、前記移載システムは、各々の前記搬送部が互いに略平行になるように、平面視で前記第1方向と直交する第2方向へ複数並んで設置される。
【0061】
上記の構成によると、前記移載部とその前記第2方向の外部とが前記支持部によって仕切られるため、互いに隣り合う前記移載システムの間隔の増大を抑制することができる。
【0062】
本発明の態様8に係る移載設備は、上記態様7において、所定の間隔で突設された複数の支柱部材をさらに備え、互いに隣り合う前記支柱部材が並ぶ方向を前記第2方向として、前記移載システムが前記第2方向へ複数並んで設置されてもよい。この場合、前記第2方向に隣り合う移載システムの間隔の増大を抑制できるので、前記所定の間隔に設置可能な前記移載システムの台数の減少を抑制することができる。
【0063】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0064】
1 移載システム
2 物品
3 移載設備
11 搬送部
11a、11b 搬入用コンベア
11c、11d 搬出用コンベア
11e 移動機構
11f 筐体
12 移載部
12a ピッキングヘッド
12b 駆動部
12c 固定レール
12d 第1可動レール
12e 第2可動レール
12f 支持アーム
13 カメラ部
13a 第1カメラ
13b 第2カメラ
13c・13d ライト
13e 反射板
14 支持フレーム
14a 支持部
14b 梁部材
14c、14d 柱部材
14e 桁部材
14f 補強部材
14g・14h、26a、33a、43a 固定部材
14i 支持部材
15 制御部
16 端末部
17 第1容器
18 第2容器
21 横ガード部
22、31、35、42 透明板
23、32、36、43 枠部材
24 前ガード部(終端側仕切部)
25 作業エリア
26 固定式ガード部
27 可動式ガード部
33 固定用枠部材
34 可動部材
41 後ガード部(搬送側仕切部)
44、45 補強部材
51 建物
52 支柱部材
図1
図2
図3
図4
図5