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特開2024-55542移載システム、並びにその制御方法および制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055542
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】移載システム、並びにその制御方法および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20240411BHJP
【FI】
B65G1/137 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162561
(22)【出願日】2022-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】浮須 賢一
(72)【発明者】
【氏名】味生 淳
(72)【発明者】
【氏名】上田 雄一
(72)【発明者】
【氏名】森川 雅司
(72)【発明者】
【氏名】中村 友一
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522AA02
3F522BB01
3F522BB27
3F522BB32
3F522CC01
3F522CC03
3F522FF02
3F522FF12
3F522FF37
3F522GG23
3F522GG33
3F522GG45
3F522GG49
3F522HH03
3F522HH05
3F522HH17
3F522HH18
3F522HH19
3F522HH36
3F522JJ01
3F522JJ04
3F522LL41
3F522LL51
3F522LL57
3F522LL63
(57)【要約】
【課題】物品の保持または移載に失敗した場合に該失敗の復旧作業を迅速に行う。
【解決手段】移載システム(1)は、物品を搬送する搬送部(11)と、搬送部(11)の一端側に設置され、物品(2)を保持して移載する移載部(12)と、物品(2)を撮影して撮影画像を作成するカメラ部(13)と、撮影画像に基づいて移載部(12)を制御する自動移載と、作業者(S)の指示に基づいて移載部(12)を制御する手動移載とを実行可能な制御部(15)と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送する搬送部と、
前記搬送部の一端側に設置され、前記物品を保持して移載する移載部と、
前記物品を撮影して撮影画像を作成するカメラ部と、
前記撮影画像に基づいて前記移載部を制御する自動移載と、作業者の指示に基づいて前記移載部を制御する手動移載とを実行可能な制御部と、を備える移載システム。
【請求項2】
前記作業者の指示が入力される入力部と、
前記撮影画像を表示する表示部と、をさらに備える、請求項1に記載の移載システム。
【請求項3】
前記撮影画像のデータを前記表示部に送信すると共に、前記指示を示す指示データを前記入力部から受信する通信部をさらに備える、請求項2に記載の移載システム。
【請求項4】
前記カメラ部は、前記物品の移載元および移載先の両方を撮影し、
前記表示部は、前記移載元の撮影画像と、前記移載先の撮影画像との両方を表示する、請求項2または3に記載の移載システム。
【請求項5】
前記カメラ部において、前記制御部が利用する撮影画像と、前記表示部が表示する撮影画像とは、同じカメラで作成される、請求項2または3に記載の移載システム。
【請求項6】
前記カメラ部において、前記制御部が利用する撮影画像と、前記表示部が表示する撮影画像とは、異なるカメラで作成される、請求項2または3に記載の移載システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記自動移載において、前記移載部が前記物品の保持または移載を所定回数失敗した場合、前記手動移載に切り替える、請求項1から3の何れか1項に記載の移載システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記自動移載と前記手動移載とを、切替えを示す、前記作業者の切替指示に基づいて切り替える、請求項1から3の何れか1項に記載の移載システム。
【請求項9】
前記移載部は、
前記物品を保持するピッキングヘッドと、
前記ピッキングヘッドを昇降させると共に、平面視において前記ピッキングヘッドを2方向へ移動させる駆動部と、
を含む請求項1から3の何れか1項に記載の移載システム。
【請求項10】
物品を搬送する搬送部と、前記搬送部の一端側に設置され、前記物品を保持して移載する移載部と、前記物品を撮影して撮影画像を作成するカメラ部と、を備える移載システムの制御方法であって、
前記撮影画像に基づいて前記移載部を制御する自動移載と、作業者からの指示に基づいて前記移載部を制御する手動移載とを切り替えるステップを含む、移載システムの制御方法。
【請求項11】
請求項10に記載の移載システムの制御方法における上記切り替えるステップをコンピュータに実行させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物流における物品の移載システム、並びにその制御方法および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物流倉庫等においては、多種多量の物品を効率よく出荷先別に出荷容器へ選別仕分けするために、ロボットアーム等のピッキング装置(移載装置)を備える移載システムが用いられている。この種の移載システムに関し、特許文献1には、上記ピッキング装置が物品を自動的に移載する自動移載と、作業者が自身の手を用いて物品を移載する手作業移載と、を実行できる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-070143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の構成の場合、上記自動移載にて、上記ピッキング装置が物品の保持または移載に失敗した場合、上記自動移載から上記手作業移載に切り替えて、上記失敗の復旧作業を行うことになる。このとき、上記ピッキング装置と上記作業者とが接触する可能性がある危険空間から上記ピッキング装置を退避させた後、保持または移載に失敗した物品を上記作業者が上記手作業移載により保持して移載することになる。そして、上記手作業移載が完了した場合、上記危険空間から上記作業者が退避した後、上記自動移載に戻ることになる。このように、上記自動移載と上記手作業移載との切替えには、作業者の安全確保のための時間がかかることになる。
【0005】
本発明の一態様は、物品の保持または移載に失敗した場合に該失敗の復旧作業を迅速に行うことができる移載システム等を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る移載システムは、物品を搬送する搬送部と、前記搬送部の一端側に設置され、前記物品を保持して移載する移載部と、前記物品を撮影して撮影画像を作成するカメラ部と、前記撮影画像に基づいて、或いは、作業者の指示に基づいて、前記移載部を制御する制御部と、を備える。
【0007】
また、本発明の他の態様に係る制御方法は、物品を搬送する搬送部と、前記搬送部の一端側に設置され、前記物品を保持して移載する移載部と、前記物品を撮影して撮影画像を作成するカメラ部と、を備える移載システムの制御方法であって、前記撮影画像に基づいて前記移載部を制御する自動移載と、作業者からの指示に基づいて前記移載部を制御する手動移載とを切り替えるステップを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、物品の保持または移載に失敗した場合に該失敗の復旧作業を迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る移載システムの概要を示す斜視図である。
図2】上記移載システムの概要を示す平面図である。
図3】上記移載システムにおける搬送部および移載部による動作の一例を示す図である。
図4】上記移載システムの概要を示すブロック図である。
図5】上記移載システムの制御部における自動移載の処理の一例を示すフローチャートである。
図6】上記制御部における手動移載の処理の一例を示すフローチャートである。
図7】本発明の別の実施形態に係る移載システムの概要を示すブロック図である。
図8】本発明の他の実施形態に係る移載システムの概要を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、説明の便宜上、各実施形態に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付記し、適宜その説明を省略する。
【0011】
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について、図1図6を参照して説明する。なお、以下の説明では、例えば、物品を2つの第1および第2容器の間で移載する移載システムを構成した場合を例示して説明する。また、第1および第2容器は、各々移載システム1の外部に出荷される出荷容器を構成し得る。
【0012】
(移載システムの概要)
図1は、本実施形態に係る移載システム1の概要を示す斜視図である。図2は、移載システム1の概要を示す平面図である。移載システム1は、物流倉庫等において物品2の移載を行うものである。図1および図2に示すように、本実施形態の移載システム1は、搬送部11、移載部12、カメラ部13、支持フレーム14、制御部15、および端末部16を含む。
【0013】
(搬送部)
搬送部11は、物品2を収容する第1容器17および第2容器18をY方向(前後方向、第1方向)へ搬送するものである。具体的には、搬送部11は、Z方向下側に設けられた搬入用コンベア11a・11bと、Z方向上側に設けられた搬出用コンベア11c・11dとを含む。搬入用コンベア11a・11bによって第1容器17および第2容器18がY方向前側にそれぞれ搬送される。また、搬出用コンベア11c・11dによって第1容器17および第2容器18がY方向後側にそれぞれ搬送される。
【0014】
さらに、搬送部11は、移動機構11eおよび筐体11fを含む。移動機構11eは、搬入用コンベア11aからの第1容器17を第1移載位置P1に順次移動させると共に、搬入用コンベア11bからの第2容器18を第2移載位置P2に順次移動させる。また、移動機構11eは、第1移載位置P1に配置された第1容器17を搬出用コンベア11cに順次移動させると共に、第2移載位置P2に配置された第2容器18を搬出用コンベア11cに順次移動させる。筐体11fは、移動機構11eを収容する。
【0015】
(移載部)
移載部12は、搬送部11のY方向前端側(一端側)に設置され、第1移載位置P1に配置された第1容器17に収容された物品2を保持して、第2移載位置P2に配置された第2容器18へ移載するものである。移載部12は、搬送部11の移動機構11eおよび筐体11fのZ方向上側に、架台等(図示せず)によって設置される。
【0016】
移載部12は、物品2を保持するピッキングヘッド12aと、該ピッキングヘッド12aをZ方向へ昇降させると共に、平面視においてピッキングヘッド12aをX方向およびY方向の2方向へ移動させる駆動部12bとを含む。ピッキングヘッド12aは、例えば、物品2を吸着する1つまたは複数の吸着パッド等から構成される。ピッキングヘッド12aは、第1容器17に収容される物品2に対して上方から吸着し、物品2を吊った状態で保持する。
【0017】
駆動部12bは、固定レール12c、第1可動レール12d、第2可動レール12e、および支持アーム12fを含む。固定レール12cは、X方向に沿って設置される。第1可動レール12dは、Z方向に沿って設置され、固定レール12cに沿ってX方向に往復移動する。第2可動レール12eは、Y方向に沿って設置され、第1可動レール12dに沿ってZ方向に往復移動する。
【0018】
支持アーム12fは、Z方向に沿って設置され、第2可動レール12eに沿ってY方向に往復移動する。また、支持アーム12fは、Z方向下側にピッキングヘッド12aが取り付けられている。これにより、移載部12は、駆動部12bの動作を制御することにより、ピッキングヘッド12aをXYZの3方向へ往復移動させることができる。
【0019】
移載部12は、例えば6軸ロボット等の移載ユニットに比べて、構造がシンプルであり、多列のコンベヤレイアウトにも適応し易い。このため、移載部12を用いることにより、移載システム1のレイアウト設計の自由度が向上する。
【0020】
(カメラ部)
カメラ部13は、移載部12の上方に配置され、物品2を撮影して撮影画像を作成するものである。カメラ部13は、第1カメラ13aおよび第2カメラ13bを含む。第1カメラ13aは、第1移載位置P1に配置された第1容器17を撮影することにより、第1容器17に収容された1または複数の物品2を撮影する。第2カメラ13bは、第2移載位置P2に配置された第2容器18を撮影することにより、第2容器18に収容された1または複数の物品2を撮影する。なお、カメラ部13は、ライト等を含めてもよく、第1カメラ13aおよび第2カメラ13bは、各々ライト等により所定の照度で照らした状態で、物品2を撮影してもよい。
【0021】
(支持フレーム)
支持フレーム14は、カメラ部13を支持する枠体である。支持フレーム14は、平面視で移載部12に対しY方向と直交するX方向(左右方向、第2方向)に隣接してそれぞれ設置される支持部14a・14aと、支持部14a・14a間に架設される梁部材14b・14bとを含む。Y方向前側の梁部材14bの適所には、第1カメラ13aおよび第2カメラ13bが設置される。なお、梁部材14bは、1本でもよいし、3本以上でもよい。
【0022】
支持部14a・14aのそれぞれは、2本の柱部材14c・14d、桁部材14e、および補強部材14fを含む。柱部材14c・14dは、Y方向に配列され、固定部材14g・14hにより、移載システム1の設置場所に固定される。桁部材14eおよび補強部材14fは、柱部材14c・14d間に架設される。
【0023】
なお、梁部材14b・14bは、桁部材14e上に設置されてもよいし、柱部材14c・14dに設置されてもよい。また、補強部材14fは、2本以上であってもよいし、省略してもよい。また、支持部14a・14aのそれぞれが4本以上の柱部材によって立設されている場合、梁部材14b・14bを省略してもよい。この場合、第1カメラ13aおよび第2カメラ13bは、支持部14a・14aの適所にそれぞれ設置すればよい。
【0024】
(制御部および端末部)
制御部15は、移載システム1における各部を制御するものであり、例えばCPU(Central Processing Unit)及びメモリを含むコンピュータによって構成される。そして、各種構成の動作制御は、制御プログラムをコンピュータに実行させることによって行われる。なお、制御部15の詳細は後述する。
【0025】
端末部16は、移載システム1に対する操作を作業者S(図2)が行うためのものである。端末部16は、キーボード、タッチパネル、ジョイスティック等の入力部16aと、所定の情報を表示する表示部16bとを有している。これらの制御部15および端末部16は、移載システム1の制御機器の一例であり、後述の前ガード部24の外側であって、かつ作業エリア25に対し移載部12が設けられている側とは反対側(Y方向前側)に設置されている。
【0026】
具体的には、制御部15は、図示しない電気配線を各々介して搬送部11、移載部12、カメラ部13、および端末部16に接続されている。制御部15は、搬送部11および移載部12から各々動作状態などの所定の情報を取得するとともに、搬送部11および移載部12への指示信号などの所定の指令信号を各々出力する。制御部15は、カメラ部13の第1カメラ13aおよび第2カメラ13bに対して、オン・オフ信号などの所定の指示信号を各々出力するとともに、第1カメラ13aおよび第2カメラ13bから各々撮影データを取得する。制御部15は、端末部16から作業者Sの操作に応じた指示信号などを受信するとともに、搬送部11、移載部12、およびカメラ部13から取得した情報を端末部16に送信する。
【0027】
(ガード)
本実施形態の移載システム1では、移載部12は、ピッキングヘッド12aをXYZの3方向へ往復移動させる動作を行う。このため、図1および図2に示すように、移載部12の周囲には、安全性の観点から、作業者Sなどが移載部12と接触する可能性を大幅に低減するためのガードが設けられている。具体的には、本実施形態では、ガードとして、上記制御機器側からY方向後方に向かって、横ガード部21と、前ガード部24と、後ガード部41とが順次設けられている。
【0028】
(横ガード部)
図1および図2に示すように、支持部14a・14aのそれぞれは、移載部12とそのX方向の外部とを仕切る横ガード部21を含む。横ガード部21は、透明板22と透明板22を保持する枠部材23とを含む。これにより、作業者Sを含む人がX方向から進入して移載部12と接触することを防止でき、その結果、移載システム1の安全性を向上することができる。
【0029】
さらに、支持部14a・14aのそれぞれに横ガード部21が設けられているので、移載部12とそのX方向の外部とを仕切るガード部を、支持部14a・14aのX方向外側に新たに設ける必要が無い。その結果、移載システム1の省スペース化を図ることができる。
【0030】
ところで、2つの支持部14a・14aは、移載部12に対し、X方向に隣接して設置されているから、移載部12のZ方向下側に位置する搬送部11の筐体11fとも隣接している。そこで、本実施形態では、支持部14aの下部の領域、すなわち、筐体11fと対向する領域では、横ガード部21が省略されている。これにより、横ガード部21を設ける領域を減らすことができる。一方、作業者Sが支持部14aの下部から進入して移載部12と接触することは、筐体11fによって防止できる。すなわち、支持部14aの下部の領域は、筐体11fが移載部12とそのX方向の外部との仕切となる。
【0031】
(前ガード部)
図1および図2に示すように、移載システム1において、平面視で移載部12に対して搬送部11とは反対側に設定される作業エリア25と、その外部とを仕切るように前ガード部24が設けられている。前ガード部24は、2つの支持部14a・14aと接続されている。
【0032】
作業エリア25は、作業者Sが物品2を保持して移載する手作業移載を行うためのスペースである。つまり、本実施形態の移載システム1は、移載部12が物品2を保持して自動的に移載する自動移載と、作業者Sが作業エリア25内に入って物品2を保持して移載する手作業移載との両方を実行可能となっている。また、前ガード部24は、作業エリア25の周囲に作業エリア25に隣接して設けられている。
【0033】
具体的には、前ガード部24は、複数の固定式ガード部26と可動式ガード部27とを連結して含む。固定式ガード部26は、透明板31と該透明板31を保持する枠部材32とを含む。枠部材32のZ方向下側の隅部は、固定部材26aにより、移載システム1の設置場所に固定される。また、Y方向後側の固定式ガード部26・26は、支持部14a・14aのY方向前側にそれぞれ連結している。
【0034】
可動式ガード部27は、作業エリア25への作業者Sの出入口扉を構成するものであり、固定用枠部材33と、固定用枠部材33内に設けられる可動部材34とを含む。固定用枠部材33のZ方向下側の隅部は、固定部材33aにより、移載システム1の設置場所に固定される。可動部材34は、固定用枠部材33に対しヒンジ部材(図示せず)等を介して回動可能に設けられている。可動部材34は、透明板35と、該透明板35を保持する枠部材36とを含む。
【0035】
以上により、作業者Sを含む人が作業エリア25に不用意に進入して移載部12と接触することを防止でき、その結果、移載システム1の安全性を向上することができる。また、前ガード部24が作業エリア25に隣接して設けられているので、前ガード部24を設けることによる移載システム1の設置空間の増大を抑制することができる。
【0036】
なお、移載システム1が自動移載のみ実行可能である場合、作業エリア25は、移載部12を監視者が監視するための監視エリアとして設定されてもよい。或いは、作業エリア25は省略されてもよい。このとき、前ガード部24は、移載部12のY方向前側に、移載部12と隣接して設ければよい。
【0037】
(後ガード部)
図1および図2に示すように、移載システム1には、搬送部11のY方向前端に対し、X方向に隣接し、かつ、上記前端とそのX方向の外部とを仕切る後ガード部41・41が設けられている。後ガード部41は、透明板42と、透明板42を保持する枠部材43とを含む。後ガード部41・41のY方向前側は、支持部14a・14aのY方向後側にそれぞれ連結(接続)している。また、枠部材43のZ方向下側の隅部は、固定部材43aにより、移載システム1の設置場所に固定される。さらに、後ガード部41・41の間には補強部材44・45が設けられている。
【0038】
これにより、作業者Sを含む人が搬送部11から進入して移載部12と接触することを防止でき、その結果、移載システム1の安全性を向上することができる。また、後ガード部41が搬送部11に隣接して設けられているので、後ガード部41を設けることによる移載システム1の設置空間の増大を抑制することができる。
【0039】
また、本実施形態の前ガード部24、横ガード部21、および後ガード部41では、透明板22・31・35・42を実質的なガードとして設けている。これにより、本実施形態では、移載システム1の作業者Sは、監視者として移載システム1の外部から搬送部11および移載部12を監視することができる。なお、透明板22・31・35・42の代わりに、柵、網、その他の形状のガードを用いてもよい。
【0040】
(移載部および搬送部の動作)
上記構成の移載システム1において、制御部15は、まず、搬送部11の搬入用コンベア11a・11bに指示して、第1容器17および第2容器18をY方向後方からY方向前端に搬入し、これを継続する。また、制御部15は、搬送部11の搬出用コンベア11c・11dに指示して、第1容器17および第2容器18をY方向前端部からY方向後方に搬出し、これを継続する。
【0041】
次に、制御部15は、搬送部11の移動機構11eに対し、第1容器17および第2容器18の移動指示を行う。これにより、移動機構11eは、搬入された第1容器17および第2容器18を第1移載位置P1および第2移載位置P2にそれぞれ移動させる。次に、制御部15は、カメラ部13が撮影した第1容器17および第2容器18の撮影画像に基づき移載部12に移載指示を行う。これにより、移載部12は、第1移載位置P1の第1容器17に収容された物品2を保持して、第2移載位置P2の第2容器18に移載する。
【0042】
次に、制御部15は、搬送部11の移動機構11eに対し、第1容器17の移動指示を行う。これにより、移動機構11eは、第1移載位置P1の第1容器17を搬出用コンベア11cに移動させると共に、搬入された次の第1容器17を第1移載位置P1に移動させる。搬出用コンベア11cに移動された第1容器17は、Y方向後方に搬出される。
【0043】
制御部15が上記第1容器17の移動指示と上記移載指示とを繰り返すことにより、第2容器18に所要の物品2が収容される。そして、制御部15は、搬送部11の移動機構11eに対し、第1容器17および第2容器18の移動指示を行う。これにより、第1移載位置P1の第1容器17を搬出用コンベア11cに移動させると共に、第2移載位置P2の第2容器18を搬出用コンベア11dに移動させる。搬出用コンベア11cに移動された第1容器17と、搬出用コンベア11dに移動された第2容器18とは、Y方向後方に搬出される。
【0044】
図3は、搬送部11および移載部12による動作の一例を示す図である。まず、図3の動作1001に示すように、第1移載位置P1の第1容器17内の移載すべき物品2aとピッキングヘッド12aとが接触するように、固定レール12c上を第1可動レール12dがX方向に移動し、第1可動レール12d上を第2可動レール12eがZ方向下側に移動し、第2可動レール12e上を支持アーム12fがY方向に移動する。
【0045】
次に、図3の動作1002に示すように、ピッキングヘッド12aが物品2aを保持してZ方向上側に移動するように、ピッキングヘッド12aが物品2aを吸引し、第1可動レール12d上を第2可動レール12eがZ方向上側に移動する。次に、図3の動作1003に示すように、ピッキングヘッド12aが物品2aを、第2移載位置P2の第2容器18内の適所からZ方向上側の位置に移動するように、固定レール12c上を第1可動レール12dがX方向に移動し、第2可動レール12e上を支持アーム12fがY方向に移動する。
【0046】
次に、図3の動作1004に示すように、上記適所にピッキングヘッド12aが物品2aを載置するように、第1可動レール12d上を第2可動レール12eがZ方向下側に移動して、ピッキングヘッド12aが物品2aの保持を解除する。このとき、搬送部11の移動機構11eが、第1移載位置P1の第1容器17を搬出用コンベア11cへ移動させると共に、搬入された次の第1容器17を第1移載位置P1へ移動させる。
【0047】
そして、図3の動作1005に示すように、ピッキングヘッド12aが次に移載すべき物品2を移載するために、第1可動レール12d上を第2可動レール12eがZ方向上側に移動する。このとき、搬送部11の移動機構11eにより、第1容器17の搬出用コンベア11cへの移動が完了すると共に、次の第1容器17の第1移載位置P1への移動が完了する。
【0048】
(制御部および端末部の詳細)
図4は、本実施形態の移載システム1の概要を示すブロック図である。本実施形態では、上述の自動移載および手作業移載と共に、作業者Sが端末部16に指示することにより、移載部12が物品2を保持して移載する手動移載を実行可能である。なお、図4では、搬送部11の制御については省略している。
【0049】
カメラ部13は、上述のように、第1移載位置P1の第1容器17と、第2移載位置P2の第2容器18とを撮影して、撮影画像を作成する。カメラ部13は、上記撮影画像を示す撮影画像データを制御部15および端末部16に送信する。
【0050】
端末部16は、入力部16a、表示部16b、および報知部16cを含む。入力部16aは、作業者Sが入力した上記指示を受け付けて、該指示を示す指示データを作成する。入力部16aは作成した指示データを制御部15に送信する。
【0051】
表示部16bは、カメラ部13からの上記撮影画像をリアルタイムで表示する。これにより、作業者Sは、上記撮影画像を参照しつつ、制御部15に指示することができる。さらに、表示部16bは、第1移載位置P1における移載元の物品2の撮影画像と、第2移載位置P2における移載先の物品2の撮影画像とをリアルタイムで表示する。これにより、作業者Sは、上記移載元の物品2の撮影画像と、上記移載先の物品2の撮影画像との両方を参照できるので、移載部12の制御が容易となる。
【0052】
また、表示部16bに表示される撮影画像は、制御部15の画像取得部15aが取得する撮影画像とは、同じカメラ(第1カメラ13aおよび第2カメラ13b)で作成されたものである。従って、表示部16bに表示される撮影画像を作成するためのカメラを新たに設ける必要が無い。なお、表示部16bに表示される撮影画像と、制御部15の画像取得部15aが取得する撮影画像とは、異なるカメラで作成されてもよい。
【0053】
報知部16cは、制御部15から取得した報知指示のデータに基づき、作業者Sへの報知を行うものである。報知部16cが行う報知の例としては、発光素子を用いて点滅させたり、スピーカを用いて音声を出力したり、表示部16bを用いて情報を表示出力したり、無線通信デバイスを用いて情報を作業者Sの携帯端末に送信したりすることが挙げられる。
【0054】
制御部15は、画像取得部15a、画像処理部15b、指示取得部15c、および駆動制御部15dを含む。上記自動移載では、画像取得部15a、画像処理部15b、および駆動制御部15dが利用され、上記手動移載では、指示取得部15cおよび駆動制御部15dが利用される。
【0055】
画像取得部15aは、第1容器17および第2容器18に収容された物品2の撮影画像のデータをカメラ部13から取得する。画像取得部15aは、取得した撮影画像のデータを画像処理部15bに送出する。
【0056】
画像処理部15bは、上記撮影画像に対し画像処理を行って、物品2aを移載するための移載データを取得する。画像処理部15bは、取得したデータを駆動制御部15dに送出する。
【0057】
具体的には、画像処理部15bは、上記撮影画像に対し画像処理を行って、第1容器17および第2容器18に収容された物品2の画像を抽出し、該物品2のX方向およびY方向の位置(以下、「XY座標」と称する。)を特定する。なお、上記画像処理は公知であるので、その説明を省略する。次に、画像処理部15bは、特定した物品2のXY座標に基づき、第1容器17における移載すべき物品2aのXY座標を選択し、当該物品2aを第2容器18に載置する位置のXY座標を特定する。そして、画像処理部15bは、上記移載データとして、移載すべき物品2aのXY座標のデータと、上記載置するXY座標のデータとを駆動制御部15dに送出する。
【0058】
指示取得部15cは、端末部16からの指示データを取得する。該指示データが示す指示の例としては、ピッキングヘッド12aをX方向またはY方向へ移動させる移動指示、移載すべき物品2aの保持指示および解放指示、上記自動移載および上記手動移載の切替指示、などが挙げられる。指示取得部15cは、取得した指示データを駆動制御部15dに送出する。
【0059】
駆動制御部15dは、ピッキングヘッド12aが物品2を保持して移載するように駆動部12bを制御する。駆動制御部15dの動作は、上記自動移載と上記手動移載とで異なる。
【0060】
(自動移載処理)
図5は、制御部15における上記自動移載の処理の一例を示すフローチャートである。図5に示すように、まず、画像取得部15aは、カメラ部13からの撮影画像のデータを取得するまで待機する(S11)。
【0061】
画像取得部15aが上記撮影画像のデータを取得すると(S11にてYES)、画像処理部15bは、上記撮影画像に対し画像処理を行って、第1容器17および第2容器18に収容された物品2の画像を抽出し、該物品2のXY座標を特定する(S12)。次に、画像処理部15bは、特定した物品2のXY座標に基づき、第1容器17における移載すべき物品2aのXY座標を選択し、当該物品2aを第2容器18に載置する位置のXY座標を特定する(S13)。次に、駆動制御部15dは、移載すべき物品2aのXY座標にピッキングヘッド12aを移動するように、駆動部12bを指示する(S14)。
【0062】
次に、駆動制御部15dは、上記物品2aの保持を駆動部12bに指示する(S15)。このとき、駆動部12bは、まず、ピッキングヘッド12aをZ方向下側に移動(下降)する。ピッキングヘッド12aと上記物品2aとが接触すると、駆動部12bは、上記移動を停止して、ピッキングヘッド12aが上記物品2aを吸着して保持する。そして、駆動部12bは、ピッキングヘッド12aをZ方向上側に移動(上昇)する。なお、駆動制御部15dは、上記物品2aの保持を駆動部12bに指示する代わりに、上記物品2aの保持に関する駆動部12bの上記動作を駆動部12bに指示してもよい。
【0063】
次に、駆動制御部15dは、ピッキングヘッド12aが上記物品2aを保持しているか否かを判断する(S16)。これは、ピッキングヘッド12aが上記物品2aを吸着しているか否かにより判断できる。上記物品2aを保持している場合(S16にてYES)、駆動制御部15dは、上記載置するXY座標にピッキングヘッド12aを移動するように、駆動部12bに指示する(S17)。
【0064】
次に、駆動制御部15dは、上記物品2aの解放を駆動部12bに指示する(S18)。このとき、駆動部12bは、まず、ピッキングヘッド12aを下降する。ピッキングヘッド12aが第2容器18の底面付近に到達すると、駆動部12bは、上記移動を停止して、ピッキングヘッド12aによる上記物品2aの吸着を終了する。これにより、上記物品2aはピッキングヘッド12aから解放されて、第2容器18内に載置される。そして、駆動部12bは、ピッキングヘッド12aを上昇する。その後、ステップS11に戻って、上記自動移載の処理を繰り返す。なお、駆動制御部15dは、上記物品2aの解放を駆動部12bに指示する代わりに、上記物品2aの解放に関する駆動部12bの上記動作を駆動部12bに指示してもよい。
【0065】
一方、上記物品2aを保持していない場合(S16にてNO)、駆動制御部15dは、上記物品2aを連続して保持できなかった回数が所定回数に達したか否かを判断する(S19)。上記回数が所定回数未満である場合(S19にてNO)、ステップS15に戻って、上記物品2aの保持を繰り返す。一方、上記回数が所定回数に達した場合(S19にてYES)、駆動制御部15dは、上記物品2aの保持に失敗したと判断して、その旨の報知を指示する報知指示データを端末部16の報知部16cに送信する(S20)。
【0066】
その後、駆動制御部15dは、上記自動移載の処理を終了して、上記手動移載の処理に移行する。これにより、上記自動移載から上記手動移載に自動的に切り替えることができる。また、上記報知により、作業者Sは、手動移載を行う必要があることを認識できる。
【0067】
(自動移載処理の変形例)
なお、自動移載の処理は、図5に示す例に限定されるものではない。例えば、制御部15は、通常の自動移載の処理(S11~S15・S17・S18)を実行している場合に、物品2aの保持または移載に失敗したことを検知すると、上記通常の自動移載の処理を終了し、上記失敗の報知を指示する報知指示データを端末部16の報知部16cに送信し、その後、上記手動移載の処理に移行してもよい。
【0068】
(手動移載処理)
図6は、制御部15における上記手動移載の処理の一例を示すフローチャートである。図6に示すように、指示取得部15cは、端末部16の入力部16aから指示データを取得するまで待機する(S31)。指示取得部15cが上記指示データを取得すると(S31にてYES)、駆動制御部15dは、上記指示データが示す指示が、上記切替指示であるか否かを判断する(S32)。
【0069】
上記切替指示である場合(S32にてYES)、駆動制御部15dは、上記手動移載の処理を終了して、上記自動移載の処理に移行する。これにより、作業者Sが、上記自動移載と上記手動移載とを切り替えることができる。
【0070】
上記切替指示ではない場合(S32にてNO)、駆動制御部15dは、上記指示データが示す指示に従って、駆動部12bを制御する(S33)。その後、ステップS31に戻って、上記手動移載の処理を繰り返す。
【0071】
具体的には、上記指示が上記移動指示である場合、駆動制御部15dは、駆動部12bに指示して、ピッキングヘッド12aをX方向またはY方向に所定量移動させる。これにより、作業者Sは、端末部16の入力部16aに上記移動指示を行うことにより、ピッキングヘッド12aを、保持または移載に失敗した物品2aの直上に移動させたり、上記物品2aを載置する位置の直上に移動させたりすることができる。
【0072】
また、上記指示が上記保持指示である場合、駆動制御部15dは、移載すべき物品2aの保持を駆動部12bに指示する。このときの駆動部12bの動作は、図5のステップS15の場合と同様である。また、上記指示が上記解放指示である場合、駆動制御部15dは、上記物品2aの解放を駆動部12bに指示する。このときの駆動部12bの動作は、図5のステップS18の場合と同様である。
【0073】
このように、作業者Sは、端末部16の入力部16aに上記移動指示、上記保持指示、および上記解放指示を入力することにより、自動移載にて保持または移載に失敗した物品2aを、移載部12が保持して移載することができる。すなわち、上記失敗の復旧作業を実行できる。そして、上記失敗の復旧作業が終了すると、作業者Sは、端末部16の入力部16aに上記切替指示を入力することにより、上記自動移載の処理に戻ることができる。
【0074】
以上のように、制御部15は、移載すべき物品2aのXY座標(位置)に基づいて移載部12を制御する自動移載において物品2aの保持または移載に失敗した場合でも、作業者Sの指示に基づいて移載部12を制御する手動移載に切り替えて、上記失敗の復旧作業を実行できる。従って、自動移載から手作業移載に切り替える場合のように、移載部12と作業者Sとが接触する可能性がある危険空間から移載部12を退避させる必要が無いので、上記失敗の復旧作業を迅速に行うことができる。
【0075】
また、作業者Sは、XY方向(2方向)への移動指示を入力部16aに入力すればよく、Z方向(昇降方向)への移動指示を入力部16aに入力する必要が無い。その結果、移載部12の制御が容易となる。なお、制御部15が移載部12に対しZ方向への移動指示を実行できる場合には、作業者SがZ方向への移動指示を入力部16aに入力できるようになっていてもよい。
【0076】
〔実施形態2〕
本発明の別の実施形態について、図7を参照して説明する。本実施形態では、上述の自動移載および手作業移載と共に、作業者Sが物品2を目視しつつ端末部16に指示することにより、移載部12が物品2を保持して移載する手動移載を実行可能である。このため、端末部16は、タブレット、スマートフォンなど、作業者Sが携帯可能な端末装置であることが望ましい。
【0077】
図7は、本実施形態の移載システム1の概要を示すブロック図である。図7に示す移載システム1は、図1図6に示す移載システム1に比べて、カメラ部13が撮影した撮影画像のデータを端末部16に送信する構成が省略されている点が異なり、その他の構成および処理は同様である。
【0078】
本実施形態では、端末部16は、物品2の撮影画像を表示しなくてもよい。また、作業者Sは、作業エリア25、横ガード部21および前ガード部24の外側など、移載部12における物品2を目視できる位置に居れば良い。
【0079】
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、図8を参照して説明する。
【0080】
図8は、本実施形態の移載システム1の概要を示すブロック図である。図8に示す移載システム1は、図1図6に示す移載システム1に比べて、通信部CSがさらに設けられている点と、制御部15と端末部16との間における情報のやりとりが、通信部CSを介して行われる点と、カメラ部13が撮影画像のデータを端末部16に直接送信する代わりに、画像取得部15aおよび通信部CSを介して端末部16に送信する点と、が異なり、その他の構成は同様である。なお、通信部CSと共に、通信ネットワークNTが本実施形態の移載システム1に設けられてもよい。
【0081】
通信部CSは、情報の送受信を行うものである。通信部は、送受信回路などの通信デバイスを備えている。具体的には、通信部CSは、制御部15の画像取得部15aから受信した撮影画像のデータを端末部16の表示部16bに送信すると共に、端末部16の入力部16aから受信した指示データを制御部15の指示取得部15cに送信する。
【0082】
本実施形態では、移載部12から離間した作業者Sであっても、表示部16bに表示された物品2aの撮影画像を参照して物品2aの保持および移載を行うことができる。その結果、遠隔地における作業者Sであっても、上記失敗の復旧作業を行うことができる。
【0083】
〔ソフトウェアによる実現例〕
移載システム1(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に制御部15に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0084】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0085】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0086】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0087】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0088】
〔まとめ〕
以上のように、本発明の態様1に係る移載システムは、物品を搬送する搬送部と、前記搬送部の一端側に設置され、前記物品を保持して移載する移載部と、前記物品を撮影して撮影画像を作成するカメラ部と、前記撮影画像に基づいて前記移載部を制御する自動移載と、作業者の指示に基づいて前記移載部を制御する手動移載とを実行可能な制御部と、を備える。
【0089】
上記の構成によると、制御部は、物品の撮影画像に基づいて移載部を制御する自動移載において物品の保持または移載に失敗した場合でも、作業者の指示に基づいて移載部を制御する手動移載に切り替えて、前記失敗の復旧作業を行うことができる。従って、自動移載から手作業移載に切り替える場合のように、前記移載部と前記作業者とが接触する可能性がある危険空間から前記移載部を退避させる必要が無いので、前記失敗の復旧作業を迅速に行うことができる。
【0090】
本発明の態様2に係る移載システムは、上記態様1において、前記作業者の指示が入力される入力部と、前記撮影画像を表示する表示部と、をさらに備えてもよい。この場合、作業者は、物品を直接視認できなくても、表示部に表示された物品の撮影画像を参照して、入力部に指示を入力することにより、前記失敗の復旧作業を行うことができる。
【0091】
本発明の態様3に係る移載システムは、上記態様2において、前記撮影画像のデータを前記表示部に送信すると共に、前記指示を示す指示データを前記入力部から受信する通信部をさらに備えてもよい。この場合、移載部から離間した作業者であっても、表示部に表示された物品の撮影画像を参照して物品の保持および移載を行うことができる。
【0092】
本発明の態様4に係る移載システムは、上記態様2・3において、前記カメラ部は、前記物品の移載元および移載先の両方を撮影し、前記表示部は、前記移載元の撮影画像と、前記移載先の撮影画像との両方を表示してもよい。この場合、作業者が、前記移載元の撮影画像と前記移載先の撮影画像との両方を参照できるので、移載部の制御が容易となる。
【0093】
本発明の態様5に係る移載システムは、上記態様2・3において、前記カメラ部において、前記制御部が利用する撮影画像と、前記表示部が表示する撮影画像とは、同じカメラで作成されてもよい。この場合、前記表示部に表示される撮影画像を作成するために新たなカメラを設ける必要が無い。
【0094】
本発明の態様6に係る移載システムは、上記態様2・3において、前記カメラ部において、前記制御部が利用する撮影画像と、前記表示部が表示する撮影画像とは、異なるカメラで作成されてもよい。
【0095】
本発明の態様7に係る移載システムは、上記態様1~6において、前記自動移載において、前記移載部が前記物品の保持または移載を所定回数失敗した場合、前記手動移載に切り替えてもよい。この場合、自動移載から手動移載に自動的に切り替えることができる。
【0096】
本発明の態様8に係る移載システムは、上記態様1~7において、前記制御部は、前記自動移載と前記手動移載とを、切替えを示す、前記作業者の切替指示に基づいて切り替えてもよい。この場合、前記作業者が、前記自動移載と前記手動移載とを切り替えることができる。
【0097】
本発明の態様9に係る移載システムは、上記態様1~8において、前記移載部は、前記物品を保持するピッキングヘッドと、前記ピッキングヘッドを昇降させると共に、平面視において前記ピッキングヘッドを2方向へ移動させる駆動部と、を含んでもよい。この場合、作業者は、前記2方向への移動を入力すればよいので、移載部の制御が容易となる。
【0098】
本発明の態様10に係る移載システムの制御方法は、物品を搬送する搬送部と、前記搬送部の一端側に設置され、前記物品を保持して移載する移載部と、前記物品を撮影して撮影画像を作成するカメラ部と、を備える移載システムの制御方法であって、前記撮影画像に基づいて前記移載部を制御する自動移載と、作業者からの指示に基づいて前記移載部を制御する手動移載とを切り替えるステップを含む。この場合、上記態様1と同様の効果を奏する。
【0099】
本発明の各態様に係る移載システムおよびその制御方法は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記移載システムおよびその制御方法がそれぞれ備える各部および各ステップ(ソフトウェア要素)として動作させることにより上記移載システムおよびその制御方法をコンピュータにて実現させる移載システムの制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0100】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0101】
1 移載システム
2、2a 物品
11 搬送部
11a、11b 搬入用コンベア
11c、11d 搬出用コンベア
11e 移動機構
11f 筐体
12 移載部
12a ピッキングヘッド
12b 駆動部
12c 固定レール
12d 第1可動レール
12e 第2可動レール
12f 支持アーム
13 カメラ部
13a 第1カメラ
13b 第2カメラ
14 支持フレーム
14a 支持部
15 制御部
15a 画像取得部
15b 画像処理部
15c 指示取得部
15d 駆動制御部
16 端末部
16a 入力部
16b 表示部
16c 報知部
17 第1容器
18 第2容器
21 横ガード部
24 前ガード部
25 作業エリア
26 固定式ガード部
27 可動式ガード部
41 後ガード部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8